JP2013018058A - 搬送ロボット - Google Patents

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【課題】ロボットアームの伸縮過程で湾曲による鉛直方向に沿った高さ位置の変動を抑制し、かつ、軽量化も可能な搬送ロボットを提供する。
【解決手段】ロボットアーム11は、それぞれのアーム部21a、21bの長手方向Lに沿った全長のうち少なくとも一部は、長手方向Lに対して垂直な方向に広がる断面の形状が長方形を成す第一領域E1と、この長方形の一方の長辺W1から直角な方向に向けて突出した第二領域E2とからなる形状に形成されている。例えば、第一領域E1を成す長方形の一方の長辺W1の中央部分を中心にして、矩形の第二領域E2が突出しているような、断面が略T字型となるように形成されていれば良い。
【選択図】図4

Description

本発明は、搬送ロボットに関し、詳しくは、ロボットアームの屈伸によって被搬送物を移動させる搬送ロボットに関する。
半導体製造装置は、一般的に、半導体基板を減圧下又は真空で処理する複数の処理室を有している。半導体基板は、予め決められた製造工程に従い、それらの複数の処理室に連続して導入され、所定の処理が行われる。
また、処理室は、製造工程に従った所定の処理の開始前及び終了後において、通常、真空に保持される。従って、半導体基板を処理室に搬入又は搬出する場合、真空と大気圧との間で圧力を推移させるロードロック室が必要となる。
このような半導体製造装置として、近年、マルチチャンバ方式の半導体製造装置が多用されている。マルチチャンバ方式の半導体製造装置は、基板搬送ロボットが内部に配置されたコア室(搬送室)の周りに、被処理基板を収容する単数又は複数のロードロック室と、被処理基板に対して成膜、エッチング等の所定の真空処理を行うための複数の処理室とが配置された構造を有している。そして、ロードロック室と処理室との間における基板の搬送、各処理室間における基板の搬送をコア室内の搬送ロボットを介して行うように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
こうした基板を搬送するための搬送ロボットは、例えば、互いに回動自在に軸着した2本の細長いロボットアームを一対備え、この一対のロボットアームのそれぞれを、互いに反対の方向に向けて広げたり伸ばしたりするなどの屈伸運動を行うことによって、ロボットアームの一端に形成したロボットハンドに載置した基板を、例えばロードロック室や処理室に向けて導入したり、あるいは取り出したりすることができる。
図9は、従来の基板搬送用の搬送ロボットのロボットアーム部分を示す要部斜視図、断面図である。
半導体製造装置内に設置された、基板を搬送する従来の搬送ロボット100のロボットアーム101は、例えば、2本のアーム部102aと102bとを軸着部103で回動自在に軸着してなる。そして、それぞれのアーム部102a,102bの端部以外の大部分は、図9の右下に示すように、アーム部102a,102bの長手方向Lに対して垂直な断面が略n字型に形成されていた。こうした形状は、アーム部102a,102bの中央部分に溝Pを形成することによって、ロボットアーム101の軽量化を図ることを目的としている。
特開2009−206270号公報
しかしながら、図9に示したような従来の搬送ロボットでは、ロボットアームの断面形状における中心部分に、一方を開放面とした溝が形成されているため、2本のアーム部を屈曲させた状態(ロボットアームが縮んだ状態)と、2本のアーム部を直線状に伸ばした状態(ロボットアームが伸びた状態)との間でロボットアームを伸縮させる際に、ロボットハンドの鉛直方向の高さ位置の誤差(振れ量)が大きくなりやすいという課題があった。
これは、ロボットアームの略n字型の断面形状によって、ロボットアームが伸びている時、特に肘部の角度が90度の時に最大で捩れ方向に負荷が働き、それぞれのアーム部が鉛直方向の下方に向けて湾曲しやすいためであると考えられる。ロボットアームの伸縮前後での鉛直方向の高さ位置の誤差が大きいと、半導体製造装置など基板を精密に位置決めして搬送する場合には、基板をロードロック室や処理室に正確に載置したりできなくなる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、ロボットアームの屈伸前後での湾曲による鉛直方向に沿った高さ位置の変動を抑制し、かつ、軽量化も可能な搬送ロボットを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のいくつかの態様は次のような搬送ロボットを提供した。
すなわち、本発明の搬送ロボットは、長手方向に沿って延びるロボットアームと、該ロボットアームの一端側に形成されたロボットハンドと、前記ロボットアームを屈伸させる駆動部と、を備えた搬送ロボットであって、
前記ロボットアームの前記長手方向に沿った全長のうち少なくともその一部は、前記長手方向に対して垂直な断面の形状が、長方形を成す第一領域と、該長方形の一方の長辺から直角な方向に向けて突出した第二領域とをもつことを特徴とする。
前記第二領域は、前記長方形の一方の長辺の中央部分を中心にして突出していればよい。
また、前記断面の形状は略T字型であればよい。
また、前記ロボットアームは、少なくともアルミニウムを含む金属から形成されれば良い。
本発明の搬送ロボットによれば、ロボットアームの長手方向に対して垂直な断面が、長方形を成す第一領域と、長方形の一方の長辺から直角な方向に向けて突出した第二領域とからなる形状に形成することにより、ロボットアームの剛性を高めつつ、ロボットアームの軽量化を図ることができる。
即ち、断面が略n型の従来のロボットアームでは、ロボットアームを屈曲させた状態と、ロボットアームを直線状に伸ばした状態との間を移動させる際に、ロボットハンドが鉛直方向に大きく振れやすかった。これは、従来のロボットアームの断面が略n型だったために剛性が低く、ロボットアームを伸縮させる際に捩れやすいため、ロボットアームの上下方向への振れ量が大きくなっていると考えられる。
一方、本発明の搬送ロボットを構成するロボットアームでは、断面形状を例えば略T字型とすることによって、ロボットアーム自体の剛性が高められ、ロボットアームを伸縮させる際に捩れが生じないため、ロボットアームの上下方向への振れ量を抑制できると考えられる。
本発明の搬送ロボットを備えた成膜装置を示す概要図である。 図1の成膜装置の一部を拡大した概要図である。 本発明の搬送ロボットを示す平面図である。 ロボットアームを示す拡大斜視図、および断面図である。 本発明の搬送ロボットを構成するロボットアームの他の実施形態を示す断面図である。 本発明の搬送ロボットを構成するロボットアームの他の実施形態を示す拡大斜視図、および断面図である。 本発明の検証結果を示すグラフである。 従来の比較例の検証結果を示すグラフである。 従来のロボットアームを示す拡大斜視図、および断面図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る搬送ロボットの一実施形態について説明する。なお、本実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
図1は、本発明の搬送ロボットの一適用例である成膜装置を示す概要図である。
また、図2は成膜装置の要部拡大図である。
成膜装置1を構成する搬送室Tには、搬送ロボット10が設けられている。この搬送ロボット10は、ロボットアーム11及びロボットハンド13を備えている。このロボットアーム11の一端側には、ロボットアーム11を屈伸させる駆動部(ギアボックス)15を介して、ロボットハンド13が取り付けられている。
また、ロボットアーム11の他端側には、ロボットアーム11を回転させる回動機構12が形成されている。
このような構成の駆動部(ギアボックス)15、および回動機構12をそれぞれ制御することで、ロボットアーム11を伸縮動作や旋回動作させることができる。
このような搬送ロボット10は、ロボットハンド13に基板Sを支持した状態で、ロボットアーム11を伸縮させたり、あるいは旋回することによって、成膜装置1を構成するロードロック室L及び各処理室P1〜P3の間で基板Sを搬送させることができる。
こうした搬送ロボット10の動作の一例として、ロードロック室P0から第1の処理室P1に基板Sを搬送させる場合を例に説明すると、図2の二点鎖線で示すように、ロボットアーム11が縮んだ状態であってロボットハンド13の先端がロードロック室P0を指向した状態(旋回可能位置)から、ロボットアーム11を伸動作させ、ロードロック室P0内の基板受渡位置にロボットハンド13を移動して基板Sを受け取る(載置する)。その後、ロボットアーム11を縮動作させて原点位置に戻す。
次に、ロボットアーム11を原点位置からロボットハンド13の先端が第1の処理室P1を指向する位置まで旋回させ、ロボットアーム11を伸動作して第1の処理室P1の基板受渡位置にロボットハンド13を移動する。そして、基板Sを受け渡した後(処理室P1の所定位置に載置した後)、縮動作させて旋回可能位置に戻される。
図3は、搬送ロボット10の構成を示す平面図である。
本発明の搬送ロボット10は、ロボットアーム11及びロボットハンド13を備えている。ロボットアーム11は、例えば、長手方向に沿って延びる細長い2本のアーム部21aとアーム部21bとを軸着部22で回動自在に軸着した2本のアームユニット23a,23bを並列に配置してなる。
そして、これら2本のアームユニット23a,23bを、軸着部22を中心にして互いに遠ざかる方向X1に屈曲させることによって、ロボットアーム11の一端側に形成されたロボットハンド13(に載置された基板)を縮方向Y1に移動させることができる。
また、2本のアームユニット23a,23bを、軸着部22を中心にして互いに近づく方向X2に伸長させることによって、ロボットアーム11の一端側に形成されたロボットハンド13(に載置された基板)を伸方向Y2に移動させることができる。
こうしたロボットアーム11の屈曲、伸長は、駆動部(ギアボックス)15によって駆動される。
図4は、ロボットアームを示す要部拡大斜視図である。なお、図4は、実際のロボットアームの取り付け方向に対して、天地逆転した状態を示している。
ロボットアーム11は、それぞれのアーム部21a、21bの長手方向Lに沿った全長のうち少なくとも一部は、長手方向Lに対して垂直な方向に広がる断面の形状が長方形を成す第一領域E1と、この長方形の一方の長辺W1から直角な方向に向けて突出した第二領域E2とからなる形状に形成されている。
更に具体的には、本実施形態では、第一領域E1を成す長方形の一方の長辺W1の中央部分を中心にして、矩形の第二領域E2が突出しているような、断面が略T字型となるように、それぞれのアーム部21a、21bの少なくとも一部、例えば軸着部22やロボットアーム11との接続部分を除いた領域が形成されている。なお、これら第一領域E1と第二領域E2とは、一体に形成されていれば良い。
好ましくは、これらそれぞれのアーム部21a、21bの長手方向Lに沿った全長のうち、45%以上の領域が第一領域E1と第二領域E2とからなる略T字型の断面となるように形成されていれば良い。
こうしたアーム部21a、21bからなるロボットアーム11は、例えば、アルミニウムを含む金属、例えば、アルミニウム合金から形成されていれば良い。具体的には、例えば、A5052、A6061などが好ましく挙げられる。
ロボットアーム11の長手方向Lに対して垂直な断面形状が、第一領域E1と第二領域E2とからなる略T字型となるように形成することにより、ロボットアーム11の剛性を高めつつ、ロボットアーム11の軽量化を図ることができる。
即ち、図9に示すような、断面が略n型の従来のロボットアームでは、ロボットアームを屈曲させた状態から、ロボットアームを直線状に伸ばした状態に至る途上で、ロボットハンドの鉛直方向の高さ位置の誤差が大きくなりやすかった。これは、従来のロボットアームの断面が略n型だったために剛性が低く、ロボットアームが伸ばしたり縮めたりする際にロボットアームが捩れやすく、結果としてロボットアームの伸縮動作時にロボットハンドが上下方向に大きく振れてしまうと考えられる。
一方、本発明の搬送ロボット10を構成するロボットアーム11では、断面形状を略T字型とすることによって、ロボットアーム11自体の剛性が高められる。これによって、ロボットアーム11を伸ばしたり縮めたりする際に、ロボットアーム11が捩れることがなく、結果としてロボットハンド13の上下方向の振れを抑制できると考えられる。
また、本発明の搬送ロボット10を構成するロボットアーム11では、断面形状を略T字型とすることによって、剛性を保ちつつ、ロボットアーム11の軽量化も同時に図ることができる。
本発明の搬送ロボットを構成するロボットアームは、上述したような略T字状の断面形状以外にも、各種形状に形成することが可能である。
図5は、ロボットアームの長手方向に垂直な断面形状のバリエーションを示す断面図である。
図5(a)に示したロボットアーム31では、長方形の第一領域E1の長辺W1から、三角形を成す第二領域E2を突出させた断面をもつ。このようなロボットアーム31であっても、屈伸による鉛直方向へのズレを抑え、かつ、軽量化を図ることができる。
図5(b)に示したロボットアーム41では、長方形の第一領域E1の長辺W1から、矩形の第二領域E2を2つ突出させた断面をもつ。このようなロボットアーム41であっても、屈伸による鉛直方向へのズレを抑え、かつ、軽量化を図ることができる。
図5(c)に示したロボットアーム51では、長方形の第一領域E1の長辺W1から、湾曲した山型の第二領域E2を突出させた断面をもつ。このようなロボットアーム51であっても、屈伸による鉛直方向へのズレを抑え、かつ、軽量化を図ることができる。
図5(d)に示したロボットアーム61では、長方形の第一領域E1の長辺W1から、半円形(カマボコ型)の第二領域E2を突出させた断面をもつ。このようなロボットアーム61であっても、屈伸による鉛直方向へのズレを抑え、かつ、軽量化を図ることができる。
本発明の搬送ロボットは、前述した略T字状の断面形状をもつロボットアームと、他の断面形状をもつロボットアームとを組み合わせて形成しても良い。
図6は、本発明の搬送ロボットのロボットアームを示す要部拡大斜視図である。
この実施形態のロボットアーム71では、ロボットアーム71を構成する一方のアーム部71aの断面が、第一領域E1を成す長方形の一方の長辺W1の中央部分を中心にして、矩形の第二領域E2が突出している略T字型となるように形成した。
また、ロボットアーム71を構成する他方のアーム部71bの断面が、従来のような溝Pを形成した略n型となるように形成した。
このようなロボットアーム71であっても、屈伸による鉛直方向へのズレを抑える効果がある。
本出願人は、本願発明の一実施形態に係る効果を検証した。
検証にあたっては、本発明の実施例として、図4に示すような、断面形状が略T字型となるように形成されたロボットアームを備えた搬送ロボットを用いた。
一方、従来の比較例として、図9に示すような、断面形状が略n字型となるように形成されたロボットアームを備えた搬送ロボットを用いた。
なお、比較例におけるロボットアームの略n字型の断面形状のうち、中央の溝を挟んで両サイドからそれぞれ立ち上がる領域の合計断面積と、実施例における略T字型の断面形状のうち、第二領域の断面積とが同じになり、かつ、比較例と実施例のそれぞれについて全体の断面積も同じになるような寸法でロボットアームを形成した。
こうしたそれぞれのロボットアームを持つ比較例と実施例それぞれの搬送ロボットを用いて、ロボットハンドに厚み0.6mm、直径6インチのシリコンウェーハを支持させた状態で、ロボットアームを縮位置から伸動作させ、伸位置まで動かした。こうした伸動作に伴うストローク(移動量)は480mmとした。
そして、この伸動作の開始から終了までの区間で、ロボットアームの先端の鉛直方向における位置(以下、高さと称する)の変動、即ち伸動作の開始時点でのロボットアーム先端の高さを0mmとし、伸動作に伴うロボットアーム先端の高さの下がり量(撓み量)を、所定の間隔で測定した。測定は、比較例と実施例それぞれ10回づつ行った。
以上のような条件で行った実施例の測定結果を図7に、また比較例の測定結果を図8にそれぞれ示す。
図7、図8に示した測定結果によれば、実施例、比較例ともに、伸動作の開始からストローク350mm付近までは、ロボットアーム先端の高さ位置が下がっていくが、本発明の実施例では、ロボットアーム先端の高さ、即ち下がり量が−1.3mmから最大でも−2.3mm程度なのに対して、従来の比較例では、下がり量が−1.6から最大で−3.0mm程度に達した。
そして、ロボットアームが伸位置に達した状態でのロボットアーム先端の高さ位置においても、本発明の実施例では、下がり量が−0.8mmから−2.1mm程度のばらつきに収まっているのに対して、従来の比較例では、下がり量が−0.5mmから−2.3mmと、誤差範囲が大きくなっている。
こうした検証結果からも、本発明の搬送ロボットを用いることによって、基板などの被搬送物を高い位置精度で搬送できることが確認された。
10…搬送ロボット、11…ロボットアーム、13…ロボットハンド、E1…第一領域、E2…第二領域。

Claims (4)

  1. 長手方向に沿って延びるロボットアームと、該ロボットアームの一端側に形成されたロボットハンドと、前記ロボットアームを屈伸させる駆動部と、を備えた搬送ロボットであって、
    前記ロボットアームの前記長手方向に沿った全長のうち少なくともその一部は、前記長手方向に対して垂直な断面の形状が、長方形を成す第一領域と、該長方形の一方の長辺から直角な方向に向けて突出した第二領域とをもつことを特徴とする搬送ロボット。
  2. 前記第二領域は、前記長方形の一方の長辺の中央部分を中心にして突出していることを特徴とする請求項1記載の搬送ロボット。
  3. 前記断面の形状は略T字型であることを特徴とする請求項1または2記載の搬送ロボット。
  4. 前記ロボットアームは、少なくともアルミニウムを含む金属からなることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載の搬送ロボット。
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