JP2013019139A - 軒構造及び建物 - Google Patents

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Abstract

【課題】陸屋根の面積を拡げることができる軒構造及び建物を得る。
【解決手段】軒部100は、ユニット建物10の外壁31側に配置された天井大梁102と、天井大梁102に長手方向の一端が固定された片持ち梁104B、104Cと、片持ち梁104B、104Cの上部に取付けられた小梁106A、106Bと、小梁106A、106Bの上側に設けられ上面が陸屋根面32Aと連続している陸屋根部材108と、を有している。ここで、ユニット建物10では、陸屋根全体の面積が、元の陸屋根32の面積と陸屋根部材108の面積との和となるので、陸屋根の面積を拡げることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、軒構造及び建物に関する。
特許文献1の建物は、バルコニーの側壁の下端に三方を囲む継ぎ足し部材を継ぎ足し、得られた空間内にシャッターを配置して建物の美観を損なわないようにしている。ここで、特許文献1の建物は、バルコニーの側壁の下端に継ぎ足し部材を継ぎ足しているので、継ぎ足し部材は吊下げられた状態となっており、下側からシャッターを支持する構造にはなっていない。また、バルコニーの下側が前提となっている。
特開平5−222761号公報
本発明は、陸屋根の面積を拡げることができる軒構造及び建物を得ることが目的である。
請求項1の発明に係る軒構造は、建物の外壁側に配置された天井大梁と、前記天井大梁に長手方向の一端が固定され、他端が前記外壁から外側へ突出された片持ち梁と、前記片持ち梁の上部に取付けられた小梁と、前記小梁の上側に設けられ上面が前記建物の陸屋根面と連続している陸屋根部材と、を有する。
請求項1の発明に係る軒構造では、天井大梁に片持ち梁の一端が固定され、片持ち梁の上部に小梁が取付けられる。そして、小梁の上側には、上面が建物の陸屋根面と連続するように陸屋根部材が取付けられる。これにより、陸屋根の面積は、建物の陸屋根の面積と陸屋根部材の上面の面積との和となるので、陸屋根の面積を拡げることができる。また、建物の外側に軒が設けられるので、建物内へ進入しようとする直射日光の一部をこの軒によって遮蔽することができる。
請求項2の発明に係る軒構造は、前記陸屋根部材は、前記建物の外側方向に水が流れるように傾斜配置され、該陸屋根部材の前記外側方向の端部には雨樋が設けられている。
請求項2の発明に係る軒構造では、雨天時に陸屋根部材の上面に降った雨水は、陸屋根部材の傾斜によって建物の外側方向に流れる。そして、流れた雨水は雨樋で集められ、建物の下方側へ流下する。これにより、陸屋根部材の上面に雨水が溜まるのを防ぐことができる。
請求項3の発明に係る軒構造は、前記片持ち梁は、前記天井大梁の長手方向に間隔をあけて複数設けられ、前記小梁は、複数の前記片持ち梁の上部に跨って取付けられ、複数の前記片持ち梁の間の空間、及び前記天井大梁と前記小梁との間の空間の少なくとも一方には、前記建物に用いられる設備装置が設けられている。
請求項3の発明に係る軒構造では、複数の片持ち梁の間の空間、及び天井大梁と小梁との間の空間の少なくとも一方の空間内に設備装置が設置されるので、別途、設備装置の設置のための空間を建物に形成する必要が無くなり、軒の空き空間を有効利用することができる。
請求項4の発明に係る軒構造は、複数の前記片持ち梁の下側には、前記設備装置の設置領域を除いた領域を覆う軒天板が設けられている。
請求項4の発明に係る軒構造では、設備装置が設置されていない空間が軒天板で覆われるので、軒の見栄えを向上させることができる。
請求項5の発明に係る軒構造は、前記設備装置は、霧を噴射する噴霧装置であり、複数の前記片持ち梁の間の空間には、前記噴霧装置の噴射口を除く周囲を覆う防水部材が設けられている。
請求項5の発明に係る軒構造では、噴霧装置によって軒下の涼しさを演出することができると共に、防水部材によって、軒内部への水の浸入を防ぐことができる。
請求項6の発明に係る建物は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の軒構造と、前記陸屋根部材上に設けられ、太陽光パネルを支持する架台が取付けられる取付部と、を有する。
請求項6の発明に係る建物では、建物の陸屋根上だけでなく軒の陸屋根部材上にも架台及び太陽光パネルを設置できるので、建物の陸屋根上だけに太陽光パネルを設置する構成に比べて、太陽光パネルの設置面積を増やし、発電量を増やすことができる。
以上説明したように、請求項1に記載の本発明に係る軒構造によれば、陸屋根の面積を拡げることができるという優れた効果を有する。
請求項2に記載の本発明に係る軒構造によれば、陸屋根部材の上面に雨水が溜まるのを防ぐことができるという優れた効果を有する。
請求項3に記載の本発明に係る軒構造によれば、軒の空き空間を有効利用することができるという優れた効果を有する。
請求項4に記載の本発明に係る軒構造によれば、軒の見栄えを向上させることができるという優れた効果を有する。
請求項5に記載の本発明に係る軒構造によれば、軒下の涼しさを演出することができると共に、軒内部への水の浸入を防ぐことができるという優れた効果を有する。
請求項6に記載の本発明に係る建物によれば、建物の陸屋根上だけに太陽光パネルを設置する構成に比べて、太陽光パネルの設置面積を増やし、発電量を増やすことができるという優れた効果を有する。
第1実施形態に係るユニット建物の全体構成図である。 第1実施形態に係る軒部の縦断面図である。 (A)、(B)第1実施形態に係る軒部内のシャッターボックスの配置領域を示す模式図である。 第1実施形態に係る軒部の先端部の縦断面図である。 第1実施形態に係る陸屋根に架台及び太陽光パネルが取付けられる状態を示す斜視図である。 第1実施形態に係る架台の取付部分を示す斜視図である。 (A)、(B)第1実施形態に係る軒部にミスト発生装置を設けた第2実施形態の構成を示す模式図である。 (A)、(B)第1、第2実施形態に係る軒部に巻き上げ式の簾を設けた他の実施例を示す模式図である。 (A)、(B)、(C)第1実施形態に係る軒部をユニット建物の妻側、桁側の異なる場所に設けた実施例を示す模式図である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る軒構造及び建物の一例について説明する。
図1には、第1実施形態の建物の一例としてのユニット建物10が示されている。ユニット建物10は、一例として、基礎(図示省略)上に組み上げられた12個(1階、2階共に6個)の建物ユニット12により構成されている。なお、以後の説明では、ユニット建物10の桁方向を矢印X方向、妻方向を矢印Y方向、高さ方向を矢印Z方向とする。
建物ユニット12は、4本の柱14と、互いに平行に配置された長短二組の天井大梁16と、これらの天井大梁16に対して平行に配置された長短二組の床大梁18とを含んで構成されており、各梁の端部を天井と床の仕口に溶接することにより、ラーメン構造として構成されている。但し、建物ユニット12のユニット構成は上記に限られることなく、他の箱形の架構構造としてもよい。
天井大梁16及び床大梁18には、断面コ字形状のチャンネル鋼(溝形鋼)が用いられている。そして、天井大梁16が矩形枠状に組まれて天井フレーム22が構成されており、床大梁18が矩形枠状に組まれて床フレーム24が構成されている。天井フレーム22と床フレーム24との間には、前述の4本の柱14が立設されている。
ここで、天井フレーム22は、四隅に天井仕口部26を備えており、この天井仕口部26に長さが異なる天井大梁16の長手方向の端部がそれぞれ溶接されている。同様に、床フレーム24は、四隅に床仕口部28を備えており、この床仕口部28に長さが異なる床大梁18の長手方向の端部がそれぞれ溶接されている。そして、上下方向(図示の矢印Z方向)に対向して配置された天井仕口部26と床仕口部28との間に、柱14の上下端部が溶接により剛接合されることで、建物ユニット12が構成されている。
また、ユニット建物10は、陸屋根32を有しており、陸屋根32の上側には、一例として、後述する架台40(図5参照)を用いて4枚の太陽光パネル34(太陽電池モジュール)が取付けられている。さらに、ユニット建物10の矢印X方向における一方(外壁31側)には、矢印X方向とは反対側に突出したバルコニー36が設けられており、バルコニー36の上方には、軒構造の一例としての軒部100が設けられている。なお、図1では、軒部100を模式的に示しており、後述する軒樋160(図2参照)等の図示は省略している。
(要部構成)
次に、軒部100について説明する。
図2に示すように、軒部100は、ユニット建物10の外壁31側に配置された2階の天井大梁102と、天井大梁102に長手方向(矢印X方向)の一端が固定され、他端が外壁31から外側へ突出された片持ち梁104と、片持ち梁104の上部に取付けられた小梁106A、106Bと、小梁106A、106Bの上側に設けられ上面109がユニット建物10の陸屋根面32Aと連続している陸屋根部材108と、を有している。なお、天井大梁102は、2階に設置された建物ユニット12の外壁31側の天井大梁16に相当する部材であるが、ここでは2階の他の天井大梁16及び1階に設置された建物ユニット12の天井大梁16と区別するために、天井大梁102と記載する。
天井大梁102の下側には、天井野縁112を介して天井材114が取り付けられており、天井材114の下側には内壁材116が立設されている。また、天井大梁102の外側(屋外側)には、天井大梁102とは間隔をあけて外壁31が立設されている。外壁31は、断面コ字形状のブラケット118を介して天井大梁102の外側に固定されており、外壁31の一部には、片持ち梁104が挿入された貫通孔31Aが形成されている。
また、天井大梁102の外側には、平面視でコ字形状のブラケット122の一方のフランジ部122Aがボルト(図示省略)で固定されている。そして、ブラケット122の他方のフランジ部122Bには、エンドプレート124がボルト126で固定されている。エンドプレート124は、片持ち梁104の矢印X方向の一端に溶接されて一体化されており、エンドプレート124がブラケット122に固定され、ブラケット122が天井大梁102に固定されることで、片持ち梁104の一端が支持されている。
片持ち梁104は、矢印X方向を長手方向として配置されたY−Z断面がコ字形状のチャンネル鋼(溝形鋼)であり、前述のように一端にエンドプレート124が溶接されている。なお、片持ち梁104は、矢印Y方向に予め設定された間隔をあけて複数設けられている(図3(A)の104A、104B、104C、104D参照)。また、片持ち梁104の他端には、X−Z断面がコ字形状の溝形鋼128が、Y方向に配置されプレート形状のブラケット128Aを介して天井大梁102側に向けて開口した状態で溶接されている。
さらに、片持ち梁104の上面(上端)には、X−Z断面がコ字形状で矢印Z方向(上方)に向けて開口したブラケット132、134が、矢印X方向に予め設定された間隔をあけて溶接されている。
小梁106Aは、角筒形状の鋼材で構成されている。そして、小梁106Aは、ブラケット132の予め設定した高さ位置に溶接されている。
同様に、小梁106Bは、角筒形状の鋼材で構成されている。そして、小梁106Bは、ブラケット134の予め設定した高さ位置に溶接されている。ここで、矢印Y方向に見て、小梁106Aは外側(外壁31から遠い側)、小梁106Bは内側(外壁31に近い側)に配置されており、小梁106Aの上面の高さは、小梁106Bの上面の高さよりも低くなっている。
また、片持ち梁104の下面(下端)には、下地木136A、136Bがネジ136で固定されている(下地木136A内のネジ136は図示を省略している)。そして、下地木136A、136Bの下面(下端)には、軒天板140が設けられている。
軒天板140は、軒部100において、後述する設備装置の一例としてのシャッターボックス120の設置領域を除いた領域の下側を覆う大きさとなっている。そして、軒天板140は、X−Y面と平行に水平に配置された状態で、下地木136A、136Bにネジ138を用いて固定されている(下地木136B内のネジ138は図示を省略している)。また、軒天板140の矢印X方向の一端(図示の右端)と外壁31との間には、シャッターボックス120が挿入可能となる大きさの開口部141が形成されている。
陸屋根部材108は、小梁106A、106Bの上面に載置された下層部108Aと、下層部108A上に載置された上層部108Bとで構成されている。下層部108Aは、一例として、ナイロンフィルムからなる絶縁シートと野地板を含んで構成されており、これらが矢印Z方向に積層された多層構造となっている。
上層部108Bは、DN鋼板及びDNシートからなる葺き材とポリスチレンからなる防露断熱材を含む屋根材で構成されており、上層部108Bの上面109は、陸屋根面32Aと連続している。ここで、X−Z面で見て、外壁31の外側の位置Pを境界位置として、境界位置Pよりも内側の上面が陸屋根面32Aであり、境界位置Pよりも外側が上面109となっている。そして、上面109が陸屋根面32Aと連続している状態とは、上面109と陸屋根面32Aとの間に隙間が無い状態を意味しており、上面109と陸屋根面32Aとの高さが異なって境界位置Pに段差が生じているものも含む概念である。なお、本実施形態では一例として、陸屋根部材108が建物ユニット12の上側まで延設されている。
前述したように、軒部100では、小梁106Aの上面の高さが小梁106Bの上面の高さよりも低くなっているため、陸屋根部材108は、外側方向(矢印X方向とは180°反対方向)へ向けて下り傾斜している。即ち、陸屋根部材108は、上面109上の水が、ユニット建物10の外側方向に流れるように傾斜配置されている。
一方、シャッターボックス120は、中空で直方体状のケース部材121を有している。ケース部材121は、外壁31にブラケット(図示省略)を介して固定されている。そして、ケース部材121の内側には、両端部が軸受け(図示省略)により回転可能に支持された巻取部125が設けられており、巻取部125によってシャッター部材123が巻き取られている。シャッター部材123は、一例として、矩形状の板材(図示省略)が短手方向(図示の上下方向)に複数連結された形状となっている。
また、ケース部材121の底部には、シャッター部材123が通過可能な大きさの開口部121Aが形成されている。そして、巻取部125がモータ等の駆動手段(図示省略)により矢印+R方向(図示の時計回り方向)に回転することで、シャッター部材123が下方側へ引き出され、巻取部125が矢印−R方向(図示の反時計回り方向)に回転することで、シャッター部材123が巻き取られるようになっている。なお、巻取部125の駆動方向の設定及び駆動のON、OFFは、ユニット建物10の屋内に設けられた制御パネル(図示省略)を居住者が操作することで行われる。
図3(A)に示すように、片持ち梁104は、一例として、矢印Y方向に間隔をあけて設けられた複数の片持ち梁104A、104B、104C、104Dで構成されており、本実施形態では、軒部100を平面視して、天井大梁102と、内側の片持ち梁104B、104Cと、小梁106Bとで囲まれた矩形状の領域SA内にシャッターボックス120が設置されている(シャッターボックス120の設置領域は斜線で示している)。なお、図3(A)では、シャッターボックス120を片持ち梁104Bと片持ち梁104Cとの間に設置しているが、片持ち梁104Aと片持ち梁104Bとの間、あるいは、片持ち梁104Cと片持ち梁104Dとの間に設置してもよい。
また、図3(B)に示すように、1つの建物ユニット12に対して3本の片持ち梁104A、104B、104Cを用いて、2台のシャッターボックス120を設置してもよい。即ち、天井大梁102、片持ち梁104A、104B、及び小梁106Bで囲まれた矩形状の領域SBにシャッターボックス120を1台、そして、天井大梁102、片持ち梁104B、104C、及び小梁106Bで囲まれた矩形状の領域SCにシャッターボックス120を1台設置して、2台のシャッターボックス120を設置した軒部130を構成してもよい。なお、図3(A)、(B)では、一例として、建物ユニット12の天井大梁16間に架設された複数の小梁103を図示している。また、外壁31、軒天板140等の図示は省略している。
一方、図2及び図4に示すように、片持ち梁104の他端(先端)に固定された溝形鋼128には、平面視でコ字形状の縦桟144の一方のフランジ部144Aが、ボルト145で固定されている。そして、縦桟144の他方のフランジ部144Bには、Y−Z面に沿って直立した板材148がネジ149で固定されている。また、縦桟144の上側には、矢印Y方向に見てU字形状の上桟146が設けられており、縦桟144の下側には、矢印Y方向に見てL字形状の下桟146Aが設けられている。上桟146には、板材148の上部がネジ149で固定されており、下桟146Aには、板材148の下部がネジ149で固定されている。ここで、陸屋根部材108は、板材148の上方まで延設されている。
板材148の縦桟144とは反対側の面には、ブラケット152を介して軒先板金154が取付けられている。なお、ブラケット152及び軒先板金154の固定はボルト、ナット、ネジ等の締結手段で行われているが、図示は省略している。
軒先板金154は、矢印X方向に窪んだ複数の溝部154Aが形成されており、軒部100の側面の中央から下側を覆っている。また、軒先板金154の上部には、水切り材156が設けられている。水切り材156は、板材148から矢印X方向とは反対側へ下り傾斜した傾斜部156Aを有しており、矢印X方向とは反対側の下方へ水を流すようになっている。さらに、水切り材156の上方で且つ陸屋根部材108の外側方向(矢印X方向とは反対方向)の端部には、雨樋の一例としての軒樋160が設けられている。
軒樋160は、矢印Y方向に見て上方が開口された略コ字形状の部材であり、矢印Y方向の一方に下り傾斜した流路161を有している。また、陸屋根部材108の外側方向の端部には、水切り材162が設けられている。水切り材162は、陸屋根部材108から軒樋160の上方へ下り傾斜しており、陸屋根部材108の上面109から軒樋160へ水を流すようになっている。
図5に示すように、ユニット建物10の陸屋根32上及び軒部100の陸屋根部材108上には、架台40を設置するための取付部42A、42B、42C、42Dが設けられている。取付部42A、42B、42C、42Dは、外周面にねじ溝が形成され矢印Z方向に突出した円柱状の防水アンカー部材で構成されている。また、取付部42C、42Dは、陸屋根32上で矢印Y方向に間隔をあけて設けられており、取付部42A、42Bは、軒部100の陸屋根部材108上で矢印Y方向に間隔をあけて設けられている。そして、取付部42A、42B、42C、42Dは、ユニット建物10の平面視で四角形の四隅を構成するように配置されている。
一方、架台40は、下桟44、46と、下桟44、46を取付部42A、42B、42C、42Dに固定する下桟固定金具48、49、50、51と、下桟44、46上に取付けられる第1上桟54、56、及び第2上桟62、64と、第1上桟54、56、及び第2上桟62、64を下桟44、46上に固定する上桟固定金具66、68、72、74と、第1上桟54と第2上桟62、第1上桟56と第2上桟64に架設されるテンションバー76、77、78、79と、を含んで構成されている。
なお、下桟44、46、下桟固定金具48、49、50、51、第1上桟54、56、第2上桟62、64、上桟固定金具66、68、72、74、テンションバー76、77、78、79は、それぞれの複数の部材が同様の構成となっているため、以後の説明では、各部材についていずれか1つを説明して残りの部材の説明を省略する。また、上桟固定金具は、図示の手前側と奥側の構成が同様であるため、手前側の上桟固定金具66、68、72、74のみを図示及び説明して、奥側の上桟固定金具の図示及び説明を省略する。
図6に示すように、下桟46は、筒状に形成されており、短手方向(矢印Y方向)の側面の下部には、ナット82Aが挿入されると共に案内される案内溝47A(図示の右側)と、ナット82Bが挿入されると共に案内される案内溝47B(図示の左側)とが形成されている。また、下桟46は、上部中央にナット(図示省略)が挿入されると共に案内される案内溝47Cが形成されている。
案内溝47Aは、矢印Y方向の手前側に開放されており、ボルト83Aを矢印Y方向の手前側から挿入可能となっている。また、案内溝47Bは、矢印Y方向の奥側に開放されており、ボルト83Bを矢印Y方向の奥側から挿入可能となっている。さらに、案内溝47Cは、矢印Z方向(上側)に開放されており、ボルト(図示省略)を矢印Z方向の上側から挿入可能となっている。
下桟固定金具49は、平面視で略四角形状であり且つ平板状の底壁49Aを有している。底壁49Aの中央部には、矢印Y方向に長く矢印Z方向に貫通した貫通孔49Bが形成されており、貫通孔49Bは、取付部42Dが挿入可能な大きさとなっている。また、底壁49Aの矢印X方向の両端には、矢印Z方向へ折り曲げられて直立した一組の第1側壁49C、49Dが形成されている。
さらに、底壁49Aの矢印Y方向の両端には、矢印Z方向へ折り曲げられて直立した一組の第2側壁49E、49Fが形成されている。第2側壁49Eには、矢印X方向に長く矢印Y方向に貫通した貫通孔49Gが形成されており、貫通孔49Gは、ボルト83Aの螺合部分のみを挿入可能な大きさとなっている。同様に、第2側壁49Fには、矢印X方向に長く矢印Y方向に貫通した貫通孔49Hが形成されており、貫通孔49Hは、ボルト83Bの螺合部分のみを挿入可能な大きさとなっている。
第1側壁49C、49Dの上端の高さは、第2側壁49E、49Fの貫通孔49G、49Hの高さよりも低くなっている。そして、第1側壁49C、49Dは、上端面に下桟46の底面が載置されることで、下桟46を支持するようになっている。また、第2側壁49E、49Fの矢印Y方向の間隔は、下桟46の矢印Y方向の幅よりも僅かに広くなっており、第1側壁49C、49Dによって下桟46が支持された状態で、貫通孔49Gと案内溝47A、貫通孔49Hと案内溝47Bがそれぞれ連通するようになっている。
ここで、下桟固定金具49は、貫通孔49Bに取付部42Dを挿入して上面109上に底壁49Aを載置した状態で、矢印Y方向の位置調整を行った後、取付部42Dにワッシャ85を介してナット84を締結することで、取付部42Dに固定される。
第2上桟62は、断面コ字形状のチャンネル鋼(溝形鋼)であり、下桟46上に載置される下フランジ62Aと、下フランジ62Aから直立したウェブ62Bと、ウェブ62Bの上端から所定の方向に延びる上フランジ62Cとで構成されている。下フランジ62A及び上フランジ62Cは、矢印X方向へ延びている。ここで、上フランジ62Cは、下フランジ62Aと平行ではなく、矢印X方向から斜め上方へ予め設定された角度(太陽光パネル34(図5参照)の設置角度)に合わせて傾斜している。また、ウェブ62Bの下部には、矢印Y方向に間隔をあけて並んだ複数の貫通孔である締結孔62Dが形成されている。
上桟固定金具72は、X−Z断面がL字形状の部材であり、下桟46上に載置される底壁72Aと、底壁72Aの矢印X方向の一端から矢印Z方向に直立した側壁72Bとを有している。底壁72Aには、矢印Z方向に貫通した貫通孔72Cが形成されている。また、側壁72Bには、矢印Y方向に間隔をあけて並ぶと共に矢印X方向に貫通した2箇所の貫通孔72Dが形成されている。2箇所の貫通孔72Dは、第2上桟62の締結孔62Dと連通可能となる内径及び配置となっている。
ここで、下桟固定金具49を取付部42Dに取付けた後で、下桟固定金具49の第1側壁49C、49D上に下桟46を載置する。そして、案内溝47Aに挿入したナット82Aと貫通孔49Gに挿入したボルト83Aとを締結し、案内溝47Bに挿入したナット82Bと貫通孔49Hに挿入したボルト83Bとを締結して、下桟46を固定する。
続いて、上桟固定金具72を下桟46上に載置し貫通孔72Cと案内溝47Cが連通した状態で、ボルト及びナット(図示省略)を用いて、下桟46上に上桟固定金具72を固定する。そして、下桟46上に第2上桟62を載置すると共に貫通孔72Dと締結孔62Dが連通した状態で、ボルト及びナット(図示省略)を用いて、第2上桟62に上桟固定金具72を固定する。このようにして、第2上桟62の一端が下桟46上に固定される。
図5に示すように、第1上桟54は、断面コ字形状のチャンネル鋼(溝形鋼)であり、下桟44、46上に載置される下フランジ54Aと、下フランジ54Aから直立したウェブ54Bと、ウェブ54Bの上端から所定の方向に延びる上フランジ54Cとで構成されている。下フランジ54A及び上フランジ54Cは、矢印X方向へ延びている。ここで、上フランジ54Cは、下フランジ54Aと平行ではなく、矢印X方向から斜め上方へ予め設定された角度(太陽光パネル34の設置角度)に合わせて傾斜している。
また、第1上桟54は、第2上桟62よりも大型となっており、第2上桟62よりも陸屋根面32Aの中央側に配置されている。そして、ウェブ54Bの下部には、矢印Y方向に間隔をあけて並んだ複数の貫通孔である締結孔54Dが形成されている。締結孔54Dは、下桟44、46に上桟固定金具68、74を用いて第1上桟54を固定するときに用いられる。なお、第1上桟54と第1上桟56、第2上桟62と第2上桟64は、陸屋根面32Aの中央部を境として対称となるように配置されている。
一方、第1上桟54、56、第2上桟62、64の各上面には、太陽光パネル34の矢印Y方向の端部(フレーム)を挟んで固定するクリップブラケット88が、矢印Y方向に間隔をあけて複数(一例として各3箇所)取付けられている。また、第1上桟54の上面と第2上桟62の上面には、テンションバー76、77の一方の端部と他方の端部が締結手段(図示省略)で固定されており、第1上桟56の上面と第2上桟64の上面には、テンションバー78、79の一方の端部と他方の端部が締結手段(図示省略)で固定されている。
テンションバー76、77、78、79は、第1上桟54と第2上桟62、第1上桟56と第2上桟64が近づく方向の外力に対して抵抗すると共に、第1上桟54と第2上桟62、第1上桟56と第2上桟64が離れる方向の外力に対して引張力を作用させて抵抗するようになっている。これにより、第1上桟54と第2上桟62との間隔、及び第1上桟56と第2上桟64との間隔が保持されている。
ここで、太陽光パネル34の取付手順として、下桟固定金具48、49、50、51を取付部42A、42B、42C、42Dに取付ける。そして、下桟固定金具48、50に下桟44を取付け、下桟固定金具49、51に下桟46を取付ける。さらに、下桟44に上桟固定金具66、68等を取付け、下桟46に上桟固定金具72、74を取付ける。
続いて、上桟固定金具66、68、72、74等を用いて、下桟44、46上に下桟44、46と直交するように第1上桟54、56、及び第2上桟62、64を取付ける。そして、第1上桟54と第2上桟62、第1上桟56と第2上桟64にテンションバー76、77、78、79を架設し、第1上桟54、56、及び第2上桟62、64の上面に複数のクリップブラケット88を取付ける。さらに、複数のクリップブラケット88に太陽光パネル34を取付ける。このようにして、ユニット建物10の陸屋根32に複数の太陽光パネル34が取付けられる。
(作用)
次に、第1実施形態の作用について説明する。
図2に示すように、軒部100では、天井大梁102に片持ち梁104の一端が固定され、片持ち梁104の上部に小梁106A、106Bが取付けられている。そして、小梁106A、106Bの上側には、上面がユニット建物10の陸屋根面32Aと連続するように陸屋根部材108が取付けられている。これにより、ユニット建物10の屋根全体の面積は、陸屋根32の面積と陸屋根部材108の面積との和となるので、陸屋根32の面積を拡げることができる。そして、ユニット建物10の外側に軒部100が突出するので、ユニット建物10内へ進入しようとする直射日光の一部を軒部100によって遮蔽することができる。
また、図2及び図4に示すように、軒部100では、雨天時に陸屋根部材108の上面に降った雨水が、陸屋根部材108の傾斜によってユニット建物10の外側方向に流れる。そして、流れた雨水は軒樋160で集められ、ユニット建物10の下方側へ流下する。これにより、陸屋根部材108の上面に雨水が溜まるのを防ぐことができる。
さらに、図2及び図3(A)に示すように、軒部100では、複数の片持ち梁104B、104Cの間の空間(矢印Z方向で下側の空間)、及び天井大梁102と小梁106Bとの間の空間(矢印Z方向で上側の空間)の少なくとも一方の空間内にシャッターボックス120が設置されるので、別途、シャッターボックス120の設置のための空間をユニット建物10内に形成する必要が無くなり、軒部100の空き空間を有効利用できる。
加えて、図2に示すように、軒部100では、シャッターボックス120が設置されていない空間の下側が軒天板140で覆われるので、片持ち梁104や小梁106A、106Bが露出するのを防止でき、軒部100の見栄え(美観)を向上させることができる。また、シャッターボックス120の直下には軒天板140が無く、開口部141によって開放されているため、この開口部141からシャッターボックス120のメンテナンスや軒部100内の清掃を行うことができ、軒部100のメンテナンス性が向上する。
さらに、図5に示すように、ユニット建物10では、ユニット建物10の陸屋根32上だけでなく軒部100の陸屋根部材108上にも複数の太陽光パネル34を設置できるので、ユニット建物10の陸屋根32上だけに太陽光パネル34設置する構成(比較例)に比べて、太陽光パネル34の設置面積を増やし、発電量を増やすことができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る軒構造及び建物の一例について説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一の部材には、前記第1実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
図7(A)、(B)には、第2実施形態の軒構造の一例としての軒部170が示されている。軒部170は、第1実施形態のユニット建物10(図2参照)において、シャッターボックス120(図2参照)に換えて、設備装置(噴霧装置)の一例としてのミスト発生装置180が設けられている。なお、軒部170を除く他の構成については、第1実施形態のユニット建物10と同様であるため説明を省略する。
図7(B)に示すように、軒部170は、複数の片持ち梁104B、104Cの間の空間、及び天井大梁102と小梁106Bとの間の空間内にミスト発生装置180が設置されている。なお、図7(B)では、軒樋160等(図2参照)の図示を省略している。
ミスト発生装置180は、高圧ポンプ及び微少ノズル(図示省略)を用いて、噴射口182から霧M(ミスト)を下方側へ噴射する構成となっており、ユニット建物10内に設けられた操作パネル(図示省略)を居住者が操作することにより動作するようになっている。また、軒部170内で、片持ち梁104B、104Cの間の空間には、噴射口182を除いてミスト発生装置180の周囲を覆う防水部材の一例としての防水シート184が設けられている。防水シート184は、撥水性を有する部材で構成されており、軒天板140の上側と、ミスト発生装置180の側面及び上面とを覆っている。
(作用)
次に、第2実施形態の作用について説明する。
図7(A)、(B)に示すように、軒部170において、ミスト発生装置180が動作を開始すると、霧Mがバルコニー36全体へ噴射される。この霧Mの気化熱によって空気が冷却されるため、バルコニー36(軒部170の下側)で涼しさを演出することができる。また、軒部170内には防水シート184が設けられているため、ミスト発生装置180の動作中において、軒部170内部へ水(霧M)が浸入するのを防ぐことができる。
さらに、軒部170では、片持ち梁104B、104Cの間の空間、及び天井大梁102と小梁106Bとの間の空間の少なくとも一方の空間内にミスト発生装置180が設置されるので、別途、ミスト発生装置180の設置のための空間をユニット建物10内に形成する必要が無くなり、軒部170の空き空間を有効利用することができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
図8(A)、(B)に示すように、ユニット建物10(図2参照)において、シャッターボックス120(図2参照)に換えて設備装置の一例としての簾ユニット200を設け、軒構造の一例としての軒部190を構成してもよい。なお、軒部190を除く他の構成については、第1実施形態のユニット建物10と同様であるため説明を省略する。
図8(B)に示すように、軒部190は、複数の片持ち梁104B、104Cの間の空間、及び小梁106Aと小梁106Bとの間の空間内に簾ユニット200が設置されている。また、軒天板140は、簾ユニット200の設置領域を除く軒部190の下方側の部位を覆って設けられている。なお、図8(B)では、軒樋160等(図2参照)の図示を省略している。
簾ユニット200は、回転可能に支持された巻取部204を有しており、巻取部204の回転によって、簾202が巻取り又は引き出し可能となっている。ここで、簾202を下方側へ引き出すことで、バルコニー36へ入射する太陽光が遮断されるため、バルコニー36(軒部190の下側)で涼しさを演出することができる。このように、小梁106A、106B間の空間を有効利用してもよい。
また、第1実施形態の軒部100(第2実施形態の軒部170及び他の実施例である軒部190も含む)の配置は、図9(A)に示すような妻側配置に限らず、桁側配置(図示省略)であってもよい。さらに、第1実施形態の軒部100(第2実施形態の軒部170及び他の実施例である軒部190も含む)の配置は、図9(B)に示すように、桁面セットバックされた場所の妻側配置でもよく、あるいは、図9(C)に示すように、妻面セットバックされた場所の桁側配置でもよい。
加えて、軒部100内にシャッターボックス120、ミスト発生装置180、簾ユニット200等の設備装置を設置するとき、複数の片持ち梁104と天井大梁102で囲まれた空間のみに設置して、小梁106Bと天井大梁102とで囲まれた空間、あるいは、小梁106Aと小梁106Bとで囲まれた空間を使用しなくてもよい。逆に、小梁106Bと天井大梁102とで囲まれた空間のみを用いてもよい。
また、軒部に使用する片持ち梁及び小梁の数は、各実施形態で示した数とは異なる数であってもよい。そして、片持ち梁104は、ブラケット122を介さずに天井大梁102に直接取付けられていてもよい。
太陽光パネル34の数は、4枚に限らず、他の枚数であってもよい。また、架台40に用いる下桟、上桟、下桟固定金具、第1上桟、第2上桟、上桟固定金具、及びテンションバーの数は、実施形態とは異なる他の数であってもよい。
10 ユニット建物(建物の一例)
31 外壁
32A 陸屋根面
34 太陽光パネル
40 架台
42A 取付部
42B 取付部
42C 取付部
42D 取付部
100 軒部(軒構造の一例)
102 天井大梁
104 片持ち梁
106A 小梁
106B 小梁
108 陸屋根部材
120 シャッターボックス(設備装置の一例)
140 軒天板
160 軒樋(雨樋の一例)
170 軒部(軒構造の一例)
180 ミスト発生装置(噴霧装置、設備装置の一例)
182 噴射口
184 防水シート(防水部材の一例)
190 軒部(軒構造の一例)
200 簾ユニット(設備装置の一例)

Claims (6)

  1. 建物の外壁側に配置された天井大梁と、
    前記天井大梁に長手方向の一端が固定され、他端が前記外壁から外側へ突出された片持ち梁と、
    前記片持ち梁の上部に取付けられた小梁と、
    前記小梁の上側に設けられ上面が前記建物の陸屋根面と連続している陸屋根部材と、
    を有する軒構造。
  2. 前記陸屋根部材は、前記建物の外側方向に水が流れるように傾斜配置され、該陸屋根部材の前記外側方向の端部には雨樋が設けられている請求項1に記載の軒構造。
  3. 前記片持ち梁は、前記天井大梁の長手方向に間隔をあけて複数設けられ、
    前記小梁は、複数の前記片持ち梁の上部に跨って取付けられ、
    複数の前記片持ち梁の間の空間、及び前記天井大梁と前記小梁との間の空間の少なくとも一方には、前記建物に用いられる設備装置が設けられている請求項1又は請求項2に記載の軒構造。
  4. 複数の前記片持ち梁の下側には、前記設備装置の設置領域を除いた領域を覆う軒天板が設けられている請求項3に記載の軒構造。
  5. 前記設備装置は、霧を噴射する噴霧装置であり、
    複数の前記片持ち梁の間の空間には、前記噴霧装置の噴射口を除く周囲を覆う防水部材が設けられている請求項3又は請求項4に記載の軒構造。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の軒構造と、
    前記陸屋根部材上に設けられ、太陽光パネルを支持する架台が取付けられる取付部と、
    を有する建物。
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