JP2013036055A - 溶銑の脱炭処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上底吹き型の転炉を用いて、溶銑脱燐処理を施された溶銑に該溶銑トン当たり4.0〜5.5Nm3/minの速度で上吹き酸素を吹き付けて脱炭処理を行う。その際に、上吹き酸素の吹付け時間が全吹付け時間の1/5経過するまでに取鍋スラグを転炉内に投入すると共に、上吹き酸素の吹付け終了時点での転炉内スラグ中Al2O3質量%とCaO質量%との比が0.05〜0.09の範囲になるように調整する。さらに、上吹き酸素吹付けによるL/L0を、上吹き酸素の全吹付け時間の1/4が経過する時点までは0.03〜0.10に、その後その上吹き酸素の吹付け終了までは0.20〜0.35に制御する。
【選択図】図3
Description
すなわち、本発明の技術的特徴は、以下の(1)および(2)のように纏めて記載することができる。
0.03 ≦ L/L0 ≦ 0.10 ・・・・・(1)
(B)上吹き酸素の全吹付け時間の1/4が経過した時点から、その上吹き酸素の吹付け終了まで
0.20 ≦ L/L0 ≦ 0.35 ・・・・・(2)
但し、上記(A)及び(B)において、
d・v0・cosθ0 = 1.24 × (L+h)・L1/2 ・・・・・(3)
L:上吹き酸素吹付けにより形成される鋼浴表面の凹み深さ(mm)、L0:鋼浴深さ(mm)
d:上吹き酸素吹付けランスの先端に設置された酸素噴射ノズル孔の直径(mm)
v0:酸素噴射ノズル孔の出口における酸素ガスの速度(m/s)、
θ0:上吹き酸素吹付けランスの軸方向と酸素噴射ノズル孔の軸方向とのなす角度(rad)、
h:上吹き酸素吹付けランスの先端から鋼浴表面までの距離(mm)である。
本発明は、溶銑脱燐処理を施された溶銑の高能率かつ高効率な脱炭処理方法に関し、より具体的には、溶銑脱燐後の溶銑を転炉を用いてスピッティングやダストの発生量を抑制しつつ、6.0〜8.0分間で溶鋼を製造する方法である。脱燐処理後の溶銑は、一般的には溶銑中P濃度が0.03質量%以下に低減されていて、脱炭処理時の脱燐処理負担が軽減されている。したがって、転炉吹錬時に脱燐能力を担保するためのCaO源の溶融滓化時間を気にすることなく、単位時間当たりの酸素供給流量を増やすことによって、原理的には脱炭処理時間を短縮することが可能と言える。
本発明では、処理時間の早い段階で溶銑上にカバースラグを生成させ、かつ別途供給する炉内スラグ生成用副原料の溶融滓化を促進するために、早期スラグ生成用副原料(スラグ生成促進剤)として取鍋スラグを投入する。この取鍋スラグは、連続鋳造終了後に取鍋内に残存したスラグであり、概ね表1に示す範囲の組成を有するものである。これらの組成の内、特にAl2O3濃度は取鍋スラグ自身の融点を下げてその溶融性を高め、かつ、脱炭処理中の転炉内スラグの融点を低く維持するために重要であって、取鍋スラグのAl2O3質量濃度は10%以上であることが好ましい。なお、取鍋スラグとしての特性上、Al2O3質量濃度は25%以下が普通である。また、本発明の目的の達成を容易にするためには、取鍋スラグの最大粒径を30mm以下にして早期滓化を容易にすることが好ましい。さらに、取鍋スラグを転炉内に投入する際の飛散ロスを低減するために、その最少粒径が5mm以上になるように予め篩っておくことが一層好ましい。
1)共通する調査条件
本発明では、前記したように早期スラグ生成用副原料として取鍋スラグを使用して上吹き酸素の吹付け開始後の早期からカバースラグを溶銑上に生成させ、かつ、炉内スラグ生成用副原料としてCaO源とAl2O3源の必要量を炉内に添加して、脱炭処理終了時点での炉内スラグ組成を適切な範囲に調整する。但し、スピッティングやスロッピングの発生を抑制しつつ、6.0分間以上8.0分間以下と短い時間で脱炭処理を行うためには、副原料使用条件と上吹き酸素の供給条件との関係が及ぼす影響を適切に把握し、その関係を適切に制御できるようにしておく必要がある。そのために実験調査を行ったので、先ずその共通的調査条件について説明する。
先ず、前記した共通条件の下で、上吹き酸素の供給条件をL/L0=0.10〜0.20の範囲で、酸素供給中にはL/L0を変更しない条件として、脱炭処理後のスラグ組成がスピッティング発生に及ぼす影響を調査した。
L:上吹き酸素吹付けにより形成される鋼浴表面の凹み深さ(mm)、L0:鋼浴深さ(mm)
d:上吹き酸素吹付けランスの先端に設置された酸素噴射ノズル孔の直径(mm)
v0:酸素噴射ノズル孔の出口における酸素ガスの速度(m/s)
θ0:上吹き酸素吹付けランスの軸方向と酸素噴射ノズル孔の軸方向とのなす角度(rad)
h:上吹き酸素吹付けランスの先端から鋼浴表面までの距離(mm)
その調査結果を、図2にグラフで示す。図2は、上吹き酸素の吹付け条件をL/L0=0.10〜0.20の範囲として、脱炭処理後スラグのAl2O3質量%とCaO質量%との比(Al2O3質量%/CaO質量%)がスピッティングとスロッピングの発生に及ぼす影響を調査した結果であって、縦軸の数値はスピッティングおよびスロッピングが発生した度合いを、発生の少ない、または弱いものから順次0〜4の5段階で評価して指数化したものである。その指数が1以下であれば「連続操業に支障が生じないレベル」であり、指数が2になると「連続操業は可能であるものの、鉄歩留り低下や転炉炉口部の付着地金除去の手間が無視できないレベル」であり、指数が3になると「操業は可能であるが、連続操業には適さないと感じられるレベル」であり、指数が4では「そのままの条件では、その処理の継続が困難と感じられるレベル」にそれぞれ相当している。
次に、前記した上吹き酸素の吹付け条件をL/L0=0.10〜0.20の範囲として、脱炭処理後のスラグ組成がスピッティング・スロッピングに及ぼす影響を調査した結果を踏まえ、前記した共通条件の下で、その脱炭処理後のスラグ組成をスラグのAl2O3質量%とCaO質量%との比が0.05〜0.09の範囲内になるように調整して、上吹き酸素のL/L0がスピッティング、スロッピングに及ぼす影響を調査した。
(A)上吹き酸素の吹付け開始から、その全吹付け時間の1/4が経過する時点まで
0.03 ≦ L/L0 ≦ 0.10 ・・・・・(1)
(B)上吹き酸素の全吹付け時間の1/4が経過した時点から、その上吹き酸素の吹付け終了まで
0.20 ≦ L/L0 ≦ 0.35 ・・・・・(2)
但し、上記(A)及び(B)において、
d・v0・cosθ0 = 1.24 × (L+h)・L1/2 ・・・・・(3)
L:上吹き酸素吹付けにより形成される鋼浴表面の凹み深さ(mm)、L0:鋼浴深さ(mm)
d:上吹き酸素吹付けランスの先端に設置された酸素噴射ノズル孔の直径(mm)
v0:酸素噴射ノズル孔の出口における酸素ガスの速度(m/s)、
θ0:上吹き酸素吹付けランスの軸方向と酸素噴射ノズル孔の軸方向とのなす角度(rad)、
h:上吹き酸素吹付けランスの先端から鋼浴表面までの距離(mm)である。
2 鋼浴
3 酸素噴流
Claims (2)
- 上底吹き型の転炉を用いて、溶銑脱燐処理を施された溶銑に該溶銑トン当たり4.0〜5.5Nm3/minの速度で上吹き酸素を吹き付けて脱炭処理する方法であって、
前記上吹き酸素の吹付け時間が、その吹付け開始からその全吹付け時間の1/5が経過するまでに、取鍋スラグを前記転炉内に投入すること、
および、前記上吹き酸素の吹付け終了時点での転炉内スラグ中Al2O3質量%とCaO質量%との比(Al2O3質量%/CaO質量%)を0.05〜0.09に調整すること、
並びに、前記上吹き酸素の吹付けを以下の(A)及び(B)に従って行うことを特徴とする、溶銑の脱炭処理方法。
(A)上吹き酸素の吹付け開始から、その全吹付け時間の1/4が経過する時点まで
0.03 ≦ L/L0 ≦ 0.10 ・・・・・(1)
(B)上吹き酸素の全吹付け時間の1/4が経過した時点から、その上吹き酸素の吹付け終了まで
0.20 ≦ L/L0 ≦ 0.35 ・・・・・(2)
但し、上記(A)及び(B)において、
d・v0・cosθ0 = 1.24 × (L+h)・L1/2 ・・・・・(3)
L:上吹き酸素吹付けにより形成される鋼浴表面の凹み深さ(mm)、L0:鋼浴深さ(mm)
d:上吹き酸素吹付けランスの先端に設置された酸素噴射ノズル孔の直径(mm)
v0:酸素噴射ノズル孔の出口における酸素ガスの速度(m/s)、
θ0:上吹き酸素吹付けランスの軸方向と酸素噴射ノズル孔の軸方向とのなす角度(rad)、
h:上吹き酸素吹付けランスの先端から鋼浴表面までの距離(mm)である。 - 前記上吹き酸素の吹付け時間がその吹付け開始からその全吹付け時間の1/5経過するまでに前記転炉内に投入する取鍋スラグの質量を、前記溶銑トン当たり5〜8kgとし、かつ、前記上吹き酸素の吹付け終了時点までに前記転炉内に投入するAl2O3源とCaO源との合計質量を、前記取鍋スラグの投入質量を含めて前記溶銑トン当たり20〜30kgとすることを特徴とする、請求項1に記載された溶銑の脱炭処理方法。
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