JP2014198279A - 除湿装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】加熱器の負担を軽減することにより吸着剤の再生を効率的に行うとともに運転コストの抑制が可能な除湿装置を提供する。
【解決手段】カートリッジ50の各充填層52は、一方の側面側に位置し吸着剤としてのシリカゲルにより形成されたシリカゲル層52Aと、他方の側面側に位置し他の吸着剤としてのゼオライトにより形成されたゼオライト層52Bとを有する二層構造をなしており、原ガスの除湿時には、各充填層52の一方の側面側に供給された原ガスが、上記シリカゲル層52Aそして上記ゼオライト層52Bの順に各層を通気して他方の側面側に抜けるようなガス流を形成し、吸着剤の再生時には、各充填層52の他方の側面側に供給された加熱ガスが、上記ゼオライト層52Bそして上記シリカゲル層52Aの順に各層を通気して一方の側面側に抜けるようなガス流を形成するように構成されている。
【選択図】図3
【解決手段】カートリッジ50の各充填層52は、一方の側面側に位置し吸着剤としてのシリカゲルにより形成されたシリカゲル層52Aと、他方の側面側に位置し他の吸着剤としてのゼオライトにより形成されたゼオライト層52Bとを有する二層構造をなしており、原ガスの除湿時には、各充填層52の一方の側面側に供給された原ガスが、上記シリカゲル層52Aそして上記ゼオライト層52Bの順に各層を通気して他方の側面側に抜けるようなガス流を形成し、吸着剤の再生時には、各充填層52の他方の側面側に供給された加熱ガスが、上記ゼオライト層52Bそして上記シリカゲル層52Aの順に各層を通気して一方の側面側に抜けるようなガス流を形成するように構成されている。
【選択図】図3
Description
本発明は、水分を含む原ガスの除湿装置に関し、特に、吸着剤により水分を吸着させ除去して乾燥ガスを得る除湿装置に関する。
近年、様々な産業分野において高度な除湿システムが求められるようになっている。特に、電機製造分野や電子分野では、リチウムイオン電池、偏光フィルム、半導体、有機ELなどの製造工程において、非常に低い湿度管理が求められるため、専用の低露点空間が工場内に設けられ、低露点空間への乾燥空気の供給に除湿システムが使用される。また、一般空調分野でも、ビル空調向けや、スーパーマーケットにおける冷蔵、冷凍ショーケースへの着霜防止のための店内空調や、病院や福祉施設における冷房病防止のため室温を下げずに除湿する空調に、除湿システムが使用される。
除湿にも様々な方式があるが、中でも吸着により水分を除湿する吸着剤を用いる方式(以下、デシカント空調方式)は、エネルギー効率に優れ、ガス温度を低下させることがなく、また冷媒としてフロンを使用しないため、普及が進んできている。
デシカント空調では、除湿ロータを用いた方式が提案されている(特許文献1,2参照)。これらの特許文献1そして特許文献2の装置においては、吸着剤を備えたハニカム構造体の除湿ロータを回転させ、吸着除湿と脱着再生を行うこととしている。
特許文献1,2に開示されている除湿ロータを用いる方式では、原ガス中の水分を吸着剤に吸着させる際に発生する吸着熱が吸着剤構造体内部に蓄積することを抑制するため、ハニカム構造体を採用し、熱の放散を容易にしている。また、ハニカム構造体であるため、通ガス時の圧力損失を低く抑えるようにしている。
特許文献1,2の除湿装置では、吸着剤の脱着再生のための再生用空気は、所定温度以上に加熱されてから除湿ロータに導入され、脱着再生に供される。上記再生用空気の加熱は、加熱器としての加熱ヒータのみにより行われている。したがって、短時間で完全に再生を行おうとすると、再生時に供給する加熱ガス流量の除湿ガス流量に対する比率が過大となる。この結果、加熱ヒータの負担が大きくなり、脱着再生の効率が低下する。例えば、特許文献1,2のようなハニカム構造体による除湿ロータを採用している場合は、上述の比率が30%から100%となって、過大となる。また、加熱ヒータの負担が増大することにより、該加熱ヒータの運転費用が過大となり運転コストが高くなる。
そこで、本発明は、加熱器の負担を軽減することにより吸着剤の再生を効率的に行うとともに運転コストの抑制が可能な除湿装置を提供することを課題とする。
本発明に係る除湿装置は、水分を含有する原ガスから水分を除去し乾燥ガスを得る。
かかる除湿装置において、本発明では、原ガス中の水分を吸着して除湿する吸着剤を収納する吸着塔と、原ガス中の水分を吸着させ除湿を行うために原ガスを該吸着塔に送る除湿手段と、水分を吸着した上記吸着剤から水分を脱着して吸着剤の再生を行うために上記吸着塔に加熱ガスを供給する再生手段とを備え、上記吸着塔に収納される吸着剤が、吸着塔内に装入及び取り外し可能なカートリッジとして形成され、該カートリッジは、上記吸着剤により形成され上記原ガスもしくは加熱ガスが側面から通気する平板状の充填層が、複数平行となるように配置されていると共に、各充填層は、一方の側面側に位置し第一の吸着剤により形成された第一の吸着剤層と、他方の側面側に位置し再生好適温度が第一の吸着剤より高い第二の吸着剤により形成された第二の吸着剤層とを有する二層構造をなしており、原ガスの除湿時には、各充填層の一方の側面側に供給された原ガスが、上記第一の吸着剤層そして上記第二の吸着剤層の順に各層を通気して他方の側面側に抜けるようなガス流を形成し、吸着剤の再生時には、各充填層の他方の側面側に供給された加熱ガスが、上記第二の吸着剤層そして上記第一の吸着剤層の順に各層を通気して一方の側面側に抜けるようなガス流を形成するように構成されていることを特徴とする除湿装置。
本発明では、吸着剤の再生時にて、再生用ガスを加熱器で加熱して生成された加熱ガスが、第二の吸着剤層を通気してから、第一の吸着剤層を通気する。第二の吸着剤は、再生に適した温度(再生好適温度という)が第一の吸着剤と比較して高い。したがって、第二の吸着剤層において、該第二の吸着剤の再生に適した温度で水分の脱着が行われて加熱ガスが降温しても、該加熱ガスがその後に通気する第一の吸着剤層において、第一の吸着剤の再生に適した温度で水分の脱着が行われるようにすることができる。つまり、第二の吸着剤層での脱着操作で消費されなかった加熱ガスの熱エネルギーを、第一の吸着剤層の脱着操作に有効利用することができる。この結果、その熱エネルギーを有効利用できる分だけ、再生用ガスを加熱して加熱ガスとする加熱器の負担を軽減することができる。
本発明において、第一の吸着剤がシリカゲルであり、第二の吸着剤がゼオライトであることとすることができる。
本発明において、第一の吸着剤が高分子系除湿剤であり、第二の吸着剤がシリカゲルであることとすることができる。
本発明において、吸着塔は少なくとも二つ設けられていて、一つの吸着塔において除湿を行うとともに、他の吸着塔において吸着剤の再生を行うように、除湿手段と再生手段とが構成されているようにすることができる。こうすることで、一方の吸着塔と他方の吸着塔で、除湿と再生を交互に行うことができ、その結果、除湿と再生を中断させることなく連続して実行できる。
本発明において、吸着塔は少なくとも二つのカートリッジを備え、一つのカートリッジにおいて除湿を行うとともに、他のカートリッジにおいて吸着剤の再生を行うように、除湿手段と再生手段とが構成されているようにすることができる。こうすることで、吸着塔が一つでも、二つのカートリッジの切り換えにより、吸着塔全体としては、除湿と再生を中断なく連続して実行できる。
本発明によれば、以上のように、吸着剤の再生時にて、加熱ガスを第一の吸着剤層に先立って再生好適温度が第一の吸着剤より高い第二の吸着剤層で通気させることにより、第二の吸着剤層での脱着操作で消費されなかった加熱ガスの熱エネルギーを、第一の吸着剤層の脱着操作に有効利用することができる。この結果、その熱エネルギーを有効利用できる分だけ、再生用ガスを加熱して加熱ガスとする加熱器の負担を軽減することができるので、吸着剤の再生を効率的に行うとともに運転コストの抑制が可能となる。
以下、添付図面にもとづき、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明に係る除湿装置の実施形態を示す概略構成図である。図1に示すように、本実施形態の除湿装置は、水分を含有する空気(以下、「原ガス」ともいう)中から水分の吸着除湿を行い、水分を吸着した吸着剤の再生を行う装置である。本実施形態における除湿装置は、原ガス中の水分を吸着させるための吸着剤を収納する同一構成の二つの吸着塔A,Bと、原ガス中の水分を吸着させ除湿を行うためにこの吸着塔A,Bに原ガスを送る除湿手段10と、水分を吸着した吸着剤から水分を脱着して吸着剤の再生を行うために吸着塔A,Bに加熱ガスを供給する再生手段20とを有する。本実施形態では、吸着剤を充填した平板状の充填層を平行に複数配置して構成されたカートリッジが、吸着塔A,B内に装着及び取り外しが可能、つまり着脱可能に収納されている。このカートリッジについては、後に詳述する。また、本実施形態では、第一の吸着剤としてシリカゲルが、再生好適温度が第一の吸着剤より高い第二の吸着剤としてゼオライトが使用される。
本実施形態では、上記除湿手段10と再生手段20は、一方が吸着塔Aに接続されているときは他方が吸着塔Bに接続され、そして、その逆の接続も交互になされるように、接続切り換え可能となっている。図1は、除湿手段10が吸着塔Aに、そして再生手段20が吸着塔Bに接続されている状態を示している。
上記除湿手段10は、図1の状態において、原ガスを吸着塔A内に導入するための導入配管11と、この導入配管11の途中に設けられ、原ガス中のダストを除去するフィルタ12、原ガスを吸着塔A内に所定の圧力で導入するためのファン13、吸着塔Aからの後述の乾燥ガスを冷却するクーラ14とにより構成されている。原ガスは、上記ファン13により所定の圧力に加圧されて、吸着塔Aへ供給される。吸着塔A内に供給された原ガスは、収納される吸着剤の間を通過する際に、その中に含有される水分が吸着剤に吸着され、除湿された乾燥ガスが吸着塔Aから抜き出され、クーラ14により冷却され、除湿空間15に送られる。除湿空間15からの排気の一部は、吸着塔Bの吸着剤の再生を行うための再生用ガスとして抜き出される。
一方、上記再生手段20は、図1の状態において、吸着剤に吸着された水分を脱着するために該吸着剤を加熱する加熱ガスを吸着塔Bに供給する導入配管21と、該導入配管21の途中に設けられ再生用ガスを加熱して上記加熱ガスとする加熱器22と、吸着塔Bから含水ガスを排出する排出配管23と、該排出配管23の途中に設けられ上記吸着塔Bからの上記含水ガスを誘引するファン24とを有している。
本実施形態では、図1に示すように、一方の吸着塔Aで原ガス中の水分の吸着、除湿を行っている間に、他方の吸着塔Bにおいて、吸着剤に吸着させた水分の脱着、再生を行う。逆に、吸着塔Bで原ガス中の水分の吸着、除湿を行っている間は、吸着塔Aにおいて、吸着剤に吸着させた水分の脱着、再生を行う。このように、吸着除湿と脱着再生をそれぞれの吸着塔A,Bで交互に行うことで、原ガスの吸着除湿処理を連続して行うことができる。
図1の例では、上述したように、二つの吸着塔A,Bに対して、除湿手段10そして再生手段20を交互に切り換え可能に接続されているが、吸着塔A,Bのそれぞれに対して、除湿手段10と再生手段20の両方を専用に備えるようにして、それぞれの吸着塔A,Bにおいて、専用の除湿手段10と再生手段20とを切り換えて使用するようにしてもよい。
このようにして、吸着塔A,Bと、除湿手段10そして再生手段20とにより、原ガスの吸着除湿と吸着剤の脱着再生は、連続的になされる。その際、原ガスの吸着除湿を行っている吸着塔Aと、吸着剤の脱着再生を行っている吸着塔Bの作動について、以下、さらに詳述する。
<吸着塔A>
除湿処理前に水分を含んでいる原ガスをフィルタ12により除塵し、ファン13により吸着塔Aに供給する。水分は吸着剤に吸着され原ガスが除湿されて乾燥ガスとなる。吸着剤は吸着熱により、発熱するので、除湿後のこの乾燥ガスの利用用途により、必要に応じてクーラ14で冷却する。冷却後の乾燥ガスは、適宜、除湿空間15等の利用設備に供給される。吸着塔Aは、このようにして原ガスを除湿した後、除湿手段10と再生手段20の接続切換えにより、吸着剤の再生に供される。
除湿処理前に水分を含んでいる原ガスをフィルタ12により除塵し、ファン13により吸着塔Aに供給する。水分は吸着剤に吸着され原ガスが除湿されて乾燥ガスとなる。吸着剤は吸着熱により、発熱するので、除湿後のこの乾燥ガスの利用用途により、必要に応じてクーラ14で冷却する。冷却後の乾燥ガスは、適宜、除湿空間15等の利用設備に供給される。吸着塔Aは、このようにして原ガスを除湿した後、除湿手段10と再生手段20の接続切換えにより、吸着剤の再生に供される。
<吸着塔B>
水分を吸着した吸着剤に、導入配管21を経て加熱ガスを供給し、吸着剤を加熱して水分を脱着し、吸着剤を再生する。本実施形態では、図1に見られるように、除湿空間15からの排気の一部を再生用ガスとして抜き出し、該再生用ガスを加熱器22により吸着剤の水分脱着に適した温度に加熱して加熱ガスとする。吸着塔Bから排出配管23を経て抜き出された含水ガス(排ガス)は、ファン24により誘引されて大気へ放出される。
水分を吸着した吸着剤に、導入配管21を経て加熱ガスを供給し、吸着剤を加熱して水分を脱着し、吸着剤を再生する。本実施形態では、図1に見られるように、除湿空間15からの排気の一部を再生用ガスとして抜き出し、該再生用ガスを加熱器22により吸着剤の水分脱着に適した温度に加熱して加熱ガスとする。吸着塔Bから排出配管23を経て抜き出された含水ガス(排ガス)は、ファン24により誘引されて大気へ放出される。
吸着塔B内で脱着再生された吸着剤は、加熱されたままで、また冷却されていない状態であるので、吸着除湿に適した温度にまで冷却される。この冷却は、自然放冷でも乾燥ガスとの接触による冷却でも、あるいは吸着剤充填層内に設けた冷却管や水冷ジャケットによる冷却でもよい。脱着再生された吸着剤は、適温にまで温度が低下した後、吸着除湿運転に供される。
次に、本実施形態で採用されるカートリッジ式吸着剤充填層構造について説明する。
<カートリッジ式吸着剤充填層構造>
本発明のカートリッジ式吸着剤充填層構造を側流式複層構造ということもある。
本発明のカートリッジ式吸着剤充填層構造を側流式複層構造ということもある。
図2に、本実施形態のカートリッジ50の構成の一例を示す。図2に示すように、該カートリッジ50は、例えば、原ガスに対して耐腐食性を有する剛体で構成される筺体51の内部に、既述の吸着剤により形成された平板状の充填層52を、それぞれが平行となるように複数配置することにより構成される。また、間隔をもって互いに隣接する二つの充填層52は対をなしている(図3(A),(B)参照)。つまり、カートリッジ50には、この充填層52の対が複数配列されて設けられている。図2では、充填層52の三つの対が図示されている。
互いに隣接する充填層52の対同士間に形成された第一空間53は、上方には開放されており、下方には筺体51の底壁で閉塞されている。該第一空間53の上開口部53Aは、原ガスの除湿時には原ガスの流入口として、吸着剤の再生時には含水ガスの流出口として機能する(図3(A),(B)参照)。また、各対をなす二つの充填層52同士間に形成された第二空間54は、上方には筺体51の上壁で閉塞されており、下方には開放されている。該第二空間54の下開口部54Aは、原ガスの除湿時には乾燥ガスの流出口として、吸着剤の再生時には加熱ガスの流入口として機能する(図3(A),(B)参照)。そして、この筺体51を吸着塔A,B内部に、装入及び取り外し可能、つまり着脱可能に構成することで、カートリッジとしての吸着剤が構成される。このように、吸着剤をカートリッジ構造として、吸着塔内に着脱可能とすることで、吸着剤の交換や装置内の点検等のメンテナンスを容易に行なうことが可能となる。
また、筺体51の上端には、第二空間54に対応する範囲で、原ガスが直接供給されないようにガスの進入を遮断するための遮断板55が、第二空間54を上方から覆うように設けられている(図3(A),(B)をも参照)。また、筺体51の下端には、第一空間53に対応する範囲で、充填層52を通過しないガスがそのままカートリッジ50の外に排出されないようにするための遮断板56が、第一空間53を下方から覆うように設けられている(図3(A),(B)参照)。これにより、カートリッジ50に供給された原ガス及び加熱ガスは、必ず充填層52を通過して、上開口部53Aあるいは下開口部54Aから排出されるという側流式のガス流れが形成される。
ここで、上記充填層52の構成の一例について説明する。この充填層52は、その外枠となる収納ケースに、吸着剤を充填することで構成できる。なお、該収納ケースには、その中に充填される吸着剤の交換を容易とするための開閉可能な蓋部が設けられており、吸着剤は、収納ケース内において、該蓋部との隙間がなく圧密充填される。収納ケース内に吸着剤を圧密充填する方法としては、例えば、バイブレータで振動を与えながら充填する、充填時に棒などで上から押さえつけるなどの方法が挙げられる。また、吸着剤と蓋部との間にも隙間が生じない様に、グラスウールなどの緩衝材を用いて圧着させてもよい。これにより、この充填層52を通過する原ガス及び加熱ガスのショートパス(吸着剤を透過しない吹き抜け)を防止でき、吸着剤と原ガス及び加熱ガスとの接触効率を高くすることが可能となる。さらに、充填層52を通過する原ガス及び加熱ガスの流速を速くした場合においても、吸着剤の流動を防止できる。
上記収納ケースの形状は、充填層52内を原ガスが均一に通過できること、さらに、ケースの製作が比較的容易であることなどを考慮すると、平板状が一般的であるが、この収納ケースが、実質的に平行な表裏1組の面を、一方をガス流入側面、他方をガス流出側面として有していれば平板状に限られるものではない。
また、上記収納ケースの材質は耐久性、耐熱性の観点から鋼鉄製、ステンレス製などの金属製とすることが好ましく、また、ガス流入側面及びガス流出側面は、これらの金属からなる金網、パンチングメタル(打抜金網)などの通気性を有する素材から形成することが好ましい。上記ガス流入側面及びガス流出側面は通常は平面であり、また、互いに実質的に平行であることが好ましい。なお、これらガス流入側面及びガス流出側面は通常は共に四角形で、かつ、面対称とすることが好ましい。
図3(A),(B)は、図2のカートリッジの一部の縦断面図であり、互いに対向して配置された二つの充填層52付近を拡大して示している。また、図3(A)は、原ガスの除湿時における原ガスの流れを示しており、図3(B)は、吸着剤の再生時における加熱ガスの流れを示している。
図3(A),(B)に見られるように、各充填層52は、一方の側面側(第一空間53側)に位置し第一の吸着剤層としてのシリカゲル層52Aと、他方の側面側(第二空間54側)に位置し再生好適温度が第一の吸着剤より高い第二の吸着剤層としてのゼオライト層52Bとを有する二層構造をなしている。二つの充填層52は、第二空間54に対して対称となるように、すなわちゼオライト層52Bの側面同士が対向するように配されている。本実施形態では、シリカゲル層52Aおよびゼオライト層52Bのそれぞれの層厚(図3(A)),(B)における左右方向での寸法)は、後述するように、各層にて吸着剤の再生に適した温度(以下、「再生好適温度」という)で水分の脱着が行われるような寸法に設定されていることが好ましい。
吸着剤として使用するゼオライト及びシリカゲルの粒径は、小さいほど吸着/脱着速度が上がり有利である。しかし、粒径が小さすぎる場合は、充填層52での圧力損失が大きくなってしまう。また、上記収納ケースにおけるガス流入側面及びガス流出側面として必要な強度を確保しながら、より粒径の小さい吸着剤の保持が可能な、充分に小さい孔を有するガス透過面の作製が困難ないし実用的でなくなる。そのため、吸着剤の粒径は0.5〜2.4mm程度のものが好ましい。
次に、図3(A),(B)により、カートリッジ50内でのガス流れの挙動を説明する。
<原ガスの除湿時>
原ガスの除湿時において、該原ガスは、図3(A)に示すように、第一空間53の上開口部53Aから、上記カートリッジ50の内部に配置された充填層52の一方の側面側(第一空間53側)にのみ供給される。そして、該一方の面側に供給された原ガスは、該シリカゲル層52Aを通気してからゼオライト層52Bを通気して、充填層52の他方の側面側(第二空間54側)に抜けた後、第二空間54の下開口部54Aから乾燥ガスとして排出される。このように、カートリッジ50内に供給された原ガスは、いわゆる側流式のガス流れを形成するように、吸着剤の充填された充填層52の各層をシリカゲル層そしてゼオライト層の順に通気するように構成される。
原ガスの除湿時において、該原ガスは、図3(A)に示すように、第一空間53の上開口部53Aから、上記カートリッジ50の内部に配置された充填層52の一方の側面側(第一空間53側)にのみ供給される。そして、該一方の面側に供給された原ガスは、該シリカゲル層52Aを通気してからゼオライト層52Bを通気して、充填層52の他方の側面側(第二空間54側)に抜けた後、第二空間54の下開口部54Aから乾燥ガスとして排出される。このように、カートリッジ50内に供給された原ガスは、いわゆる側流式のガス流れを形成するように、吸着剤の充填された充填層52の各層をシリカゲル層そしてゼオライト層の順に通気するように構成される。
カートリッジ50内において、充填層52を、複数が平行となるように配置し、さらに、原ガスのガス流れを側流式のガス流れとすることで、カートリッジ50内における原ガスの流れが均一化され、原ガスが接触する充填層52の有効面積を大きくとることが可能となる。これにより、吸着剤と原ガスとの接触効率が高まり、高い吸着性能が発揮され、同じ吸着性能の装置であれば吸着塔A,Bの設置面積を小さくすることが可能となり、設備費及びランニングコストを低減でき経済的である。さらに、原ガスが接触する充填層52の有効面積を大きくとることができるため、充填層52を通過する原ガスの流速が遅くなり、充填層52での圧力損失が小さく、ファン又はブロワーが小型化でき経済的である。
カートリッジ50内に供給された原ガスは、充填層52のシリカゲル層52Aそしてゼオライト層52Bを通過する際に、その中に含有される水分が吸着剤に吸着される。これにより、充填層52を通過し、水分が吸着剤に吸着され除湿された乾燥ガスがカートリッジ50から排出される。
ここで、上記充填層52の層厚は、10mm以上で100mm以下とすることが好ましく、さらに好ましくは30mm以上で50mm以下である。
本発明においては、上述の構成とすることで、既述したように、カートリッジ50内における原ガスのガス流れが均一化され、原ガスが接触する充填層52の有効面積を大きくとることが可能となる。そのため、充填層52の層厚を、好ましくは10mm以上で100mm以下、さらに好ましくは30mm以上で50mm以下と薄くした場合においても、原ガス中から水分を除湿するために必要な吸着剤との最低限の接触時間を確保できる。また、充填層52の層厚を薄くできるため、充填層52を通過する際の圧力損失を低く抑えることが可能となる。これにより、低圧損と吸着及び脱着性能を共に両立でき、非常に効率的である。
また、充填層52は、層厚が100mm以下と薄いため、原ガス中の水分が吸着剤に吸着する時に発生する吸着熱の放熱が容易であり、吸着剤の温度上昇による吸着性能の低下が防止できる。さらに、加熱ガスを供給し吸着剤を加熱して脱着再生を行う場合は、吸着剤における熱の出入りを早くでき、温度変化が迅速に行われるため、効率的に再生運転することができる。
<吸着剤の再生時>
吸着剤の再生時には、加熱器22で再生用ガスを加熱して調製された加熱ガスが、図3(B)に示されるように、第二空間54の下開口部54Aから充填層52の他方の側面側(第二空間54側)に供給される。そして、上記充填層52のゼオライト層52Bに供給された原ガスは、該ゼオライト層52Bを通気してからシリカゲル層52Aを通気して、充填層52の一方の側面側(第一空間53側)に抜けた後、第一空間53の上開口部53Aから、含水ガスとして排出される。このように、カートリッジ50内に供給された加熱ガスは、いわゆる側流式のガス流れを形成するように、吸着剤の充填された充填層52の各層をゼオライト層そしてシリカゲル層の順に通気するように構成される。
吸着剤の再生時には、加熱器22で再生用ガスを加熱して調製された加熱ガスが、図3(B)に示されるように、第二空間54の下開口部54Aから充填層52の他方の側面側(第二空間54側)に供給される。そして、上記充填層52のゼオライト層52Bに供給された原ガスは、該ゼオライト層52Bを通気してからシリカゲル層52Aを通気して、充填層52の一方の側面側(第一空間53側)に抜けた後、第一空間53の上開口部53Aから、含水ガスとして排出される。このように、カートリッジ50内に供給された加熱ガスは、いわゆる側流式のガス流れを形成するように、吸着剤の充填された充填層52の各層をゼオライト層そしてシリカゲル層の順に通気するように構成される。
本実施形態にて吸着剤として使用されるゼオライト及びシリカゲルは、再生好適温度が互いに異なっている。具体的には、ゼオライトの再生好適温度は120〜180℃、そしてシリカゲルの再生好適温度は80〜120℃であり、ゼオライトの方がシリカゲルよりも再生好適温度が高い。本実施形態では、吸着剤の再生時にて、加熱ガスはゼオライト層52Bそしてシリカゲル層52Aの順に通気するようになっているので、ゼオライト層52B及びシリカゲル層52Aの各層の厚み寸法等や加熱ガスの温度を適宜設定することにより、各層において、それぞれの吸着剤の再生好適温度のもとで水分の脱着を行うことができる。
本実施形態では、例えば、ゼオライト層52Bの層厚を20mm、シリカゲル層52Aの層厚を40mmとすることが好ましい。このような層厚とすることにより、以下のように、ゼオライト層52Bおよびシリカゲル層52Aの両方の層において、各種吸着剤の再生好適温度のもとで水分の脱着を円滑に行うことが可能となる。加熱ガスは、ゼオライトの再生好適温度である120〜180℃に加熱してから、ゼオライト層52Bに供給される。加熱ガスをこのような温度に加熱することにより、ゼオライト層52Bにてゼオライトの再生好適温度のもとで水分が脱着される。このゼオライト層での脱着操作により、加熱ガスの熱エネルギーが消費され、該加熱ガスは120℃より低温に、すなわちシリカゲルの再生好適温度である80〜120℃にまで降温する。したがって、この降温した加熱ガスがシリカゲル層52Aに供給されることにより、該シリカゲル層52Aにおいて、シリカゲルの再生好適温度のもとで水分が脱着されることとなる。
このように、本実施形態では、ゼオライト層52Bでの脱着操作で消費されなかった加熱ガスの熱エネルギーを、シリカゲル層52Aの脱着操作に有効利用することができる。この結果、その有効利用できる分だけ、再生用ガスを加熱して加熱ガスとする加熱器22の負担を軽減できるので、吸着剤の再生を効率的に行うとともに運転コストの抑制が可能となる。
本実施形態では、図1に見られるように、除湿空間15の排気の一部を再生用ガスとして使用している。上記排気は、既述した通り、除湿空間15での除湿に供された分、水分を含んでいるが、通常、上記排気の湿度は吸着剤の再生に使用可能な程度に十分低いので、上記排気を再生用ガスとして用いることに何ら問題はない。また、図示はしていないが、除湿空間に供給される前の乾燥ガスの一部を再生用ガスとして使用してもよい。上記乾燥ガスは、除湿空間15からの排気よりも含水量が低いので、該乾燥ガスの一部を再生用ガスとすることにより、吸着剤の再生効率を向上させることができる。また、湿度が十分低いのであれば、再生用ガスとして、除湿空間15からの排気の一部あるいは上記乾燥ガスの一部に大気を混合したガスを使用してもよいし、大気のみを使用してもよい。
本実施形態では、第一の吸着剤としてシリカゲルを、再生好適温度が第一の吸着剤より高い第二の吸着剤としてゼオライトを使用する場合を示していたが、これに代えて、第一の吸着剤として高分子系除湿剤(再生好適温度40〜80℃)を、第二の吸着剤としてシリカゲル(再生好適温度80〜120℃)を使用してもよい。この場合、再生のために供給する加熱ガスの温度を低くすることができるため、加熱器の設備費や運転費を低減できる。
本実施形態では、吸着塔を吸着塔として二基設置する場合を示していたが、これに代えて、吸着塔を三基以上設置してもかまわない。この場合、それぞれの吸着塔を、吸着除湿、脱着再生、冷却の各工程に振り分けて運転することができる。
また、本実施形態では、二基の吸着塔のうち、一方の吸着塔に設けられたカートリッジで除湿を行い、他方の吸着塔に設けられたカートリッジで再生を行うこととしたが、これに代えて、一基の吸着塔で除湿および再生が同時に行われることとしてもよい。例えば、吸着塔に少なくとも二つのカートリッジを設けて、一つのカートリッジにおいて除湿を行うとともに、他のカートリッジにおいて吸着剤の再生を行うように、除湿手段と再生手段とが構成されていてもよい。こうすることで、吸着塔が一つでも、二つのカートリッジの切り換えにより、吸着塔全体としては、除湿と再生を中断なく連続して実行できる。
10 除湿手段
20 再生手段
15 除湿空間
22 加熱器
50 カートリッジ
52 充填層
52A シリカゲル層
52B ゼオライト層
20 再生手段
15 除湿空間
22 加熱器
50 カートリッジ
52 充填層
52A シリカゲル層
52B ゼオライト層
Claims (5)
- 水分を含有する原ガスから水分を除去し乾燥ガスを得る除湿装置において、
原ガス中の水分を吸着して除湿する吸着剤を収納する吸着塔と、
原ガス中の水分を吸着させ除湿を行うために原ガスを該吸着塔に送る除湿手段と、
水分を吸着した上記吸着剤から水分を脱着して吸着剤の再生を行うために上記吸着塔に加熱ガスを供給する再生手段とを備え、
上記吸着塔に収納される吸着剤が、吸着塔内に装入及び取り外し可能なカートリッジとして形成され、該カートリッジは、上記吸着剤により形成され上記原ガスもしくは加熱ガスが側面から通気する平板状の充填層が、複数平行となるように配置されていると共に、各充填層は、一方の側面側に位置し第一の吸着剤により形成された第一の吸着剤層と、他方の側面側に位置し再生好適温度が第一の吸着剤より高い第二の吸着剤により形成された第二の吸着剤層とを有する二層構造をなしており、原ガスの除湿時には、各充填層の一方の側面側に供給された原ガスが、上記第一の吸着剤層そして上記第二の吸着剤層の順に各層を通気して他方の側面側に抜けるようなガス流を形成し、吸着剤の再生時には、各充填層の他方の側面側に供給された加熱ガスが、上記第二の吸着剤層そして上記第一の吸着剤層の順に各層を通気して一方の側面側に抜けるようなガス流を形成するように構成されていることを特徴とする除湿装置。 - 第一の吸着剤がシリカゲルであり、第二の吸着剤がゼオライトであることとする請求項1に記載の除湿装置。
- 第一の吸着剤が高分子系除湿剤であり、第二の吸着剤がシリカゲルであることとする請求項1に記載の除湿装置。
- 吸着塔は少なくとも二つ設けられていて、一つの吸着塔において除湿を行うとともに、他の吸着塔において吸着剤の再生を行うように、除湿手段と再生手段とが構成されていることとする請求項1乃至3のいずれかに記載の除湿装置。
- 吸着塔は少なくとも二つのカートリッジを備え、一つのカートリッジにおいて除湿を行うとともに、他のカートリッジにおいて吸着剤の再生を行うように、除湿手段と再生手段とが構成されていることとする請求項1乃至3のいずれかに記載の除湿装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013073752A JP2014198279A (ja) | 2013-03-29 | 2013-03-29 | 除湿装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101545957B1 (ko) | 2014-12-11 | 2015-08-20 | 대우조선해양 주식회사 | 가스처리 공정의 제습베드 장치 |
CN114849421A (zh) * | 2022-06-07 | 2022-08-05 | 西安热工研究院有限公司 | 一种吸附装置的填料装置 |
-
2013
- 2013-03-29 JP JP2013073752A patent/JP2014198279A/ja active Pending
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