しかしながら、特許文献1に記載の調湿装置では、吸収剤回路において、放湿部の流入側で加熱した液体吸収剤を吸湿部の流入側で冷却する、というように、吸収剤回路を循環する液体吸収剤の加熱と冷却とを交互に行う必要がある。このため、液体吸収剤の加熱量や冷却量が多くなり、例えば冷媒回路の圧縮機の消費電力の増大を招いてしまう。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、省エネ性に優れた調湿装置を提供することである。
第1の発明は、調湿装置を対象とする。そして、この調湿装置は、冷却部(40c,46a,40d,46b)及び加熱部(40d,46b,40c,46a)と、該冷却部(40c,46a,40d,46b)で冷却される液体吸収剤が流れる吸湿路(36a,41a,36b,41b)を有し該吸湿路(36a,41a,36b,41b)の液体吸収剤が空気の水分を吸収する吸湿部(30a,40a,30b,40b)と、上記加熱部(40d,46b,40c,46a)で加熱される液体吸収剤が流れる放湿路(36b,41b,36a,41a)を有し該放湿路(36b,41b,36a,41a)の液体吸収剤が空気へ水分を放出する放湿部(30b,40b,30a,40a)と、液体吸収剤を搬送するポンプ機構(12,12a,12b)とが接続される吸収剤回路(11)と、上記吸湿路(36a,41a,36b,41b)と放湿路(36b,41b,36a,41a)の各液体吸収剤を相互に入れ替えることなく、上記吸湿路(36a,41a,36b,41b)と放湿路(36b,41b,36a,41a)の各液体吸収剤を相互に入れ替えることなく該吸湿路(36a,41a,36b,41b)の液体吸収剤及び放湿路(36b,41b,36a,41a)の液体吸収剤でそれぞれ空気を調湿する第1運転と、上記吸湿路(36a,41a,36b,41b)と放湿路(36b,41b,36a,41a)の各液体吸収剤を相互に入れ替える第2運転とを交互に繰り返す運転制御部(103)とを備えていることを特徴とする。
第1の発明の吸湿部(30a,40a,30b,40b)では、冷却部(40c,46a,40d,46b)で冷却される液体吸収剤が流れる吸湿路(36a,41a,36b,41b)が形成される。吸湿部(30a,40a,30b,40b)では、空気中の水蒸気が液体吸収剤に吸収される。また、放湿部(30b,40b,30a,40a)では、加熱部(40d,46b,40c,46a)で加熱される液体吸収剤が流れる放湿路(36b,41b,36a,41a)が形成される。放湿部(30b,40b,30a,40a)では、液体吸収剤の水蒸気が空気中へ放出される。調湿装置では、吸湿部(30a,40a,30b,40b)で水分が吸収された空気が室内へ供給されることで、室内の除湿が行われる。また、調湿装置では、放湿部(30b,40b,30a,40a)で水分が放出された空気が室内へ供給されることで、室内の加湿が行われる。
第1の発明では、運転制御部(103)によって第1運転と第2運転とが切り換えて行われる。第1運転では、吸湿路(36a,41a,36b,41b)と放湿路(36b,41b,36a,41a)との間で液体吸収剤が相互に入れ替わることがない。このため、従来例のように、吸収剤回路において、循環する液体吸収剤が蒸発部(冷却部)と凝縮部(加熱部)とで交互に加熱/冷却されることがない。従って、第1運転では、このような液体吸収剤の冷却及び加熱に起因する熱ロスを低減できる。
第1運転において、吸湿路(36a,41a,36b,41b)では、液体吸収剤が空気中の水分を吸収する。また、放湿路(36b,41b,36a,41a)では、液体吸収剤の水分が空気中に放出される。これにより、空気の除湿や加湿を行うことができる。一方、第1運転を継続すると、吸湿路(36a,41a,36b,41b)の液体吸収剤の濃度が徐々に低くなっていく。従って、吸湿部(30a,40a,30b,40b)では、空気の吸湿能力(除湿能力)が徐々に低下していく。また、第1運転を継続すると、放湿路(36b,41b,36a,41a)の液体吸収剤の濃度が徐々に高くなっていく。従って、放湿部(30b,40b,30a,40a)では、空気の放湿能力(加湿能力)が徐々に低下していく。このため、本発明では、運転制御部(103)によって第1運転から第2運転へ切換可能となっている。
第2運転では、吸湿路(36a,41a,36b,41b)と放湿路(36b,41b,36a,41a)の各液体吸収剤が相互に入れ替えられる。具体的に、第2運転が開始されると、放湿路(36b,41b,36a,41a)側にあった高濃度の液体吸収剤が吸湿路(36a,41a,36b,41b)へ移動し、吸湿路(36a,41a,36b,41b)側にあった低濃度の液体吸収剤が放湿路(36b,41b,36a,41a)へ移動する。従って、その後に第1運転を再び行うことで、吸湿部(30a,40a,30b,40b)では、十分な吸湿能力(除湿能力)を得ることができる。また、放湿部(30b,40b,30a,40a)では、十分な放湿能力(加湿能力)を得ることができる。
第2の発明は、第1の発明において、圧縮機(36)と、周囲に上記放湿路(41b,41a)が形成されて上記加熱部を構成する放熱部(40d,46b,40c,46a)と、周囲に上記吸湿路(41a,41b)が形成されて上記冷却部を構成する蒸発部(40c,46a,40d,46b)とが接続される冷媒回路(35)を備え、上記運転制御部(103)は、第1運転時に上記吸湿路(41a,41b)及び放湿路(41b,41a)に液体吸収剤が留まるように上記ポンプ機構(12)を停止し且つ上記圧縮機(36)を運転し、上記第2運転時に上記吸湿路(41a,41b)と放湿路(41b,41a)の各液体吸収剤を相互に入れ替えるように上記ポンプ機構(12)を運転し且つ上記圧縮機(36)を運転することを特徴とする。
第2の発明の第1運転では、冷媒回路(35)の圧縮機(36)が運転される一方、吸収剤回路(11)のポンプ機構(12)が停止状態となる。このため、吸収剤回路(11)では、液体吸収剤が循環することがなく、吸湿路(41a,41b)及び放湿路(41b,41a)にそれぞれ液体吸収剤が溜まった状態となる。吸湿路(41a,41b)に溜まった液体吸収剤は、蒸発部(46a,46b)によって冷却され、放湿路(41b,41a)に溜まった液体吸収剤は、放熱部(46b,46a)によって加熱される。
吸湿路(41a,41b)の液体吸収剤が冷却されると、この液体吸収剤の水蒸気分圧が低くなる。このため、空気が吸湿部(40a,40b)を通過すると、この空気中の水蒸気が吸湿路(41a,41b)の液体吸収剤に吸収される。また、放湿路(41b,41a)の液体吸収剤が加熱されると、この液体吸収剤の水蒸気分圧が高くなる。このため、空気が放湿部(40b,40a)を通過すると、放湿路(41b,41a)の液体吸収剤中の水蒸気が空気中へ放出される。従って、第1運転では、吸湿部(40a,40b)で水分が吸収された空気を室内へ供給して、室内の除湿を行うことができる。また、この第1運転では、放湿部(40b,40a)で水分が放出された空気を室内へ供給して、室内の加湿を行うことができる。
一方、第1運転を継続すると、吸湿路(41a,41b)の液体吸収剤の濃度が徐々に低くなっていく。従って、吸湿部(40a,40b)では、空気の吸湿能力(除湿能力)が徐々に低下していく。また、第1運転を継続すると、放湿路(41b,41a)の液体吸収剤の濃度が徐々に高くなっていく。従って、放湿部(40b,40a)では、空気の放湿能力(加湿能力)が徐々に低下していく。このため、本発明では、運転制御部(103)によって第1運転から第2運転へ切換可能となっている。
第2運転では、冷媒回路(35)の圧縮機(36)が運転され、且つ吸収剤回路(11)のポンプ機構(12)が運転される。ポンプ機構(12)は、吸湿部(40a,40b)の吸湿路(41a,41b)にある液体吸収剤と、放湿部(40b,40a)の放湿路(41b,41a)にある液体吸収剤とを、互いに入れ替えるように運転される。
具体的に、第2運転が開始されると、比較的低温で低濃度となった吸湿路(41a,41b)側の液体吸収剤が放湿路(41b,41a)側へ向かい、比較的高温で高濃度となった放湿路(41b,41a)側の液体吸収剤が吸湿路(41a,41b)側へ向かう。熱交換器(90)では、放湿路(41b,41a)側へ向かう低温の液体吸収剤が、吸湿路(41a,41b)側へ向かう高温の液体吸収剤から吸熱する。その結果、放湿路(41b,41a)側へ送られる液体吸収剤が加熱され、吸湿路(41a,41b)側へ送られる液体吸収剤が冷却される。従って、その後に第1運転を再び行うことで、吸湿部(40a,40b)では、十分な吸湿能力(除湿能力)を得ることができる。また、放湿部(40b,40a)では、十分な放湿能力(加湿能力)を得ることができる。
本発明の第1運転では、吸湿路(36a,41a,36b,41b)と放湿路(36b,41b,36a,41a)の液体吸収剤を相互に入れ替えずに空気を調湿している。このため、本発明によれば、従来例のように、液体吸収剤を蒸発部と放熱部とで交互に繰り返し加熱/冷却する必要がない。これにより、液体吸収剤の冷却と加熱とを繰り返すことに起因する熱ロスを抑えることができ、この調湿装置の省エネ性を向上できる。
また、第2運転を実行させることで、吸湿路(36a,41a,36b,41b)にあった低濃度の液体吸収剤を放湿路(36b,41b,36a,41a)に送るとともに、放湿路(36b,41b,36a,41a)にあった高濃度の液体吸収剤を吸湿路(36a,41a,36b,41b)に送ることができる。これにより、吸湿部(30a,40a,30b,40b)における除湿能力や、放湿部(30b,40b,30a,40a)における加湿能力を十分に維持することができ、この調湿装置の信頼性を確保できる。
また、第2運転では、吸湿路(36a,41a,36b,41b)と放湿路(36b,41b,36a,41a)との間で液体吸収剤を入れ替える間だけポンプ機構(12,12a,12b)を運転すればよいので、ポンプ機構(12,12a,12b)の動力も低く抑えることができる。
第2の発明では、第1運転にポンプ機構(12)を停止させ、吸湿路(41a,41b)と放湿路(41b,41a)とにそれぞれ液体吸収剤を溜めた状態で、吸湿路(41a,41b)の液体吸収剤を冷却し且つ放湿路(41b,41a)の液体吸収剤を加熱している。このため、本発明によれば、従来例のように、吸収剤回路を循環する液体吸収剤を蒸発部と放熱部とで交互に繰り返し加熱/冷却する必要がない。これにより、液体吸収剤の冷却と加熱とを繰り返すことに起因する熱ロスを抑えることができ、圧縮機(36)の消費電力を低減できる。
加えて、第1運転では、ポンプ機構(12)も運転させる必要がないため、ポンプ機構(12)の動力も低減できる。その結果、省エネ性に優れた調湿装置を提供できる。
また、第1運転と第2運転の切換時にも、圧縮機(36)を継続して運転できるので、吸湿路(41a,41b)での液体吸収剤の冷却及び放湿路(41b,41a)での液体吸収剤の加熱を維持できるとともに、圧縮機(36)の発停回数も抑えることができる。
更に、吸収剤回路に流路切換弁等や複数のポンプ機構等を設けずとも、単純にポンプ機構(12)をON/OFFさせることで、第1運転と第2運転とを切り換えることができる。これにより、吸収剤回路(11)の簡素化、ひいては調湿装置の低コスト化を図ることができる。
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態および変形例は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
実施形態1の調湿装置(10)は、液体吸収剤を用いて室内の調湿を行う。調湿装置(10)は、除湿運転と加湿運転とを選択的に行う。また、調湿装置(10)は、室外の空気(OA)を取り込み、この空気を供給空気(SA)として室内へ供給する同時に、室内の空気(RA)を取り込み、この空気を排出空気(EA)として室外へ排出する。
〈調湿装置の構成〉
本実施形態の調湿装置(10)は、ケーシング(20)を備えている。ケーシング(20)には、給気ファン(27)、排気ファン(28)、給気側モジュール(40a)、及び排気側モジュール(40b)が収容されている。
−ケーシング−
図1に示すように、ケーシング(20)は、直方体の箱状に形成されている。ケーシング(20)では、その一方の端面に外気吸込口(21)と排気口(24)とが形成され、その他方の端面に内気吸込口(23)と給気口(22)とが形成されている。ケーシング(20)の内部空間は、給気通路(25)と排気通路(26)に仕切られている。給気通路(25)は、外気吸込口(21)及び給気口(22)に連通している。給気通路(25)には、給気ファン(27)と給気側モジュール(40a)とが配置されている。一方、排気通路(26)は、内気吸込口(23)及び排気口(24)に連通している。排気通路(26)には、排気ファン(28)と排気側モジュール(40b)とが配置されている。
−給気側モジュール及び排気側モジュール−
給気側モジュール(40a)及び排気側モジュール(40b)は、液体吸収剤を用いて空気を調湿する調湿用モジュールである。各モジュール(40a,40b)は、図2及び図3に示すように、複数の内側部材(60)と外側ケース(50)と伝熱部材(46a,46b)とを備えている。
各内側部材(60)は、両端が開口した中空の直方体状に形成されている。この内側部材(60)は、支持枠(61)と該支持枠(61)の側面を覆う透湿膜(62)とを備えている。この透湿膜(62)は、液体吸収剤を透過させずに水蒸気を透過させる膜である。この透湿膜(62)としては、例えば、PTFE等のフッ素樹脂から成る疎水性多孔膜を用いることができる。
外側ケース(50)は中空の直方体状に形成され、この外側ケース(50)の側板(53,54)には複数の通風孔(56)が形成されている。この外側ケース(50)には、複数の通風孔(56)と同数の内側部材(60)が収容されている。内側部材(60)は、それぞれの側面を覆う透湿膜(62)が互いに向かい合う姿勢で、外側ケース(50)の長手方向に一列に配列されている。そして、内側部材(60)は、その開口部(63)が側板(53,54)の通風孔(56)と重なるように、外側ケース(50)に固定される。
内側部材(60)の内側の空間は、外側ケース(50)の通風孔(56)を介して外部と連通しており、空気が流れる空気通路(42)となっている。空気通路(42)には、給気通路(25)又は排気通路(26)を流れる空気が流通する。
また、内側部材(60)の外側で且つ外側ケース(50)の内側の空間は、液体吸収剤が流れる吸収剤通路(41)となっている。吸収剤通路(41)では、吸収剤回路(11)を循環する液体吸収剤が流通する。従って、透湿膜(62)は、その表面が空気通路(42)を流れる空気と接触し、その裏面が吸収剤回路(11)を流れる液体吸収剤と接触する。
給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)と、排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)とは、複数本の伝熱管(70)と、一つの第1ヘッダ(71)と、一つの第2ヘッダ(72)とを備えている。各伝熱管(70)は、内部が複数の流路に仕切られた多穴扁平管である。複数の伝熱管(70)は、それぞれの平坦面が互いに向かい合う姿勢で、互いに一定の間隔をおいて一列に配置されている。第1ヘッダ(71)は一列に配置された各伝熱管(70)の上端に接合され、第2ヘッダ(72)は一列に配置された各伝熱管(70)の下端に接合されている。
外側ケース(50)内において、各伝熱部材(46a,46b)の伝熱管(70)は、隣り合う内側部材(60)の間に一本ずつ配置され、この伝熱管(70)の表面が吸収剤通路(41)を流れる液体吸収剤と接触する。つまり、給気側モジュール(40a)及び排気側モジュール(40b)では、伝熱部材(46a,46b)の周囲に液体吸収剤が流れる吸収剤通路(41)(詳細は後述する放湿路(41b,41a)及び吸湿路(41a,41b))が形成される。
−冷媒回路−
調湿装置(10)は、図4に示すように、冷媒回路(35)を備えている。冷媒回路(35)は、圧縮機(36)と、四路切換弁(37)と、膨張弁(38)と、給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)と、排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)とが接続された閉回路である。この冷媒回路(35)では、圧縮機(36)の吐出側が四路切換弁(37)の第1のポートに、圧縮機(36)の吸入側が四路切換弁(37)の第2のポートに、それぞれ接続される。また、この冷媒回路(35)では、四路切換弁(37)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)と、膨張弁(38)と、給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)とが配置されている。冷媒回路(35)は、該冷媒回路(35)に封入された冷媒を循環させることによって、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う。そして、冷媒回路(35)は、給気側モジュール(40a)及び排気側モジュール(40b)に対して、冷媒を熱媒体として供給する。
四路切換弁(37)は、第1状態(図4に実線で示す状態)と、第2状態(同図に破線で示す状態)とに切り換わる。第1状態の四路切換弁(37)では、第1のポートが第3のポートに連通し、第2のポートが第4のポートに連通する。一方、第2状態の四路切換弁(37)では、第1のポートが第4のポートに連通し、第2のポートが第3のポートに連通する。
上記四路切換弁(37)が第1状態のとき、上記給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)が蒸発部となり上記排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)が凝縮部(放熱部)となって、冷凍サイクルが行われる。この結果、上記給気側モジュール(40a)内の液体吸収剤が上記蒸発部で冷却されて該液体吸収剤の水蒸気分圧が減少することにより、上記給気側モジュール(40a)が吸湿部を構成する。一方、上記排気側モジュール(40b)内の液体吸収剤が上記凝縮部(放熱部)で加熱されて該液体吸収剤の水蒸気分圧が増加することにより、上記排気側モジュール(40b)が放湿部を構成する。つまり、四路切換弁(37)が第1状態のときには、給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)が、液体吸収剤を冷却する冷却部を構成し、排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)が、液体吸収剤を加熱する加熱部を構成する。
一方、上記四路切換弁(37)が第2状態のとき、上記給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)が凝縮部(放熱部)となり、上記排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)が蒸発部となって冷凍サイクルが行われる。この結果、上記給気側モジュール(40a)が放湿部を構成し、上記排気側モジュール(40b)が吸湿部を構成する。つまり、四路切換弁(37)が第2状態のときには、給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)が、液体吸収剤を加熱する加熱部を構成し、排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)が、液体吸収剤を冷却する冷却部を構成する。
−吸収剤回路−
図4に示すように、吸収剤回路(11)は、排気側モジュール(40b)内の吸収剤通路(41)(排気側流路(41b))と、給気側モジュール(40a)内の吸収剤通路(41)(給気側流路(41a))とが接続される閉回路である。吸収剤回路(11)には、1つのポンプ(12)が接続されている。ポンプ(12)は、吸収剤回路(11)の液体吸収剤を搬送するポンプ機構である。ポンプ(12)は、液体吸収剤の流量を調節可能な可変容量式のポンプで構成される。上述した四路切換弁(37)が第1状態になると、吸湿部側の給気側流路(41a)が吸湿路を構成し、放湿部側の排気側流路(41b)が放湿路を構成する。また、四路切換弁(37)が第2状態になると、吸湿部側の排気側流路(41b)が吸湿路を構成し、放湿部側の給気側流路(41a)が放湿路を構成する。
同図に示すように、吸収剤回路(11)には、溶液熱交換器(90)が設けられている。溶液熱交換器(90)は、第1流路(90a)と第2流路(90b)とを有し、両者の流路(90a,90b)を流れる液体吸収剤を互いに熱交換させる。第1流路(90a)の流入端は、給気側流路(41a)の流出端と繋がり、第1流路(90a)の流出端は、排気側流路(41b)の流入端と繋がっている。第2流路(90b)の流入端は、排気側流路(41b)の流出端と繋がり、第2流路(90b)の流出端は、給気側流路(41a)の流入端と繋がっている。溶液熱交換器(90)は、「入れ替え運転」(詳細は後述する)において、放湿路(41b,41a)から吸湿路(41a,41b)へ向かう液体吸収剤と、吸湿路(41a,41b)から放湿路(41b,41a)へ向かう液体吸収剤とを互いに熱交換させる熱交換器を構成している。
溶液熱交換器(90)は、第1流路(90a)を流れる液体吸収剤と、第2流路(90b)を流れる液体吸収剤とが、互いに向かい合うように流れる対向流式である。つまり、溶液熱交換器(90)では、第1流路(90a)の流入部の液体吸収剤と、第2流路(90b)の流出部の液体吸収剤とが熱交換し、第1流路(90a)の流出部の液体吸収剤と、第2流路(90b)の流入部の液体吸収剤とが熱交換する。また、溶液熱交換器(90)の方式としては、2重管方式、多管円筒式、渦巻管式等の種々の方式が採用できる。
−センサ及びコントローラ−
本実施形態の調湿装置(10)は、給気湿度センサ(111)と外気湿度センサ(112)とを備えている。給気湿度センサ(111)は、室内へ供給される供給空気(SA)の相対湿度を検出する。外気湿度センサ(112)は、室外空気(OA)の相対湿度を検出する。なお、供給空気(SA)の温度を検出し、この温度と供給空気(SA)の相対湿度とに基づいて、供給空気(SA)の絶対湿度を求めるようにしてもよい。また、室外空気(OA)の温度を検出し、この温度と室外空気(OA)の相対湿度とに基づいて、室外空気(OA)の絶対湿度を求めるようにしてもよい。
コントローラ(100)には、各種のセンサ(111,112)の検出値が入力される。コントローラ(100)には、リモコン等から入力されるユーザーの運転指令に応じて、除湿運転と加湿運転とを切り換える制御を行う。コントローラ(100)は、除湿運転及び加湿運転において、第1運転である「ポンプ停止運転」と、第2運転である「入れ替え運転」とを交互に繰り返す制御を行う。詳細は後述するが、「ポンプ停止運転」はポンプ(12)を停止し且つ冷媒回路(35)で冷凍サイクルを行い空気を調湿する運転である。また、「入れ替え運転」は、給気側モジュール(40a)と排気側モジュール(40b)内の各液体吸収剤を相互に入れ替えるようにポンプ(12)を動作させる運転である。
本実施形態のコントローラ(100)は、設定部(101)と判定部(102)と運転制御部(103)とを有している。
設定部(101)には、「入れ替え運転」の実行時間が設定される。この「入れ替え運転」の実行時間は、給気側モジュール(40a)と排気側モジュール(40b)の各液体吸収剤を相互に入れ替えることができる程度の時間が設定される。具体的に、例えばこの実行時間は、給気側モジュール(40a)と排気側モジュール(40b)における吸収液の保有量、入れ替え運転時のポンプ(12)の流量、吸収剤回路(11)の配管長等に基づいて決定される。
判定部(102)は、「ポンプ停止運転」時において、調湿装置(10)の調湿能力が低下したことを判定するものである。本実施形態の判定部(102)は、「ポンプ停止運転」時において、給気湿度センサ(111)の検出値(供給空気(SA)の湿度)と外気湿度センサ(112)の検出値(室外空気(OA)の湿度)との差(湿度差Δh)を算出し、この湿度差Δhに基づいて、調湿能力の低下を判定する。
運転制御部(103)は、「ポンプ停止運転」と「入れ替え運転」との切換の制御を行うものである。具体的に、運転制御部(103)は、ポンプ(12)を停止させ且つ圧縮機(36)を運転させる「ポンプ停止運転」と、ポンプ(12)を運転させ且つ圧縮機(36)を運転させる「入れ替え運転」とを切り換えるように構成されている。本実施形態では、「ポンプ停止運転」時において、判定部(102)が、上記湿度差Δhに基づいて除湿能力又は加湿能力が低下したと判定すると、運転制御部(103)が、「ポンプ停止運転」から「入れ替え運転」に切り換える制御を行う。
〈調湿装置の運転動作〉
次に、実施形態1に係る調湿装置(10)の運転動作について説明する。まず、除湿運転について説明した後で加湿運転について説明する。除湿運転は、夏季等において、室外空気の湿度及び温度が高い条件下で運転される。また、加湿運転は、冬季等において、室外空気の湿度及び温度が低い条件下で運転される。
《除湿運転》
図4に示すように、除湿運転では、コントローラ(100)により、四路切換弁(37)が第1状態に設定され、圧縮機(36)が運転される。これにより、除湿運転では、圧縮機(36)で圧縮された冷媒が、排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)で放熱し、膨張弁(38)で減圧される。減圧後の冷媒は、給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)で蒸発し、圧縮機(36)に吸入される。つまり、除湿運転では、給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)が蒸発部となり、排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)が凝縮部となる。換言すると、吸湿部となる給気側モジュール(40a)の給気側流路(41a)が吸湿路となり、放湿部となる排気側モジュール(40b)の排気側流路(41b)が放湿路となる。
また、除湿運転では、給気ファン(27)と排気ファン(28)とが運転される。これにより、室外空気(OA)が給気通路(25)に取り込まれ、室内空気(RA)が排気通路(26)に取り込まれる。室外空気(OA)は、給気側モジュール(40a)を通過して除湿された後、室内空間へ供給空気(SA)として供給される。室内空気(RA)は、排気側モジュール(40b)を通過して放湿された後、室外空間へ排出空気(EA)として排出される。
このように冷媒回路(35)及びファン(27,28)が制御される除湿運転では、コントローラ(100)によって、「ポンプ停止運転」と「入れ替え運転」とが交互に切り換えられる。
−ポンプ停止運転−
除湿運転時のポンプ停止運転では、給気側モジュール(40a)と排気側モジュール(40b)とにそれぞれ液体吸収剤が溜まった状態でポンプ(12)が停止される。このため、ポンプ停止運転では、吸収剤回路(11)で液体吸収剤が循環することはない。ポンプ停止運転の開始時には、吸湿路となる給気側流路(41a)に高濃度の液体吸収剤が溜まった状態となり、放湿路となる排気側流路(41b)に低濃度の液体吸収剤が溜まった状態となる。
給気側モジュール(40a)には、上述のように室外空気(OA)が通過している。給気側モジュール(40a)では、伝熱部材(蒸発部(46a))によって液体吸収剤が冷却され、この液体吸収剤の水蒸気分圧が低くなっている。このため、給気側モジュール(40a)では、室外空気中の水蒸気が透湿膜(62)を通過して液体吸収剤に吸収されていく。この際に生じる吸収熱は、蒸発部(46a)での冷媒の蒸発に利用される。給気側モジュール(40a)で吸湿された空気は、室内空間へ供給される。
排気側モジュール(40b)には、上述のように室内空気(RA)が通過している。排気側モジュール(40b)では、伝熱部材(凝縮部(46b))によって液体吸収剤が加熱され、この液体吸収剤の水蒸気分圧が高くなっている。このため、排気側モジュール(40b)では、液体吸収剤中の水蒸気が透湿膜(62)を通過して空気に放出されていく。排気側モジュール(40b)で放湿された空気は、室外空間へ排出される。
−ポンプ停止運転時の判定動作−
除湿運転において、上記のようにポンプ停止運転を継続して行うと、給気側モジュール(40a)の給気側流路(41a)の液体吸収剤の濃度が徐々に低くなっていく。同時に、排気側モジュール(40b)の排気側流路(41b)の液体吸収剤の濃度が徐々に高くなっていく。給気側流路(41a)の液体吸収剤の濃度が低くなると、給気側モジュール(40a)での空気の除湿能力が低下してしまう。そこで、ポンプ停止運転では、このような除湿能力の低下を検出し、これを検出することで、ポンプ停止運転から入れ替え運転へ切り換えるようにしている。
具体的に、「ポンプ停止運転」時には、給気湿度センサ(111)で検出された供給空気(SA)の湿度と、外気湿度センサ(112)で検出された室外空気(OA)の湿度とがコントローラ(100)に適宜入力される。判定部(102)は、これらの検出値の差(湿度差Δh)が所定値よりも小さくなると、除湿能力が低下したと判定する。判定部(102)が除湿能力の低下を判定すると、運転制御部(103)は、「ポンプ停止運転」から「入れ替え運転」へと運転を切り換える。
−入れ替え運転−
除湿運転時の「入れ替え運転」では、冷媒回路(35)及びファン(27,28)が上記の「ポンプ停止運転」と同様に制御される。一方、「入れ替え運転」では、ポンプ(12)が所定時間に亘って運転される。このポンプ(12)の運転時間は、設定部(101)に設定された実行時間に相当する。また、ポンプ(12)の吐出量(吸収剤回路(11)での液体吸収剤の循環量)は、10L/min程度に設定される。
除湿運転時の「入れ替え運転」の開始直前には、給気側モジュール(40a)の給気側流路(41a)に比較的低濃度の液体吸収剤が溜まっている。また、この給気側流路(41a)の液体吸収剤は、蒸発部(46a)によって冷却されることで、比較的低温となっている(例えば15℃〜20℃の範囲)。一方、排気側モジュール(40b)の排気側流路(41b)には、比較的高濃度の液体吸収剤が溜まっている。また、この排気側流路(41b)の液体吸収剤は、凝縮部(46b)によって加熱されることで、比較的高温となっている(例えば45℃〜50℃の範囲)。この状態からポンプ(12)が運転されると、給気側流路(41a)にある低濃度且つ低温の液体吸収剤は、排気側モジュール(40b)側へ送られ、同時に排気側流路(41b)にある高濃度且つ高温の液体吸収剤は、給気側モジュール(40a)側へ送られる(図4の破線の矢印を参照)。
給気側流路(41a)を流出した液体吸収剤は、溶液熱交換器(90)の第1流路(90a)を流れる。また、排気側流路(41b)を流出した液体吸収剤は、溶液熱交換器(90)の第2流路(90b)を流れる。溶液熱交換器(90)では、第1流路(90a)を流れる液体吸収剤と、第2流路(90b)を流れる液体吸収剤とが、互いに向かい合うように流れて熱交換する。これにより、第1流路(90a)を流れる液体吸収剤が、第2流路(90b)を流れる液体吸収剤から吸熱する。その結果、溶液熱交換器(90)では、第1流路(90a)を流れる液体吸収剤が所定の温度まで加熱され、第2流路(90b)を流れる液体吸収剤が所定の温度まで冷却される。
第1流路(90a)で加熱された低濃度の液体吸収剤は、排気側モジュール(40b)の排気側流路(41b)へ送られる。第2流路(90b)で冷却された高濃度の液体吸収剤は、給気側モジュール(40a)の給気側流路(41a)へ送られる。以上のようにして、吸収剤回路(11)では、給気側モジュール(40a)内の液体吸収剤と、排気側モジュール(40b)内の液体吸収剤とが、相互に入れ替わるようにポンプ(12)が運転される。
「入れ替え運転」が開始されてから設定部(101)に設定された時間が経過すると、再び「ポンプ停止運転」に切り換わり、ポンプ(12)が停止される。この状態では、排気側モジュール(40b)内にあった高濃度の液体吸収剤が、給気側モジュール(40a)内に位置し、給気側モジュール(40a)内にあった低濃度の液体吸収剤が、排気側モジュール(40b)内に位置する。このため、給気側モジュール(40a)では、室外空気中の水蒸気が透湿膜(62)を通過して液体吸収剤に吸収される。また、排気側モジュール(40b)では、液体吸収剤中の水蒸気が透湿膜(62)を通過して室内空気へ放出される。
また、上述した入れ替え運転において、給気側モジュール(40a)に送られた液体吸収剤は、溶液熱交換器(90)において冷却され、排気側モジュール(40b)に送られた液体吸収剤は、溶液熱交換器(90)において加熱されている。このため、その後のポンプ停止運転では、給気側モジュール(40a)における吸湿能力(除湿能力)や、排気側モジュール(40b)における放湿能力が増大する。
《加湿運転》
図5に示すように、加湿運転では、コントローラ(100)により、四路切換弁(37)が第2状態に設定され、圧縮機(36)が運転される。これにより、加湿運転では、圧縮機(36)で圧縮された冷媒が、給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)で放熱し、膨張弁(38)で減圧される。減圧後の冷媒は、排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)で蒸発し、圧縮機(36)に吸入される。つまり、加湿運転では、給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)が凝縮部となり、排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)が蒸発部となる。換言すると、吸湿部となる排気側モジュール(40b)の排気側流路(41b)が吸湿路となり、放湿部となる給気側モジュール(40a)の給気側流路(41a)が放湿路となる。
また、加湿運転では、給気ファン(27)と排気ファン(28)とが運転される。これにより、室外空気(OA)が給気通路(25)に取り込まれ、室内空気(RA)が排気通路(26)に取り込まれる。室外空気(OA)は、給気側モジュール(40a)を通過して加湿された後、室内空間へ供給空気(SA)として供給される。室内空気(RA)は、排気側モジュール(40b)を通過して吸湿された後、室外空間へ排出空気(EA)として排出される。
このように冷媒回路(35)及びファン(27,28)が制御される加湿運転では、コントローラ(100)によって、「ポンプ停止運転」と「入れ替え運転」とが交互に切り換えられる。
−ポンプ停止運転−
加湿運転時のポンプ停止運転では、給気側モジュール(40a)と排気側モジュール(40b)とにそれぞれ液体吸収剤が溜まった状態でポンプ(12)が停止される。このため、ポンプ停止運転では、吸収剤回路(11)で液体吸収剤が循環することはない。ポンプ停止運転の開始時には、放湿路となる給気側流路(41a)に低濃度の液体吸収剤が溜まった状態となり、吸湿路となる排気側流路(41b)に高濃度の液体吸収剤が溜まった状態となる。
給気側モジュール(40a)には、上述のように室外空気(OA)が通過している。給気側モジュール(40a)では、伝熱部材(凝縮部(46a))によって液体吸収剤が加熱され、この液体吸収剤の水蒸気分圧が高くなっている。このため、給気側モジュール(40a)では、液体吸収剤中の水蒸気が透湿膜(62)を通過して室外空気へ放出される。給気側モジュール(40a)で加湿された空気は、室内空間へ供給される。
排気側モジュール(40b)には、上述のように室内空気(RA)が通過している。排気側モジュール(40b)では、伝熱部材(蒸発部(46b))によって液体吸収剤が冷却され、この液体吸収剤の水蒸気分圧が低くなっている。このため、排気側モジュール(40b)では、室内空気中の水蒸気が透湿膜(62)を通過して液体吸収剤に吸収される。排気側モジュール(40b)で吸湿された空気は、室外空間へ排出される。
−ポンプ停止運転時の判定動作−
加湿運転において、上記のようにポンプ停止運転を継続して行うと、給気側モジュール(40a)の給気側流路(41a)の液体吸収剤の濃度が徐々に高くなっていく。同時に、排気側モジュール(40b)の排気側流路(41b)の液体吸収剤の濃度が徐々に低くなっていく。給気側流路(41a)の液体吸収剤の濃度が高くなると、給気側モジュール(40a)での空気の加湿能力が低下してしまう。そこで、ポンプ停止運転では、このような加湿能力の低下を検出し、これを検出することで、ポンプ停止運転から入れ替え運転へ切り換えるようにしている。
具体的に、「ポンプ停止運転」時には、給気湿度センサ(111)で検出された供給空気(SA)の湿度と、外気湿度センサ(112)で検出された室外空気(OA)の湿度とがコントローラ(100)に適宜入力される。判定部(102)は、これらの検出値の差(湿度差Δh)が所定値よりも小さくなると、加湿能力が低下したと判定する。判定部(102)が加湿能力の低下を判定すると、運転制御部(103)は、「ポンプ停止運転」から「入れ替え運転」へと運転を切り換える。
−入れ替え運転−
加湿運転時の「入れ替え運転」では、冷媒回路(35)及びファン(27,28)が上記の「ポンプ停止運転」と同様に制御される。一方、「入れ替え運転」では、ポンプ(12)が所定時間に亘って運転される。このポンプ(12)の運転時間は、設定部(101)に設定された実行時間に相当する。また、ポンプ(12)の吐出量(吸収剤回路(11)での液体吸収剤の循環量)は、10L/min程度に設定される。
加湿運転時の「入れ替え運転」の開始直前には、給気側モジュール(40a)の給気側流路(41a)に比較的高濃度の液体吸収剤が溜まっている。また、この給気側流路(41a)の液体吸収剤は、凝縮部(46a)によって加熱されることで、比較的高温となっている(例えば35℃〜40℃の範囲)。一方、排気側モジュール(40b)の排気側流路(41b)には、比較的低濃度の液体吸収剤が溜まっている。この排気側流路(41b)の液体吸収剤は、蒸発部(46b)によって冷却されることで、比較的低温となっている(例えば0℃〜5℃の範囲)。この状態からポンプ(12)が運転されると、給気側流路(41a)にある高濃度の液体吸収剤は、排気側モジュール(40b)側へ送られ、同時に排気側流路(41b)にある低濃度の液体吸収剤は、給気側モジュール(40a)側へ送られる(図5の破線の矢印を参照)。
給気側流路(41a)を流出した液体吸収剤は、溶液熱交換器(90)の第1流路(90a)を流れる。また、排気側流路(41b)を流出した液体吸収剤は、溶液熱交換器(90)の第2流路(90b)を流れる。溶液熱交換器(90)では、第1流路(90a)を流れる液体吸収剤と、第2流路(90b)を流れる液体吸収剤とが、互いに向かい合うように流れて熱交換する。これにより、第2流路(90b)を流れる液体吸収剤が、第1流路(90a)を流れる液体吸収剤から吸熱する。その結果、溶液熱交換器(90)では、第2流路(90b)を流れる液体吸収剤が所定の温度まで加熱され、第1流路(90a)を流れる液体吸収剤が所定の温度まで冷却される。
第2流路(90b)で加熱された低濃度の液体吸収剤は、給気側モジュール(40a)の給気側流路(41a)へ送られる。第1流路(90a)で冷却された高濃度の液体吸収剤は、排気側モジュール(40b)の排気側流路(41b)へ送られる。以上のようにして、吸収剤回路(11)では、給気側モジュール(40a)内の液体吸収剤と、排気側モジュール(40b)内の液体吸収剤とが、相互に入れ替わるようにポンプ(12)が運転される。
「入れ替え運転」が開始されてから設定部(101)に設定された時間が経過すると、再び「ポンプ停止運転」に切り換わり、ポンプ(12)が停止される。この状態では、排気側モジュール(40b)内にあった低濃度の液体吸収剤が、給気側モジュール(40a)内に位置し、給気側モジュール(40a)内にあった高濃度の液体吸収剤が、排気側モジュール(40b)内に位置する。このため、給気側モジュール(40a)では、液体吸収剤中の水蒸気が透湿膜(62)を通過して室外空気へ放出される。また、排気側モジュール(40b)では、室内空気中の水蒸気が透湿膜(62)を通過して液体吸収剤へ吸収される。
また、上述した入れ替え運転において、給気側モジュール(40a)に送られた液体吸収剤は、溶液熱交換器(90)において加熱され、排気側モジュール(40b)に送られた液体吸収剤は、溶液熱交換器(90)において冷却されている。このため、その後のポンプ停止運転では、給気側モジュール(40a)における放湿能力(加湿能力)や、排気側モジュール(40b)における吸湿能力が増大する。
−実施形態1の効果−
上述した実施形態1の除湿運転では、ポンプ停止運転(第1運転)において、給気側モジュール(40a)と排気側モジュール(40b)との内部にそれぞれ液体吸収剤を溜めた状態とし、給気側流路(41a)の液体吸収剤を蒸発部(46a)で冷却し且つ排気側流路(41b)の液体吸収剤を凝縮部(46b)で加熱している。このため、この除湿運転のポンプ停止運転では、吸収剤回路(11)の液体吸収剤を循環させる必要がなく、ポンプ(12)の動力が不要となる。また、従来例のように、液体吸収剤を蒸発部と凝縮部とで交互に冷却・加熱することがないため、このような冷却・加熱に起因する熱ロスを低減でき、圧縮機(36)の消費電力も抑えることができる。その結果、省エネ性に優れた除湿運転を行うことができる。
また、この除湿運転のポンプ停止運転時において、室外空気(OA)と供給空気(SA)の湿度差Δhが小さくなり、判定部(102)が除湿能力の低下を判定すると、入れ替え運転(第2運転)へ移行するようにしている。この入れ替え運転により、給気側流路(41a)に高濃度の液体吸収剤を送り、排気側流路(41b)に低濃度の液体吸収剤を送ることができ、給気側モジュール(40a)の除湿能力の低下を防止できる。従って、この調湿装置(10)では、信頼性の高い除湿性能を得ることができる。
また、この除湿運転の入り替え運転では、溶液熱交換器(90)において、給気側流路(41a)へ送られる液体吸収剤を冷却し、同時に排気側流路(41b)へ送られる液体吸収剤を加熱している。これにより、入れ替え運転において、排気側モジュール(40b)側の比較的高温の液体吸収剤が給気側モジュール(40a)へそのまま送られることにより、給気側モジュール(40a)での吸湿能力(除湿能力)が低下してしまうことを防止できる。また、入れ替え運転において、給気側モジュール(40a)側の比較的低温の液体吸収剤が排気側モジュール(40b)側へそのまま送られることにより、排気側モジュール(40b)での放湿能力が低下してしまうことを防止できる。
また、溶液熱交換器(90)は、対向流式で構成されるため、除湿運転時において、第1流路(90a)を流出した液体吸収剤の温度を比較的高く、逆に第2流路(90b)を流出した液体吸収剤の温度を比較的低くできる。これにより、給気側モジュール(40a)での除湿能力が更に増大する。
また、上述した実施形態の加湿運転では、ポンプ停止運転(第1運転)において、給気側モジュール(40a)と排気側モジュール(40b)との内部にそれぞれ液体吸収剤を溜めた状態とし、給気側流路(41a)の液体吸収剤を凝縮部(46a)で加熱し且つ排気側流路(41b)の液体吸収剤を蒸発部(46b)で冷却している。このため、この加湿運転のポンプ停止運転では、吸収剤回路(11)の液体吸収剤を循環させる必要がなく、ポンプ(12)の動力が不要となる。また、従来例のように、液体吸収剤を蒸発部と凝縮部とで交互に冷却・加熱することがないため、このような冷却・加熱に起因する熱ロスを低減でき、圧縮機(36)の消費電力も抑えることができる。その結果、省エネ性に優れた加湿運転を行うことができる。
また、この加湿運転の入り替え運転では、溶液熱交換器(90)において、給気側流路(41a)へ送られる液体吸収剤を加熱し、同時に排気側流路(41b)へ送られる液体吸収剤を冷却している。これにより、入れ替え運転において、排気側モジュール(40b)側の比較的低温の液体吸収剤が給気側モジュール(40a)へそのまま送られることにより、給気側モジュール(40a)での放湿能力(加湿能力)が低下してしまうことを防止できる。また、入れ替え運転において、給気側モジュール(40a)側の比較的高温の液体吸収剤が排気側モジュール(40b)側へそのまま送られることにより、排気側モジュール(40b)での吸湿能力が低下してしまうことを防止できる。
また、溶液熱交換器(90)は、対向流式で構成されるため、加湿運転時において、第1流路(90a)を流出した液体吸収剤の温度を比較的低く、逆に第2流路(90b)を流出した液体吸収剤の温度を比較的高くできる。これにより、給気側モジュール(40a)で加湿能力が更に増大する。
また、この加湿運転のポンプ停止運転時において、室外空気(OA)と供給空気(SA)の湿度差Δhが小さくなり、判定部(102)が加湿能力の低下を判定すると、入れ替え運転(第2運転)へ移行するようにしている。この入れ替え運転により、給気側流路(41a)に低濃度の液体吸収剤を送り、排気側流路(41b)に高濃度の液体吸収剤を送ることができ、給気側モジュール(40a)の加湿能力の低下を防止できる。従って、この調湿装置(10)では、信頼性の高い加湿性能を得ることができる。
また、本実施形態では、ポンプ停止運転と入れ替え運転とを交互に繰り返す際には、圧縮機(36)の運転が継続して行われる。従って、吸湿路(41a,41b)での液体吸収剤の冷却及び放湿路(41b,41a)での液体吸収剤の加熱を維持できるとともに、圧縮機(36)の発停回数も抑えることができる。
更に、本実施形態の吸収剤回路(11)は、1台のポンプ(12)が接続された単純な閉回路である。つまり、本実施形態では、吸収剤回路(11)の構成も簡素となるため、調湿装置(10)の低コスト化を図ることができる。
《発明の実施形態2》
実施形態2に係る調湿装置(10)は、上記実施形態1と吸収剤回路(11)の構成が異なるものである。また、この調湿装置(10)は、除湿運転と加湿運転の双方において、第1運転となる「両側循環運転」と、第2運転となる「入れ替え運転」とを切り換えて行う。
図6及び図7に示すように、吸収剤回路(11)には、切換機構を構成する2つの三方弁(16,17)と、2つの分流路(14,15)とが接続されている。具体的に、吸収剤回路(11)には、給気側流路(41a)の流出側に接続される給気側三方弁(16)と、排気側流路(41b)の流出側に接続される排気側三方弁(17)とが設けられている。各三方弁(16,17)は、それぞれ第1から第3までのポートを有している。
給気側三方弁(16)では、第1ポートが給気側流路(41a)の流出端と繋がり、第2ポートが給気側分流路(14)の流入端と繋がり、第3ポートが溶液熱交換器(90)の第1流路(90a)と繋がっている。排気側三方弁(17)では、第1ポートが排気側流路(41b)の流出端と繋がり、第2ポートが排気側分流路(15)の流入端と繋がり、第3ポートが溶液熱交換器(90)の第2流路(90b)と繋がっている。各三方弁(16,17)は、第1ポートと第2ポートとが連通して第3ポートが閉塞する第1状態(例えば図6に示す実線の状態)と、第1ポートと第3ポートとが連通して第2ポートが閉塞する第2状態(例えば図7に示す実線の状態)とに切換可能に構成されている。
給気側分流路(14)の流出端は、溶液熱交換器(90)の第2流路(90b)の流出端と給気側流路(41a)の流入端との間に接続している。また、給気側分流路(14)の流出端と給気側流路(41a)の流入端との間には、給気側ポンプ(12a)が設けられている。排気側分流路(15)の流出端は、溶液熱交換器(90)の第1流路(90a)の流出端と排気側流路(41b)の流入端との間に接続している。また、排気側分流路(15)の流出端と排気側流路(41b)の流入端との間には、排気側ポンプ(12b)が設けられている。給気側ポンプ(12a)及び排気側ポンプ(12b)は、吸収剤回路(11)の液体吸収剤を搬送するポンプ機構を構成する。給気側ポンプ(12a)及び排気側ポンプ(12b)は、流量が可変な容積型のポンプである。
実施形態2の吸収剤回路(11)では、液体吸収剤の流路が、各三方弁(16,17)の設定に応じて、第1の流路と第2の流路とに切換可能となっている。具体的に、各三方弁(16,17)が第1状態になると、吸収剤回路(11)に第1流路が形成される(例えば図6を参照)。この第1流路では、給気側流路(41a)を含む閉ループ状の給気側循環回路(11a)と、排気側流路(41b)を含む閉ループ状の排気側循環回路(11b)とが形成される。また、各三方弁(16,17)が第2状態になると、吸収剤回路(11)に第2流路が形成される(例えば図7を参照)。この第2流路では、給気側流路(41a)及び排気側流路(41b)を含む閉ループ状の給排気側循環回路(11c)が形成される。
除湿運転の第1流路においては、吸湿路となる給気側流路(41a)を含む給気側循環回路(11a)が、吸湿側循環回路を構成し、放湿路となる排気側流路(41b)を含む排気側循環回路(11b)が、放湿側循環回路を構成する。加湿運転の第1流路においては、放湿路となる給気側流路(41a)を含む給気側循環回路(11a)が、放湿側循環回路を構成し、吸湿路となる排気側流路(41b)を含む排気側循環回路(11b)が、吸湿側循環回路を構成する。また、除湿運転及び加湿運転の第2流路では、上述した給排気側循環回路(11c)が、吸放湿循環回路を構成する。
なお、この変形例に係る2つの三方弁(16,17)に替わって、4つの開閉弁や他の方式の切換機構を用いることで、第1流路と第2流路とを切り換えるようにしてもよい。
〈調湿装置の運転動作〉
次に、実施形態2に係る調湿装置(10)の運転動作について説明する。
《除湿運転》
図6及び図7に示すように、除湿運転では、コントローラ(100)により、四路切換弁(37)が第1状態に設定され、圧縮機(36)が運転される。これにより、除湿運転では、排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)が放熱部を構成し、給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)が蒸発部を構成する。また、給気ファン(27)と排気ファン(28)とが運転される。これにより、室外空気(OA)が給気通路(25)に取り込まれ、室内空気(RA)が排気通路(26)に取り込まれる。室外空気(OA)は、給気側モジュール(40a)を通過して除湿された後、室内空間へ供給空気(SA)として供給される。室内空気(RA)は、排気側モジュール(40b)を通過して放湿された後、室外空間へ排出空気(EA)として排出される。
このような除湿運転では、次のように「両側循環運転」と「入れ替え運転」とが交互に切り換えられる。
−両側循環運転−
図6に示す除湿運転時の両側循環運転では、各三方弁(16,17)が第1状態に設定され、給気側ポンプ(12a)及び排気側ポンプ(12b)が運転状態となる。その結果、給気側循環回路(11a)と排気側循環回路(11b)とでそれぞれ液体吸収剤が循環する。
給気側循環回路(11a)では、給気側ポンプ(12a)から吐出された液体吸収剤が給気側モジュール(40a)の給気側流路(41a)を流れる。給気側モジュール(40a)では、蒸発部(46a)によって液体吸収剤が冷却され、この液体吸収剤の水蒸気分圧が低くなっている。このため、給気側モジュール(40a)では、室外空気中の水蒸気が透湿膜(62)を通過して液体吸収剤に吸収されていく。給気側流路(41a)で吸湿した液体吸収剤は、給気側三方弁(16)、給気側ポンプ(12a)を順に通過して、給気側流路(41a)へ再び送られる。
排気側循環回路(11b)では、排気側ポンプ(12b)から吐出された液体吸収剤が排気側モジュール(40b)の排気側流路(41b)を流れる。排気側モジュール(40b)では、放熱部(46b)によって液体吸収剤が加熱され、この液体吸収剤の水蒸気分圧が高くなっている。このため、排気側モジュール(40b)では、液体吸収剤中の水蒸気が透湿膜(62)を通過して空気に放出されていく。排気側モジュール(40b)で放湿した空気は、室外空間へ排出される。排気側流路(41b)で放湿した液体吸収剤は、排気側三方弁(17)、排気側ポンプ(12b)を順に通過して、排気側流路(41b)へ再び送られる。
−両側循環運転時の判定動作−
除湿運転において、上記両側循環運転を継続して行うと、吸湿側となる給気側循環回路(11a)では、循環する液体吸収剤の濃度が徐々に低くなっていく。同時に、放湿側となる排気側循環回路(11b)では、循環する液体吸収剤の濃度が徐々に高くなっていく。その結果、給気側モジュール(40a)での空気の除湿能力が低下してしまう。そこで、実施形態2の判定部(102)は、室外空気(OA)と供給空気(SA)の湿度差Δhが所定値よりも小さくなると、除湿能力が低下したと判定する。これに伴い、運転制御部(103)は、「両側循環運転」から「入れ替え運転」へと運転を切り換える。
−入れ替え運転−
図7に示す除湿運転時の「入れ替え運転」では、冷媒回路(35)及びファン(27,28)が上記の「両側循環運転」と同様に制御される。一方、「入れ替え運転」では、各三方弁(16,17)が第2状態に設定され、給気側ポンプ(12a)及び排気側ポンプ(12b)が運転状態となる。入れ替え運転での給気側ポンプ(12a)及び排気側ポンプ(12b)の吐出量は、両側循環運転での給気側ポンプ(12a)及び排気側ポンプ(12b)の吐出量(20L/min程度)よりも小さい値(10L/min程度)に設定される。
除湿運転時の「入れ替え運転」の開始直前には、給気側循環回路(11a)に比較的低濃度の液体吸収剤が存在し、排気側循環回路(11b)に比較的高濃度の液体吸収剤が存在している。また、給気側循環回路(11a)の液体吸収剤は、蒸発部(46a)によって冷却されることで、比較的低温となっている。排気側モジュール(40b)の液体吸収剤は、放熱部(46b)によって加熱されることで、比較的高温となっている。この状態から入れ替え運転が実行されると、給気側流路(41a)にある低濃度且つ低温の液体吸収剤は、排気側モジュール(40b)側へ送られ、同時に排気側流路(41b)にある高濃度且つ高温の液体吸収剤は、給気側モジュール(40a)側へ送られる。
給気側流路(41a)を流出した液体吸収剤は、給気側三方弁(16)を通過した後、溶液熱交換器(90)の第1流路(90a)を流れる。また、排気側流路(41b)を流出した液体吸収剤は、排気側三方弁(17)を通過した後、溶液熱交換器(90)の第2流路(90b)を流れる。溶液熱交換器(90)では、第1流路(90a)を流れる液体吸収剤と、第2流路(90b)を流れる液体吸収剤とが、互いに向かい合うように流れて熱交換する。その結果、溶液熱交換器(90)では、第1流路(90a)を流れる液体吸収剤が所定の温度まで加熱され、第2流路(90b)を流れる液体吸収剤が所定の温度まで冷却される。
第1流路(90a)で加熱された低濃度の液体吸収剤は、排気側モジュール(40b)の排気側流路(41b)へ送られる。第2流路(90b)で冷却された高濃度の液体吸収剤は、給気側モジュール(40a)の給気側流路(41a)へ送られる。以上のようにして、吸収剤回路(11)では、給気側モジュール(40a)内の液体吸収剤と、排気側モジュール(40b)内の液体吸収剤とが、相互に入れ替わるようにポンプ(12)が運転される。
「入れ替え運転」が開始されてから設定部(101)に設定された時間が経過すると、再び「両側循環運転」に切り換わり、給気側循環回路(11a)と排気側循環回路(11b)とが形成される。この状態では、排気側モジュール(40b)内にあった高濃度の液体吸収剤が、給気側循環回路(11a)を循環し、給気側モジュール(40a)内にあった低濃度の液体吸収剤が、排気側循環回路(11b)を循環する。このため、給気側モジュール(40a)では、室外空気中の水蒸気が透湿膜(62)を通過して液体吸収剤に吸収される。また、排気側モジュール(40b)では、液体吸収剤中の水蒸気が透湿膜(62)を通過して室内空気へ放出される。
また、上述した入れ替え運転において、給気側モジュール(40a)に送られた液体吸収剤は、溶液熱交換器(90)において冷却され、排気側モジュール(40b)に送られた液体吸収剤は、溶液熱交換器(90)において加熱されている。このため、その後の両側循環運転では、給気側モジュール(40a)における吸湿能力(除湿能力)や、排気側モジュール(40b)における放湿能力が増大する。
《加湿運転》
図8及び図9に示すように、加湿運転では、コントローラ(100)により、四路切換弁(37)が第2状態に設定され、圧縮機(36)が運転される。これにより、加湿運転では、排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)が蒸発部を構成し、給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)が放熱部を構成する。また、給気ファン(27)と排気ファン(28)とが運転される。これにより、室外空気(OA)が給気通路(25)に取り込まれ、室内空気(RA)が排気通路(26)に取り込まれる。室外空気(OA)は、給気側モジュール(40a)を通過して加湿された後、室内空間へ供給空気(SA)として供給される。室内空気(RA)は、排気側モジュール(40b)を通過して吸湿された後、室外空間へ排出空気(EA)として排出される。
このような加湿運転では、次のように「両側循環運転」と「入れ替え運転」とが交互に切り換えられる。
−両側循環運転−
図8に示す加湿運転時の両側循環運転では、各三方弁(16,17)が第1状態に設定され、給気側ポンプ(12a)及び排気側ポンプ(12b)が運転状態となる。その結果、給気側循環回路(11a)と排気側循環回路(11b)とでそれぞれ液体吸収剤が循環する。
給気側循環回路(11a)では、給気側ポンプ(12a)から吐出された液体吸収剤が給気側モジュール(40a)の給気側流路(41a)を流れる。給気側モジュール(40a)では、放熱部(46a)によって液体吸収剤が加熱され、この液体吸収剤の水蒸気分圧が高くなっている。このため、給気側モジュール(40a)では、液体吸収剤中の水蒸気が透湿膜(62)を通過して室外空気に放出されていく。給気側流路(41a)で放湿した液体吸収剤は、給気側三方弁(16)、給気側ポンプ(12a)を順に通過して、給気側流路(41a)へ再び送られる。
排気側循環回路(11b)では、排気側ポンプ(12b)から吐出された液体吸収剤が排気側モジュール(40b)の排気側流路(41b)を流れる。排気側モジュール(40b)では、蒸発部(46b)によって液体吸収剤が冷却され、この液体吸収剤の水蒸気分圧が低くなっている。このため、排気側モジュール(40b)では、室内空気中の水蒸気が透湿膜(62)を通過して液体吸収剤に吸収されていく。排気側モジュール(40b)で吸湿した空気は、室外空間へ排出される。排気側流路(41b)で放湿した液体吸収剤は、排気側三方弁(17)、排気側ポンプ(12b)を順に通過して、排気側流路(41b)へ再び送られる。
−両側循環運転時の判定動作−
加湿運転において、上記両側循環運転を継続して行うと、放湿側となる給気側循環回路(11a)では、循環する液体吸収剤の濃度が徐々に高くなっていく。同時に、吸湿側となる排気側循環回路(11b)では、循環する液体吸収剤の濃度が徐々に低くなっていく。その結果、給気側モジュール(40a)での空気の加湿能力が低下してしまう。そこで、実施形態2の判定部(102)は、室外空気(OA)と供給空気(SA)の湿度差Δhが所定値よりも小さくなると、加湿能力が低下したと判定する。これに伴い、運転制御部(103)は、「両側循環運転」から「入れ替え運転」へと運転を切り換える。
−入れ替え運転−
図9に示す加湿運転時の「入れ替え運転」では、冷媒回路(35)及びファン(27,28)が上記の「両側循環運転」と同様に制御される。一方、「入れ替え運転」では、各三方弁(16,17)が第2状態に設定され、給気側ポンプ(12a)及び排気側ポンプ(12b)が運転状態となる。入れ替え運転での給気側ポンプ(12a)及び排気側ポンプ(12b)の吐出量は、両側循環運転での給気側ポンプ(12a)及び排気側ポンプ(12b)の吐出量(20L/min程度)よりも小さい値(10L/min程度)に設定される。
加湿運転時の「入れ替え運転」の開始直前には、給気側循環回路(11a)に比較的高濃度の液体吸収剤が存在し、排気側循環回路(11b)に比較的低濃度の液体吸収剤が存在している。また、給気側循環回路(11a)の液体吸収剤は、放熱部(46a)によって加熱されることで、比較的高温となっている。排気側モジュール(40b)の液体吸収剤は、蒸発部(46b)によって冷却されることで、比較的低温となっている。この状態から入れ替え運転が実行されると、給気側流路(41a)にある高濃度且つ高温の液体吸収剤は、排気側モジュール(40b)側へ送られ、同時に排気側流路(41b)にある低濃度且つ低温の液体吸収剤は、給気側モジュール(40a)側へ送られる。
給気側流路(41a)を流出した液体吸収剤は、給気側三方弁(16)を通過した後、溶液熱交換器(90)の第1流路(90a)を流れる。また、排気側流路(41b)を流出した液体吸収剤は、排気側三方弁(17)を通過した後、溶液熱交換器(90)の第2流路(90b)を流れる。溶液熱交換器(90)では、第1流路(90a)を流れる液体吸収剤と、第2流路(90b)を流れる液体吸収剤とが、互いに向かい合うように流れて熱交換する。その結果、溶液熱交換器(90)では、第1流路(90a)を流れる液体吸収剤が所定の温度まで冷却され、第2流路(90b)を流れる液体吸収剤が所定の温度まで加熱される。
第1流路(90a)で冷却された高濃度の液体吸収剤は、排気側モジュール(40b)の排気側流路(41b)へ送られる。第2流路(90b)で加熱された低濃度の液体吸収剤は、給気側モジュール(40a)の給気側流路(41a)へ送られる。以上のようにして、吸収剤回路(11)では、給気側モジュール(40a)内の液体吸収剤と、排気側モジュール(40b)内の液体吸収剤とが、相互に入れ替わるようにポンプ(12)が運転される。
「入れ替え運転」が開始されてから設定部(101)に設定された時間が経過すると、再び「両側循環運転」に切り換わり、給気側循環回路(11a)と排気側循環回路(11b)とが形成される。この状態では、排気側モジュール(40b)内にあった低濃度の液体吸収剤が、給気側循環回路(11a)を循環し、給気側モジュール(40a)内にあった高濃度の液体吸収剤が、排気側循環回路(11b)を循環する。このため、給気側モジュール(40a)では、液体吸収剤中の水蒸気が透湿膜(62)を通過して室外空気へ放出される。また、排気側モジュール(40b)では、室内空気中の水蒸気が透湿膜(62)を通過して液体吸収剤に吸収される。
また、上述した入れ替え運転において、給気側モジュール(40a)に送られた液体吸収剤は、溶液熱交換器(90)において加熱され、排気側モジュール(40b)に送られた液体吸収剤は、溶液熱交換器(90)において冷却されている。このため、その後の両側循環運転では、給気側モジュール(40a)における放湿能力(加湿能力)や、排気側モジュール(40b)における吸湿能力が増大する。
−実施形態2の効果−
上述した実施形態2の除湿運転や加湿運転では、両側循環運転(第1運転)において、給気側循環回路(11a)と排気側循環回路(11b)とでそれぞれ液体吸収剤を個別に循環させている。このため、この両側循環運転では、従来例のように、液体吸収剤を蒸発部と凝縮部とで交互に冷却・加熱することがないため、このような冷却・加熱に起因する熱ロスを低減でき、圧縮機(36)の消費電力も抑えることができる。その結果、この調湿装置(10)の省エネ性を向上できる。
また、実施形態2では、両側循環運転において、判定部(102)が調湿能力の低下を判定すると、入れ替え運転を行うようにしている。その結果、給気側モジュール(40a)の除湿能力や加湿能力を回復させて信頼性の高い運転を行うことができる。
また、入り替え運転では、溶液熱交換器(90)において、給気側モジュール(40a)へ送られる液体吸収剤と排気側モジュール(40b)へ送られる液体吸収剤とを熱交換させている。これにより、実施形態1と同様にして、除湿能力や加湿能力を向上できる。
更に、実施形態2では、入れ替え運転時における吸収剤回路(11)の液体吸収剤の流量を、両側循環運転における給気側循環回路(11a)や排気側循環回路(11b での液体吸収剤の流量よりも小さくしている。これにより、溶液熱交換器(90)では、第1流路(90a)を流れる液体吸収剤と、第2流路(90b)を流れる液体吸収剤との間で熱交換の効率(温度効率)を促進できる。
〈実施形態2の変形例〉
実施形態2の調湿装置(10)については、次のような変形例の構成としてもよい。この変形例に係る給気側モジュール(30a)及び排気側モジュール(30b)は、図10に示すように、第1ヘッダ部(31)と第2ヘッダ部(32)と、両者のヘッダ部(31,32)の間に介設される複数の調湿配管(33)とを有する。第1ヘッダ部(31)と第2ヘッダ部(32)とには、吸収剤回路(11)と繋がる吸収液管(31a,31b)がそれぞれ接続している。第1ヘッダ部(31)と第2ヘッダ部(32)との間には、調湿配管(33)の周囲を通過する空気通路(34)が形成される。
調湿配管(33)は、その外周面が透湿膜(33a)で構成され、その内部に液体吸収剤が流れる流路(36a,36b)が形成される。具体的に、給気側モジュール(30a)の調湿配管(33)の内部には、給気側流路(36a)が形成され、排気側モジュール(30b)の調湿配管(3
3)の内部には、排気側流路(36b)が形成される。これらの流路(36a,36b)は、放湿路又は吸湿路を構成する。
図11に示すように、この変形例では、液体吸収剤の加熱部や冷却部が、給気側モジュール(30a)や排気側モジュール(30b)とは別体に構成される。具体的に、変形例の冷媒回路(35)は、圧縮機(36)と給気側熱交換器(40c)と膨張弁(38)と排気側熱交換器(40d)と四路切換弁(37)とを備えている。給気側熱交換器(40c)は、給気側流路(36a)の上流側の液体吸収剤と、冷媒とを熱交換させる。排気側熱交換器(40d)は、排気側流路(36b)の上流側の液体吸収剤と、冷媒とを熱交換させる。給気側熱交換器(40c)及び排気側熱交換器(40d)は、液体吸収剤を冷却する冷却部又は液体吸収剤を加熱する加熱部として機能する。
〈調湿装置の運転動作〉
この変形例では、実施形態2と同様にして、除湿運転と加湿運転とが行われる。
〈除湿運転〉
除湿運転では、四路切換弁(37)が第1状態(図11の実線で示す状態)に設定され、圧縮機(36)が運転される。その結果、冷媒回路(35)では、排気側熱交換器(40d)が放熱部(凝縮部)となり、給気側熱交換器(40c)が蒸発部となる冷凍サイクルが行われる。また、除湿運転の両側循環運転では、各三方弁(16,17)が第1状態(図11の実線で示す状態)に設定され、除湿運転の入れ替え運転では、各三方弁(16,17)が第2状態(図11の破線で示す状態)に設定される。
両側循環運転では、給気側ポンプ(12a)で吐出された液体吸収剤が、給気側熱交換器(40c)で冷却された後、給気側流路(36a)を流れる。給気側モジュール(30a)では、室外空気中の水蒸気が透湿膜(33a)を通過して液体吸収剤に吸収される。その結果、この空気が除湿される。給気側流路(36a)を流出した液体吸収剤は、給気側三方弁(16)、給気側ポンプ(12a)を順に通過し、給気側熱交換器(40c)で冷却された後に再び給気側流路(36a)へ送られる。
また、両側循環運転では、排気側ポンプ(12b)で吐出された液体吸収剤が、排気側熱交換器(40d)で加熱された後、排気側流路(36b)を流れる。排気側モジュール(30b)では、液体吸収剤中の水蒸気が透湿膜(33a)を通過して室内空気へ放出される。排気側流路(36b)を流出した液体吸収剤は、排気側三方弁(17)、排気側ポンプ(12b)を順に通過し、排気側熱交換器(40d)で加熱された後に再び排気側流路(36b)へ送られる。
一方、入れ替え運転では、給気側流路(36a)にあった低濃度且つ低温の液体吸収剤が、溶液熱交換器(90)の第1流路(90a)を流れ、排気側流路(36b)にあった高濃度且つ高温の液体吸収剤が、溶液熱交換器(90)の第2流路(90b)を流れる。溶液熱交換器(90)では、第1流路(90a)の液体吸収剤が所定温度まで加熱され、第2流路(90b)の液体吸収剤が所定温度まで冷却される。
第1流路(90a)で加熱された液体吸収剤は、排気側熱交換器(40d)で更に加熱された後、排気側モジュール(30b)へ送られる。第2流路(90b)で冷却された液体吸収剤は、給気側熱交換器(40c)で更に冷却された後、給気側モジュール(30a)へ送られる。これにより、その後の両側循環運転では、給気側モジュール(30a)の除湿能力が増大する。
〈加湿運転〉
加湿運転では、四路切換弁(37)が第2状態(図11の破線で示す状態)に設定され、圧縮機(36)が運転される。その結果、冷媒回路(35)では、給気側熱交換器(40c)が放熱部(凝縮部)となり、排気側熱交換器(40d)が蒸発部となる冷凍サイクルが行われる。また、加湿運転の両側循環運転では、各三方弁(16,17)が第1状態(図11の実線で示す状態)に設定され、加湿運転の入れ替え運転では、各三方弁(16,17)が第2状態(図11の破線で示す状態)に設定される。
両側循環運転では、給気側ポンプ(12a)で吐出された液体吸収剤が、給気側熱交換器(40c)で加熱された後、給気側流路(36a)を流れる。給気側モジュール(30a)では、液体吸収剤中の水蒸気が透湿膜(33a)を通過して室外空気へ放出される。その結果、この空気が加湿される。給気側流路(36a)を流出した液体吸収剤は、給気側三方弁(16)、給気側ポンプ(12a)を順に通過し、給気側熱交換器(40c)で加熱された後に再び給気側流路(36a)へ送られる。
また、両側循環運転では、排気側ポンプ(12b)で吐出された液体吸収剤が、排気側熱交換器(40d)で冷却された後、排気側流路(36b)を流れる。排気側モジュール(30b)では、室内空気中の水蒸気が透湿膜(33a)を通過して液体吸収剤に吸収される。排気側流路(36b)を流出した液体吸収剤は、排気側三方弁(17)、排気側ポンプ(12b)を順に通過し、排気側熱交換器(40d)で冷却された後に再び排気側流路(36b)へ送られる。
一方、入れ替え運転では、給気側流路(36a)にあった高濃度且つ高温の液体吸収剤が、溶液熱交換器(90)の第1流路(90a)を流れ、排気側流路(36b)にあった低濃度且つ低温の液体吸収剤が、溶液熱交換器(90)の第2流路(90b)を流れる。溶液熱交換器(90)では、第1流路(90a)の液体吸収剤が所定温度まで冷却され、第2流路(90b)の液体吸収剤が所定温度まで加熱される。
第1流路(90a)で冷却された液体吸収剤は、排気側熱交換器(40d)で更に冷却された後、排気側モジュール(30b)へ送られる。第2流路(90b)で加熱された液体吸収剤は、給気側熱交換器(40c)で更に加熱された後、給気側モジュール(30a)へ送られる。これにより、その後の両側循環運転では、給気側モジュール(30a)の加湿能力が増大する。
変形例の調湿装置(10)におけるそれ以外の作用効果は、上述した実施形態2と同様である。
《その他の実施形態》
上述した各実施形態(その変形例も含む)については、以下のような構成としてもよい。
図12に示す例(その他の第1の例)は、上述した実施形態とは、第1運転から第2運転への運転の切換の判定方法が異なるものである。具体的に、この例の調湿装置(10)は、吸収剤回路(11)の液体吸収剤の濃度を検知するための液濃度センサ(113)を備えている。液濃度センサ(113)は、給気側モジュール(40a)の給気側流路(41a)内に設けられており、第1運転(実施形態1に係る「ポンプ停止運転」や実施形態2に係る「両側循環運転」)時において、給気側流路(41a)に存在する液体吸収剤の濃度を検出する液濃度検出部を構成する。そして、判定部(102)は、液濃度センサ(113)の検出値に基づいて調湿能力の低下を判定する。
具体的に、例えば除湿運転で第1運転を継続すると、給気側流路(41a)の液体吸収剤の濃度が徐々に低くなっていく。除湿運転において、液濃度センサ(113)で検知した液体吸収剤の濃度が所定値よりも小さくなると、判定部(102)は、除湿能力が低下したと判定する。これに伴い、運転制御部(103)は、第1運転から第2運転(「入れ替え運転」)へと運転モードを切り換える。その結果、給気側モジュール(40a)と排気側モジュール(40b)との間で液体吸収剤が相互に交換され、給気側モジュール(40a)の除湿能力が確保される。
また、例えば加湿運転で第1運転を継続すると、給気側流路(41a)の液体吸収剤の濃度が徐々に高くなっていく。加湿運転において、液濃度センサ(113)で検知した液体吸収剤の濃度が所定値よりも高くなると、判定部(102)は、加湿能力が低下したと判定する。これに伴い、運転制御部(103)は、第1運転から第2運転へと運転モードを切り換える。その結果、給気側モジュール(40a)と排気側モジュール(40b)との間で液体吸収剤が相互に交換され、給気側モジュール(40a)の加湿能力が確保される。
なお、図12に示す例では、吸収剤回路(11)における液体吸収剤の濃度をセンサによって直接的に検出している。しかしながら、例えば給気ファン(27)の積算風量と、室外空気の絶対湿度と、室内空気の絶対湿度とに基づいて、吸収剤回路(11)の液体吸収剤の濃度を間接的に求めるようにしてもよい。また、液濃度センサ(113)を排気側流路(41b)に配置し、排気側流路(41b)の液体吸収剤の濃度を求めるようにしてもよい。
図13に示す例(その他の第2の例)は、上述した実施形態とは、第1運転から第2運転への運転の切換の判定方法が異なるものである。図13に示す調湿装置(10)では、上述した実施形態のような各種のセンサ(111,112,113)や、調湿装置(10)の調湿能力が低下したことを判定する判定部(102)が設けられていない。一方、この調湿装置(10)では、コントローラ(100)の設定部(101)に、第1運転(「ポンプ停止運転」や「両側循環運転」)の実行時間が設定される。この設定部(101)に設定される時間は、上記除湿運転では例えば10分に、上記加湿運転では例えば15分に設定される。つまり、設定部(101)では、除湿運転での第1運転の実行時間が、加湿運転での第2運転の実行時間よりも短く設定されている。この例では、第1運転が実行されてから、設定部(101)に設定された時間が経過すると、運転制御部(103)が第1運転から第2運転へと運転モードを切り換える。この例では、センサ等の検出部を設けることなく、第1運転から第2運転へと運転モードを確実に切り換えることができる。
図14に示す例(その他の第3の例)の調湿装置(10)は、取り込んだ室内空気(RA)を給気側モジュール(40a)で調湿し、この空気を供給空気(SA)として室内へ供給すると同時に、取り込んだ室外空気(OA)を排気側モジュール(40b)で調湿し、この空気を排出空気(EA)として室外へ排出するものである。
図14の例の調湿装置(10)には、室内へ供給される供給空気(SA)の湿度を検出する給気湿度センサ(111)と、調湿装置(10)に取り込まれる室内空気(RA)の湿度を検出する内気湿度センサ(114)とが設けられている。第1運転において、給気湿度センサ(111)で検出した検出値と、内気湿度センサ(114)で検出した検出値との差が所定値よりも小さくなると、判定部(102)が調湿能力が低下したと判断し、運転制御部(103)が第1運転から第2運転へと運転モードを切り換える。なお、内気湿度センサ(114)を省略した構成として、供給空気(SA)の湿度のみを用いて第1運転から第2運転への運転モードの切換を行うようにしてもよい(上述した実施形態においても同様である)。