JP2014129931A - 調湿モジュール及びそれを備えた調湿装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体吸収剤の温度変化を抑えることによって調湿モジュールの小型化を図る。
【解決手段】液体吸収剤を用いて空気を加湿し又は除湿する調湿モジュール(40)において、液体吸収剤が内部を流れる透湿管(45)と、透湿管(45)内の液体吸収剤と内部の熱媒体とを熱交換させる伝熱管(48)と、透湿管(45)及び伝熱管(48)が設置され液体吸収剤と水分を授受させる空気が内部を流れる空気通路(50)とを備え、透湿管(45)が伝熱管(48)の長手方向に亘って螺旋状に巻き付けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、液体吸収剤を用いて空気の湿度調節を行う調湿モジュール及びそれを備えた調湿装置に関するものである。
従来から、塩化リチウム水溶液などの液体吸収剤と、液体吸収剤は透過させずに水蒸気だけを透過させる透湿膜とを備え、透湿膜を介して空気と液体吸収剤との間で水分の授受を行って空気を調湿する調湿装置が知られている。
例えば、特許文献1には、液体吸収剤が循環する吸収剤回路と、冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷媒回路とを備えた調湿装置が開示されている。この調湿装置は、吸湿部及び放湿部を備えている。これら吸湿部及び放湿部は、ファンの設けられた空気通路が透湿膜によって液体吸収剤の通路から仕切られている。そして、吸湿部から放湿部に向かって液体吸収剤が流れる通路には、冷媒回路の凝縮器が配置されている。また、放湿部から吸湿部に向かって液体吸収剤が流れる通路には、冷媒回路の蒸発器が配置されている。
この調湿装置では、蒸発器で冷却された液体吸収剤が吸湿部に流入し、該吸湿部にて空気に含まれる水蒸気が透湿膜を介して液体吸収剤に吸収されることで、空気通路の空気が除湿される。また、この調湿装置では、凝縮器で加熱された液体吸収剤が放湿部に流入し、該放湿部にて液体吸収剤の水分の一部が気化して水蒸気となり透湿膜を介して空気中に放出されることで、空気通路内の空気が加湿される。
特開平05−146627号公報
特許文献1に開示された調湿装置では、冷媒によって予め加熱され又は冷却された液体吸収剤が、透湿膜を介して空気と水分の授受を行う。空気中の水蒸気が液体吸収剤に吸収される際には、吸収熱が生じる。他方、液体吸収剤の水分が空気中に放出される際には、液体である水が液体吸収剤から熱を奪って気化する。このため、特許文献1に開示の調湿装置では、液体吸収剤に水蒸気が吸収される過程で液体吸収剤の温度が次第に上昇し、その温度上昇に応じて液体吸収剤に水蒸気が吸収され難くなっていく。また、この調湿装置では、液体吸収剤の水分が空気中に放出される過程で液体吸収剤の温度が次第に低下し、その温度低下に応じて液体吸収剤から水蒸気が放出され難くなっていく。
従って、予め加熱され又は冷却された液体吸収剤が透湿膜を介して空気と水分の授受を行う従来の調湿装置では、充分な調湿性能を得ようとすると、透湿膜を備えた吸湿部や放湿部が大型化するという問題がある。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、液体吸収剤を用いて空気の湿度調節を行う調湿モジュールにおいて、空気と水分を授受することで生じる液体吸収剤の温度変化を抑えることにより、調湿モジュールの小型化を図ることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、液体吸収剤と空気とで水分を授受させる空気通路にて液体吸収剤と熱媒体との熱交換をも行わせる構成にした。
具体的には、第1の発明は、液体吸収剤を用いて空気を加湿し又は除湿する調湿モジュール(40)を対象としている。この第1の発明は、前記液体吸収剤は透過させずに水蒸気を透過させる膜によって構成され、前記液体吸収剤が内部を流れる透湿管(45)と、加熱用又は冷却用の熱媒体が内部を流れ、前記透湿管(45)内の液体吸収剤と内部の熱媒体とを熱交換させる伝熱管(48)と、前記透湿管(45)及び伝熱管(48)が設置され、前記液体吸収剤と水分を授受させる空気が流れる空気通路(50)と、を備える。そして、第1の発明は、前記透湿管(45)が、前記伝熱管(48)に対しその長手方向に亘って螺旋状に巻き付けられていることを特徴とする。
この第1の発明では、液体吸収剤が内部を流れる透湿管(45)が伝熱管(48)に対しその長手方向に亘って螺旋状に巻き付けられた状態で空気通路(50)に設置されている。透湿管(45)内を流れる液体吸収剤には、伝熱管(48)と接触する部分において該伝熱管(48)内の熱媒体が持つ温熱又は冷熱が付与される。これにより、液体吸収剤は、常時、加熱又は冷却されながら透湿管(45)内を流れる。また、この透湿管(45)の外周面のうち少なくとも伝熱管(48)と反対側に位置する部分は空気通路(50)を流れる空気と接触するので、該空気通路(50)を流れる空気と透湿管(46)内の液体吸収剤とで水分が授受される。
第1の発明の調湿モジュール(40)において、伝熱管(48)内に冷却用の熱媒体が流れる場合には、液体吸収剤に水蒸気を吸収させる吸湿動作が行われる。この吸湿動作では、透湿管(45)内を流れる液体吸収剤が伝熱管(48)内の熱媒体によって常時冷却される。冷却された液体吸収剤には、空気通路(50)の空気に含まれる水蒸気の一部が透湿管(45)を透過して吸収される。液体吸収剤が水蒸気を吸収する際には吸収熱が生じるが、この吸収熱の作用で液体吸収剤が昇温する分の熱量は、伝熱管(48)内を流れる熱媒体によって程無く吸収される。したがって、液体吸収剤が水蒸気を吸収する際に吸収熱が生じても、透湿管(45)内を流れる液体吸収剤の温度上昇が抑えられる。
また、第1の発明の調湿モジュール(40)において、伝熱管(48)内に加熱用の熱媒体が流れる場合には、液体吸収剤から水蒸気を放出させる放湿動作が行われる。この放湿動作では、透湿管(45)内を流れる液体吸収剤が伝熱管(48)内の熱媒体によって常時加熱される。加熱された液体吸収剤に含まれる水分の一部は、水蒸気となって透湿管(45)を透過し、空気通路(50)の空気に付与される。液体吸収剤に含まれる水分が気化する際には周囲から熱を奪うが、この気化作用で液体吸収剤が降温する分の熱量は、伝熱管(48)内を流れる熱媒体によって程無く補われる。したがって、液体吸収剤に含まれる水分が気化する際に周囲から熱を奪っても、透湿管(45)内を流れる液体吸収剤の温度低下が抑えられる。
第2の発明は、第1の発明の調湿モジュール(40)において、前記伝熱管(48)は、互いに間隔をあけて複数本設けられ、前記透湿管(45)は、前記伝熱管(48)毎に当該伝熱管(48)に巻き付けられていることを特徴とする。
この第2の発明では、透湿管(45)が複数本の伝熱管(48)の1本毎に当該伝熱管(48)に巻き付けられているので、透湿管(45)が複数本の伝熱管(48)に亘って巻き付けられている場合に比べて、伝熱管(48)に対する透湿管(45)の接触面積が増大する。
第3の発明は、第2の発明の調湿モジュール(40)において、前記伝熱管(48)は、互いに間隔をあけて平行に延びる一対の直線部(48a)を有するU字管であり、前記透湿管(45)は、前記一対の直線部(48a)の一方から他方に掛け渡すように前記伝熱管(48)に巻き付けられていることを特徴とする。
この第3の発明では、透湿管(45)が伝熱管(48)における一対の直線部(48b)の間に張り巡らされているので、例えば直管である1本の伝熱管(48)に対し透湿管(45)が単純に巻き付けられている場合に比べて、空気通路(50)を流れる空気と透湿管(45)との接触面積が増大する。
第4の発明は、第1の発明の調湿モジュール(40)において、前記伝熱管(48)は、互いに間隔をあけて複数本設けられ、前記透湿管(45)は、前記複数本の伝熱管(48)のうち2本以上の伝熱管(48)毎に設けられ、当該2本以上の伝熱管(48)に掛け渡すように当該伝熱管(48)に巻き付けられていることを特徴とする。
この第4の発明では、透湿管(45)が2本以上の伝熱管(48)の間に張り巡らされているので、例えば直管である1本の伝熱管(48)に対し透湿管(45)が単純に巻き付けられている場合に比べて、空気通路(50)を流れる空気と透湿管(45)との接触面積が増大する。
第5の発明は、第2又は第4の発明の調湿モジュール(40)において、前記複数本の伝熱管(48)は、互いに平行な姿勢で設けられ、前記空気通路(50)の空気の流れ方向に整列した当該伝熱管(48)の列を、該伝熱管(48)の整列方向と交差する方向に複数列構成していることを特徴とする。
この第5の発明では、空気通路(50)の空気の流れ方向に整列した伝熱管(48)の列がその整列方向と交差する方向に複数列設けられているので、透湿管(45)が巻き付けられた複数本の伝熱管(48)を空気通路(50)に満遍なく配列させることが可能である。
第6の発明は、第1〜第5の発明のいずれか1つの調湿モジュール(40)において、前記透湿管(45)は、前記伝熱管(48)の長手方向に隙間がない状態に巻き付けられていることを特徴とする。
この第6の発明では、透湿管(45)が伝熱管(48)をその長手方向に隙間なく覆っているので、透湿管(45)が伝熱管(48)の長手方向に隙間をあけた状態に巻き付けられている場合に比べて、伝熱管(48)内を流れる熱媒体の熱量が空気通路(50)の空気へ逃げることで生じる熱損失が抑えられる。
第7の発明は、第1〜第6の発明のいずれか1つの調湿モジュール(40)において、前記透湿管(45)は、前記伝熱管(48)の長手方向に隙間をあけた状態に巻き付けられていることを特徴とする。
この第7の発明では、伝熱管(48)に螺旋状に巻き付けられた透湿管(45)の隙間に面する部分も空気通路(50)を流れる空気と接触するので、透湿管(45)が伝熱管(48)の長手方向に隙間がない状態に巻き付けられている場合に比べて、透湿管(45)と空気通路(50)を流れる空気との接触面積が増大する。
第8の発明は、第1〜第7の発明のいずれか1つの調湿モジュール(40)と、前記調湿モジュール(40)の透湿管(45)に液体吸収剤を供給する吸収剤回路(30)と、前記調湿モジュール(40)の伝熱管(48)に加熱用又は冷却用の熱媒体を吸収する熱媒体回路(35)と、前記調湿モジュール(40)の空気通路(50)に空気を流すための空気供給手段(27, 28)とを備え、前記調湿モジュール(40)の空気通路(50)に流れる空気を除湿し又は加熱することを特徴とする。
この第8の発明では、熱媒体回路(35)が調湿モジュール(40)の伝熱管(48)に加熱用の熱媒体を供給すると、調湿モジュール(40)の空気通路(50)を流れる空気が加湿される。つまり、調湿モジュール(40)では、透湿管(45)内を流れる液体吸収剤が、該透湿管(45)が巻き付けられた伝熱管(48)内の熱媒体によって加熱され、液体吸収剤から透湿管(45)を透過して放出された水蒸気が空気通路(50)の空気に付与される。他方、熱媒体回路(35)が伝熱管(48)に冷却用の熱媒体を供給すると、調湿モジュール(40)の空気通路(50)を流れる空気が除湿される。つまり、調湿モジュール(40)では、透湿管(45)内を流れる液体吸収剤が、該透湿管(45)が巻き付けられた伝熱管(48)内の熱媒体によって冷却され、空気通路(50)の空気に含まれる水蒸気が透湿管(45)を透過して液体吸収剤に吸収される。
第1の発明によれば、液体吸収剤が内部を流れる透湿管(45)が伝熱管(48)に対しその長手方向に亘って螺旋状に巻き付けられた状態で空気通路(50)に設置されているので、透湿管(45)内を流れる液体吸収剤に対し該透湿管(45)と伝熱管(48)との接触箇所で伝熱管(48)内の熱媒体が持つ温熱又は冷熱が付与されながら、該空気通路(50)を流れる空気と透湿管(45)内の液体吸収剤とで水分が授受される。したがって、液体吸収剤が空気と水分を授受することで生じる液体吸収剤の温度変化を抑えることができ、その結果、調湿モジュール(40)の小型化を図ることができる。
また、第1の発明によれば、空気と液体吸収剤とが水分を授受する空気通路(50)にて液体吸収剤と熱媒体とが熱交換するので、特許文献1に開示のように吸湿部及び放湿部から離れた位置で液体吸収剤を冷却し又は加熱する場合に比べて、加熱され又は冷却されてから空気と水分の授受を行うまでに液体吸収剤に生じる熱損失が殆どなく、水蒸気の吸収又は放出による液体吸収剤の温度変化を見越して液体吸収剤を過剰に冷却し又は加熱しなくても済む。したがって、調湿モジュール(40)において、液体吸収剤に吸湿させ又は放湿させるために必要なエネルギーを削減することができる。
第2の発明によれば、透湿管(45)が複数本の伝熱管(48)に亘って巻き付けられている場合に比べて、伝熱管(48)に対する透湿管(45)の接触面積が増大するので、透湿管(45)内の液体吸収剤と伝熱管(48)内の熱媒体との熱交換率を向上させることができ、これら液体吸収剤と熱媒体とを充分に熱交換させることができる。
第3の発明によれば、透湿管(45)と空気通路(50)を流れる空気との接触面積が増大するので、該空気通路(50)の空気と透湿管(45)内の液体吸収剤とで授受される水分量を増大させることができ、調湿モジュール(40)の調湿能力を向上させることができる。
第4の発明によれば、透湿管(45)と空気通路(50)を流れる空気との接触面積が増大するので、該空気通路(50)の空気と透湿管(45)内の液体吸収剤とで授受される水分量を増大させることができ、調湿モジュール(40)の調湿能力を向上させることできる。
第5の発明によれば、透湿管(45)が巻き付けられた複数本の伝熱管(48)を空気通路(50)に満遍なく配列させることが可能であるので、空気通路(50)に流れる空気をこれら複数本の伝熱管(48)に対して巻き付けられた透湿管(45)内の液体吸収剤により均一に加湿し又は除湿することができる。
第6の発明によれば、伝熱管(48)内を流れる熱媒体の熱量が空気通路(50)の空気へ逃げることで生じる熱損失が抑えられるので、伝熱管(48)内の熱媒体が無駄に消費するエネルギーを低減することができる。
第7の発明によれば、透湿管(45)と空気通路(50)を流れる空気との接触面積が増大するので、該空気通路(50)の空気と透湿管(45)内の液体吸収剤とで授受される水分量を増大させることができ、調湿モジュール(40)の調湿能力を向上させることできる。
第8の発明によれば、第1〜第7の発明の調湿モジュール(40)が、液体吸収剤の温度変化を抑えることによって小型化を図ることができ、且つ液体吸収剤に吸湿させ又は放湿させるために必要なエネルギーを削減することができる、という優れた特性を備えているので、該調湿モジュール(40)を備えた調湿装置(10)としても、コンパクト化を図ると共に、エネルギー効率を改善することができる。
図1は、本発明の実施形態1に係る調湿装置の構造を示す概略平面図である。 図2は、本発明の実施形態1に係る吸収剤回路と冷媒回路の構成を示す回路図である。 図3は、本発明の実施形態1に係る調湿モジュールの構造を示す概略斜視図である。 図4は、図3のIV−IV線における断面構造を示す概略断面図である。 図5は、図4のV−V線における断面構造を示す概略断面図である。 図6は、本発明の実施形態2に係る調湿モジュールの構造を示す概略斜視図である。 図7は、本発明の実施形態2に係る調湿モジュールの構造を示す図5対応箇所の断面図である。 図8は、本発明の実施形態2の変形例に係る調湿モジュールの構造を示す概略斜視図である。 図9は、本発明の実施形態2の変形例に係る調湿モジュールの構造を示す概略斜視図である。 図10は、本発明の実施形態3に係る調湿モジュールの構造を示す概略斜視図である。 図11は、本発明の実施形態3の変形例に係る調湿モジュールの構造を一部示す概略斜視図である。 図12は、本発明のその他の実施形態に係る調湿モジュールを示す概略構成図である。 図13は、本発明のその他の実施形態に係る調湿モジュールを示す概略構成図である。 図14は、本発明のその他の実施形態に係る調湿モジュールを示す概略構成図である。 図15は、本発明のその他の実施形態に係る調湿モジュールを示す概略構成図である。 図16は、本発明のその他の実施形態に係る調湿装置を示す概略構成図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、或いはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
この実施形態1に係る調湿装置(10)は、液体吸収剤を用いて空気の除湿と加湿を行うことで、室内空気の湿度を調節する吸収式の調湿装置(10)である。
−調湿装置の構成−
本実施形態の調湿装置(10)について、図1及び図2を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態の調湿装置(10)は、ケーシング(20)を備えている。このケーシング(20)は、直方体の箱状に形成されている。ケーシング(20)の一方の端面には、外気吸込口(21)と排気口(24)とが形成されている。また、ケーシング(20)の他方の端面には、給気口(22)と内気吸込口(23)とが形成されている。ケーシング(20)の内部空間は、給気通路(25)と排気通路(26)とに仕切られている。
給気通路(25)は、外気吸込口(21)及び給気口(22)に連通している。この給気通路(25)には、空気供給手段である給気ファン(27)と、第1の調湿モジュールである給気側モジュール(40a)とが配置されている。他方、排気通路(26)は、内気吸込口(23)及び排気口(24)に連通している。この排気通路(26)には、空気供給手段である排気ファン(28)と、第2の調湿モジュールである排気側モジュール(40b)とが配置されている。
ケーシング(20)には、上記給気ファン(27)、給気側モジュール(40a)、排気ファン(28)及び排気側モジュール(40b)の他に、図2に示す吸収剤回路(30)と熱媒体回路である冷媒回路(35)とが収容されている。
吸収剤回路(30)は、図2に示すように、給気側モジュール(40a)と、排気側モジュール(40b)と、ポンプ(31)とが接続された閉回路である。この吸収剤回路(30)では、ポンプ(31)の吐出側が排気側モジュール(40b)の吸収剤通路(41b)の入口に、該排気側モジュール(40b)の吸収剤通路(41b)の出口が給気側モジュール(40a)の吸収剤通路(41a)の入口に、給気側モジュール(40a)の吸収剤通路(41a)の出口がポンプ(31)の吸入側に、それぞれ接続されている。また、吸収剤回路(30)には、液体吸収剤として、例えば塩化リチウム水溶液が充填されている。
冷媒回路(35)は、圧縮機(36)と、四方切換弁(37)と、膨張弁(38)と、給気側モジュール(40a)と、排気側モジュール(40b)とが接続された閉回路である。この冷媒回路(35)では、圧縮機(36)の吐出側が四方切換弁(37)の第1ポートに、圧縮機(36)の吸入側が四方切換弁(37)の第2ポートに、それぞれ接続される。また、この冷媒回路(35)では、四方切換弁(37)の第3ポートから第4ポートへ向かって順に、排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)と、膨張弁(38)と、給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)とが配置されている。冷媒回路(35)は、充填された冷媒を循環させることによって、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う。そして、冷媒回路(35)は、給気側モジュール(40a)及び排気側モジュール(40b)に対して、冷媒を加熱用又は冷却用の熱媒体として供給する。
四方切換弁(37)は、第1状態(図2の実線で示す状態)と、第2状態(同図に破線で示す状態)とに切り換わる。第1状態の四方切換弁(37)では、第1のポートが第3のポートに連通し、第2のポートが第4のポートに連通する。一方、第2状態の四方切換弁(37)では、第1のポートが第4のポートに連通し、第2のポートが第3のポートに連通する。
−調湿モジュールの構成−
給気側モジュール(40a)と排気側モジュール(40b)とは、何れも同じ構成を有する調湿モジュール(40)によって構成されている。ここでは、調湿モジュール(40)について、図3〜図5を適宜参照しながら説明する。
調湿モジュール(40)は、液体吸収剤を用いて空気を加湿し又は除湿するものである。この調湿モジュール(40)は、図3に示すように、吸収剤通路(41)と、伝熱部材(46)と、空気通路(50)とを備えている。吸収剤通路(41)は、一対のヘッダユニット(42)と、複数本の透湿管(45)とで構成されている。伝熱部材(46)は、一対のヘッダユニット(42)と、複数本の伝熱管(48)とによって構成されている。複数本の透湿管(45)と複数本の伝熱管(48)とは共に空気通路(50)に設置されている。
一対のヘッダユニット(42)は、それぞれ扁平な矩形箱状に形成された第1のヘッダユニット(42a)と第2のヘッダユニット(42b)であり、例えば空気通路(50)に対し左右の幅方向に互いに対向して配置されている。すなわち、空気通路(50)は、一対のヘッダユニット(42a, 42b)の間に形成され、その左右が一対のヘッダユニット(42a, 42b)で仕切られている。また、空気通路(50)は、その上下も互いに対向する図示しない一対の仕切部材で仕切られている。この空気通路(50)には、給気ファン(27)又は排気ファン(28)によって供給された空気が流れる。
各ヘッダユニット(42a, 42b)の内部は、図5に示すように、その厚さ方向に2つの空間(43,44)に仕切られている。これら2つの空間(43, 44)のうち、一方の空間(43)は冷媒が流れる冷媒側空間(43)であり、他方の空間(44)は液体吸収剤が流れる吸収剤側空間(44)である。吸収剤側空間(44)は一対のヘッダユニット(42a, 42b)の対面側に位置し、冷媒側空間(43)は一対のヘッダユニット(42a, 42b)の対面側とは反対側に位置している。
第1のヘッダユニット(42a)の冷媒側空間(43)は、四方切換弁(37)が第1状態のときに冷媒回路(35)から冷媒が内部に供給され、四方切換弁(37)が第2状態のときに冷媒回路(35)へ内部の冷媒を排出する第1の冷媒側空間(43a)を構成している。第2のヘッダユニット(42b)の冷媒側空間(44)は、四方切換弁(37)が第1状態のときに冷媒回路(35)へ内部の冷媒を排出し、四方切換弁(37)が第2状態のときに冷媒回路(35)から冷媒が内部に供給される第2の冷媒側空間(43b)を構成している。
また、第1のヘッダユニット(42a)の吸収剤側空間(44)は、吸収剤回路(30)から液体吸収剤が内部に供給される第1の吸収剤側空間(44a)を構成している。第2のヘッダユニット(42b)の吸収剤側空間(44)は、吸収剤回路(30)へ内部の液体吸収剤を排出する第2の吸収剤側空間(44b)を構成している。
複数本の伝熱管(48)は、それぞれ直線状に延びる直管であり、一対のヘッダユニット(42a, 42b)の間、つまり空気通路(50)をその幅方向に横切るように互いの軸方向が平行となる姿勢で設けられている。これら複数本の伝熱管(48)は、図4に示すように、空気通路(50)の上下左右に互いに所定の間隔をあけて規則的に配置されており、空気通路(50)の空気の流れ方向に1列に整列した伝熱管(48)の列を、該伝熱管(48)の整列方向と交差する方向、つまり空気通路(50)の上下方向に複数列(図4に示す例では4列)構成している。隣り合う伝熱管(48)の列では、伝熱管(48)同士が空気通路(50)の空気の流れ方向に半ピッチずれて設けられていて、いわゆる千鳥配置となっている。
各伝熱管(48)は、図5に示すように、その両端が一対のヘッダユニット(42a, 42b)にそれぞれ接続されていて、両方のヘッダユニット(42a, 42b)において、吸収剤側空間(44)には連通されず、冷媒側空間(43)だけと連通している。冷媒回路(35)から一方のヘッダユニット(42)に供給された冷媒は、該ヘッダユニット(42)の冷媒側空間(43)から複数本の伝熱管(48)に分岐して送られ、これら各伝熱管(48)の内部を流れる。そして、複数本の伝熱管(48)内を流れる冷媒は、他方のヘッダユニット(42)の冷媒側空間(43)に送られて合流し、該冷媒側空間(43)から冷媒回路(35)に排出される。このように、各伝熱管(48)には、冷媒回路(35)を循環する冷媒が流通する。これら各伝熱管(48)は、銅製又はアルミニウム製の円管によって構成され、その直径は、例えば3mm〜10mm程度である。
透湿管(45)は、上記伝熱管(48)毎に設けられ、該伝熱管(48)に対しその長手方向に亘って螺旋状に巻き付けられている。これら各透湿管(45)の巻付け状態は、伝熱管(48)の長手方向に隙間をあけた状態となっている。各透湿管(45)は、その両端が一対のヘッダユニット(42a, 42b)にそれぞれ接続されていて、両方のヘッダユニット(42a, 42b)において、冷媒側空間(43)には連通されず、吸収剤側空間(44)だけと連通している。吸収剤回路(30)から第1のヘッダユニット(42a)の吸収剤側空間(44a)に供給された液体吸収剤は、該吸収剤側空間(44a)から複数本の透湿管(45)に分岐して送られ、これら各透湿管(45)の内部を流れる。そして、複数本の透湿管(45)内を流れる液体吸収剤は、第2のヘッダユニット(42b)の吸収剤側空間(44b)に送られて合流し、該吸収剤側空間(44b)から吸収剤回路(30)に排出される。このように、各透湿管(45)内には、吸収剤回路(30)を循環する液体吸収剤が流通する。
各透湿管(45)は、液体吸収剤を透過させず水蒸気を透過させる膜、いわゆる透湿膜によって構成され、該透湿膜が管状に成形されて成り、可撓性を有している。この透湿膜としては、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン、四フッ化エチレン樹脂)などのフッ素樹脂から成る疎水性多孔膜を用いることができる。これら各透湿管(48)の直径は、例えば1mm〜2mm程度である。
上述の如く、液体吸収剤が内部を流れる透湿管(45)は、伝熱管(48)の長手方向に亘って螺旋状に巻き付けられた状態で空気通路(50)に設置されている。透湿管(45)内を流れる液体吸収剤には、伝熱管(48)と接触する箇所において該伝熱管(48)内の熱媒体が持つ温熱又は冷熱が付与される。これにより、液体吸収剤は、常時、加熱又は冷却されながら各透湿管(45)内を流れる。また、これら各透湿管(45)の外周面のうち伝熱管(48)と接触する箇所以外の部分は空気通路(50)を流れる空気と接触するので、該空気通路(50)を流れる空気と各透湿管(45)内の液体吸収剤とで水分が授受される。
上記調湿モジュール(40)によって構成された給気側モジュール(40a)では、第2のヘッダユニット(42b)の冷媒側空間(43)が四方切換弁(37)の第4ポートに接続され、第1のヘッダユニット(42a)の冷媒側空間(43)が膨張弁(38)に接続される。他方、上記調湿モジュール(40)によって構成された排気側モジュール(40b)では、第1のヘッダユニット(42a)の冷媒側空間(43)が四方切換弁(37)の第3ポートに接続され、第2のヘッダユニット(42b)の冷媒側空間(43)が膨張弁(38)に接続される。
−調湿装置の運転動作−
次に、上記調湿装置(10)の運転動作を説明する。調湿装置(10)は、室内への給気を除湿する除湿運転と、室内への給気を加湿する加湿運転とを選択的に実行する。
<除湿運転>
先ず、調湿装置(10)の除湿運転について、図2及び図3を参照しながら説明する。
除湿運転時には、冷媒回路(35)の四方切換弁(37)が第1状態(すなわち、図2に実線で示す状態)に設定される。また、除湿運転時には、圧縮機(36)が運転され、膨張弁(38)の開度が適宜調節される。そして、除湿運転時の冷媒回路(35)では、冷媒が循環することによって蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。また、除湿運転時の冷媒回路(35)では、排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)が凝縮器となり、給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)が蒸発器となる。
冷媒回路(35)における冷媒の流れを詳細に説明する。圧縮機(36)から吐出された高温高圧のガス冷媒は、四方切換弁(37)を通過し、加熱用の熱媒体として排気側モジュール(40b)へ供給される。排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)へ供給された冷媒は、図3に示す伝熱管(48)と透湿管(45)との接触箇所において、各透湿管(45)内を流れる液体吸収剤へ放熱して凝縮し、その後に排気側モジュール(40b)から排出される。排気側モジュール(40b)から排出された冷媒は、膨張弁(38)を通過する際に減圧されて気液二相状態の低温低圧の冷媒となり、冷却用の熱媒体として給気側モジュール(40a)へ供給される。給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)へ流入した冷媒は、図3に示す伝熱管(48)と透湿管(45)との接触箇所において、各透湿管(45)内を流れる液体吸収剤から吸熱して蒸発し、その後に給気側モジュール(40a)から排出される。給気側モジュール(40a)から排出された冷媒は、四方切換弁(37)を通過し、圧縮機(36)へ吸入される。圧縮機(36)は、吸入した冷媒を圧縮して吐出する。
また、除湿運転時には、吸収剤回路(30)のポンプ(31)が運転され、吸収剤回路(30)内を液体吸収剤が循環する。
ポンプ(31)から吐出された液体吸収剤は、排気側モジュール(40b)の吸収剤通路(41b)へ供給される。この吸収剤通路(41b)へ供給された液体吸収剤は、図3に示す透湿管(45)と伝熱管(48)との接触箇所において、該伝熱管(48)内を流れる冷媒によって加熱される。このとき、排気側モジュール(40b)の空気通路(50)には、排気(すなわち、室外へ排出される室内空気)が流れている。この排気側モジュール(40b)では、液体吸収剤に含まれる水分の一部が水蒸気となって、透湿管(45)を透過し、空気通路(50)を流れる排気に付与される。排気に付与された水蒸気は、排気と共に室外へ排出される。このように、排気側モジュール(40b)では、吸収剤通路(41b)の液体吸収剤に含まれる水分の一部が各透湿管(45)を透過して排気に付与される。したがって、排気側モジュール(40b)では、透湿管(45)を通過する間に液体吸収剤の濃度が次第に上昇していく。
排気側モジュール(40b)から供給された高濃度の液体吸収剤は、給気側モジュール(40a)の吸収剤通路(41a)へ供給される。この吸収剤通路(41a)へ供給された液体吸収剤は、図3に示す透湿管(45)と伝熱管(48)との接触箇所において、該伝熱管(48)内を流れる冷媒によって冷却される。このとき、給気側モジュール(40a)の空気通路(50)では、給気(すなわち、室内へ供給される室外空気)が流れている。この給気側モジュール(40a)では、給気に含まれる水蒸気が各透湿管(45)を透過し、該透湿管(45)を流れる液体吸収剤に吸収される。給気側モジュール(40a)の空気通路(50)を通過する間に除湿された給気は、その後に室内へ供給される。このように、給気側モジュール(40a)では、空気通路(50)の給気に含まれる水蒸気の一部が各透湿管(45)を透過して液体吸収剤に吸収される。したがって、給気側モジュール(40a)では、透湿管(45)を通過する間に液体吸収剤の濃度が次第に低下していく。給気側モジュール(40a)から排出された低濃度の液体吸収剤は、ポンプ(31)へ吸い込まれ、排気側モジュール(40b)へ向けて送り出される。
<加湿運転>
調湿装置(10)の加湿運転について、図2を参照しながら説明する。
加湿運転時には、冷媒回路(35)の四方切換弁(37)が第2状態(すなわち、図2に破線で示す状態)に設定される。また、加湿運転時には、圧縮機(36)が運転され、膨張弁(38)の開度が適宜調節される。また、加湿運転時の冷媒回路(35)では、冷媒が循環することによって蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。また、加湿運転時の冷媒回路(35)では、給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)が凝縮器となり、排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)が蒸発器となる。
冷媒回路(35)における冷媒の流れを詳細に説明する。圧縮機(36)から吐出された高温高圧のガス冷媒は、四方切換弁(37)を通過し、加熱用の熱媒体として給気側モジュール(40a)へ供給される。給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)へ供給された冷媒は、図3に示す伝熱管(48)と透湿管(43)との接触箇所において、各透湿管(43)内を流れる液体吸収剤へ放熱して凝縮し、その後に給気側モジュール(40a)から排出される。給気側モジュール(40a)から排出された冷媒は、膨張弁(38)を通過する際に減圧されて気液二相状態で低温低圧の冷媒となり、冷却用の熱媒体として排気側モジュール(40b)へ供給される。排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)へ流入した冷媒は、図3に示す伝熱管(48)と透湿管(45)との接触箇所において、各透湿管(45)内を流れる液体吸収剤から吸熱して蒸発し、その後に排気側モジュール(40b)から排出される。排気側モジュール(40b)から排出された冷媒は、四方切換弁(37)を通過し、圧縮機(36)へ吸入される。圧縮機(36)は、吸入した冷媒を圧縮して吐出する。
また、加湿運転時には、吸収剤回路(30)のポンプ(31)が運転され、吸収剤回路(30)内を液体吸収剤が循環する。
ポンプ(31)から吐出された液体吸収剤は、排気側モジュール(40b)の吸収剤通路(41b)へ供給される。この吸収剤通路(41b)へ供給された液体吸収剤は、図3に示す透湿管(45)と伝熱管(48)との接触箇所において、各伝熱管(48)内を流れる冷媒によって冷却される。このとき、排気側モジュール(40b)の空気通路(50)では、排気(すなわち、室外へ排出される室内空気)が流れている。この排気側モジュール(40b)では、排気に含まれる水蒸気が透湿管(45)を透過し、吸収剤通路(41b)を流れる液体吸収剤に吸収される。水蒸気を奪われた排気は、その後に室外へ排出される。このように、排気側モジュール(40b)では、空気通路(50)の排気に含まれる水蒸気の一部が、各透湿管(45)を透過して液体吸収剤に吸収される。したがって、排気側モジュール(40b)では、透湿管(45)を通過する間に液体吸収剤の濃度が次第に低下していく。
排気側モジュール(40b)から流出した低濃度の液体吸収剤は、給気側モジュール(40a)の吸収剤通路(41a)へ供給される。この吸収剤通路(41a)へ供給された液体吸収剤は、図3に示す透湿管(45)と伝熱管(48)との接触箇所において、各伝熱管(48)を流れる冷媒によって加熱される。このとき、給気側モジュール(40a)の空気通路(50)には、給気(すなわち、室内へ供給される室外空気)が流れている。この給気側モジュール(40a)では、液体吸収剤に含まれる水分の一部が水蒸気となって透湿管(45)を透過し、空気通路(50)を流れる給気に付与される。給気側モジュール(40a)の空気通路(50)を通過する間に加湿された給気は、その後に室内へ供給される。このように、給気側モジュール(40a)では、吸収剤通路(41a)の液体吸収剤に含まれる水分の一部が、各透湿管(45)を透過して給気に付与される。したがって、給気側モジュール(40a)では、透湿管(45)を通過する間に液体吸収剤の濃度が次第に上昇していく。給気側モジュール(40a)から排出された高濃度の液体吸収剤は、ポンプ(31)へ吸い込まれ、排気側モジュール(40b)へ向けて送り出される。
−調湿モジュールの動作−
給気側モジュール(40a)と排気側モジュール(40b)とを構成する調湿モジュール(40)の動作について説明する。調湿モジュール(40)は、液体吸収剤に水蒸気を吸収させる吸湿動作と、液体吸収剤から水蒸気を放出させる放湿動作とを選択的に行う。上述した除湿運転時には、給気側モジュール(40a)が吸湿動作を行い排気側モジュール(40b)が放湿動作を行う。また、上述した加湿運転時には、排気側モジュール(40b)が吸湿動作を行い、給気側モジュール(40a)が放湿動作を行う。
<吸湿動作>
調湿モジュール(40)の吸湿動作について、図3を参照しながら説明する。
吸湿動作中において、調湿モジュール(40)の吸収剤通路(41)には、比較的高濃度の液体吸収剤が供給される。そして、空気通路(50)の空気に含まれる水蒸気の一部が図3に示す複数本の透湿管(45)を透過して液体吸収剤に吸収される。
液体吸収剤が水蒸気を吸収する際には、吸収熱が生じる。このため、何の対策も講じなければ、生じた吸収熱によって液体吸収剤の温度が次第に上昇し、その温度上昇に伴って液体吸収剤に吸収される水蒸気の量が減少していく。また、空気通路(50)を流れる空気の温度が液体吸収剤の温度よりも高い場合は、空気との熱交換によっても液体吸収剤の温度が上昇する。
これに対して、吸湿動作中の調湿モジュール(40)では、伝熱部材(46)が蒸発器として機能し、吸収剤通路(41)を構成する各透湿管(45)内を流れる液体吸収剤が、透湿管(45)と伝熱管(48)との接触箇所において伝熱管(48)内の冷媒によって冷却される。これにより、透湿管(45)内を流れる間に吸収熱の作用で液体吸収剤が昇温する分の熱量は、伝熱管(48)内を流れる熱媒体によって程無く吸収される。したがって、液体吸収剤が水蒸気を吸収する際に吸収熱が生じても、透湿管(45)内を流れる液体吸収剤の温度上昇が抑えられる。
<放湿動作>
調湿モジュール(40)の放湿動作について、図3を参照しながら説明する。
放湿動作中において、調湿モジュール(40)の吸収剤通路(41)には、比較的低濃度の液体吸収剤が供給される。そして、液体吸収剤に含まれる水分の一部が、水蒸気となって図3に示す各透湿管(45)を透過し、空気通路(50)の空気に付与される。
液体吸収剤から水が放出される際には、液体である水が気化する際に周囲から熱を奪う。このため、何の対策も講じなければ、液体吸収剤の温度が次第に低下し、その温度低下に伴って液体吸収剤から放出される水蒸気の量が減少していく。また、空気通路(50)を流れる空気の温度が液体吸収剤の温度よりも低い場合は、空気との熱交換によっても液体吸収剤の温度が低下する。
これに対して、放湿動作中の調湿モジュール(40)では、伝熱部材(46)が凝縮器として機能し、吸収剤通路(41)を構成する各透湿管(45)内を流れる液体吸収剤が、透湿管(45)と伝熱管(48)との接触箇所において伝熱管(48)内の冷媒によって加熱される。これにより、透湿管(45)内を流れる間に水分の気化作用で液体吸収剤が降温する分の熱量は、伝熱管(48)内を流れる冷媒によって程無く補われる。したがって、液体吸収剤に含まれる水分が気化する過程で周囲から熱を奪っても、透湿管(45)内を流れる液体吸収剤の温度低下が抑えられる。
−実施形態1の効果−
この実施形態1によれば、液体吸収剤が内部を流れる透湿管(45)が伝熱管(48)に対しその長手方向に亘って螺旋状に巻き付けられた状態で空気通路(50)に設置されているので、透湿管(45)内を流れる液体吸収剤に対し該透湿管(45)と伝熱管(48)との接触部分で伝熱管(48)内の冷媒が持つ温熱又は冷熱が付与されながら、該空気通路(50)を流れる空気と透湿管(45)内の液体吸収剤とで水分が授受される。したがって、液体吸収剤が空気と水分を授受することで生じる液体吸収剤の温度変化を抑えることができ、その結果、調湿モジュール(40)の小型化を図ることができる。これにより、調湿モジュール(40)を備えた調湿装置(10)としても、コンパクト化を図ることができる。
特に、この実施形態1によれば、透湿管(45)が前記伝熱管(48)の長手方向に隙間をあけた状態に巻き付けられていることで、透湿管(45)の隙間に面する部分も空気通路(50)を流れる空気と接触するので、透湿管(45)が伝熱管(48)の長手方向に隙間がない状態に巻き付けられている場合に比べて、透湿管(45)と空気通路(50)を流れる空気との接触面積が増大する。これによって、空気通路(50)の空気と透湿管(45)内の液体吸収剤とで授受される水分量を増大させることができ、調湿モジュール(40)の調湿能力を向上させることできる。
また、この実施形態1によれば、空気と液体吸収剤とが水分を授受する空気通路(50)にて液体吸収剤と熱媒体とが熱交換するので、特許文献1に開示のように吸湿部及び放湿部から離れた位置で液体吸収剤を冷却し又は加熱する場合に比べて、加熱され又は冷却されてから空気と水分の授受を行うまでに液体吸収剤に生じる熱損失が殆どなく、水蒸気の吸収又は放出による液体吸収剤の温度変化を見越して液体吸収剤を過剰に冷却し又は加熱しなくても済む。したがって、調湿モジュール(40)において、液体吸収剤に吸湿させ又は放湿させるために必要なエネルギーを削減することができる。これにより、調湿モジュール(40)を備えた調湿装置(10)としても、エネルギー効率を改善することができる。
《発明の実施形態2》
この実施形態2の調湿装置(10)は、上記実施形態1と異なる構成の調湿モジュール(40)を備えている。なお、以降の各実施形態では、調湿モジュール(40)の構成が上記実施形態1と異なる他は調湿装置(10)について上記実施形態1と同様に構成されているので、構成の異なる調湿モジュール(40)についてのみ説明し、同一の構成箇所は図1〜図5に基づく上記実施形態1の説明に譲ることにして、その詳細な説明を省略する。
本実施形態の調湿モジュール(40)について、図6及び図7を参照しながら説明する。本実施形態の調湿モジュール(40)では、図6に示すように、透湿管(45)は、空気通路(50)における空気の流れ方向に一列に整列した伝熱管(48)の列毎に設けられている。そして、各透湿管(45)は、一列に整列した複数本の伝熱管(48)に掛け渡すようにそれらの長さ方向に亘って螺旋状に巻き付けられている。
また、本実施形態の調湿モジュール(40)には、図6及び図7に示すように、上記実施形態1における一対のヘッダユニット(42)に代えて、一対の冷媒ヘッダ(60)と、一対の吸収剤ヘッダ(61)とが設けられている。
一対の冷媒ヘッダ(60)は、それぞれ扁平な矩形箱状に形成された第1の冷媒ヘッダ(60a)及び第2の冷媒ヘッダ(60b)である。これら一対の冷媒ヘッダ(60a, 60b)は、例えば空気通路(50)に対し左右方向に互いに対向して配置され、空気通路(50)の左右を仕切っている。また、空気通路(50)は、上記実施形態1と同様に、その上下も互いに対向する図示しない一対の仕切部材で仕切られている。複数本の伝熱管(48)の両端は一対の冷媒ヘッダ(60a, 60b)に接続され、これら一対の冷媒ヘッダ(60a, 60b)は各伝熱管(48)を介して連通している。
第1の冷媒ヘッダ(60a)は、四方切換弁(37)が第1状態のときに冷媒回路(35)から冷媒が内部に供給され、四方切換弁(37)が第2状態のときに冷媒回路(35)へ内部の冷媒を排出する冷媒ヘッダ(60a)である。第2の冷媒ヘッダ(60b)は、四方切換弁(37)が第1状態のときに冷媒回路(35)へ内部の冷媒を排出し、四方切換弁(37)が第2状態のときに冷媒回路(35)から冷媒が内部に供給される冷媒ヘッダ(60b)である。冷媒回路(35)から一方の冷媒ヘッダ(60)に供給された冷媒は、複数本の伝熱管(48)に分岐して送られ、これら各伝熱管(48)の内部を流れる。そして、複数本の伝熱管(48)内を流れる冷媒は、他方の冷媒ヘッダ(60)に送られて合流し、該冷媒ヘッダ(60)から冷媒回路(35)に排出される。
一対の吸収剤ヘッダ(61)は、それぞれ複数本の透湿管(45)を挿入可能な大径の管状に形成された第1の吸収剤ヘッダ(61a)及び第2の吸収剤ヘッダ(61b)である。これら一対の吸収剤ヘッダ(61a, 61b)は、複数本の伝熱管(48)の群に対して空気通路(50)の上流側と下流側とに分けて調湿モジュール(40)の下側に設置されている。第1の吸収剤ヘッダ(61a)は第1の冷媒ヘッダ(60a)の近傍に配置され、第2の吸収剤ヘッダ(61b)は第2の冷媒ヘッダ(60b)の近傍に配置されている。第1の吸収剤ヘッダ(61a)の内部には、複数本の透湿管(45)における一端側が束ねて挿入されている。また、第2の吸収剤ヘッダ(61b)の内部には、複数本の透湿管(45)における他端側が束ねて挿入されている。そして、各吸収剤ヘッダ(61a, 61b)における透湿管(45)の挿入口は接着材(62)で封止されている。これら一対の吸収剤ヘッダ(61)は、各透湿管(45)を介して連通している。
第1の吸収剤ヘッダ(61a)には、吸収剤回路(30)から液体吸収剤が内部に供給される。第1の吸収剤ヘッダ(61a)に供給された冷媒は、複数本の透湿管(45)に分岐して送られ、これら各透湿管(45)の内部を流れる。そして、複数本の透湿管(45)内を流れる冷媒は、第2の吸収剤ヘッダ(61b)に送られて合流し、該吸収剤ヘッダ(61b)から吸収剤回路(30)に排出される。
−実施形態2の効果−
この実施形態2によれば、各透湿管(45)が一列に整列された複数本の伝熱管(48)の間に張り巡らされているので、例えば直管である1本の伝熱管(48)に対し透湿管(45)が単純に巻き付けられている場合に比べて、透湿管(45)と空気通路(50)を流れる空気との接触面積を増大させることができ、調湿モジュール(40)の調湿能力を向上させることができる。その他については、上記実施形態1と同様の効果を得ることができる。
−実施形態2の変形例−
本変形例の調湿モジュール(40)について、図8及び図9を参照しながら説明する。本実施形態の調湿モジュール(40)では、図8に示すように、各伝熱管(48)が幅方向に扁平に形成された扁平管であってもよってもよい。この扁平管は、例えば、内部が複数の流路に仕切られた扁平多穴管である。そして、これら各伝熱管(48)は、その幅方向を伝熱管(48)の整列方向に一致させた姿勢で設置されていることが好ましい。この構成によれば、透湿管(45)と伝熱管(48)との接触面積が増大するので、透湿管(45)内の液体吸収剤と伝熱管(48)内の冷媒との熱交換率を向上させることができる。
さらに、本実施形態の調湿モジュール(40)では、図9に示すように、複数本の伝熱管(48)がマトリクス配置となっており、第1の冷媒ヘッダ(60a)及び第2の冷媒ヘッダ(60b)が縦方向に整列した伝熱管(48)の列毎に設けられた円管によって構成されていてもよい。
《発明の実施形態3》
この実施形態3の調湿モジュール(40)について、図10を参照しながら説明する。本実施形態の調湿モジュール(40)では、図10に示すように、各伝熱管(48)が、U字管であり、一対の直線部(48a)と、折返し部(48b)とで構成されている。一対の直線部(48a)は、互いに間隔をあけて平行に延びている。折返し部(48b)は、これら一対の直線部(48a)における一方の端部同士を連結している。
各伝熱管(48)は、一対の直線部(48a)が空気通路(50)における空気の流れ方向に並ぶ姿勢で設置されている。そして、これら複数の伝熱管(48)は、空気通路(50)の幅方向に整列した伝熱管(48)の列を、該伝熱管(48)の整列方向と交差する方向、つまり空気通路(50)における空気の流れ方向に複数列(図10に示す例では2列)構成している。
各透湿管(45)は、伝熱管(48)毎に設けられ、該伝熱管(48)に対しその長手方向に亘って、一方の直線部(48a)から折返し部(48b)を経て他方の直線部(48a)に至るように巻き付けられている。これら各透湿管(45)内を流れる液体吸収剤は、当該透湿管(45)と伝熱管(48)とが接触する箇所において該伝熱管(48)内の冷媒が持つ温熱又は冷熱が付与される。これにより、液体吸収剤は、常時、加熱され又は冷却されながら各透湿管(45)内を流れる。また、これら各透湿管(45)の外周面のうち伝熱管(48)と接触する箇所以外の部分は空気通路(50)を流れる空気と接触するので、該空気通路(50)を流れる空気と各透湿管(45)内の液体吸収剤とで水分が授受される。
また、本実施形態の調湿モジュール(40)は、上記実施形態1における一対のヘッダユニット(42)に代えて、一対の冷媒ヘッダ(60)と一対の吸収剤ヘッダ(61)とをそれぞれ複数組備えている。一対の冷媒ヘッダ(60)と一対の吸収剤ヘッダ(61)とは、一列に整列された伝熱管(48)の列毎に設けられている。
一対の冷媒ヘッダ(60)は、それぞれ直線状に延びる円管によって構成された第1の冷媒ヘッダ(60a)及び第2の冷媒ヘッダ(60b)である。これら一対の冷媒ヘッダ(60a, 60b)は、一列に整列された各伝熱管(48)の下方に、空気通路(50)の幅方向に互いの軸方向が平行となる姿勢で設置されている。一列に整列された各伝熱管(48)の両端は一対の冷媒ヘッダ(60a, 60b)にそれぞれ接続されている。つまり、各伝熱管(48)において、一方の直線部(48a)の端部は第1の冷媒ヘッダ(60a)に接続され、他方の直線部(48a)の端部は第2の冷媒ヘッダ(60b)に接続されている。そして、これら一対の冷媒ヘッダ(60a, 60b)は各伝熱管(48)を介して連通している。
一対の吸収剤ヘッダ(61a, 61b)は、それぞれ直線状に延びる円管によって構成された第1の吸収剤ヘッダ(61a)及び第2の吸収剤ヘッダ(61b)である。各吸収剤ヘッダ(61a, 61b)は、伝熱管(48)と一対一で対応し、対応する伝熱管(48)に沿って配置されている。一列に整列された各伝熱管(48)に巻き付けられた透湿管(45)の両端は、当該伝熱管(48)が接続されている一対の冷媒ヘッダ(60)に沿って配置された各吸収剤ヘッダ(61a, 61b)にそれぞれ接続されている。つまり、各透湿管(45)において、一方の端部は第1の吸収剤ヘッダ(61a)に接続され、他方の端部は第2の吸収剤ヘッダ(61b)に接続されている。そして、これら一対の吸収剤ヘッダ(61a, 61b)は各透湿管(45)を介して連通している。
−実施形態3の効果−
この実施形態3によっても、上記実施形態1と同様に、液体吸収剤が空気と水分を授受することで生じる液体吸収剤の温度変化を抑えることによって調湿モジュール(40)の小型化、ひいては調湿装置(10)のコンパクト化を図ることができ、且つ調湿モジュール(40)において液体吸収剤に吸湿させ又は放湿させるために必要なエネルギーを削減することができ、調湿装置(10)としてもエネルギー効率を改善することができる。
−実施形態3の変形例−
本変形例の調湿モジュール(40)について、図11を参照しながら説明する。本実施形態の調湿モジュール(40)では、図11に示すように、透湿管(45)が、一対の直線部(48a)の一方から他方に掛け渡すように伝熱管(48)に巻き付けられていてもよい。この構成によれば、透湿管(45)が伝熱管(48)における一対の直線部(48b)の間に張り巡らされているので、例えば直管である1本の伝熱管(48)に対し透湿管(45)が単純に巻き付けられている場合に比べて、透湿管(45)と空気通路(50)を流れる空気との接触面積が増大する。これによって、空気通路(50)の空気と透湿管(45)内の液体吸収剤とで授受される水分量を増大させることができ、調湿モジュール(40)の調湿能力を向上させることができる。
《その他の実施形態》
図12に示すように、伝熱管(48)は、蛇行管であってもよい。この構成では、伝熱管(48)は、空気通路(50)の幅方向(図12で上下方向)において左右に蛇行しながら、該空気通路(50)の上端付近から下端付近にまで延びている。この伝熱管(48)は、複数の直線部(48c)と、複数の折返し部(48d)とを有している。各直線部(48c)は、互いに所定の間隔をあけて平行に延びている。各折返し部(48d)は、隣り合う直線部(48c)同士を連結している。そして、透湿管(45)は、このように蛇行した形状を有する伝熱管(48)に対し、その長手方向に亘って螺旋状に巻き付けられている。また、この実施形態の調湿モジュール(40)には、ヘッダユニット(42)が設けられておらず、空気通路(50)は、奥行きのある枠状部材(65)によって仕切られている。
さらに、図13に示すように、透湿管(45)は、上記の蛇行管である1本の伝熱管(48)に対して複数本設けられていてもよい。具体的には、透湿管(45)は、伝熱管(48)の直線部(48c)毎に設けられていて、該直線部(48c)に対しその長手方向に亘って螺旋状に巻き付けられている。これら各透湿管(45)の両端は、空気通路(50)の左右両側に配置された第1の吸収剤ヘッダ(61a)及び第2の吸収剤ヘッダ(61b)に接続されていて、これら一対の吸収剤ヘッダ(61a, 61b)は各透湿管(45)を介して互いに連通している。
また、図14に示すように、透湿管(45)は、空気通路(50)の上下方向に一列に整列した伝熱管(48)の列毎に設けられ、一列に整列した複数本の伝熱管(48)のそれぞれに螺旋状に巻き付けられていてもよい。この構成では、透湿管(45)は、隣り合う伝熱管(48)の端部で一方の伝熱管(48)から他方の伝熱管(48)へ掛け渡され、巨視的に見れば全体として蛇行した形状を呈している。
また、図15に示すように、各透湿管(45)は、伝熱管(48)の長手方向に隙間がない状態に巻き付けられていてもよい。この構成によれば、透湿管(45)が伝熱管(48)をその長手方向に隙間なく覆っているので、透湿管(45)が伝熱管(48)の長手方向に隙間をあけた状態に巻き付けられている場合に比べて、伝熱管(48)内を流れる冷媒の熱量が空気通路(50)の空気へ逃げることで生じる熱損失が抑えられ、伝熱管(48)内の冷媒が無駄に消費するエネルギーを低減させることができる。なお、図15には、上記実施形態1に対応する構成を図示したが、このような伝熱管(48)に対する透湿管(45)の巻付け状態は、上記実施形態2,3及びその他の実施形態の調湿モジュール(40)にも勿論適用することができる。
その他、図16に示すように、上記の各実施形態の調湿装置(10)では、給気側モジュール(40a)と排気側モジュール(40b)とが、別々のユニットに配置されていてもよい。
具体的には、本変形例の調湿装置(10)は、室外ユニット(15)と、室内ユニット(17)とを備えている。室外ユニット(15)には、吸収剤回路(30)のポンプ(31)と、冷媒回路(35)の圧縮機(36)、四方切換弁(37)及び膨張弁(38)と、排気側モジュール(40b)とが収容されている。また、室外ユニット(15)には、排気側モジュール(40b)へ室外空気を供給する室外ファン(16)が設けられている。一方、室内ユニット(17)には、給気側モジュール(40a)が収容されている。また、室内ユニット(17)には、給気側モジュール(40a)へ室内空気を供給する室内ファン(18)が設けられている。
除湿運転中において、本変形例の調湿装置(10)では、給気側モジュール(40a)において除湿した室内空気を室内へ送り返し、排気側モジュール(40b)において加湿した室外空気を室外へ排出する。一方、加湿運転中において、本変形例の調湿装置(10)は、給気側モジュール(40a)において加湿した室内空気を室内へ送り返し、排気側モジュール(40b)において除湿した室外空気を室外へ排出する。
以上、本発明の好ましい実施形態及びその変形例について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態及びその変形例に記載の範囲に限定されない。上記実施形態及びその変形例が例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せに、さらにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
以上説明したように、本発明は、液体吸収剤を用いて空気の湿度調節を行う調湿モジュール及びそれを備えた調湿装置について有用であり、特に、液体吸収剤の温度変化を抑えることによって調湿モジュールの小型化を図ることが要望される調湿モジュール及びそれを備えた調湿装置に適している。
10 調湿装置
27 給気ファン(空気供給手段)
28 排気ファン(空気供給手段)
30 吸収剤回路
35 冷媒回路(熱媒体回路)
40 調湿モジュール
45 透湿管
48 伝熱管
48a 直線部
50 空気通路

Claims (8)

  1. 液体吸収剤を用いて空気を加湿し又は除湿する調湿モジュールであって、
    前記液体吸収剤は透過させずに水蒸気を透過させる膜によって構成され、前記液体吸収剤が内部を流れる透湿管(45)と、
    加熱用又は冷却用の熱媒体が内部を流れ、前記透湿管(45)内の液体吸収剤と内部の熱媒体とを熱交換させる伝熱管(48)と、
    前記透湿管(45)及び伝熱管(48)が設置され、前記透湿管(45)内の液体吸収剤と水分を授受させる空気が流れる空気通路(50)とを備え、
    前記透湿管(45)は、前記伝熱管(48)に対しその長手方向に亘って螺旋状に巻き付けられている
    ことを特徴とする調湿モジュール。
  2. 請求項1に記載された調湿モジュールにおいて、
    前記伝熱管(48)は、互いに間隔をあけて複数本設けられ、
    前記透湿管(45)は、前記伝熱管(48)毎に当該伝熱管(48)に巻き付けられている
    ことを特徴とする調湿モジュール。
  3. 請求項2に記載された調湿モジュールにおいて、
    前記伝熱管(48)は、互いに間隔をあけて平行に延びる一対の直線部(48a)を有するU字管であり、
    前記透湿管(45)は、前記一対の直線部(48a)の一方から他方に掛け渡すように前記伝熱管(48)に巻き付けられている
    ことを特徴とする調湿モジュール。
  4. 請求項1に記載された調湿モジュールにおいて、
    前記伝熱管(48)は、互いに間隔をあけて複数本設けられ、
    前記透湿管(45)は、前記複数本の伝熱管(48)のうち2本以上の伝熱管(48)毎に設けられ、当該2本以上の伝熱管(48)に掛け渡すように当該伝熱管(48)に巻き付けられている
    ことを特徴とする調湿モジュール。
  5. 請求項2又は4に記載された調湿モジュールにおいて、
    前記複数本の伝熱管(48)は、互いに平行な姿勢で設けられ、前記空気通路(50)の空気の流れ方向に整列した当該伝熱管(48)の列を、該伝熱管(48)の整列方向と交差する方向に複数列構成している
    ことを特徴とする調湿モジュール。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載された調湿モジュールにおいて、
    前記透湿管(45)は、前記伝熱管(48)の長手方向に隙間がない状態に巻き付けられている
    ことを特徴とする調湿モジュール。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載された調湿モジュールにおいて、
    前記透湿管(45)は、前記伝熱管(48)の長手方向に隙間をあけた状態に巻き付けられている
    ことを特徴とする調湿モジュール。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載された調湿モジュール(40)と、
    前記調湿モジュール(40)の透湿管(45)に液体吸収剤を供給する吸収剤回路(30)と、
    前記調湿モジュール(40)の伝熱管(48)に加熱用又は冷却用の熱媒体を供給する熱媒体回路(35)と、
    前記調湿モジュール(40)の空気通路(50)に空気を流すための空気供給手段(27, 28)と、を備え、
    前記調湿モジュール(40)の空気通路(50)に流れる空気を除湿し又は加熱する
    ことを特徴とする調湿装置。
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