JP2013038265A - プリント配線集合シート、該プリント配線集合シートを用いて形成されるプリント配線板、前記プリント配線集合シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】非導通領域32を備える複数のプリント配線形成領域30と、外枠領域10とが一部で連結されてなるプリント配線集合シートであって、プリント配線形成領域30及び外枠領域10が基材層2と、導電性金属層3と、絶縁層4とから形成されると共に、絶縁層4が熱イミド化反応を経て形成されるものにおいて、非導通領域32と外枠領域10との少なくとも何れか一方の領域のうち、基材層2の表裏が導電性金属層3で積層される部分の長さが10mmを超える領域部分については、その領域部分の導電性金属層3に複数の貫通孔Kを設けてある。
【選択図】図2
Description
このようなプリント配線板は製造効率の高効率化を図るために、同仕様のプリント配線形成領域(後にプリント配線板となる領域)を複数配置してなるプリント配線集合シートを使用し、この1枚のプリント配線集合シートから多数枚取りすることで製造されるものが一般的である。
このようなプリント配線集合シートを示す従来技術として、例えば下記特許文献1がある。
また上記特許文献1に示すような従来のプリント配線集合シートは、ポリイミド等の絶縁性樹脂からなる基材層と、基材層に積層される導電性金属層と、基材層及び導電性金属層を被覆する絶縁層とから形成されると共に、複数のプリント配線形成領域と複数のプリント配線形成領域を支持する外枠領域とを備えるものが一般的であった。
またプリント配線集合シートのシワ折れ等を防止するために、外枠領域に銅等の導電性金属層を残すことで剛性を補強するものが一般的であった。
しかし、このような従来のプリント配線集合シートのうち、熱イミド化反応を経て絶縁層を形成するものにおいては、基材層の表裏が導電性金属層で積層される部分の長さが10mmを超える領域部分がある場合、熱イミド化反応を行う高温処理工程(具体的には300℃〜400℃程度)において基材層を形成する絶縁性樹脂の残留低分子成分の揮発等によって基材層の表裏に積層される導電性金属層に膨れが生じるという問題があった。
このような膨れが生じた場合、シート全体に寸法ズレや歪みが発生することでプリント配線集合シートの製造工程に支障(製造不良や製造不可等)が生じるという問題があった。
しかし上記特許文献1においては、このような問題を解決できるような構成はなく、またそのような記載や示唆も何らなされていないという問題があった。
前記基材層の表裏が前記導電性金属層で積層される部分の長さが10mmを超える領域部分については、その領域部分の前記導電性金属層に1乃至複数の貫通孔を形成する貫通孔形成工程を備えることから、熱イミド化反応を行う高温処理工程で、基材層を形成する絶縁性樹脂の残留低分子成分の揮発等によって基材層の表裏に備える導電性金属層に膨れが生じることを効果的に防止することができる。よって製造効率の良いプリント配線集合シートの製造方法とすることができる。
また本発明のプリント配線板によれば、プリント配線板の製造工程において、熱イミド化反応を行う高温処理工程で、基材層を形成する絶縁性樹脂の残留低分子成分の揮発等によって基材層の表裏に備える導電性金属層に膨れが生じることを効果的に防止することができる。よって製造効率が良く、歩留まりが良好なプリント配線板とすることができる。
また本発明のプリント配線集合シートの製造方法によれば、熱イミド化反応を行う高温処理工程、基材層を形成する絶縁性樹脂の残留低分子成分の揮発等によって基材層の表裏に備える導電性金属層に膨れが生じることを効果的に防止することができる。よって製造効率の良いプリント配線集合シートの製造方法とすることができる。
このプリント配線集合シート1は、図1、図2に示すように、外枠領域10と、スリット領域20と、複数のプリント配線形成領域30とから形成される。
これら外枠領域10と複数のプリント配線形成領域30とは、図2(b)に示すように、基材層2と、基材層2の表裏に積層される導電性金属層3と、基材層2及び導電性金属層3を被覆する絶縁層4とからなり、後述する1枚の原板60を領域毎に分割加工することで形成される。
また複数のプリント配線形成領域30は、図示しない電子部品を実装した後、各プリント配線形成領域30がつなぎ領域11との境界で切断されて外枠領域10と分離されることで、製品としてのプリント配線板40となる。より具体的には、ハードディスク装置のフレキシャを構成するフレキシブルプリント配線板となる。
また外枠領域10には、図1、図2に示すように、その一部をプリント配線形成領域30の方向へ延出させたつなぎ領域11を設けてある。
このつなぎ領域11は、プリント配線形成領域30の外周における任意の位置と連結され、プリント配線形成領域30を外枠領域10で支持するための連結部となるものである。
また本実施形態においては、図1、図2に示すように、プリント配線形成領域30の外周の4箇所につなぎ領域11を配置する構成としてある。勿論、このような構成に限るものではなく、つなぎ領域11の数、形成位置は適宜変更可能である。
この外枠領域10は、既述したように、基材層2と、基材層2の表裏に積層される導電性金属層3と、基材層2及び導電性金属層3を被覆する絶縁層4とで形成されている。
絶縁性の樹脂フィルムとしては、柔軟性に優れた樹脂材料からなるものが使用される。例えばポリイミドフィルムやポリエステルフィルム等、プリント配線集合シートの外枠を形成する絶縁性の樹脂フィルムとして通常用いられるものであれば、如何なるものであってもよい。
また特に、柔軟性に加えて高い耐熱性をも有しているものが望ましい。例えばポリアミド系の樹脂フィルムや、ポリイミド、ポリアミドイミドなどのポリイミド系の樹脂フィルムや、ポリエチレンナフタレートを好適に用いることができる。
また耐熱性樹脂としては、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等、プリント配線集合シートの基材層2を形成する耐熱性樹脂として通常用いられるものであれば、如何なるものであってもよい。
また基材層2の厚みは、5μm〜25μm程度とすることが望ましい。
なお本実施形態においては、図2(b)に一部を示すように、基材層2の裏側(下面側)のつなぎ領域11を除く全面にはステンレスからなるステンレス層3aを積層すると共に、基材層2の表側(上面側)のつなぎ領域11を除く全面には銅からなる銅層3bを積層する構成としてある。
なお、このステンレス層3aは基材層2にステンレス鋼(SUS)からなるシート板を貼り付けることで形成することができる。
また銅層3bは基材層2に銅(Cu)をめっきで積層することで形成する、いわゆるアディティブ法等の公知の形成方法を用いて形成することができる。
また本実施形態においては、図1、図2に示すように、基材層2の裏側に積層されるステンレス層3aに複数の貫通孔Kを設ける構成としてある。
より具体的には、基材層2の表裏が導電性金属層3で積層される部分の長さが10mmを超える領域部分については、その領域部分のステンレス層3aに同一形状(円形)、同一大きさからなる複数の貫通孔Kを設ける構成としてある。
なお、ここで「基材層2の表裏が導電性金属層3で積層される部分の長さが10mmを超える領域部分」とは、「基材層2の表裏が導電性金属層3で積層される部分における縦、横、斜めの全方向における少なくとも何れか1方向の長さが10mmを超える領域部分」のことを意味するものとする。
また図2(a)に示す隣接する貫通孔Kの間隔Pは、10mm以下とすることが必要である。好適には、2mm〜8mm程度とすることが望ましい。
なお、ここで「隣接する貫通孔Kの間隔P」とは、図2(a)に示すように、「縦、横、斜めの全方向における隣接する貫通孔Kの間隔P」のことを意味するものとする。
また図2(a)に示す外枠領域10の端面10aから貫通孔Kまでの長さLも10mm以下とすることが必要である。好適には、2mm〜8mm程度とすることが望ましい。
なお貫通孔Kの形状は、本実施形態に示す円形に限るものではなく、適宜変更可能である。但し貫通孔Kの大きさは、面積が1mm2〜10mm2程度となることが望ましい。
またステンレス層3aの厚みは、15μm〜25μm程度とすることが望ましい。
また銅層3bの厚みは、5μm〜35μm程度とすることが望ましい。
本実施形態においては、感光性ポリイミド等の感光性の絶縁樹脂で絶縁層4を形成する構成としてある。勿論、このような構成に限るものではなく、熱イミド化反応を経て絶縁層4を形成することができるものであれば、如何なるものを用いてもよい。
なお絶縁層4の厚みは、2μm〜50μm程度とすることが望ましい。
このスリット領域20は、金型による打ち抜き加工やルーター等による切除加工等を用いて形成される。
なお本実施形態においては、プリント配線集合シート1に配置される複数のプリント配線形成領域30を全て同一仕様のプリント配線形成領域とする構成としてある。
またこのプリント配線形成領域30は、電子部品が実装された後、つなぎ領域11との境界線を金型で打ち抜く等の方法を用いて外枠領域10から分離され、製品としてのフレキシャ用のプリント配線板40となる。
このプリント配線形成領域30は、既述したように、外枠領域10と同様に基材層2と、基材層2の表裏に積層される導電性金属層3と、基材層2及び導電性金属層3を被覆する絶縁層4とで形成されている。
なお基材層2、導電性金属層3、絶縁層4は、外枠領域10の説明において既述したものであることから、以下の詳細な説明は省略し、外枠領域10と異なる部分のみを説明するものとする。
より具体的には、本実施形態においては、基材層2の裏側の全面に積層されるステンレス層3aをプリント配線形成領域30の剛性を確保するための層とし、基材層2の表側の所定領域(後述する導通領域31)に積層される銅層3bを配線回路や端子等の導通部を形成するための層としてある。
また本実施形態においては図1、図2(a)に破線で示すように、プリント配線形成領域30に導通領域31と非導通領域32とを設けてある。
なお、ここで「導通領域31」とは、「配線回路や端子等、電気的な導通を行うための導通部が導電性金属層に形成され、電気的な導通を行う領域」のことを意味する。
また「非導通領域32」とは、「導通領域31と分離されて、配線回路や端子等、電気的な導通を行うための導通部が導電性金属層に形成されることなく、電気的な導通を行わない領域」のことを意味する。より具体的には、本実施形態においては、ステンレス層3aの全領域と、銅層3bの一部の領域(図1、図2(a)に破線で示す領域)とに非導通領域32を設けてある。
更に本実施形態においては図1、図2に示すように、ステンレス層3aからなる非導通領域32に、既述した外枠領域10に形成してある貫通孔Kと同一形状、同一大きさからなる複数の貫通孔Kを設ける構成としてある。
より具体的には、非導通領域32のうち、基材層2の表裏が導電性金属層3で積層される部分の長さが10mmを超える領域部分については、その領域部分のステンレス層3aに複数の貫通孔Kを設ける構成としてある。
なお貫通孔Kの構成(形状等)は、既述した外枠領域10における貫通孔Kと同一であることから、以下の詳細な説明は省略する。但し、図2(a)に示すプリント配線形成領域30の端面30aから貫通孔Kまでの長さM及び非導通領域32の端面32aから貫通孔Kまでの長さNは10mm以下とすることが必要である。好適には、2mm〜8mm程度とすることが望ましい。
また既述した導通領域31に形成する配線回路や端子等(図示しない)は、基材層2の表面に銅をめっきで積層することで形成する、いわゆるアディティブ法等の公知の形成方法を用いて形成することができる。
外枠領域10及びプリント配線形成領域30の非導通領域32において、基材層2の表裏が導電性金属層3で積層される部分の長さが10mmを超える領域部分については、その領域部分のステンレス層3aに複数の貫通孔Kを設ける構成とすることで、絶縁層4を形成するための熱イミド化反応を行う高温処理工程(具体的には300℃〜400℃程度の高温処理工程)で、基材層2を形成する絶縁性樹脂の残留低分子成分の揮発等によって基材層2の表裏に積層される導電性金属層3に膨れが生じることを効果的に防止することができる。
つまり熱イミド化反応を行う高温処理工程においては、基材層2を形成する絶縁性樹脂の残留低分子成分の揮発や、未反応のイミド基が環化する際に発生する水分の揮発が生じる。このような揮発が生じる際、特に基材層2の表裏が導電性金属層3で積層される部分の長さが10mmを超える領域部分については、基材層2の表裏が導電性金属層3で密閉される状態となることで、残留低分子成分の揮発等が基材層2と導電性金属層3との界面にたまり、基材層2の表裏に積層される導電性金属層3に膨れが発生してしまう。
よって貫通孔Kを設ける構成とすることで、残留低分子成分の揮発等を貫通孔Kから効率的に逃がすことできる。よって残留低分子成分の揮発等が基材層2と導電性金属層3との界面にたまることがなく、残留低分子成分の揮発等によって基材層2の表裏に積層される導電性金属層3に膨れが生じることを効果的に防止することができる。
従ってプリント配線集合シート1の製造工程において、シート全体に寸法ズレや歪みなどが発生することを効果的に防止することができる。よってプリント配線集合シート1の製造工程に支障(製造不良や製造不可等)が生じることがなく、製造効率の良いプリント配線集合シート1とすることができる。
またプリント配線集合シート1を用いて形成されるプリント配線板40においては、製品としてのプリント配線板40になる前のプリント配線集合シート1であったときの非導通領域32のうち、基材層2の表裏が導電性金属層3で積層される部分の長さが10mmを超える領域部分については、その領域部分の導電性金属層3に複数の貫通孔Kを設ける構成とすることで、製造段階において非導通領域32の導電性金属層3に膨れが生じることを効果的に防止することができるプリント配線板40とすることができる。よって製造効率が良く、歩留まりが良好なプリント配線板40とすることができる。
また貫通孔Kの間隔Pを10mm以下(好適には2mm〜8mm程度)とすると共に、外枠領域10の端面10aから貫通孔Kまでの長さLを10mm以下(好適には2mm〜8mm程度)とし、且つプリント配線形成領域30の端面30aから貫通孔Kまでの長さM及び非導通領域32の端面32aから貫通孔Kまでの長さNを10mm以下(好適には2mm〜8mm程度)とする構成とすることで、非導通領域32と外枠領域10とのそれぞれの領域内において、基材層2の表裏が導電性金属層3で積層される(挟まれる)部分の長さが10mmを超える領域部分が形成されることを効果的に防止することができる。よって基材層2を形成する絶縁性樹脂の残留低分子成分の揮発等によって基材層2の表裏に積層される導電性金属層3に膨れが生じることを効果的に防止することができる。
また基材層2の裏側(下面側)に積層される導電性金属層3にのみ貫通孔Kを形成する構成とすることで、貫通孔Kの形成工程を容易化させることができ、熱イミド化反応を行う高温処理工程で、基材層2の表裏に積層される導電性金属層3に膨れが生じることを効果的に防止することができるプリント配線集合シート1及びプリント配線板40を効率良く製造することができる。
更に外枠領域10及び非導通領域32に形成する複数の貫通孔を同一形状、同一大きさからなる複数の貫通孔Kとする構成とすることで、貫通孔Kの形成工程を一段と容易化させることができ、基材層2の表裏に積層される導電性金属層3に膨れが生じることを効果的に防止することができるプリント配線集合シート1及びプリント配線板40を一段と効率良く製造することができる。
また貫通孔Kの大きさを、面積が1mm2〜10mm2程度とする構成とすることで、プリント配線集合シート1の剛性を良好に保持することができる。よって基材層2を形成する絶縁性樹脂の残留低分子成分の揮発等に伴う導電性金属層3の膨れの防止と、プリント配線集合シート1のシワ折れ防止とを同時に実現することができる。
また図5(a)に示すように外枠領域6の一部に、基材層5aの表裏に積層される導電性金属層5bを貫通させてなる位置合わせ用の貫通孔9(いわゆるアライメントマーク)を形成するものが一般的であった。
なおプリント配線集合シート5は、外枠領域6を構成する基材層5aの表裏全面に導電性金属層5bを備える構成であるものとする。またプリント配線形成領域8を構成する基材層5aの少なくとも裏側の全面及び表側の非導通領域8bに対応する全面に導電性金属層5bを備える構成であるものとする。
このようなプリント配線集合シート5においては、外枠領域6及び非導通領域8bにおいて、基材層5aの表裏が導電性金属層5bで積層される部分の長さが10mmを超える領域部分が形成されることになる。
このような基材層5aの表裏が導電性金属層5bで積層される部分の長さが10mmを超える領域部分が形成されるプリント配線集合シート5において、熱イミド化反応を経て絶縁層5cを形成する場合、熱イミド化反応を行う高温処理工程において基材層5aを形成する絶縁性樹脂の残留低分子成分の揮発や、未反応のイミド基が環化する際に発生する水分の揮発の逃げ場所が無いことで、残留低分子成分の揮発等が基材層5aと導電性金属層5bとの界面にたまり、基材層5aの表裏に積層される導電性金属層5bに図5(b)に示すような膨れFが生じるという問題があった。
このような膨れFが生じた場合、シート全体に寸法ズレや歪みが発生することで、プリント配線集合シート5の製造工程に支障が生じるという問題があった。
なお従来のプリント配線集合シート5を形成する基材層5a等の各部材は既述したプリント配線集合シート1と同一なものであることから、プリント配線集合シート5を形成する各部材の詳細な説明は省略するものとする。
よって製造効率の良いプリント配線集合シート1とすることができる。また製造効率が良く、歩留まりの良好なプリント配線板40とすることができる。
まず図3(a)を参照して、基材層形成工程Qにより、絶縁性の樹脂フィルムを所定形状に裁断することで基材層2を形成する。
次に図3(a)を参照して、導電性金属層形成工程Rにより、基材層2の裏側(下面側)にステンレス鋼からなるシート板を貼り付けることでステンレス層3aを形成する。
次に図3(b)を参照して、導電性金属層形成工程Rにおける貫通孔形成工程R1により、ステンレス層3aにおいて外枠領域10及び非導通領域32になる領域部分のうち、基材層2の表裏が導電性金属層3で積層される部分の長さが10mmを超えることになる領域部分に同一形状、同一大きさからなる複数の貫通孔Kを形成する。より具体的には、図示しないエッチングレジストを用いてステンレス層3aを所定形状に加工する際(スリット領域20となる領域部分をエッチングで除去する際)に、同時に貫通孔Kを形成する領域部分のステンレス層3aをエッチングで除去する。これにより複数の貫通孔Kが形成される。更につなぎ領域11部分のステンレス層3aも同時にエッチングで除去する。
なおこの際、図2(a)、図3(b)に示す貫通孔Kの間隔Pを10mm以下(好適には2mm〜8mm程度)とすると共に、外枠領域10の端面10aから貫通孔Kまでの長さLを10mm以下(好適には2mm〜8mm程度)とし、且つプリント配線形成領域30の端面30aから貫通孔Kまでの長さM及び非導通領域32の端面32aから貫通孔Kまでの長さNを10mm以下(好適には2mm〜8mm程度)とすることが必要である。
また貫通孔Kの大きさは、面積が1mm2〜10mm2程度となることが望ましい。
次に図3(c)を参照して、導電性金属層形成工程Rにより、基材層2の表側(上面側)に銅めっきを施すことで銅層3bを形成する。
次に図3(d)を参照して、導電性金属層形成工程Rにおける配線回路形成工程R2により、プリント配線形成領域30の導通領域31になる領域に図示しない配線回路や端子等を形成する。より具体的には、図示しないエッチングレジストを用いて銅層3bの所定領域(配線回路等を形成しない領域)をエッチングで除去する。これにより導通領域31となる領域に配線回路や端子等が形成される。なおこの際、後につなぎ領域11及びスリット領域20となる部分の銅層3bもエッチングで除去する。
次に図4(a)を参照して、絶縁層形成工程Sにより、基材層2の上面及び銅層3bに感光性ポリイミド樹脂4aを被覆する。
次に図4(b)を参照して、絶縁層形成工程Sにより、被覆した感光性ポリイミド樹脂4aを露光処理し、現像処理した後、熱硬化手段50を用いて300℃〜400℃程度の熱を加えて硬化させる。
以上の工程を経て、図4(c)に簡略化して示すプリント配線集合シート1を製造するための原板60が形成される。
そして図示しない分割工程により、金型による打ち抜き加工やルーター等による切除加工等を用いて原板60にスリット領域20を形成することで、本発明の実施形態に係るプリント配線集合シート1が製造される。更にプリント配線形成領域30の導通領域31に図示しない電子部品を実装した後、各プリント配線形成領域30がつなぎ領域11との境界で切断されて外枠領域10と分離されることで、製品としてのフレキシャ用のプリント配線板40が形成される。
外枠領域10及びプリント配線形成領域30となる領域において、基材層2の表裏が導電性金属層3で積層される部分の長さが10mmを超える領域部分については、その領域部分のステンレス層3aに複数の貫通孔Kを設ける構成とすることで、既述したように絶縁層4を形成するための熱イミド化反応を行う高温処理工程(具体的には300℃〜400℃程度の高温処理工程)で、基材層2を形成する絶縁性樹脂の残留低分子成分の揮発等によって基材層2の表裏に積層される導電性金属層3に膨れが生じることを効果的に防止することができる。よってシート全体に寸法ズレや歪みなどが発生することを効果的に防止することができる。従ってプリント配線集合シート1の製造工程に支障が生じることがなく、製造効率の良いプリント配線集合シート1の製造方法とすることができる。
またプリント配線集合シート1を用いて形成されるプリント配線板40においては、製品としてのプリント配線板40になる前のプリント配線集合シート1であったときの非導通領域32のうち、基材層2の表裏が導電性金属層3で積層される部分の長さが10mmを超える領域部分については、その領域部分の導電性金属層3に複数の貫通孔Kを設ける構成とすることで、製造段階において非導通領域32の導電性金属層3に膨れが生じることを効果的に防止することができるプリント配線板40とすることができる。よって製造効率が良く、歩留まりの良好なプリント配線板40を製造することができる。
また貫通孔Kの間隔Pを10mm以下(好適には2mm〜8mm程度)とすると共に、外枠領域10の端面10aから貫通孔Kまでの長さLを10mm以下(好適には2mm〜8mm程度)とし、且つプリント配線形成領域30の端面30aから貫通孔Kまでの長さM及び非導通領域32の端面32aから貫通孔Kまでの長さNを10mm以下(好適には2mm〜8mm程度)とする構成とすることで、プリント配線形成領域30の非導通領域32と外枠領域10とのそれぞれの領域内において、基材層2の表裏が導電性金属層3で積層される(挟まれる)部分の長さが10mmを超える領域部分が形成されることを効果的に防止することができる。よって熱イミド化反応を行う高温処理工程で、基材層2を形成する絶縁性樹脂の残留低分子成分の揮発等によって基材層2の表裏に積層される導電性金属層3に膨れが生じることを効果的に防止することができる。
また基材層2の裏側(下面側)に積層される導電性金属層3にのみ貫通孔Kを形成する構成とすることで、貫通孔Kの形成工程を容易化させることができ、熱イミド化反応を行う高温処理工程で、基材層2の表裏に積層される導電性金属層3に膨れが生じることを効果的に防止することができるプリント配線集合シート1及びプリント配線板40を効率良く製造できる製造方法とすることができる。
更に外枠領域10及びプリント配線形成領域30における非導通領域32に形成する複数の貫通孔を同一形状、同一大きさからなる複数の貫通孔Kとする構成とすることで、貫通孔Kの形成工程を一段と容易化させることができ、熱イミド化反応を行う高温処理工程で、基材層2の表裏に積層される導電性金属層3に膨れが生じることを効果的に防止することができるプリント配線集合シート1及びプリント配線板40を一段と効率良く製造できる製造方法とすることができる。
また貫通孔Kの大きさを、面積が1mm2〜10mm2程度とする構成とすることで、プリント配線集合シート1の剛性を保持することができる。よって基材層2の残留低分子成分の揮発等に伴う導電性金属層3の膨れの防止と、シワ折れ防止とを同時に実現することができるプリント配線集合シート1の製造方法とすることができる。
また本実施形態においては、プリント配線形成領域30において、基材層2の表側にのみ導通領域31を形成する構成としたが、必ずしもこのような構成に限るものではなく、基材層2の裏側にのみ導通領域31を形成する構成としてもよい。また基材層2の表裏の両側に導通領域31を形成する構成としてもよい。このような構成とすることで熱イミド化反応を行う高温処理工程で、基材層2の表裏に積層される導電性金属層3に膨れが生じることを効果的に防止することができる両面プリント配線板を形成することができる。
また本実施形態においては、貫通孔Kを基材層2の裏側に積層される導電性金属層3にのみ形成する構成としたが、必ずしもこのような構成に限るものではなく、基材層2の表側に積層される導電性金属層3にのみ形成する構成としてもよいし、基材層2の表裏両側に積層される導電性金属層3に形成する構成としてもよい。なお基材層2の表裏両側に積層される導電性金属層3に貫通孔Kを形成する場合は、基材層2の表裏の導電性金属層3間で異なる位置に貫通孔Kを形成する構成としてもよいし、基材層2の表裏の導電性金属層3間の対向する位置に貫通孔Kを形成する構成としてもよい。但しプリント配線集合シートの剛性を考慮すれば基材層2の表裏の導電性金属層3間で異なる位置に貫通孔Kを形成する構成とすることが望ましい。
また本実施形態においては、外枠領域10と非導通領域32とに形成する複数の貫通孔Kを同一形状、同一大きさの貫通孔Kとする構成としたが、必ずしもこのような構成に限るものではなく、外枠領域10と非導通領域32とで形成する貫通孔Kを異なる形状、異なる大きさとしてもよい。更に外枠領域10内、非導通領域32内に形成する複数の貫通孔Kをそれぞれ異なる形状、異なる大きさとしてもよい。このような構成とすることで、それぞれの領域により適した貫通孔Kを形成することができる。
また本実施形態においては、外枠領域10及び非導通領域32に複数の貫通孔Kを形成する構成としたが、必ずしもこのような構成に限るものではない。例えば非導通領域32又は/及び外枠領域10において、1つの貫通孔Kを形成することで基材層2の表裏が導電性金属層3で積層される部分の長さが10mmを超える領域部分がなくなる場合は貫通孔Kを1つ形成するだけの構成でよい。但し外枠領域10においては、その剛性を補強するために1つの貫通孔Kを形成するよりも複数の貫通孔Kを形成することが望ましい。
また基材層2の表裏が導電性金属層3で積層される部分の長さが10mmを超える領域部分が、非導通領域32にはなく、外枠領域10にのみ存在する場合は、外枠領域10にのみ貫通孔Kを形成する構成とすればよい。またこれとは逆に基材層2の表裏が導電性金属層3で積層される部分の長さが10mmを超える領域部分が、外枠領域10にはなく、プリント配線形成領域30の非導通領域32にのみ存在する場合は、非導通領域32にのみ貫通孔Kを形成する構成とすればよい。つまりプリント配線形成領域30の非導通領域32と外枠領域10との少なくとも何れか一方の領域のうち、基材層2の表裏が導電性金属層3で積層される部分の長さが10mmを超える領域部分については、その領域部分の導電性金属層3に1乃至複数の貫通孔Kを設ける構成とするものであれば、如何なる構成としてもよい。
また本実施形態においては、貫通孔形成工程R1においてエッチングレジストを用いてステンレス層3aに複数の貫通孔Kを形成する構成としたが、貫通孔Kの形成方法は必ずしもこのような構成に限るものではない。例えば銅層3bに複数の貫通孔Kを形成する場合は、配線回路形成工程R2において配線回路等をアディティブ法やサブトラクティブ法等で形成する際に同時に貫通孔Kを形成する構成としてもよい。
また外枠領域10、スリット領域20、プリント配線形成領域30の外形、導通領域31、非導通領域32の形成位置、大きさ等も本実施形態のものに限るものではなく、適宜変更可能である。
またプリント配線集合シート1で形成されるプリント配線板の種類もフレキシブルプリント配線板、リジットフレキシブルプリント配線板等、各種プリント配線板とすることができる。
2 基材層
3 導電性金属層
3a ステンレス層
3b 銅層
4 絶縁層
4a 感光性ポリイミド樹脂
5 プリント配線集合シート
5a 基材層
5b 導電性金属層
5c 絶縁層
6 外枠領域
6a つなぎ領域
7 スリット領域
8 プリント配線形成領域
8a 導通領域
8b 非導通領域
9 アライメントマーク
10 外枠領域
10a 端面
11 つなぎ領域
20 スリット領域
30 プリント配線形成領域
30a 端面
31 導通領域
32 非導通領域
32a 端面
40 プリント配線板
50 熱硬化手段
60 原板
K 貫通孔
L 長さ
M 長さ
N 長さ
P 間隔
Q 基材層形成工程
R 導電性金属層形成工程
R1 貫通孔形成工程
R2 配線回路形成工程
S 絶縁層形成工程
Claims (6)
- 電気的な導通を行わない非導通領域を備える複数のプリント配線形成領域と、該複数のプリント配線形成領域を支持するための外枠領域とが一部で連結されてなるプリント配線集合シートであって、前記プリント配線形成領域及び前記外枠領域が絶縁性樹脂からなる基材層と、該基材層の表裏に積層される導電性金属層と、該導電性金属層及び前記基材層を被覆する絶縁層とから形成されると共に、該絶縁層が熱イミド化反応を経て形成されるものにおいて、前記プリント配線形成領域の非導通領域と前記外枠領域との少なくとも何れか一方の領域のうち、前記基材層の表裏が前記導電性金属層で積層される部分の長さが10mmを超える領域部分については、その領域部分の前記導電性金属層に1乃至複数の貫通孔を設けてあることを特徴とするプリント配線集合シート。
- 前記複数の貫通孔は、隣接する貫通孔の間隔が10mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線集合シート。
- 前記貫通孔は、前記基材層の表裏に備える何れか一面側の前記導電性金属層に形成してあることを特徴とする請求項1又は2に記載のプリント配線集合シート。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載のプリント配線集合シートを用いて形成されることを特徴とするプリント配線板。
- 前記プリント配線集合シートであったときの前記プリント配線形成領域の非導通領域に、1乃至複数の前記貫通孔を設けてあることを特徴とする請求項4に記載のプリント配線板。
- 請求項1に記載のプリント配線集合シートの製造方法であって、絶縁性樹脂からなる基材層を形成する基材層形成工程と、前記基材層の表裏に導電性金属層を形成する導電性金属層形成工程と、前記基材層及び前記導電性金属層に絶縁性樹脂を被覆した後、熱イミド化処理を経て絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、電気的な導通を行わない非導通領域を備える複数のプリント配線形成領域と該複数のプリント配線形成領域を支持する外枠領域とに分割する分割工程とを少なくとも備えると共に、前記導電性金属層形成工程に、前記基材層の表裏の少なくとも何れか一面側に形成される前記導電性金属層に配線回路を形成する配線回路形成工程と、前記非導通領域と前記外枠領域との少なくとも何れか一方の領域のうち、前記基材層の表裏が前記導電性金属層で積層される部分の長さが10mmを超える領域部分については、その領域部分の前記導電性金属層に1乃至複数の貫通孔を形成する貫通孔形成工程を備えることを特徴とするプリント配線集合シートの製造方法。
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