JP2013023738A - 取鍋内スラグの再利用方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶銑脱硫における脱硫剤の使用量を削減でき、取鍋内に残留したスラグおよび溶鋼を破砕・磁選する必要がなく有効利用し、さらに鉄スクラップを多量に溶解可能な取鍋内スラグおよび溶鋼の再利用方法を提供する。
【解決手段】溶銑を払出し後の溶銑鍋6に鉄スクラップ4を入れ置きし、鉄スクラップ4を入れ置きした溶銑鍋6に、鋳造終了後の取鍋3内に残留した熱間状態のスラグ1および溶鋼2を排出し、しかる後に溶銑10を受銑する。取鍋内に残留したスラグを溶銑の脱硫剤の一部として使用でき、鋳造時の残溶鋼の有効利用ができる。さらに、鍋内鉄スクラップ4により、溶銑鍋内壁へのスラグや残溶鋼の付着を防止できるとともに、鉄スクラップ4の予熱も兼ねる。
【選択図】図1

Description

本発明は、取鍋から溶鋼を連続鋳造した後に取鍋内に残留したスラグ(取鍋内スラグ)の再利用方法に関する。
高炉から出銑された溶銑は、溶銑鍋に受銑され、機械撹拌式溶銑脱硫装置による予備的脱硫などの予備処理を施された後、転炉や電気炉等による一次精錬と、あるいはさらにRH脱ガス装置などによる二次精錬とを施されて溶鋼とされ、取鍋に収容されて連続鋳造設備等で鋳型内に鋳造され、鋳片あるいは鋼塊とされる。
通常、取鍋内には転炉等の精錬工程で生成したスラグが溶鋼上に浮遊した状態で存在している。取鍋底に設置された流出孔から溶鋼を鋳型内に注入して鋳造が行われるが、スラグが鋳型内に流入すると鋳片等の品質が低下する。このため、スラグが流入したことを、オペレータが目視で、あるいはセンサーが自動的に検知した時点で流出孔を閉鎖し、取鍋からの溶鋼の注入を終了している。そのため、取鍋内にはスラグに加え、溶鋼の一部が残留することになる。
従来から、取鍋内に残留した溶鋼は、取鍋底の流出孔から型枠などに排出され、一方、取鍋内に残留したスラグは取鍋を転倒させることにより、ノロパン(「ノロ鍋」、「スラグ鍋」ともいう)或いはドライピット(「スラグ畠」ともいう)に排出されていた。残留する溶鋼が少量の場合には、溶鋼もスラグとともにノロパン或いはドライピットに排出されていた。
そして、排出されたスラグは自然冷却した後に起重機などにより掘り起こされ、かつ破砕機により破砕され、次いで磁選機を用いて鉄分が除去されて再利用されていた。しかし、このような方法では、磁選によるスラグと鉄分との選別を必要とし、生産性が悪く、再利用のためのコストが高いという問題があった。
このような問題に対し、例えば、特許文献1には、鋳造終了後の取鍋内に残留したスラグを、熱間状態のまま取鍋を転倒させて溶銑を収容した溶銑鍋内に排出し、該溶銑鍋にスラグを残留させた状態で溶銑を転炉脱炭精錬用の主原料として払い出し、その後、スラグを残留させた溶銑鍋で高炉から出銑される溶銑を受銑して、残留したスラグを脱硫剤の一部として受銑した溶銑を脱硫処理する、取鍋内スラグの再利用方法が記載されている。
この特許文献1に記載された方法によれば、溶銑脱硫における脱硫剤の使用量を削減でき、スラグを破砕する必要がなく、しかも他の操業に悪影響を及ぼすことなく、取鍋内に残留したスラグを再利用(リサイクル)することができるとしている。
一方、近年、製鉄業からのCOガス排出の抑制が叫ばれており、より少ないエネルギーで溶銑を製造する技術が求められている。鉄スクラップ溶解量の増加は、還元熱の補償が不要であり、鉄鉱石を還元し溶銑を製造する場合に比べて熱的に極めて有利となるため、効果的にCOガス排出の抑制が可能となる。しかし、鉄スクラップの溶解量を増加するには熱余裕の拡大が必要である。
このような要請に対し、特許文献2には、鉄スクラップを入れ置きして高炉からの溶銑を受銑し、受銑後、酸素ガスまたは酸素含有ガスのみを供給して脱珪処理する方法が記載されている。
この特許文献2に記載された方法によれば、鉄スクラップを迅速に且つ効率良く溶解でき、鉄スクラップの溶解量を増加させることができるとしている。
特開2009−221560号公報 特開2006−138003号公報
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、溶銑を払い出した後に、溶銑鍋に残留したスラグが溶銑鍋の内壁に付着しやすい問題がある。また、特許文献1に記載された方法では、溶銑鍋2回分に対し、取鍋1回分のスラグしか利用できず、適用できる取鍋数に制限があるという問題がある。1つの溶銑鍋に2つ以上の取鍋から残留したスラグを排出すれば、適用できる取鍋数を増加させることが可能である。しかし、溶銑鍋の待機時間の増加により溶銑温度が低下するという問題がある。また、待機している間は高炉から出銑される溶銑を受銑することはできないので、別の溶銑鍋で高炉から出銑される溶銑を受銑する必要が生じ、全体として使用する溶銑鍋の数を増加しなければならないという問題もある。
また、特許文献2に記載された方法は、脱珪、脱燐処理には適用できても、溶銑中の酸素ポテンシャルを低下させて還元雰囲気にすることが必要な脱硫処理には適用できない。
本発明は、かかる従来技術の問題を解決し、溶銑脱硫における脱硫剤の使用量を削減でき、取鍋内に残留したスラグおよび溶鋼を破砕・磁選する必要がなく有効利用し、さらに鉄スクラップを多量に溶解可能な取鍋内スラグおよび溶鋼の再利用方法を提供することを目的とする。
発明者らは、上記した目的を達成するため鋭意研究した結果、予め鉄スクラップを入れ置きした溶銑鍋に、鋳造終了後に取鍋内に残留した熱間状態のスラグおよび溶鋼を排出することに想到した。これにより、溶銑鍋内壁へのスラグや残溶鋼の付着を防止できるとともに、鉄スクラップの予熱も兼ねられることも見出した。
また、このような溶銑鍋に、溶銑を受銑すれば、鋳造時の残溶鋼の有効利用ができるうえ、取鍋内に残留したスラグを溶銑の脱硫剤の一部として使用でき、溶銑脱硫における脱硫剤の使用量を削減でき、また、スラグを破砕する必要がなく、磁選等の処理を行うこともなく、従来のようなスラグの再利用に要するコストの上昇を抑制できることに想到した。
本発明は、かかる知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明は、溶銑鍋に溶銑を受銑し、溶銑の脱硫処理を行うにあたり、溶銑を払出し後の溶銑鍋に鉄スクラップを入れ置きし、前記鉄スクラップを入れ置きした溶銑鍋に、鋳造終了後の取鍋内に残留した熱間状態のスラグおよび溶鋼を排出し、しかる後に溶銑を受銑することを特徴とする取鍋内スラグの再利用方法である。
また、本発明では、前記溶銑を受銑した後、前記溶銑に随伴して溶銑鍋に流入したスラグの量に応じて、前記溶銑鍋での脱硫処理の開始以前に、前記溶銑に随伴して溶銑鍋に流入したスラグの一部を前記溶銑鍋から排滓するのが好ましい。
さらに、本発明では、前記溶銑に随伴して溶銑鍋に流入したスラグの量が、前記溶銑鍋での脱硫処理後の溶銑1tonあたり4kg/tを超える場合に、前記溶銑鍋での脱硫処理の開始以前に、前記溶銑鍋から前記スラグを4kg/t以下になるまで排滓するのが好ましい。
本発明によれば、溶銑脱硫における脱硫剤の使用量を削減でき、取鍋内に残留したスラグおよび溶鋼を破砕・磁選する必要がなく有効利用し、さらに鉄スクラップを多量に溶解可能であり、産業上格段の効果を奏する。
本発明の方法の一例を模式的に説明するための説明図である。 本発明の方法で利用する機械撹拌式溶銑脱硫について模式的に示す説明図である。
本発明では、予め鉄スクラップ4を入れ置きした溶銑鍋6に、鋳造終了後の取鍋3内に残留した熱間状態のスラグ1および溶鋼2を排出し、しかる後に溶銑10を受銑する。この状況を図1に示す。
入れ置きする鉄スクラップ4は、次工程に溶銑を払出した空の溶銑鍋6の温度が低下しないうちに速やかに、所定量の鉄スクラップ4を装入する。鉄スクラップ4の装入方法は投入シュートを介する方法、リフティングマグネットを用いる方法等、通常利用される装入方法が利用できる。
次に、取鍋3内に残留した熱間状態のスラグ1および溶鋼2について説明する。鋳造終了時の取鍋3は、取鍋3内のスラグが溶鋼2とともにタンディシュに流出する量をできるだけ少なくするために、取鍋3にはスラグ1とともに溶鋼2が多少残留する状態となる。残留したスラグ1および溶鋼2を熱間状態のまま保持できるように、取鍋3からタンディシュへの溶鋼2の注入が終了してスライディングノズルを閉止したら、待機している溶銑鍋6の位置まですみやかに取鍋3を搬送することが好ましい。
本発明では、予め鉄スクラップ4を入れ置きした溶銑鍋6に、図1に示すように取鍋3を転倒させ、取鍋3内に残留した熱間状態のスラグ1および溶鋼2を排出する。これにより、鉄スクラップ4、溶銑鍋6を予熱することができる。また、溶銑鍋6に予め鉄スクラップ4を入れ置きしておくことにより、取鍋3から排出されるスラグ1および溶鋼2が、入れ置きしておいた鉄スクラップ4の層で冷却されて凝固するため、溶銑鍋6の底部に付着することを防止でき、また、スラグ1および溶鋼2が飛散して溶銑鍋6の側壁に付着することも防止できる。
予め入れ置きしておく鉄スクラップの量は、後述する脱硫処理後の溶銑に対して20〜70kg/tとするのが好ましい。予め溶銑鍋6内に入れておく鉄スクラップ4が20kg/t未満であると、溶銑鍋6内壁へのスラグ付着防止の作用が十分でない。鉄スクラップ4が70kg/tを超えると、後述する脱硫処理後の溶銑温度を十分確保できないほか、鉄スクラップ4中に含まれるCu,Sn等の不純物の溶銑中濃度が高くなり、最終的な鉄鋼製品の品質確保に支障が出るなどの問題が発生する。
また、鉄スクラップ4を入れ置きした溶銑鍋6への、取鍋3内に残留したスラグ1および溶鋼2の排出量は、脱硫処理後の溶銑に対して、スラグ1が10〜20kg/t、溶鋼2が7〜20kg/tとするのが好ましい。スラグ1および溶鋼2の量が、上記範囲より少ないと、鉄スクラップ4の予熱への寄与が十分でない。通常、鋳造終了後の取鍋内に残留したスラグ1および溶鋼2の量が上記範囲を超えることはまれである。
取鍋3内に残留したスラグ1および溶鋼2の2回分を1つの溶銑鍋6に排出することも可能であるが、1回目と2回目の排出の時間間隔が長くなるほど、溶銑鍋6からの放熱ロスが大きくなるので、溶銑鍋6に排出する取鍋3に残留したスラグ1および溶鋼2は1回分とするのが好ましい。
取鍋3内に残留したスラグ1および溶鋼2が排出された溶銑鍋6は、次いで、高炉5からの溶銑10を受銑する。
高炉5からの溶銑10を溶銑鍋6に受銑する際に、溶銑10に含まれる炭素と、溶銑鍋6に排出されたスラグ1に含まれる低級酸化物(FeO、MnOなど)とが反応してCOガスが発生し、スラグの噴出を招くこともある。これを防止するには、溶銑鍋6に取鍋3からスラグ1および溶鋼2を排出した上にAl含有脱酸剤を予め上置きし、スラグを脱酸しておくことが好ましい。低級酸化物は優先的にAl含有脱酸剤に含まれるAlと反応するので、COガスの発生を防止することができる。Al含有脱酸剤としては、金属Al、Fe−Al合金などを使用できるが、安価であることから金属Alを30〜50質量%含有するアルミドロス(「アルミ灰」ともいう)が最適である。
溶銑鍋6に受銑した高炉5からの溶銑10には、不可避的に少量の高炉スラグが随伴する。溶銑10に随伴するスラグには、溶銑10が溶銑樋を流下する際に、樋の耐火物の一部が磨耗・侵食され、混入する、さらに溶銑10中のSiが高い場合には高炉鋳床で脱珪処理を行うので、溶銑10中のSiがSiOとなって混入する。このため、溶銑鍋6に流入する溶銑10に随伴するスラグの成分は、一般的な高炉スラグよりもSiOの高い、塩基度(CaO/SiO)が0.25〜0.75のスラグとなる。
一方、取鍋6内に残留したスラグ1は、高炉5から出銑される溶銑10に随伴するスラグに比べ、CaOおよびAl23の成分比率が高い。このCaOは脱硫剤として、Al23はスラグの融点降下剤として作用し、追加投入する脱硫剤の削減、脱硫速度の向上に寄与する。溶銑10を受銑後の溶銑鍋6内のスラグは、取鍋内のスラグ1と溶銑10に随伴するスラグの両者が混合するため、各成分とも両者の中間の値となる。表1に取鍋3内に残留したスラグ1、溶銑10に随伴するスラグおよび混合後のスラグの成分範囲を示す。
Figure 2013023738
取鍋3から溶銑鍋6に排出した溶鋼2は、溶銑10に溶解し、再利用される。
溶銑10に随伴して溶銑鍋6に流入するスラグの量は後述する脱硫処理後の溶銑に対して2〜10kg/tの範囲で変動するが、4kg/tを超える溶銑10に随伴するスラグが溶銑鍋6に流入した場合は、取鍋3内に残留したスラグ1と溶銑10に随伴するスラグが混合しないうちに、溶銑10に随伴するスラグが4kg/t以下になるように速やかに排滓することが好ましい。
溶銑10に随伴するスラグの排滓はドラッガーによる掻き出しにより可能であるが、別の方法を採用しても構わない。
溶銑10に随伴するスラグの過剰分の排滓により、混合後のスラグ中のCaO比率およびAl23比率を高く維持することができる。溶銑10に随伴するスラグの量は、溶銑10を溶銑鍋6に受銑した直後の溶銑鍋内に人為的に棒を突っ込み、付着したスラグ層の幅から判定すればよい。
本発明では、次いで、溶銑鍋6内の溶銑16(溶銑10と溶鋼2が混合)の脱硫処理を行う。
溶銑16の脱硫処理は、図2に示す機械撹拌式溶銑脱硫(KR脱硫)装置で行うことが好ましい。
図2に示す機械撹拌式溶銑脱硫装置は、インペラー11の回転に伴ってスラグおよび投入した脱硫剤が溶銑16に巻き込まれ、脱硫反応が進行する方式の脱硫装置である。スラグだけでは脱硫能が小さいので、脱硫剤としてCaO系脱硫剤を追加投入する。ここで、CaO系脱硫剤は、CaOを主成分とし、Al23などを必要に応じて数質量%から十数質量%配合したものとするのが好ましい。この場合の脱硫反応は「CaO+S→CaS+O」によって行われる。ただし、CaFは、スラグの再利用を妨げるので添加しない。
追加投入する脱硫剤は、ホッパー14、シュート15からなる脱硫剤添加装置を介して、溶銑上に上置きすればよい。また、図示しない吹込みノズルを介して非酸化性ガスとともに吹込む別の投入手段を用いて投入しても、両方の投入方法を用いても良い。
溶銑16の脱硫処理方法には、機械撹拌式溶銑脱硫装置を用いた方法の他に、粉体状の脱硫剤を、インジェクションランスから搬送用ガスとともに吹き込んで行う方法や、鉄被覆金属Mgワイヤーを溶銑中に高速度で供給して行うワイヤー・フィーダー法などがあるが、本発明では、溶銑16の浴面上に浮遊するスラグ17(スラグ1と溶銑10に随伴するスラグと投入した脱硫剤の混合物)に含有されるCaOを脱硫剤の一部として利用することを目的としており、溶銑16の浴面上に浮遊するスラグ17を溶銑16中に巻き込ませるためには機械攪拌式溶銑脱硫装置が優れており、従って、機械攪拌式溶銑脱硫装置を用いて脱硫処理することが好ましい。
機械撹拌式溶銑脱硫では、インペラー11による攪拌を所定の時間行った後、回転軸12を停止し、インペラー11を溶銑16およびスラグ17の上方に上昇させる。
溶銑中に懸濁した、スラグ1を始めとする脱硫剤は、脱硫スラグ17となって溶銑浴面に浮上し、脱硫処理が終了する。脱硫処理後、生成した脱硫スラグを溶銑鍋6から排出し、溶銑10を収容した溶銑鍋6を次工程の転炉設備或いは溶銑予備脱燐設備に搬送する。脱硫処理後のスラグは焼結原料等に再利用することが可能である。
約300トンの脱硫溶銑を溶製するにあたり、表2に示す処理No.1〜5の条件で製造を行い、脱硫剤使用量、回収溶銑量、生成した脱硫スラグ量、脱硫処理後の溶銑温度を比較した。
全条件で、高炉溶銑中のS濃度は0.029質量%、鉄スクラップはS濃度が0.01質量%未満のスクラップを使用し、取鍋内に残留したスラグ中のS濃度は0.1質量%未満、取鍋内に残留した溶鋼中のS濃度は0.01質量%未満であった。すなはち、溶銑鍋内に投入した溶銑のS濃度:0.029質量%に対し、鉄スクラップからのS増加分は0.0005質量%未満、取鍋内に残留した溶鋼からのS増加分は0.0001質量%未満であり、5条件とも脱硫負荷が同等の条件とした。
空の溶銑鍋に鉄スクラップを入れ置きした後、取鍋内に残留したスラグおよび溶鋼を排出した。次いで、溶銑鍋に、高炉からの溶銑を受銑した。溶銑に随伴して溶銑鍋に流入した高炉スラグが4kg/tを超えた場合は取鍋内に残留したスラグと溶銑に随伴したスラグが混合しないうちに、溶銑に随伴したスラグを排滓して、溶銑に随伴したスラグ量を調整した。次いで、溶銑鍋に脱硫剤を上置きし、機械撹拌式溶銑脱硫(KR脱硫)装置で溶銑を機械撹拌して、脱硫処理を行った。なお、KR脱硫後の溶銑のS量が0.003質量%となるように脱硫剤の投入量を調整した。脱硫剤は、石灰(CaO)およびアルミドロス(金属アルミニウムを30〜50質量%含有するアルミ灰)を使用した。
処理No.1は、溶銑鍋に、鉄スクラップ入れ置き後、取鍋内に残留したスラグおよび溶鋼を排出し高炉からの溶銑を受銑した(発明例1)例である。
処理No.2は、溶銑鍋に、鉄スクラップ入れ置き後、取鍋内に残留したスラグおよび溶鋼を排出し、高炉からの溶銑を受銑したが、溶銑に随伴したスラグが4kg/tよりも多かった(発明例2)例である。
処理No.3は、溶銑鍋に、鉄スクラップ入れ置き後、取鍋内に残留したスラグおよび溶鋼を排出し、高炉からの溶銑を受銑したが、溶銑に随伴したスラグが4kg/tよりも多かったので排滓して4kg/tにした(発明例3)例である。
処理No.4は、溶銑鍋に、鉄スクラップ入れ置き後、取鍋内に残留したスラグおよび溶鋼を排出せずに高炉からの溶銑を受銑した(比較例1)例である。
処理No.5は、溶銑鍋に、鉄スクラップ入れ置きせず、取鍋内に残留したスラグおよび溶鋼を排出し、高炉からの溶銑を受銑した(比較例2)例である。
脱硫処理後スラグはCaOを多く含むので、焼結原料として再利用した。脱硫処理後スラグの組成を表3に示す。
Figure 2013023738
Figure 2013023738
本発明例1〜3は、比較例1,2に比べ、脱硫後の溶銑温度が高く、スクラップ溶解後の熱余裕が大きくなっている。また、鉄スクラップを入れ置きした分、および、排出した取鍋内溶鋼が溶銑に溶けた分、脱硫処理後の溶銑の量が多くなっている。
また、本発明例は、取鍋内に残留したスラグおよび溶鋼を溶銑鍋に排出しなかった比較例1に比べて回収できた脱硫スラグ量が増えていることから、取鍋内に残留したスラグが脱硫スラグとして回収されたことになる。このように、本発明例では、取鍋内に残留したスラグおよび溶鋼を破砕・磁選する必要がなく、例えば焼結原料として有効利用可能である。
さらに、溶銑に随伴したスラグが4kg/t以下である発明例1,3は、溶銑に随伴したスラグが6kg/tと、4kg/tを超えた発明例2に比べ、溶銑脱硫における脱硫剤の使用量を削減できた。
一方、本発明の範囲を外れる比較例1は、スラグおよび溶鋼の排出がない分、鉄スクラップの溶解に溶銑から多くの熱が奪われた結果、脱硫後の溶銑温度が最も低く、鉄スクラップ溶解後の熱余裕が少なくなっている。また、比較例2は、鉄スクラップの入れ置きがないため、取鍋内に残留したスラグおよび溶鋼が溶銑鍋壁面に付着し、回収できた脱硫スラグと溶銑の量が実施例1〜3に比べて少なくなっている。また、鉄スクラップの入れ置きがないため、溶銑鍋の保温効果が得られず、脱硫後の溶銑温度が低くなっている。
1 スラグ
2 溶鋼
3 取鍋
4 鉄スクラップ
5 高炉
6 溶銑鍋
7 台車
10 溶銑
11 インペラー
12 回転軸
14 脱硫剤
15 脱硫剤添加装置
16 溶銑(溶銑10+溶鋼2)
17 スラグ(スラグ1と溶銑10に随伴するスラグと投入した脱硫剤の混合物)

Claims (3)

  1. 溶銑鍋に溶銑を受銑し、溶銑の脱硫処理を行うにあたり、
    溶銑を払出し後の溶銑鍋に鉄スクラップを入れ置きし、
    前記鉄スクラップを入れ置きした溶銑鍋に、鋳造終了後の取鍋内に残留した熱間状態のスラグおよび溶鋼を排出し、
    しかる後に溶銑を受銑する
    ことを特徴とする取鍋内スラグの再利用方法。
  2. 前記溶銑を受銑した後、前記溶銑に随伴して溶銑鍋に流入したスラグの量に応じて、前記溶銑鍋での脱硫処理の開始以前に、前記溶銑に随伴して溶銑鍋に流入したスラグの一部を前記溶銑鍋から排滓する
    ことを特徴とする請求項1に記載の取鍋内スラグの再利用方法。
  3. 前記溶銑に随伴して溶銑鍋に流入したスラグの量が、前記溶銑鍋での脱硫処理後の溶銑1tonあたり4kg/tを超える場合に、前記溶銑鍋での脱硫処理の開始以前に、前記溶銑鍋から前記スラグを4kg/t以下になるまで排滓する
    ことを特徴とする請求項2に記載の取鍋内スラグの再利用方法。
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