JP2001040408A - ステンレス鋼の脱硫方法 - Google Patents

ステンレス鋼の脱硫方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、電気アーク炉での溶解後、次工程
の精錬で処理を行う工程において、ステンレス鋼の効率
的な脱硫処理方法を提供する。 【解決手段】 電気アーク炉でステンレス粗溶鋼を溶解
し、粗溶鋼をスラグと共に取鍋に出鋼し、取鍋内にて脱
硫処理を行う方法において、脱硫処理前のスラグ量を粗
溶鋼トン当り20kg以上60kg以下に調整し、脱硫
処理後のスラグ量を粗溶鋼トン当り15kg以下に調整
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気アーク炉での
溶解後、次工程の精錬炉で処理を行う工程において、ス
テンレス鋼の効率的な脱硫処理方法を提供する。
【0002】
【従来の技術】電気アーク炉を有するステンレス鋼の製
造工程においては、原料となる各種のスクラップや合金
鉄等を溶解し、粗溶鋼を製造した後、AOD炉やVOD
炉および上底吹き転炉などの精錬炉で精錬を行い、その
後取鍋での温度、成分等の調整を行った後に鋳造を行
い、スラブやブルーム等の中間製品が製造される。
【0003】このような工程の中で、溶鋼中の[S]濃
度を目標濃度まで低減させる脱硫処理は電気アーク炉と
精錬炉で分担してなされるが、これまでの脱硫の主体は
精錬炉であり、精錬炉での脱硫能を上げるために種々の
技術改善がなされて来た。
【0004】近年、製品の品質を向上させるために目標
の[S]濃度を下げる要求が強くなり、一方では原料コ
ストの削減のために[S]濃度の高い安価な原料の使用
比率が高くなり、精錬炉だけで脱硫の負荷を担うことが
限界となってきた。
【0005】これを解消する手段として、精錬炉で精錬
した溶鋼を取鍋に出鋼後、取鍋内にCaO−CaF2 系
などフラックスを吹き込み脱硫する方法があるが、使用
するフラックスが高価なこと、および製品の品質に影響
する非金属介在物の形態や量を変えてしまうことから、
適用には限界がある。そこで、近年、電気アーク炉での
脱硫能を上げる方法が注目されるようになってきてい
る。
【0006】電気アーク炉での操業は、各溶解チャージ
毎に目標となる成分・組成に応じた配合計画を立て、そ
れに従って、炉内にスクラップ、合金鉄などの主原料
と、場合により工場内で発生するダスト、スケール、ス
ラグおよびCr鉱石、Ni鉱石等の酸化物原料や造滓剤
等の副原料を装入し、通電して溶解を開始する。
【0007】主原料が溶解し、スラグ層が形成されて来
ると、その組成を調整することが脱硫能を確保する上か
ら重要となる。脱硫能には一般的にスラグ塩基度(Ca
O/SiO2 )が指標として使われており、生成するS
iO2 量に応じて経験的にCaOやCaF2 等の添加量
を求め、溶解前および溶解途中で添加を行い、ある一定
値以上のスラグ塩基度を確保するようにしている。原料
の溶解後は、溶解時に酸化した[Cr]の還元、酸化物
原料の還元および脱硫を目的に、昇温・精錬の時期を設
けた後に、粗溶鋼をスラグと共に取鍋に出鋼する。
【0008】このような電気アーク炉での操業で、炉内
での脱硫を促進する手段として、炉の底部に羽口を設
け、窒素ガスなどの不活性ガスを吹き込み撹拌する方法
などが取られているが、電気アーク炉は精錬炉に比べ浴
深が浅いために、ガス流量が上げられず、撹拌力が弱い
ために十分な効果は得られていない。
【0009】そこで、近年、電気アーク炉で溶解、昇温
して取鍋に出鋼した後に、取鍋内にて撹拌或いはフラッ
クス吹込みを行い、脱硫処理を行う方法が取られるよう
になってきている。本方法は普通鋼で高炉より出銑した
溶銑を転炉で精錬する前にフラックスを添加して脱硫処
理を行う、いわゆる溶銑予備処理法に近似される方法で
ある。ステンレス鋼での適用例としては、特開平9−2
41716号公報および特開平10−176214号公
報などが開示されている。
【0010】特開平9−241716号公報の方法は電
気アーク炉での精錬を低塩基度スラグにて行い、取鍋内
精錬を非酸化性雰囲気下で不活性ガスにて撹拌処理を行
う方法である。また、特開平10−176214号公報
の方法は、取鍋内での不活性ガスによる撹拌を雰囲気酸
素濃度に応じて撹拌力を調整して行う方法である。
【0011】これらの方法はいずれも雰囲気の調整が必
要であり、空気が存在するような酸化性雰囲気下での処
理には適さない。また、処理前後のスラグ量には着目し
ていないために、脱硫処理後に精錬炉へ持ち込まれるS
量にばらつきを生じてしまう恐れがある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のよう
な課題を解消すべく発明された方法であり、電気アーク
炉での溶解後、スラグと共に取鍋に出鋼した粗溶鋼の脱
硫を促進し、かつ次工程の精錬炉に持ち込まれるS量を
安定して低位にすることで、精錬炉での脱硫の負荷を軽
減すると共に、原料コスト等の製造コストの低減をはか
るものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、電気アーク炉でステンレス粗溶鋼を溶解
し、粗溶鋼をスラグと共に取鍋に出鋼し、取鍋内にて脱
硫処理を行う方法において、脱硫処理前のスラグ量を粗
溶鋼トン当り20kg以上60kg以下に調整し、脱硫
処理後のスラグ量を粗溶鋼トン当り15kg以下に調整
することを特徴とするステンレス鋼の脱硫方法である。
また、脱硫処理後のスラグ塩基度(CaO/SiO2 )
を1.5以上に調整し、スラグの液相率が90%以上と
なるようにスラグ組成を制御することを特徴とする。さ
らに、脱硫処理後のスラグ塩基度(CaO/SiO2 )
を1.5以上に調整し、かつスラグ中Al2 O3 濃度を
15mass%以下、MgO濃度を5mass%以上に
調整することを特徴とするステンレス鋼の脱硫方法であ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明者らは、電気アーク炉でス
テンレス粗溶鋼を溶解し、粗溶鋼をスラグと共に取鍋に
出鋼し、取鍋内にて脱硫処理を行う方法において、取鍋
内での脱硫を促進し、かつ次工程の精錬炉への持ち込む
S量を安定して低位にするためには、脱硫処理前後のス
ラグ量を適正にすることが重要であり、次に脱硫処理後
のスラグ組成を適正な条件範囲に制御することが重要で
あることを見出した。
【0015】一般に、脱硫反応は下記(1)式で表さ
れ、反応平衡定数Kは(2)式で表される。 (CaO)+[S]=(CaS)+[O] ・・・・・(1) K=aCaS aO /aCaO aS ・・・・・(2) ここで、aCaS はスラグ中(CaS)の活量 aO は溶鋼中[O]の活量 aCaO はスラグ中(CaO)の活量 aS は溶鋼中[S]の活量 をそれぞれ示す。
【0016】(1),(2)式より脱硫反応は溶鋼−ス
ラグ間の反応であり、溶鋼側の条件を一定とした場合、
溶鋼からの脱硫を進行させるにはスラグ量とスラグ組成
が重要であることがわかる。
【0017】電気アーク炉でのステンレス粗溶鋼の溶解
時に生成するスラグ量は溶解する原料、および昇温・精
錬期での狙いのスラグ塩基度によって変化するが、一般
的には粗溶鋼トン当り70kgから120kgにも達す
る。このスラグをそのまま脱硫処理に供した場合には、
処理後のスラグ組成の制御が困難になると共に、処理時
のスラグ・スプラッシュの発生を防止するために、不活
性ガスによる撹拌が制限されることになる。そこで、脱
硫処理前のスラグ量の調整が必要になる。
【0018】本発明者らは、脱硫処理前のスラグ量が粗
溶鋼トン当り20kg以上60kg以下であれば容易に
処理後のスラグ組成の制御が可能であり、かつ不活性ガ
スによる撹拌も大きな制限がなく行えることを見出し
た。また、この量であれば、特開平9−241716号
公報に示されているような非酸化性雰囲気にする必要の
ないことを見出した。これは、この程度のスラグ量であ
れば、粗溶鋼と雰囲気がスラグによって完全に遮断さ
れ、スラグへの雰囲気からの酸素侵入速度は粗溶鋼に比
べ非常に遅いために、酸化性雰囲気であってもスラグに
よる雰囲気の遮断により、粗溶鋼からの脱硫反応が阻害
されないためである。
【0019】一方、スラグ量が粗溶鋼トン当り20kg
未満になると、特開平9−241716号公報に示され
ているような非酸化性への雰囲気制御が必要になること
を見出した。また、この量では脱硫量を稼ぐために極端
にスラグ塩基度を上げ、前記(2)式のaCaO を上げる
ことが必要になり、脱硫反応の制御が難しくなる。
【0020】以上より、脱硫処理前のスラグ量は粗溶鋼
トン当り20kg以上60kg以下に調整することが有
効である。電気アーク炉から取鍋へ粗溶鋼と共に移され
たスラグは一般的には液相状態にある。そのために取鍋
からの除去によるスラグ量の調整は、取鍋を傾けること
によって、容易に行える。また、スラグ量は取鍋内のス
ラグ厚みを測定することで、容易に求めることが可能で
ある。
【0021】ステンレス粗溶鋼の[C]濃度は、使用さ
れるスクラップや合金鉄等の原料の使用比率により変化
するが、一般的に0.5から4.0mass%程度であ
る。この粗溶鋼を精錬炉では、まず製品に要求される
[C]濃度まで下げる脱炭精錬が行われる。脱炭精錬は
溶鋼中に酸素ガスを吹込み、溶鋼中[C]をCOガスと
して系外に除去することによって行われる。これより、
脱炭精錬では前記(2)式のaO が大きくなるために、
脱硫とは逆の復硫反応が進行し、スラグ中(S)の殆ど
が溶鋼中へ移行することになる。
【0022】したがって、取鍋での脱硫処理後に精錬炉
へ持ち込むスラグ量は少ないほど、かつスラグ中(S)
濃度は低いほど、復硫量が抑えられることになる。本発
明者らは、脱硫処理前のスラグ量が粗溶鋼トン当り20
kg以上60kg以下であれば、脱硫処理後のスラグ量
を粗溶鋼トン当り15kg以下に調整することで、精錬
炉での脱炭精錬時の復硫量は低く抑えられることを見出
した。
【0023】図1に脱硫処理後にスラグ量の調整(以
下、排滓処理という)を行った後のスラグ量と精錬炉に
持ち込まれたS量の関係を示す。なお、持ち込まれたS
量とは粗溶鋼中[S]とスラグ中(S)を合わせた量で
あり、粗溶鋼中の濃度に換算した値である。また、図中
の●印は脱硫処理前スラグ量が粗溶鋼トン当り20kg
以上60kg以下の場合、□印はスラグ量が20kg未
満の場合、△印はスラグ量が60kgを越える場合の例
である。なお、各場合とも、原料中の[S]濃度の合計
は500ppm程度であり、取鍋での脱硫処理で粗溶鋼
中[S]濃度100ppm程度まで脱硫したものであ
る。
【0024】図1より脱硫処理前のスラグ量が粗溶鋼ト
ン当り20kg以上60kg以下であれば、脱硫処理後
の排滓処理でスラグ量を粗溶鋼トン当り15kg以下と
することで、精錬炉に持ち込まれたS量を低位安定化す
ることが可能である。なお、脱硫処理前のスラグ量が粗
溶鋼トン当り60kgを越える場合も低位安定化する
が、この場合は処理後の[S]濃度を達成するために
は、多量のフラックス添加が必要であり、かつ処理時間
が長くなるために、処理コストが高くなり不利である。
【0025】なお、脱硫処理後の排滓処理は脱硫処理前
に比べ、スラグ量を少なくする必要があるために、取鍋
を傾けて排滓するだけでは難しく、スラグ掻き出し機な
どの機械的な手段で強制的に排滓する必要がある。
【0026】次に、本発明者らは、脱硫処理を効率的に
行うためのスラグ組成条件について求めた。図2に脱硫
処理前のスラグ量を粗溶鋼トン当り20kg以上60k
g以下に調整後、脱硫処理を行った場合の処理後スラグ
の塩基度(CaO/SiO2)と脱硫率の関係を示す。
なお、処理前[S]濃度は400ppm程度であり、処
理後のスラグ液相率が90%以上の場合である。また、
脱硫率は溶解した原料の[S]濃度に対する脱硫処理後
の粗溶鋼中[S]濃度の除去比率を示す。
【0027】図2より、(CaO/SiO2 )が1.5
以上であれば、安定して脱硫率50%以上を達成出来
る。なお、(CaO/SiO2 )が2.4以上のデータ
は殆どないが、これはスラグの液相率90%以上を確保
することが難しくなるためである。
【0028】スラグの液相率はスラグ温度およびスラグ
組成によって決まるものである。スラグ温度が高いほ
ど、(CaO/SiO2 )が低いほど、また、スラグ中
Al2O3 濃度が高く、MgO濃度が低いほど液相率は
高くなる。液相率はスラグを目視で観察することで大ま
かな判断が可能であり、またSolgasmix,Th
ermocalc等の熱力学平衡計算解析ソフトによる
計算でも定量的に求められる。
【0029】図3に脱硫処理前のスラグ量を粗溶鋼トン
当り20kg以上60kg以下に調整後、脱硫処理を行
った場合の処理後スラグの液相率と脱硫率70%以上を
確保するための脱硫処理コスト指数の関係を示す。な
お、処理後スラグの(CaO/SiO2 )は全て1.5
以上である。また、脱硫処理コスト指数はスラグの(C
aO/SiO2 )が2.0で液相率が100%での脱硫
処理に使用したガス量、添加フラックスおよびスラグ排
滓等の費用の平均値を1として、換算した値である。図
3より、処理後スラグの液相率が90%以上であれば、
処理コストを低位に維持出来る。
【0030】図4に脱硫処理前のスラグ量を粗溶鋼トン
当り20kg以上60kg以下に調整後、脱硫処理を行
った場合の処理後スラグ中Al2 O3 濃度とMgO濃度
の関係での脱硫率50%の達成状況を示す。図中の○印
は脱硫率50%以上を達成した条件、×印は達成出来な
かった条件を示す。なお、処理前粗溶鋼の[S]濃度は
400ppm程度であり、処理後スラグの(CaO/S
iO2 )は全て1.5以上の場合である。図4より、処
理後スラグ中Al2 O3 濃度15mass%以下、Mg
O濃度5mass%以上で安定して50%以上の脱硫率
が達成出来る。
【0031】以上より、脱硫処理後のスラグ塩基度(C
aO/SiO2 )を1.5以上に調整し、スラグの液相
率が90%以上となるようにスラグ組成を制御するこ
と、および脱硫処理後のスラグ塩基度(CaO/SiO
2 )を1.5以上に調整し、かつスラグ中Al2 O3 濃
度を15mass%以下、MgO濃度を5mass%以
上に調整することで安定して効率的な脱硫が達成出来
る。なお、これらのスラグ組成の条件は、前記(2)式
のaCaO を上げる条件であり、液相率はスラグと溶鋼間
の反応速度を上げる条件に相当する。
【0032】なお、脱硫処理終了時点での粗溶鋼温度は
[C]濃度および次工程の精錬炉の形態などにより異な
るが、一般的に1350℃から1500℃の範囲にあ
り、スラグの液相率90%以上を確保する観点より、
(CaO/SiO2 )は2.4以下、Al2 O3 濃度は
3mass%以上、MgO濃度は15mass%以下が
好ましい。
【0033】なお、処理後スラグの組成および液相率の
目標範囲への制御は、電気アーク炉から取鍋へスラグと
共に粗溶鋼を出鋼した時点で、温度測定およびスラグの
組成分析を行い、範囲を満足する場合は不活性ガスによ
る撹拌のみで脱硫処理を行い、満足しない場合はCaO
やMgO等のフラックスの添加を行い、脱硫処理を行う
ことで、可能である。
【0034】また、脱硫処理方法はスラグの量、組成の
条件より、不活性ガスによる撹拌、フラックス吹込み
(インジェクション)、機械的撹拌など自由に適用可能
であり、処理時間は一般的には10分から30分の処理
が必要である。
【0035】
【実施例】SUS304(18mass%Cr−8ma
ss%Ni)ステンレス鋼の電気アーク炉、AOD炉、
連続鋳造からなる製造工程において、電気アーク炉とA
OD炉間で粗溶鋼の脱硫処理を実施した。電気アーク炉
ではスクラップ、合金鉄を主原料とし、ダスト、スケー
ル等も加えて、溶鋼量60トン、[S]濃度400pp
mになるように配合し、合わせて、CaO、CaF2 等
の造滓剤を加えて溶解を行った。
【0036】溶解後、約10min間の昇温・精錬を行
った後に、粗溶鋼をスラグと共に取鍋に出鋼した。取鍋
では所定のスラグ量になるように傾けて排滓を行った
後、脱硫処理を実施した。脱硫処理は所定のスラグ組成
を満足する場合は窒素ガスによる撹拌のみを行い、満足
しない場合はCaO−CaF2 系フラックスを窒素ガス
と共に吹き込んだ。脱硫処理はいずれも20min間の
処理を行った。脱硫処理後、スラグ掻き出し機を用いた
強制的な排滓を行い、AOD炉へ装入した。
【0037】表1に脱硫処理前条件、脱硫処理時のフラ
ックス吹込み有無、脱硫処理後条件、脱硫処理での脱硫
率、排滓後のスラグ量、AOD炉への持ち込みS量およ
び脱硫コスト指数をまとめて示す。なお、脱硫コスト指
数はNo.1での脱硫コストを1とした場合の比較換算
値で示す。また、No.1〜12は本発明例、No.1
3〜22は本発明の条件外の比較例示す。
【0038】本発明例では安定して、高い脱硫率が得ら
れ、AOD炉への持ち込みS量も低く、かつ脱硫コスト
も低く抑えられる。一方、比較例では脱硫率がばらつい
ており、AOD炉への持ち込みS量も高い例が多い。ま
た、持ち込みS量が低く抑えられた場合には脱硫コスト
が高くなっている。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
のステンレス鋼の脱硫方法は、安定して高い脱硫率が得
られ、次工程の精錬炉への持ち込みS量も低位に抑えら
れて、精錬炉の脱硫負荷が解消される。また、脱硫コス
トも低く抑えられることから、工業的価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】排滓処理後の粗溶鋼トン当りのスラグ量と精錬
炉に持ち込まれたS量の関係を示す図。
【図2】脱硫処理後のスラグ塩基度(CaO/SiO2
)と脱硫率の関係を示す図。
【図3】脱硫処理後のスラグ液相率と脱硫処理コスト指
数の関係を示す図。
【図4】脱硫処理後のMgO濃度とAl2 O3 濃度の関
係での脱硫率の達成状況を表す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 五十嵐 昌夫 山口県光市大字島田3434番地 新日本製鐵 株式会社光製鐵所内 (72)発明者 槙野 伸幸 山口県光市大字島田3434番地 新日本製鐵 株式会社光製鐵所内 Fターム(参考) 4K014 AA02 AC03 AC08 AD23 CA04 CC07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気アーク炉でステンレス粗溶鋼を溶解
    し、粗溶鋼をスラグと共に取鍋に出鋼し、取鍋内にて脱
    硫処理を行う方法において、脱硫処理前のスラグ量を粗
    溶鋼トン当り20kg以上60kg以下に調整し、脱硫
    処理後のスラグ量を粗溶鋼トン当り15kg以下に調整
    することを特徴とするステンレス鋼の脱硫方法。
  2. 【請求項2】 脱硫処理後のスラグ塩基度(CaO/S
    iO2 )を1.5以上に調整し、スラグの液相率が90
    %以上となるようにスラグ組成を制御することを特徴と
    する請求項1に記載のステンレス鋼の脱硫方法。
  3. 【請求項3】 脱硫処理後のスラグ塩基度(CaO/S
    iO2 )を1.5以上に調整し、かつスラグ中Al2 O
    3 濃度を15mass%以下、MgO濃度を5mass
    %以上に調整することを特徴とする請求項1に記載のス
    テンレス鋼の脱硫方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013023738A (ja) * 2011-07-22 2013-02-04 Jfe Steel Corp 取鍋内スラグの再利用方法
JP2020064032A (ja) * 2018-10-19 2020-04-23 株式会社東芝 金属溶融方法および金属溶融システム

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