JP2013038873A - 電線保持具 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造コストを増大させる成形プロテクタを用いることなく簡単なテープ巻き結束のみで、ワイヤハーネスの幹線から分岐させた4本以上の枝線の相対位置を特定できると共に各枝線の配索方向も一定方向に規制できる。
【解決手段】ワイヤハーネスW/Hの幹線20の一端から分岐される4本以上の複数の枝線21を、他の枝線に対する相対位置をそれぞれ特定して結束する電線保持具10であって、柱体の外周に枝線21の本数と同数の円弧状に窪ませた位置決め凹部11を周方向に間隔をあけて設け、各位置決め凹部11に1本の枝線21の少なくとも一部を嵌合し、これら枝線21の外周にテープTを巻き付けて結束するものとしている。
【選択図】図2

Description

本発明は電線保持具に関し、詳しくは、ワイヤハーネスの幹線から分岐させた4本以上の枝線の相対位置を特定すると共に、該枝線の配索方向も一定方向に規制するものである。
自動車に配索されるワイヤハーネスでは、例えば、図5のように、幹線1の一端から複数の枝線2a、2b、2cを分岐させ、該枝線2a、2b、2cの先端をそれぞれ異なる位置の相手側接続部3a、3b、3cに接続している。[特開平11−234871号公報(特許文献1)参照]。
一方、ワイヤハーネスを自動車に配索した際に、幹線1から分岐させた複数の枝線2a、2b、2cの周囲に外部干渉材(図示せず)が配置されている場合には、該外部干渉材との接触を防止するために、図6のように、所要長さ領域の枝線2a、2b、2cをテープ等で結束して、枝線2a、2b、2cの他の枝線に対する相対位置を特定すると共に該枝線2a、2b、2cの配索方向を一定方向に規制している。幹線から分岐させる枝線の本数が2本または3本の場合には、図7(A)、(B)のように、枝線2a、2b(2c)の外周にテープTを巻き付けて結束するだけで、枝線2a、2b(2c)の他の枝線に対する相対位置を特定できると共に配索方向を一定方向に規制できるため、枝線2a、2b(2c)を外部干渉材に接触させることなく相手側接続部にそれぞれ接続することが可能となる。
一方、幹線から分岐させる枝線の本数が4本以上になると、枝線の外周への一度のテープ巻き結束で各枝線の相対位置を特定することが難しい。例えば、幹線から分岐させる枝線2a、2b、2c、2dの本数が4本の場合に、テープ(T)巻き結束により各枝線2a、2b、2c、2dの相対位置を図8(A)に示すような結束断面形状になるように特定すべきところを、結束工程において各枝線2a、2b、2c、2dの相対位置が変わって結束断面が図8(B)に示す形状となったり、図8(C)に示す形状になったりして、枝線2a、2b、2c、2dの結束状態にバラつきが生じやすいという問題がある。結束状態にバラつきが生じると、自動車への配索時に枝線が外部干渉材に接触してしまう場合もあるため、所定断面形状を有する成形プロテクタ(図示せず)を前記4本以上の枝線に取り付け、該成形プロテクタにより各枝線の配索方向の規制および相対位置の特定を行わざるを得ない場合もある。しかし、前記成形プロテクタを用いると製造コストが増大するという問題がある。
特開平11−234871号公報
本発明は、製造コストを増大させる成形プロテクタを用いることなく簡単なテープ巻き結束のみで、ワイヤハーネスの幹線から分岐させた4本以上の枝線の相対位置を特定できると共に各枝線の配索方向も一定方向に規制できることを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明は、ワイヤハーネスの幹線の一端から分岐される4本以上の複数の枝線を、他の枝線に対する相対位置をそれぞれ特定して結束する電線保持具であって、
柱体の外周に前記枝線の本数と同数の円弧状に窪ませた位置決め凹部を周方向に間隔をあけて設け、各位置決め凹部に1本の前記枝線の少なくとも一部を嵌合し、これら枝線の外周にテープを巻き付けて結束するものとしている電線保持具を提供している。
本発明の電線保持具には、ワイヤハーネスの幹線の一端から分岐される4本以上の複数の枝線の相対位置を特定するために、枝線を1本ずつ位置決めする、円弧状に窪ませた位置決め凹部を柱体の外周に間隔をあけて設けている。したがって、枝線の結束工程において、作業者が前記電線保持具の位置決め凹部に枝線の少なくとも一部分を嵌合させ、該電線保持具上に配置した枝線の外周にテープ巻きを行うだけで、各枝線の相対位置がおのずと特定されると共に各枝線の配索方向も一方向(柱体の軸線方向)に規制できる。また、結束する複数の枝線の内周側に前記柱体状の電線保持具を配置することで、枝線外周への安定したテープ巻き結束が可能となり、結束力を高め、結束作業性も高めることができる。
即ち、前記電線保持具を用いることにより、結束する作業者が変わっても簡単なテープ巻き結束のみで4本以上の枝線を所定の均一な結束断面形状に結束することができ、結束工程における結束状態のバラつきをなくすことができる。よって、成形プロテクタを用いなくても各枝線を外部干渉材との接触から保護することができ、安価な押出成形で製造できる本発明の電線保持具を用いることにより、製造コストの増大も抑えることができる。
前記柱体はウレタン、発泡スチロール、ゴムあるいはエラストマーからなる弾性材で形成し、該柱体の長さは前記テープの幅以上とし、かつ、
前記柱体は断面多角形の頂点部分に前記位置決め凹部を設けた形状とし、各位置決め凹部の大きさは嵌合する枝線の外径と対応させ、大径枝線用は大きな円弧状凹部、小径枝線用は小さい円弧状凹部としていることが好ましい。
前記のように、電線保持具を構成する柱体をウレタン、発泡スチロール、ゴムあるいはエラストマーからなる弾性材で形成することにより、枝線が柱体の角部等に当接しても該枝線が損傷することがなく、また、該柱体に設けた位置決め凹部と該位置決め凹部に嵌合する枝線との密着性を高めることができるため、より安定したテープ巻き結束が可能となる。
また、前記構成によれば、例えば4本の枝線を前記電線保持具で保持してテープ巻き結束する場合には、断面四角形の柱体の4つの頂点部分に4本の枝線をそれぞれ嵌合させる位置決め凹部が設けられ、5本の枝線を前記電線保持具で保持してテープ巻き結束する場合には、断面五角形の柱体の5つの頂点部分に5本の枝線をそれぞれ嵌合させる位置決め凹部が設けられる。このように、結束する枝線本数が多くなるにつれ、位置決め凹部を設ける断面多角形の頂点部分の内角も大きくなるため、該頂点部分に設ける位置決め凹部と嵌合する枝線との接触面積を十分確保することができる。よって、結束する枝線本数が多くなっても安定したテープ巻き結束が可能となる。
さらに、大径の枝線を嵌合させる位置決め凹部は大きな円弧状凹部とし、小径の枝線を嵌合させる位置決め凹部は小さい円弧状凹部とすることで、結束する枝線の外径が異なっても安定したテープ巻き結束が可能となる。また、位置決め凹部の大きさを嵌合する枝線の外径と対応させることで、作業者は各枝線を嵌合させる位置決め凹部を容易に見分けることができるため、各枝線の相対位置を正確に特定することができる。
また、類似する径の枝線がある時、位置決め凹部の大きさは同等となるため、各枝線とそれぞれ対応する位置決め凹部を見分けることが困難となる。そのため、位置決め凹部の円弧内側部に識別用の目印、例えば、細溝をそれぞれ異なる本数で入れることで、各枝線を嵌合させる位置決め凹部を簡単に見分けることができるようにし、各枝線を所要位置に配置できるようにすることが好ましい。
前述したように、本発明の電線保持具は、ワイヤハーネスの幹線の一端から分岐される4本以上の複数の枝線の相対位置を特定するために、枝線を1本ずつ位置決めする円弧状の位置決め凹部を柱体の外周に間隔をあけて設けている。したがって、枝線の結束工程において、作業者が前記電線保持具の位置決め凹部に枝線を嵌合させ、該電線保持具上に配置した枝線の外周にテープ巻きを行うだけで、各枝線の相対位置がおのずと特定されると共に各枝線の配索方向も一定方向に規制できる。また、結束する複数の枝線の内周側に前記柱体状の電線保持具を配置することで、枝線外周への安定したテープ巻き結束が可能となり結束力を高め、結束作業性も高めることができる。
即ち、前記電線保持具を用いることにより、結束する作業者が変わっても、簡単なテープ巻き結束のみで4本以上の枝線を所定の均一な結束断面形状に結束することができ、結束工程における結束状態のバラつきをなくすことができる。よって、成形プロテクタを用いなくても各枝線を外部干渉材との接触から保護することができ、安価な押出成形で製造可能な本発明の電線保持具を用いることにより、製造コストの増加を抑えることができる。
第1実施形態で用いる電線保持具の斜視図である。 (A)は電線保持具を用いて幹線の一端から分岐される4本の枝線をテープ巻き結束している状態を示す斜視図であり、(B)は(A)のA−A線断面図である。 第2実施形態において、幹線の一端から分岐される5本の枝線を、電線保持具を用いてテープ巻き結束している状態を示す断面図である。 第3実施形態において、幹線の一端から分岐される異なる外径を有する4本の枝線を、電線保持具を用いてテープ巻き結束している状態を示す断面図である。 従来例を示す図面である。 従来例を示す図面である。 従来例を示す図面である。 従来例を示す図面である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1および図2は本発明の第1実施形態を示している。本実施形態では、図2に示すように、自動車に配索するワイヤハーネスW/Hの幹線20の一端20Aから4本の枝線21a、21b、21c、21dを分岐させている。本実施形態では、ワイヤハーネスW/Hを自動車に配索したとき、分岐位置(幹線の一端)20Aから所定範囲Rの枝線21a、21b、21c、21dの周囲に外部干渉材(図示せず)が配置される。よって、該外部干渉材との接触を防止するために、前記範囲R内の枝線21a、21b、21c、21dを図1に示す電線保持具10を用いてテープ(T)巻き結束して枝線21a、21b、21c、21dの他の枝線に対する相対位置を特定すると共に枝線21a、21b、21c、21dの配索方向を一方向に規制している。テープ(T)巻き結束した枝線21a、21b、21c、21dの先端側は、図示しないが、前記外部干渉材との接触のおそれがなくなった位置で相手側接続部に向けてそれぞれ異なる方向に本分岐させている。なお、本実施形態では、4本の枝線21a、21b、21c、21dの外径は同程度としている。
電線保持具10は、図1に示すような柱体からなり、該柱体の外周に、枝線21a、21b、21c、21dの一部分を嵌合させて位置決めする円弧状に窪ませた4個の位置決め凹部11a、11b、11c、11dを周方向に間隔をあけて設けている。電線保持具10の柱体は、弾性体であるウレタン、発泡スチロール、ゴムあるいはエラストマーの押出成形品であり、断面正方形の頂点部分12a、12b、12c、12dにほぼ同サイズの円弧状の位置決め凹部11a、11b、11c、11dをそれぞれ設けている。
前記4個の位置決め凹部11a〜11dは同サイズとしているため、4本の枝線を4つの位置決め凹部11a〜11dのいずれに嵌合させれば良いかが不明となる。よって、位置決め凹部の内周面に識別用目印となる細溝を設けている。具体的には、位置決め凹部11aに2本の細溝11e、位置決め凹部11bに3本の細溝11g、位置決め凹部11cには細溝を設けず、位置決め凹部11dに1本の細溝11fを設けている。これにより、枝線21a〜21dを嵌合させる位置決め凹部11a〜11dを簡単に判断できるようにしている。
電線保持具10の位置決め凹部11a、11b、11c、11dに、枝線21a、21b、21c、21dをそれぞれ嵌合させ、位置決め凹部11a、11b、11c、11dに保持された枝線21a、21b、21c、21dの外周に、片面に粘着層を設けた塩化ビニル製のテープTを巻き付けて結束している。なお、電線保持具10の柱体の長さは、枝線21a、21b、21c、21dの位置規制および方向規制を行う必要のある長さRに応じて適宜設定できるが、安定したテープ巻き結束を行うために巻き付けるテープTの幅(約20mm)より長くしている。
前記のように、本実施形態の電線保持具10は、ワイヤハーネスW/Hの幹線20の一端20Aから分岐される4本の枝線21a、21b、21c、21dの他の枝線に対する相対位置を特定するために、枝線21a、21b、21c、21dを1本ずつ位置決めする円弧状に窪ませた位置決め凹部11a、11b、11c、11dを柱体の外周に間隔をあけて設けている。したがって、枝線21a、21b、21c、21dの結束工程において、作業者が電線保持具10の位置決め凹部11a、11b、11c、11dに枝線21a、21b、21c、21dを嵌合させ、電線保持具10上に配置した枝線21a、21b、21c、21dの外周にテープ巻きを行うだけで、各枝線21a、21b、21c、21dの相対位置がおのずと特定されると共に各枝線21a、21b、21c、21dの配索方向も一定方向に規制できる。また、結束する枝線21a、21b、21c、21dの内周側に前記柱体状の電線保持具10を配置することで、枝線21a、21b、21c、21dの外周への安定したテープ巻き結束が可能となり結束力を高め、結束作業性も高められる。
即ち、前記電線保持具10を用いることにより、結束する作業者が変わっても、簡単なテープ巻き結束のみで4本の枝線21a、21b、21c、21dを図2(B)に示すような均一な結束断面形状に結束することができ結束工程における結束状態のバラつきをなくすことができる。よって、成形プロテクタを用いなくても各枝線21a、21b、21c、21dを外部干渉材との接触から保護することができ、安価な押出成形で製造できる本実施形態の電線保持具10を用いることにより、製造コストの増加を抑えることができる。
図3は第2実施形態を示している。
第2実施形態では、ワイヤハーネスW/Hの幹線の一端から5本の枝線41a、41b、41c、41d、41eを分岐させ、電線保持具30の柱体の外周に、前記5本の枝線41a、41b、41c、41d、41eをそれぞれ嵌合させる5つの位置決め凹部31a、31b、31c、31d、31eを周方向に間隔をあけて設けている点以外は第1実施形態と同様としている。電線保持具30の柱体には、断面五角形の頂点部分32a、32b、32c、32d、32eにほぼ同サイズの円弧状の位置決め凹部31a、31b、31c、31d、31eをそれぞれ設けている。
第2実施形態においても、幹線から分岐させる5本の枝線41a、41b、41c、41d、41eの結束に電線保持具30を用いることにより、結束する作業者が変わっても、簡単なテープ巻き結束のみで5本の枝線41a、41b、41c、41d、41eを図3に示すような均一な結束断面形状に結束することができ結束工程における結束状態のバラつきをなくすことができる。また、第1実施形態より結束する枝線本数が多くなっても、位置決め凹部31a、31b、31c、31d、31eを設けた断面五角形の頂点部分32a、32b、32c、32d、32eの内角も大きくなるため、該位置決め凹部31a、31b、31c、31d、31eと、嵌合する枝線41a、41b、41c、41d、41eとの接触面積を十分確保して安定したテープ巻き結束が可能となる。
該第2実施形態においても、位置決め凹部31a〜31eの円弧が同等であれば、第1実施形態と同様に識別用目印となる細溝等を設けている。
図4は第3実施形態を示している。
第3実施形態では、幹線から分岐させる4本の枝線61a、61b、61c、61dの外径を相違させ、枝線61aの外径を最大とする一方、枝線61dの外径を最小としている。また、電線保持具50の位置決め凹部51a、51b、51c、51dの大きさは幹線から分岐させる4本の枝線61a、61b、61c、61dの外径に対応させ、最大外径を有する枝線61aを嵌合する位置決め凹部51aの大きさを最大とする一方、最小外径を有する枝線61dを嵌合する位置決め凹部51dの大きさを最小としている。その他の点は第1実施形態と同様としている。
前記のように、大径の枝線61aを嵌合させる位置決め凹部51aは大きな円弧状凹部とし、小径の枝線61dを嵌合させる位置決め凹部51dは小さい円弧状凹部とすることで、結束する枝線61a、61b、61c、61dの外径が異なっても安定したテープ巻き結束が可能となる。また、位置決め凹部51a、51b、51c、51dの大きさを嵌合する枝線61a、61b、61c、61dの外径と対応させることで、作業者は各枝線61a、61b、61c、61dを嵌合させる位置決め凹部51a、51b、51c、51dを容易に見分けることができるため、各枝線61a、61b、61c、61dの相対位置を正確に特定することができる。
10、30、50 電線保持具
11、31、51 位置決め凹部
20 幹線
21、41、61 枝線
T テープ

Claims (2)

  1. ワイヤハーネスの幹線の一端から分岐される4本以上の複数の枝線を、他の枝線に対する相対位置をそれぞれ特定して結束する電線保持具であって、
    柱体の外周に前記枝線の本数と同数の円弧状に窪ませた位置決め凹部を周方向に間隔をあけて設け、各位置決め凹部に1本の前記枝線の少なくとも一部を嵌合し、これら枝線の外周にテープを巻き付けて結束するものとしている電線保持具。
  2. 前記柱体はウレタン、発泡スチロール、ゴムあるいはエラストマーからなる弾性材で形成し、該柱体の長さは前記テープの幅以上とし、かつ、
    前記柱体は断面多角形の頂点部分に前記位置決め凹部を設けた形状とし、各位置決め凹部の大きさは嵌合する枝線の外径と対応させ、大径枝線用は大きな円弧状凹部、小径枝線用は小さい円弧状凹部としている請求項1に記載の電線保持具。
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