JP7111998B2 - 吸着熱交換器 - Google Patents

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Description

本開示は、吸着熱交換器に関するものである。
従来、表面に吸着層が形成された吸着熱交換器が知られている。例えば特許文献1に記載されているように、この吸着熱交換器は、空気の湿度調節を行う調湿装置に設けられる。具体的に、この種の調湿装置では、冷凍サイクルを行う冷媒回路に吸着熱交換器が設けられる。蒸発器として機能する吸着熱交換器では、そこを通過する空気に含まれる水分が吸着層に吸着される。凝縮器として機能する吸着熱交換器では、そこを通過する空気に吸着層から脱離した水分が付与される。
吸着熱交換器は、基材シートと、その上にバインダーによって担持された吸着剤とを備える。バインダーとしては、例えばウレタン樹脂が用いられる。
特開2009-019863号公報
吸着熱交換器において、吸着性能が低下することがあり、特に、短期間の内に吸着層が劣化して性能低下が発生する場合があった。
本開示の目的は、吸着熱交換器において、吸着層の劣化を抑制することである、
本開示の第1の態様は、基材シート(26)と、基材シート(26)上にバインダー(42)により担持された吸着剤(41)とを備える吸着熱交換器(20)を対象とする。バインダー(42)は、酸性に耐性を有する。
第1の態様では、バインダー(42)が酸性に耐性を有するので、吸着層(30)の劣化を抑制することができる。
本開示の第2の態様は、上記第1の態様において、バインダー(42)は、硝酸及び硫酸の少なくとも一方に耐性を有する。
第2の態様では、具体的な酸性として硝酸及び硫酸の少なくとも一方についてバインダー(42)が耐性を有するので、吸着層(30)の劣化を抑制することができる。
本開示の第3の態様は、上記第1の態様において、バインダー(42)は、硝酸に耐性を有する。
第3の態様では、具体的な酸性として硝酸についてバインダー(42)が耐性を有するので、吸着層(30)の劣化を抑制することができる。
本開示の第4の態様は、上記第1~3のいずれか1つの態様において、バインダーは(42)、70℃において10%の硝酸に40時間浸漬した際の質量減少が35%以下である。
第4の態様では、バインダー(42)の硝酸への耐性について具体的に規定できるので、より確実に吸着層(30)の劣化を抑制することができる。
本開示の第5の態様は、上記第1~第4のいずれか1つの態様において、バインダー(42)は、厚さ100μmの膜としたとき、1日あたりの水分透過量が40g/m以上である。
第3の態様では、バインダー(42)が望ましい程度に水分を透過するので、吸着熱交換器(20)の性能に有利である。
本開示の第6の態様は、上記1~6のいずれか1つの態様において、吸着剤(41)の膨潤率がX(%)であるとき、バインダー(42)の伸び率は、(X/100)の三乗根*100(%)以上である。
第6の態様では、吸着剤(41)が水分吸収により膨潤したとしても、バインダー(42)は十分に伸びて吸着剤(41)の脱落を抑制することができる。
本開示の第7の態様は、上記第4の態様において、バインダー(42)の引っ張り強度は、12N/mm以下である。
第7の態様では、バインダー(42)は伸びやすいので、吸着剤(41)した際にも伸びやすく、脱落を抑制することができる。
図1は、調湿装置の冷媒回路の構成を示す配管系統図であって、(A)は第1動作中の動作を示すものであり、(B)は第2動作中の動作を示すものである。 図2は、吸着熱交換器の概略斜視図である。 図3は、吸着熱交換器を構成する熱交換器ユニットの側面図である。 図4は、図3におけるA-A断面を示す断面図である。 図5は、基材シート上に設けられたバインダー及び吸着剤を模式的に示す図である。 図6は、図5において、基材シート上にコーティング層が設けられている例を示す図である。 図7は、バインダーの水分透過性の試験方法を示す図である、 図8は、バインダーの種類毎の水分透過性と吸熱交換機の能力に関して示す図である。 図9は、バインダーの引っ張り強度等を試験するための試験片を示す図である。 図10は、バインダーに用いる樹脂に関し、伸びと、印加される引張り力との関係を示す図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〈調湿装置の構成〉
初めに、本実施形態の吸着熱交換器(20)が設けられた調湿装置について説明する。この調湿装置は、除湿した空気を室内へ供給する除湿運転と、加湿した空気を室内へ供給する加湿運転とが可能に構成されている。
図1に示すように、調湿装置は、冷媒回路(10)を備えている。この冷媒回路(10)は、第1吸着部材(11)、第2吸着部材(12)、圧縮機(13)、四方切換弁(14)、及び電動膨張弁(15)が設けられた閉回路であって、冷媒が充填されている。冷媒回路(10)では、充填された冷媒を循環させることにより蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。また、第1吸着部材(11)と第2吸着部材(12)は、何れも本発明に係る吸着熱交換器(20)によって構成されている。吸着熱交換器(20)の詳細については後述する。
上記冷媒回路(10)において、圧縮機(13)は、その吐出側が四方切換弁(14)の第1のポートに、その吸入側が四方切換弁(14)の第2のポートにそれぞれ接続されている。第1吸着部材(11)の一端は、四方切換弁(14)の第3のポートに接続されている。第1吸着部材(11)の他端は、電動膨張弁(15)を介して第2吸着部材(12)の一端に接続されている。第2吸着部材(12)の他端は、四方切換弁(14)の第4のポートに接続されている。
上記四方切換弁(14)は、第1のポートと第3のポートが連通して第2のポートと第4のポートが連通する第1状態(図1(A)に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが連通して第2のポートと第3のポートが連通する第2状態(図1(B)に示す状態)とに切り換え可能となっている。
〈吸着熱交換器の構成〉
上述のように、第1吸着部材(11)及び第2吸着部材(12)は、それぞれが吸着熱交換器(20)によって構成されている。この吸着熱交換器(20)について、図2、図3、図4を参照しながら説明する。
吸着熱交換器(20)は、二つのサブユニット(21,22)を備えている(図2を参照)。各サブユニット(21,22)は、いわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器である熱交換器本体(25)と、熱交換器本体(25)の表面を覆うように形成された吸着層(30)とを備えている(図4を参照)。吸着熱交換器(20)では、二つのサブユニット(21,22)が互いに重なり合うように配置されており、吸着熱交換器(20)を通過する空気流の上流側に位置するものが第1サブユニット(21)))を、その下流側に位置するものが第2サブユニット(22)をそれぞれ構成している。
熱交換器本体(25)は、伝熱管部材である円管状の伝熱管(27)と、多数のフィン(26)とを備えている。各フィン(26)は、長方形の板状に形成された例えばアルミニウム製の部材である。各フィン(26)は、互いに対面する姿勢で立設され、互いに一定の間隔をおいて一列に配置されている。伝熱管(27)は、直管部(28)とU字管部(29)が交互に形成されて左右に蛇行する形状となっている。この伝熱管(27)は、その直管部(28)が配列された各フィン(26)を貫通するように設けられている。伝熱管(27)の直管部(28)は、フィン(26)と接合されており、その外周面がフィン(26)と密着している。
-運転動作-
上記調湿装置では、除湿運転と加湿運転とが可能である。この調湿装置は、除湿運転中と加湿運転中の何れにおいても、第1動作と第2動作を所定の時間間隔(例えば3分間隔)で交互に繰り返す。
上記調湿装置は、除湿運転中であれば第1空気として室外空気(OA)を、第2空気として室内空気(RA)をそれぞれ取り込む。また、上記調湿装置は、加湿運転中であれば第1空気として室内空気(RA)を、第2空気として室外空気(OA)をそれぞれ取り込む。
〈第1動作〉
先ず、第1動作について説明する。第1動作中には、第1吸着部材(11)へ第2空気が、第2吸着部材(12)へ第1空気がそれぞれ送り込まれる。第1動作中の冷媒回路(10)では、四方切換弁(14)が第1状態に設定される。圧縮機(13)を運転すると、冷媒回路(10)で冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる。その際、冷媒回路(10)では、第1吸着部材(11)が凝縮器として動作し、第2吸着部材(12)が蒸発器として動作する。
具体的に、圧縮機(13)から吐出された冷媒は、第1吸着部材(11)で放熱して凝縮する。第1吸着部材(11)で凝縮した冷媒は、電動膨張弁(15)を通過する際に減圧され、その後に第2吸着部材(12)で吸熱して蒸発する。第2吸着部材(12)で蒸発した冷媒は、圧縮機(13)へ吸入されて圧縮され、再び圧縮機(13)から吐出される。
吸着熱交換器(20)により構成された第1吸着部材(11)では、フィン(26)表面の吸着層(30)が伝熱管(27)内の冷媒によって加熱されて放湿し、吸着層(30)から放出された水蒸気が第2空気に付与される。また、同じく吸着熱交換器(20)により構成された第2吸着部材(12)では、フィン(26)表面の吸着層(30)が第1空気から吸湿し、その際に生じた熱が伝熱管(27)内の冷媒に吸熱される。
そして、除湿運転中であれば、第2吸着部材(12)で除湿された第1空気が室内へ供給され、第1吸着部材(11)から放出された水蒸気が第2空気と共に室外へ排出される。一方、加湿運転中であれば、第1吸着部材(11)で加湿された第2空気が室内へ供給され、第2吸着部材(12)に水蒸気を奪われた第1空気が室外へ排出される。
〈第2動作〉
次に、第2動作について説明する。第2動作中には、第1吸着部材(11)へ第1空気が、第2吸着部材(12)へ第2空気がそれぞれ送り込まれる。第2動作中の冷媒回路(10)では、四方切換弁(14)が第2状態に設定される。圧縮機(13)を運転すると、冷媒回路(10)で冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる。その際、冷媒回路(10)では、第2吸着部材(12)が凝縮器として動作し、第1吸着部材(11)が蒸発器として動作する。
具体的に、圧縮機(13)から吐出された冷媒は、第2吸着部材(12)で放熱して凝縮する。第2吸着部材(12)で凝縮した冷媒は、電動膨張弁(15)を通過する際に減圧され、その後に第1吸着部材(11)で吸熱して蒸発する。第1吸着部材(11)で蒸発した冷媒は、圧縮機(13)へ吸入されて圧縮され、再び圧縮機(13)から吐出される。
吸着熱交換器(20)により構成された第2吸着部材(12)では、フィン(26)表面の吸着層(30)が伝熱管(27)内の冷媒によって加熱されて放湿し、吸着層(30)から放出された水蒸気が第2空気に付与される。また、同じく吸着熱交換器(20)により構成された第1吸着部材(11)では、フィン(26)表面の吸着層(30)が第1空気から吸湿し、その際に生じた熱が伝熱管(27)内の冷媒に吸熱される。
そして、除湿運転中であれば、第1吸着部材(11)で除湿された第1空気が室内へ供給され、第2吸着部材(12)から放出された水蒸気が第2空気と共に室外へ排出される。一方、加湿運転中であれば、第2吸着部材(12)で加湿された第2空気が室内へ供給され、第1吸着部材(11)に水蒸気を奪われた第1空気が室外へ排出される。
〈吸着層について〉
図4に示すように、吸着層(30)は、フィン(26)の両側面を覆うように形成されてい
る。この吸着層(30)の厚さは、例えば約0.25mmである。尚、吸着層(30)は、フィン(26)の表面だけでなく、伝熱管(27)のうちフィン(26)に覆われていない部分(U字管部(29)など)の表面にも形成されている。フィン(26)以外の部分に形成された吸着層(30)の厚さは、フィン(26)の表面における吸着層(30)の厚さとは異なっていても良い。
吸着層(30)には、例えば吸湿性を有する有機高分子材料からなる吸着剤が含有されている。この吸着剤では、分子中に親水性の極性基(親水基)を有する複数の高分子主鎖が互いに架橋されており、互いに架橋された複数の高分子主鎖が三次元構造体を形成している。また、吸着剤としては、シリカ及び金属有機構造体(Metal-Organic Framework:MOF)を利用することもできる。
図5は、フィン(26)及びその表面の吸着層(30)について拡大して示す模式的な断面図である。フィン(26)は、例えばアルミニウム製の基材シートを用いて形成される。吸着層(30)は、吸着剤(41)と、これを担持するためのバインダー(42)とを含む。尚、図6に示すように、フィン(26)は、樹脂からなるコーティング層(43)を備える基材シートを用いて形成されていても良い。コーティング層(43)に用いる樹脂としては、例えばエポキシ樹脂が挙げられる。
ここで、吸着熱交換器20の使用に伴い、吸着層(30)が劣化し、その結果、フィン(26)から吸着剤(41)が脱落することがある。吸着剤(41)が脱落すると、吸着熱交換器20の性能が低下する。本願発明者らは、このような吸着層(30)の劣化の一因が大気中のNOx(窒素酸化物)及びSOx(硫黄酸化物)であることを確認した。この知見から、吸着層(30)の劣化を抑制するためには、硝酸及び硫酸に対する耐性、特に硝酸に対する耐性を有するバインダー(42)を用いることが有効である。
つまり、基材シート(フィン(26))と、基材シート上にバインダー(42)により担持された吸着剤(41)とを備える吸着熱交換器20において、バインダー(42)は、硝酸に耐性を有することが好ましい。
より具体的な評価方法としては、バインダー(42)は、70℃において10%の硝酸に40時間浸漬した際の質量減少が35%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、10%以下であることが更に好ましい。このようなバインダーを用いると、吸着熱交換器20の使用に伴う吸着剤(41)の脱落をより効果的に抑制することができる。
また、バインダー(42)は、吸着熱交換器20が性能を発揮するためには、一定の水分透過性を有することが好ましい。具体的には、バインダー(42)を材料として厚さ100μmの膜を形成したとき、当該膜の1日あたりの水分透過量が85g/m以上であることが好ましく、120g/m以上であることがより好ましい。
また、吸着剤(41)が水分を吸収して膨潤する(体積が増加する)場合、これに対応して伸び率の高いバインダー(42)を用いると、吸着剤(41)の脱落を抑制することができる。
吸着剤(41)の乾燥時における体積に対する膨潤時(最大限まで水分を吸収した状態)における体積の比率を膨潤率とし、%により表す。また、バインダー(42)の伸び率として、帯状のサンプルの両端を引っ張り、初期の長さに対するサンプルが破断した際の長さの割合を%により表す。このとき、バインダー(42)の伸び率は、(X/100)の三乗根*100(%)以上であることが好ましい。このような伸び率を有するバインダー(42)を用いると、吸着剤(41)が膨潤しても、バインダー(42)が破断する可能性は低いので望ましい。
また、バインダー(42)の引っ張り強度は、12N/mm以下であることが好ましく、8N/mm以下であることがより好ましく、6N/mm以下であることが更に好ましい。このようなバインダー(42)を用いると、吸着剤(41)の膨潤に応じて伸びやすいので、吸着剤(41)の脱落を抑制することができる。
また、基材シート(フィン(26))と、基材シート上にバインダー(42)により担持された吸着剤(41)とを備える吸着熱交換器20において、70℃において10%の硝酸に40時間浸漬した後に、バインダー(42)及び吸着剤(41)の担持量は、前記浸漬前の32~100%であることが好ましい。
フィン(26)から吸着層(30)(吸着剤(41)及びバインダー(42))が脱落すると、吸着熱交換器20としての性能低下の原因となる。しかし、脱落の後にも十分な量の吸着層(30)が担持されていれば、望ましい性能は維持される。具体的に、硝酸浸漬により吸着層(30)が脱落したとしても、浸漬前の担持量に対して浸漬後の担持量が50~100%であれば、吸着熱交換器20として望ましい性能は維持される。尚、吸着層(30)の担持量は質量により表す。つまり、熱交換器本体(25)の質量と、硝酸浸漬の前後における吸着熱交換器20の質量から、担持されている吸着層(30)の質量を求めることができる。
また、吸着熱交換器20を繰り返し使用することによっても、吸着層(30)の劣化は発生しうる。そこで、基材シート上にバインダーにより担持された吸着剤を備える吸着熱交換器において、70℃で且つ20%の乾燥状態と、水が噴霧された湿潤状態とに交互に暴露することを5000回繰り返した後に、バインダー及び吸着剤の担持量が90~100%であることが好ましい。
また、基材シート(フィン(26))と、基材シート上にバインダー(42)により担持された吸着剤(41)とを備える吸着熱交換器20において、吸着剤(41)は、バインダー(42)及び架橋剤を用いて担持されていても良い。バインダー(42)に加えて架橋剤を用いることにより、吸着剤(41)の脱落を抑制することができる。
基材シート(フィン(26))は、例えば、アルミニウムからなっていても良い。また、表面にエポキシ樹脂等の樹脂によるコーティングが施されたアルミニウムからなっていても良く、好ましい。吸着剤(41)は、ポリアクリル酸ナトリウム、シリカ及び金属有機構造体(MOF)の少なくとも1つを含んでいても良く、ポリアクリル酸ナトリウムを用いることがより好ましい。バインダー(42)は、フッ素樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂及びウレタン樹脂の少なくとも1つを含んでいても良く、アクリル樹脂を用いることがより好ましい。架橋剤は、カルボジイミド基、イソシアネート基及びエステル基の少なくとも1つを有する炭化水素であっても良く、カルボキシル基を有する炭化水素を用いることがより好ましい。いずれも、複数の混合物を用いても良い。
また、吸着剤(41)100質量部に対し、バインダー(42)を16質量部以上で且つ70質量部以下、架橋剤を20質量部以上で且つ50質量部以下用いることが好ましい。
バインダー(42)は、吸着剤(41)100質量部に対し、20質量部以上用いることがより好ましく、23質量部以上用いることが更に好ましく、また、50質量部以下用いることがより好ましく、30質量部以下用いることが更に好ましい。
また、架橋剤は、バインダー(42)の使用量と、バインダー(42)の酸価又は水酸基価とに応じた量を用いるのが好ましい。具体的には、以下に説明する対酸価又は対水酸基価が20%以上で且つ50%以下であることが好ましい。
まず、酸価(AV; Acid Value)とは、樹脂1gを中和するのに必要な水酸化カリウムのミリグラム数である。また、水酸基価(OHV; Hydroxyl Value)とは、試料1g中の水酸基に相当する水酸化カリウムのミリグラム数である。更に、架橋剤の反応基(-NCN-)1molに対する架橋剤分子全体の分子量がNCN当量であり、架橋剤1g中に含まれる架橋剤の反応基(NCO)部分のグラム数が有効NCO重量%である。尚、水酸化カリウムの式量は56.1g/mol、NCOの式量は42g/molである。
COOH架橋の場合、架橋剤の必要量は次式により求められる:
架橋剤必要量 = 対酸価 x (バインダー量 x AV / 56.1) x NCN当量 / 1000 mol
また、OH架橋の場合、架橋剤の必要量は次式により求められる:
架橋剤必要量 = 対水酸基価 x (バインダー量 x OHV / 56.1) x 42 / (NCO% / 100) / 1000 mol
これらの式において、対酸価又は対水酸基価を20~50%とすることにより、望ましい架橋剤の量が求められる。
つまり、バインダー(42)の酸基又は水酸基の20~50%に対応する量の酸基又は水酸基を含む量の架橋剤を用いるのが好ましい。
また、吸着剤(41)は、バインダー(42)及び架橋剤に加えて、添加剤を更に用いて担持されていることが好ましい。添加剤としては、カルボキシル基を有する炭化水素、水酸基を有する炭化水素等を用いることができ、これらを混合して用いても良い。特に、カルボキシル基を有する炭化水素を用いるのが好ましい。
添加剤は、吸着剤(41)100質量部に対し、1質量部以上で且つ5質量部以下用いることが好ましい。更に、添加剤は、吸着剤(41)100質量部に対して2質量部以上用いることがより好ましく、また、3質量部以下用いることがより好ましい。
(実施例)
――バインダーの評価――
表1に、バインダーの耐薬品性の評価を示す。バインダーとしては、アクリル樹脂、フッ素樹脂又はウレタン樹脂を用いた。また、架橋剤は、バインダーの酸価に対して25%(対酸価)用いた。架橋剤は、カルボジイミド基を有する架橋剤である。
上記のバインダー及び架橋剤を用いて、アルミニウムからなる基材シート上に、吸着剤としてポリアクリル酸ナトリウムを担持させて、試験片とした。これらを70℃の環境下にて、10%の硝酸及び硫酸に浸漬し、40時間後に担持の状態を確認した。
表1に示す通り、アクリル樹脂及びフッ素樹脂については、劣化(吸着剤の脱落)は生じなかった。これに対し、ウレタン樹脂の場合、硝酸により劣化が生じた。
尚、フッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン系が好ましく、共重合体であっても良い。上記のフッ素樹脂は、テトラフルオロエチレンと炭化水素モノマーとの共重合体である。
また、硝酸に浸漬した場合について、担持量の変化を示す。
ウレタン樹脂の場合、浸漬前に0.7103gであったものが(上記条件の)硝酸浸漬により0.0104gに減少しており、1.46%しか残存しなかった。
これに対し、アクリル樹脂の場合は0.7069gが0.23046に減少し、試験後の担持量は32.59%である。フッ素樹脂の場合、0.77779が0.7393gに減少しており、試験後の担持量は95.04%である。
このように、フッ素樹脂では、硝酸による担持量の減少は小さく、吸着熱交換器に用いた場合にも劣化は小さい。アクリル樹脂の場合、硝酸による担持量の減少はフッ素樹脂にくらべると大きいが、ウレタン樹脂に比べると大幅に優れており、吸着熱交換器として実用した場合にも劣化は抑制される。
バインダーは、硝酸及び硫酸の両方に耐性を有することが望ましい。但し、多くの樹脂において、硝酸に耐性を有する場合は硫酸にも耐性を有している。従って、費用・時間の削減等のために、硝酸についてのみ耐性を試験しても良い。
Figure 0007111998000001
以上は、基材シート上にバインダーにより吸着剤を担持させた状態についての評価である。これに加えて、バインダーの樹脂自体についても評価した。
具体的に、上記のアクリル樹脂、フッ素樹脂及びウレタン樹脂について、サンプルの重量を測定した後、70℃の環境下にて、10%の硝酸に浸漬した。その後、取り出したサンプルを水洗し、100℃にて一時間乾燥させた後、重量を測定した。
この結果を表2に示す。硝酸浸漬による重量の減少は、アクリル樹脂で16%、フッ素樹脂で5%であり、これらの場合には吸着熱交換器20の性能の経時劣化は許容範囲に抑制される。これに対し、ウレタン樹脂の場合、硝酸浸漬により重量が38%減少しており、この場合には吸着熱交換器20の性能は許容範囲を超えて経時劣化する。
また、FT-IR(フーリエ変換赤外分光法)及びTG(熱重量分析)によっても、各サンプルの薬品による変化を確認した。アクリル樹脂及びフッ素樹脂については、耐薬品試験の前後においてFT-IR及びTG共に変化は微少又は無しといえる程度であった。これに対し、ウレタン樹脂については、耐薬品試験により顕著な変化があった。FT-IRではピークの移動や増加があり、分子構造の変化が示された。TGでも明確な曲線の変化があった。
以上から、アクリル樹脂又はフッ素樹脂がバインダーとしては望ましい。
Figure 0007111998000002
――架橋剤の評価――
表3に、架橋剤の評価を示す。バインダーとしてフッ素樹脂を用い、且つ、架橋剤について、イソシアネート基を含む架橋剤又はカルボジイミド基を含む架橋剤を用いた。また、架橋剤を用いない場合についても示す。架橋剤は、バインダーの酸価又は水酸基価に対して25%(対酸価、対水酸基価)用いた。
上記バインダーの評価と同様に、基材シート上に吸着剤を担持させて、70℃の環境下にて10%の硝酸及び硫酸に浸漬し、40時間後に担持の状態を確認した。
表3に示す通り、架橋剤を用いない場合には、劣化が生じた。これに対し、いずれかの架橋剤を用いた場合、劣化は生じなかった。
Figure 0007111998000003
――乾湿繰り返し試験――
熱交換器本体(25)上にバインダーにより吸着層(30)を担持させた吸着熱交換器20について、乾燥状態と湿潤状態とに交互に暴露すること繰り返す試験(乾湿繰り返し試験)を行い、吸着剤の脱落を評価した。
乾燥状態とは、具体的には、70℃で且つ湿度20%に維持した試験室に吸着熱交換器20を設置し、平均風速2.0m/秒にて通風した状態とする。また、湿潤状態とは、水を噴霧して吸着層(30)に十分に水を吸着させる状態とする。乾燥状態は9分55秒間、湿潤状態は5秒間とし、交互に暴露することを5000回繰り返す乾湿繰り返し試験を行う。また、吸着層(30)を担持させる前に熱交換器本体(25)の質量を測定し、また、乾湿繰り返し試験の前後に吸着熱交換器20の質量を測定することで、試験前後のバインダー(42)及び吸着剤(41)の担持量(質量)の変化を求める。
乾湿繰り返し試験後の担持量が、試験前の担持量に対して90~100%であれば、吸着熱交換器20を現実的に使用した場合にも十分な性能は維持される。
表4に、下記に説明する実施例1及び2と、比較例1及び2について、乾湿繰り返し試験の結果を示す。
(実施例1)
バインダーとして、フッ素樹脂及びアクリル樹脂の1:1(質量比)混合物を用いた。また、架橋剤としては、カルボジイミド基を有する架橋剤を用いた。架橋剤は、バインダーの酸価、水酸基価に対して25.5%(対酸価、対水酸基価)用いた。これを用いて吸着剤をアルミニウムからなる基材シート上に担持させて、実施例1の試験用サンプルを作成した。
(実施例2)
バインダーとして、アクリル樹脂を用いた。また、架橋剤の種類及び使用量については、実施例1と同様である。これを用いて吸着剤をアルミニウムからなる基材シート上に担持させて、実施例2の試験用サンプルを作成した。
(比較例1)
バインダーとして、ウレタン樹脂を用い、架橋剤は用いない。当該バインダーにより吸着剤をアルミニウムからなる基材シート上に担持させて、比較例1の試験用サンプルを作成した。
(比較例2)
バインダーとして、アクリル樹脂を用い、架橋剤は用いない。当該バインダーにより吸着剤をアルミニウムからなる基材シート上に担持させて、比較例2の試験用サンプルを作成した。
以上、それぞれ2つの実施例及び比較例について、試験結果を表4に示す。比較例1及び2について、繰り返し回数が1000を超える程度であれば、吸着剤の脱落は見られない。しかし、比較例1では3000回を超えると脱落が発生し、比較例2においても5000回以下で脱落が発生する。
これらに対し、実施例1の場合、7000回を超えても吸着剤の脱落は見られず、10000回を超えてようやく脱落が生じる。
実施例2の場合、8530回でも吸着剤の脱落は見られない。
以上の通り、アクリル樹脂、フッ素樹脂を用い、また、架橋剤を用いた場合、乾湿繰り返し試験において5000回の繰り返し後にも吸着剤の脱落は見られない。また、このような構成の場合、吸着熱交換器として、性能の経時劣化は許容範囲に抑制される。
Figure 0007111998000004
更に、表5には、フッ素樹脂、アクリル樹脂及びウレタン樹脂をそれぞれバインダーとして用い、乾湿繰り返し試験を行った後の担持量を示す。各バインダーを用いて上記と同様に吸着剤をアルミニウムからなる基材シート上に担持させたサンプルを作成し、乾湿繰り返し回数5452回の時点について示している。
表5の通り、フッ素樹脂又はアクリル樹脂を用いた場合、繰り返し回数5452回の後にもバインダー及び吸着剤の残存率は100.00%であり、脱落は無い。これに対し、ウレタン樹脂を用いた場合、5452回の時点で残存率は89.97%であり、10%以上脱落している。
このように、フッ素樹脂又はアクリル樹脂を用いることにより、乾湿繰り返し試験(繰り返し回数5000回)後にもバインダー及び吸着剤の担持量を試験前の90%以上とすることができ、吸着熱交換器の劣化を抑制するために望ましい。
Figure 0007111998000005
――バインダーの水分透過性評価――
バインダーの種類は、吸着熱交換器の性能に影響する。従って、バインダーとして用いる樹脂は、耐薬品性に優れることに加え、少なくとも従来に近い吸着熱交換器の性能を実現することが望ましい。これに関し、発明者は、バインダーの水分透過性と、吸着熱交換器20の性能とが相関するという知見を得ている。そこで、各バインダーの水分透過性を評価した。
図7に、バインダーの水分透過性の試験方法を示す。バインダー樹脂膜54は、バインダーとして用いる樹脂を厚さ100μmに成膜したものである。バインダー樹脂膜54を用いて、水分を透過しない容器(51)の開口部を覆うように密封する。容器(51)内には十分な量の乾燥剤(52)を配置し、湿度を0%とする。当該容器(51)を恒温槽(51)に配置する。恒温槽(51)は、温度25℃、湿度90%に維持する。
このようにすると、バインダー樹脂膜54を挟んで湿度に差があることから、恒温槽(51)側(容器(51)の外側)からバインダー樹脂膜54を透過して容器(51)内に水分が移動する(矢印(53)により示す)。従って、容器(51)の質量(バインダー樹脂膜54、乾燥剤(52)を含む質量)の時間による変化を測定することにより、バインダー樹脂膜54を透過した水分の量を測定できる。
図8に、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、フッ素樹脂とアクリル樹脂との1:1混合物、Hアクリル樹脂の4種類のバインダー樹脂膜54(膜厚100μm)について、水分透過性を示す。単位はg/m・日、つまり、面積1mの膜に換算した1日あたりの水分透過量(g)である。測定は複数ずつ行っており、個々の結果を黒丸(●)、平均値を白抜きの四角(◇)で表している。
また、それぞれの樹脂をバインダーとする吸着熱交換器の性能について、バインダーがウレタン樹脂 の場合を100%とする相対値により示す。
フッ素樹脂のみの場合、水分透過性は60.42g/m・日であり、吸着熱交換器の性能はウレタン樹脂に比べて84.8%の性能である。これに対し、フッ素樹脂とアクリル樹脂との1:1混合物及びアクリル樹脂のみの場合、水分透過性は86.52g/m・日及び136.45g/m・日であり、吸着熱交換器の性能としてはウレタン樹脂に対して89.7%及び90.2%の性能であった。
ウレタン樹脂を用いる場合に比較した吸着熱交換器の性能低下を抑える観点からは、水分透過性は85g/m・日以上であることが好ましい。但し、他の要素を考慮してフッ素樹脂を用いることは考えられる。
――バインダーの引っ張り強度及び伸び率――
吸着剤は、種類により、水分を吸収すると膨潤する(体積が増加する)。例えば、ポリアクリル酸ナトリウムは吸水により膨潤する。この際、吸着剤の膨潤に応じてバインダーが延びることができると、バインダーが破断して吸着剤が脱落する等の劣化を抑制できる。
具体的に、吸着剤(41)の乾燥時における体積に対する膨潤時(最大限まで水分を吸収した状態)における体積の比率を膨潤率とし、%により表す(膨潤時に体積が2倍になった場合は200%、膨潤による体積の変化が全く無い場合は100%等)。
また、バインダー(42)の伸び率として、帯状のサンプルの両端を引っ張り、初期の長さLに対するサンプルが破断した際の長さLの割合を%により表す。つまり、伸び率は(L/L)*100(%)となる。
吸着剤の膨潤率がX(%)であるとき、バインダーの伸び率がX/100の三乗根*100(%)以上であれば、バインダーは吸着剤の膨潤に対応して十分に伸び、破断を避けることができる。
伸び率の試験方法について、図9に示す。バインダーとする樹脂により、幅1cmで長さ7cm、膜厚10~300μmの試験片(60)を作成する。当該試験片について、両端1cmずつの保持領域(61)をチャックにて挟み、試験片(60)が破断するまで両側に引っ張る。初期におけるチャック間の距離は延伸領域(62)の長さ(5cm)であるから、破断時のチャック間の距離を測定することにより、伸び率を求めることができる。
吸着剤の膨潤率がXであるとき、寸法の伸びはXの三乗根である。従って、バインダー樹脂膜54の伸び率がXの三乗根以上であれば、吸着剤の膨潤によりバインダーが破断することは抑制できる。
また、バインダー(42)の引っ張り強度は、12N/mm以下であることが好ましく、8N/mm以下であることがより好ましく、6N/mm以下であることが更に好ましい。このようなバインダー(42)を用いると、吸着剤(41)の膨潤に応じて伸びやすいので、吸着剤(41)の脱落を抑制することができる。
これに関し、図10に、ウレタン樹脂、フッ素樹脂及びフッ素樹脂とアクリル樹脂との混合物について、伸び(L-L)と、印加される力(断面積あたりの力)との関係を示す。混合物については、フッ素樹脂:アクリル樹脂の質量混合比が3:7、5:5、7:3の3種類を示している。伸びが大きくなるにつれて印加されている力は大きくなり、破断すると力は0に落ちる。
破断時点における伸びは、いずれも50.0mmを越えており、初期の長さ50.0mmに対して破断時の長さは100.0mmを越えるので、伸び率は200%以上となる。
ここで、ポリアクリル酸ナトリウムの膨潤率は200%程度である。従って、バインダーの伸び率が(200/100)の三乗根*100、つまり、126%程度以上であれば破断を避けることができる。従って、図10に示すいずれの例もこの条件を満たす。
また、吸着剤が膨潤する場合、バインダーとして用いる樹脂は、伸びやすい方が望ましい。つまり、小さな力で伸びるバインダーを用いる方が、吸着剤の膨潤に応じて伸びやすいので望ましい。具体的には、引っ張り強度が12/Nmm以下であることが望ましい。更には、8N/mm以下であることがより好ましく、6N/mm以下であることが更に好ましい。
従って、この観点からは、フッ素樹脂とアクリル樹脂との混合物を用いることが好ましい。
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
以上説明したように、本開示は、吸着熱交換器について有用である。
20 吸着熱交換器
25 熱交換器本体
26 フィン(基材シート)
30 吸着層
41 吸着剤
42 バインダー
43 コーティング層
50 恒温槽
51 容器
52 乾燥剤
53 矢印
54 バインダー樹脂膜
60 試験片
61 保持領域
62 延伸領域

Claims (5)

  1. 基材シート(26)と、
    前記基材シート(26)上にバインダー(42)により担持された吸着剤(41)とを備える吸着熱交換器(20)において、
    前記バインダー(42)は、酸性に対し、70℃において10%の硝酸に40時間浸漬した際の質量減少が35%以下となる耐性を有することを特徴とする吸着熱交換器。
  2. 請求項1の吸着熱交換器(20)において、
    前記バインダーは(42)、酸性に対し、70℃において10%の硝酸に40時間浸漬した際の質量減少が20%以下となる耐性を有することを特徴とする吸着熱交換器。
  3. 請求項1又は2の吸着熱交換器において、
    前記バインダー(42)は、厚さ100μmの膜としたとき、1日あたりの水分透過量が40g/m以上であることを特徴とする吸着熱交換器。
  4. 請求項1~のいずれか1つの吸着熱交換器において、
    前記吸着剤(41)の膨潤率がX(%)であるとき、前記バインダー(42)の伸び率は、(X/100)の三乗根*100(%)以上であることを特徴とする吸着熱交換器。
  5. 請求項の吸着熱交換器において、
    前記バインダー(42)の引っ張り強度は、12N/mm以下であることを特徴とする吸着熱交換器。
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