本発明の実施例を、添付図面を用いて詳述する。
パチンコ遊技機1は、図1に示すように、遊技島設備(図示省略)に固定される外枠2と、この外枠2の前面開口部を覆う遊技機本体3とからなる。遊技機本体3は、中央上部の略円形の開口部に遊技盤10(図2参照)が取り付けられた前枠5を備え、この前枠5の一側縁がヒンジ部材4を介して外枠2に開閉可能に枢着されている。さらに前枠5には、遊技盤10を覆うガラス板6が設けられている。また、前枠5の下部には、上受皿7と下受皿8とが上下に列設されており、下受皿8の右側方に発射ハンドル9が突設される。
図2は、上記した遊技盤10の正面図である。遊技盤10の前面には、ガイドレール11によって略円形の遊技領域12が区画形成されており、遊技領域12の中央には、各種遊技部材を組み込んだセンターケース13が配設される。センターケース13には、液晶表示装置14が組み付けられている。この液晶表示装置14は、その画面(液晶表示パネル41)に各種演出画像が表示される。
尚、液晶表示装置14の画面には、特別図柄A,B,Cも表示される。この特別図柄A,B,Cは、後述する可変入賞装置21の始動口22に遊技球が流入することにより変動開始し、その後停止した各特別図柄の組合せからなる停止図柄態様により当り又はハズレを確定する。そして、当り停止図柄態様で確定表示した場合には、後述する大入賞口26を所定回数開閉駆動する特別遊技作動を実行し、大入賞口26へ入賞した遊技球により多くの賞球を得ることができる。この特別遊技作動は、多量の賞球を得ることができるため、該特別遊技作動の実行に至る特別図柄A,B,Cの当り停止図柄態様は、遊技者により最も望まれている。ここで、本実施例にあって、特別遊技作動を実行する状態が、特別遊技状態であり、特別遊技状態以外が、通常遊技状態(低確率通常遊技状態、確変通常遊技状態)である。
このセンターケース13の下部には、四個のLEDからなる特別始動記憶数表示装置17と普通始動記憶数表示装置18とが夫々に設けられている。特別始動記憶数表示装置17は、後述する可変入賞装置21の始動口22に遊技球が連続して流入した場合に、該始動口22への流入毎に発生する特別図柄始動記憶の記憶数(以下、特別図柄始動記憶数という)を、そのLEDの点灯数によって表示する。また、普通始動記憶数表示装置18は、後述する普通図柄(図示せず)を変動する普通図柄始動記憶の記憶数(以下、普通図柄始動記憶数という)を、そのLEDの点灯数によって表示する。ここで、特別図柄始動記憶数と普通図柄始動記憶数は、それぞれ四個を上限数として設定している。
上記センターケース13の左右側方には、普通図柄始動ゲート(普通図柄始動領域)19,19が配設されており、遊技球の通過により、各普通図柄始動ゲート19に設けられた普通図柄始動スイッチS2 (図3参照)から遊技球検出信号が発生すると、液晶表示装置14の表示画面で普通図柄(図示せず)が変動し、所定時間経過後に停止して種々の組み合わせの図柄態様が表示される。
また、センターケース13の下方には、遊技球を流入可能とする始動口22と、左右一対の開閉翼片(図示省略)とを備えた可変入賞装置21が配設されている。この始動口22の内部には、遊技球を検知する特別図柄始動スイッチS1(図3参照)が配設されており、該特別図柄始動スイッチS1による遊技球検知に従って、上述したように、液晶表示装置14の画面で特別図柄A,B,Cを変動開始する。すなわち、この特別図柄始動スイッチS1により、本発明の球検知手段が構成されている。また、左右一対の開閉翼片は、上下方向に起立して一個の遊技球が上方から入賞可能な間隔となる起立位置と、該起立位置から左右両側に逆ハ字形に拡開して遊技球の入賞を容易とする傾動位置とに変換駆動されるようになっている。そして、前記普通図柄(図示せず)の表示結果が所定の当り図柄態様の場合には、普通電動役物ソレノイド(図示せず)を駆動源として開閉翼片が所定時間(約 0.2秒間)傾動位置に拡開されて、始動口22に遊技球が入り易い状態となる。
さらに、可変入賞装置21の下方には、大入賞口26を有する特別電動役物25が配設されている。この特別電動役物25は横長矩形状の開閉片27を具備し、内蔵された大入賞口ソレノイド(図示せず)により開閉片27を開閉制御することによって大入賞口26が開放状態又は閉鎖状態に変換される。この特別電動役物25は、上記した液晶表示装置14の画面で変動表示した特別図柄A,B,Cが所定の当り停止図柄態様で確定表示された場合(大当りの場合)に、大入賞口26を開閉作動することにより、特別遊技作動を実行するものである。特別遊技作動では、開閉片27が前方に傾倒して開き、その開放状態で開閉片27の上面の案内作用を介して、大入賞口26内へ遊技球を案内するとともに、所定開放時間(例えば30秒)の満了、またはその所定開放時間中における所定個数(例えば 9個)の遊技球の入賞により開閉片27が起立して大入賞口26が閉鎖される開閉ラウンドを、所定制限回数(本実施例にあっては15回)行うことにより、大入賞口26に多量の遊技球が入賞し、遊技者に所定の利益が供与される。この特別電動役物25の内部には入賞した遊技球を検知するカウントスイッチS3(図3参照)が設けられている。
その他、遊技領域12には、複数の一般入賞口58が配設されており、その内部に設けられた一般入賞スイッチS4(図3参照)による遊技球の入賞検知に伴って、所定数の賞球が払い出される。
次に、上述のパチンコ遊技機1の制御回路について、図3に示すブロック図に従って説明する。
制御回路には、主制御基板80、払出制御基板81、演出制御基板82、電源基板83、発射制御基板84が配設されている。主制御基板80は、マイクロコンピュータにより構成されており、パチンコ遊技機1の遊技を統括的に制御するものである。そして、この主制御基板80には、上記した特別図柄始動スイッチS1、普通図柄始動スイッチS2、カウントスイッチS3等の各種スイッチや各種センサが盤面中継端子板90を介して接続されている。
主制御基板80には、各種スイッチやセンサなどからの入力信号に従って演算処理を実行して所定の指令信号を出力する中央制御装置CPU、演算処理に用いる制御プログラム等を格納する記憶装置ROM、必要なデータを随時読み書き可能な記憶装置RAMが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示省略)と、データのやり取りを行うデータバス(図示省略)とを介して接続され、主制御基板80の基板回路を構成している。前記記憶装置ROMには、制御プログラムや、普通当り乱数テーブル、普通当り図柄乱数テーブル、大当り乱数テーブル、大当り図柄乱数テーブル、ハズレ図柄乱数テーブル、リーチ乱数テーブル、リーチ図柄乱数テーブル、変動態様乱数テーブル等の固定データが格納されている。そして、後述するように始動口22に遊技球が流入して特別図柄始動スイッチS1がON作動すると、中央制御装置CPUによって各乱数テーブルの乱数値の抽選が行われ、大当り乱数値、大当り図柄乱数値、ハズレ図柄乱数値、リーチ乱数値、リーチ図柄乱数値、変動態様乱数値等が選出される。また、記憶装置RAMには、特別図柄始動スイッチS1 ,普通図柄始動スイッチS2 のON作動数等が一時的に記憶される記憶エリア、ソフトタイマを構成するレジスタ領域及びワークエリア等が設けられている。
ここで、上記した各乱数テーブルから抽出する各乱数値について詳述する。
大当り乱数テーブルは0〜299の範囲の値により構成されており、特別図柄始動スイッチS1のON作動した時点で前記範囲から大当り乱数値が抽出される(後述する入賞検出処理)。そして抽出された大当り乱数値は、所定の大当り値と比較され、抽出された大当り乱数値が大当り値と一致していた場合には「当り(特別図柄の当選)」となり、不一致であった場合には「ハズレ」となる(後述する特別始動口処理)。ここで所定大当り値には、高確率時の大当り値「7,11,37,87,127,177,207,233,257,273」と通常確率時の大当り値「7」との二種類があり、低確率通常遊技状態では、大当り乱数値は通常確率時の大当り値と比較されるが、確変通常遊技状態では、高確率時の大当り値と比較される。すなわち、低確率通常遊技状態では、抽出された大当り乱数値が「7」の場合にのみ当選となり、確変通常遊技状態では、抽出された大当り乱数値が「7,11,37,87,127,177,207,233,257,273」の場合に当選となる。したがって、低確率通常遊技状態では、当選する確率(以下、当選確率という)は1/300であり、確変通常遊技状態では、当選確率は10/300(=1/30)となる。
大当り図柄乱数テーブルは0〜9の範囲の値により構成されており、特別図柄始動スイッチS1のON作動した時点で前記範囲から大当り図柄乱数値が抽出される(後述する入賞検出処理)。そして、上記大当り乱数値の判定結果が「当り」の場合に、抽出された大当り図柄乱数値により当選種類が決定される。具体的には、抽出された大当り図柄乱数値が「0,2,4,6,8」の場合には「通常当り」と決定され、「1,3,5,7,9」の場合には「確変当り」と決定される(後述する特別始動口処理)。そして、「確変当り」であると、上記した特別遊技作動を実行する特別遊技状態の後に、確変通常遊技状態へ移行し、その状態では、上記した高確率時の大当り値を選択して大当り乱数値を判定する。また、「通常当り」であると、特別遊技状態の後に、低確率通常遊技状態へ移行する。
その他、特別図柄始動スイッチS1のON作動した時点で、図柄生成行程でリーチ変動を行うか否かを決定するリーチ乱数値や、特別図柄や演出図柄の変動態様を決定するための変動態様乱数値等が抽出される(後述する入賞検出処理)。これら各種乱数値の集合により、一つの特別図柄始動記憶が生成され、記憶装置RAMに記憶される。この特別図柄始動記憶は、その発生順に従って記憶され、その記憶数を上記した特別始動記憶数表示装置17の点灯数によって表示する。そして、最先に記憶された特別図柄始動記憶から順に消化され(後述する特別始動口処理)、当該特別図柄始動記憶を構成する各乱数値に従って、特別図柄の特別図柄の変動開始から確定停止に至る一連の図柄生成行程が、上記した液晶表示装置14で表示実行される(後述する特別図柄処理)。
さらに、遊技球が普通始動ゲート19を通過した時点で、記憶装置ROMに格納されている普通当り乱数テーブルから普通当り乱数値を抽出する(後述する入賞検出処理)。ここで、普通当り乱数テーブルは、0〜30の範囲の当りにより構成されている。そして、抽出された普通当り乱数値は、所定の当り値と比較され、抽出された普通当りカウンタ値が該当り値と一致していた場合には内部的に「当り(普通図柄の当選)」となり、不一致であった場合には「ハズレ」となる(後述する普通始動口処理)。ここで、普通当りカウンタ値が当り値と一致する当選確率としては、低確率通常遊技状態で1/10、確変通常遊技状態で9/10となるように制御処理している。この普通当り乱数値は、普通図柄始動記憶として発生順に記憶装置RAMに記憶され、その記憶数を上記した普通始動記憶数表示装置18の点灯数によって表示する。そして、最先の普通図柄始動記憶から順に消化されることにより、液晶表示装置14で普通図柄(図示せず)を変動して停止する(後述する普通図柄処理)。
また、主制御基板80の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示省略)が設けられ、中央制御装置CPUに接続されている。そして中央制御装置CPUは一定間隔のクロックパルスによって、時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして、時間を計測するタイマーTMも接続されている。
さらに、上記主制御基板80の基板回路には、中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示省略)及び出力ポート(図示省略)が設けられており、該出力ポートを介して主制御基板80からの指令信号が、払出制御基板81、演出制御基板82、発射制御基板84の各入力ポートに向けて発信されるようになっている。また、主制御基板80の入力ポートには、盤面中継端子板90を介して、特別図柄始動スイッチS1、普通図柄始動スイッチS2、カウントスイッチS3、一般入賞スイッチS4が接続されている。そして、主制御基板80は、所定時間毎(例えば2ms毎)に各スイッチS1 〜S4の遊技球検出状態を調べ、信号入力があるとその信号が波形整形回路により波形整形されて中央制御装置CPUに入力され、その情報を記憶装置RAMに記憶する。また、主制御基板80の出力ポートには、盤面中継端子板90を介して大入賞口ソレノイド,普通電動役物ソレノイドが接続されており、中央制御装置CPUが所定の条件を選出した場合に作動される。
また、主制御基板80の中央制御装置CPU及び上記した各制御基板81〜84に設置されている各中央制御装置CPUは、所定のデータの処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。尚、前記演算ユニットの連成数によって、各中央制御装置CPUの演算処理能力が決まる。そして、主制御基板80の中央制御装置CPUは、所定の形式で生成した指令信号を各制御基板81〜84に夫々送信し、各制御基板81〜84の中央制御装置CPUがこの指令信号に従って所定の制御を処理実行することとなる。
一方、上記した演出制御基板82は、上述した液晶表示装置14の駆動制御や、各種スピーカから音響を発する制御や、各種ランプおよびLEDを発光する制御などを行うものである。そして、この演出制御基板82には、液晶表示装置14と、各種LEDをLED中継端子板を介して発光制御するランプ制御基板86と、スピーカが接続された演出中継端子板87とが夫々に接続されている。ここで、液晶表示装置14は、その液晶表示パネル41を後方より照らすためのバックライト42を備えており、該バックライト42が前記ランプ制御基板86を介して接続されている。このバックライト42は、本実施例にあって、白色LEDが用いられている。また、演出制御基板82にも、上述した主制御基板80と同様に、中央制御装置CPU、記憶装置ROM、記憶装置RAMを備えている。このような演出制御基板82は、主制御基板80から受信した演出指令信号に従って、液晶表示装置14による演出画像の表示、各LEDの発光、スピーカの発音を制御実行する。尚、液晶表示装置14を制御する処理については、本発明の要部にかかり、詳しくは後述する。
また、払出制御基板81は、賞球や貸球を払い出す球払出装置(図示省略)を駆動制御するものである。この払出制御基板81は、主制御基板80から受信した払出指令信号に従って上記した球払出装置(図示省略)を駆動して、所定の賞球を払い出す制御を実行する。
また、発射制御基板84は、上記した発射ハンドル9の操作に従って、図示しない発射装置を駆動制御することにより、遊技球を発射制御するものである。尚、発射制御基板84も、上記した主制御基板80と接続されており、主制御基板80から所定の指令信号を入力すると、それに従って駆動制御するようにもなっている。
また、上述した電源基板83は、外部電源から供給された電力を、所定の電圧に変換して、上述した主制御基板80、払出制御基板81、演出制御基板82(およびランプ制御基板86)、発射制御基板84に送電するものである。電源基板83には、外部電源からAC24Vの電流が送電される。そして、このAC24Vを、DC32V、DC12V、DC5Vに変換する回路が夫々配設されている。さらに、過剰の電流が流れないようする過負荷保護回路、リセット回路、バックアップ用コンデンサ(バックアップ電源)などが配設されている。
この電源基板83からDC32V、DC12V、DC6Vの各電力を夫々供給された主制御基板80、払出制御基板81、演出制御基板82(およびランプ制御基板86)、発射制御基板84は、夫々が駆動制御するモータ、ソレノイド、スイッチ、センサ、LED、スピーカ、表示装置などに所定の電力を分配する。
次に、図3に示した制御回路による制御態様をパチンコ遊技機1の作動に従って説明する。
上記した発射ハンドル9が遊技者によって操作されることにより、遊技球を遊技領域12に発射する。この遊技球が普通図柄始動ゲート19を通過し、普通図柄始動スイッチS2 がON作動すると、主制御基板80は入賞検出処理(図示せず)により普通当り乱数値を選出し、普通始動口処理(図示せず)により当該普通当り乱数値を判定する。さらに、演出制御基板82が普通図柄表示処理(図示せず)により、液晶表示装置14で普通図柄(図示省略)を図柄変動する制御処理を行い、選出した普通当り乱数値に従って、普通図柄を確定停止する制御処理を行う。ここで、普通図柄が当り図柄態様で確定停止した場合には、普通電動役物処理(図示せず)により、可変入賞装置21の開閉翼片(図示省略)を傾動位置に拡開する制御を行う。
遊技領域12を転動流下した遊技球が可変入賞装置21の始動口22に流入すると、特別図柄始動スイッチS1がON作動し、主制御基板80は、入賞検出処理(図示せず)により上記した各乱数値を抽出して特別図柄始動記憶を記憶する。ここで、主制御基板80の中央制御装置CPUは、特別図柄始動スイッチS1のON作動により、記憶装置ROMに記憶されている大当り乱数テーブル、大当り図柄乱数テーブル、ハズレ図柄乱数テーブル、リーチ乱数テーブル、リーチ図柄乱数テーブル、変動態様乱数テーブル等から抽選によって、大当り乱数値、大当り図柄乱数値などを夫々に抽出する。そして、図4の特別始動口処理により、前記入賞検出処理により抽出した大当り乱数値に従って当り又はハズレの判定を行うと共に、当りの場合には大当り図柄乱数値を選択して通常当り又は確変当りの判定を行う。そして、図5の特別図柄処理により、演出制御基板82が液晶表示装置14を駆動制御して、特別図柄A,B,Cを図柄変動し、前記した抽選により選出した各乱数値に従って特別図柄A,B,Cを停止表示する制御処理を実行する。この特別図柄処理では、特別図柄変動停止態様選択処理により、前記入賞検出処理により抽出した各乱数値に従って、特別図柄の変動態様及び停止図柄態様、さらには、図柄生成行程中に演出表示装置14で表示する演出態様を決定する。ここで、特別始動口処理により大当り乱数値を当り判定している場合には、図柄生成行程の一連の当り図柄変動態様と演出態様とを表示するための当り変動パターンを選定し、大当り乱数値をハズレ判定している場合には、ハズレ変動パターンを選定する。そして、変動時間計測用のタイマをセットし、特別図柄変動停止態様選択処理で選定した変動パターンをセットする。そして、液晶表示装置14で、特別図柄A,B,Cを変動開始し、前記した変動パターンに従って一連の図柄生成行程が表示される。この図柄生成行程で特別図柄A,B,Cが当り図柄態様で確定停止すると、上述したように、大入賞口処理(図示せず)により、大入賞口26を開閉作動する開閉ラウンドを開始して特別遊技作動を実行する。一方、大当り乱数値がハズレであると、ハズレ図柄乱数値を選択してハズレ図柄を決定すると共に、その他の乱数値に従ってハズレ図柄変動パターンを選定し、液晶表示装置14で、特別図柄A,B,Cをハズレ停止図柄態様で確定停止するまでの一連の図柄生成行程が表示される。
このように遊技球の入賞により図柄生成行程を実行する状態が、低確率通常遊技状態または確変通常遊技状態であり、上記した特別遊技作動を実行している状態が特別遊技状態である。ここで、特別遊技作動の実行を決定した特別図柄始動記憶の大当り図柄乱数値が、「1,3,5,7,9」の場合には、当該特別遊技作動(特別遊技状態)後に確変通常遊技状態へ移行し、「0,2,4,6,8」の場合には、当該特別遊技作動(特別遊技状態)後に低確率通常遊技状態へ移行する。すなわち、特別図柄始動記憶の消化によって大当り乱数値を当りと判定し、図柄生成行程で当り停止図柄態様を確定表示すると、特別遊技状態への移行条件が成立する。同様に、特別図柄始動記憶の消化によって大当り図柄乱数値を「1,3,5,7,9」と判定し、且つこの大当り図柄乱数値に従って図柄生成行程で当り停止図柄態様を確定表示すると、確変通常遊技状態への移行条件が成立する。このように、特別遊技状態へ移行するための移行条件として、特別図柄の当り停止図柄態様を確定表示した場合が設定されており、また、確変通常遊技状態への移行する移行条件として、大当り図柄乱数値を「1,3,5,7,9」と判定し且つこれに従って特別図柄の当り停止図柄態様を確定表示する場合が設定されている。また、大当り乱数値を当り判定して、大当り図柄乱数値を「0,2,4,6,8」と判定した場合には、この大当り図柄乱数値に従って図柄生成行程で当り停止図柄態様を確定表示することにより、特別遊技状態後に低確率通常遊技状態へ移行する条件が成立することとなる。尚、以下では、当り停止図柄態様として、大当り図柄乱数値「1,3,5,7,9」に従って確定表示されるものを確変当り停止図柄態様と言い、大当り図柄乱数値「0,2,4,6,8」に従って確定表示されるものを低確率当り停止図柄態様と言う。すなわち、液晶表示装置14で確変当り停止図柄態様を確定表示すると、特別遊技状態の後に確変通常遊技状態へ移行し、低確率当り停止図柄態様を確定表示すると、特別遊技状態の後に低確率通常遊技状態へ移行する。
ここで、低確率通常遊技状態と確変通常遊技状態とについて説明する。
確変通常遊技状態は、低確率通常遊技状態に比して高確率で特別図柄が当たりやすくなる遊技状態である。具体的には、低確率通常遊技状態中の当選確率が1/300であるのに対し、確変通常遊技状態では当選確率が1/30となるので、確変通常遊技状態は低確率通常遊技状態よりも10倍当り易い有利な状態といえる。また、確変通常遊技状態では、特別図柄を変動表示する平均時間(図柄生成行程に要する平均時間)が低確率通常遊技状態の半分に短縮されるとともに、普通図柄の変動時間も低確率通常遊技状態よりも短縮される。さらには、確変通常遊技状態では、普通図柄の当選確率が低確率通常遊技状態(1/10)よりも高確率(9/10)となるとともに、可変入賞装置21の開閉翼片を拡開作動する時間も低確率通常遊技状態の0.2秒に比して2秒に延長され、低確率通常遊技状態に比して始動口22に入賞し易くなる。このように確変通常遊技状態では、始動口22へ入賞し易くなり且つ当選確率が高くなることから、低確率通常遊技状態に比して、特別図柄A,B,Cが当り停止図柄態様で確定し易くなり、遊技者が利得を得やすくなっている。
次に、本発明の要部について説明する。
上記したセンターケース13に配設された液晶表示装置14は、液晶表示パネル41、バックライト42、駆動回路43、電源回路44等を備えてなるものである(図3参照)。ここで、液晶表示パネル41は、偏光フィルタ、透明電極、液晶、配向膜、カラーフィルタなどから構成されてなる一般的な構成のものである。そして、電源回路44によりバックライト42の発光制御を行うと共に、駆動回路43により透明電極に電圧を加えて液晶を配向膜に従って所定方向へ並べる制御を行うことにより、液晶表示パネル41に所定の画像を表示する。このような液晶表示装置14により画像表示する制御処理としては、従来から用いられている制御方法を適用することができ、その詳細については省略する。
演出制御基板82は、主制御基板80からの指令信号に従って、駆動回路43を駆動制御すると共に、ランプ制御基板86を介して電源回路44を駆動制御することにより、上記した液晶表示装置14を駆動制御する(図6参照)。すなわち、演出制御基板82は、主制御基板80から入力した指令信号に従って、予め設定されて記憶されている演出画像データを選択して、該演出画像データに従って駆動回路43を駆動制御することにより、液晶表示パネル41の透明電極に電圧印加する制御を行う。さらに、演出制御基板82は、ランプ制御基板86を介して電源回路44を駆動制御することにより、所定のパルス幅に従ってバックライト42へ電力を供給する制御を行う。このようにバックライト42への電力供給制御と液晶表示パネル41の駆動制御とを実行することにより、該液晶表示パネル41に所望の演出画像を表示する。
本実施例にあっては、演出制御基板82が、液晶表示装置14の電源回路44を駆動制御して、バックライト42の光量を増減調整する光量制御処理(図6参照)を行うようにしており、この制御処理用のプログラムとデータとを備えている。この光量制御処理としては、バックライト42へ供給する電力の電力供給量を制御することにより、該バックライト42の光量を調整する。すなわち、バックライト42への電力供給量の制御と、バックライト42の光量の制御とは、同じ意味を示している。そして、この電力供給量として、遊技中に遊技者が演出画像をはっきりと見ることができる充分な明るさとなるように、バックライト42へ供給する設定供給量を予め設定している。この設定供給量として、低確率設定供給量、確変設定供給量、当り設定供給量を夫々設定しており、本実施例にあっては、当り設定供給量を、低確率設定供給量に比して高い電力供給量とし、確変設定供給量を、当り設定供給量に比して高い電力供給量としている。さらに詳述すれば、当り設定供給量は、低確率設定供給量に比して15%高い電力供給量として設定しており、確変設定供給量は、低確率設定供給量に比して30%高い電力供給量として設定している。
ここで、一般的な遊技場内は比較的高い照度となっていることから、この場内でも遊技者が液晶表示装置14の画面をはっきりと見ることができるように、その画面を明るく(画面の明度を高く)する。そして、この画面の明るさとしては、場内環境での遊技者の見やすさを考慮すれば、設定可能な最高明度がおのずと定まってしまう。従来の一般的なパチンコ遊技機では、その液晶表示装置の画面の明るさを、前記最高明度近くとするように、バックライトへの電力供給量が設定されていた。これに対して、本実施例では、上記のように確変設定供給量、当り設定供給量、低確率設定供給量の順に電力供給量が設定されていることから、少なくとも低確率設定供給量は、前記の最高明度となる電力供給量に比して明らかに低い。そのため、低確率設定供給量に従ってバックライト42の光量を制御している状態では、従来の一般的なパチンコ遊技機に比してバックライトの消費電力を抑制できる。尚、本実施例にあっては、確変設定供給量にあっても、前記最高明度の電力供給量よりも若干低く設定している。
演出制御基板82は、上記した低確率通常遊技状態の場合、低確率設定供給量を選択してバックライト42の電力供給量に割り当てて制御する。同様に、液晶表示装置14で上記した確変当り停止図柄態様を確定表示した場合(確変通常遊技状態への移行条件が成立した場合)に確変設定供給量を選択し、上記した低確率当り停止図柄態様を確定表示した場合に当り設定供給量を選択するように制御する。また、図柄生成行程で低確率当り停止図柄態様を確定表示した場合には、特別遊技状態の終了まで継続して、当り設定供給量に従ってバックライト42に電力供給する。そして、当該特別遊技状態から低確率通常遊技状態へ移行すると、低確率設定供給量に従ってバックライト42に電量供給する。また、図柄生成行程で確変当り停止図柄態様を確定表示した場合には、特別遊技状態と確変通常遊技状態とで継続して、確変設定供給量に従ってバックライト42に電力供給する。
さらに、バックライト42の光量を増減調整する制御処理として、確変通常遊技状態で予め設定した確変継続時間が経過すると、バックライト42の電力供給量を5%低下し、その後も、予め設定した低下処理時間を経過する毎に電力供給量を5%づつ低下するように調整する制御処理(図6参照)を行うようにしている。これにより、バックライト42への電力供給量は、上記した確変設定供給量から段階的に5%づつ低下していき、これに伴ってバックライト42の光量が段階的に低下する。本実施例にあっては、この段階的に電力供給量を低下する処理を、最大5回実行するようにしており、5回実行した後の電力供給量を上記した低確率設定供給量とほぼ同等とする。
このようにバックライト42への電力供給量を段階的に低下する制御処理により、確変通常遊技状態でも、バックライト42の消費電力を低確率通常遊技状態のレベルまで低下させることにより、該確変通常遊技状態が比較的長く継続した場合にバックライト42の消費電力を抑制することができる。さらに、一回の低下率が5%と比較的小さいことから、一回の電力供給量低下に伴って液晶表示装置14の画面明るさが低下しても、この明るさ低下が遊技者にわかり難い。尚、電力供給量の低下処理を行う間隔である低下処理時間としては、本実施例にあって、定期的に低下処理を実行するように、所定の一定時間として予め設定している。そして、具体例として、低下処理時間を2分間として設定し、前記の確変継続時間を5分間として設定している。
また、演出制御基板82は、駆動回路43を駆動制御することにより、液晶表示パネル41のコントラストを調整する制御処理用のプログラムとデータとを備えている。ここで、駆動回路43の駆動制御としては、液晶表示パネル41の透明電極(図示せず)への電圧印加を制御することにより、コントラストを調整するようにしている。そして、コントラストの制御処理(図6参照)として、透明電極への電圧印加を制御する基準として設定コントラスト基準値を予め設定しており、この設定コントラスト基準値に従って駆動回路43を駆動制御することによって、液晶表示パネル41のコントラストを、所定の基準レベルに維持している。さらに、本実施例にあっては、コントラストを段階的に高くするように調整する制御処理(図4参照)を実行するようにしている。この制御処理は、上記した確変通常遊技状態でバックライト42への電力供給量を段階的に低下する制御処理と同期して実行する。すなわち、確変通常遊技状態で確変継続時間が経過すると、バックライト42への電力供給量の低下処理と同期してコントラストを高くする処理を行い、その後、上記した低下処理時間が経過する毎に、同様にコントラストを高くする処理を行う。このコントラストを段階的に高くする処理は、バックライト42への電力供給量を段階的に低下する処理と同様に5回実行される。また、コントラストを向上するように調整する処理では、液晶表示装置14の画面の明るさが、バックライト42への電力供給量を5%低下したことによって低下する(暗くなる)ことを、遊技者にできるだけわかり難くできるように、当該コントラストの調整制御を設定している。これにより、上記した確変継続時間の経過とその後の低下処理時間が経過する毎に、バックライト42への電力供給量を低減しても、液晶表示装置14の画面の明るさ変化が、見かけ上、遊技者に一層分かり難くなっている。
また、本実施例にあっては、当該パチンコ遊技機1の液晶表示装置14の駆動回路43と電源回路44とを遠隔操作するための光量調整ボリューム50(図3参照)が設けられている。この光量調整ボリューム50は、当該パチンコ遊技機1の本体から離れた場所に設置されており、遊技場により管理されて、遊技者が容易に操作できないようになっている。そして、光量調整ボリューム50は、その操作により生じた調整信号を伝達するための配線によって盤面中継端子板90に接続しており、この調整信号が、盤面中継端子板90を介して主制御基板80へ入力するようにしている。ここで、本実施例の光量調整ボリューム50は、回転操作可能なダイヤル式のものであり、予め設定した基準位置から左右へ最大90度回転操作することができ、この基準位置を0度として、該基準位置に対する回転角度を前記調整信号として出力するようにしている。そして、基準位置よりも左側へ回転操作した場合には、マイナスの回転角度を調整信号として出力し、基準位置よりも右側へ回転操作した場合には、プラスの回転角度を調整信号として出力する。
主制御基板80は、光量調整ボリューム50から上記の調整信号を入力すると、該調整信号に応じて、液晶表示装置14のバックライト42の光量とコントラストとを調整制御するための指令信号を演出制御基板82へ出力する。ここで、バックライト42の光量とコントラストとの調整制御(図7参照)としては、その時点におけるバックライト42への電力供給量とコントラストとを、光量調整ボリューム50の回転角度(上記の基準位置に対する回転角度)に従って補正する処理を行う。この補正処理としては、光量調整ボリューム50の左右それぞれへの最大回転角度(90度)で、バックライト42への電力供給量を30%増減し且つこの増減に応じてコントラストを変化するように、回転角度に応じて補正する処理を行う。そして、この補正処理により、この回転角度に応じて、上記した低確率設定供給量、当り設定供給量、確変設定供給量、およびコントラスト基準値も補正する。ここで、電力供給量の補正とコントラストの補正とは、互いにプラス・マイナス方向が逆となるように行う。例えば、光量調整ボリューム50が左側へ30度回動された場合には、電源回路44により電力供給量を10%(最大回転角度の1/3に相当)低下するように調整すると共に、この電力供給量の低減に応じて、駆動回路43を駆動制御してコントラストを高くする処理を行う(図6,7参照)。そして、低確率設定供給量、当り設定供給量、確変設定供給量をそれぞれ10%低下した値に補正すると共に、これに伴って設定コントラスト基準値を高くするように補正する。尚、右側へ回動された場合には、プラス・マイナスが逆になるように補正する。
さらに、光量調整ボリューム50を回転操作して所定回転角度で維持された状態では、上記したように、その回転角度に従ってバックライト42への電力供給量とコントラストとを補正すると共に、低確率設定供給量、当り設定供給量、確変設定供給量、設定コントラスト基準値の補正後の値が維持される(図7参照)。尚、バックライト42への電力供給量を段階的に低下する制御処理は、電力供給量を5%づつ低下する処理であるこことから、回転角度に従って補正された後には、補正された後の電力供給量を5%づつ低下する処理が行われる。コントラストを段階的に高くする制御処理にあっても、同様である。
尚、光量調整ボリューム50をその基準位置よりも右側へ回動した場合には、その補正後の確変設定供給量により上記した最大明度を超えてしまう。そのため、通常では基準位置よりも右側へ回動されないようにしている。
このような本実施例にあって、主制御基板80と演出制御基板82とにより、本発明にかかる表示制御手段が構成されている。また、主制御基板80により、本発明にかかる遊技制御手段が構成されており、確変通常遊技状態が本発明の付加利得通常遊技状態に該当する。また、主制御基板80と演出制御基板82と(表示制御手段)により、液晶表示装置14のバックライト42への電力供給量を、低確率通常遊技状態で低確率設定供給量を選択して割り当てる制御処理と、図柄生成行程で低確率当り停止図柄態様を確定表示した場合に当り設定供給量を選択して割り当てる制御処理と、確変当り停止図柄態様を確定表示した場合に確変設定供給量を選択して割り当てる制御処理と、確変通常遊技状態で段階的に低下する制御処理とが、本発明にかかる光量制御処理内容である。この光量制御処理内容として、確変通常遊技状態で段階的にコントラストを高くする制御処理も備えている。また、光量調整ボリューム50の操作に従って、バックライト42への電力供給量とコントラストとを補正する処理が、本発明にかかる遠隔調整処理内容(図6,7参照)である。また、上記した低確率設定供給量は、これに従って電源回路44を駆動制御して、バックライト42の光量を制御するために予め設定されたものであり、本発明にかかる第一の通常設定光量値に相当するものとなっている。同様に、上記した当り設定供給量は、バックライト42の光量を調整するための高設定光量値に相当し、確変設定供給量は、第二の通常設定光量値に相当する。そして、これら低確率設定供給量、当り設定供給量、確変設定供給量として予め設定した設定供給量が、本発明にかかる設定光量値に相当する。
次に、液晶表示装置14のバックライト42の光量とコントラストとを変化する制御処理の流れについて説明する。尚、この制御処理は、主制御基板80により所定間隔(2ms)で連続して実行されるメイン処理(図示せず)により順次実行されるように設定されており、主として、図5の光量制御処理と図6の遠隔調整処理とにより実行される。
ここで、メイン処理では、入賞検出処理、異常検出処理、特別始動口処理(図4参照)、普通始動口処理、特別図柄処理(図5参照)、普通図柄処理、光量制御処理(図6参照)、大入賞口処理、普通電動役物処理、遠隔調整処理(図7参照)、コマンド出力処理等の各サブルーチンを順番に実行する。このメイン処理の制御処理内容は、従来のパチンコ機で採用されているものであり、その制御処理についてはその説明を省略する。同様に、本発明の要部にかかる特別始動口処理、特別図柄処理、光量制御処理、遠隔調整処理を除く他の処理については、その説明を省略する。
遊技者の発射ハンドル9の操作によって発射された遊技球が、可変入賞装置21の始動口22に入賞すると、上記したように入賞検出処理により、特別図柄始動記憶を発生して記憶する。そして、図4の特別始動口処理により、特別図柄始動記憶を消化して、大当り乱数値の判定と、大当り図柄乱数値の判定とを行う。ここで、大当り乱数値を当り判定した場合には、大当り図柄乱数値を判定し、通常当りの場合(大当り図柄乱数値が「0,2,4,6,8」と判定)、通常当りフラグ=1とする。一方、確変当りの場合(大当り図柄乱数値が「1,3,5,7,9」と判定)、確変当りフラグ=1とする。
尚ここで、現状は低確率通常遊技状態であり、図6の光量制御処理により、低確率設定供給量に従って液晶表示装置14のバックライト42へ電力供給するように、電源回路44を駆動制御している。同様に、設定コントラスト基準値に従って、液晶表示装置14の駆動回路43を駆動制御している。さらに、上記した光量調整ボリューム50が基準位置に維持されているとする。
図5の特別図柄処理により、図柄生成行程を実行し、所定の変動時間が経過すると、当り図柄変動パターンの当り停止図柄態様に従って特別図柄A,B,Cを確定表示して、特別遊技フラグ=1とする。この特別遊技フラグ=1となることにより、特別遊技作動が行われる特別遊技状態への移行条件が成立する。本実施例にあっては、図柄生成行程で低確率当り停止図柄態様を確定表示して、特別遊技フラグ=1且つ上記の通常当りフラグ=1となると、終了後に低確率通常遊技状態へ移行する特別遊技状態への移行条件が成立したこととなる。一方、図柄生成行程で確変当り停止図柄態様を確定表示して、特別遊技フラグ=1且つ上記の確変当りフラグ=1となると、特別遊技状態への移行とその後の確変通常遊技状態への移行条件が成立したこととなる。
上記した光量制御処理では、図6のように、特別遊技フラグと通常当りフラグとを確認する。ここで、上記特別始動口処理により通常当りフラグ=1とし且つ特別図柄処理により特別遊技フラグ=1としていたとすると、上記した当り設定供給量をセットする。そして、液晶表示装置14の電源回路44を制御して、前記した当り設定供給量に従ってバックライト42へ電力供給する。これにより、液晶表示装置14では、上記した低確率当り停止図柄態様の確定表示に伴って、バックライト42の光量が増加して、液晶表示パネル41の明度が高くなる。そのため、当りを得たことによって生ずる遊技者の昂揚感と達成感を効果的に刺激することができる。
さらに、図示しない大入賞口処理により特別遊技作動が開始されて、特別遊技状態へ移行する。本実施例にあっては、特別遊技作動中も、液晶表示装置14のバックライト42へ当り設定供給量に従って電力供給する制御を継続する。そして、大入賞口26の所定の開閉ラウンドが終了すると、特別遊技フラグ=0とし、特別遊技作動を終了し、特別遊技状態から低確率通常遊技状態へ移行する。光量制御処理では、特別遊技フラグ=0(かつ確変当りフラグ=0)を確認すると、液晶表示装置14の電源回路44を制御して、前記した低確率設定供給量に従ってバックライト42へ電力供給することにより、バックライト42の光量を低下する。これは、特別遊技状態から低確率通常遊技状態への移行に伴って、液晶表示装置14の画面の明るさを低下して、特別遊技状態前(低確率通常遊技状態)の明るさに戻す。尚、本実施例にあっては、特別遊技状態でも、液晶表示装置14の液晶表示パネル41のコントラストを、上記した設定コントラスト基準値に従って調整制御している。
一方、図6の光量制御処理では、上記した特別始動口処理により確変当りフラグ=1とし且つ特別図柄処理により特別遊技フラグ=1としていたとすると、上記した確変設定供給量をセットする。そして、液晶表示装置14の電源回路44を制御して、この確変設定供給量に従ってバックライト42へ電力供給することにより、液晶表示装置14では、上記した当り停止図柄態様の確定表示に伴って、バックライト42の光量が増加して、液晶表示パネル41の明度が高くなる。これにより、液晶表示装置14では、上記した確変当り停止図柄態様の確定表示に伴って、バックライト42の光量が増加して、液晶表示パネル41の明度が高くなる。そのため、当りを得たことによって生ずる遊技者の昂揚感と達成感を効果的に刺激することができる。ここで、確変設定供給量は、上記した当り設定供給量よりも高く、低確率設定供給量との差が大きいことから、液晶表示装置14の画面が急激に明るくなり、遊技者の感情を一層強く刺激でき得る。
そして、大入賞口処理により特別遊技作動が実行されて特別遊技状態へ移行し、所定の開閉ラウンドが終了すると、特別遊技フラグ=0とする。これにより、特別遊技作動を終了し、特別遊技状態から確変通常遊技状態へ移行する。光量制御処理では、特別遊技フラグ=0かつ確変当りフラグ=1を確認すると、確変継続時間の時間消化を開始すると共に、確変設定供給量に従ってバックライト42へ電力供給する制御を継続する。そのため、特別遊技状態から確変通常遊技状態へ移行しても、液晶表示装置14の画面の明るさは維持される。この確変通常遊技状態は、上述したように、低確率通常遊技状態に比して当りを得る確率が高くなっていることから、遊技者の当りへの期待感を維持できる。そのため、バックライト42の光量も特別遊技状態から維持することにより、遊技者の期待感を損なわないようにしている。
光量制御処理では、確変通常遊技状態の開始から確変継続時間が経過すると、バックライト42への電力供給量を5%低下する処理を実行する。すなわち、確変設定供給量から5%低下した電力供給量に従って、バックライト42への電力供給を行う。この処理と同期して、電力供給量の低減に応じてコントラストを向上する処理を行う。さらに、低下処理時間の時間消化を開始する。その後、低下処理時間が経過すると、再度、バックライト42への電力供給量を5%低下する処理とコントラストを向上する処理とを行う。そして、再び低下処理時間の時間消化を開始する。このように、電力供給量を低下する処理とコントラストを向上する処理とを、低下処理時間が経過する毎に繰り返し行い、断続的に最大5回まで実行する。このように、バックライト42への電力供給量を段階的に低減することによって、バックライト42への消費電力量を徐々に低減することができる。そして、バックライト42の光量低下に伴って、コントラストを向上していることから、液晶表示装置14の明るさ低下が遊技者にわかり難くなっている。このように段階的にバックライト42への電力供給量を低減する処理によって、バックライト42の光量が実質的に低減することから、遊技者の目の疲労感を緩和する効果も奏し得る。さらに、この低下処理によりバックライト42への電力供給量が当り設定供給量以下となれば(本実施例にあっては3回以上低下した場合)、当該確変通常遊技状態で例え通常当りを発生した場合にも、該通常当りに伴ってバックライト42の光量が高くなるため、当該当り発生による遊技者の昂揚感を高めることができ得る。
尚、本実施例にあっては、上記したバックライト42への電力供給量を低下する処理を5回繰り返すと、この低下処理を終了して、その後に確変通常遊技状態が継続する間、当該低下処理後の電力供給量とコントラストとを維持するようにしている。ここで、低下処理の終了後の電力供給量は、低確率設定供給量とほぼ同じとなっている。また、確変通常遊技状態で、特別始動口処理により、当り判定した場合には、通常当り又は確変当りに応じて、バックライト42への電力供給量を当り設定供給量または確変設定供給量に従って制御し、設定コントラスト基準値に従ってコントラストを制御する。そのため、バックライト42への電力供給量を段階的に低下している処理中に、次の当りが発生すると、低下処理の回数が5回未満で終了して当該回数をリセットする。
さらにまた、遊技場の係員が、場内環境や省エネルギー化を考慮して、液晶表示装置14のバックライト42の光量を低下する場合には、光量調整ボリューム50を、基準位置から左側へ回転操作する。この光量調整ボリューム50が回動操作されると、図7の遠隔調整処理に従って、バックライト42への電力供給量とコントラストとを調整する制御処理を行う。ここで、光量調整ボリューム50が、基準位置から左側へ45度回転されたとすると、該回転角度に応じて、電力供給量を15%低下するように補正すると共に、この電力供給量の低下に応じてコントラストを向上するように補正し、これら補正に従って電源回路44と駆動回路43とを駆動制御する(図6参照)。この光量調整ボリューム50を操作した場合にあっても、液晶表示装置14の画面明るさが見かけ上わかり難いことから、遊技者に明るさ変化を気付かせることなく、バックライト42の電力供給量を低下できる。尚、次に光量調整ボリューム50を回転操作するまでは、バックライト42の電力供給量を前の回転角度(この場合には左側へ45度)に応じた補正した状態を維持することから、上記した段階的な低下処理は、前記補正した状態に基づいて調整制御される。同様に、低確率設定供給量、当り設定供給量、および確変設定供給量についても、前記回転角度に応じて補正調整される。尚、コントラストのついても同様な調整制御処理を行う。
このように、本実施例のパチンコ遊技機1は、液晶表示装置14で表示実行する図柄生成行程により当り停止図柄態様が確定表示されると、バックライト42への電力供給量を高くするように制御している。ここで、低確率通常遊技状態へ移行する通常当りの場合には、特別遊技作動に伴ってバックライト42の光量が高くなるため、当該当りを獲得した昂揚感を効果的に向上できる。また、確変通常遊技状態へ移行する確変当りの場合には、前記した通常当りの場合に比してバックライト42の光量が高くなるため、前記昂揚感を一層効果的に向上できる。さらに、確変通常遊技状態へ移行しても、液晶表示装置14の画面明るさが維持されるため、特別遊技状態から昂揚感を維持でき得る。そして、確変通常遊技状態が所定時間(確変継続時間)継続すると、バックライト42への電力供給量を段階的に低下することにより、バックライト42の消費電力を抑制すると共に、遊技者の目の疲労感を緩和することができる。そして、この電力供給量の段階的な低下処理に同期して、コントラストを向上する処理を実行していることから、液晶表示装置14の画面の見かけ以上の明るさ変化を、遊技者に分かり難くしている。これにより、液晶表示装置14で表示する演出画像を違和感なく見続けることができるため、遊技の興趣性を保ちつつ、消費電力の低減と遊技者の疲労感緩和との作用効果を奏し得る。
尚、液晶表示装置14にあって、そのバックライト42に要する消費電力は、当該液晶表示装置14の駆動電力の多くをしめることから、これを低減することによる効果は高い。特に、遊技を行っていない状態だけでなく、遊技が継続して実行している状態でも消費電力を低減するため、これによる省エネルギー化効果への寄与も極めて高くなる。
また、光量調整ボリューム50を回転操作することにより、遊技場側がバックライト42の光量を適宜調整できるようにしていることから、遊技場側の独自の判断によって、バックライト42の消費電力を抑制して省エネルギー化することも可能である。尚、この光量調整ボリューム50によってバックライト42の光量を低下した場合にも、これに伴いコントラストを向上するように制御していることから、明るさ階級の変化の場合と同様に、液晶表示パネル41での明るさ変化を見かけ上分かり難くなるため、同様の作用効果を奏し得る。
一方、上述した実施例の別例として、図柄生成行程で当り停止図柄態様を確定表示すると、バックライト42へ供給する当り設定供給量を選択して割り当て、低確率通常遊技状態では低確率設定供給量を選択して割り当て、確変通常遊技状態では確変設定供給量を選択して割り当てるように制御する構成とすることもできる。かかる構成の場合には、図柄生成行程で当り停止図柄態様(低確率当り停止図柄態様と確変当り停止図柄態様のいずれの場合も)を確定表示すると、その特別遊技状態の終了まで当り設定供給量に従って電力供給し、当該特別遊技状態を終了して低確率通常遊技状態へ移行する場合には低確率設定供給量に従って電力供給する。また、当該特別遊技状態を終了して確変通常遊技状態へ移行する場合には確変設定供給量に従って電力供給する。ここで、当り設定供給量と確変設定供給量は、それぞれ低確率設定供給量に比して高く設定する。そして、確変設定供給量は、当り設定供給量に比して高く設定しても低く設定しても同じとして設定しても良い。例えば、確変設定供給量を、当り設定供給量に比して低く設定すれば、特別遊技状態から確変通常遊技状態へ移行する際に、バックライトの光量が低下するものの、低確率通常遊技状態に比して高い光量であるため、遊技者の興趣性を保つことも可能である。この場合には、当り設定供給量が、本発明の高設定光量値に相当し、低確率設定供給量と確変設定供給量とが、本発明の通常設定供給量に相当する。また、確変設定供給量と当り設定供給量とを同じと設定すれば、特別遊技状態から確変通常遊技状態へ継続して、バックライト42の光量を維持できる。
また、上述した実施例にあっては、バックライトへの電力供給量として、当り設定供給量と確変設定供給量を設定し、所定条件の成立を契機として夫々の供給量に従って制御処理するようにした構成であるが、その他の構成として、バックライトへの電力供給量を所定の変化量や変化率により設定することもできる。例えば、特別遊技状態への移行条件が成立すると、大当り変化率に従って電力供給量を高くし、さらに確変当りの場合には確変変化率を加えて電力供給量を高くするように制御しても良い。このように変化量や変化率の場合には、これらを加算して制御することも可能である。
上述した実施例にあっては、確変通常遊技状態が継続している場合にバックライト42への電力供給量を段階的に低下する処理として、最大5回繰り返し実行するようにした構成であるが、この低下処理は様々に設定することができる。例えば、繰り返し行う最大回数を、5回より少なく設定したり、又は5回よりも多く設定することもできる。また、一回の低下率を5%の他の固定値に設定しても良いし、段階的に2〜10%毎低下するように低下率を変動させても良い。さらに、この低下処理における電力供給量の最低値を、低確率設定供給量に比して高くしたり低くしたりして設定することも可能である。また、段階的な低下処理を行う時間間隔(低下処理時間)も、同様に適宜設定することができ、この時間間隔を順に増減するように設定しても良い。
上述した実施例にあっては、確変通常遊技状態を本発明にかかる付加利得通常遊技状態として設定した構成であるが、その他に、図柄生成行程の変動時間を短縮する時短通常遊技状態を付加利得通常遊技状態として設定することもできる。この時短通常遊技状態は、図柄生成行程の回転が速くなることから、当り停止図柄態様の発生までの時間が短くなり得るため、当り発生する確率が実質的に増しているとも換言できる。このように付加利得通常遊技状態には、低確率通常遊技状態に比して図柄生成行程で当り停止図柄態様を得やすくなる遊技状態を適宜設定でき、さらに複数設定することも可能である。
また、上述した実施例にあって、図柄生成行程でリーチ演出画像を表示する場合に、該リーチ演出画像に合わせて、液晶表示パネル41のコントラストを高める制御処理を行うようにしても良い。また、同様に、予告演出画像を表示する場合に、当該予告演出画像の表示に伴って、コントラストを高くする処理を実行しても良い。これは、換言すれば、「表示制御手段により、液晶表示装置で、特別遊技状態または付加利得通常遊技状態への変換を予告する予告演出画像を表示するようにしたものであって、表示制御手段の光量制御処理内容は、予告演出画像の表示に伴って、液晶表示装置の液晶表示パネルのコントラストを高くする制御処理を実行するようにしたものであることを特徴とする」構成である。具体的に、前記のように図柄生成行程でリーチ演出する場合に、このリーチ演出に合わせて、液晶表示装置の駆動回路を制御してコントラストを高くする処理を行う。これにより、当りを求める遊技者の感情を一層昂揚することができるため、効果的に遊技の趣向性を高め得る。
また、上述した実施例にあっては、確変通常遊技状態で、電力供給量の段階的な低下処理に伴ってコントラストを段階的に高めるようにしている構成であることから、この電力供給量の段階的な処理が終了した後に、所定時間の経過毎に、コントラストを段階的に低下する処理を実行するようにしても良い。そして、コントラストを設定コントラスト基準値に従った状態にまで戻す。これにより、遊技者の目の疲労感を一層抑制することもでき得る。
また、上述した実施例は、パチンコ遊技機1毎に光量調整ボリューム50を備えた構成であるが、複数のパチンコ遊技機を同時に制御する光量調整ボリュームを備えた構成とすることもできる。
本発明にあっては、上述した実施例に限定されるものではなく、その他の構成についても、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更可能である。