JP2013020863A - 非水電解液二次電池用正極活物質の製造方法 - Google Patents

非水電解液二次電池用正極活物質の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】4.5V程度以上の充電電圧における非水電解液二次電池の高温保存特性及びサイクル特性を向上させる正極活性物質の製造方法の提供。
【解決手段】一般式LiCo1−x−y−zMgAl(MはZr及び/又はTi、0.9≦a≦1.02、0<x≦0.03、0<y≦0.02、0<z≦0.01、0.01≦x+y+z≦0.06)で表されるコバルト酸リチウム粒子と、前記コバルト酸リチウム粒子表面に存在する、リン酸リチウムを含有する表面部とを含む正極活物質の製造方法であって、リチウム化合物と、マグネシウム化合物と、アルミニウム化合物と、ジルコニウム及び/又はチタン化合物と、リン酸塩化合物とを混合して原料混合物を得る混合工程と、前記原料混合物を焼成する焼成工程とを含み、前記原料混合物に含まれるリン酸塩化合物の90mol%以上がリチウム元素を含有しないリン酸塩化合物の形態で存在している。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池用正極活物質に関する。本発明は特に、4.5V級の充電電圧で使用する場合のサイクル特性および高温保存特性が向上した非水電解液二次電池用正極活物質に関する。
近年、VTR、携帯電話、ノートパソコン等の携帯機器の普及及び小型化が進み、その電源用にリチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池が用いられるようになってきている。更に、非水電解液二次電池は、最近の環境問題への対応から、電気自動車等の動力用電池としても注目されている。
リチウム二次電池用正極活物質としては、LiCoO(コバルト酸リチウム)が4V級の二次電池を構成し得るものとして一般的に広く採用されている。LiCoOを正極活物質として用いた場合、放電容量が約160mA/gで実用化されている。
一方、コバルト酸リチウムの改良目的で、リン化合物を用いる技術が存在する。特許文献1には、サイクル特性を改善するためにリン酸化物やリン酸塩化合物を原料混合物に添加し、焼成することが記載されている。特許文献2には原料混合物にリン酸を添加し、焼成することで正極活物質表面にリンの被膜を形成し、4.1V程度の高電圧でもサイクル特性を向上させることが記載されている。
特許第3212639号公報 特許第3054829号公報
電気自動車用等の輸送、移動分野においては、電池から得られる出力を高めるために、電池1個当たりの電圧をより高くする要求がある。この様な要求に応える手法の1つとして、既存の非水電解液二次電池を従来よりも高電圧の領域まで充電して使用する方法がある。
しかし、正極活物質としてコバルト酸リチウムを用いる場合、高電圧で充電した状態で保存すると、正極活物質中のコバルトが電解液中に溶出する傾向が強くなる。特許文献1及び2の技術ではこのコバルト溶出を抑制することができず、従って、高電圧充電条件における保存特性の悪化を防ぐことができない。また、特許文献1及び2の技術では、高電圧充電におけるサイクル特性向上の効果も得ることができず、あるいは不十分である。
一方、コバルト酸リチウムの組成におけるリチウムの比率を高くすることにより、正極活物質から電解液へのコバルト溶出を抑制することが可能であるが、それにより今度はサイクル特性が悪化する傾向を示す。従って、高電圧領域における高温保存特性とサイクル特性とを両立させることはできなかった。
また、コバルト酸リチウムの組成において、コバルトの一部を、マグネシウムと、アルミニウムと、ジルコニウム及びチタンからなる群から選択される少なくとも1種とで置換することにより、4.5V程度の高い充電電圧で使用する場合であってもサイクル特性が向上するが、コバルト溶出の抑制効果は十分といえなかった。
上述のように、4.5V程度以上の高電圧充電条件において、高温保存特性の向上とサイクル特性の向上とを両立し得る従来技術はこれまで存在しなかった。
本発明はこれらの事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、4.5V程度以上の充電電圧における非水電解液二次電池の高温保存特性及びサイクル特性を向上させることである。
上記目的を達成するために本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、特定の種類のリン酸塩化合物を含有する原料混合物を焼成することによって得られる特定の組成の正極活物質を使用することにより、4.5V程度以上の充電電圧における高温保存特性及びサイクル特性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の正極活物質の製造方法は、一般式LiCo1−x−y−zMgAl(MはZr及びTiからなる群から選択される少なくとも1種、0.9≦a≦1.02、0<x≦0.03、0<y≦0.02、0<z≦0.01、0.01≦x+y+z≦0.06)で表されるコバルト酸リチウム粒子と、
前記コバルト酸リチウム粒子表面に存在する、リン酸リチウムを含有する表面部とを含む正極活物質の製造方法であって、
リチウム化合物と、マグネシウム化合物と、アルミニウム化合物と、ジルコニウム及び/又はチタン化合物と、リン酸塩化合物とを混合して原料混合物を得る混合工程と、
前記原料混合物を焼成する焼成工程とを含み、
前記原料混合物に含まれるリン酸塩化合物の90mol%以上が、リチウム元素を含有しないリン酸塩化合物の形態で存在していることを特徴とする。
前記表面部に存在するリン酸リチウムの量は、前記コバルト酸リチウム粒子1molに対して0.005mol〜0.125molであることが好ましい。
前記原料混合物中のリチウム元素を含有しないリン酸塩化合物は、好ましくはリン酸アンモニウム塩、より好ましくはポリリン酸塩、より一層好ましくはポリリン酸アンモニウムである。
混合前の原料としての前記リン酸塩化合物は、好ましくはリン酸アンモニウム塩であり、より好ましくはポリリン酸アンモニウムである。
本発明の正極活物質を用いて製造される非水電解液二次電池は、従来よりも高い4.5V程度の充電電圧で使用する場合であっても、充放電容量の減少が小さくサイクル特性が向上する。また、本発明の正極活物質を用いると、4.5V程度の高電圧に充填した状態で高温保存する際の充電容量低下を抑制することができる。
上記構成と効果の関係について、特定の理論にとらわれるつもりはないが凡そ以下の通りであると推測される。
上述の原料混合物において、リチウム化合物は、目的とするコバルト酸リチウムの化学量論比よりも過剰に存在している。焼結工程において、この過剰分のリチウム化合物は原料混合物中のリン酸塩化合物と反応し、その結果、コバルト酸リチウム粒子の表面に、リン酸リチウムを主成分とする表面部が形成される。この表面部が高電圧充電状態という電気的ストレスにも耐え得る構造を有していることにより、本発明の効果を得ることができるのである。この表面部の表面部の構造は不明であるが、原料混合物中のリン酸塩化合物の種類に応じて、異なる構造の表面部が得られると考えられる。例えば、原料混合物中に存在するリン酸塩化合物の主成分がリン酸リチウムである場合、本発明の効果は得られないが、それは、リチウムを含まないリン酸塩化合物から得られる表面部とは異なる構造の表面部が形成されるからである。
また、予め作製したコバルト酸リチウム粒子をリン酸リチウムで単に被覆しても、本発明の効果は得られない。
図1は、本発明の実施例及び比較例の正極活物質を用いて作製した非水電解液二次電池のサイクル特性試験結果を示すグラフである。
以下、本発明の正極活物質の製造方法について、実施の形態及び実施例を用いて詳細に説明する。但し、本発明はこれら実施の形態及び実施例に限定されるものではない。
本発明の方法で製造される正極活物質は、組成が一般式LiCo1−x−y−zMgAl(MはZr及びTiからなる群から選択される少なくとも1種、0.9≦a≦1.02、0<x≦0.03、0<y≦0.02、0<z≦0.01、0.01≦x+y+z≦0.06)で表されるコバルト酸リチウム粒子と、前記コバルト酸リチウム粒子表面に存在する、リン酸リチウムを含有する表面部とを含む。
本発明に係る正極活物質には、前記コバルト酸リチウムおよび前記表面部以外の成分、例えば微量の不純物および副生成物が含まれることがあるが、これら不純物及び副生成物の量が前記コバルト酸リチウムおよび前記表面部の総量に対して1重量%未満である場合には、本発明に係る正極活物質の範囲内であるとする。
上述の不純物、副生成物とは別に、他の正極活物質や正極活物質以外の添加剤を存在させ、全体として正極活物質としてもよい。本願においては、前記コバルト酸リチウム粒子及び前記表面部を主成分(凡そ80重量%以上)とするならば、本発明に係る正極活物質の範囲内であるとする。
コバルト酸リチウム粒子におけるリチウム元素の割合が低いと、その正極活物質を用いて製造される非水電解液二次電池のサイクル特性が向上し、コバルト溶出量が増加する傾向を示す。反対にリチウム元素の割合が高いと、コバルト溶出量が抑制され、サイクル特性が悪化する傾向を示す。従って、リチウム元素の割合は、サイクル特性の向上とコバルト溶出量の抑制とを両立し得るように、適切に設定する必要がある。表面部におけるリン酸リチウムの存在量も考慮すると、aの値は0.9以上1.02以下であることが好ましい。aは、より好ましくは0.95以上1.00以下である。
本発明に係る正極活物質のコバルト酸リチウム粒子は、その組成においてコバルトの一部をマグネシウムと、アルミニウムと、ジルコニウム及びチタンからなる群から選択される少なくとも1種とで置換したものである。コバルト酸リチウム1molに対する、マグネシウム、アルミニウム並びにジルコニウム及び/又はチタンの総量の割合は、好ましくは0.01mol以上0.06mol以下である。即ち、上述の組成式において0.01≦x+y+z≦0.06であることが好ましい。このように置換することにより、4.5V程度の高電圧充電条件下でのサイクル特性を向上させることができる。但し、置換する量が多すぎると放電容量が低下してしまうので好ましくない。
xは、好ましくは0より大きく0.03以下である。yは、好ましくは0より大きく0.02以下である。zは、好ましくは0より大きく0.01以下である。
表面部に存在するリン酸リチウムの量は、少なすぎると本発明の効果を得ることができないが、多すぎると正極活物質のイオン導電性が低下し、出力特性の低下を招く。表面部に存在するリン酸リチウムの量は、好ましくはコバルト酸リチウム粒子1molに対して0.005mol〜0.125mol、より好ましくは0.008mol〜0.080molである。
表面部は、リン酸リチウムを80重量%以上、好ましくは95重量%以上含有する。前記表面部は、リン酸リチウムの他に、例えばジルコニウム、タングステン、モリブデン等の多価金属とリチウムとの複合酸化物、マグネシウム、アルミニウム等の酸化物、あるいは硫酸リチウム等を含んでよい。
次に本発明の正極活物質の製造方法について説明する。
本発明の正極活物質の製造方法は、以下の混合工程と焼成工程を含む。
[混合工程]
目的とする正極活物質の組成に応じて各元素の化合物を混合して原料混合物を得る。原料混合物は、リン酸塩化合物と、リチウム化合物と、コバルト化合物と、マグネシウム化合物及びアルミニウム化合物と、ジルコニウム及びチタンからなる群から選択される少なくとも1種の元素の化合物とを混合機で混合することによって得ることができる。あるいは、各元素の化合物を溶液の状態にし、酸、アルカリ、錯化剤等を用いて沈殿物として原料混合物を得てもよい。あるいは特定元素について沈殿物を得、その沈殿物を他の元素の化合物と混合機で混合することによって原料混合物を得てもよい。但し、リン酸塩化合物については、最終的な原料混合物の段階で、主成分(凡そ90mol%以上)が、リチウムを含まないリン酸塩化合物の形態で存在している必要がある。原料混合物における、リチウムを含まないリン酸塩化合物の割合は、好ましくは95mol%以上である。
原料混合物中のリチウムを含まないリン酸塩化合物は、リン酸アンモニウム塩であることが好ましい。
原料混合物中のリチウムを含まないリン酸塩化合物は、重合度が3〜50のポリリン酸塩であると、コバルト溶出抑制効果が高いのでより好ましい。ポリリン酸塩の重合度のより好ましい範囲は5〜20である。なお、ポリリン酸塩の重合度nは、対イオンを構成する原子(対イオンが原子団からなる場合はその中心となる原子)R(例えばNaにおけるNaやNH におけるN等)とリン原子のモル比M:Mより同様に算出できる。
リチウムを含まないリン酸塩化合物の主成分(凡そ90mol%以上)は、ポリリン酸アンモニウムの形態で存在しているとリンとリチウムのバランスを制御し易く好ましい。その重合度が前述の範囲であると特に好ましい。
リン酸塩化合物は、単一の種類で存在していてもよく、異なる2種類以上のリン酸塩化合物の混合物として存在していてもよい。
混合前の原料としてのリン酸塩化合物は、得られる原料混合物において上述の存在形態をとるものであれば特に限定されるものではない。混合前の原料としてのリン酸塩化合物は、好ましくはリン酸アンモニウム塩であり、より好ましくはポリリン酸アンモニウムである。
リン酸塩化合物以外の各原料については特に制限はなく、高温で酸化物へと分解する化合物として原料混合物中に存在していればよい。本発明の方法で使用可能なリチウム化合物、コバルト化合物、マグネシウム化合物、アルミニウム化合物、ジルコニウム化合物、チタン化合物は、例えば各金属元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、硝酸塩、有機酸塩等である。
[焼成工程]
前記混合工程で得た原料混合物を焼成する。焼成温度は原料混合物中の各元素が固相反応し得るように適切に選択する。焼成温度が低すぎるとリチウムを含む各元素の反応が不十分になり、高すぎるとリチウムの揮発が起こり、その結果得られる焼成品の組成が目的の組成からずれてしまい、あるいは焼結が過剰に起こる虞があるので注意を要する。焼成温度は500℃以上1200℃以下であることが好ましく、750℃以上900℃以下であることがより好ましい。焼成時間は、最高温度を保持する時間が2時間程度であればよく、全焼成時間は凡そ8時間以上であれば十分である。焼成時間が長くても特性上問題ないが、24時間以上焼成を行ってもエネルギーが無駄となるだけであるので、焼成時間は8時間以上24時間以下とするのが好ましい。
焼成雰囲気は特に限定されず、酸化性雰囲気、還元性雰囲気、不活性雰囲気等任意の雰囲気を用いてよい。取り扱い易さを考慮すると大気焼成が好ましい。
[その他追加の工程]
焼成工程の前に、混合工程で得られる原料混合物を仮焼成して酸化物とする熱分解工程を追加で実施してもよい。また、焼成工程で得られる焼成品に対して、必要に応じて粉砕、湿式処理、分級、アニール等の工程を追加で実施してもよい。
[実施例1]
炭酸リチウム0.515mol、四酸化三コバルト0.327mol、炭酸マグネシウム0.01mol、酸化アルミニウム0.005mol、酸化ジルコニウム0.4×10−3mol、重合度約11のポリリン酸アンモニウム(太平化学産業株式会社製タイエンP、窒素約16%、リン約30%含有)9.09×10−4molを混合機で混合した。得られた原料混合物において、リン酸塩化合物はポリリン酸アンモニウムの形態で存在していた。次いで、この原料混合物を大気雰囲気中900℃で8時間焼成した。得られた焼成品を粉砕し、乾式篩を通し、一般式Li1.0Co0.9796Mg0.01Al0.01Zr0.0004で表されるコバルト酸リチウム粒子と、リン酸リチウムを含有する表面部とを含む正極活物質を得た。表面部のリン酸リチウムは、コバルト酸リチウム粒子1molに対して0.01molである。
[比較例1]
炭酸リチウム0.515mol、四酸化三コバルト0.327mol、炭酸マグネシウム0.01mol、酸化アルミニウム0.005mol、酸化ジルコニウム0.4×10−3molを混合機で混合し、大気中900℃で8時間焼成した。得られた焼成品を粉砕し、乾式篩を通し、一般式Li1.0Co0.9796Mg0.01Al0.01Zr0.0004で表されるコバルト酸リチウム粒子からなる正極活物質を得た。
[比較例2]
炭酸リチウム0.515mol、四酸化三コバルト0.327mol、炭酸マグネシウム0.01mol、酸化アルミニウム0.005mol、酸化ジルコニウム0.4×10−3mol、リン酸リチウム0.01molを混合機で混合した。得られた原料混合物において、リン酸塩化合物はリン酸リチウムの形態で存在していた。次いで、この原料混合物を大気雰囲気中900℃で12時間焼成した。得られた焼成品を粉砕し、乾式篩を通し、一般式Li1.0Co0.9796Mg0.01Al0.01Zr0.0004で表されるコバルト酸リチウム粒子と、リン酸リチウムを含有する表面部とを含む正極活物質を得た。表面部のリン酸リチウムは、コバルト酸リチウム粒子1molに対して0.01molである。
[正極の作製]
実施例1並びに比較例1及び2の正極活物質を用いて、以下の手順で正極を作製した。
正極活物質90重量部と、アセチレンブラック5.0重量部と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)5.0重量部とをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させてスラリーを調製した。得られたスラリーを、集電体としてのアルミニウム箔の片面に塗布し、乾燥後プレス機で圧縮成形して正極極板を得た。この極板を、サイズが
15cmとなるように裁断して正極を得た。塗布された正極活物質層の重量は、正極1枚当たり約0.35gであった。
[負極の作製]
以下に示す手順で負極を作製した。
天然黒鉛97.5重量部と、カルボキシメチルセルロース(CMC)1.5重量部と、結着剤としてのスチレンブタジエンゴム(SBR)1.0重量部とを純水に分散させてスラリーを調製した。得られたスラリーを、集電体としての銅箔の片面に塗布し、乾燥後プレス機で圧縮成形して負極極板を得た。この極板を、サイズが16.64cmとなるように裁断して負極を得た。塗布された負極活物質層の重量は、負極1枚当たり約3.3gであった。
[電解液の調製]
以下に示す手順で電解液を作製した。
エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)とを体積比率3:7で混合し、得られた混合溶媒に六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を濃度1mol/Lになるように溶解させて、電解液を調製した。
[電池の組み立て]
実施例1並びに比較例1及び2の正極活物質の各々から作製した上述の各正極を用いて、以下に示す手順で非水電解液二次電池を組み立てた。
正極および負極の集電体に各々リード電極を取り付けたのち、正極と負極との間にセパレータを配し、袋状のラミネートパックにそれらを収納した。次いで、これを60℃で
真空乾燥させて、各部材に吸着した水分を除去した。その後、アルゴン雰囲気下でラミネートパック内に電解液を注入し、封止した。こうして得られた電池を25℃の恒温槽に入れ、微弱電流でエージングを行い、正極及び負極に電解質を十分なじませた。
[コバルト溶出量測定]
実施例1並びに比較例1及び2に係る電池の各々について、以下に示す手順でコバルト溶出量の測定を行った。
各電池を25℃の恒温槽に入れ、充電電位4.4V−充電電流0.2C(なお、1Cは1時間で放電が終了する電流負荷を意味する)、充電時間12時間の条件で満充電を行った。充電完了後、各電池を60℃に設定した恒温槽において15時間静置させた。
次に、電池から負極を取り出した。取り出した負極を純水中に投入することによって、銅箔から負極活物質層を剥離させた。この負極活物質層を含有する水溶液に塩酸を加えた。ICP発光分光分析機を用いて水溶液中のコバルトの含有量を測定し、その値をコバルト溶出量とした。結果を表1に示す。溶出コバルトの量が少ないほど、高温保存特性が良好であるといえる。
Figure 2013020863
[サイクル特性試験]
実施例1並びに比較例1及び2の各電池について、充電容量及び放電容量を以下の様にして繰り返し測定して、サイクル特性試験を行った。
45℃に設定した恒温槽に各電池を接続し、充電電位4.4V−充電電流1.0Cで定電流にて充電した後、放電電位2.75V−放電電流1.0Cにて放電し、この充放電を1サイクルとして200サイクルの充放電を行った。試験結果を表1および図1に示す。容量低下率が小さいほど、サイクル特性が良好であるといえる。
表1及び図1より、実施例1の電池は、リン酸リチウムを含有する表面部を有しない比較例1の電池と比較して、溶出コバルト量が低減していることがわかる。一方、比較例2の電池は、実施例1の電池と同等の溶出コバルト量を示した。このことから、原料混合物におけるリン酸塩化合物の存在形態に関係なく、コバルト酸リチウム粒子の表面にリン酸リチウムを含有する表面部を形成することにより、正極活物質からのコバルトの溶出を抑制し得ることがわかる。
しかし、実施例1の電池が200サイクル後に88%の高い容量維持率を示したのに対し、比較例2の電池の容量維持率は30%以下であった。このことから、原料混合物においてリン酸塩化合物がリチウムを含まないリン酸塩の形態で存在していた場合にのみ、サイクル特性が向上することが分かる。なお、リン酸リチウムを含有する表面部を有しない比較例1の電池は、200サイクル後において実施例1と同等の容量維持率を示した。
本発明の正極活物質は、4.5V級等の非水電解液二次電池に利用することができる。本発明の正極組成物を用いた非水電液二次電池は、充電電圧が従来の4V級非水電解液二次電池よりも高く、サイクル特性も良好であるので、電気自動車用バッテリー等の高出力、大型用途の電源に特に好適に利用可能である。

Claims (6)

  1. 一般式LiCo1−x−y−zMgAl(MはZr及びTiからなる群から選択される少なくとも1種、0.9≦a≦1.02、0<x≦0.03、0<y≦0.02、0<z≦0.01、0.01≦x+y+z≦0.06)で表されるコバルト酸リチウム粒子と、
    前記コバルト酸リチウム粒子表面に存在する、リン酸リチウムを含有する表面部と
    を含む正極活物質の製造方法であって、
    リチウム化合物と、マグネシウム化合物と、アルミニウム化合物と、ジルコニウム及び/又はチタン化合物と、リン酸塩化合物とを混合して原料混合物を得る混合工程と、
    前記原料混合物を焼成する焼成工程とを含み、
    前記原料混合物に含まれるリン酸塩化合物の90mol%以上が、リチウム元素を含有しないリン酸塩化合物の形態で存在していることを特徴とする、方法。
  2. 前記表面部に存在するリン酸リチウムの量が、前記コバルト酸リチウム粒子1molに対して0.005mol〜0.125molである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記原料混合物中のリチウム元素を含有しないリン酸塩化合物がリン酸アンモニウム塩である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記リン酸アンモニウム塩がポリリン酸アンモニウムである、請求項3に記載の方法。
  5. 混合前の前記リン酸塩化合物がリン酸アンモニウム塩である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 混合前の前記リン酸塩化合物がポリリン酸アンモニウムである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
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