JP2013139906A - 吸着熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】扁平管を備えた吸着熱交換器の性能を向上させる。
【解決手段】吸着熱交換器(30)は、一対のヘッダ集合管(31,32)と、各ヘッダ集合管(31,32)に接続された複数の扁平管(33)と、扁平管(33)に接合された複数のフィン(36)とを備える。フィン(36)の表面には、吸着剤を含有する吸着層が形成される。蒸発器として機能する吸着熱交換器(30)では、冷媒が各扁平管(33)内を第2ヘッダ集合管(32)から第1ヘッダ集合管(31)へ向かって流れる。吸着熱交換器(30)では、第1ヘッダ集合管(31)寄りの領域が出口側領域(62)となり、残りの領域が入口側領域(61)となる。出口側領域(62)に設けられた吸着層は、上記入口側領域(61)に設けられた吸着層に比べて、静的性能が高い。
【選択図】図3

Description

本発明は、扁平管とヘッダ集合管とフィンとを備えた熱交換器であって、フィンの表面に吸着層が形成された吸着熱交換器に関するものである。
従来より、吸着剤を含有する吸着層がフィンの表面に形成された吸着熱交換器が知られている。特許文献1〜3には、円管状の伝熱管と板状のフィンとを備えたフィン・アンド・チューブ熱交換器に吸着層を形成した吸着熱交換器が開示されている。また、特許文献3の図10〜12には、扁平な伝熱管と波板状のフィンとを備えた熱交換器に吸着層を形成した吸着熱交換器が記載されている。また、特許文献2には、吸着熱交換器のうち空気流の下流側の部分に形成された吸着層の静的性能を、空気流の上流側の部分に形成された吸着層の静的性能よりも高くし、吸着熱交換器に吸着される水分の量を均一化することが記載されている。
特開2006−349342号公報 特開2005−315485号公報 特開2010−270973号公報
蒸発器として機能する吸着熱交換器において、伝熱管へ流入した冷媒は、伝熱管内を流れる間に吸熱して蒸発する。そして、吸着熱交換器における冷媒の流通経路の出口寄りの部分では、伝熱管内をガス単相状態の冷媒が流れる。このため、吸着熱交換器のうち冷媒の流通経路の出口寄りの部分では、冷媒の吸熱量が減少し、吸着層に吸着される水分の量も減少する。
この問題は、特許文献3の図7〜9に開示されているような複数の扁平管を備えた吸着熱交換器において、特に深刻である。この点について説明する。
特許文献1,2に開示されているような円管状の伝熱管と板状のフィンとを備える吸着熱交換器では、フィンの長手方向とフィンの幅方向(即ち、空気の通過方向)とに伝熱管が配列されている。また、この吸着熱交換器では、複数の冷媒パスが伝熱管によって形成され、吸着熱交換器へ供給された冷媒が複数の冷媒パスへ分配される。
この種の吸着熱交換器では、そこを通過する空気流の下流側に各冷媒パスの入口が配置され、その空気流の上流側に各冷媒パスの出口が配置されることが多い。その場合、各冷媒パスの出口付近を流れる冷媒は、吸着熱交換器へ流入した直後の温度が比較的高い空気と熱交換する。このため、冷媒パスの出口付近を流れる冷媒がガス単相状態になっても、冷媒と空気の温度差が比較的大きいため、冷媒パスの出口付近の領域における冷媒の吸熱量は大幅には減少しない。従って、吸着熱交換器における冷媒パスの出口付近の領域に吸着される水分の量は、多少は減少するものの、それ程大幅には減少しない。
また、この種の吸着熱交換器では、各冷媒パスを冷媒が空気流の下流側から上流側へ向かって流れる。このため、吸着熱交換器のうち冷媒パスを流れる冷媒がガス単相状態となる領域は、空気流の上流側の一部分だけである。そして、吸着熱交換器のうち空気流の下流側の部分では、冷媒パスを流れる冷媒が気液二相状態であるため、冷媒の吸熱量が充分に確保され、その結果、水分の吸着量も充分に確保される。従って、吸着熱交換器のうちの比較的狭い領域において水分の吸着量が減少しても、吸着熱交換器全体の性能に与える影響は小さい。
一方、特許文献3の図7〜9に開示されているような複数の扁平管を備える吸着熱交換器では、ヘッダへ流入した冷媒が比較的多数(例えば10本以上)の扁平管に分配される。つまり、この種の吸着熱交換器には、多数の冷媒パスが形成される。また、この種の吸着熱交換器では、冷媒が扁平管内を一方のヘッダから他方のヘッダへ向かって流れ、空気が扁平管の配列方向と直交する方向へ流れる。そのため、この種の吸着熱交換器のうち各冷媒パスをガス単相状態の冷媒が流れる領域では、空気流の上流側の部分だけでなく空気流の下流側の部分においても、ガス単相状態の冷媒が空気と熱交換する。
吸着熱交換器を通過する空気の温度は、空気流の上流側から下流側に向かって次第に低下する。従って、この種の吸着熱交換器のうち空気流の下流側の部分では、各冷媒パスを流れるガス単相状態の冷媒と空気の温度差が小さくなり、冷媒の吸熱量が大幅に減少するため、水分の吸着量も大幅に減少してしまう。このため、複数の扁平管を備える吸着熱交換器では、比較的広い領域で水分の吸着量が減少し、吸着熱交換器全体の性能が大きく低下するおそれがあった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、扁平な伝熱管(即ち、扁平管)を備えた吸着熱交換器の性能を向上させることにある。
第1の発明は、互いに平行に配置された一対のヘッダ集合管(31,32)と、側面が対向するように配列され、上記一対のヘッダ集合管(31,32)の一方に一端が、他方に他端がそれぞれ接続された複数の扁平管(33)と、上記扁平管(33)に接合された複数のフィン(35,36)と、吸着剤を含有して上記フィン(35,36)の表面を覆う吸着層(65)とを備える吸着熱交換器を対象とする。そして、上記吸着熱交換器が蒸発器として機能するときに該吸着熱交換器における冷媒の流通経路の出口寄りの領域が出口側領域(62)を、残りの領域が入口側領域(61)をそれぞれ構成し、上記出口側領域(62)に設けられた吸着層(65)は、上記入口側領域(61)に設けられた吸着層(65)に比べて、静的性能が高いものである。
第1の発明において、蒸発器として機能する吸着熱交換器(30)には、気液二相状態の冷媒が供給される。この冷媒は、一方のヘッダ集合管(32)へ流入し、その後に複数の扁平管(33)へ分配される。フィン(35,36)の間を通過する空気中の水分が吸着層(65)の吸着剤に吸着されると、吸着熱が発生する。扁平管(33)を流れる冷媒は、この吸着熱を吸収して蒸発する。
第1の発明の吸着熱交換器(30)には、出口側領域(62)と入口側領域(61)とが形成される。各扁平管(33)のうち出口側領域(62)に位置する部分を流れる冷媒は、乾き度の高い状態かガス単相状態となっており、それ程多くの熱を吸収することができない。一方、出口側領域(62)に設けられた吸着層(65)は、入口側領域(61)に設けられた吸着層(65)よりも、静的性能が高い。このため、出口側領域(62)では、扁平管(33)を流れる冷媒の吸熱量が少なくても、吸着層(65)に吸着される水分の量が確保される。
なお、吸着層(65)の静的性能は、吸着層(65)の形成されたフィン(35,36)を相対湿度が一定の空気と充分に長い時間に亘って接触させた場合に吸着層(65)が吸着し得る水分量によって表される。つまり、吸着層(65)と相対湿度が一定の空気が共存していて平衡状態に達したときに吸着層(65)が吸着している水分量が、吸着層(65)の静的性能を表す。また、吸着層(65)と相対湿度が一定の空気が共存していて平衡状態に達したときの吸着層(65)の含水率も、吸着層(65)の静的性能を表す。吸着層(65)の含水率は、単位質量の吸着層(65)に吸着されている水(HO)の質量である。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記出口側領域(62)に設けられた吸着層(65)は、上記入口側領域(61)に設けられた吸着層(65)に比べて、単位面積当たりの吸着剤の担持量が多いものである。
第2の発明では、出口側領域(62)に設けられた吸着層(65)の単位面積当たりの吸着剤の担持量が、入口側領域(61)に設けられた吸着層(65)の単位面積当たりの吸着剤の担持量よりも高い。従って、出口側領域(62)に設けられた吸着層(65)の静的性能は、入口側領域(61)に設けられた吸着層(65)の静的性能よりも高くなる。
第3の発明は、上記第1の発明において、上記出口側領域(62)に設けられた吸着層(65)に含まれる吸着剤は、上記入口側領域(61)に設けられた吸着層(65)に含まれる吸着剤に比べて、静的性能が高いものである。
第3の発明では、出口側領域(62)に設けられた吸着層(65)に含まれる吸着剤の静的性能が、入口側領域(61)に設けられた吸着層(65)に含まれる吸着剤の静的性能よりも高い。従って、出口側領域(62)に設けられた吸着層(65)の静的性能は、入口側領域(61)に設けられた吸着層(65)の静的性能よりも高くなる。
第4の発明は、上記第1の発明において、上記吸着層(65)は、吸着剤とバインダの混合物であり、上記出口側領域(62)に設けられた吸着層(65)は、上記入口側領域(61)に設けられた吸着層(65)に比べて、吸着剤の質量割合が大きいものである。
第4の発明では、出口側領域(62)に設けられた吸着層(65)における吸着剤の質量割合が、入口側領域(61)に設けられた吸着層(65)における吸着剤の質量割合よりも大きい。従って、出口側領域(62)に設けられた吸着層(65)の静的性能は、入口側領域(61)に設けられた吸着層(65)の静的性能よりも高くなる。
本発明の吸着熱交換器(30)が蒸発器として機能する場合は、吸着熱交換器(30)の出口側領域(62)において、冷媒の吸熱量が少なくなる。一方、この発明の吸着熱交換器(30)では、出口側領域(62)に設けられた吸着層(65)の静的性能が、入口側領域(61)に設けられた吸着層(65)の静的性能よりも高くなっている。このため、従来は吸着層(65)への水分の吸着量が少なかった吸着熱交換器(30)の出口側領域(62)において、吸着層(65)への水分の吸着量を増大させることができる。従って、本発明によれば、吸着熱交換器(30)の各部分における水分の吸着量を平均化することができ、吸着熱交換器(30)の性能を向上させることができる。
図1は、実施形態1の吸着熱交換器を備えた調湿装置の概略構成を示す冷媒回路図である。 図2は、実施形態1の吸着熱交換器の概略構成を示す斜視図である。 図3は、実施形態1の吸着熱交換器の概略構成を示す正面図である。 図4は、図3におけるA−A断面を拡大して示す断面図である。 図5は、図4におけるB−B断面を拡大して示す断面図である。 図6は、空気の相対湿度と吸着剤の含水率との関係を示すグラフである。 図7は、実施形態2の吸着熱交換器の概略構成を示す正面図である。 図8は、その他の実施形態の第1変形例の吸着熱交換器の概略構成を示す斜視図である。 図9は、その他の実施形態の第1変形例の吸着熱交換器の概略構成を示す正面図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態および変形例は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。
−調湿装置−
先ず、本実施形態の吸着熱交換器(30)を備えた調湿装置(10)について、図1を参照しながら説明する。
〈調湿装置の構成〉
調湿装置(10)は、冷媒回路(20)を備えている。この冷媒回路(20)は、第1吸着部材(21)、第2吸着部材(22)、圧縮機(23)、四方切換弁(24)、及び電動膨張弁(25)が設けられた閉回路である。冷媒回路(20)は、充填された冷媒を循環させることによって蒸気圧縮冷凍サイクルを行う。また、第1吸着部材(21)と第2吸着部材(22)は、何れも本実施形態の吸着熱交換器(30)によって構成されている。吸着熱交換器(30)の詳細については後述する。
冷媒回路(20)において、圧縮機(23)は、その吐出管が四方切換弁(24)の第1のポートに、その吸入管が四方切換弁(24)の第2のポートにそれぞれ接続されている。また、この冷媒回路(20)では、四方切換弁(24)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、第1吸着部材(21)と、電動膨張弁(25)と、第2吸着部材(22)とが配置されている。
詳しくは後述するが、第1吸着部材(21)及び第2吸着部材(22)を構成する吸着熱交換器(30)は、多数の扁平管(33)と、一対のヘッダ集合管(31,32)、多数のフィン(36)とを備えている。また、扁平管(33)及びフィン(36)の表面は、吸着剤を含有する吸着層(65)によって覆われている。
第1吸着部材(21)を構成する吸着熱交換器(30a)は、第1ヘッダ集合管(31a)が四方切換弁(24)の第3のポートに接続され、第2ヘッダ集合管(32a)が電動膨張弁(25)の一端に接続される。第2吸着部材(22)を構成する吸着熱交換器(30b)は、第1ヘッダ集合管(31b)が四方切換弁(24)の第4のポートに接続され、第2ヘッダ集合管(32b)が電動膨張弁(25)の他端に接続される。
四方切換弁(24)は、第1のポートと第3のポートが連通して第2のポートと第4のポートが連通する第1状態(図1(A)に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが連通して第2のポートと第3のポートが連通する第2状態(図1(B)に示す状態)とに切り換え可能となっている。
〈調湿装置の運転動作〉
調湿装置(10)は、除湿した空気を室内へ供給する除湿運転と、加湿した空気を室内へ供給する加湿運転とを行う。また、調湿装置(10)は、除湿運転中と加湿運転中の何れにおいても、第1動作と第2動作を所定の時間間隔(例えば3分間隔)で交互に繰り返す。
調湿装置(10)は、除湿運転中であれば第1空気として室外空気(OA)を、第2空気として室内空気(RA)をそれぞれ取り込む。また、調湿装置(10)は、加湿運転中であれば第1空気として室内空気(RA)を、第2空気として室外空気(OA)をそれぞれ取り込む。
先ず、第1動作について説明する。第1動作中には、第1吸着部材(21)へ第2空気が、第2吸着部材(22)へ第1空気がそれぞれ供給される。
図1(A)に示すように、第1動作中の冷媒回路(20)では、四方切換弁(24)が第1状態に設定される。圧縮機(23)が作動すると、冷媒回路(20)で冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる。その際、冷媒回路(20)では、第1吸着部材(21)が凝縮器として機能し、第2吸着部材(22)が蒸発器として機能する。
具体的に、圧縮機(23)から吐出された冷媒は、第1吸着部材(21)で放熱して凝縮する。第1吸着部材(21)で凝縮した冷媒は、電動膨張弁(25)を通過する際に減圧され、その後に第2吸着部材(22)で吸熱して蒸発する。第2吸着部材(22)で蒸発した冷媒は、圧縮機(23)へ吸入されて圧縮され、再び圧縮機(23)から吐出される。
吸着熱交換器(30)により構成された第1吸着部材(21)では、吸着層(65)が扁平管(33)内の冷媒によって加熱され、加熱された吸着層(65)から脱離した水分が第2空気に付与される。また、吸着熱交換器(30)により構成された第2吸着部材(22)では、吸着層(65)に第1空気中の水分が吸着され、発生した吸着熱が扁平管(33)内の冷媒に吸収される。
そして、除湿運転中であれば、第2吸着部材(22)で除湿された第1空気が室内へ供給され、第1吸着部材(21)から脱離した水分が第2空気と共に室外へ排出される。一方、加湿運転中であれば、第1吸着部材(21)で加湿された第2空気が室内へ供給され、第2吸着部材(22)に水分を奪われた第1空気が室外へ排出される。
次に、第2動作について説明する。第2動作中には、第1吸着部材(21)へ第1空気が、第2吸着部材(22)へ第2空気がそれぞれ送り込まれる。
図1(B)に示すように、第2動作中の冷媒回路(20)では、四方切換弁(24)が第2状態に設定される。圧縮機(23)が作動すると、冷媒回路(20)で冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる。その際、冷媒回路(20)では、第2吸着部材(22)が凝縮器として機能し、第1吸着部材(21)が蒸発器として機能する。
具体的に、圧縮機(23)から吐出された冷媒は、第2吸着部材(22)で放熱して凝縮する。第2吸着部材(22)で凝縮した冷媒は、電動膨張弁(25)を通過する際に減圧され、その後に第1吸着部材(21)で吸熱して蒸発する。第1吸着部材(21)で蒸発した冷媒は、圧縮機(23)へ吸入されて圧縮され、再び圧縮機(23)から吐出される。
吸着熱交換器(30)により構成された第2吸着部材(22)では、吸着層(65)が扁平管(33)内の冷媒によって加熱され、加熱された吸着層(65)から脱離した水分が第2空気に付与される。また、吸着熱交換器(30)により構成された第1吸着部材(21)では、表面の吸着層(65)に第1空気中の水分が吸着され、発生した吸着熱が扁平管(33)内の冷媒に吸収される。
そして、除湿運転中であれば、第1吸着部材(21)で除湿された第1空気が室内へ供給され、第2吸着部材(22)から脱離した水分が第2空気と共に室外へ排出される。一方、加湿運転中であれば、第2吸着部材(22)で加湿された第2空気が室内へ供給され、第1吸着部材(21)に水分を奪われた第1空気が室外へ排出される。
−吸着熱交換器−
本実施形態の吸着熱交換器(30)について、図2〜5を適宜参照しながら説明する。
〈吸着熱交換器の構成〉
図2及び図3に示すように、本実施形態の吸着熱交換器(30)は、一つの第1ヘッダ集合管(31)と、一つの第2ヘッダ集合管(32)と、多数の扁平管(33)と、多数のフィン(36)とを備えている。第1ヘッダ集合管(31)、第2ヘッダ集合管(32)、扁平管(33)、及びフィン(36)は、何れもアルミニウム合金製の部材であって、互いにロウ付けによって接合されている。
第1ヘッダ集合管(31)と第2ヘッダ集合管(32)は、何れも両端が閉塞された細長い中空円筒状に形成されている。各ヘッダ集合管(31,32)内の空間は、連続した一つの空間となっている。吸着熱交換器(30)では、図3における左端に第1ヘッダ集合管(31)が配置され、同図における右端に第2ヘッダ集合管(32)が配置されている。つまり、第1ヘッダ集合管(31)と第2ヘッダ集合管(32)は、それぞれの軸方向が上下方向となる姿勢で設置されている。
第1ヘッダ集合管(31)の下端部には、ガス側接続管(51)が取り付けられている。ガス側接続管(51)は、第1ヘッダ集合管(31)の内部空間に連通している。また、第2ヘッダ集合管(32)の下端部には、液側接続管(52)が取り付けられている。液側接続管(52)は、第2ヘッダ集合管(32)の内部空間に連通している。
第1吸着部材(21)を構成する吸着熱交換器(30)は、ガス側接続管(51)が四方切換弁(24)の第3のポートに接続され、液側接続管(52)が電動膨張弁(25)の一端に接続される。第2吸着部材(22)を構成する吸着熱交換器(30b)は、ガス側接続管(51)が四方切換弁(24)の第4のポートに接続され、液側接続管(52)が電動膨張弁(25)の他端に接続される。なお、図2では、液側接続管(52)及びガス側接続管(51)の図示を省略している。
図4にも示すように、扁平管(33)は、その断面形状が扁平な長円形あるいは角の丸い矩形となった伝熱管である。吸着熱交換器(30)において、複数の扁平管(33)は、その伸長方向が左右方向となり、且つそれぞれの平坦な側面が互いに向かい合う姿勢で配置されている。また、複数の扁平管(33)は、互いに一定の間隔をおいて上下に並んで配置されている。各扁平管(33)は、その一端部が第1ヘッダ集合管(31)に挿入され、その他端部が第2ヘッダ集合管(32)に挿入されている。
各扁平管(33)には、複数の流体通路(34)が形成されている。各流体通路(34)は、扁平管(33)の伸長方向に延びる通路である。各扁平管(33)において、複数の流体通路(34)は、扁平管(33)の幅方向(即ち、長手方向と直交する方向)に一列に並んでいる。各扁平管(33)に形成された複数の流体通路(34)は、それぞれの一端が第1ヘッダ集合管(31)の内部空間に連通し、それぞれの他端が第2ヘッダ集合管(32)の内部空間に連通している。
フィン(36)は、金属板をプレス加工することによって形成された縦長の板状フィンである。吸着熱交換器(30)では、多数のフィン(36)が扁平管(33)の軸方向へ一定のピッチFPで配置されている。フィン(36)には、フィン(36)の前縁(即ち、風上側の縁部)からフィン(36)の幅方向に延びる細長い切り欠き部(45)が、多数形成されている。フィン(36)では、多数の切り欠き部(45)が、フィン(36)の長手方向(上下方向)に一定の間隔で形成されている。切り欠き部(45)の風下寄りの部分は、管挿入部(46)を構成している。管挿入部(46)は、上下方向の幅が扁平管(33)の厚さと実質的に等しく、長さが扁平管(33)の幅と実質的に等しい。扁平管(33)は、フィン(36)の管挿入部(46)に挿入され、管挿入部(46)の周縁部とロウ付けによって接合される。また、フィン(36)には、伝熱を促進するためのルーバー(40)が形成されている。
詳しくは後述するが、蒸発器として機能する吸着熱交換器(30)では、第2ヘッダ集合管(32)へ流入した冷媒が全ての扁平管(33)へ分配され、各扁平管(33)を通過した冷媒が第1ヘッダ集合管(31)へ流入する。従って、本実施形態の吸着熱交換器(30)では、冷媒の流通経路の長さLpが、吸着熱交換器(30)の有効長Leと等しい。なお、図3に示すように、吸着熱交換器(30)の有効長Leは、扁平管(33)のうち第1ヘッダ集合管(31)に差し込まれた部分と第2ヘッダ集合管(32)に差し込まれた部分とを除いた部分の長さである。
上述したように、蒸発器として機能する吸着熱交換器(30)では、全ての扁平管(33)内の流体通路(34)において、冷媒が第2ヘッダ集合管(32)から第1ヘッダ集合管(31)へ向かって流れる。従って、吸着熱交換器(30)における冷媒の流通経路の長さLpは、吸着熱交換器(30)の有効長Leと等しい(Lp=Le)。
図3に示すように、この吸着熱交換器(30)では、第1ヘッダ集合管(31)寄りの領域が、冷媒の流通経路の出口寄りに位置する出口側領域(62)となり、残りの領域が、冷媒の流通経路の入口寄りに位置する入口側領域(61)となっている。出口側領域(62)の長さをLoとすると、入口側領域(61)の長さLiは、吸着熱交換器(30)の有効長Leから出口側領域(62)の長さLoを差し引いた値となる(Li=Le−Lo)。また、本実施形態の吸着熱交換器(30)では、冷媒の流通経路の長さLpに対する出口側領域(62)の長さLoの割合(Lo/Lp)が、例えば0.2となっている。なお、このLo/Lpの値は、0.05以上0.3以下であるのが望ましく、0.1以上0.25以下であるのが更に望ましい。
図5に示すように、フィン(36)と扁平管(33)の表面には、吸着層(65)が形成されている。この吸着層(65)は、吸着剤とバインダとを含有する被膜であって、フィン(36)と扁平管(33)の表面を覆っている。吸着層(65)の厚さtは、0.2mm程度である。この吸着層(65)は、原料液を熱交換器に散布する工程と、原料液の付着した熱交換器を乾燥させる工程とを何度も繰り返すことによって形成される。なお、原料液は、微粒子状の吸着剤と、合成樹脂等からなるバインダと、溶媒としてのアルコールとを混ぜ合わせて調製された懸濁液(スラリー)である。
本実施形態の吸着熱交換器(30)において、出口側領域(62)の吸着層(65)の厚さtは、入口側領域(61)の吸着層(65)の厚さtと等しい。また、出口側領域(62)の吸着層(65)における吸着剤の質量割合は、入口側領域(61)の吸着層(65)における吸着剤の質量割合と等しい。出口側領域(62)及び入口側領域(61)の吸着層(65)における吸着剤の質量割合は、例えば75%である。なお、質量Mの吸着層(65)に質量Maの吸着剤が含まれている場合、その吸着層(65)における吸着剤の質量割合は(Ma/M)である。
また、本実施形態の吸着熱交換器(30)において、出口側領域(62)に設けられた吸着層(65)の吸着剤は、入口側領域(61)に設けられた吸着層(65)の吸着剤に比べて、静的性能が高い。従って、本実施形態の吸着熱交換器(30)では、出口側領域(62)に設けられた吸着層(65)の静的性能が、入口側領域(61)に設けられた吸着層(65)の静的性能よりも高い。
なお、吸着層(65)の静的性能は、吸着層(65)の形成されたフィン(36)を相対湿度が一定の空気と充分に長い時間に亘って接触させた場合に吸着層(65)が吸着し得る水分量によって表される。つまり、吸着層(65)と相対湿度が一定の空気が共存していて平衡状態に達したときに吸着層(65)が吸着している水分量が、吸着層(65)の静的性能を表す。また、吸着層(65)と相対湿度が一定の空気が共存していて平衡状態に達したときの吸着層(65)の含水率も、吸着層(65)の静的性能を表す。吸着層(65)の含水率は、単位質量の吸着層(65)に吸着されている水(HO)の質量である。
具体的に、入口側領域(61)の吸着層(65)に含まれる吸着剤と、出口側領域(62)の吸着層(65)に含まれる吸着剤とは、いずれも吸湿性を有する有機高分子材料(具体的には、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体)である。この吸着剤では、分子中に親水性の極性基(親水基)を有する複数の高分子主鎖が互いに架橋されており、互いに架橋された複数の高分子主鎖が三次元構造体を形成している。
ただし、入口側領域(61)の吸着層(65)に含まれる吸着剤の平均粒子径は4μmであり、出口側領域(62)の吸着層(65)に含まれる吸着剤の平均粒子径は50μmである。図6に示すように、空気の相対湿度が90%以上の領域において、平均粒子径50μmのポリアクリル酸ナトリウム架橋体は、平均粒子径4μmのポリアクリル酸ナトリウム架橋体に比べて、含水率が高い。従って、出口側領域(62)の吸着層(65)に含まれる吸着剤は、入口側領域(61)の吸着層(65)に含まれる吸着剤に比べて、静的性能が高い。
なお、蒸発器として機能する吸着熱交換器(30)において、吸着層(65)の近傍に存在する空気の相対湿度は、概ね90%以上となっている。このため、空気の相対湿度が90%以上の領域における吸着剤の含水率が高いほど、実際に吸着層(65)に吸着される水分の量が多くなる。
〈吸着熱交換器の吸着作用〉
蒸発器として機能する吸着熱交換器(30)では、そこを通過する空気に含まれる水分が吸着層(65)に吸着される。この吸着熱交換器(30)の吸着作用について、図3を参照しながら説明する。
蒸発器として機能する吸着熱交換器(30)には、電動膨張弁(25)を通過した気液二相状態の冷媒が供給される。この冷媒は、液側接続管(52)を通って第2ヘッダ集合管(32)へ流入し、その後に全ての扁平管(33)へ分配される。各扁平管(33)を流れる冷媒は、吸熱して蒸発した後に第1ヘッダ集合管(31)へ流れ込んで合流し、その後にガス側接続管(51)を通って吸着熱交換器(30)から流出してゆく。
吸着熱交換器(30)では、フィン(36)の間を通過する空気が、吸着層(65)と接触する。この空気中の水分が吸着層(65)の吸着剤に吸着されると、吸着熱が発生する。扁平管(33)を流れる冷媒は、発生した吸収熱を吸収して蒸発する。
吸着熱交換器(30)の入口側領域(61)において、各扁平管(33)の流体通路(34)を流れる冷媒は、第2ヘッダ集合管(32)から第1ヘッダ集合管(31)へ近付くにつれて、その乾き度が次第に上昇してゆく。一方、吸着熱交換器(30)の出口側領域(62)では、第1ヘッダ集合管(31)へ近付くにつれて、流体通路(34)を流れる冷媒がガス単相状態となる扁平管(33)の本数が増えてゆく。そして、出口側領域(62)のうち第1ヘッダ集合管(31)の近傍では、全ての扁平管(33)において、流体通路(34)を流れる冷媒がガス単相状態となる。
従って、蒸発器として機能する吸着熱交換器(30)では、出口側領域(62)を通過する空気の温度が、入口側領域(61)を通過する空気の温度よりも高くなる。このため、もし出口側領域(62)の吸着層(65)の静的性能と入口側領域(61)の吸着層(65)の静的性能が等しければ、出口側領域(62)の吸着層(65)に吸着される水分の量は、入口側領域(61)の吸着層(65)に吸着される水分の量よりも少なくなる。
これに対し、本実施形態の吸着熱交換器(30)では、出口側領域(62)の吸着層(65)の静的性能が、入口側領域(61)の吸着層(65)の静的性能よりも高くなっている。このため、入口側領域(61)に比べて通過する空気の温度が高い出口側領域(62)においても、吸着層(65)に吸着される水分の量が充分に確保され、吸着熱交換器(30)の各部における水分の吸着量が平均化される。
〈吸着熱交換器の再生作用〉
凝縮器として機能する吸着熱交換器(30)では、吸着層(65)から水分が脱離し、そこを通過する空気に吸着層(65)から脱離した水分が付与される。この吸着熱交換器(30)の再生作用について、図3を参照しながら説明する。
蒸発器として機能する吸着熱交換器(30)には、圧縮機(23)から吐出された冷媒が供給される。この冷媒は、ガス側接続管(51)を通って第1ヘッダ集合管(31)へ流入し、その後に全ての扁平管(33)へ分配される。各扁平管(33)を流れる冷媒は、放熱して凝縮した後に第2ヘッダ集合管(32)へ流れ込んで合流し、その後に液側接続管(52)を通って吸着熱交換器(30)から流出してゆく。
フィン(36)や扁平管(33)の表面に形成された吸着層(65)は、扁平管(33)を流れる冷媒によって加熱される。加熱された吸着層(65)では、吸着剤から水分が脱離してゆく。吸着層(65)から脱離した水分は、フィン(36)の間を通過する空気に付与される。
−実施形態1の効果−
本実施形態の吸着熱交換器(30)が蒸発器として機能する場合は、吸着熱交換器(30)の出口側領域(62)において、冷媒の吸熱量が少なくなる。そのため、出口側領域(62)を通過する空気の温度は、入口側領域(61)を通過する空気の温度よりも高くなる。一方、本実施形態吸着熱交換器(30)では、出口側領域(62)に設けられた吸着層(65)の静的性能が、入口側領域(61)に設けられた吸着層(65)の静的性能よりも高くなっている。このため、従来は吸着層(65)への水分の吸着量が少なかった吸着熱交換器(30)の出口側領域(62)において、吸着層(65)への水分の吸着量を増大させることができる。従って、本実施形態によれば、吸着熱交換器(30)の各部分における水分の吸着量を平均化することができ、吸着熱交換器(30)の性能を向上させることができる。
また、本実施形態の吸着熱交換器(30)では、出口側領域(62)の吸着層(65)の厚さが、入口側領域(61)の吸着層(65)の厚さと等しい。このため、空気が吸着熱交換器(30)の出口側領域(62)を通過する際の圧力損失を増やさずに、出口側領域(62)の吸着層(65)に吸着される水分の量を増やすことができる。
−実施形態1の変形例−
本実施形態の吸着熱交換器(30)では、入口側領域(61)の吸着層(65)に含まれる吸着剤をシリカゲルとし、出口側領域(62)の吸着層(65)に含まれる吸着剤をポリアクリル酸ナトリウム架橋体としてもよい。図6に示すように、空気の相対湿度が90%以上の領域において、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体は、シリカゲルに比べて含水率が高い。従って、この場合も、出口側領域(62)に設けられた吸着層(65)の静的性能は、入口側領域(61)に設けられた吸着層(65)の静的性能よりも高くなる。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。ここでは、本実施形態の吸着熱交換器(30)について、実施形態1の吸着熱交換器(30)と異なる点を説明する。
図7に示すように、本実施形態の吸着熱交換器(30)では、第2ヘッダ集合管(32)に仕切板(55)が設けられている。この仕切板(55)は、第2ヘッダ集合管(32)の軸方向の中央に設けられ、第2ヘッダ集合管(32)の内部空間を上下に仕切っている。第2ヘッダ集合管(32)の内部空間は、仕切板(55)の上側の部分がガス側空間(56)となり、仕切板(55)の下側の部分が液側空間(57)となっている。ガス側空間(56)は、上下に配列された扁平管(33)のうち上側に位置する半数の扁平管(33)と連通している。液側空間(57)は、上下に配列された扁平管(33)のうち下側に位置する半数の扁平管(33)と連通している。
また、本実施形態の吸着熱交換器(30)において、ガス側接続管(51)は、第1ヘッダ集合管(31)ではなく第2ヘッダ集合管(32)に設けられている。本実施形態のガス側接続管(51)は、第2ヘッダ集合管(32)の上端部に接続され、ガス側空間(56)に連通している。一方、液側接続管(52)は、実施形態1と同様に、第2ヘッダ集合管(32)の下端部に接続されている。この液側接続管(52)は、液側空間(57)に連通している。
蒸発器として機能する本実施形態の吸着熱交換器(30)では、気液二相状態の冷媒が、液側接続管(52)を通って第2ヘッダ集合管(32)の液側空間(57)へ流入する。その後、冷媒は、液側空間(57)に連通する複数の扁平管(33)に分配され、扁平管(33)を流れる間に吸熱して蒸発し、第1ヘッダ集合管(31)へ流入する。扁平管(33)から第1ヘッダ集合管(31)へ流入する冷媒は、依然として気液二相状態である。この冷媒は、第2ヘッダ集合管(32)のガス側空間(56)に連通する複数の扁平管(33)に分配され、扁平管(33)を流れる間に吸熱して蒸発する。これらの扁平管(33)を流れる間にガス単相状態となった冷媒は、第2ヘッダ集合管(32)のガス側空間(56)へ流入し、ガス側接続管(51)を通って吸着熱交換器(30)から流出してゆく。
凝縮器として機能する本実施形態の吸着熱交換器(30)では、ガス単相状態の冷媒が、ガス側接続管(51)を通って第2ヘッダ集合管(32)のガス側空間(56)へ流入する。その後、冷媒は、ガス側空間(56)に連通する複数の扁平管(33)に分配され、扁平管(33)を流れる間に放熱して凝縮し、第1ヘッダ集合管(31)へ流入する。扁平管(33)から第1ヘッダ集合管(31)へ流入した冷媒は、第2ヘッダ集合管(32)の液側空間(57)に連通する複数の扁平管(33)に分配され、扁平管(33)を流れる間に放熱して凝縮する。これらの扁平管(33)を流れる間に液単相状態となった冷媒は、第2ヘッダ集合管(32)の液側空間(57)へ流入し、液ガス側接続管(51)を通って吸着熱交換器(30)から流出してゆく。
上述したように、蒸発器として機能する本実施形態の吸着熱交換器(30)において、冷媒は、仕切板(55)よりも下側に位置する扁平管(33)を通過し、その後に仕切板(55)よりも上側に位置する扁平管(33)を通過する。本実施形態の吸着熱交換器(30)では、仕切板(55)よりも上側で且つ第2ヘッダ集合管(32)寄りの領域が、出口側領域(62)を構成している。また、この吸着熱交換器(30)では、仕切板(55)よりも上側の領域の残りと、仕切板(55)よりも下側の領域の全体とが、入口側領域(61)を構成している。
本実施形態の吸着熱交換器(30)においても、実施形態1と同様に、冷媒の流通経路の長さLpに対する出口側領域(62)の長さLoの割合(Lo/Lp)は、例えば0.2となっている。なお、このLo/Lpの値は、0.05以上0.3以下であるのが望ましく、0.1以上0.25以下であるのが更に望ましい。ただし、本実施形態の吸着熱交換器(30)を流れる冷媒は、第2ヘッダ集合管(32)と第1ヘッダ集合管(31)の間を一往復している。従って、本実施形態の吸着熱交換器(30)における冷媒の流通経路の長さLpは、吸着熱交換器(30)の有効長Leの2倍となる(Lp=2Le)。
本実施形態の吸着熱交換器(30)では、実施形態1と同様に、出口側領域(62)に設けられた吸着層(65)の静的性能が、入口側領域(61)に設けられた吸着層(65)の静的性能よりも高い。つまり、本実施形態の吸着熱交換器(30)では、出口側領域(62)に設けられた吸着層(65)の吸着剤の静的性能が、入口側領域(61)に設けられた吸着層(65)の吸着剤の静的性能よりも高い。また、本実施形態の吸着熱交換器(30)において、出口側領域(62)に設けられた吸着層(65)と、入口側領域(61)に設けられた吸着層(65)とは、それぞれの厚さが等しく、それぞれにおける吸着剤の質量割合も等しい。
本実施形態によっても、実施形態1と同様の効果が得られる。つまり、本実施形態によれば、従来は吸着層(65)への水分の吸着量が少なかった吸着熱交換器(30)の出口側領域(62)において、吸着層(65)への水分の吸着量を増大させることができる。従って、本実施形態によれば、吸着熱交換器(30)の各部分における水分の吸着量を平均化することができ、吸着熱交換器(30)の性能を向上させることができる。
《その他の実施形態》
実施形態1及び2の変形例について説明する。
−第1変形例−
図8,9に示すように、各実施形態の吸着熱交換器(30)は、板状のフィン(36)に代えて、波板状に形成されたコルゲートフィン(35)を備えていてもよい。なお、図8,9に示した吸着熱交換器(30)は、実施形態1の吸着熱交換器(30)に本変形例を適用したものである。
本変形例の吸着熱交換器(30)では、上下に配列された扁平管(33)の間に、コルゲートフィン(35)が配置されている。各コルゲートフィン(35)は、隣接する扁平管(33)とロウ付けによって接合されている。本変形例の吸着熱交換器(30)では、コルゲートフィン(35)の表面と扁平管(33)の表面とを覆うように、吸着層(65)が形成される。
−第2変形例−
各実施形態の吸着熱交換器(30)において、出口側領域(62)の吸着層(65)は、入口側領域(61)の吸着層(65)に比べて、厚さtが厚くてもよい。例えば、入口側領域(61)の吸着層(65)の厚さtが0.15mmである場合は、出口側領域(62)の吸着層(65)の厚さtを0.2mm程度とするのが望ましい。
この場合、出口側領域(62)の吸着層(65)における吸着剤の質量割合は、入口側領域(61)の吸着層(65)における吸着剤の質量割合と同じであってもよいし、それより大きくてもよい。また、この場合、出口側領域(62)に設けられた吸着層(65)の吸着剤の静的性能は、入口側領域(61)に設けられた吸着層(65)の吸着剤の静的性能と同じであってもよいし、それより高くてもよい。
出口側領域(62)の吸着層(65)が入口側領域(61)の吸着層(65)よりも厚い場合、出口側領域(62)の吸着層(65)の単位面積当たりの吸着剤の担持量は、入口側領域(61)の吸着層(65)の単位面積当たりの吸着剤の担持量よりも多くなる。従って、本変形例の吸着熱交換器(30)では、出口側領域(62)に設けられた吸着層(65)の静的性能が、入口側領域(61)に設けられた吸着層(65)の静的性能よりも高くなる。
−第3変形例−
各実施形態の吸着熱交換器(30)において、出口側領域(62)の吸着層(65)における吸着剤の質量割合は、入口側領域(61)の吸着層(65)における吸着剤の質量割合より大きくてもよい。例えば、入口側領域(61)の吸着層(65)における吸着剤の質量割合が75%である場合は、出口側領域(62)の吸着層(65)における吸着剤の質量割合を85%程度とするのが望ましい。
この場合、出口側領域(62)の吸着層(65)の厚さは、入口側領域(61)の吸着層(65)の厚さと同じであってもよいし、それより厚くてもよい。また、この場合、出口側領域(62)に設けられた吸着層(65)の吸着剤の静的性能は、入口側領域(61)に設けられた吸着層(65)の吸着剤の静的性能と同じであってもよいし、それより高くてもよい。
入口側領域(61)の吸着層(65)よりも出口側領域(62)の吸着層(65)の方が吸着剤の質量割合が大きい場合、出口側領域(62)の吸着層(65)の単位面積当たりの吸着剤の担持量は、入口側領域(61)の吸着層(65)の単位面積当たりの吸着剤の担持量よりも多くなる。従って、本変形例の吸着熱交換器(30)では、出口側領域(62)に設けられた吸着層(65)の静的性能が、入口側領域(61)に設けられた吸着層(65)の静的性能よりも高くなる。
以上説明したように、本発明は、扁平管とヘッダ集合管とフィンとを備えた熱交換器であって、フィンの表面に吸着層が形成された吸着熱交換器について有用である。
30 吸着熱交換器
31 第1ヘッダ集合管
32 第2ヘッダ集合管
33 扁平管
35 コルゲートフィン
36 フィン
61 入口側領域
62 出口側領域
65 吸着層

Claims (4)

  1. 互いに平行に配置された一対のヘッダ集合管(31,32)と、
    側面が対向するように配列され、上記一対のヘッダ集合管(31,32)の一方に一端が、他方に他端がそれぞれ接続された複数の扁平管(33)と、
    上記扁平管(33)に接合された複数のフィン(35,36)と、
    吸着剤を含有して上記フィン(35,36)の表面を覆う吸着層(65)とを備える吸着熱交換器であって、
    上記吸着熱交換器が蒸発器として機能するときに該吸着熱交換器における冷媒の流通経路の出口寄りの領域が出口側領域(62)を、残りの領域が入口側領域(61)をそれぞれ構成し、
    上記出口側領域(62)に設けられた吸着層(65)は、上記入口側領域(61)に設けられた吸着層(65)に比べて、静的性能が高い
    ことを特徴とする吸着熱交換器。
  2. 請求項1において、
    上記出口側領域(62)に設けられた吸着層(65)は、上記入口側領域(61)に設けられた吸着層(65)に比べて、単位面積当たりの吸着剤の担持量が多い
    ことを特徴とする吸着熱交換器。
  3. 請求項1において、
    上記出口側領域(62)に設けられた吸着層(65)に含まれる吸着剤は、上記入口側領域(61)に設けられた吸着層(65)に含まれる吸着剤に比べて、静的性能が高い
    ことを特徴とする吸着熱交換器。
  4. 請求項1において、
    上記吸着層(65)は、吸着剤とバインダの混合物であり、
    上記出口側領域(62)に設けられた吸着層(65)は、上記入口側領域(61)に設けられた吸着層(65)に比べて、吸着剤の質量割合が大きい
    ことを特徴とする吸着熱交換器。
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