以下、本発明の一実施形態となるパチンコ機について、図面にもとづき詳細に説明する。
(パチンコ機の全体的な説明)
図1は、パチンコ機1を前面側から示した説明図である。また、図2は、遊技盤2を前面側から示した説明図である。さらに、図3は、パチンコ機1を後面側から示した説明図である。
パチンコ機1は、遊技盤2の前面に形成された遊技領域16内へ遊技球を打ち込み、遊技領域16内を流下させて遊技するものであって、遊技盤2は、支持体として機能する機枠3の前面上部に、金属製のフレーム部材であるミドル枠5を介して設置されている。また、遊技盤2の前方には、ガラス板を嵌め込み設置してなる前扉4が、左端縁を軸として片開き可能に機枠3に蝶着されており、該前扉4によって閉塞される遊技盤2の前方空間が遊技領域16とされている。
当該遊技領域16は、遊技盤2の前面に円弧状に配設された外レール23及び内レール24等によって囲まれており、遊技領域16に左部における両レール23、24間が遊技球を遊技領域16内へ打ち込むための発射通路13とされている。また、遊技領域16の略中央には、「0」〜「9」の数字からなる装飾図柄を表示したり、後述するような第1キャラクター71〜第3キャラクター73(図16等に示す)を用いた表示演出等を実行するための演出用表示部6が設けられている。さらに、演出用表示部6を囲むように種々の電動役物を備えたセンター部材26が設置されており、該センター部材26の左方には、遊技球が通過可能なゲート部材20が設けられている。加えて、遊技領域16におけるセンター部材26の下方には、遊技球が入賞可能な始動入賞口19と、一対の翼片を開閉動作可能に備えたチューリップ式電動役物17と、開閉可能な扉部材を有する大入賞装置18とが設置されている。一方、遊技領域16外となる遊技盤2の右下部には、特別図柄を表示するための7セグメント表示器からなる特別図柄表示部61が設けられている。なお、遊技領域16の略全面には、多数の遊技釘が植設されている。さらに、特別図柄表示部61は、前扉4を閉塞したとしても、前扉4の前方にいる遊技者から視認可能な位置に設けられている。
また、機枠3の前面側であって上記遊技盤2の下方には、遊技球を発射装置10へ供給するための供給皿7、及び供給皿7から溢れた遊技球を貯留するための貯留皿8が取り付けられており、供給皿7は前扉4の開放に伴い、貯留皿8はミドル枠5の開放に伴い夫々機枠3に対して片開き可能となっている。さらに、貯留皿8の右側には、発射装置10を作動させるためのハンドル9が回動操作可能に設置されている。加えて、供給皿7の前方には、遊技者が任意に押し込み操作可能な押しボタン25が設けられている。
さらに、前扉4の上部には、効果音や各種メッセージ等を報音する一対のスピーカ14、14が設けられており、前扉4の側部には、パチンコ機1の遊技状態等に応じて点灯・点滅する複数のLEDを備えたランプ部材15、15が設けられている。
一方、機枠3の後面側には、供給皿7へ貸球や賞品球として払い出される遊技球を貯留するための貯留タンク11、当該貯留タンク11と連結された払出装置12、払出装置12における払い出し動作を制御する払出制御装置28、及び各制御基板や装置・部材に電源電圧を供給するための電源装置29等が設置されている。また、21は、合成樹脂製のカバー状に形成されたセンターカバーであって、当該センターカバー21の内部には、遊技に係る主たる制御(たとえば、所謂大当たり抽選等)を実行するためのメイン制御装置30(図4に示す)、演出用表示部6における表示動作等を制御する表示制御装置50(図4に示す)、ランプ部材15の点灯/点滅動作等を制御する発光制御装置51(図4に示す)、スピーカ14からの報音動作を制御する音制御装置52(図4に示す)、及び表示制御装置50や音制御装置52等の動作を統合的に制御するサブ制御装置40(図4に示す)等が設置されている。尚、22は、パチンコ機1をトランスに接続するためのプラグであり、27は、アースである。
次に、パチンコ機1の制御機構について、図4をもとに説明する。図4は、パチンコ機1の制御機構を示したブロック図である。
メイン制御装置30には、大当たり抽選の実行とともに下記部材の動作を制御するメインCPU32、ROMやRAM等といった記憶手段33、タイマ34、及びインターフェイス35等が搭載されたメイン制御基板31が内蔵されている。そして、該メイン制御基板31は、インターフェイス35を介して、始動入賞口19やチューリップ式電動役物17、大入賞装置18、ゲート部材20、及び特別図柄表示部61等と接続されている。また、メイン制御基板31は、サブ制御装置40内に内蔵されたサブ統合基板41とも電気的に接続されている。なお、図4では省略しているが、メイン制御基板31は、払出制御装置28や電源装置29等ともインターフェイス35を介して接続されている。
記憶手段33には、チューリップ式電動役物17を開動作させるか否かの開放抽選に使用するaカウンタ、大当たり抽選に使用するcカウンタ(大当たり判定用乱数)、特別図柄表示部61における特別図柄の確定表示態様を決定するdカウンタ(確定表示態様決定用乱数)、及び主に特別図柄や装飾図柄の変動時間である基本変動パターンを決定するeカウンタ(変動時間情報決定用乱数)等の複数のカウンタが内蔵されている。各カウンタは、電源投入時から所定の規則に従って所定の数値の間をごく短時間(たとえば1割込2.000ms)のうちに1ずつ加算しながらループカウントするループカウンタであって、当該カウンタを用いた数値の取得は、乱数からの数値の取得とみなすことができる。また、aカウンタは0〜10(11通り)の間を、cカウンタは0〜300(301通り)の間を、dカウンタは0〜4(5通り)の間を、及びeカウンタは0〜99(100通り)の間を夫々ループカウントするようになっている。そして、メインCPU32は、遊技球のゲート部材20の通過検出を契機としてaカウンタから1つの数値を取得するとともに、遊技球の始動入賞口19やチューリップ式電動役物17への入賞検出を契機として、cカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタから夫々1つの数値を取得する(大当たり抽選を実行する)。
また、記憶手段33には、特別図柄表示部61に表示する特別図柄、図5に示す如くdカウンタの数値と特別図柄の確定表示態様とを対応づけた確定表示態様決定テーブルと、図6に示す如くeカウンタの数値と基本変動パターンとを対応づけた基本変動パターン決定テーブルとが記憶されている。この基本変動パターンとは、主に特別図柄及び装飾図柄の変動時間(変動開始から確定表示までの時間)を規定するものである。さらに、記憶手段33には、たとえば特別図柄表示部61において特別図柄が変動表示中に始動入賞口19やチューリップ式電動役物17へ遊技球が入賞したような場合に、当該入賞に伴うcカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタからの取得数値を保留情報として、始動入賞口19とチューリップ式電動役物17とを区別した状態で夫々最大4つまで(合計8つまで)記憶する保留情報記憶領域36が設けられている。加えて、記憶手段33には、保留情報記憶領域36に記憶されている保留情報を1つずつ移行して記憶可能であり、大当たり抽選の結果が大当たりであるか否か等の大当たり判定を実行するための大当たり判定用記憶領域37が設けられている。尚、保留情報は、特別図柄及び装飾図柄が確定表示される度に所定の順番(パチンコ機1では、チューリップ式電動役物17への入賞にもとづく保留情報を、始動入賞口19への入賞にもとづく保留情報よりも優先して消化する)で順次大当たり判定用記憶領域37へ移行されて消化され、該消化に伴って新たな保留情報が記憶可能となる。
サブ制御装置40には、サブ統合CPU42、記憶手段43、タイマ44、及びインターフェイス45等が搭載されたサブ統合基板41が内蔵されている。該サブ統合基板41は、インターフェイス45を介してメイン制御基板31と電気的に接続されているとともに、表示制御装置50、発光制御装置51、及び音制御装置52と電気的に接続されている。そして、サブ統合CPU42は、後述するようにメイン制御基板31から大当たり抽選に係る信号(後述するような各種コマンド等)を受信すると、その内容に応じて各制御装置を制御し、スピーカ14やランプ部材15の動作や、演出用表示部6における装飾図柄の表示動作、第1キャラクター71〜第3キャラクター73を含んだ第1背景表示75A〜第3背景表示75Cの切り替えに係る動作等を制御するようになっている。
また、記憶手段43には、演出用表示部6に表示する装飾図柄を記憶する図柄記憶領域(図示せず)と、該装飾図柄の詳細な変動表示態様やキャラクターの動画を用いたキャラクター演出等からなる複数の詳細変動パターンを記憶した変動パターン記憶領域46とが設けられており、種々の詳細変動パターンが図7に示す如くメイン制御基板31で決定される基本変動パターンと対応づけて記憶されている。さらに、記憶手段43には、メイン制御基板31から送信されてくる後述するような予定情報を記憶するための予定情報記憶領域47が設けられている。
以下、上記パチンコ機1における基本的な遊技動作について簡略に説明する。
まずパチンコ機1では、遊技球が始動入賞口19やチューリップ式電動役物17へ入賞すると、当該入賞がメインCPU32により検出される(所定条件の充足)。すると、メインCPU32は、所定個数(たとえば3個)の遊技球を賞球として払い出すとともに、入賞検出のタイミングでcカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタから夫々1つの数値を取得し、さらに保留情報記憶領域36に記憶されている保留情報の数が最大値に達しているか否かを確認する。そして、保留情報の数が既に最大値に達していると、cカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタからの取得数値を記憶することなく削除する。一方、最大値に達していないと、cカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタからの取得数値を保留情報記憶領域36に記憶するとともに、遊技状態毎に設定されている大当たり判定用テーブルを参照して今回cカウンタから取得した数値が所定の「大当たり数値(たとえば通常状態の大当たり判定用テーブルでは、“100”の1通りとなっており、高確率状態の大当たり判定用テーブルでは、“0”、“50”、“100”、“150”、“200”、“250”、“300”の7通りとなっている)」であるか否か(すなわち、大当たり抽選の結果が「大当たり」であるか否か)、当該「大当たり」に係る判定結果を踏まえた上でのdカウンタからの取得数値にもとづく特別図柄の確定表示態様(「大当たり」である場合には「大当たり」の種別)、及び「大当たり」に係る判定結果を踏まえた上でのeカウンタからの取得数値に対応する基本変動パターンがどうなるかを、後述する大当たり判定よりも事前に事前判定として一旦判定する。さらに、メインCPU32は、当該事前判定の結果、始動入賞口19とチューリップ式電動役物17との何れへの入賞に伴う保留情報であるのか、及び何個目の保留情報にもとづくものであるのかを含んだ予定情報を作成し、サブ統合CPU42へ送信する。
また、メインCPU32は、特別図柄表示部61において図柄を変動表示しているか、それとも確定表示しているかを常に確認しており、図柄を確定表示していると保留情報の有無を確認する。そして、保留情報が存在すると、消化する優先度が最も高い保留情報(ここでは最も以前に記憶した保留情報)を大当たり判定用記憶領域37へ移行するとともに、当該保留情報について以下の大当たり判定を実行する。すなわち、保留情報を大当たり判定用記憶領域37へ移行した時点での遊技状態に対応した大当たり判定用テーブルを参照して、当該保留情報に係るcカウンタからの取得数値が上記所定の「大当たり数値」であるか否か、つまり大当たり抽選の結果が「大当たり」であるか、それとも「はずれ」であるかを判定する。また、大当たり抽選の結果が「大当たり」である(cカウンタからの取得数値が「大当たり数値」である)と、dカウンタからの取得数値を図5(b)に示す確定表示態様決定テーブルに対応させて特別図柄の確定表示態様を決定するとともに、図6(b)に示す基本変動パターン決定テーブルを用い、eカウンタからの取得数値に対応する基本変動パターンを読み出す(すなわち、図柄の変動時間を含む基本変動パターンを決定する)。一方、大当たり抽選の結果が「はずれ」である(cカウンタからの取得数値が「大当たり数値」以外の数値である)と、dカウンタからの取得数値を図5(a)に示す確定表示態様決定テーブルに対応させて特別図柄の確定表示態様を決定するとともに、図6(a)に示す基本変動パターン決定テーブルを用い、eカウンタからの取得数値に対応する基本変動パターンを読み出す(すなわち、図柄の変動時間を含む基本変動パターンを決定する)。
その後、メインCPU32は、大当たり抽選の結果(「大当たり」であるか「はずれ」であるか)、特別図柄の確定表示態様、及び読み出した基本変動パターンの種類を示す情報を含んだ開始コマンドを作成するとともに、当該開始コマンドをサブ統合CPU42へ送信する。また、特別図柄表示部61において特別図柄を所定の態様で変動させるとともに、タイマ34による計時を開始する。そして、読み出した基本変動パターンに応じた変動時間が経過すると、大当たり抽選の結果を踏まえた上でのdカウンタからの取得数値にもとづく確定表示態様で特別図柄を確定表示させるとともに、停止信号を含んだ停止コマンドをサブ統合CPU42へと送信する。なお、確定表示する特別図柄については、たとえば、大当たり抽選の結果が「大当たり」であり、且つ、dカウンタからの取得数値が“0”〜“2”である場合には、「確変大当たり」として特定大当たり特別図柄確定表示態様(特別な確定表示態様)である『7』で、「大当たり」であり、且つ、dカウンタからの取得数値が“3”か“4”である場合には、「非確変大当たり」として非特定大当たり特別図柄確定表示態様(特別な確定表示態様)である『2』で夫々確定表示させる。一方、大当たり抽選の結果が「はずれ」である場合には、はずれ確定表示態様である『−』で確定表示させる。
さらに、メインCPU32は、大当たり抽選の結果が「大当たり」であると、上記特別図柄の特別な確定表示態様での確定表示後、特別遊技状態である大当たり状態の開始を報知する開始デモ、大入賞装置18の所定回数にわたる断続的な開成、及び大当たり状態の終了を報知する終了デモからなる大当たり状態を生起させ、開成した大入賞装置18に遊技球が入賞すると、始動入賞口19やチューリップ式電動役物17へ入賞した場合と比較して多くの遊技球(たとえば10個)を賞球として払い出す。
また、メインCPU32は、「確変大当たり」に起因して生起させた大当たり状態が終了した場合には、大当たり状態が終了してから次回大当たり判定において大当たり抽選の結果が「大当たり」(種別には依らない)となるまで、大当たり抽選の結果が「大当たり」となる確率が上述の如く向上した高確率状態を生起させるとともに、チューリップ式電動役物17が開状態となりやすく、且つ、チューリップ式電動役物17が長時間にわたり開状態となるサポート状態を生起させる。
一方、「非確変大当たり」に起因して生起させた大当たり状態が終了した場合には、大当たり状態が終了してから、特別図柄が特定回数(たとえば100回)だけ確定表示されるまでに限り、チューリップ式電動役物17が開状態となりやすく、且つ、チューリップ式電動役物17が長時間にわたり開状態となるサポート状態を生起させる。
なお、チューリップ式電動役物17の開閉動作もメインCPU32で制御しており、遊技球がゲート部材20を通過すると、当該通過がメインCPU32により検出される。すると、メインCPU32は、通過検出のタイミングでaカウンタから1つの数値を取得する(開放抽選を行う)とともに、aカウンタからの取得数値が所定の「開放数値(たとえばサポート状態が生起していると“0”〜“9”の10通り、サポート状態が生起していないと“0”の1通りのみとなっている)」であるか否かを判定する。そして、aカウンタからの取得数値が「開放数値」である、すなわち開放抽選の結果が「当選」であると、始動入賞役物17を閉状態から開状態へ所定の態様で作動させる。このとき、サポート状態が生起していると、たとえばサポート状態が生起していない場合と比べて長い時間(2秒間)に亘り開状態とすることを断続的に3回繰り返す態様等の特別開放動作態様でチューリップ式電動役物17を作動させる。また、サポート状態が生起していないと、たとえばサポート状態が生起している場合と比べて短い時間(0.2秒)に亘り、しかも1回しか開状態としない等の通常開放動作態様でチューリップ式電動役物17を作動させる。一方、aカウンタからの取得数値が「開放数値」でない、すなわち開放抽選の結果が「はずれ」であると、チューリップ式電動役物17を閉状態のまま作動させない。また、チューリップ式電動役物17の作動中等に遊技球がゲート部材20を通過した場合は、上記保留情報と同様、当該通過のタイミングで取得したaカウンタの数値を所定個数まで記憶手段33に記憶するとともに、チューリップ式電動役物17の作動が終了する度に記憶した順で開放抽選の結果の確認等を実行するようになっている。
一方、サブ統合CPU42は、予定情報を受信すると予定情報記憶領域47へ記憶する。また、開始コマンドを受信すると、該開始コマンドに対応する予定情報を予定情報記憶領域47から読み出し、当該予定情報に係る後述するような制御を実行する。さらに、その開始コマンドに含まれている大当たり抽選の結果に係る情報及び特別図柄の確定表示態様に応じて最終的に確定表示する装飾図柄の表示態様を決定するとともに、基本変動パターンに係る情報に対応する詳細変動パターンを変動パターン記憶領域46から読み出し、タイマ44により計時しながら、読み出した詳細変動パターンにしたがって演出用表示部6における装飾図柄を変動表示させる。そして、停止コマンドの受信に伴い、上記決定した表示態様で装飾図柄を演出用表示部6に確定表示させる。つまり、大当たり抽選の結果が「確変大当たり」であると、同一の特別な装飾図柄を3つ並べる特定大当たり装飾図柄表示態様(たとえば“7・7・7”や“3・3・3”)で確定表示させ、大当たり抽選の結果が「非確変大当たり」であると、特別な装飾図柄以外の同一な装飾図柄を3つ並べる非特定大当たり装飾図柄表示態様(たとえば“2・2・2”や“4・4・4”)で確定表示させる。また、大当たり抽選の結果が「はずれ」であると、3つのうち少なくとも1つの装飾図柄が他の2つの装飾図柄とは異なるはずれ装飾図柄表示態様(たとえば“1・2・3”)で確定表示させる。なお、読み出した予定情報については、予定情報記憶領域47から消去する。
また、サブ統合CPU42は、大当たり状態を生起させるにあたり、たとえば開始デモ中には、演出用表示部6を利用して大当たり状態の開始を報知し、大入賞装置18の開成が開始されると、「大当たり」の種別等に対応した演出用表示部6での表示演出を記憶手段43から読み出し、演出用表示部6での表示動作を制御する。また、終了デモになると、演出用表示部6を利用して大当たり状態が終了する旨等を遊技者に報知する。加えて、サブ統合CPU42は、サポート状態の生起中、第1キャラクター71〜第3キャラクター73を用いた特有の表示演出を演出用表示部6において実行する。
ここで、遊技者によるパチンコ機1での遊技を一般的な流れに沿って説明すると、遊技者はサポート状態が生起していない通常状態から遊技を開始することになり、ハンドル9を回動操作して発射装置10を作動させ、発射通路13を介して遊技球を遊技領域16内へ打ち込み、まずは始動入賞口19への遊技球の入賞を狙う。そして、入賞した遊技球による大当たり抽選の結果が「大当たり」となり、大当たり状態が生起すると、断続的に開成する大入賞装置18への遊技球の入賞を狙う。また、大当たり状態の終了後、サポート状態が生起している間は、ゲート部材20への遊技球の通過、及びサポート状態にあって頻繁に開状態となるチューリップ式電動役物17への遊技球の入賞を狙う。そして、「非確変大当たり」に起因して生起した大当たり状態の終了後、大当たり抽選の結果が「大当たり」とならないまま特別図柄の確定表示回数が特定回数に達すると、サポート状態が終了するため、再び始動入賞口19への遊技球の入賞を狙う遊技へと戻る。
(第1キャラクター〜第3キャラクターを用いた表示演出についての説明)
ここで、本発明の要部となる第1キャラクター71〜第3キャラクター73を用いた表示演出について、図8〜図17をもとに説明する。
パチンコ機1は、サポート状態において、演出用表示部6で第1キャラクター71〜第3キャラクター73を用いた表示演出を行う。この表示演出に使用する第1キャラクター71、第2キャラクター72、第3キャラクター73は、第1キャラクター71のみが表示される第1背景表示75A、第1キャラクター71と第2キャラクター72とが表示される第2背景表示75B、及び第1キャラクター71と第2キャラクター72と第3キャラクター73とが表示される第3背景表示75Cとして、記憶手段43の特殊演出記憶領域48に夫々記憶されている。また、演出用表示部6に表示するキャラクターの数を増加させるか否か、及びキャラクターの数を減少させるか否か(言い換えるなら、演出用表示部6における背景表示を、どの背景表示からどの背景表示へ切り替えるか)は、大当たり抽選同様の乱数からの数値の取得を利用して決定しており、記憶手段43には、大当たり抽選に使用するcカウンタ等と同様、高速で0〜99(100通り)の間をループカウントするfカウンタ(増加演出決定用乱数)、及び高速で0〜9(10通り)の間をループカウントするgカウンタ(減少演出決定用乱数)が内蔵されている。また、記憶手段43の特殊演出記憶領域48には、図8に示すような表示するキャラクターの数を増加させるための複数種類のシナリオ(増加パターン)や、図9〜図13に示すようなシナリオ決定テーブル等も記憶されている。なお、第1背景表示75A〜第3背景表示75Cは、静止画像であってもよいし動画等の映像であってもよい。また、サブ統合CPU42は、演出用表示部6の背景表示を、第1背景表示75A〜第3背景表示75Cの何れとしているのか常に把握している。
そして、サブ統合CPU42は、後述の如き演出用表示部6における装飾図柄の変動開始時に実行される登場演出の間、及び演出用表示部6における装飾図柄の表示態様が所謂リーチ表示態様となってから、特定大当たり装飾図柄表示態様や非特定大当たり装飾図柄表示態様、はずれ装飾図柄表示態様が表示されるまでの間を除く期間においては、演出用表示部6の背景表示を、第1背景表示75A〜第3背景表示75Cの何れかとしている(つまり、少なくとも第1キャラクター71は表示している)。
そこでまず、演出用表示部6で表示するキャラクターの数を増加させる増加演出について、図14に示すフローチャートに沿って説明すると、サブ統合CPU42は、サポート状態においてメインCPU32から予定情報を受信すると、今回受信した予定情報がチューリップ式電動役物17への入賞にもとづくものであるか否かを確認する(S1)。その結果、受信した予定情報がチューリップ式電動役物17への入賞にもとづくものである(S1でYESと判断する)と、受信した時点で装飾図柄を変動表示しているか否かを確認する(S2)。その結果、装飾図柄が変動表示中である(S2でYESと判断する)と、現在の変動表示(受信した時点での変動表示)に係る予定情報を参照し、その予定情報がシナリオの設定に関与したターゲット情報であるか(すなわち、シナリオ抽選に当選した予定情報であるか)否か、及び現在の変動表示に係る大当たり抽選の結果が「大当たり」であるか否かを確認する(S3)。その結果、現在の変動表示に係る予定情報がターゲット情報でなく、且つ、現在の変動表示に係る大当たり抽選の結果が「大当たり」でない(S3でNOと判断する)、若しくは予定情報を受信した時点で装飾図柄を変動表示していない(S3でNOと判断する)と、予定情報記憶領域47を参照し(S4)、今回受信した予定情報よりも優先して消化する予定情報の中にターゲット情報があるか否か、及び大当たり抽選の結果が「大当たり」である予定情報があるか否かを確認する(S5)。その結果、優先して消化する予定情報の中にターゲット情報がなく、且つ、大当たり抽選の結果が「大当たり」である予定情報もない(S5でNOと判断する)と、fカウンタから1つの数値を取得する、すなわちシナリオ抽選を実行する(S6)。なお、S5での判断において、そもそも今回受信した予定情報よりも優先して消化する予定情報がない場合もNOと判断する。
そして、シナリオ抽選を実行すると、今回受信した予定情報よりも優先して消化する予定情報の数や今回受信した予定情報の内容にもとづいて、fカウンタからの取得数値を、図9〜図13に示す何れかのシナリオ決定テーブルに対応させて、当該取得数値がシナリオA〜シナリオEに対応するシナリオ設定数値(増加数値)であるか否かを確認する、すなわちシナリオ抽選に当選したか否かを判断する(S7)。その結果、fカウンタからの取得数値がシナリオA〜シナリオEに対応するシナリオ設定数値であると、シナリオ抽選に当選したと判断し(S7でYESと判断し)、取得数値に対応するシナリオを設定し(S8)、今回の予定情報の受信に応じた増加演出に係る制御を終了する。したがって、S1でYESと判断され、S3でNOと判断され(S2でYESと判断された場合に限る)、S5でNOと判断され、S7でYESと判断されたことをもって第1条件が満たされたことになる。また、このシナリオの設定に関しては、今回受信した予定情報をターゲット情報として設定するとともに、今回受信した予定情報よりも優先して消化する予定情報については、後述するように夫々対応する背景表示(キャラクターの表示)に係る情報等を追加したシナリオ情報として設定する。
一方、受信した予定情報が始動入賞口19への入賞にもとづくものである(S1でNOと判断する)と、上記シナリオ抽選を実行することなく、次の予定情報の受信を待つ。また、受信した時点での変動表示に係る予定情報がターゲット情報であったり、その変動表示に係る大当たり抽選の結果が「大当たり」であったり(S3でYESと判断)しても、上記シナリオ抽選を実行することなく、次の予定情報の受信を待つ。さらに、今回受信した予定情報よりも優先して消化する予定情報の中にターゲット情報が存在したり、大当たり抽選の結果が「大当たり」である予定情報が存在したり(S5でYESと判断)しても、上記シナリオ抽選を実行することなく、次の予定情報の受信を待つ。一方、シナリオ抽選を実行したものの当選しなかった(S7でNOと判断した)場合には、シナリオを設定することなく、次の予定情報の受信を待つ。
ここで、設定されるシナリオの内容について、図16にもとづき詳述する。なお、図16(a)〜(c)では、第1キャラクター71〜第3キャラクター73と重なるように表示される変動中の装飾図柄については省略している。
シナリオAは、ターゲット情報よりも3個前の予定情報を消化する際の背景表示を、第1キャラクター71のみを表示する第1背景表示75Aとし(図16(a))、ターゲット情報よりも2個前の予定情報を消化する際の背景表示も第1背景表示75Aとする(図16(a))。そして、ターゲット情報よりも1個前(すなわちターゲット情報の直前)の予定情報を消化する際の背景表示を、第1キャラクター71と第2キャラクター72とを表示する第2背景表示75Bとするといった内容となっている。
シナリオBは、ターゲット情報よりも3個前の予定情報を消化する際の背景表示を第1背景表示75Aとする(図16(a))。そして、ターゲット情報よりも2個前の予定情報を消化する際の背景表示を第2背景表示75Bとし(図16(b))、ターゲット情報よりも1個前の予定情報を消化する際の背景表示も第2背景表示75Bとする(図16(b))といった内容となっている。
シナリオCは、ターゲット情報よりも3個前の予定情報を消化する際の背景表示を第1背景表示75Bとする(図16(b))。そして、ターゲット情報よりも2個前の予定情報を消化する際の背景表示、及びターゲット情報よりも1個前の予定情報を消化する際の背景表示のどちらの背景表示も第2背景表示75Bとする(図16(b))といった内容となっている。
シナリオDは、ターゲット情報よりも3個前の予定情報を消化する際の背景表示を第1背景表示75Bとする(図16(b))。そして、ターゲット情報よりも2個前の予定情報を消化する際の背景表示も第2背景表示75Bとし(図16(b))、ターゲット情報よりも1個前の予定情報を消化する際の背景表示を第3背景表示75Cとする(図16(c))といった内容となっている。
シナリオEは、ターゲット情報よりも3個前の予定情報を消化する際の背景表示を第1背景表示75Bとする(図16(b))。また、ターゲット情報よりも2個前の予定情報を消化する際の背景表示を第3背景表示75Cとする(図16(c))。そして、ターゲット情報よりも1個前の予定情報を消化する際の背景表示を第3背景表示75Cとする(図16(c))といった内容となっている。
そして、各シナリオを設定するに際しては、対応する予定情報に、自身を消化する際の背景表示をどの背景表示とするかについての情報(どのキャラクターを表示するのかについての情報)を追加する。また、サブ統合CPU42は、予定情報の消化に際して背景表示を第1背景表示75Aから第2背景表示75Bへ切り替えたり、第2背景表示75Bから第3背景表示75Cへ切り替えたりする際には、装飾図柄の変動開始時に、キャラクターの数の増加を示唆する専用の第1カットイン表示を所定の表示時間(たとえば1秒間)にわたり表示した後、消化中の予定情報に対応して設定されている背景表示を演出用表示部6に表示する。さらに、ターゲット情報の変動表示に関しては、ターゲット情報よりも1個前の予定情報を消化する際の背景表示となる。
また、シナリオの選択に係る制御について詳述すると、シナリオ抽選を実行した際、今回受信した予定情報よりも優先して消化する予定情報が1つ以下である(すなわち、チューリップ式電動役物17への入賞にもとづく保留情報の数が、今回のものを含めて2つ以下しかない、若しくは1つもない)と、fカウンタからの取得数値を図9に示すシナリオ決定テーブルに対応させる。したがって、この場合、fカウンタからの取得数値がなんであろうと、シナリオが設定されることはない(すなわち、シナリオ抽選に当選することはない)。
また、今回受信した予定情報よりも優先して消化する予定情報が2つあると、予定情報を受信した際の変動表示における背景表示が第1背景表示75Aと第2背景表示75Bとのどちらであるかを確認する。そして、第1背景表示75Aである場合には図10に示すシナリオ決定テーブルに、第2背景表示75Bである場合には図12に示すシナリオ決定テーブルに、fカウンタからの取得数値を夫々対応させる。
したがって、たとえば図10に示すシナリオ決定テーブルに対応させる際には、今回受信した予定情報に係る大当たり抽選の結果が「はずれ」であり、且つ、基本変動パターンが基本変動パターンAと基本変動パターンBとの何れかであると、fカウンタからの取得数値が“99”の場合にのみシナリオAを設定し、fカウンタからの取得数値が“0”〜“98”の何れかであるとシナリオを設定しない。また、今回受信した予定情報に係る大当たり抽選の結果が「大当たり」であり、且つ、基本変動パターンが基本変動パターンCである場合には、fカウンタからの取得数値が“80”〜“89”の何れかであるとシナリオAを、fカウンタからの取得数値が“90”〜“99”の何れかであるとシナリオBを夫々設定する一方、fカウンタからの取得数値が“0”〜“79”の何れかであるとシナリオを設定しない。
一方、たとえば図12に示すシナリオ決定テーブルに対応させる際には、今回受信した予定情報に係る大当たり抽選の結果が「はずれ」であり、且つ、基本変動パターンが基本変動パターンAと基本変動パターンBとの何れかであると、fカウンタからの取得数値がなんであろうとシナリオを設定しない。また、今回受信した予定情報に係る大当たり抽選の結果が「はずれ」であり、且つ、基本変動パターンが基本変動パターンCである場合には、fカウンタからの取得数値が“95”〜“97”の何れかであるとシナリオDを、fカウンタからの取得数値が“98”と“99”との何れかであるとシナリオEを夫々設定する一方、fカウンタからの取得数値が“0”〜“94”の何れかであるとシナリオを設定しない。さらに、今回受信した予定情報に係る大当たり抽選の結果が「大当たり」であり、且つ、基本変動パターンが基本変動パターンDである場合には、fカウンタからの取得数値が“75”〜“89”の何れかであるとシナリオDを、fカウンタからの取得数値が“90”〜“99”の何れかであるとシナリオEを夫々設定する一方、fカウンタからの取得数値が“0”〜“74”の何れかであるとシナリオを設定しない。
なお、今回受信した予定情報よりも優先して消化する予定情報が2つしかない状況でシナリオを設定する場合、当然ながらターゲット情報よりも3個前に消化する予定情報は存在しない。したがって、シナリオを設定するに際して、ターゲット情報よりも3個前に消化する予定情報についての設定は省略され、ターゲット情報よりも2個前に消化する予定情報、及びターゲット情報よりも1個前に消化する予定情報についてのみ、設定されるシナリオにしたがって背景表示をどの背景表示とするかの情報が追加されることになる。つまり、たとえばシナリオAを設定するに際しては、ターゲット情報よりも2個前の予定情報に、背景表示を第1背景表示75Aとする情報を追加し、ターゲット情報よりも1個前の予定情報に、背景表示を第2背景表示75Bとする情報を追加する。また、シナリオEを設定するに際しては、ターゲット情報よりも2個前の予定情報及びターゲット情報よりも1個前の予定情報に、背景表示を第3背景表示75Cとする情報を追加する。
さらに、今回受信した予定情報よりも優先して消化する予定情報が3つあると、予定情報が2つしかない場合と同様、予定情報を受信した際の変動表示における背景表示が第1背景表示75Aと第2背景表示75Bとのどちらであるかを確認する。そして、第1背景表示75Aである場合には図11に示すシナリオ決定テーブルに、第2背景表示75Bである場合には図13に示すシナリオ決定テーブルに、fカウンタからの取得数値を夫々対応させる。
したがって、たとえば図11に示すシナリオ決定テーブルに対応させる際には、今回受信した予定情報に係る大当たり抽選の結果が「はずれ」であり、且つ、基本変動パターンが基本変動パターンCである場合には、fカウンタからの取得数値が“80”〜“84”の何れかであるとシナリオAを、fカウンタからの取得数値が“85”〜“89”の何れかであるとシナリオBを、fカウンタからの取得数値が“90”〜“94”の何れかであるとシナリオCを、fカウンタからの取得数値が“95”〜“97”の何れかであるとシナリオDを、fカウンタからの取得数値が“98”と“99”との何れかであるとシナリオEを夫々設定する一方、fカウンタからの取得数値が“0”〜“79”の何れかであるとシナリオを設定しない。また、今回受信した予定情報に係る大当たり抽選の結果が「大当たり」であり、且つ、基本変動パターンが基本変動パターンDである場合には、fカウンタからの取得数値が“30”〜“34”の何れかであるとシナリオAを、fカウンタからの取得数値が“35”〜“39”の何れかであるとシナリオBを、fカウンタからの取得数値が“40”〜“44”の何れかであるとシナリオCを、fカウンタからの取得数値が“45”〜“69”の何れかであるとシナリオDを、fカウンタからの取得数値が“70”〜“99”の何れかであるとシナリオEを夫々設定する一方、fカウンタからの取得数値が“0”〜“29”の何れかであるとシナリオを設定しない。
一方、たとえば図13に示すシナリオ決定テーブルに対応させる際には、今回受信した予定情報に係る大当たり抽選の結果が「はずれ」であり、且つ、基本変動パターンが基本変動パターンDである場合には、fカウンタからの取得数値が“70”〜“84”の何れかであるとシナリオDを、fカウンタからの取得数値が“85”〜“99”の何れかであるとシナリオEを夫々設定する一方、fカウンタからの取得数値が“0”〜“69”の何れかであるとシナリオを設定しない。また、今回受信した予定情報に係る大当たり抽選の結果が「大当たり」であり、且つ、基本変動パターンが基本変動パターンDである場合には、fカウンタからの取得数値が“30”〜“64”の何れかであるとシナリオDを、fカウンタからの取得数値が“65”〜“99”の何れかであるとシナリオEを夫々設定する一方、fカウンタからの取得数値が“0”〜“29”の何れかであるとシナリオを設定しない。
そして、今回受信した予定情報よりも優先して消化する予定情報が3つある状況でシナリオを設定する場合、設定されるシナリオそのままの内容にしたがい各予定情報に背景表示をどの背景表示とするかの情報を追加する。つまり、たとえばシナリオBを設定するに際しては、ターゲット情報よりも3個前の予定情報に、背景表示を第1背景表示75Aとする情報を追加し、ターゲット情報よりも2個前の予定情報に、背景表示を第2背景表示75Bとする情報を追加し、ターゲット情報よりも1個前の予定情報に、背景表示を第2背景表示75Bとする情報を追加する。また、たとえばシナリオDを設定するに際しては、ターゲット情報よりも3個前の予定情報に、背景表示を第2背景表示75Bとする情報を追加し、ターゲット情報よりも2個前の予定情報に、背景表示を第2背景表示75Bとする情報を追加し、ターゲット情報よりも1個前の予定情報に、背景表示を第3背景表示75Cとする情報を追加する。
したがって、予定情報の受信に応じて実行されるシナリオ抽選に当選し、上述したようなシナリオA〜シナリオEの何れかが設定されると、受信した予定情報(ターゲット情報)よりも優先して消化する予定情報のうちの少なくとも何れか1つを消化する際に、演出用表示部6に表示されるキャラクターの数が増加する増加演出が実行されることになる。
次に、演出用表示部6で表示するキャラクターの数を減少させる減少演出について、図15に示すフローチャートに沿って説明すると、サブ統合CPU42は、サポート状態においてメインCPU32から開始コマンドを受信すると、今回受信した開始コマンドがチューリップ式電動役物17への入賞にもとづくものであるか否か、及び今回受信した開始コマンドに係る大当たり抽選の結果が「はずれ」であるか否かを確認する(S11)。その結果、受信した予定情報がチューリップ式電動役物17への入賞にもとづくものであり、且つ、大当たり抽選の結果が「はずれ」である(S11でYESと判断する)と、当該開始コマンドに対応する予定情報(すなわち、開始コマンドの受信に応じて今回消化する予定情報)を参照し、その予定情報がターゲット情報若しくはシナリオ情報であるかか否かを確認する(S12)。その結果、今回消化する予定情報がターゲット情報とシナリオ情報との何れでもない(S12でNOと判断する)と、開始コマンドを受信した時点での背景表示が第2背景表示75B若しくは第3背景表示75Cであるか否かを確認する(S13)。その結果、開始コマンドを受信した時点での背景表示が第2背景表示75Bと第3背景表示75Cとの何れかである(S13でYESと判断する)と、gカウンタから1つの数値を取得する、すなわち減少抽選を実行する(S14)。
そして、減少抽選を実行すると、開始コマンドを受信した時点での背景表示が第2背景表示75Bと第3背景表示75Cとの何れであるかにもとづいて、gカウンタからの取得数値を図17に示す減少決定テーブルに対応させ、当該取得数値がキャラクターの数を減少させる減少数値であるか否かを確認する、すなわち減少抽選に当選したか否かを判断する(S15)。その結果、gカウンタからの取得数値が減少数値であると、減少抽選に当選したと判断し(S15でYESと判断し)、演出用表示部6の背景表示を切り替える(たとえば第3背景表示75Cから第2背景表示75Bへ切り替える)といった態様でキャラクターの数を減少させ(S16)、今回の開始コマンドの受信に応じた減少演出に係る制御を終了する。したがって、また、S11でYESと判断され、S12でNOと判断され、S13でYESと判断され、S15でYESと判断されたことをもって第2条件が満たされたことになる。
以上のように、開始コマンドの受信に応じて実行される減少抽選に当選することで、当該開始コマンドの受信に応じて開始される装飾図柄の変動表示中に、演出用表示部6に表示されるキャラクターの数が減少する減少演出が実行されることになる。このとき、開始コマンドを受信した時点での背景表示が第3背景表示75Cであると、必ず第2背景表示75Bへ切り替わる。また、開始コマンドを受信した時点での背景表示が第2背景表示75Bであると、3/10の確率で第1背景表示75Aへ切り替わる。
一方、受信した予定情報が始動入賞口19への入賞にもとづくものであったり、受信した開始コマンドに係る大当たり抽選の結果が「大当たり」であったり(S11でNOと判断)すると、上記減少抽選を実行することなく、次の開始コマンドの受信を待つ。また、今回消化する予定情報がターゲット情報とシナリオ情報との何れかであっても、上記減少抽選を実行することなく、次の開始コマンドの受信を待つ。さらに、開始コマンドを受信した時点での背景表示が第2背景表示75Bと第3背景表示75Cとの何れでもない(すなわち第1背景表示75Aである)場合にも、上記減少抽選を実行することなく、次の開始コマンドの受信を待つ。加えて、減少抽選に当選しなかった(S15でNOと判断した)場合には、キャラクターの数を減少させることなく(背景表示を切り替えることなく)、開始コマンドを受信した時点でのキャラクターの数を維持したまま、次の開始コマンドの受信を待つ。なお、減少抽選に当選して背景表示を切り替えるに際しては、装飾図柄の変動開始時に、キャラクターの数の減少を示唆する専用の第2カットイン表示を所定の表示時間(たとえば1秒間)にわたり表示した後、切り替え後の背景表示を演出用表示部6に表示する。
ここで、上記キャラクターの数を増加/減少させる表示演出を、図18〜図21にもとづき実際の遊技の流れに沿って説明する。
まずチューリップ式電動役物17への入賞に係る保留情報が2つ存在し(すなわち、チューリップ式電動役物17への入賞に係る予定情報が2つ記憶されている)、且つ、演出用表示部6での背景表示が第1背景表示75Aである状況において、装飾図柄の変動表示中にチューリップ式電動役物17へ遊技球が新たに入賞すると、当該入賞に起因してメインCPU32からサブ統合CPU42へ予定情報が送信される。また、サブ統合CPU42は、この予定情報の受信をもって上述したような制御のもと、シナリオ抽選を実行するか否かを決定する。そして、ここではシナリオ抽選が実行され、シナリオDが設定されたとする。つまり、今回の入賞に起因した予定情報がターゲット情報Pとなり、ターゲット情報よりも2個前に消化する予定情報がシナリオ情報Q1、ターゲット情報よりも1個前に消化する予定情報がシナリオ情報Q2となる(図18(a))。したがって、シナリオ情報Q1には、背景表示を第2背景表示75Bとする情報が追加され、シナリオ情報Q2には、背景表示を第3背景表示75Cとする情報が追加されることになる。
すると、変動表示していた装飾図柄がはずれ装飾図柄表示態様で確定表示された(図18(b))後、シナリオ情報Q1に係る装飾図柄の変動開始時に、演出用表示部6に第2キャラクター72を追加して表示する旨(すなわち演出用表示部6で表示するキャラクターの数の増加)を示唆する第1カットイン表示が所定の表示時間にわたり表示される(図18(c))とともに、表示時間の経過に伴い、背景表示が第2背景表示75Bとなって(演出用表示部6におけるキャラクターの数が増加して)装飾図柄の変動表示が進行する(図19(a))。さらに、シナリオ情報Q1に係り変動表示していた装飾図柄がはずれ装飾図柄表示態様で確定表示される(図19(b))と、次はシナリオ情報Q2に係る装飾図柄の変動開始時に、演出用表示部6に第3キャラクター73を追加して表示する旨を示唆する第1カットイン表示が所定の表示時間にわたり表示される(図19(c))。また、表示時間の経過に伴い、背景表示が第3背景表示75Cとなって(演出用表示部6におけるキャラクターの数が増加して)装飾図柄の変動表示が進行する(図20(a))。なお、この間にもチューリップ式電動役物17へ遊技球は適宜入賞しているものとする。
その後、シナリオ情報Q2に係り変動表示していた装飾図柄がはずれ装飾図柄表示態様で確定表示される(図20(b))と、背景表示は第3背景表示75Cのままターゲット情報に係る装飾図柄の変動表示が開始される(図20(c))。そして、このように演出用表示部6に表示されるキャラクターの数が増加してターゲット情報の消化を迎えた場合、キャラクターの数が増加することなく装飾図柄の変動が開始された場合と比較して、大当たり抽選の結果が「大当たり」である可能性が高い。そのため、遊技者は、演出用表示部6に表示されるキャラクターの数が増加すると、増加が止まってから次の予定情報に係る装飾図柄の変動から増加が止まってから3つ後の予定情報に係る装飾図柄の変動までの間、その変動の結果に高い興趣をもって遊技することになる。なお、シナリオが設定されると、ターゲット情報Pに係る装飾図柄の変動表示が確定表示となるまで、チューリップ式電動役物17への入賞に係る予定情報の受信に応じて、シナリオ抽選が実行されることはない。また、シナリオ情報Q1、Q2やターゲット情報Pの消化に際しての開始コマンド受信に応じて、減少抽選が実行されることもない。
ただ、演出用表示部6に第1キャラクター71〜第3キャラクター73の全てのキャラクターが表示されたからと言って、必ずターゲット情報に係る大当たり抽選の結果が「大当たり」であるわけではない。演出用表示部6に全てのキャラクターが表示されたにも拘わらず、ターゲット情報に係る大当たり抽選の結果は「はずれ」であり、装飾図柄がはずれ装飾図柄表示態様で表示されることもある(図21(a))。この場合、ターゲット情報の次に消化する予定情報に係る大当たり抽選の結果が「はずれ」であると、当該予定情報に係る開始コマンドの受信に応じて減少抽選が実行され、必ず当選する。したがって、装飾図柄の変動開始時に、演出用表示部6から第3キャラクター73を削除して表示する旨(すなわち演出用表示部6で表示するキャラクターの数の減少)を示唆する第2カットイン表示が所定の表示時間にわたり表示される(図21(b))。また、表示時間の経過に伴い、背景表示が第2背景表示75Bとなって(演出用表示部6におけるキャラクターの数が減少して)装飾図柄の変動表示が進行する(図21(c))。なお、ターゲット情報の次に消化する予定情報に係る大当たり抽選の結果が「大当たり」であると、ターゲット情報の消化と同様、背景図柄が第3背景表示75Cのまま装飾図柄の変動表示が開始されることになる。
その後、変動表示していた装飾図柄がはずれ装飾図柄表示態様で確定表示される(図22(a))と、また次に消化する予定情報に係る開始コマンドの受信をもって、大当たり抽選の結果が確認され、「はずれ」であると減少抽選が実行される(なお、ターゲット情報Pの消化以降、依然としてシナリオは設定されていないものとする)。そして、減少抽選に当選すると、装飾図柄の変動開始時に、演出用表示部6から第2キャラクター72を削除して表示する旨を示唆する第2カットイン表示が所定の表示時間にわたり表示される(図22(b))とともに、表示時間の経過に伴い、背景表示が第1背景表示75Aとなって装飾図柄の変動表示が進行する(図22(c))。そして、このように演出用表示部6に表示されるキャラクターの数が減少してしまうと、当該変動表示に係る大当たり抽選の結果が「大当たり」であることはない。そのため、遊技者は、演出用表示部6に表示されるキャラクターの数が減少するか否かに高い興趣をもって遊技することになる。なお、減少抽選に当選しないと、減少抽選に当選するまで、背景図柄が第2背景表示75Bのまま遊技が継続することになる。また、背景表示が第1背景表示75Aになると、減少抽選は実行されなくなる。
なお、本実施形態における装飾図柄の変動開始及び確定表示は、特別図柄(所謂図柄)の変動開始及び確定表示と読み換えてよいし、予定情報の受信に応じてシナリオ抽選を、開始コマンドの受信に応じて減少抽選を夫々実行するという制御は、保留情報の記憶に応じてシナリオ抽選を、図柄の変動開始に応じて減少抽選を夫々実行するという制御と読み換えることができる。
(本実施形態のパチンコ機による効果)
以上のような構成を有するパチンコ機1によれば、キャラクターの数の増加演出に関しては、予定情報の受信に応じてシナリオを設定することにより行うものの、キャラクターの数の減少演出に関しては、開始コマンドの受信に応じて減少抽選を実行し、減少抽選に当選したか否かに応じて行う。したがって、キャラクターの数の増加から減少まで一連のシナリオを設定してキャラクターの数の増加/減少演出を行っていた従来のものと比較して、シナリオの数が少ないにも拘わらず、特にキャラクターの数の減少態様を多岐にわたらせることができる。そのため、シナリオの記憶に必要な記憶領域の節減、及びシナリオの記憶手段43への設定に係る作業の簡略化を図ることができる。さらに、キャラクターの数の増加/減少に係るバリエーションが増えることで、遊技が単調化することのない遊技性の高いパチンコ機1とすることができる。
また、現在演出用表示部6に表示しているキャラクターの数に応じて、減少抽選における当選確率を異ならせており、キャラクターの数が少ない場合の方が多い場合よりも当選しにくくしている。したがって、キャラクターの数が増加した後、キャラクターの数が多いまま遊技者に必要以上に期待をもたせることもなければ、キャラクターの数がすぐに最小になってしまい、遊技者の興趣をそぐようなこともない。すなわち、キャラクターの数の増加/減少と「大当たり」の期待度とを適度に関連づけることができ、遊技性の一層の向上を図ることができる。
さらに、キャラクターの数が異なる複数の背景表示(第1背景表示75A〜第3背景表示75C)を有しており、背景表示を切り替えることでキャラクターの数を増加/減少させるため、キャラクターの数の増加/減少に係る制御を簡素化することができる。
(本発明の変更例について)
なお、本発明の遊技機に係る構成は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、遊技機全体の構成は勿論、特殊表示体を用いた遊技の制御等に係る構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で必要に応じて適宜変更可能である。
たとえば上記実施形態では、基本変動パターンに関してA〜Dの4種類しか設定していないが、4種類以上の基本変動パターンを設定しても何ら問題はないし、ターゲット情報に係る基本変動パターンや大当たり抽選の結果、さらには予定情報の数と、特殊表示体の数の増加に係るシナリオとをどのように関連づけるかは適宜変更可能である。
また、シナリオについても6種類以上のシナリオを記憶手段に記憶させたり、特殊表示体についても4種類以上の特殊表示体を記憶手段に記憶させることで、特殊表示体の数の増加/減少に係るバリエーションを更に増やすように構成してもよい。
さらに、上記実施形態では、特殊表示体の数の増加/減少に係る順番が1つに決まっているが、第1キャラクターの次に第3キャラクターが増えたり、全てのキャラクターが表示されている状態から最初に第1キャラクターが減ったりするように構成する、すなわち特殊表示体の数の増加/減少に係る順番を複数パターン設定しても何ら問題はない。加えて、上記実施形態ではキャラクターの数が1つずつ増加したり減少したりしているが、2つずつ増加したり減少したりしてもよいし、通常1つずつ増加したり減少したりするものの、ある特定の条件が満たされると1度に2つ増加/減少する等、増加/減少するキャラクターの数が複数パターンあってもよい。
さらにまた、上記実施形態では、キャラクターを背景表示に含ませているが、たとえば所謂保留表示体の如く、背景表示上に特殊表示体を重ねて表示するように構成することも可能である。すなわち、背景表示を切り替えることなく、特殊表示体の数を増加/減少させるように構成してもよい。そして、特殊表示体の大きさや形状、表示位置についても上記実施形態のものに何ら限定されることはない。
またさらに、どのタイミングで特殊表示体を追加したり削除したりするかについても適宜変更可能であるし、カットイン表示を行うことなく特殊表示体を追加/削除したり、カットイン表示を行う場合と行わない場合とを混在させるように構成してもよい。
また、上記実施形態では、シナリオ抽選における当選結果を、予定情報の基本変動パターンと大当たり抽選の結果とに関連づけているが、どちらか一方のみに関連づけるようにしてもよいし、他の要素に関連づけても何ら問題はない。同様に、減少抽選における当選結果についても、キャラクターの数のみならず、開始コマンドに含まれている基本変動パターンに関連づけることも可能である。
さらに、開始コマンドを受信した際に、その時点で記憶している予定情報を確認し、予定情報の中に大当たり抽選の結果が「大当たり」である予定情報が存在すると、減少抽選を実行しないように構成することも可能である。
加えて、上記実施形態では、保留情報の消化に係り、始動入賞口への入賞に係る保留情報よりもチューリップ式電動役物への入賞に係る保留情報の方を優先的に消化するように構成しているが、単に取得した順で消化するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、メイン制御装置からサブ制御装置へ開始コマンドと停止コマンドとを送信するようにしているが、サブ制御装置のタイマを用いる等することで、停止コマンドについては送信しない構成としても何ら問題はない。
さらに、上記実施形態では、メイン制御装置とサブ制御装置との2つの制御装置に分けて制御するように構成しているが、メイン制御装置1つで制御するように構成してもよく、メイン制御装置の記憶手段に特殊表示体やシナリオ、fカウンタ、gカウンタ等を設けても何ら問題はないし、メイン制御装置1つで制御する際には、開始コマンドや予定情報等を作成する必要はない。さらに、上記実施形態では、特別図柄と装飾図柄との2種類の図柄を用いるパチンコ機としているが、特別図柄のみを用いたパチンコ機であってもよいし、特別図柄表示部を演出用表示部内や遊技領域内、センター部材等の他の位置に設けてもよい。
さらにまた、上記実施形態では、大当たり抽選としてcカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタの3つのカウンタから数値を取得するとしているが、1つのカウンタのみで対応することも可能であるし、2つのカウンタ若しくは4つ以上のカウンタから数値を取得するように構成することも当然可能である。なお、抽選手段としての乱数は、ソフト乱数、ハード乱数のどちらでも採用可能である。
またさらに、特別入賞手段の数や特別遊技状態における特別入賞手段の可動態様等についても、上記実施形態のものに何ら限定されることはなく、たとえば特別入賞手段を複数設置してもよい。加えて、特別入賞手段が開動作する回数が異なる複数の特別遊技状態を選択的に生起させるように構成してもよいし、特別遊技状態における特別入賞手段の可動態様として、遊技球がほぼ入賞しないような可動態様を含んでいたとしても何ら問題はない。
また、上記実施形態では、サポート状態において特殊表示体の数の増加/減少に係る表示演出を実行するとしているが、通常状態において同様の特殊表示体の数の増加/減少に係る表示演出を実行するとしても何ら問題はなく、図柄を変動/確定表示可能な遊技状態(所定の遊技状態)であれば、サポート状態以外の遊技状態においても特殊表示体の数の増加/減少に係る表示演出を実行することは可能である。
さらに、大当たり状態の終了後、サポート状態とともに所謂時短状態を生起させるように構成することも当然可能である。
加えて、上記実施形態では、遊技機の一例であるパチンコ機について説明しているが、本発明は、たとえば封入式パチンコ機等といった他の遊技機に対しても当然適用可能である。
なお、特許請求の範囲、明細書および図面に記載される全ての要素(例えば、制御手段や図柄表示部、特別入賞手段、演出用表示部等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、特許請求の範囲や明細書等で使用している要素名(要素につけた名称)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。すなわち、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「制御手段」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。さらには、全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、敢えて特許請求の範囲等において特定していない限り、何れも当業者であれば容易に考えられる事項である。したがって、その程度の範囲内での構成上の差異を有する遊技機を、本実施例に記載がなされていないことを理由に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはならない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。