JP2012230810A - チタン酸リチウム、非水電解質電池用電極、及び非水電解質電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】非水電解質電池の電極材料に適したチタン酸リチウム、並びに電池の内部抵抗を低減することが可能な非水電解質電池用電極、及び非水電解質電池を提供する。
【解決手段】チタン酸リチウムは、一般式Li4-xTi5O12(但し、xは0.001〜0.006)で表わされる。このチタン酸リチウムは、リチウム欠損を有することで、電子伝導性が高い。非水電解質電池用電極は、活物質を含有する電極であり、この活物質が、上記したチタン酸リチウム(Li4-xTi5O12(但し、xは0.001〜0.006))である。また、非水電解質電池は、正極と、負極と、これら両極の間に介在される電解質層を有する電池であり、正極又は負極が、上記した非水電解質電池用電極である。
【選択図】なし
【解決手段】チタン酸リチウムは、一般式Li4-xTi5O12(但し、xは0.001〜0.006)で表わされる。このチタン酸リチウムは、リチウム欠損を有することで、電子伝導性が高い。非水電解質電池用電極は、活物質を含有する電極であり、この活物質が、上記したチタン酸リチウム(Li4-xTi5O12(但し、xは0.001〜0.006))である。また、非水電解質電池は、正極と、負極と、これら両極の間に介在される電解質層を有する電池であり、正極又は負極が、上記した非水電解質電池用電極である。
【選択図】なし
Description
本発明は、チタン酸リチウム、チタン酸リチウムを含有する非水電解質電池用電極、及びこの電極を有する非水電解質電池に関する。特に、非水電解質電池の電極材料(活物質)に適したチタン酸リチウムに関する。
非水電解質電池は、長寿命・高効率・高容量であり、携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラなどの携帯機器に使用されている。非水電解質電池の代表例としては、正極・負極間のリチウムイオンの授受反応を利用したリチウム電池やリチウムイオン二次電池(以下、単に「リチウム系電池」と呼ぶ)が挙げられる。
このリチウム系電池は、正極活物質を含有する正極と、負極活物質を含有する負極と、これら両極の間に配置される電解質層を有する。そして、正極と負極との間で電解質層を介してリチウムイオンが移動することによって充放電を行う。電解質層には有機電解液を含浸させたセパレータがよく使用されている。また近年では、電解質層に有機電解液を用いた電解液型のものの他、有機電解液に代えて不燃性の無機固体電解質を用いた固体電解質型のものも提案されている。
このような非水電解質電池用電極の活物質として、リチウムイオンを吸蔵放出可能な、スピネル構造を有するチタン酸リチウム(Li4Ti5O12)を採用することが試みられている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、一般式Li4Ti5O12-x(0<x<0.02)で表わされるチタン酸リチウムが開示されている。
非水電解質電池用電極の活物質に要求される特性の一つに、活物質の電子伝導性が高いことが挙げられる。そして、活物質の電子伝導性を向上させることで、電池の内部抵抗を低減することが望まれる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、非水電解質電池の電極材料に適したチタン酸リチウムを提供することにある。また別の目的は、電池の内部抵抗を低減することが可能な非水電解質電池用電極、及び非水電解質電池を提供することにある。
本発明者らは、上記した特許文献1に記載のチタン酸リチウムについて次のように考えた。
上記した特許文献1に記載のチタン酸リチウム(Li4Ti5O12-x(0<x<0.02))は、酸素欠損を有することによって、チタンの酸化状態、即ち価数が変化する。そして、チタン原子が+4の酸化状態(4価)から+3の酸化状態(3価)へ変化することに起因して、3価のチタンを含むことにより、電子伝導性の向上を図っている。しかし、このチタン酸リチウムは、還元剤を含む気体雰囲気下で焼結することによって生成しているため、酸素欠損量を制御することが難しいと考えられる。また、特許文献1に記載のチタン酸リチウムの製造方法では、還元剤を含む気体雰囲気下で焼結する他、焼結回数を1回とし、焼結時間も短いので、反応が進み難く、不純物が析出し易いと考えられる。さらに、酸素欠損を有する場合、原子半径の大きい酸素原子が欠損することにより、結晶構造が安定せず、スピネル構造を維持することが難しいと考えられる。加えて、結晶構造に歪みが生じることも考えられ、その結果、リチウムイオンの拡散抵抗(イオン拡散抵抗)が大きくなり、電池の内部抵抗が増加することが懸念される。
本発明者らは、酸素欠損を有するのではなく、リチウム欠損を有することによって、チタン酸リチウム(Li4Ti5O12)におけるチタン原子の価数が4価から3価に変化し、3価のチタンが増えることにより、チタン酸リチウムの電子伝導性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)本発明のチタン酸リチウムは、一般式Li4-xTi5O12(但し、xは0.001〜0.006)で表わされることを特徴とする。
(2)本発明の非水電解質電池用電極は、活物質を含有する電極であり、この活物質が、上記した本発明のチタン酸リチウムであることを特徴とする。
(3)本発明の非水電解質電池は、正極と、負極と、これら両極の間に介在される電解質層を有する電池であり、正極又は負極が、上記した本発明の非水電解質電池用電極であることを特徴とする。
本発明のチタン酸リチウムによれば、一般式Li4-xTi5O12(但し、xは0.001〜0.006)で表わされ、リチウム欠損を有することで、3価のチタンが増えることから、電子伝導性が高い。よって、本発明のチタン酸リチウムを非水電解質電池の電極材料(活物質)に利用することで、電池の内部抵抗を低減することができる。また、リチウム欠損量、即ちxの範囲を0.001≦x≦0.006に制御することで、充放電サイクル特性に優れるスピネル構造が維持される。xが0.001未満の場合、リチウム欠損量が少なく、電子伝導性の向上効果が小さい。一方、xが0.006超の場合、リチウム欠損量が多く、結晶構造に歪みが生じて電荷移動抵抗が上昇する虞がある。
ここで、リチウム欠損を有する本発明のチタン酸リチウムの場合、酸素原子に比較して原子半径の小さいリチウム原子が欠損することから、酸素欠損を有する従来のチタン酸リチウムに比較して、結晶構造が安定し、スピネル構造を維持し易い。加えて、結晶構造に歪みが生じ難く、イオン拡散抵抗の増大を抑制して、電池の内部抵抗の増加を抑制することができる。
本発明のチタン酸リチウムは、次の工程を備える製造方法により製造することができる。
Li4Ti5O12の化学量論比に対してLi量がモル比で0.001〜0.006不足するように、Li源とTi源とを混合して混合物を得る混合工程。
この混合物を焼成する焼成工程。
Li4Ti5O12の化学量論比に対してLi量がモル比で0.001〜0.006不足するように、Li源とTi源とを混合して混合物を得る混合工程。
この混合物を焼成する焼成工程。
上記製造方法によれば、Li4Ti5O12の化学量論比に対してLi量がモル比で0.001〜0.006不足するようにLi源とTi源とを混合することで、一般式Li4-xTi5O12(但し、xは0.001〜0.006)で表わされる本発明のチタン酸リチウムを製造することができる。この製造方法では、還元剤を用いる必要がなく、リチウム欠損量を制御し易い。また、Li源にはリチウム化合物、代表的にはLiCO3又はLiOHを好適に用いることができ、Ti源にはチタン化合物、代表的にはTiO2を好適に用いることができる。ここで、Li量がモル比で0.006を超えて不足するようにLi源とTi源とを混合した場合、Ti源(例、TiO2)の一部が未反応の状態で不純物として残存することがある。
上記製造方法において、より好ましくは焼成を2回行う、具体的には、上記混合物を仮焼成して仮焼成物を得る仮焼成工程と、この仮焼成物を粉砕して粉末化した後、この粉末を本焼成する本焼成工程とを備えることが好ましい。これにより反応が促進され、不純物の析出を抑制することができる。特に、仮焼成の条件を、仮焼成温度:750℃〜900℃、仮焼成時間:5時間〜15時間とし、本焼成の条件を、本焼成温度:950℃〜1050℃、本焼成時間:10時間〜24時間とすると、反応がより促進し、不純物の析出を効果的に抑制することができる。
本発明のチタン酸リチウムを非水電解質電池用電極の活物質に用いる場合、必要に応じて導電助剤や結着剤(バインダー)を含有してもよい。導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック(AB)やケッチェンブラック(KB)といったカーボンブラックなどが挙げられる。結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やポリフッ化ビニリデン(PVdF)などが挙げられる。本発明のチタン酸リチウムは、上述したように高電子伝導性を有するので、電極の活物質に用いた場合、導電助剤の含有量を低減、或いは使用しないことも可能である。電池反応に直接寄与しない導電助剤の含有量を低減、或いは使用しないことで、その分活物質の含有量を増やして、電池容量の向上を図ることができる。また、導電助剤の含有量を低減、或いは使用しないことで、電極材料を混合する際の分散性を高めることができる。
(4)本発明の非水電解質電池において、電解質層には、固体電解質や有機電解液を用いることができる。固体電解質を用いる場合、Li2Sを含む硫化物系固体電解質や、Li3PO4、LiPONなどの酸化物系固体電解質を用いるとよい。具体的な硫化物系固体電解質としては、例えば、Li2S‐P2S5系、Li2S‐SiS2系、Li2S‐B2S3系などが挙げられ、更にP2O5やLi3PO4が添加されてもよい。硫化物系固体電解質は、酸化物系のものに比較して、一般的に高いリチウムイオン伝導性を示すので好適である。特に、硫化物系固体電解質の中でもLi2S‐P2S5系の固体電解質は、高いリチウムイオン伝導性を示すのでより好適である。一方、有機電解液を用いる場合、有機溶媒にリチウム塩を溶解させた有機電解液を含浸させたセパレータを用いるとよい。有機溶媒としては、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、及びこれら混合溶媒などが挙げられる。リチウム塩としては、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)などが挙げられる。
(5)本発明の非水電解質電池用電極において、活物質の他、固体電解質を含有してもよい。固体電解質で電解質層を形成した固体電解質層を有する電池(固体電解質型電池)では、電極に固体電解質を含有しない場合、電極と固体電解質層との界面でのみリチウムイオンの授受が行われ、電極内部(界面から離れた部分)ではイオンが十分に拡散せず、電極内部の活物質が電池反応に有効に活用されない問題が起こり得る。よって、電極が活物質と固体電解質とを含有し、電極中に活物質と固体電解質とが混在することで、電極内部でのイオン拡散を固体電解質が促進させ、電極内部の活物質を電池反応に有効に活用することができる。その結果、電池の内部抵抗をより低減することができる。
(6)本発明の非水電解質電池用電極において、電極に含有する固体電解質が硫化物系固体電解質であることが挙げられる。上述したように、硫化物系固体電解質は酸化物系のものに比較して、一般的に高いリチウムイオン伝導性を示すので好適である。特に、硫化物系固体電解質の中でもLi2S‐P2S5系の固体電解質は、高いリチウムイオン伝導性を示すのでより好適である。また、硫化物系固体電解質の場合、酸化物系のものに比較して軟らかく、変形性に優れることから、結着剤としての機能も発揮する。
その他、上記した本発明の非水電解質電池用電極は、正極又は負極のいずれにも用いることができるが、チタン酸リチウムは、負極活物質に用いることが好適である。ここで、負極活物質にチタン酸リチウムを用いる場合、正極活物質には、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4、LiFePO4、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2、LiNi0.8Co0.15Al0.05O2などのリチウム含有複合酸化物を用いることができる。一方、正極活物質としてチタン酸リチウムを用いる場合、負極活物質には、例えば、リチウム金属、グラファイトなどの炭素材料、或いはAl、Si、Sn、Zn、Inなどのリチウムと合金化する金属又は合金、FeS2、TiS2などの金属硫化物を用いることができる。
本発明のチタン酸リチウムは、一般式Li4-xTi5O12(但し、xは0.001〜0.006)で表わされ、リチウム欠損を有することで、電子伝導性が高い。その結果、本発明のチタン酸リチウムを非水電解質電池用電極の活物質に用いることで、電池の内部抵抗を低減することができる。また、本発明の非水電解質電池用電極、及び非水電解質電池は、上記した本発明のチタン酸リチウムを活物質に用いることで、電池の内部抵抗を低減することができる。
〔実施例1〕
本発明のチタン酸リチウム(Li4-xTi5O12(但し、xは0.001〜0.006))を製造し、これを非水電解質電池用電極の活物質に用いた非水電解質を作製して、その電池性能を評価した。
本発明のチタン酸リチウム(Li4-xTi5O12(但し、xは0.001〜0.006))を製造し、これを非水電解質電池用電極の活物質に用いた非水電解質を作製して、その電池性能を評価した。
[チタン酸リチウム]
(試料1-1)
Li源としてLi2CO3の粉末と、Ti源としてTiO2の粉末とをそれぞれ用意し、Li4Ti5O12の化学量論比に対してLi量がモル比で0.001不足するように、Li2CO3粉末とTiO2粉末とをモル比で1.9995:5の割合で秤量して、乳鉢で混合した。混合して得られた混合物を加圧成形してペレット化し、これを大気中、800℃で6時間仮焼成した。この仮焼成物を乳鉢で粉砕・撹拌して粉末化した後、再度この粉末を加圧成形してペレット化し、これを大気中、950℃で10時間本焼成した。そして、この焼成物を粉末状に粉砕して、チタン酸リチウムの粉末を製造した。この試料1-1のチタン酸リチウムの粉末は、原料が完全に反応して不純物が析出しておらず、原料のLi量とTi量との比から一般式Li4-xTi5O12(但し、x=0.001)で表わされる。
(試料1-1)
Li源としてLi2CO3の粉末と、Ti源としてTiO2の粉末とをそれぞれ用意し、Li4Ti5O12の化学量論比に対してLi量がモル比で0.001不足するように、Li2CO3粉末とTiO2粉末とをモル比で1.9995:5の割合で秤量して、乳鉢で混合した。混合して得られた混合物を加圧成形してペレット化し、これを大気中、800℃で6時間仮焼成した。この仮焼成物を乳鉢で粉砕・撹拌して粉末化した後、再度この粉末を加圧成形してペレット化し、これを大気中、950℃で10時間本焼成した。そして、この焼成物を粉末状に粉砕して、チタン酸リチウムの粉末を製造した。この試料1-1のチタン酸リチウムの粉末は、原料が完全に反応して不純物が析出しておらず、原料のLi量とTi量との比から一般式Li4-xTi5O12(但し、x=0.001)で表わされる。
[非水電解質電池の作製]
(試料電池1-1)
内径が10mmの筒状のポリカーボネート製容器と、この容器の両端開口部から挿入され、この容器内を軸方向に摺動可能なステンレス製の上ピストン及び下ピストンとを用意した。Li2S‐P2S5系の固体電解質の粉末を80mg秤量し、この硫化物系固体電解質の粉末を容器の下端側に下ピストンを挿入した状態で容器の上端開口部から入れた後、上ピストンを挿入し、固体電解質粉末を上下のピストンで仮加圧して形状を整えた。
(試料電池1-1)
内径が10mmの筒状のポリカーボネート製容器と、この容器の両端開口部から挿入され、この容器内を軸方向に摺動可能なステンレス製の上ピストン及び下ピストンとを用意した。Li2S‐P2S5系の固体電解質の粉末を80mg秤量し、この硫化物系固体電解質の粉末を容器の下端側に下ピストンを挿入した状態で容器の上端開口部から入れた後、上ピストンを挿入し、固体電解質粉末を上下のピストンで仮加圧して形状を整えた。
次に、正極活物質としてLiCoO2の粉末と、Li2S‐P2S5系の固体電解質の粉末とを質量比で70:30の割合で混合し、正極合剤を得た。この正極合剤を15mg秤量し、この正極合剤を容器の上端側の上ピストンを外した状態で容器の上端開口部から入れた後、容器の上端側に上ピストンを挿入した。なお、正極活物質に用いたLiCoO2粉末は、予め表面に静電噴霧法を用いてLiNbO3を10nm被覆した。このLiNbO3の被覆は、酸化物のLiCoO2と硫化物の固体電解質とが反応することを抑制し、LiCoO2と固体電解質との間における界面抵抗の増加を抑制する効果を奏する。
次に、負極活物質として上記した試料1-1のチタン酸リチウムの粉末と、Li2S‐P2S5系の固体電解質の粉末とを質量比で40:60の割合で混合し、負極合剤を得た。この負極合剤を18mg秤量し、容器を上下さかさまにして、この負極合剤を容器の下端側の下ピストンを外した状態で容器の下端開口部から入れた後、容器の下端側に下ピストンを挿入した。
筒状の容器内に正極合剤、固体電解質粉末、負極合剤を順に積層配置した状態で、上下のピストンで360MPaで加圧することにより、正極と、負極と、これら両極の間に固体電解質層を有する電池要素を作製した。そして、この電池要素を容器から取り出し、これをコインセルに組み込んで、全固体型の非水電解質電池を作製した。これを試料電池1-1とした。
(試料1-2,試料電池1-2)
Li2CO3粉末とTiO2粉末とをモル比で1.997:5の割合で混合した以外は、試料1-1と同様にしてチタン酸リチウムを製造した。この試料1-2のチタン酸リチウムは、原料が完全に反応して不純物が析出しておらず、原料のLi量とTi量との比から一般式Li4-xTi5O12(但し、x=0.006)で表わされる。そして、この試料1-2のチタン酸リチウムの粉末を負極活物質として用いた以外は、試料電池1-1と同様にして電池を作製した。これを試料電池1-2とした。
Li2CO3粉末とTiO2粉末とをモル比で1.997:5の割合で混合した以外は、試料1-1と同様にしてチタン酸リチウムを製造した。この試料1-2のチタン酸リチウムは、原料が完全に反応して不純物が析出しておらず、原料のLi量とTi量との比から一般式Li4-xTi5O12(但し、x=0.006)で表わされる。そして、この試料1-2のチタン酸リチウムの粉末を負極活物質として用いた以外は、試料電池1-1と同様にして電池を作製した。これを試料電池1-2とした。
(試料1-3,試料電池1-3)
比較として、Li4Ti5O12の化学量論比に従って、Li2CO3粉末とTiO2粉末とをモル比で2:5の割合で混合した以外は、試料1-1と同様にしてチタン酸リチウムを製造した。そして、この試料1-3のチタン酸リチウムの粉末を負極活物質として用いた以外は、試料電池1-1と同様にして電池を作製した。これを試料電池1-3とした。
比較として、Li4Ti5O12の化学量論比に従って、Li2CO3粉末とTiO2粉末とをモル比で2:5の割合で混合した以外は、試料1-1と同様にしてチタン酸リチウムを製造した。そして、この試料1-3のチタン酸リチウムの粉末を負極活物質として用いた以外は、試料電池1-1と同様にして電池を作製した。これを試料電池1-3とした。
[電池の評価]
上記した各試料電池を50μA/cm2の定電流で充電した後、インピーダンスアナライザーを用いたインピーダンス測定により各試料電池の内部抵抗を求めたところ、試料電池1-1は350Ωcm2、試料電池1-2は180Ωcm2であった。これに対し、試料電池1-3は、定電流を流した際に瞬間的に電圧が上昇したため、電圧異常となり充電することができなかった。これは、試料電池1-3では、内部抵抗が高過ぎることが原因と考えられる。
上記した各試料電池を50μA/cm2の定電流で充電した後、インピーダンスアナライザーを用いたインピーダンス測定により各試料電池の内部抵抗を求めたところ、試料電池1-1は350Ωcm2、試料電池1-2は180Ωcm2であった。これに対し、試料電池1-3は、定電流を流した際に瞬間的に電圧が上昇したため、電圧異常となり充電することができなかった。これは、試料電池1-3では、内部抵抗が高過ぎることが原因と考えられる。
以上の結果から、一般式Li4-xTi5O12(但し、xは0.001〜0.006)で表わされるチタン酸リチウムは、非水電解質電池用電極の活物質に用いた場合に、電池の内部抵抗を低減できることが分かる。これは、リチウム欠損を有することで、Li4Ti5O12におけるチタン原子の価数が4価から3価に変化し、3価のチタンを含むことにより、電子伝導性が向上したためと考えられる。特に、上記した実施例1では、電極に固体電解質を含有すると共に、固体電解質で電解質層を形成した固体電解質層を有する電池を例に挙げて説明した。この例では、電極に導電助剤を含有していないため、活物質の含有量を増やして電池容量の向上を図るだけでなく、活物質と固体電解質との接触面積を増やして電極での電荷移動抵抗の低減を図ることができる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、リチウム欠損量(即ちxの範囲)や、電極に含有する固体電解質の種類などを適宜変更してもよい。
本発明のチタン酸リチウムは、リチウム系電池の電極材料(活物質)に好適に利用することができる。また、本発明の非水電解質電池は、リチウム系電池の分野に好適に利用することができ、例えば、携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラの他、電気自動車などの電源にも使用することが可能である。
Claims (6)
- 一般式Li4-xTi5O12(但し、xは0.001〜0.006)で表わされることを特徴とするチタン酸リチウム。
- 活物質を含有する非水電解質電池用電極であって、
前記活物質が、請求項1に記載のチタン酸リチウムであることを特徴とする非水電解質電池用電極。 - さらに、固体電解質を含有することを特徴とする請求項2に記載の非水電解質電池用電極。
- 前記固体電解質が、硫化物系固体電解質であることを特徴とする請求項3に記載の非水電解質電池用電極。
- 正極と、負極と、これら両極の間に介在される電解質層を有する非水電解質電池であって、
前記正極又は前記負極が、請求項2〜4のいずれか一項に記載の非水電解質電池用電極であることを特徴とする非水電解質電池。 - 前記電解質層が、固体電解質層であり、
この固体電解質層が、硫化物系固体電解質を含有することを特徴とする請求項5に記載の非水電解質電池。
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