JP2013035743A - 炭素質複合体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】炭素質材料が主成分でありながら外部磁場によって、その動きを制御することのできる炭素質複合体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】無定形炭素のマトリックス中に酸化鉄、酸化コバルト及び酸化ニッケルからなる群から選択される少なくとも1種の酸化物の粒子が分散し、前記酸化物の粒子の平均粒径が2〜100nmであり、炭素原子に対する、鉄原子、コバルト原子及びニッケル原子の合計の比(Metal/C)が0.001〜0.5であることを特徴とする炭素質複合体。
【選択図】図6

Description

本発明は、無定形炭素と酸化鉄、酸化コバルト及び酸化ニッケルからなる群から選択される少なくとも1種の酸化物とを含む炭素質複合体及びその製造方法に関する。また、本発明は、当該炭素質複合体からなる固体酸、触媒前駆体、吸着材及び固体酸を触媒として用いる加水分解反応方法に関する。
無定形炭素は、熱的、化学的安定性に優れ、低コストで製造できることから様々な分野において炭素質材料として利用されている。無定形炭素とは、一般的に、ダイヤモンドやグラファイト(黒鉛)のような明確な結晶構造を持たないものをいう。無定形炭素は、比較的穏和な条件で有機物を炭化処理する方法などによって得ることができる。例えば、特許文献1には、有機物としてセルロースを用い、当該セルロースを450℃、5時間炭化処理することによって無定形炭素が得られることが記載されている。
ところで、近年、無定形炭素などの炭素質材料に化学的な処理を施したり、炭素質材料と金属化合物とを複合化したりすることにより、炭素質材料に新たな機能を付加する手法が知られている。
特許文献1には、セルロースを炭化して得られた、グラフェンシートを含む無定形炭素を、濃硫酸または発煙硫酸中で加熱処理(スルホン化処理)することが記載されている。これにより、当該無定形炭素にスルホ基が導入されて、固体酸が得られ、それを金属塩と反応させることによって金属触媒が得られることが記載されている。
また、特許文献2には、炭素質物質と金属含有物質を混合して、当該混合物を不活性ガス雰囲気中で1600℃〜2800℃に加熱することで得られるグラファイト被覆金属粒子が開示されている。そこには、上記金属含有物質の一例として、マグネタイト(Fe)やヘマタイト(Fe)などの酸化鉄磁性体も記載されている。しかしながら、特許文献2に開示されている複合材料は、酸化鉄の粒子をグラファイト(黒鉛)で覆ったものであり、その主成分は酸化鉄である。
特開2009−268960号公報 特開平9−143502号公報
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、炭素質材料が主成分でありながら外部磁場によって、その動きを制御することのできる炭素質複合体及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題は、無定形炭素のマトリックス中に酸化鉄、酸化コバルト及び酸化ニッケルからなる群から選択される少なくとも1種の酸化物の粒子が分散し、前記酸化物の粒子の平均粒径が2〜100nmであり、炭素原子に対する、鉄原子、コバルト原子及びニッケル原子の合計の比(Metal/C)が0.001〜0.5であることを特徴とする炭素質複合体を提供することによって解決される。
また、上記炭素質複合体が、無定形炭素のマトリックス中に酸化鉄の粒子が分散し、前記酸化鉄の粒子の平均粒径が2〜100nmであり、炭素原子に対する鉄原子の比(Fe/C)が0.001〜0.5であることが好適な実施形態である。
上記無定形炭素がグラフェンシートを含むことが好適である。上記炭素質複合体は、保磁力が500Oe以下であり、飽和磁化が2〜50emu/gであることが好適である。上記炭素質複合体は、BJH法により求められる細孔容積が0.02〜0.3cm/gであり、平均細孔直径が2〜10nmであることも好適である。上記炭素質複合体は、炭素原子に対する水素原子の比(H/C)が1未満であることも好適である。上記無定形炭素が水溶性の多糖を炭化させて得られたものであることも好適である。上記炭素質複合体は、表面にカルボキシル基及び水酸基を有することも好適である。上記炭素質複合体は、表面にスルホ基を有するとともに、硫酸鉄(III)を含み、炭素原子に対する硫黄原子の比(S/C)が0.005〜0.15であることも好適である。
上記課題は、上記炭素質複合体からなる固体酸によっても解決される。また、上記課題は、上記炭素質複合体からなる触媒前駆体によっても解決される。さらに、上記課題は、上記炭素質複合体からなる吸着材によっても解決される。
上記課題は、鉄塩、コバルト塩及びニッケル塩からなる群から選択される少なくとも1種の金属塩と水溶性の多糖とを水の存在下で混合する第1工程と、前記第1工程で得られた混合物を炭化させる第2工程とを備える炭素質複合体の製造方法を提供することによっても解決される。また、鉄塩、コバルト塩及びニッケル塩からなる群から選択される少なくとも1種の金属塩と水溶性の多糖とを水の存在下で混合する第1工程と、前記第1工程で得られた混合物を炭化させる第2工程と、前記第2工程で得られた炭素質複合体をさらにスルホン化処理する第3工程とを備える炭素質複合体の製造方法を提供することによっても解決される。このとき、前記第2工程において、前記第1工程で得られた混合物を不活性ガス雰囲気下で150℃以上の温度で加熱することが好適である。
上記課題は、上記固体酸を触媒として用いセルロースを加水分解することを特徴とするセルロースの加水分解反応方法によっても解決される。
本発明の炭素質複合体は、無定形炭素のマトリックス中に酸化鉄、酸化コバルト及び酸化ニッケルからなる群から選択される少なくとも1種の酸化物の粒子が分散しているので、炭素質材料が主成分でありながら磁性を有し、外部磁場によってその動きを制御することができる。さらに、本発明の製造方法によれば、このような炭素質複合体を簡便に得ることができる。
実施例1で得られた炭素質複合体の示差走査熱分析の結果を示した図である。 実施例2で得られた炭素質複合体の示差走査熱分析の結果を示した図である。 実施例1で得られた炭素質複合体の走査型電子顕微鏡写真(SEM像)を示した図である。 実施例2で得られた炭素質複合体の走査型電子顕微鏡写真(SEM像)を示した図である。 実施例1で得られた炭素質複合体の透過型電子顕微鏡写真(TEM像)を示した図である。 実施例1で得られた炭素質複合体の透過型電子顕微鏡写真(TEM像)を示した図である。 実施例2で得られた炭素質複合体の透過型電子顕微鏡写真(TEM像)を示した図である。 実施例2で得られた炭素質複合体の透過型電子顕微鏡写真(TEM像)を示した図である。 実施例1で得られた炭素質複合体のBJH法により解析した細孔分布曲線を示した図である。 実施例2で得られた炭素質複合体のBJH法により解析した細孔分布曲線を示した図である。 実施例3で得られた炭素質複合体のBJH法により解析した細孔分布曲線を示した図である。 実施例1で得られた炭素質複合体のHK法により解析した細孔分布曲線を示した図である。 実施例2で得られた炭素質複合体のHK法により解析した細孔分布曲線を示した図である。 実施例1及び2で得られた炭素質複合体の粉末X線回折法による定性分析結果を示した図である。 実施例3で得られた炭素質複合体の粉末X線回折法による定性分析結果を示した図である。 実施例1で得られた炭素質複合体のX線光電子分光法ワイドスキャン測定の結果を示した図である。 実施例2で得られた炭素質複合体のX線光電子分光法ワイドスキャン測定の結果を示した図である。 実施例1及び2で得られた炭素質複合体のX線光電子分光法ナロースキャン測定(O1s)の結果を示した図である。 実施例1及び2で得られた炭素質複合体のX線光電子分光法ナロースキャン測定(C1s)の結果を示した図である。 実施例1及び2で得られた炭素質複合体のX線光電子分光法ナロースキャン測定(Fe2p)の結果を示した図である。 実施例2で得られた炭素質複合体のX線光電子分光法ナロースキャン測定(S2p)の結果を示した図である。 実施例1及び2で得られた炭素質複合体のメスバウアー分光法による分析結果を示した図である。 実施例1及び2で得られた炭素質複合体の赤外分光測定結果を示した図である。 実施例2で得られた炭素質複合体の13C−NMR測定の結果を示した図である。 実施例1及び2で得られた炭素質複合体のラマン分光測定の結果を示した図である。 実施例1及び2で得られた炭素質複合体の磁気曲線を示した図である。 実施例3で得られた炭素質複合体の磁気曲線を示した図である。 実施例4で得られた炭素質複合体の磁気曲線を示した図である。 図26〜図28の磁気曲線をまとめて示した図である。 実施例2で得られた炭素質複合体を酸触媒として用いたセルロース加水分解反応生成物の液体クロマトグラフィー測定の結果を示した図である。 実施例1で得られた炭素質複合体を用いたセシウム吸着試験の結果を示す図である。 実施例1で得られた炭素質複合体(粒径100〜150μm)を用いたメチレンブルー吸着試験の結果を示す図である。 実施例1で得られた炭素質複合体(粒径100μm未満)を用いたメチレンブルー吸着試験の結果を示す図である。 実施例1で得られた炭素質複合体を用いたヨウ素吸着試験の結果を示す図である。
本発明の炭素質複合体は、無定形炭素のマトリックス中に平均粒径が2〜100nmの酸化鉄、酸化ニッケル及び酸化コバルトからなる群から選択される少なくとも1種の酸化物の粒子が分散したものである。このとき、微細な酸化物の粒子が、無定形炭素のマトリックス中に分散していることが重要であり、極めて微細な酸化物の粒子が無定形炭素のマトリックス中に分散していることにより、炭素質材料を主成分としながらも外部磁場によって、その動きを制御することができる炭素質複合体を提供することができる。
ここで、無定形炭素とは、一般的に、ダイヤモンドやグラファイト(黒鉛)のような明確な結晶構造を持たない炭素材料をいう。本発明の炭素質複合体が無定形炭素を含むことは、X線回折法による測定で確認することができる。無定形炭素はX線回折において、シャープなピークが検出されないか、あるいはピークが検出されても、そのピークの形はブロードである。例えば、本願実施例で得られた炭素質複合体の場合、炭素質複合体の粉末X線回折パターンにおいて、半値幅(2θ)10〜30°付近にブロードなピークが観測され、炭素質複合体が無定形炭素を含み、結晶性の炭素材料を含まないことがわかる。
本発明の炭素質複合体において、無定形炭素がグラフェンシートを含むことが好適である。ここで、グラフェンシートとは、芳香族環が2次元の平面上に縮合して連なった構造を有するものである。炭素質複合体がグラフェンシートを含む場合、ラマンスペクトルにおいて、ダングリングボンドを持つ炭素原子に起因するDバンドとよばれるピークが1350cm−1付近に検出される。
グラフィンシートの平均的なサイズは、ラマンスペクトルによるGバンドのピーク強度に対するDバンドの比(D/G)を根拠に算出することができる。例えば、本願実施例で得られた炭素質複合体では、比(D/G)が約0.8であり、そこに含まれるグラフェンシートの平均的なサイズが約1nmであった。一般的に、比(D/G)が小さいと、グラフェンシートのサイズが大きいこと示し、得られる無定形炭素は均質な安定した構造となる。一方、比(D/G)が大きいと、得られる無定形炭素は化学的に活性である。比(D/G)は、0.1〜2.25であることが好適であり、0.5〜2.0であることがより好適である。
本発明の炭素質複合体は、炭素原子に対する水素原子の比(H/C)が1未満であることが好適であり、0.8以下であることがより好適である。比(H/C)が1以上である場合、炭化が不十分となり、無定形炭素が得られないおそれがある。一方、比(H/C)は0.1以上であることが好適であり、0.2以上であることがより好適である。比(H/C)が0.1未満である場合、炭素質複合体中のグラフェンシートが成長しすぎて化学的に安定化し、当該炭素質複合体に官能基を導入することが難しくなるおそれがある。
本発明の炭素質複合体がカルボキシル基及び水酸基を有することが好ましい。これによって、炭素質複合体に種々の官能基を導入することができる。ここで、カルボキシルの含有量は、0.1〜10mmol/gであることが好適であり、0.2〜5mmol/gであることがより好適である。また、水酸基の含有量は、0.1〜10mmol/gであることが好適であり、0.2〜5mmol/gであることがより好適である。
本発明の炭素質複合体に含まれる酸化鉄の種類は特に限定されず、マグネタイト(Fe)、ヘマタイト(Fe)より好適にはマグヘマイト(γ−Fe)、硫酸鉄(III)(Fe(SO))などが例示される。そして、その平均粒径は、2〜100nmであり、好適には、5〜50nmである。ここで、酸化鉄の粒子の平均粒径は、炭素質複合体の透過型電子顕微鏡写真(TEM像)の撮影を行い、得られた写真中の粒子の直径を計測することによって得られる。粒子が円形でない場合には、円相当径を直径とする。このような微細な酸化鉄の粒子を含むことによって、炭素質材料を主成分としつつ、外部磁場によって、その動きを制御することができる炭素質複合体となる。
本発明の炭素質複合体は、炭素原子に対する、鉄原子、コバルト原子及びニッケル原子の合計の比(Metal/C)が0.001〜0.5である。炭素原子に対する上記金属原子の合計の比(Metal/C)が0.001未満である場合、炭素質複合体の磁性が不十分となり、外部磁場によって、その動きを制御し難くなるおそれがある。炭素原子に対する上記金属原子の合計の比(Metal/C)は0.005以上であることが好適であり、0.01以上であることがより好適である。一方、炭素原子に対する上記金属原子の合計の比(Metal/C)が0.5を超えると、例えば、本発明の炭素質複合体をスルホン化処理して固体酸とする場合、スルホ基が導入され難くなるおそれがある。炭素原子に対する上記金属原子の合計の比(Metal/C)は0.25以下であることが好適であり、0.1以下であることがより好適である。
本発明の炭素質複合体は、無定形炭素のマトリックス中に酸化鉄の粒子が分散していることが好適な実施態様である。この場合、炭素質複合体における、炭素原子に対する鉄原子の比(Fe/C)が0.001〜0.5であることが好適である。炭素原子に対する鉄原子の比(Fe/C)が0.005以上であることがより好適であり、0.01以上であることがさらに好適である。一方、炭素原子に対する鉄原子の比(Fe/C)が0.25以下であることがより好適であり、0.1以下であることがさらに好適である。
本発明の炭素質複合体は、その保磁力が小さいこと、すなわち軟磁性であることが好ましい。具体的には、保磁力が500Oe以下であることが好適であり、200Oe以下であることがより好適であり、100Oe以下であることがさらに好適である。保磁力が500Oeを超えると残留磁化が大きくなり、炭素質複合体同士が磁気的に凝集してしまうおそれがある。したがって、本発明の炭素質複合体の磁化曲線は、ヒステリシスがほとんど見られないことが好ましい。
本発明の炭素質複合体の飽和磁化は2〜50emu/gであることが好適であり、4〜20emu/gであることがより好適である。飽和磁化が2emu/g未満である場合、外部磁場に対する炭素質複合体の応答性が低下するため好ましくない。一方、飽和磁化が50emu/gを超える場合、炭素質材料を主成分とする炭素質複合体を作製し難くなるため好ましくない。
本発明の炭素質複合体のBJH法により求められる細孔容積は0.02〜0.3cm/gであることが好適である。細孔容積が0.02cm/g未満である場合、炭素質複合体に官能基を導入することが難しくなるおそれがある、一方、細孔容積が0.3cm/gを超える場合、炭素質複合体の機械的強度が低下するおそれがある。
本発明の炭素質複合体のBJH法により求められる平均細孔直径は2〜20nmであることも好適である。平均細孔直径が2nm未満である場合、炭素質複合体に官能基を導入することが難しくなるおそれがある、一方、平均細孔直径が20nmを超える場合、炭素質複合体の機械的強度が低下するおそれがある。より好適には10mm以下である。
本発明の炭素質複合体のBET比表面積が60〜150m/gであることも好適である。BET比表面積が60cm/g未満である場合、炭素質複合体に官能基を導入することが難しくなるおそれがある、一方、BET比表面積が150cm/gを超える場合、炭素質複合体の機械的強度が低下するおそれがある。
本発明の炭素質複合体の製造方法は、特に限定されるものではないが、その好適な製造方法は、鉄塩、コバルト塩及びニッケル塩からなる群から選択される少なくとも1種の金属塩と水溶性の多糖とを水の存在下で混合する第1工程と、当該第1工程で得られた混合物を炭化させる第2工程とを備えるものである。
第1工程で用いられる金属塩は、水の存在下で多糖と混合、加熱することにより酸化物となるものであれば特に限定されるものではない。塩としては、例えば、硝酸塩、塩酸塩、硫酸塩などが例示される。第1工程で用いられる多糖は、水溶性の多糖であれば特に限定されるものではない。例えば、水溶性の多糖として、セルロース誘導体及びその塩、デンプン、デキストリンなどが挙げられる。これらの中でも、セルロース誘導体及びその塩が好適であり、セルロース誘導体の塩がより好適である。セルロース誘導体としてはカルボキシメチルセルロース、塩としてはアルカリ金属塩などが好適なものとして例示される。
第1工程における混合操作は特に限定されない。金属塩の水溶液に多糖の粉体を加えて混合してもよいし、多糖の水溶液に金属塩の粉体を加えて混合してもよい。金属塩の粉体と多糖の粉体とを水に加えて混合してもよい。また、金属塩の水溶液と多糖の水溶液とを混合してもよい。
次に、第2工程において、炭化処理することで炭素質複合体を得る。当該炭化処理は、アルゴンガス、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で加熱することにより行うことが好適である。第2工程で炭化処理する前に、第1工程で得られた混合物を予め乾燥させて水分を取り除いておくことが好ましい。
第2工程における加熱温度は、上記混合物の炭化が進行するのであれば特に限定されないが、150℃以上であることが好適である。加熱温度が150℃未満である場合、多糖の炭化が不十分となったり、金属塩が酸化されなかったりして、無定形炭素のマトリックス中に酸化物の粒子が分散した炭素質複合体を得ることができなくなるおそれがある。一方、加熱温度が1000℃以下であることも好適である。加熱温度が1000℃を超える場合、炭化が進行した結果、炭素質複合体中のグラフェンシートが成長しすぎて、官能基の導入が困難になるおそれがある。
このようにして得られた本発明の炭素質複合体の粒径は通常数μm〜数百μm程度であるが、粉砕することにより、より細かい粒径とすることもできる。
第2工程の後、炭素質複合体に化学的処理を施し、当該炭素質複合体に酸性基などの官能基を導入することができる。例えば、第3工程として、第2工程で得られた炭素質複合体をさらにスルホン化処理し、当該炭素質複合体にスルホ基を導入することができる。
第3工程におけるスルホン化処理の方法は、炭素質複合体にスルホ基を導入することのできる方法であれば特に限定されないが、例えば、発煙硫酸や濃硫酸を用いる方法等が挙げられる。このとき、発煙硫酸と濃硫酸との混合液で処理することが好適であり、加熱することも好適である。
こうして得られたスルホ基を有する炭素質複合体において、炭素原子に対する硫黄原子の比(S/C)が0.005〜0.15であることが好ましい。炭素原子に対する硫黄原子の比が0.005未満の場合、炭素質複合体に導入されるスルホ基(酸性官能基)の量が少ないため、酸としての機能が不十分となるおそれがある。
本発明の炭素質複合体の好適な実施態様は固体酸である。本発明の炭素質複合体は、多孔質であり、しかもその表面にカルボキシル基などの官能基を有する場合が多いので、固体酸として機能することができる。さらにスルホ化した場合には、炭素質複合体にスルホ基を導入することができ、この場合にはより強い固体酸とすることができる。このような固体酸の用途は特に限定されず、酸触媒として用いることもできるし、アルカリの吸着材として用いることもできる。本発明の炭素質複合体は酸化鉄の粒子を含むので、固体酸として使用する際に、外部磁界によってその運動を制御することができる。
本発明の炭素質複合体の好適な実施態様は触媒前駆体である。上記固体酸のように、直接酸触媒として用いることもできるが、官能基を導入したり、遷移金属や酵素などを担持させたりして触媒とすることもできる。本発明の炭素質複合体は、このような触媒前駆体としても好適である。
本発明の炭素質複合体の好適な実施態様は吸着材である。本発明の炭素質複合体は、多孔質体であるため吸着材として用いることもできる。吸着させる物質は特に限定されないが、セシウムイオンなどのアルカリ金属イオン、ストロンチウムイオンなどのアルカリ土類金属イオン、メチレンブルーなどの塩基性分子、ヨウ素などを例示することができる。本発明の炭素質複合体は表面にカルボキシル基などの酸性の官能基を有する場合が多いので、吸着させる物質としてはアルカリ性の物質が好適である。
本発明の好適な実施形態は、上記炭素質複合体からなる固体酸を触媒として用いセルロースを加水分解する方法である。本発明の炭素質複合体を酸触媒として用いたセルロースの加水分解(糖化)反応実験を行うと、当該セルロースが加水分解され、グルコースが生成することを確認した。また、当該加水分解(糖化)反応実験では、セルロースと本発明の炭素質複合体とが入った容器に撹拌子を入れなくとも、外部磁場によって炭素質複合体を撹拌させることができることも確認した。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。
実施例1
硝酸鉄(III)九水和物(Fe(NO・9HO)0.5gを100mlの水に溶かして硝酸鉄の水溶液を得た。得られた水溶液に粉状のカルボキシメチルセルロースナトリウム(和光純薬工業株式会社製、型番:039−01335、以下CMC・Naと略すことがある)1.0gを投入して撹拌し、ゲル状の沈殿物を得た。そして、得られたゲル状の沈殿物の水分が無くなるまで、恒温乾燥炉を用いて60℃、約5日間乾燥した。その後、乾燥した沈殿物を三口フラスコに移し、当該三口フラスコ中において、窒素雰囲気下で、200℃、1時間加熱して炭化処理し、炭素質複合体を得た。
実施例2
実施例1で得られた炭素質複合体5gを、発煙硫酸(SO濃度20%)75ml及び濃硫酸(濃度96%)75mlの混合液に入れ、三口フラスコ中において、窒素雰囲気下で、80℃、10時間撹拌した。その後、三口フラスコ中の炭素質複合体を蒸留水3000mlで洗浄し、105℃で乾燥し、5gの炭素質複合体を得た。
実施例3
硝酸鉄(III)九水和物(Fe(NO・9HO)0.5gを100mlの水に溶かして硝酸鉄の水溶液を得た。その水溶液に硝酸コバルト(II)六水和物(Co(NO・6HO)1.5gを加えて混合した。得られた水溶液に粉状のCMC・Na(和光純薬工業株式会社製、型番:039−01335)1.0gを投入して撹拌し、ゲル状の沈殿物を得た。そして、得られたゲル状の沈殿物の水分が無くなるまで、恒温乾燥炉を用いて65℃、約5日間乾燥した。その後、乾燥した沈殿物をメノウ乳鉢で粉砕して、三口フラスコに移し、当該三口フラスコ中において、窒素雰囲気下で、250℃、1時間加熱して炭化処理し、炭素質複合体を得た。
実施例4
硝酸鉄(III)九水和物(Fe(NO・9HO)0.5gを100mlの水に溶かして硝酸鉄の水溶液を得た。その水溶液に硝酸ニッケル(II)六水和物(Ni(NO・6HO)1.5gを加えて混合した。得られた水溶液に粉状のCMC・Na(和光純薬工業株式会社製、型番:039−01335)1.0gを投入して撹拌し、ゲル状の沈殿物を得た。そして、得られたゲル状の沈殿物の水分が無くなるまで、恒温乾燥炉を用いて65℃、約5日間乾燥した。その後、乾燥した沈殿物をメノウ乳鉢で粉砕して、三口フラスコに移し、当該三口フラスコ中において、窒素雰囲気下で、250℃、1時間加熱して炭化処理し、炭素質複合体を得た。
[示差走査熱分析]
実施例1で得られた炭素質複合体3.554mg及び実施例2で得られた炭素質複合体3.586mgのそれぞれについて、示差熱・熱重量測定装置(TG/DTA)を用いて、空気雰囲気下で10℃/minの昇温条件で示差走査熱分析を行った。結果を図1及び図2にそれぞれ示す。図1に示すように、実施例1で得られた炭素質複合体では、330℃及び420℃付近に酸化分解に起因すると考えられる発熱ピークが確認された。また、図2に示すように、実施例2で得られた炭素質複合体では、390℃及び400℃付近に酸化分解に起因すると考えられる発熱ピークが確認された。示差熱・熱重量測定装置は、株式会社リガク社製のTG8120を用いた。
[SEM観察]
走査型電子顕微鏡装置(SEM)を用いて、実施例1及び2で得られた炭素質複合体それぞれについて電子顕微鏡写真(SEM像)の撮影を行った。結果を図3及び図4にそれぞれ示す。得られた写真から、いずれの炭素質複合体も数nm〜数十nmの孔が多数確認された。走査型電子顕微鏡装置は、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製のS−3000Nを用いた。
[TEM観察]
透過型電子顕微鏡装置(TEM)を用いて、実施例1及び2で得られた炭素質複合体それぞれについて電子顕微鏡写真(TEM像)の撮影を行った。実施例1で得られた炭素質複合体のTEM像を図5及び6に、実施例2で得られた炭素質複合体のTEM像を図7及び8にそれぞれ示す。得られた写真から、いずれも炭素質複合体中に5〜50nm程度の粒子が存在することがわかった。ここで、粒子が円形でない場合には、円相当径を直径とした。透過型電子顕微鏡装置は、株式会社トプコンテクノハウス社製のEM002BFを用いた。
[比表面積、細孔容積、細孔直径の測定]
比表面積・細孔分布測定装置を用いて、窒素吸着法(BET法)により、実施例1、2及び3で得られた炭素質複合体それぞれの吸着等温線を測定した。その結果、実施例1、2及び3で得られた炭素質複合体のBET比表面積は、それぞれ108.6m/g、90.6m/g及び82.4m/gであった。また、実施例1、2及び3で得られた炭素質複合体について、BJH(Barrett,Joyner,and Halenda)法による解析を行い、炭素質複合体の平均細孔直径及び全細孔容積をそれぞれ算出した。実施例1で得られた炭素質複合体についてBJH法により解析した細孔分布曲線を図9に、実施例2で得られた炭素質複合体についてBJH法により解析した細孔分布曲線を図10に、実施例3で得られた炭素質複合体についてBJH法により解析した細孔分布曲線を図11にそれぞれ示す。その結果、実施例1で得られた炭素質複合体の平均細孔直径は3.66nm、全細孔容積は0.099cm/gであった。実施例2で得られた炭素質複合体の平均細孔直径は4.08nm、全細孔容積は0.092cm/gであった。実施例3で得られた炭素質複合体の平均細孔直径は10.53nm、全細孔容積は0.217cm/gであった。
実施例1及び2で得られた炭素質複合体について、HK(Horvath−Kawazoe Method)法による解析から、炭素質複合体の孔幅を算出したところ、いずれも孔幅が約0.8nmであった。実施例1で得られた炭素質複合体についてHK法により解析した細孔分布曲線を図12に、実施例2で得られた炭素質複合体についてHK法により解析した細孔分布曲線を図13にそれぞれ示す。比表面積・細孔分布測定装置は、Quantachrome Instruments社製のNOVE 4200eを用いた。
[粉末X線回折法による分析]
X線回折装置を用いて、Cu−Kα線による粉末X線回折法により、実施例1及び2で得られた炭素質複合体それぞれについて定性分析を行った。その結果を図14に示す。図14に示すように、半値幅(2θ)が10〜30°付近にブロードなピークが確認され、炭素質複合体はグラフェンシートが乱雑に集合した無定形炭素を含むことがわかった。図14の実施例1において、半値幅(2θ)が45〜50°付近のピークは炭酸ナトリウム(NaCO)由来であることがわかり、実施例1の炭素質複合体は炭酸ナトリウム(NaCO)を含むことがわかった。また、図14の実施例2において、半値幅(2θ)が10〜30°付近のブロードなピークは硫酸鉄(III)及び無定形炭素由来であることがわかり、実施例2の炭素質複合体は硫酸鉄(III)を含むことがわかった。また、実施例1及び2で得られた炭素質複合体において、半値幅(2θ)が30°、35°、43°、53°、57°、63°付近にそれぞれピークが確認され、炭素質複合体はマグネタイト(Fe)を含むこともわかった。半値幅(2θ)が33°、35°、40°、63°付近にそれぞれピークが確認され、炭素質複合体はマグヘマイト(γ−Fe)を含むこともわかった。
X線回折装置を用いて、Cu−Kα線による粉末X線回折法により、実施例3で得られた炭素質複合体について定性分析を行った。その結果を図15に示す。図15に示すように、実施例3の炭素質複合体において、酸化コバルト(Co、CoO)、マグヘマイト(γ−Fe)、FeCo、Coのそれぞれに由来するピークが観測された。X線回折装置は、株式会社リガク社製のRINT 2500HFを用いた。
X線光電子分光装置を用いて、X線光電子分光法により、実施例1及び2で得られた炭素質複合体それぞれにワイドスキャン測定を行った。実施例1で得られた炭素質複合体についての結果を図16、実施例2で得られた炭素質複合体についての結果を図17にそれぞれ示す。得られた結果より、ワイドスキャン測定により検出される元素が、C1s(炭素)、N1s(窒素)、O1s(酸素)、Fe2p(鉄)、及びNa1s(ナトリウム)であった。また、実施例2で得られた炭素質複合体については、さらに、S2p(硫黄)も確認された。
また、ナロースキャンによる測定を行ったところ、O1sスペクトルより、マグヘマイト(γ−Fe)に由来するピークと、有機化合物に由来するピークと、SO、SOに由来するピークと、NaCOに由来するピークがそれぞれ確認された。さらに、C1sスペクトルより、C−C(H)、C−O、C=O、−COに由来するピークがそれぞれ確認された。また、Fe2pスペクトルのメインピークの結合エネルギーの値から、実施例1で得られた炭素質複合体について、マグヘマイト(γ−Fe)の存在が確認できた。実施例2で得られた炭素質複合体については、硫酸鉄(III)(Fe(SO)の存在が確認できた。さらに、実施例2で得られた炭素質複合体については、S2pスペクトルにおいて、硫酸鉄(III)のSO、炭素質複合体のSOH基に由来するピークも確認された。結果を図18〜21に示す。X線光電子分光装置は、アルバック・ファイ株式会社製のQuantera SXMを用いた。
[メスバウアー分光法による分析]
メスバウアー分光装置を用いて、メスバウアー分光法により、実施例1及び2で得られた炭素質複合体それぞれについてメスバウアースペクトルを測定した。結果を図22に示す。図22に示すように、室温(293K)で測定を行った結果、実施例1及び2で得られた炭素質複合体のいずれもスペクトル中央付近に主要なピークとしてブロードな見かけ上のシングレットピークが観測された。実施例1で得られた炭素質複合体においては、ブロードな磁気分裂ピークが観測された。実施例2で得られた炭素質複合体においては、磁気分裂ピークは観測されなかったが、シングレットピークの裾がのびるかのように見える非常にブロードな吸収も観測された。いずれの炭素質複合体とも、粉末X線回折法による測定結果から含有が予想される成分(γ−Fe又はFe)から大きく異なっており、常磁性成分が多くを占めていることがわかった。透過型電子顕微鏡写真から考察すると、超常磁性体(粒径10nm以下)がいずれの炭素質複合体にも存在していることがわかった。また、磁気分裂ピークを観察するため、液体窒素温度(78K)で測定を行った。その結果、実施例1で得られた炭素質複合体においては、磁気分裂ピークが主要成分となった。実施例2で得られた炭素質複合体においては、常磁性成分は常磁性成分のままであるが、磁気分裂ピークがはっきりわかるようになった。
実施例1で得られた炭素質複合体についてのピークの裾が全て磁気分裂によるものと仮定して解析を行った。その結果、実施例1で得られた炭素質複合体のスペクトルは、ほぼ単一の磁性成分(γ−Fe)と解釈できた。
実施例2で得られた炭素質複合体についは、γ−Feに加え硫酸鉄(III)(Fe(SO)が存在すると考えられる。Fe(SOのメスバウワ−のパラメーターは室温で、IS=0.39mm/s、QS=0.60mm/sであり、1.8Kでは550kOeの磁気分裂を示す。また、Fe(SOのネール点は30Kであるため78Kでは常磁性であるので本測定の結果と一致すると考えられる。
[元素分析]
実施例1、2及び3でそれぞれ得られた炭素質複合体について、燃焼法による元素分析を行った(分析A)。また、上記X線光電子分光装置を用いて、実施例1及び2で得られた炭素質複合体それぞれについて、ナロースキャン測定による定量分析も行った(分析B)。結果を表1に示す。
[赤外分光法による分析]
フーリエ変換赤外分光装置(FT−IR)を用いて、KBr法により、実施例1及び2で得られた炭素質複合体それぞれについて赤外分光測定を行った。結果を図23に示す。図23に示すように、1595〜1603cm−1にOHのベンディングによるピークが確認された。また、実施例2で得られた炭素質複合体では、1041cm−1にSOの、1377cm−1にO=S=Oのストレッチングによるピークがそれぞれ確認され、1595〜1603cm−1にOHのベンディングによるピークも確認された。フーリエ変換赤外分光装置は、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製のNicolet 6700 FT−IRを用いた。
[核磁気共鳴法による分析]
さらに、実施例2で得られた炭素質複合体については、核磁気共鳴装置を用い、核磁気共鳴法により構造決定を行った。13C DD/MAS(Dipolar Decoupling/Magic Angle Spinning)NMRスペクトルを図24に示す。図24に示すように、化学シフト130ppm付近に芳香環の炭素、140ppm付近にスルホ基が結合した炭素、155ppm付近に水酸基の結合した炭素、185ppm付近にカルボキシル基が結合した炭素に由来するピークがそれぞれ観測された。その結果、実施例2で得られた炭素質複合体は、芳香族炭素、スルホ基(SOH基)、カルボキシル基(COOH基)、及び水酸基(OH基)を有することがわかった。また、0〜100ppmに信号が現れないことからsp炭素はほとんど含まれていないこともわかった。核磁気共鳴装置は、日本電子株式会社製のJNM−ECX400を用いた。
[中和滴定]
また、実施例2で得られた炭素質複合体が有する全酸性官能基の含有量を中和滴定法により測定した。ここで、全酸性官能基とは、スルホ基、カルボキシル基、及びフェノール性水酸基である。このときの中和滴定法は以下のとおりである。0.01mol/L水酸化ナトリウム水溶液20mlに実施例2で得られた炭素質複合体50mgを加え、超音波振動下で60分間、室温にて撹拌し、遠心分離し、上澄み液を採取した。そして、指示薬としてフェノールフタレインを加えた上澄み液18mlに、0.01mol/L塩酸を滴下し、中和点を求め、実施例2で得られた炭素質複合体が有する酸性官能基の含有量を算出した。その結果、実施例2で得られた炭素質複合体が有する全酸性官能基の含有量は3.69mmol/gであった。
さらに、実施例2で得られた炭素質複合体が有するスルホ基及びカルボキシル基の合計含有量を中和滴定法により測定した。0.01mol/L炭酸水素ナトリウム水溶液20mlに実施例2で得られた炭素質複合体50mgを加え、超音波振動下で60分間、室温にて撹拌し、遠心分離し、上澄み液を採取した。そして、指示薬としてフェノールフタレインを加えた上澄み液18mlに、0.01mol/L塩酸を滴下し、中和点を求め、実施例2で得られた炭素質複合体が有するスルホ基及びカルボキシル基の合計含有量を算出した。その結果、実施例2で得られた炭素質複合体が有するスルホ基及びカルボキシル基の合計含有量は2.89mmol/gであった。
さらに、上記元素分析(分析A)の結果より、実施例2で得られた炭素質複合体が有するスルホ基の含有量は1.44mmol/gであった。そして、上述の中和滴定で得られた結果とあわせて、実施例2で得られた炭素質複合体が有する各酸性官能基の含有量を下記計算式より求めた。その結果、スルホ基1.44mmol/g、カルボキシル基1.45mmol/g、水酸基0.80mmol/gであった。
水酸基の含有量=全酸性官能基含有量−(スルホ基の含有量+ カルボキシル基の含有量)
=3.69mmol/g−2.89mmol/g
=0.80mmol/g
カルボキシル基の含有量=(スルホ基の含有量+カルボキシル基)−スルホ基の含有量
=2.89mmol/g−1.44mmol/g
=1.45mmol/g
[ラマン分光法による分析]
ラマン分光測定装置を用いて、実施例1及び2で得られた炭素質複合体についてラマン測定を行った。結果を図25に示す。図25に示すように、1580cm−1付近にGバンドと呼ばれるピークが、1350cm−1付近にDバンドと呼ばれるピークがそれぞれ確認された。Gバンドは炭素原子の六角格子内振動に起因するピークであり、Dバンドは無定形炭素等のダングリングボンドを持つ炭素原子に起因するピークである。そのため、Dバンド/Gバンドの強度比が大きければ大きいほど炭素質複合体に含まれるグラフェンシートのサイズが大きくなる。Gバンドのピーク強度に対するDバンドの比が約0.8であり、これを根拠に、実施例1及び2で得られた炭素質複合体に含まれるグラフィンシートの平均的なサイズがいずれも約1nmであることがわかった。ラマン分光測定装置は、Jobin Yvon社製のT−64000を用いた。
[磁気特性の測定]
試料振動式磁力計を用いて、実施例1で得られた炭素質複合体11.00mg及び実施例2で得られた炭素質複合体8.21mgをそれぞれアクリル製ホルダーに詰めて磁気特性を測定した。その結果、図26に示すように、実施例1で得られた炭素質複合体の保磁力は約100Oeであった。実施例2で得られた炭素質複合体の保磁力は約30Oeであった。そして、いずれの磁気曲線にもヒステリシスがほとんど見られず、軟磁性であることがわかった。実施例1で得られた炭素質複合体の飽和磁化は約12emu/gであり、実施例2で得られた炭素質複合体についての飽和磁化は約6emu/gであった。振動試料型磁力計は、東英工業株式会社製のVSM−15を用いた。
同様に、実施例3で得られた炭素質複合体63.84mgをアクリル製ホルダーに詰めて磁気特性を測定した。その結果、図27に示すように、実施例3で得られた炭素質複合体の保磁力は約330.60Oeであり、飽和磁化は約34.84emu/gであった。実施例4で得られた炭素質複合体82.57mgをアクリル製ホルダーに詰めて磁気特性を測定した。その結果、図28に示すように、実施例4で得られた炭素質複合体の保磁力は約119.30Oeであり、飽和磁化は約26.15emu/gであった。これらの結果を表2に示す。また、図26〜28をまとめて図29に示す。
[加水分解反応]
実施例2で得られた炭素質複合体を酸触媒として用いたセルロースの加水分解(糖化)反応実験を行った。実施例2で得られた炭素質複合体30mgと、微結晶性セルロース(MERCK社製の商品名Avicel(Cellulose microcrystalline for column chromatography))30mgと、水0.3mlを密閉バイアル瓶(日電理化硝子株式会社製、型番:SVF−12、容量12ml)に入れ、当該密閉バイアル瓶に撹拌子を投入した。
そして、上記密閉バイアル瓶を強磁力マグネティックスターラー(東京硝子器械株式会社製、型番:F−205D)上に設置したシリコンオイルバス(アズワン株式会社製、型番:EO−200)に浸し、120℃、3時間、撹拌速度400rpmでセルロースの加水分解を行った。その後、高速液体クロマトグラフィー(日本分光株式会社製、型番:LC−2000 plus)によって、密閉バイアル瓶の中の反応溶液に含まれるグルコースの量を測定した。結果を図30に示す。図30に示すように、実施例2で得られた炭素質複合体を触媒として用いるにより微結晶性セルロースが加水分解され、グルコース(Glucose)が生成することがわかった。このとき、グルコース生成量は0.211mgであった。また、セロビオース(Cellobiose)、キシロース(Xylose)、レボグルコサン(Levoglucosan)及びギ酸(Formic acid)も確認できた。
[セシウム吸着試験]
実施例1で得られた炭素質複合体をふるい分けし、粒径が150μm以下の炭素質複合体を用意した。セシウム標準液(和光純薬工業株式会社製、品名商品コード:030−21341、濃度:1001.0mg/L)10mLと、ふるい分けされた炭素質複合体1gとを混合し、室温、1時間、攪拌速度150rpmで撹拌した。その後、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(Inductively Coupled Plasma:ICP、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社(Thermo Fisher Scientific K.K.)製のiCAP6000、)を用いて、セシウム標準液のセシウム濃度を測定した。使用波長は、455.531nm、672.328nmであった。そして、試験後の標準液のセシウム濃度から、実施例1の炭素質複合体が吸着したセシウムの量を算出した。また、セシウム標準液のセシウム濃度を500.5mg/L、333.7mg/Lとした場合についても同様の試験を行った。結果を表3にまとめて示す。表3に示された数値について、横軸をセシウム標準液のセシウム濃度(ppm)、縦軸をセシウム吸着率(%)としたグラフを図31に示す。
表3及び図31に示すように実施例1の炭素質複合体がセシウムを吸着可能であることがわかった。セシウムの濃度が300〜500mg/L程度であれば、ほとんど全て(90%程度)のセシウムを吸着できることもわかった。また、ふるい分けをしなかった実施例1の炭素質複合体を用いてもセシウムを吸着できることが確認できた。さらに、実施例2で得られた炭素質複合体でもセシウムを吸着できることが確認できた。
[メチレンブルー吸着試験]
実施例1の炭素質複合体を試料として、活性炭試験方法(JIS K 1474)に準拠した方法によりメチレンブルー(以下、MBと称すことがある)の吸着試験を行った。具体的には、試料として、粒径が100〜150μmの炭素質複合体と、粒径が100μ未満の炭素質複合体を用意した。また、試験を行う前には、試料を105±5℃に調製された恒温乾燥器中で3時間乾燥した後、デシケーター(乾燥剤としてシリカゲルを使用)中で放冷した。
そして、所定量の試料にMB溶液を加え、室温(20〜30℃)で吸着させた後ろ過し、ろ液の吸光度を測定し、残留濃度から試料単位質量当たりの吸着量を求め吸着等温線を作成した。この吸着等温線からMBの残留濃度0.24mg/Lのときの試料単位質量当たりの吸着量を求めてMB吸着性能を算出した。試料の量は、粒径が100〜150μmの炭素質複合体については、2g、2.4g、2.5g及び2.6gである。結果を図32に示す。また、粒径が100μm未満の炭素質複合体については、2.0g、1.9g及び1.8gである。結果を図33に示す。
図32に示すように、粒径が100〜150μmの炭素質複合体を用いてMB吸着試験を行った結果、MB残留濃度が0.24mg/Lのときの試料単位質量当たりのMB吸着量は11.6mg/gであった。この値から、MB吸着性能を算出した結果、MB吸着性能は9.7mL/gであった。図33に示すように、粒径が100μm未満の炭素質複合体を用いてMB吸着試験を行った結果、MB残留濃度が0.24mg/Lのときの試料単位質量当たりのMB吸着量は15.2mg/gであった。この値から、MB吸着性能を算出した結果、MB吸着性能は12.7mL/gであった。これらの結果を表4にまとめて示す。
以上の結果より、実施例1の炭素質複合体が塩基性分子(具体的にはMB)を吸着可能であることがわかった。また、粒径が100μm未満の炭素質複合体の方がMB吸着性能が高く、吸着性能は粒径に依存することもわかった。
[ヨウ素吸着試験]
実施例1の炭素質複合体を試料として、活性炭試験方法(JIS K 1474)に準拠した方法によりヨウ素の吸着試験を行った。具体的には、試料にヨウ素溶液を加え、室温(20〜30℃)で吸着させた後、上澄み液を分離し、指示薬として、でんぷん溶液を加え、チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定した。残留しているヨウ素濃度から試料単位質量当たりの吸着量を求め、吸着等温線を作成し、その吸着等温線からヨウ素の残留濃度2.5g/Lのときの試料単位質量当たりの吸着量を求めて、ヨウ素吸着性能とした。
図34に示すように、実施例1の炭素質複合体を用いてヨウ素吸着試験を行った結果、ヨウ素残留濃度が2.5g/Lのときの試料単位質量当たりのヨウ素吸着量は230mg/gであった。

Claims (15)

  1. 無定形炭素のマトリックス中に酸化鉄、酸化コバルト及び酸化ニッケルからなる群から選択される少なくとも1種の酸化物の粒子が分散し、前記酸化物の粒子の平均粒径が2〜100nmであり、炭素原子に対する、鉄原子、コバルト原子及びニッケル原子の合計の比(Metal/C)が0.001〜0.5であることを特徴とする炭素質複合体。
  2. 前記無定形炭素がグラフェンシートを含む請求項1に記載の炭素質複合体。
  3. 保磁力が500Oe以下であり、飽和磁化が2〜50emu/gである請求項1又は2に記載の炭素質複合体。
  4. BJH法により求められる細孔容積が0.02〜0.3cm/gであり、平均細孔直径が2〜20nmである請求項1〜3のいずれか記載の炭素質複合体。
  5. 炭素原子に対する水素原子の比(H/C)が1未満である請求項1〜4いずれか記載の炭素質複合体。
  6. 前記無定形炭素が水溶性の多糖を炭化させて得られたものである請求項1〜5のいずれか記載の炭素質複合体。
  7. 複合体表面にカルボキシル基及び水酸基を有する請求項1〜6のいずれか記載の炭素質複合体。
  8. 複合体表面にスルホ基を有するとともに、硫酸鉄(III)を含み、炭素原子に対する硫黄原子の比(S/C)が0.005〜0.15である請求項1〜7のいずれか記載の炭素質複合体。
  9. 請求項1〜8のいずれか記載の炭素質複合体からなる固体酸。
  10. 請求項1〜8のいずれか記載の炭素質複合体からなる触媒前駆体。
  11. 請求項1〜8のいずれか記載の炭素質複合体からなる吸着材。
  12. 請求項1〜8のいずれか記載の炭素質複合体の製造方法であって、
    鉄塩、コバルト塩及びニッケル塩からなる群から選択される少なくとも1種の金属塩と水溶性の多糖とを水の存在下で混合する第1工程と、
    前記第1工程で得られた混合物を炭化させる第2工程とを備える炭素質複合体の製造方法。
  13. 請求項8に記載の炭素質複合体の製造方法であって、
    鉄塩、コバルト塩及びニッケル塩からなる群から選択される少なくとも1種の金属塩と水溶性の多糖とを水の存在下で混合する第1工程と、
    前記第1工程で得られた混合物を炭化させる第2工程と、
    前記第2工程で得られた炭素質複合体をさらにスルホン化処理する第3工程とを備える炭素質複合体の製造方法。
  14. 前記第2工程において、前記第1工程で得られた混合物を不活性ガス雰囲気下で150℃以上の温度で加熱する請求項12又は13に記載の炭素質複合体の製造方法。
  15. 請求項9に記載の固体酸を触媒として用いセルロースを加水分解することを特徴とするセルロースの加水分解反応方法。
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