JP2013043130A - 除湿装置、及び除湿装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 水を電気分解して生成された水素及び酸素の少なくとも何れか一方の被処理ガスを流通させることにより該被処理ガスの水分を吸着する吸着筒を備えてなり、該吸着筒が、水分を吸着する吸着剤と、該吸着剤を収容する収容領域を有する筒本体と、該筒本体内に配され且つ前記吸着剤を加熱することにより、吸着した水分を前記吸着剤から脱離させる加熱部とを有する除湿装置であって、前記筒本体が、屈折部を有する管であることを特徴とする除湿装置を提供する。
【選択図】 図3
Description
水を電気分解して得られるガスには水分が含まれているために、ボンベ詰めを行う前に前記除湿装置を用いて水分を除去することが行われている。
また、ボンベ詰めを行わない場合でも、ガスに水分が含まれているとドレンを生じる問題がある点、及び、ガスにおいて不純物となる水分を除去するという点で、除湿装置を用いてガスの水分を除去することが行われている。
近年、例えば、自動車などの移動体に積載して水素ガスや酸素ガスの消費地まで水素−酸素発生装置を搬送し、該消費地においてこれらのガスを発生させることが要望されるようになってきている。
このようなことから水素−酸素発生装置のみならず前記除湿装置にはコンパクト化が要求されるようになってきているが、これまで据置利用することを想定されてきたこれらの装置をコンパクト化させることは殆ど検討されておらず、その解決策も十分に確立されていない。
従って、上記要望を満足させることが困難な状況になっている。
本実施形態の除湿装置は、水を電気分解して生成された水素及び酸素の少なくとも何れか一方の被処理ガスを流通させることにより該被処理ガスの水分を吸着する吸着筒を備えている。該吸着筒は、水分を吸着する吸着剤と、該吸着剤を収容する収容領域を有する筒本体と、該筒本体内に配され且つ前記吸着剤を加熱することにより、吸着した水分を前記吸着剤から脱離させる加熱部とを有する。前記筒本体は、屈折部を有する管である。
前記被処理ガスAは、水を電気分解することにより生成されるため、通常、水分を含んでいる。また、前記被処理ガスAは、前記除湿装置1によって水分が除去されて様々な用途で利用され得る。
本実施形態の除湿装置1と組み合わせて用いられる前記被処理ガスAを生成する装置、即ち、水を電気分解して水素及び酸素を生成するための装置としては、従来公知の一般的な装置を用いることができる。
本実施形態においては、吸着剤を備えた吸着筒21内を被処理ガスAが流通できるように、大気圧を超える圧力をかけた前記被処理ガスAが前記除湿装置1に供給される場合を例にして、当該除湿装置1を説明する。
前記供給弁11は、除湿装置1外から供給された被処理ガスAを第1供給配管10a又は第2供給配管10bのいずれかに送るように構成されている。
前記第1供給配管10aは、一端側に取り付けられた供給弁11から被処理ガスAを第1吸着ユニット71に供給できるように構成されている。
前記第2供給配管10bは、一端側に取り付けられた供給弁11から被処理ガスAを第2吸着ユニット72に供給できるように構成されている。
斯かる構成により、除湿装置1外から供給された被処理ガスAは、供給弁11を経て、第1供給配管10a又は第2供給配管10bのいずれかに供給される。
前記排出弁13は、第1吸着ユニット71又は第2吸着ユニット72のいずれかにおいて生じ且つ第1排出配管12a又は第2排出配管12bを経て送られてきた乾燥ガスを、除湿装置1外へ排出するように構成されている。
前記第1排出配管12aは、第1吸着ユニット71において生じた乾燥ガスを第1吸着ユニット71から排出し、前記排出弁13に送るように構成されている。
前記第2排出配管12bは、第2吸着ユニット72において生じた乾燥ガスを第2吸着ユニット72から排出し、前記排出弁13に送るように構成されている。
斯かる構成により、第1吸着ユニット71又は第2吸着ユニット72において生じた乾燥ガスが、排出弁13を経て、除湿装置1外へ排出される。
前記除湿装置1は、上記のごとく構成されていることから、前記第1吸着ユニット71内にて、吸着筒21が前記被処理ガスAの水分を吸着している間、前記第2吸着ユニット72内にて、吸着筒21に収容され既に水分を吸着した吸着剤が、加熱により水分を脱離し、加熱再生され得る。
また、前記除湿装置1は、前記第2吸着ユニット72で被処理ガスAの水分除去を行いつつ第1吸着ユニット71の吸着剤を加熱再生させた際には、逆に、排出弁13を通じて一部の乾燥ガスをパージ用ガスとして第1吸着ユニット71に逆流させ、前記加熱再生によって第1吸着ユニット71内に発生した水蒸気及び熱を第1供給配管10aに取り付けられた前記第1放出弁14aを通じて系外に放出できるように構成されている。
前記除湿装置1は、斯かる構成を有することにより、吸着ユニット71、72内で発生した水蒸気及び熱を除去することができる。
また、前記筒本体41には、被処理ガスAの流通方向の両端側にそれぞれ通気孔(図示せず)が形成されており、筒本体41は、一端側の通気孔(図示せず)から供給された被処理ガスAが、他端側の通気孔(図示せず)から排出されるように構成されている。
本実施形態の除湿装置1は、前記筒本体41が屈折部41bを有する管であることから、前記筒本体が屈折部を備えない従来の除湿装置に比して、一方向に長大となることが抑制されるため、水分の除去効率が低下することが抑制されつつ設置スペースに制約が生じるおそれが抑制されうる。
前記屈折部41bの空洞部分にも、吸着剤及び加熱部51が設けられていてもよい。本実施形態の除湿装置1は、斯かる構成を有することにより、屈折部41bでも被処理ガスAから水分を除去することができ、また、吸着剤に吸着した水分も効率良く系外に排出することができるという利点がある。
前記管41が斯かる構成を有することにより、本実施形態の除湿装置1は、前記筒本体41の外表面積が広くなり、加熱により水分が脱離された吸着剤が効率良く冷却されるという利点がある。また、外表面に凹部及び凸部を有していない管である筒本体に比して、筒本体41の外表面積が同じであるならば、冷却効率を同等に保ちつつ、筒本体41の長さを短くできるという利点がある。
また、冷却効率が高まることによって、前記除湿装置1は、吸着剤を加熱し水分が離脱された時から吸着剤が十分に冷却されるまでの時間を短縮することができるという利点を有する。
ところで、従来の除湿装置は、前記除湿装置1と同様に、2つの吸着筒を備えてなる。そして、従来の除湿装置は、一の吸着筒の吸着剤を加熱し冷却する間に、他の吸着筒の吸着剤で被処理ガスから水分を除去するように構成されている。よって、従来の除湿装置は、一の吸着筒の吸着剤を加熱し冷却する時間がかかればかかるほど、他の吸着筒で処理すべき被処理ガスの量も増加する。従って、大量の被処理ガスを処理するために他の吸着筒が備えるべき吸着剤の量が多くなり、結果的に除湿装置自体が大型化してしまうという問題がある。
これに対して、本実施形態の除湿装置1は、前記管41が外表面に凹部及び凸部の少なくとも何れかを有することにより、筒本体41の外表面積が大きくなるため、筒本体41が冷却されやすく、該筒本体41内に設けられる吸着剤を冷却する時間を短縮できるという利点がある。さらに、本実施形態の除湿装置1は、筒本体41内に加熱部51が設けられた構成となっていることから、筒本体の外周に加熱部が設けられた従来の除湿装置に比して、筒本体41が冷却されやすく、該筒本体41内に設けられる吸着剤を冷却する時間を短縮できるという利点がある。従って、本実施形態の除湿装置1は、コンパクト化が図りやすく、設置スペースに制約が生じるおそれが抑制される。
従って、本実施形態の除湿装置1は、水分の除去効率が低下することが抑制されつつ設置スペースに制約が生じるおそれが抑制されうるという利点を有する。
さらに、本実施形態の除湿装置1は、上述したように、筒本体41が冷却されやすいことから、該筒本体41を冷却するために、パージ用ガスとして乾燥ガスを使用する量も抑制することができるという利点も有する。
該管41の材質としては、例えば、ステンレス鋼、チタン等が挙げられ、その他には、ニッケルを主成分とした合金等も挙げられる。該合金は、ニッケルを40質量%以上含有する。該合金に含まれる、ニッケル以外の成分としては、モリブデン、クロム、鉄等が挙げられる。
前記管41の外表面にフィン(図示せず)が設けられていることにより、本実施形態の除湿装置1は、前記管である筒本体41の外表面積がより一層広くなり、加熱により水分が脱離された吸着剤が効率良く冷却されるという利点がある。また、前記管41の外表面にフィン(図示せず)が設けられてない場合に比して、筒本体41からの冷却効率を同等に保ちつつ、筒本体41の長さを短くできるという利点がある。
従って、斯かる構成を有することにより、本実施形態の除湿装置1は、水分の除去効率が低下することがより一層抑制されつつ設置スペースに制約が生じるおそれがより一層抑制されうる。
前記フィンは(図示せず)、前記管41の周方向に沿って延在してもよい。
さらに、該加熱部51は、円筒状の筒本体41の中心軸を通るように配されている。
さらに、該加熱部51は、例えば、棒状の電気ヒータを備え、該電気ヒータにより筒本体41に収容された吸着剤を加熱できるように構成されている。
なお、従来の除湿装置は、加熱部である電気ヒータが筒本体の外周に巻き付けられた構成となっており、電気ヒータから発生した熱の一部が、筒本体41内の吸着剤を加熱せずにそのまま系外に放出されてしまうという問題がある。斯かる問題から、従来の除湿装置としては、電気ヒータ及び筒本体をくるむシート状の保温材を備えた構成の装置も知られている。しかし、該保温材を有する除湿装置は、加熱された吸着剤が冷却され難くなるという問題がある。
これに対し、電気ヒータが筒本体の外周に巻き付けられた従来の除湿装置に比して、筒本体41内に前記加熱部51が配されていることにより、本実施形態の除湿装置1は、効率良く吸着剤を加熱することができるという利点があり、さらに、効率良く吸着筒21を冷却することができる利点を有する。
具体的には、前記支持部材61としては、例えば図2に示すように、加熱部51の外周に線材が巻回されてなる巻回部61aと、該巻回部61aから外方側へ筒本体41の内側面に向けて線材が放射状に延びてなる複数の脚部61bと、該脚部61bの外方側端部を折り曲げることにより筒本体41の内側面に沿って線材が配され、且つ折り曲げられた線材の反発弾性力により筒本体41の内側面を押圧するように構成された複数の押圧部61cとを備えたものを用いることができる。斯かる支持部材61は、複数の押圧部61cの反発弾性力により筒本体41内における移動が規制されている。即ち、筒本体41内において、巻回部61aの位置が固定されている。これにより、支持部材61は、巻回部61aを介して棒状の加熱部51の移動を規制しており、加熱部51を支持することができる。
また、前記支持部材61としては、例えば、円筒状の空間を形成させるように金属線材を螺旋状に巻回し、螺旋状に巻回した後に筒本体41の内側面に当接するまで金属線材を放射状に延ばし、さらに金属線材を折り曲げて筒本体41の内側面に沿うように延ばし、その後放射方向と反対方向へ金属線材を折り返して形成された、図2に示すような支持部材61を用いることができる。
前記ダクト80は、図3に示すような、前記吸着筒21を固定する固定台81と、図5に示すような、前記筒本体21を覆うカバー82とを備えてもよい。そして、前記ダクト80は、図4に示すように、前記固定台81と前記カバー82との間に前記吸着筒21を収容するように構成されてもよい。
さらに、前記ダクト80は、図4に示すように、加熱された吸着剤を冷却するために、吸着剤を収容した吸着筒21の外側から前記固定台81と前記カバー82との間に風を送る送風機83を備えてもよい。
前記壁板81aは、長方形の金属板に織り目が幅方向に延在するように山折りと谷折りとが繰り返されることにより側面視階段状となるように形成されており、具体的には、山/谷/山/谷/山の5つの折り曲げ箇所を備えている。
前記側壁82bは、その下端縁が前記壁板81aと同じく側面視階段状となるように形成されている。
即ち、前記カバー82は、側壁82bの下端部を壁板81aの側縁部に固定することにより前記固定台81との間に断面形状が横長矩形となる気体の流路を形成させ得るようになっており、気体の流通方向に向けてジグザグとなる流路を形成させ得るようになっている。
しかも、ダクト80の幅よりも長い吸着筒41に複数の屈折部41bを形成させる形で吸着筒41をダクト80の内部に収容させており、図3に示した態様においては、コンパクトで吸着筒80の冷却効率に優れた吸着ユニット71、72が形成されている。
本実施形態の除湿装置の製造方法では、前記筒本体41を形成するための直状の管内を、内部に前記棒状のヒータが配され且つ前記吸着剤が充填された状態にした後、該管を屈折させて、前記筒本体41が屈折部41bを有する管で形成された除湿装置1を製造する。
このようにすることで管を曲げた後にヒータや吸着剤を充填させる方法に比べて棒状の電気ヒータを前記コルゲート管の中心軸を通るように配することが容易に実施できる。
この時、内部に吸着剤がすでに充填されていることから、管の座屈が防止されるとともに管を曲げることによってヒータに局所的な応力が加わることを抑制させることができ、より曲率半径の小さな屈折部41bを形成させることができる。
さらに、前記コルゲート管は、外表面の凸部の高さと凹部の高さとの差(管の中心軸から凸部の外方側先端までの距離と、管の中心軸から凹部の内方側基端までの距離との差の絶対値)が、例えば2mm〜4mmの範囲内であることが好ましい。この差が、2mm以上であることにより、該コルゲート管の表面積が大きくなるという利点がある。また、この差が、4mm以下であることにより、該コルゲート管を屈折させた際に屈折部の曲げ半径が小さくなりやすいという利点がある。
また、前記コルゲート管は、該管の軸方向に隣接する凸部の外方側先端どうしの距離が、3〜5mmの範囲内であることが好ましい。この距離が3〜5mmの範囲内であることにより、前記コルゲート管の表面積が大きくなるという利点があり、更に、該コルゲート管を屈折させやすいという利点がある。
前記コルゲート管としては、凸部と凹部とが環状に独立し、該凹部と凸部とが被処理ガスAの流通方向に沿って交互に繰り返されているタイプ(以下「環状コルゲート管」ともいう)のものと凹部と凸部とが螺旋状に設けられて被処理ガスAの流通方向に沿って凹部と凸部とが交互に繰り返されているタイプ(以下「螺旋状コルゲート管」ともいう)とが一般に用いられているが、同じ材質で、同じ肉厚のコルゲート管であれば屈折部41bの曲げ半径を小さくする上においては環状コルゲート管の方が有利である。
一方で、コルゲート管は、凸部に相当する部分が内面側において溝のような状態になっているために、環状コルゲート管では一度に多量の吸着剤を収容させようとした際に溝内に隙間が形成されやすい。
これに対し螺旋状コルゲート管では、溝が管の一方から他方まで螺旋状に連続しているために隙間が形成され難いという利点を有する。
また、螺旋状コルゲート管では、例えば、前記ヒータを収容させるのに際して支持部材61の脚部61bの先端をこの螺旋状の溝に収容させて管とヒータとを軸周りに相対回転させることでこの溝に沿って支持部材61を管内に進行させることができ、ヒータを自動的に管内に引き込ませることができる。
さらに、螺旋状コルゲート管は、管自体の製作が容易であるという利点を有する。
即ち、これらのコルゲート管を用いて筒本体41を形成させることで、コンパクトな除湿装置1をより一層簡便に作製することができる。
前記除湿装置1においては、被処理ガスAが、吸着剤を備えた複数の吸着筒21を流通することにより、被処理ガスAに含まれる水分を吸着剤に吸着させ、被処理ガスAに含まれる水分を除去することができる。
また、前記除湿装置1においては、上述したように、例えば図1に示す供給弁11を操作することにより、水分を含む被処理ガスAを第1吸着ユニット71へ供給し、第1吸着ユニット71にて被処理ガスAの水分を吸着剤に吸着させることができる。一方、第1ユニットにて被処理ガスAの水分を吸着剤に吸着させている間、第2吸着ユニット72にて、加熱部51を加熱することにより既に水分を吸着した吸着剤から水分を脱離させ、吸着剤を加熱再生させることができる。水分を脱離した吸着剤は、加熱部51の加熱を止め、例えば放置することにより冷却することができる。
また、前記除湿装置1においては、所定の時間間隔をあけて、上述したように水分を含む被処理ガスAの供給先を第1吸着ユニット71又は第2吸着ユニット72のいずれか一方へ変えることにより、被処理ガスAの除湿を一端止めることなく、連続的に行うことができる。
また、一般の除湿装置において用いられる種々の態様を、本発明の効果を損ねない範囲において、採用することができる。
例えば、本実施形態の除湿装置1は、前記吸着ユニット71、72の何れか一方で生成された乾燥ガスを、パージ用ガスとして他方の吸着ユニット71、72に供給して、該他方の吸着ユニット71、72内に発生した水蒸気及び熱を系外に放出するように構成されてなるが、本発明の除湿装置1は、図7に示すように、前記一方の吸着ユニット71、72で生成された乾燥ガスの代わりに、別途用意した乾燥ガスBをパージ用ガスとして前記他方の吸着ユニット71、72に供給して、該他方の吸着ユニット71、72内に発生した水蒸気及び熱を系外に放出するように構成されてもよい。
また、本発明の除湿装置1は、前記ファンからの冷風、前記パージ用ガス、及び前記冷媒からなる群より選ばれた1以上の媒体によって、前記吸着筒21が冷却されるように構成されてもよい。
また、本発明の除湿装置1は前記屈折部を2以上有することが好ましい。2以上の複数の屈折部を有する構造にすることで、全長が同じ長さとなり且つ屈曲部を1つしか有しない吸着筒に比して、除湿装置が一方向に長くなるのを抑制でき、除湿装置をコンパクトにすることが可能となる。
また、本実施形態では屈折部と直線部を有する吸着筒について説明したが、これに限定されず、直線部を備えず、屈折部からなる吸着筒としても良い。具体的には、本発明の除湿装置1は、バネ状(コイル状)となるように吸着筒を連続的に屈折させて構成させてもよい。このように構成した場合、吸着筒のバネ状に巻かれた部分に囲まれた領域に冷却のための冷却配管を設置して冷却時に当該冷却配管内に冷媒を流通させるようにしても良く、また、該領域に該冷却配管を設置せずに単に吸着筒の外周付近に空気を流通するようにしても良い。
前記支持部材61の斯かる変形例は、図8に示すように、丸棒状の加熱部51を覆うように3つの三割管体が組み合わされてなる管状部61pと、前記三割管体の両端からそれぞれ外方に延びる矩形板状のフランジ部61qとを有し、前記三割管体の両端から延びる合計6枚のフランジ部61qは、隣り合うもの同士が2枚重ね合わされて前記管状部61pの中心から3方に放射状に延びる板状支持脚を形成しており、該板状支持脚の先端を筒本体41の内面に当接させて前記管状部61pに挿通させた棒状の加熱部51を前記筒本体41の中心部において支持し得るように形成されている。
斯かる支持部材61は、例えば、一枚の短冊状の金属板を折り曲げ加工したものが3つ組み合わされて形成されており、具体的には、フランジ部61qが重ね合わされて前記板状支持脚が形成され、フランジ部61qが前記金属板の両端部によって形成されている。また、重ね合わされているフランジ部61qにおいては、先端部よりも管状部61p寄りの位置においてスポット溶接Zされて接合がなされている。
なお、斯かる支持部材61においては、管状部61pの中心から前記板状支持脚の先端に延びる仮想線間の角度が120°となるように、前記板状支持脚が配されている。
金属は、吸着剤よりも熱伝導性が高いため、フランジ部61q又は脚部61bが備えられている金属製の支持部材61を用いることにより、斯かる支持部材61を用いない態様に比して、加熱部51による加熱時に、加熱部51から離れた位置に存在する吸着剤まで、フランジ部61q又は脚部61bにより加熱部51からの熱を伝えやすくなり、吸着剤全体を効率よく加熱することができるという利点がある。
また、前記支持部材61が金属板で形成され且つフランジ部61qを有することにより、前記支持部材61が金属線材で形成されている場合に比して、加熱部51と支持部材61との接触効率が高まりやすく、更に支持部材61と吸着剤との接触面積も大きくなりやすいため、加熱部51から離れた位置に存在する吸着剤まで、フランジ部61qにより加熱部51からの熱を伝えやすくなり、吸着剤全体を効率よく加熱することができるという利点がある。
さらに、前記支持部材61を金属板で形成することにより、前記支持部材61を金属線材で形成する場合に比して、支持部材61の制作が容易であるため、コストを抑えやすいという利点がある。
前記支持部材61の変形例は、図9に示すように、一対の半割管体が組み合わされてなる管体部61xと、前記半割管体の両端からそれぞれ外方に延びるフランジ部61yとを有し、該フランジ部61yが前記半割管体の一端側で重ね合わされて接合されているとともに、他端側では互いに離間する方向に延びて前記管体部61xの中心から3方に放射状に延びる板状支持脚を形成しており、該板状支持脚の先端を筒本体41の内面に当接させて前記管体部61xに挿通させた棒状の加熱部51を前記筒本体41の中心部において支持し得るように形成されたものである。
前記管体部61xは、フランジ部61y同士が接合されている側において半割管体同士の相対位置が略固定された状態となっているものの他方においては半割管体同士を離間させ得るように形成されており、その径をある程度の範囲において拡縮自在に変化させ得るように形成されている。
斯かる支持部材61は、例えば、一枚の短冊状の金属板を折り曲げ加工して形成されており、重ね合わされているフランジ部61yを除く2つのフランジ部61yは、前記金属板の両端部によって形成されている。一方で、重ね合わされているフランジ部61yは、前記金属板の折り目となる先端部において互いに接合されており、該先端部よりも管体部61x寄りの位置においてスポット溶接Zされてさらなる接合がなされている。
なお、斯かる支持部材61においては、管体部61xの中心から前記板状支持脚の先端に延びる仮想線間の角度が120°となるように、前記板状支持脚が配されている。しかも、管状部61pの中心から前記板状支持脚の先端に延びる仮想線に沿って3つの板状支持脚が配された支持部材(図8で示した変形例)と異なり、半割管体の他端側から延びる2つの板状支持脚は、前記仮想線に沿うように配されていない。
この除湿装置1は、吸着筒21の管41がU字管となっている。該管41は、半円状に屈曲した屈曲部41bと、該屈曲部41bの両端から互いに平行して延びる2つの直線部41cとを備えている。図10(a)においては、前記屈曲部41bは正面視下側に配され、対となる前記直線部41cは前記屈曲部41bの両端から鉛直方向に延び左右に離間するように配されている。
該除湿装置1には、前記屈曲部41bと対の前記直線部41cとを全て覆うことができる板が2枚備えられており、前記吸着筒21は、2枚の前記板に正面(前面)側及び背面(後面)側から挟まれて除湿装置1に備えられている。該板は、左右の幅が、屈曲部41bの直径よりもわずかに長く、鉛直方向の長さが、屈曲部41bの半径と、直線部41cの長さとの合計の長さよりもわずかに長くなっている。このように、2枚の板で前記吸着筒21が前後から挟まれて、該除湿装置1には、左右と下方の3方が吸着筒21によって包囲され且つ前後が前記板で包囲された内部空間が形成されている。また、該除湿装置1は、前記内部空間の上側を封止する封止部を有し、前記内部空間から上側への気体の流通が抑制されているが、前記吸着筒21の管41がコルゲート管で形成されて、前記管41と前記板との間には、該コルゲート管の凹部により隙間が形成され、該隙間により前記内部空間と系外とが前記封止部以外で連通している。背面側の前記板は、中央部に開口部を有し、該開口部には、系外から前記内部空間に気体を供給する送風機83が2つ設けられている。該除湿装置1は、前記送風機83によって前記内部空間に気体を供給することにより、該気体が前記隙間を通じて系外に排出されるように構成されている。該除湿装置1は、前記気体が前記隙間を流通することで、前記吸着筒21が冷却されるように構成されている。
上記のような構成を有するものを1ユニットとし2以上のユニットを組み合わせて吸着ユニット70としても良い。その場合に、例えば、2つのユニットを組み合わせるのであれば、図11(図11(a)は、吸着ユニット70の正面図であり、図11(b)は、該吸着ユニット70の側面図であり、図11(c)は、該吸着ユニット70の背面図であり、図11(d)は、図11(c)のA−A断面矢視図である。)に示すように、第1ユニットの背面側に設けられている送風機83を取り除くとともに、第2ユニットの正面側の板を取り除いて該第2ユニットの正面側に前記第1ユニットを取り付けるようにしても良い。即ち、第1ユニットの背面側の開口を有する板を介して、第1ユニットの内部空間と第2ユニットの内部空間とを連通させて、第2ユニットの送風機83で第1ユニットの内部空間に気体を供給させるようにしても良い。
また、図12(図12(a)は、吸着ユニット70の正面図であり、図12(b)は、該吸着ユニット70の側面図であり、図12(c)は、該吸着ユニット70の背面図であり、図12(d)は、図12(c)のB−B断面矢視図であり、図12(e)は、図12(b)のA−A断面矢視図である。)のように、直線部41cが図11の直線部41cよりも短い態様である場合には、前記送風機83が1つであってもよい。
なお、実際の使用態様では、上記方向での使用を要しない。
該選択機構としては、例えば、前記内部空間内を前後に移動可能なシャッターと、該シャッターを前後に移動させるための駆動装置とを備えたものが挙げられ、具体的には、吸着筒21の太さと同じ幅を有する板を吸着筒21よりも一回り小さいU字状に曲げられてなるシャッターを吸着筒21の内側に沿わせて配し、該シャッターを手前側に配したときに一吸着筒21(以下、「第1吸着筒21」ともいう。)への気流を遮らせるとともに他吸着筒21(以下、「第2吸着筒21」ともいう。)のみに気流を供給し、該シャッターを前記駆動装置で奥側に移動させたときに前記第2吸着筒21への気流を遮らせるとともに、前記第1吸着筒21のみに気流を供給させるように構成されたものが挙げられる。
この吸着ユニット70を使っての運転方法を説明すると、まずシャッターを手前側に位置させ、手前側の前記第1吸着筒21を内部空間から隔離した状態にしつつ、該第1吸着筒21内に被処理ガスを流通させつつ、該第1吸着筒21内の吸着剤に被処理ガスに含まれる水分を吸着させる。次いで、この第1吸着筒21の吸着性能が低下した段階で被処理ガスの流路を奥側の前記第2吸着筒21側に切り替え、前記第1吸着筒21は加熱部による加熱再生を行う。このとき、シャッターがあることで前記第1吸着筒21からの放熱が抑制され、第2吸着筒21が加熱されることも防止できる。その後、第1吸着筒21の吸着剤が再生された段階で、シャッターを前記駆動装置で奥側に移動させ、送風機83による送風を開始する。そして、前記第1吸着筒21に前記送風機83による風を当てて前記第1吸着筒21を冷却させる。その後、第2吸着筒21の吸着性能が低下した段階で、この十分に冷却された第1吸着筒21に被処理ガスの流路を切り替え、先に示したのと同様に、第2吸着筒21の再生を実施する。このように、一つの吸着ユニット70を使って図1に示した第1吸着ユニット71と第2吸着ユニット72との両方の機能を発揮させることができる。
Claims (5)
- 水を電気分解して生成された水素及び酸素の少なくとも何れか一方の被処理ガスを流通させることにより該被処理ガスの水分を吸着する吸着筒を備えてなり、該吸着筒が、水分を吸着する吸着剤と、該吸着剤を収容する収容領域を有する筒本体と、該筒本体内に配され且つ前記吸着剤を加熱することにより、吸着した水分を前記吸着剤から脱離させる加熱部とを有する除湿装置であって、
前記筒本体は、屈折部を有する管であることを特徴とする除湿装置。 - 前記加熱部が、棒状に形成されており、前記吸着筒は、前記筒本体内に配され且つ前記加熱部を前記筒本体の中心軸に沿って支持できるように構成された支持部材を更に備えている請求項1記載の除湿装置。
- 前記管の外表面に接するフィンを更に備えている請求項1又は2記載の除湿装置。
- 前記吸着筒を収容し且つ該吸着筒を冷却する気体が流通するダクトが備えられ、該ダクトは、該ダクト内を流通する気体の流路がジグザクとなるように形成されている請求項1〜3の何れかに記載の除湿装置。
- 水を電気分解して生成された水素及び酸素の少なくとも何れか一方の被処理ガスを流通させることにより該被処理ガスの水分を吸着する吸着筒を備え、該吸着筒が、水分を吸着する吸着剤と、該吸着剤を収容する収容領域を有する筒本体と、該筒本体内に配され且つ前記吸着剤を加熱することにより、吸着した水分を前記吸着剤から脱離させる加熱部とを有する除湿装置を製造する除湿装置の製造方法であって、
前記筒本体を形成するための直状の管内を、内部に前記加熱部が配され且つ前記吸着剤が充填された状態にした後、該管を屈折させて、前記筒本体が屈折部を有する管で形成された除湿装置を製造することを特徴とする除湿装置の製造方法。
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