JP2013013423A5 - - Google Patents

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農作業機
本発明は、機体の横側部に備えられた支持フレームと、支持フレームに支持された複数の予備苗載せ台を備えた農作業機に関する。
従来の技術としては、例えば特許文献1に開示されているように、走行機体の前部に配備された予備苗のせ台(特許文献1の図1の8)を、複数の苗受け板(特許文献1の図1の26u,26m,29d)が上下複数段に配備された第1形態と、複数の苗受け板(特許文献1の図4の26u,26m,29d)が前後直列に並べて機体前方に延出された第2形態とに切換可能に構成した乗用型田植機が知られている。
特開2007−135506号公報(図1,図4,図14,図15,図28参照)
特許文献1の予備苗せ台には、上段の苗受け板の後部、中段の苗受け板の前部及び後部、並びに、下段の苗受け体の前部に、それぞれ、苗受け面より上方に突出する起立姿勢と、苗受け面より没入する倒伏格納姿勢とに切換可能なストッパ(特許文献1の図14及び図15の38a,図28の38)が備えられている。これにより、予備苗載せ台の第1形態において、ストッパを起立姿勢に姿勢変更することで、苗受け体からの苗が前後に落ちることを防止でき、予備苗載せ台の第2形態において、ストッパを倒伏格納姿勢に姿勢変更することで、前後に並設された状態での苗受け体の間の苗の移動を許容し、畦等から苗せ台(特許文献1の図1の15)への苗の補給ができるように構成されている。
そのため、予備苗せ台の第1及び第2形態を切り換える度に、複数のストッパを姿勢変更する必要があり、予備苗せ台の状態切換に手間や時間が掛かって、予備苗せ台の状態切換作業の作業性を向上させる観点から改善の余地があった。
本発明は、複数の予備苗載せ台の状態切換に伴って可動ストッパを自動的に姿勢変更することができ、複数の予備苗載せ台の状態切換を簡易迅速に行うことができる農作業機を実現することを目的とする。
[I]
(構成)
本発明の第1特徴は、農作業機を次のように構成することにある。
機体の横側部に備えられた支持フレームと、前記支持フレームに支持された複数の予備苗載せ台とを備え、前記複数の予備苗載せ台が上下多段となって平面視で重複した重複状態と、前記複数の予備苗載せ台が前後向きに略一直線状になって展開した展開状態とに、前記複数の予備苗載せ台を切換可能に構成し、前記予備苗載せ台に可動ストッパを備えて、前記可動ストッパを、前記予備苗載せ台に載置された苗の移動を阻止する作用姿勢と、前記予備苗載せ台に載置された苗の移動を許容する非作用姿勢とに姿勢変更可能に構成すると共に、前記予備苗載せ台に載置される苗の存否を検出する検出手段を備えて、前記検出手段により苗の存在が検出されると、前記可動ストッパが作用姿勢に姿勢変更され、前記検出手段により苗の不存在が検出されると、前記可動ストッパが非作用姿勢に姿勢変更されるように構成してる。
(作用)
本発明の第1特徴によると、可動ストッパを手動で作用姿勢に姿勢変更しなくても、複数の予備苗載せ台に苗を載せるだけで、自動的に可動ストッパが作用姿勢に姿勢変更される。これにより、重複状態において予備苗載せ台に載置した苗が前後に落ちることを防止できる。また、可動ストッパを手動で非作用姿勢に姿勢変更しなくても、予備苗載せ台から苗を取り出すだけで、自動的に可動ストッパが非作用姿勢に姿勢変更される。これにより、前後に並設された状態での予備苗載せ台の間の苗の移動が許容され、畦等からの苗の補給を行うことができる。その結果、苗の存否によって可動ストッパを自動的に姿勢変更でき、複数の予備苗載せ台の状態を切り換える場合における可動ストッパの姿勢変更が不要になる。
(発明の効果)
本発明の第1特徴によると、複数の予備苗載せ台の状態切換を簡易迅速に行うことができ、複数の予備苗載せ台の状態切換作業の作業性を向上できる。
[II]
(構成)
本発明の第2特徴は、上記の農作業機において、次のように構成することにある。
機体の右側及び左側の横側部に、右側及び左側の複数の予備苗載せ台を備えて、前記右側及び左側の複数の予備苗載せ台を前記重複状態及び展開状態に切換可能に構成し、前記右側及び左側の複数の予備苗載せ台に亘って、前記複数の予備苗載せ台を前記重複状態及び展開状態に切り換える操作具を備えてる。
(作用)
本発明の第2特徴によると、上記の「作用」に加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第2特徴によると、単一の操作具を操作するだけで、右側及び左側の複数の予備苗載せ台の重複状態及び展開状態を一度に切り換えることができる。これにより、複数の予備苗載せ台の状態切換を更に簡易迅速に行うことができる。
(発明の効果)
本発明の第2特徴によると、上記の「効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によると、複数の予備苗載せ台の状態切換作業の作業性を更に向上できる。
第1参考形態における予備苗載置部が重複状態での乗用型田植機の全体側面図 第1参考形態における予備苗載置部が重複状態での乗用型田植機の全体平面図 第1参考形態における予備苗載置部が展開状態での乗用型田植機の全体側面図 第1参考形態における予備苗載置部が展開状態での乗用型田植機の全体平面図 第1参考形態における重複状態での予備苗載置部の側面図 第1参考形態における重複状態での予備苗載置部の横断平面図 第1参考形態における重複状態での予備苗載置部の正面図 第1参考形態における展開状態での予備苗載置部の側面図 第1参考形態における展開状態での予備苗載置部の平面図 第1参考形態における展開状態での予備苗載置部の正面図 第1参考形態における苗受け体の取付部の縦断正面図 第1参考形態における重複状態での予備苗載置部の支持フレーム付近の縦断正面図 第1参考形態における第1〜第3フレーム部材の取付部の平面図 第1参考形態における予備苗載置部が重複状態での操作具付近の側面図 第1参考形態における予備苗載置部が重複状態での操作具付近の平面図 第1参考形態における予備苗載置部が展開状態での操作具付近の側面図 第1参考形態における予備苗載置部が展開状態での操作具付近の縦断正面図 第1参考形態における前部及び後部可動ストッパの構造を示す横断平面図 第1参考形態における前部可動ストッパ付近の縦断正面図 第1参考形態における前部可動ストッパ付近の縦断側面図 第1参考形態における後部可動ストッパ付近の縦断背面図 第1参考形態における後部可動ストッパの動作を説明する縦断側面図 第1参考形態における展開状態での予備苗載置部の縦断側面図 第2参考形態における予備苗載置部の概略側面図 第3参考形態における予備苗載置部の概略側面図 第4参考形態における前部可動ストッパ付近の側面図 第4参考形態における前部可動ストッパ付近の平面図 本発明の実施形態における前部可動ストッパ付近の縦断側面図 本発明の実施形態における前部可動ストッパ付近の平面図 発明の実施の第1別形態における乗用型田植機の全体平面図
以下、本発明を明確にする為の第1,2,3,4参考形態を図1〜図27に基づいて説明しており、図28及び図29に基づいて本発明の実施形態を説明している。
[第1参考形態]
[乗用型田植機の全体構成]
図1〜図4に基づいて乗用型田植機の全体構成について説明する。図1は、予備苗載置部Fが重複状態での乗用型田植機の全体側面図であり、図2は、予備苗載置部Fが重複状態での乗用型田植機の全体平面図である。図3は、予備苗載置部Fが展開状態での乗用型田植機の全体側面図であり、図4は、予備苗載置部Fが展開状態での乗用型田植機の全体平面図である。
図1〜図4に示すように、前輪1及び後輪2で支持された機体に運転部3が備えられており、機体の後部に油圧シリンダ4及び昇降リンク機構5を介して苗植付装置6が昇降駆動自在に支持されて、乗用型田植機が構成されている。
苗植付け装置6は6条植え付け仕様に構成されており、3個の伝動ケース7、伝動ケース7の後部の右及び左の横側部に回転駆動自在に支持された植付ケース8、植付ケース8の両端に備えられた一対の植付アーム8a、接地フロート9、及び苗が載置される苗のせ台10等を備えて構成されている。これにより、苗のせ台10が左右に往復横送り駆動されるのに伴って、植付ケース8が回転駆動され、苗のせ台10の下部から植付アーム8aが交互に苗を取り出して田面に植え付ける。
運転部3におけるフロア11の後部に運転座席12が備えられており、運転座席12の後側に、苗の植え付けに伴って田面に肥料を供給する施肥装置13が装備されている。エンジンEを覆うボンネット14がフロア11の前方に備えられており、このボンネット14の上部に、前輪1を操向操作する操縦ハンドルが備えられている。ボンネット14の右及び左の横側部には、フロア11につながる右及び左のステップ15が備えられており、フロア11及びステップ15の両横外側には、右及び左の補助ステップ16が備えられている。
機体前部における左右中央部には、機体前方から乗用型田植機を操作可能な操作アーム17がエンジンフレーム18前部の左右軸心周りで揺動自在に支持されており、この操作アーム17が、ボンネット14の前側で起立した起立姿勢(図3の実線の姿勢)と、この起立姿勢から前方下方に倒伏した倒伏姿勢(図3の2点鎖線の姿勢)とに姿勢変更可能に構成されている。操作アーム17の倒伏姿勢では、操作アーム17の下方への揺動が規制されて、操作アーム17により機体の前部を押し下げ操作可能に構成されている。これにより、操作アーム17により機体の前部を押し下げ操作しながら、機体前方から乗用型田植機を操作でき、畦越え作業等を容易に行うことができる。
[予備苗載置部の詳細構造]
図1〜図17に基づいて予備苗載置部Fの詳細構造について説明する。図5は、重複状態での予備苗載置部Fの側面図であり、図6は、重複状態での予備苗載置部Fの横断平面図(中段の予備苗載せ台20mの平面図)であり、図7は、重複状態での予備苗載置部Fの正面図である。図8は、展開状態での予備苗載置部Fの側面図であり、図9は、展開状態での予備苗載置部Fの平面図であり、図10は、展開状態での予備苗載置部Fの正面図(前後中央の予備苗載せ台20mの正面図)である。
図11は、苗受け体31の取付部の縦断正面図であり、図12は、重複状態での予備苗載置部Fの支持フレーム19付近の縦断正面図である。図13は、第1〜第3フレーム部材30,50,51の取付部の平面図であり、図13(a)が上段の予備苗載せ台20uであり、図13(b)が中段の予備苗載せ台20mであり、図13(c)が下段の予備苗載せ台20dである。図14は、予備苗載置部Fが重複状態での操作具46付近の側面図であり、図15は、予備苗載置部Fが重複状態での操作具46付近の平面図である。
図16は、予備苗載置部Fが展開状態での操作具46付近の側面図であり、図17は、予備苗載置部Fが展開状態での操作具46付近の縦断正面図である。なお、以降の説明においては、機体の前部の左側部に装備された予備苗載置部Fを例に説明するが、機体の前部の右側部に装備された予備苗載置部Fについても、左右の勝手が異なる以外の他の構成は同様である。
図1及び図2に示すように、エンジンEから前方にエンジンフレーム18が延出されており、このエンジンフレーム18に、予備苗載置部Fを支持する左右の支持フレーム19が固定されている。これにより、機体前部の左右の横側部に左右の支持フレーム19が装備されている。
支持フレーム19の横外側には、3段の予備苗載せ台20が上下に並べて配設されて、機体前部の右側部及び左側部に予備苗載置部Fが配設されている。予備苗載置部Fは、3つの予備苗載せ台20が平面視で重複した状態で配設された重複状態(図1及び図2の状態)と、3つの予備苗載せ台20が少し斜め後方下方に傾斜して略一直線状になった展開状態(図3及び図4の状態)とに、状態切換可能に構成されている。なお、以下の説明において、重複状態での3段の予備苗載せ台20のうちの上段の予備苗載せ台を20uと表示し、中段の予備苗載せ台を20mと表示し、下段の予備苗載せ台を20dと表示する。また、上段の予備苗載せ台20uを構成する苗受け体を31uと表示し、中段の予備苗載せ台20mを構成する苗受け体を31mと表示し、下段の予備苗載せ台20dを構成する苗受け体を31dと表示する。
図5〜図7,図12に示すように、支持フレーム19の上部には、ブラケット21が固定されており、このブラケット21と支持フレーム19の上端部とに亘ってボス部22が形成されている。ボス部22には、左右向きの貫通穴が形成されており、この貫通穴に、中央支軸23が左右方向の軸心P1周りで回動自在に支持されている。中央支軸23の外側端部には、後述する第1連係リンク61の中央部ボス部61Aが回動自在に外嵌された状態で、前後に長い角パイプ状の第1フレーム部材30のボス部30aが外嵌固定されている。
ブラケット21の前部及び後部には、アングル状の前部及び後部フレーム24,25が固定されており、この前部及び後部フレーム24,25が第1フレーム部材30の前部及び後部における内面側に締め付け固定されている。これにより、第1フレーム部材30が、前部及び後部フレーム24,25、ブラケット21、並びに、中央支軸23を介して支持フレーム19の上部に固定されている。
図5〜図7に示すように、中段の予備苗載せ台20mは、第1フレーム部材30と、この第1フレーム部材30に連結された苗受け体31mとを備えて構成されている。第1フレーム部材30の前部及び後部の上面側には、側面視での縦断面形状が下向きに開口したコ字状の前部及び後部ブラケット32,33が固定されている。
苗受け体31mは、樹脂製で、平面視で前後に長い長方形状に形成されており、その左右両側部には、苗Gを載置する苗載置面31Aから上方側に突出した左右の側壁部31aが形成されている。苗受け体31mの前部及び後部は前後方向に開放されており、苗受け体31mの前部及び後部には壁部が設けられていない。
苗受け体31mの前部における左右中央部には、平面視で後側に凹入し上方及び下方が開放した開口部31bが形成されており、苗受け体31mの後部における左右中央部には、平面視で前側に凹入し上方及び下方が開放した開口部31cが形成されている。これにより、後述する予備苗載置部Fの展開状態において、前側及び後側の苗受け体31u,31dの開口部31b,31cとの協働で、平面視で左右に長い横長の長方形状の手挿入用穴部Hを、予備苗載置部Fが展開状態での苗受け体31mの苗載置面31Aの前部及び後部の2箇所に形成することができる(図9参照)。
その結果、前後の手挿入用穴部Hの上側から手を挿入して、予備苗載置部Fが展開状態での前後中央の予備苗載せ台20mに載置した苗Gを容易に上方に引き上げて取り出すことができ、予備苗載置部Fが展開状態での予備苗載せ台20mから苗Gを取り出す作業の作業性を向上できる。
苗受け体31mの下部には、丸棒により平面視でコ字状に形成された枠状フレーム34が下側から締め付け固定されており、この枠状フレーム34の内側端部に、前後の連結ブラケット35が固定されている。これにより、前後の連結ブラケット35に固定された枠状フレーム34に、苗受け体31が支持されている。
図5〜図7,図11に示すように、前後の連結ブラケット35は、それぞれ前部及び後部ブラケット32,33の左右向きの軸心a周りで回動自在に連結されている。これにより、図11(a)に示すように、苗受け体31m及び枠状フレーム34が、第1フレーム部材30側に左右向きの軸心a周りで揺動自在に支持されている。
前後の連結ブラケット35の下部には、位置決め接当部35aが形成されており、この位置決め接当部35aが第1フレーム部材30の外面側に接当することで、苗受け体31m及び枠状フレーム34の下方への揺動範囲が規制されるように構成されている。
前部ブラケット32の高さは、後部ブラケット33の高さより高く設定されており、これにより、前部及び後部ブラケット32,33に連結した苗受け体31mの苗載置面31Aが斜め後方下方に傾斜するように構成されている。
前後の連結ブラケット35の上部には、左右に長い長穴35bが形成されており、この長穴35bに支軸36を介して前部及び後部ブラケット32,33が連結されている。前後の連結ブラケット35の上端部には、板状部材35cが固定されている。
図7及び図11(b)に示すように、苗受け体31m及び枠状フレーム34を左右向きの軸心a周りで上方に揺動させて、支軸36に沿って長穴35aが下方に移動するように、苗受け体31m及び枠状フレーム34を少し下方へ押し込むことで、前後の連結ブラケット35の板状部材35cが前部及び後部ブラケット32,33の内側端に接当して、苗受け体31m及び枠状フレーム34が上方に起立揺動した状態を保持できる。これにより、中段の予備苗載せ台20mが、上方に揺動し起立した起立姿勢(図7及び図10の2点鎖線での姿勢)と、下方に倒伏した使用姿勢(図7及び図10の実線での姿勢)とに姿勢変更可能で、これらの姿勢を保持可能に構成されている。
図6に示すように、第1フレーム部材30の前端部には、左右向きの貫通穴が形成された前部ボス部30bが形成されており、第1フレーム部材30の後端部には、左右向きの貫通穴が形成された後部ボス部30cが形成されている。
図5〜図7,図12に示すように、第1フレーム部材30の前後中央部における上面側には、上下に長い角パイプ状の縦フレーム30dが延出されており、この縦フレーム30dの上端部に、第1支持部材37が固定されている。
図12及び図14に示すように、第1支持部材37は、正面視での縦断面形状が上向きに開口したコ字状に形成されており、その下端部が縦フレーム30dの上端に固定されている。これにより、予備苗載置部Fの重複状態で、第1支持部材37の外側板と内側板との間に、上段の予備苗載せ台20uの第2フレーム部材50が上方から入り込んで、上段の予備苗載せ台20uが第1支持部材37を介して縦フレーム30dに支持される。
第2フレーム部材50を縦フレーム30dに支持することで、上段の予備苗載せ台20uを安定して支持することができ、上段の予備苗載せ台20uだけでなく、後述するリンク機構60を介して連結された下段の予備苗載せ台20dのガタツキ等を効果的に防止できる。
第1支持部材37の外側板の上端部には、斜め外方上方に傾斜した外側傾斜部37Aが形成されており、第1支持部材37の内側板の上部には、斜め内方上方に傾斜した内側傾斜部37Bが形成されている。
予備苗載置部Fを展開状態から重複状態に切り換える場合において、後述するロック機構40のロックピン43の先端が第1支持部材37の外側板に形成された外側傾斜部37Aに接当して、後述するロック機構40のロックピン43が弾性バネ44の付勢力に抗して自動的に内側に移動する。これにより、予備苗載置部Fを展開状態から重複状態に切り換える場合において、後述するロック機構40のロック操作具45を内側に引き操作しなくても予備苗載置部Fを展開状態から重複状態に切り換えることができ、予備苗載置部Fの状態切換を容易に行うことができる。
予備苗載置部Fを展開状態から重複状態に切り換える場合において、上段の予備苗載せ台20uの第2フレーム部材50が、第1支持部材37の内側板に形成された内側傾斜部37Bにより案内されながら、第1支持部材37の外側板と内側板との間に入り込む。これにより、上段の予備苗載せ台20uを展開状態から重複状態に無理なく切り換えることができると共に、予備苗載置部Fが重複状態での上段の予備苗載せ台20uの左右方向へのガタツキを効果的に防止できる。
第1支持部材37の外側板の前部には、後述するロック機構40の支持ピン42を支持する支持穴部37Cが形成されている、支持穴部37Cの形状は、予備苗載置部Fを展開状態と重複状態とに切り換える場合における支持ピン42の回動軌跡に沿った形状に形成されており、支持ピン42が支持穴部37Cに入り込んだ状態で、支持ピン42の軸心が支持穴部37C内に入り込むような形状に形成されている。
第1支持部材37の外側板の後部には、後述するロック機構40のロックピン43が入り込むロック穴37Dが形成されており、このロック穴37Dにロック機構40のロックピン43の先端が入り込むことで、第2フレーム部材50が第1支持部材37の外側板と内側板との間に入り込んだ状態を保持できる。
図12,図14,図15に示すように、第2フレーム部材50の前後中央部における上部には、予備苗載置部Fを展開状態及び重複状態でロックするロック機構40が装備されている。第2フレーム部材50の上面側には、正面視での縦断面形状が上向きに開口したコ字状のブラケット41が固定されている。
ブラケット41の前部には、左右向きの支持ピン42が内嵌されて、横外側に突出するように固定されている。ブラケット41の後部には、左右向きの貫通穴が形成されており、この貫通穴に左右向きのロックピン43が内嵌されている。ロックピン43とブラケット41とに亘って弾性バネ44が装着されており、この弾性バネ44によりロックピン43が外側(ロックピン43の先端がブラケット41の外側の面から突出する側)に付勢されている。
ロックピン43の先端部には、テーパ部43aが形成されており、このテーパ部43aにより、ロックピン43の先端を無理なく第1支持部材37(第2支持部材38)のロック穴37D(ロック穴38D)に係入できると共に、ロックピン43の先端部が第1支持部材37(第2支持部材38)の外側傾斜部37A(外側傾斜部38A)に接当する際に、ロックピン43を無理なく内側に移動させることができる。
ロックピン43の内側端部には、丸棒によりループ状に形成されたロック操作具45が固定されており、このロック操作具45のループ状に形成された開口の大きさは、作業者が複数の指を挿入できる大きさに設定されている(図15参照)。
これにより、弾性バネ44の付勢力に抗してロック操作具45を内側に引き操作することで、ロックピン43の先端部が第1支持部材37(第2支持部材38)のロック穴37D(ロック穴38D)から抜け出したロック機構40のロック解除状態(図15(b)の状態)を現出でき、ロック操作具45の内側への引き操作を止めることで、弾性バネ44の付勢力によりロックピン43の先端部が第1支持部材37(第2支持部材38)のロック穴37D(ロック穴38D)に入り込んだロック機構40のロック状態(図15(a)の状態)を現出できる。
第2フレーム部材50の後部には、予備苗載置部Fの状態を切り換える際に作業者が握り操作する操作具46が装備されている。操作具46は、丸パイプ状のフレーム部材46aと、このフレーム部材46aに装着された樹脂製の握り部46bとを備えて構成されている。
なお、図示しないが、操作具46を異なる位置に装備する構成を採用してもよく、操作具46を第2フレーム部材50以外の部品に装備する構成を採用してもよく、複数の操作具46を装備する構成を採用してもよい。具体的には、例えば第3フレーム部材51に操作具46を装備して、低い高さで操作具46を操作し易いように構成してもよく、例えばリンク機構60(第1〜第3連係リンク61〜63)に操作具46を装備する構成を採用してもよい。また、例えば第2又は第3フレーム部材50,51の前端部及び後端部に操作具46を装備して、予備苗載置部Fの前側及び後側からの操作が更に行い易いように構成してもよい。
フレーム部材46aは、第2フレーム部材50後部の内面側にその基部が固定されており、この第2フレーム部材50に固定された部分から内側に延出され、この内側に延出された延出端から略水平に前方に延出されて、この略水平に前方に延出された延出端から斜め前方上方に延出された形状に成形されており、斜め前方上方に傾斜したフレーム部材46aの部分に握り部46bが外嵌装着されている。
操作具46の握り部46bとロック操作具45の外端との間には、所定の隙間が形成されており、これにより、弾性バネ44の付勢力に抗したロック操作具45の横内側への引き操作が許容される。
図14及び図15に示すように、ロック機構40のロック操作具45は、側面視で、その長手方向が操作具46の握り部46bに沿う方向に配設されており、これにより、作業者が操作具46の握り部46bを握ると、必然的に、作業者の親指以外の指の全部又は一部が、ロック操作具45のループ状に形成された開口に入り込み易いように構成されている。
これにより、操作具46の握り部46bを握るのと略同時に、ロック操作具45の開口に指を挿入してロック操作具45を内側に操作し、ロック機構40をロック解除状態に操作することができ、片手で操作具46及びロック操作具45の双方の操作が可能になる。その結果、操作具46及びロック操作具45の操作性を向上できる。
予備苗載置部Fの重複状態では、第2フレーム部材50の前後中央部(上段の予備苗載せ台20uの内側の前後中央部)にロック機構40及び操作具46の握り部46bが配設されているので、運転座席12側(後側)からロック機構40及び操作具46を操作して予備苗載置部Fの状態を切り換えることができると共に、機体前部の畦等(前側)からロック機構40及び操作具46を操作して予備苗載置部Fの状態を切り換えることができる。これにより、前側及び後側から操作し易い適切な位置にロック機構40及び操作具46を配設することができ、予備苗載置部Fの状態切換作業の作業性を向上できる。
この場合、運転座席12に着座した作業者が、運転座席12から立ち上がりながら右手又は左手を前方に伸ばして容易に手の届く位置に、重複状態での予備苗載置部Fのロック機構40及び操作具46が配設されている。これにより、予備苗載置部Fの状態を簡易迅速に切り換えることができ、予備苗載置部Fの状態切換作業の作業性を向上できる。なお、小型の乗用型田植機においては、例えば運転座席12に着座した状態のままで、重複状態での予備苗載置部Fの操作具46を握って、運転座席12から立ち上がりながら予備苗載置部Fを展開状態に切り換えできるように構成してもよく、例えば運転座席12に着座した状態のままで、予備苗載せ台Fを展開状態に切り換えできるように構成してもよい。
なお、上述したように、操作具46を異なる位置又は異なる部品に装備する構成を採用した場合においては、ロック機構40を操作具46の位置変更に合わせた異なる位置又は異なる部品に装備する構成を採用してもよい。
図5に示すように、上段の予備苗載せ台20uは、第2フレーム部材50と、この第2フレーム部材50に連結された苗受け体31uとを備えて構成されている。第2フレーム部材50の前部及び後部の上面側には、側面視での縦断面形状が下向きに開口したコ字状の前部及び後部ブラケット32,33が固定されている。前部及び後部ブラケット32,33は、第1フレーム部材30に固定された前部及び後部ブラケット32,33と同一構造で構成されている。
図9に示すように、苗受け体31uは、樹脂製で、中段の苗受け体31mと同一の外観形状に構成されており、その左右両側部には、苗Gを載置する苗載置面31Aから上方側に突出した左右の側壁部31aが形成されている。苗受け体31uの前部及び後部は前後方向に開放されており、苗受け体31uの前部及び後部には壁部が設けられていない。
苗受け体31uの前部における左右中央部には、平面視で後側に凹入し上方及び下方が開放した開口部31bが形成されており、苗受け体31uの後部における左右中央部には、平面視で前側に凹入し上方及び下方が開放した開口部31cが形成されている。これにより、予備苗載置部Fが展開状態において、後側の開口部31cと前後中央の苗受け体31mの開口部31bとの協働で、平面視で左右に長い横長の長方形状の手挿入用穴部Hを形成することができる。
予備苗載置部Fが展開状態において、前側の苗受け体31uの開口部31bにより、苗Gを前側に移動させなくても、苗Gが苗受け体31uに載置された状態のままで、苗Gを容易に上方に引き上げて取り出すことができ、展開状態での予備苗載置部Fから苗Gを取り出す作業の作業性を向上できる。
図5及び図7に示すように、苗受け体31uの下部には、中段の予備苗載せ台20mと同一構造の枠状フレーム34が下側から締め付け固定されており、この枠状フレーム34の内側端部に、前後の連結ブラケット35が固定されている。これにより、前後の連結ブラケット35に固定された枠状フレーム34に、苗受け体31uが支持されている。
前後の連結ブラケット35は、それぞれ前部及び後部ブラケット32,33の左右向きの軸心b周りで回動自在に連結されている。これにより、苗受け体31u及び枠状フレーム34が、第2フレーム部材50側に左右向きの軸心b周りで揺動自在に支持されている。
前後の連結ブラケット35、並びに、前部及び後部ブラケット32,33は、中段の予備苗載せ台20mと同一構造に構成されており、中段の予備苗載せ台20mと同様に、上段の予備苗載せ台20uが、上方に揺動し起立した起立姿勢と、下方に倒伏した倒伏した使用姿勢とに姿勢変更可能で、これらの姿勢で保持可能に構成されている。
図13(a)に示すように、第2フレーム部材50の前後中央部には、左右向きの貫通穴が形成された中央部ボス部50aが形成されており、第2フレーム部材50の後端部には、左右向きの貫通穴が形成された後部ボス部50bが形成されている。
図5に示すように、下段の予備苗載せ台20dは、第3フレーム部材51と、この第3フレーム部材51に連結された苗受け体31dとを備えて構成されている。第3フレーム部材51の前部及び後部の上面側には、側面視での縦断面形状が下向きに開口したコ字状の前部及び後部ブラケット32,33が固定されている。前部及び後部ブラケット32,33は、第1及び第2フレーム部材30,50に固定された前部及び後部ブラケット32,33と同一構造で構成されている。
図9に示すように、苗受け体31dは、樹脂製で、上段及び中段の苗受け体31u,31mと同一の外観形状に構成されており、その左右両側部には、苗Gを載置する苗載置面31Aから上方側に突出した左右の側壁部31aが形成されている。苗受け体31dの前部及び後部は前後方向に開放されており、苗受け体31dの前部及び後部には壁部が設けられていない。
苗受け体31dの前部における左右中央部には、平面視で後側に凹入し上方及び下方が開放した開口部31bが形成されており、苗受け体31dの後部における左右中央部には、平面視で前側に凹入し上方及び下方が開放した開口部31cが形成されている。これにより、予備苗載置部Fが展開状態において、前側の開口部31bと前後中央の苗受け体31mの開口部31cとの協働で、平面視で左右に長い横長の長方形状の手挿入用穴部Hを形成することができる。
予備苗載置部Fが展開状態での後側の開口部31bにより、苗Gを後側に移動させなくても、苗Gが苗受け体31dに載置された状態のままで、苗Gを容易に上方に引き上げて取り出すことができ、展開状態での予備苗載置部Fから苗Gを取り出す作業の作業性を向上できる。
図5及び図7に示すように、苗受け体31dの下部には、上段及び中段の予備苗載せ台20u,20mと同一構造の枠状フレーム34が下側から締め付け固定されており、この枠状フレーム34の内側端部に、前後の連結ブラケット35が固定されている。これにより、苗受け体31及び枠状フレーム34が、第3フレーム部材51側に左右向きの軸心c周りで揺動自在に支持されている。
前後の連結ブラケット35は、それぞれ前部及び後部ブラケット32,33の左右向きの軸心c周りで回動自在に連結されている。これにより、苗受け体31d及び枠状フレーム34が、第3フレーム部材51側に左右向きの軸心c周りで揺動自在に支持されている。
前後の連結ブラケット35、並びに、前部及び後部ブラケット32,33は、上段及び中段の予備苗載せ台20u,20mと同一構造に構成されており、上段及び中段の予備苗載せ台20u,20mと同様に、下段の予備苗載せ台20dが、上方に揺動し起立した起立姿勢と、下方に倒伏した倒伏した使用姿勢とに姿勢変更可能で、これらの姿勢で保持可能に構成されている。
図13(c)に示すように、第3フレーム部材51の前後中央部には、左右向きの貫通穴が形成された中央部ボス部51aが形成されており、第3フレーム部材51の前端部には、左右向きの貫通穴が形成された前部ボス部51bが形成されている。
図5〜図7に示すように、第1,第2及び第3フレーム部材30,50,51は、平行リンク式のリンク機構60を介して連動連結されている。リンク機構60は、第1,第2及び第3フレーム部材30,50,51に亘って設けられた第1連係リンク61と、第1及び第2フレーム部材30,50に亘って設けられた第2連係リンク62と、第1及び第3フレーム部材30,51に亘って設けられた第3連係リンク63とを備えて構成されている。
図5及び図13に示すように、第1連係リンク61は、丸パイプ材で構成されており、その前後中央部に左右向きの連係穴が形成された中央部ボス部61Aが形成され、その前端部に左右向きの第1支軸61Bがボス部材を介して固定され、その後端部に左右向きの第2支軸61Cが固定されている。
第2連係リンク62は、丸パイプ材で構成されており、その一端部に左右向きの連係穴が形成された第1ボス部62Aが形成され、その他端部に左右向きの連係穴が形成された第2ボス部62Bが形成されている。第1ボス部62Aには、左右向きの前部支軸64が固定されている。第3連係リンク63は、丸パイプ材で構成されており、その一端部に左右向きの連係穴が形成されたボス部63Aが形成され、その他端部に左右向きの支軸63Bが固定されている。
図13(b)に示すように、第1連係リンク61の中央部ボス部61Aは、支持フレーム19の上端部に支持された中央支軸23に回動自在に外嵌されている。これにより、第1連係リンク61の前後中央部が中央支軸23の左右方向の軸心P1周りで回動自在に支持されている。
図13(c)に示すように、第1連係リンク61の第1支軸61Bは、下段の予備苗載せ台20dにおける第3フレーム部材51の前部ボス部51bに左右向きの軸心P3周りで回動自在に連係されている。図13(a)に示すように、第1連係リンク61の第2支軸61Cは、上段の予備苗載せ台20uにおける第2フレーム部材50の後部ボス部50bに左右向きの軸心P2周りで回動自在に連係されている。
図13(b)に示すように、第2連係リンク62のボス部62Aに固定された前部支軸64は、中段の予備苗載せ台20mにおける第1フレーム部材30の前部ボス部30bに左右向きの軸心P4周りで回動自在に連係されている。図13(a)に示すように、第2連係リンク62の第2ボス部62Bは、上段の予備苗載せ台20uにおける第2フレーム部材50中央部ボス部50aに支軸65を介して左右向きの軸心P5周りで回動自在に連係されている。
図13(c)に示すように、第3連係リンク63のボス部63Aは、下段の予備苗載せ台20dにおける第3フレーム部材51の中央部ボス部51aに支軸66を介して左右向きの軸心P7周りで回動自在に連係されている。図13(b)に示すように、第3連係リンク63の支軸63Bは、中段の予備苗載せ台20mにおける第1フレーム部材30の後部ボス部30cに左右向きの軸心P6周りで回動自在に連係されている。
図5及び図8に示すように、第2連係リンク62の第2ボス部62B側の端部で、予備苗載置部Fが展開状態での第2連係リンク62の前後中央部(予備苗載置部Fが重複状態での第2連係リンク62の上部)には、第2支持部材38が固定されている。
図16及び図17に示すように、第2支持部材38は、正面視での縦断面形状が上向きに開口したコ字状に形成されており、その下端部の内側板が第2連係リンク62の側部に固定されている。これにより、予備苗載置部Fの展開状態で、第2支持部材38に形成された外側板と内側板との間に、上段の予備苗載せ台20uの第2フレーム部材50が上方から入り込んで、上段の予備苗載せ台20uが第2支持部材38を介して第2連係リンク62に支持される。
第2支持部材38の外側板の上端部には、斜め外方上方に傾斜した外側傾斜部38Aが形成されており、第2支持部材38の内側板の上部には、斜め内方上方に傾斜した内側傾斜部38Bが形成されている。
予備苗載置部Fを重複状態から展開状態に切り換える場合において、ロック機構40のロックピン43の先端が、第2支持部材38の外側板に形成された外側傾斜部38Aに接当して、弾性バネ44の付勢力に抗して自動的に内側に移動する。これにより、予備苗載置部Fを重複状態から展開状態に切り換える場合において、後述するロック機構40のロック操作具45を内側に引き操作しなくても予備苗載置部Fを重複状態から展開状態に切り換えることができ、予備苗載置部Fの状態切換を容易に行うことができる。
予備苗載置部Fを重複状態から展開状態に切り換える場合において、上段の予備苗載せ台20uの第2フレーム部材50が、第2支持部材38の内側板に形成された内側傾斜部38Bにより案内されながら、第2支持部材38の外側板と内側板との間に入り込む。これにより、上段の予備苗載せ台20uの位置を無理なく変更できると共に、予備苗載置部Fが展開状態での上段の予備苗載せ台20uの左右方向へのガタツキを効果的に防止できる。
第2支持部材38の外側板の前部には、ロック機構40の支持ピン42を支持する支持穴部38Cが形成されている、支持穴部38Cの形状は、予備苗載せ台20を展開状態と重複状態とに切り換える場合における支持ピン42の相対的な回動軌跡に沿った形状に形成されており、支持ピン42が入り込んだ状態で支持ピン42の軸心が支持穴部38C内に入り込むような形状に形成されている。
第2支持部材38の外側板の後部には、ロック機構40のロックピン43が入り込むロック穴38Dが形成されており、このロック穴38Dにロック機構40のロックピン43の先端が入り込むことで、第2フレーム部材50が第2支持部材38の外側板と内側板との間に入り込んだ状態を保持できる。
これにより、ロック機構40を、第1支持部材37との協働で予備苗載せ台20を重複状態でのロックするロック具として機能させることができると共に、第2支持部材38との協働で予備苗載置部Fを展開状態でロックするロック具として機能させることができ、例えば、予備苗載置部Fを重複状態及び展開状態でロックするロック具を別々に設ける場合に比べ、構造の簡素化を図ることができる。
予備苗載置部Fの重複状態及び展開状態では、支持ピン42が支持穴部37C,38Cに係合して第2フレーム部材50が第1又は第2支持部材37,38に支持されることになるので、ロック機構40のロックピン43とは別の、専用の支持ピン42で第2フレーム部材50を第1又は第2支持部材37,38に支持させることができる。これにより、例えばロックピン43に第2フレーム部材50からの無理な荷重が作用してロックピン43が抜け難くなることを防止できると共に、第1又は第2支持部材37,38のロック穴37D,38Dにロック機構40のロックピン43を無理なく出し入れできるので、ロックピン43のロック操作具45を比較的小さな操作力で無理なく操作できる。
また、第1又は第2支持部材37,38のロック穴37D,38Dやロック機構40のロックピン43が磨耗等により損傷することを防止できる。その結果、第2フレーム部材50を第1又は第2支持部材37,38に安定して支持させることができると共に、ロック機構40により予備苗載置部Fの重複状態及び展開状態を確実にロックすることができる。
予備苗載置部Fの重複状態及び展開状態で、第2フレーム部材50を支持する第1又は第2支持部材37,38の近傍にロック機構40を位置させることができる。これにより、例えば予備苗載置部Fの組立作業時においてロック機構40のロックピン43の位置と第1又は第2支持部材37,38のロック穴37D,38Dとの位置合わせが容易になって、予備苗載置部Fの組立作業の作業性を向上できると共に、苗Gを載置することによる第2フレーム部材50の撓み等によって、ロック穴37D,38Dの位置とロックピン43の位置が位置ずれすることを防止できる。
[苗ストッパの詳細構造]
図5〜図7,図9,図18〜図22に基づいて予備苗載置部Fに装備されている苗ストッパの詳細構造について説明する。図18は、前部及び後部可動ストッパ70,80の構造を示す横断平面図であり、図19は、前部可動ストッパ70付近の縦断正面図である。図20は、前部可動ストッパ70付近の縦断側面図である。図21は、後部可動ストッパ80付近の縦断背面図であり、図22は、後部可動ストッパ80の動作を説明する縦断側面図である。
図5〜図7に示すように、苗ストッパは、予備苗載せ台20uの前端部に設けられた固定式の前部固定ストッパ68と、予備苗載せ台20dの後端部に設けられた固定式の後部固定ストッパ69と、予備苗載せ台20mの前部及び予備苗載せ台20dの前部に装備された可動式の前部可動ストッパ70と、予備苗載せ台20uの後部及び予備苗載せ台20mの後部に装備された可動式の後部可動ストッパ80とを備えて構成されている。
図5及び図9に示すように、苗受け体31uの前部には、下面側から前部固定ストッパ68が締め付け固定されており、この前部固定ストッパ68は、側面視での縦断面形状がアングル状に形成されている。
前部固定ストッパ68における受け止め部68aの上端の高さは、苗受け体31uの苗載置面31Aよりも高く、苗受け体31uに載置される苗Gのトレーの上端よりも低い高さに設定されており(図7参照)、前部固定ストッパ68の左右方向の幅は、苗受け体31uに載置される苗Gの内側部分を部分的に受け止め支持できる長さに設定されている。これにより、前部固定ストッパ68によって、予備苗載置部Fが重複状態及び展開状態での上段の予備苗載せ台20uの前部から苗Gが脱落することを効果的に防止できる。
苗受け体31dの後部には、下面側から後部固定ストッパ69が締め付け固定されており、この後部固定ストッパ69は、側面視での縦断面形状がアングル状に形成されている。
後部固定ストッパ69における受け止め部69aの上端の高さは、苗受け体31dの苗載置面31Aよりも高く、苗受け体31dに載置される苗Gのトレーの上端よりも低い高さに設定されており(図7参照)、後部固定ストッパ69の左右方向の幅は、苗受け体31dに載置される苗Gの内側部分を部分的に受け止め支持できる長さに設定されている。これにより、後部固定ストッパ69によって、予備苗載置部Fが重複状態及び展開状態での下段の予備苗載せ台20dの後部から苗Gが脱落することを効果的に防止できる。
上記のように前部及び後部固定ストッパ68,69を構成することで、苗受け体31uの前端部及び苗受け体31dの後端部を前部及び後部可動ストッパ68,69で効果的に補強することができ、苗Gを載置した状態での苗受け体31u,31dの下方への撓みを少なくできる。これにより、苗Gを安定して予備苗載せ台20u,20dに支持できると共に、樹脂で成形された苗受け体31u,31dの破損を防止できる。
なお、この[第1参考形態]では、前部及び後部固定ストッパ68,69を苗受け体31u,31dとは別の部品で構成して、苗受け体31u,31dと苗受け体31mとの部品の共通化を図った例を示したが、前部及び後部固定ストッパ68,69を苗受け体31u,31dに樹脂で一体成形する構成を採用してもよい。
図5及び図18に示すように、前部可動ストッパ70は、可動ストッパ本体71と、軸部材72と、軸受部材73とを備えて構成されている。第1フレーム部材30の前部ボス部30bには、第2連係リンク62の第1ボス部62Aに固定された前部支軸64が左右向きの軸心P4周りで回動自在に支持されている。これにより、予備苗載置部Fの状態切換に伴って第2連係リンク62が左右向きの軸心P4周りで揺動すると、前部支軸64が第2連係リンク62の揺動に連動して回動するように構成されている。
第3フレーム部材51の前部ボス部51bには、第1連係リンク61に固定された第1支軸61Bが左右向きの軸心P3周りで回動自在に支持されている。これにより、予備苗載置部Fの状態切換に伴って第1連係リンク61が左右向きの軸心P3周りで揺動すると、第1支軸61Bが第1連係リンク61の揺動に連動して回動するように構成されている。
中段及び下段の予備苗載せ台20m,20dにおける苗受け体31m,31dの下部には、軸部材72が左右の軸受部材73を介して左右向きの軸心周りで回動自在に支持されており、この軸部材72に可動ストッパ本体71が固定されている。これにより、可動ストッパ本体71が苗受け体31m,31dの下部に左右向きの軸心周りで回動自在に支持されている。
可動ストッパ本体71における受け止め部71aの上端の高さは、後述する作用姿勢において、苗受け体31m,31dの苗載置面31Aよりも高く、苗受け体31m,31dに載置される苗Gのトレーの上端よりも低い高さに設定されており(図7参照)、可動ストッパ本体71の左右方向の幅は、苗受け体31m,31dに載置される苗Gの内側部分を部分的に受け止め支持できる長さに設定されている。これにより、可動ストッパ本体71の支持面によって、予備苗載置部Fが重複状態及び展開状態での中段及び下段の予備苗載せ台20m,20dの前部から苗Gが脱落することを効果的に防止できる。
前部支軸64及び第1支軸61Bの外側端部には、係入部材74が固定されており、軸部材72の内側端部には、係入部材74に係合する係合片75が固定されている。
図19に示すように、中段の予備苗載せ台20mを倒伏姿勢(図19の実線の姿勢)から前後向きの軸心a周りで上方に揺動させると、軸部材72の係合片75が前部支軸64の係入部材74から離間し、中段の予備苗載せ台20mの起立姿勢では、係合片75の係入部材74への係合が解除される。これにより、中段の予備苗載せ台20mの起立姿勢への姿勢変更に伴って、前部支軸64と軸部材72との連動連結が解除された状態を現出できる。
一方、中段の予備苗載せ台20mを起立姿勢(図19の2点鎖線の姿勢)から前後向きの軸心a周りで下方に揺動させると、軸部材72の係合片75が前部支軸64の係入部材74に係合し、中段の予備苗載せ台20mが倒伏姿勢に姿勢変更される。これにより、中段の予備苗載せ台20mの倒伏姿勢への姿勢変更に伴って、前部支軸64と軸部材72との連動連結状態を現出できる。
なお、予備苗載置部Fの重複状態及び展開状態の両方の状態で、中段の予備苗載せ台20mを倒伏姿勢から前後向きの軸心a周りで上方に揺動させると、軸部材72の係合片75が前部支軸64の係入部材74から離間するように構成されている。
図20に示すように、中段の予備苗載せ台20mを倒伏姿勢に姿勢変更した状態で、予備苗載置部Fを重複状態から展開状態に切り換えると、予備苗載置部Fの状態切換に伴って第2連係リンク62が左右向きの軸心P4周りで揺動し、前部支軸64が第2連係リンク62と一体回動して、前部支軸64の外側端部に固定された係入部材74が左右向きの軸心P4周りで回動する。
そして、係入部材74に係合した係合片75を介して可動ストッパ本体71が左右向きの軸心P4周りで下方に揺動する。これにより、可動ストッパ本体71の受け止め部71aが苗載置面31Aの上側に起立し予備苗載せ台20mに載置された苗の移動を阻止する作用姿勢(図20の実線の姿勢)から、可動ストッパ本体71の受け止め部71aが苗載置面31Aの下側に倒伏し予備苗載せ台20mに載置された苗の移動を許容する非作用姿勢(図20の2点鎖線の姿勢)に、前部可動ストッパ70の姿勢が変更される。
逆に、予備苗載置部Fを展開状態から重複状態に切り換えると、予備苗載置部Fの状態切換に伴って第2連係リンク62が左右向きの軸心P4周りで揺動し、前部支軸64が第2連係リンク62と一体回動して、前部支軸64の外側端部に固定された係入部材74が左右向きの軸心P4周りで回動する。
そして、係入部材74に係合した係合片75を介して可動ストッパ本体71が左右向きの軸心P4周りで上方に揺動する。これにより、可動ストッパ本体71の受け止め部71aが苗載置面31Aの下側に倒伏し予備苗載せ台20mに載置された苗の移動を阻止する非作用姿勢(図20の2点鎖線の姿勢)から、可動ストッパ本体71の受け止め部71aが苗載置面31Aの上側に起立し予備苗載せ台20mに載置された苗の移動を許容する作用姿勢(図20の実線の姿勢)に、前部可動ストッパ70の姿勢が変更される。
なお、中段の予備苗載せ台20mを起立姿勢に姿勢変更した場合において、可動ストッパ本体71を回動操作して係合片75の位置を係入部材74の位置と合致させながら、中段の予備苗載せ台20mを起立姿勢から倒伏姿勢に姿勢変更することで、軸部材72の係合片75が前部支軸64の係入部材74に係合した状態を現出できる。
この場合、係入部材74には案内部74aが形成されているので、軸部材72の係合片75の位置を前部支軸64の係入部材74の位置と厳格に一致させなくても、軸部材72の係合片75を容易に前部支軸64の係入部材74に係合させることができる。
なお、図19及び図20においては、中段の予備苗載せ台20mに装着された前部可動ストッパ70を例に説明したが、図19及び図20のカッコ書きで示すように、下段の予備苗載せ台20dに装備された前部可動ストッパ70においても同様の構造であり、上記と同様の作用(動き)をする。
図5及び図18に示すように、後部可動ストッパ80は、可動ストッパ本体81と、軸部材82と、軸受部材83と、カム部材85とを備えて構成されている。第1フレーム部材30の後部ボス部30cには、第3連係リンク63に固定された支軸63Bが左右向きの軸心P6周りで回動自在に支持されている。これにより、予備苗載置部Fの状態切換に伴って第3連係リンク63が左右向きの軸心P6周りで揺動すると、支軸63Bが第3連係リンク63の揺動に連動して回動するように構成されている。
第2フレーム部材50の後部ボス部50bには、第1連係リンク61に固定された第2支軸61Cが左右向きの軸心P2周りで回動自在に支持されている。これにより、予備苗載置部Fの状態切換に伴って第1連係リンク61が左右向きの軸心P2周りで揺動すると、第2支軸61Cが第1連係リンク61の揺動に連動して回動するように構成されている。
上段及び中段の予備苗載せ台20u,20mにおける苗受け体31u,31mの下部には、軸部材82が左右の軸受部材83を介して左右向きの軸心周りで回動自在に支持されており、この軸部材82に可動ストッパ本体81が固定されている。これにより、可動ストッパ本体81が苗受け体31u,31mの下部に左右向きの軸心周りで回動自在に支持されている。苗受け体31u,31mの下部と可動ストッパ本体81とに亘って弾性バネ84が装備されており、この弾性バネ84により後部可動ストッパ80が作用姿勢側に付勢されている。
可動ストッパ本体81における受け止め部81aの上端の高さは、後述する作用姿勢において、苗受け体31u,31mの苗載置面31Aよりも高く、苗受け体31u,31mに載置される苗Gのトレーの上端よりも低い高さに設定されており(図5参照)、可動ストッパ本体81の左右方向の幅は、苗受け体31u,31mに載置される苗Gの内側部分を部分的に受け止め支持できる長さに設定されている。これにより、可動ストッパ本体81の支持面によって、予備苗載置部Fが重複状態及び展開状態での上段及び中段の予備苗載せ台20u,20mの後部から苗Gが脱落することを効果的に防止できる。
支軸63B及び第2支軸61Cの外側端部には、着脱可能にカム部材85が固定されており、可動ストッパ本体81の内側端部には、カム部材85のカム面85Aに接当する接当部81Aが形成されている。これにより、支軸63B及び第2支軸61Cが回動すると、カム部材85が支軸63B又は第2支軸61Cと一体可動し、カム部材85の接当部81Aへの接当により後部可動ストッパ80の可動ストッパ本体81が回動するように構成されている。
図21に示すように、中段の予備苗載せ台20mを倒伏姿勢(図21の実線の姿勢)から前後向きの軸心a周りで上方に揺動させると、可動ストッパ本体81の接当部81Aがカム部材85から離間し、中段の予備苗載せ台20mの起立姿勢では、接当部81Aのカム部材85への係合が解除される。これにより、中段の予備苗載せ台20mの起立姿勢への姿勢変更に伴って、支軸63Bと可動ストッパ本体81との連動連結が解除された状態を現出できる。
一方、中段の予備苗載せ台20mを起立姿勢(図21の2点鎖線の姿勢)から前後向きの軸心a周りで下方に揺動させると、可動ストッパ本体81の接当部81Aがカム部材85の下側に入り込んで、接当部81Aがカム部材85に係合し、中段の予備苗載せ台20mが倒伏姿勢に姿勢変更される。これにより、中段の予備苗載せ台20mの倒伏姿勢への姿勢変更に伴って、可動ストッパ本体81と支軸63Bとの連動連結状態を現出できる。
なお、予備苗載置部Fの重複状態及び展開状態の両方の状態で、中段の予備苗載せ台20mを倒伏姿勢から前後向きの軸心a周りで上方に揺動させると、可動ストッパ本体81の接当部81Aがカム部材85から離間するように構成されている。
ここで、中段の予備苗載せ台20mを倒伏姿勢から前後向きの軸心a周りで上方に揺動させると、前部可動ストッパ70における軸部材72の係合片75も前部支軸64の係入部材74から離間するように構成されているので、予備苗載置部Fの重複状態及び展開状態の両方の状態で、中段の予備苗載せ台20mを起立姿勢に姿勢変更することが可能になる。
なお、予備苗載置部Fの重複状態で、中段の予備苗載せ台20mを起立姿勢に姿勢変更した場合においては、可動ストッパ本体81が弾性バネ84の付勢力により作用姿勢に姿勢変更されて位置決めされるので、中段の予備苗載せ台20mを起立姿勢から倒伏させるだけで、可動ストッパ本体81の接当部81Aがカム部材85に接当した状態を現出できる。この場合、可動ストッパ本体81には案内部81bが形成されているので(図18参照)、可動ストッパ本体81の接当部81Aを容易にカム部材85に接当させることができる。
一方、予備苗載置部Fの展開状態で、中段の予備苗載せ台20mを起立姿勢に姿勢変更した場合においては、可動ストッパ本体81を回動操作して可動ストッパ本体81の接当部81Aの位置をカム部材85の位置と合致させながら、中段の予備苗載せ台20mを起立姿勢から倒伏姿勢に姿勢変更することで、可動ストッパ本体81の接当部81Aがカム部材85に接当した状態を現出できる。この場合、可動ストッパ本体81には案内部81bが形成されているので(図18参照)、可動ストッパ本体81の接当部81Aの位置とカム部材85の位置を厳格に一致させなくても、可動ストッパ本体81の接当部81Aを容易にカム部材85に接当させることができる。
図22に示すように、中段の予備苗載せ台20mを倒伏姿勢に姿勢変更した状態で、予備苗載置部Fを重複状態から展開状態に切り換えると、予備苗載置部Fの状態切換に伴って第3連係リンク63が左右向きの軸心P6周りで揺動し、支軸63Bが第3連係リンク63と一体回動して、支軸63Bの外側端部に固定されたカム部材85が左右向きの軸心P6周りで正方向(図22の紙面反時計回りの方向)に回動する。
図22(a)に示すように、可動ストッパ本体81の受け止め部81aが起立し苗受け体31mの苗載置面31Aより上側に位置した作用姿勢では、弾性バネ84の付勢力により可動ストッパ本体81の受け止め部81aが苗受け体31mの外周部に接当すると共に、可動ストッパ本体81の前部内面側がカム部材85に接当して、可動ストッパ本体81の前後方向への揺動が規制された状態になる。
図22(a)及び(b)に示すように、カム部材85が左右向きの軸心P6周りで回動すると、カム部材85が可動ストッパ本体81の外面側に接当し始める。そして、図22(b)及び(c)に示すように、カム部材85が更に回動すると、弾性バネ84の付勢力に抗して可動ストッパ本体81の外面側がカム部材85のカム面85Aにより押されて、可動ストッパ本体81が回動する。
図22(c)及び(d)に示すように、カム部材85が更に回動すると、カム部材85のカム面85Aが可動ストッパ本体81の外面側に接当しながら回動して、可動ストッパ本体81がカム部材85のカム面85Aに案内されながら回動し、可動ストッパ本体81の受け止め部81aが倒伏し苗受け体31mの苗載置面31Aより下側に位置した非作用姿勢に、後部可動ストッパ80の姿勢が変更される。この状態では、カム部材85のカム面85Aと可動ストッパ本体81との接当により、可動ストッパ本体81の揺動が規制されている。
これにより、可動ストッパ本体81の受け止め部81aが起立し苗受け体31mの苗載置面31Aより上側に位置した作用姿勢(図22(a)の姿勢)から、可動ストッパ本体81の受け止め部81aが倒伏し苗受け体31mの苗載置面31Aより下側に位置した非作用姿勢(図22(d)の姿勢)に、後部可動ストッパ80の姿勢が変更される。
一方、図22に示すように、予備苗載置部Fを展開状態から重複状態に切り換えると、予備苗載置部Fの状態切換に伴って第3連係リンク63が左右向きの軸心P6周りで揺動し、支軸63Bが第3連係リンク63と一体回動して、支軸63Bの外側端部に固定されたカム部材85が左右向きの軸心P6周りで逆方向(図22の紙面時計回りの方向)に回動する。
図22(c)及び(d)に示すように、カム部材85が左右向きの軸心P6周りで回動すると、弾性バネ84の付勢力により、可動ストッパ本体81がカム部材85のカム面85Aに接当しながら回動する。
図22(b)に示すように、カム部材85が更に回動すると、弾性バネ84の付勢力により可動ストッパ本体81の受け止め部81aが苗受け体31mの外周部に接当して、可動ストッパ本体81の前方への揺動が規制された状態になる。図22(a)に示すように、カム部材85が更に回動すると、カム部材85が可動ストッパ本体81の前部内面側に接当して、可動ストッパ本体81の後方への揺動が規制された状態になる。
これにより、可動ストッパ本体81の受け止め部81aが倒伏し苗受け体31mの苗載置面31Aより下側に位置した非作用姿勢(図22(d)の姿勢)から、可動ストッパ本体81の受け止め部81aが起立し苗受け体31mの苗載置面31Aより上側に位置した作用姿勢(図22(a)の姿勢)に、後部可動ストッパ80の姿勢が変更される。
なお、図21及び図22においては、中段の予備苗載せ台20mに装着された後部可動ストッパ80を例に説明したが、図21及び図22のカッコ書きで示すように、上段の予備苗載せ台20uに装備された後部可動ストッパ80においても同様の構造であり、上記と同様の作用(動き)をする。
図5及び図8に示すように、予備苗載置部Fを重複状態から展開状態に切り換えると、上段の予備苗載せ台20u後部の後部可動ストッパ80が自動的に非作用姿勢に姿勢変更されると共に、中段の予備苗載せ台20m前部の前部可動ストッパ70が自動的に非作用姿勢に姿勢変更される。これにより、予備苗載置部Fが展開状態での前側の予備苗載せ台20uの苗載置面31Aと、前後中央の予備苗載せ台20mの苗載置面31Aと間に、前部及び後部可動ストッパ70,80が存在しない状態になって、前側及び前後中央の予備苗載せ台20u,20mの間での苗Gの移動が許容される。
また、中段の予備苗載せ台20m後部の後部可動ストッパ80が自動的に非作用姿勢に姿勢変更されると共に、下段の予備苗載せ台20d前部の前部可動ストッパ70が自動的に非作用姿勢に姿勢変更される。これにより、予備苗載置部Fが展開状態での前後中央の予備苗載せ台20mの苗載置面31Aと、後側の予備苗載せ台20dの苗載置面31Aとの間に、前部及び後部可動ストッパ70,80が存在しない状態になって、前後中央及び後側の予備苗載せ台20m,20dの間での苗Gの移動が許容される。
この場合、予備苗載置部Fが展開状態での前側の予備苗載せ台20uの前部は、前部固定ストッパ68によりその上部に載置した苗Gの前方への移動が阻止され、予備苗載置部Fが展開状態での後側の予備苗載せ台20dの後部は、後部固定ストッパ69によりその上部に載置した苗Gの後方への移動が阻止される。
一方、予備苗載置部Fを展開状態から重複状態に切り換えると、前側の予備苗載せ台20u後部の後部可動ストッパ80が作用姿勢に姿勢変更されると共に、前後中央の予備苗載せ台20m前部の前部可動ストッパ70が作用姿勢に姿勢変更される。これにより、予備苗載置部Fが重複状態での上段の予備苗載せ台20uに載置した苗Gの後方への移動が後部可動ストッパ80により阻止され、予備苗載置部Fが重複状態での中段の予備苗載せ台20mに載置した苗Gの前方への移動が前部可動ストッパ70により阻止される。
また、前後中央の予備苗載せ台20m後部の後部可動ストッパ80が作用姿勢に姿勢変更されると共に、後側の予備苗載せ台20d前部の前部可動ストッパ70が作用姿勢に姿勢変更される。これにより、予備苗載置部Fが重複状態での中段の予備苗載せ台20mに載置した苗Gの後方への移動が後部可動ストッパ80により阻止され、予備苗載置部Fが重複状態での下段の予備苗載せ台20dに載置した苗Gの前方への移動が前部可動ストッパ70により阻止される。
この場合、予備苗載置部Fが重複状態での上段の予備苗載せ台20uの前部は、前部固定ストッパ68によりその上部に載置した苗Gの前方への移動が阻止され、予備苗載置部Fが重複状態での下段の予備苗載せ台20dの後部は、後部固定ストッパ69によりその上部に載置した苗Gの後方への移動が阻止される。
上記のように前部及び後部可動ストッパ70,80を予備苗載置部Fの状態切換に連動させることで、予備苗載置部Fの状態切換に伴って前部及び後部可動ストッパ70,80の姿勢を変更しなくても、自動的に前部及び後部可動ストッパ70,80の姿勢を適切な姿勢に変更することができる。これにより、予備苗載置部Fの状態切換を簡易迅速に行うことができ、予備苗載置部Fの状態切換作業の作業性を向上できる。
また、予備苗載置部Fの重複状態及び展開状態の両方の状態で、予備苗載せ台20を起立姿勢に姿勢変更できるので、予備苗載せ台20の倒伏姿勢で前部及び後部可動ストッパ70,80を予備苗載置部Fの状態切換と連動させながら、予備苗載せ台20を起立姿勢に姿勢変更することが可能になる。これにより、前部及び後部可動ストッパ70,80を予備苗載置部Fの状態切換と連動させて予備苗載置部Fの状態切換作業の作業性を向上しながら、予備苗載せ台20を起立姿勢に姿勢変更して機体の全幅を短くすることができる。
[予備苗載置部の状態切換状況]
図5,図7,図8,図10,図23に基づいて予備苗載置部Fの状態切換状況について説明する。図23は、展開状態での予備苗載置部Fの縦断側面図である。図5及び図8に示すように、予備苗載置部Fの重複状態から操作具46を握ってロック機構40をロック解除状態に操作し、操作具46を少し上方前方に押し又は引き操作すると、第1連係リンク61が左右向きの軸心P1周りで揺動し、第2連係リンク62が左右向きの軸心P4周りで揺動し、第3連係リンク63が左右向きの軸心P6周りで揺動する。
そして、上段の予備苗載せ台20uの後部の左右向きの軸心P2が、左右向きの軸心P1周りの回転軌跡L1に沿って前方下方に移動すると共に、上段の予備苗載せ台20uの前後中央部の軸心P5が、左右向きの軸心P4周りの回転軌跡L2に沿って前方下方に移動する。これにより、上段の予備苗載せ台20uにおける前端部及び後端部の高低差がほぼ変更されない状態で、上段の予備苗載せ台20uが中段の予備苗載せ台20mの前側に移動する。
また、下段の予備苗載せ台20dの前部の左右向きの軸心P3が、左右向きの軸心P1周りの回転軌跡L3に沿って後方上方に移動すると共に、下段の予備苗載せ台20dの前後中央部の軸心P7が、左右向きの軸心P6周りの回転軌跡L4に沿って後方上方に移動する。これにより、下段の予備苗載せ台20dにおける前端部及び後端部の高低差がほぼ変更されない状態で、下段の予備苗載せ台20dが中段の予備苗載せ台20mの後側に移動する。
そして、上段の予備苗載せ台20uの第2フレーム部材50が、第2連係リンク62に固定された第2支持部材38に支持されて、第1,第2及び第3連係リンク61,62,63の揺動範囲が規制される。これにより、上段及び下段の予備苗載せ台20u,20dが中段の予備苗載せ台20mと略一直線状になって、予備苗載置部Fが展開状態に切り換えられる。この場合、ロック機構40が自動的にロック状態に操作され、予備苗載置部Fの展開状態が自動的に保持される。
これにより、操作具46の前方への操作で、リンク機構60の一つの動きで、リンク機構60を介して上段及び下段の予備苗載せ台20u,20dを同時に移動させることができ、予備苗載置部Fを重複状態から展開状態に切り換えることができる。その結果、予備苗載置部Fの状態切換を簡易迅速に行うことができ、予備苗載置部Fの状態切換作業の作業性を向上できる。
予備苗載置部Fを展開状態に切り換えることで、機体前部を畦等に近づけて前側の予備苗載せ台20uの前部に苗Gを載置して少し後方に苗Gを押すことで、予備苗載せ台20u,20m,20dの上で苗Gを滑らせて後方に移動させ、苗Gを予備苗載置部Fの後部に移動させることができる。なお、予備苗載置部Fの後部に移動した苗Gは、後側の予備苗載せ台20dの後部に装備された後部固定ストッパ69により受け止め支持されて後方への脱落が防止される。これにより、機体前部の畦等から機体後部の苗のせ台10への苗Gの補給を効率よく行うことができる。
予備苗載置部Fを展開状態に切り換えると、前部及び後部可動ストッパ70,80は自動的に非作用姿勢に姿勢変更されるので、前側の予備苗載せ台20uと前後中央の予備苗載せ台20mとの間、及び、前後中央の予備苗載せ台20mと後側の予備苗載せ台20dとの間において、無理なく苗Gを後方に移動させることができる。
なお、展開状態で予備苗載置部Fに3枚の苗Gを前後に並べて載置すると、前側の予備苗載せ台20uの前部に装備された前部固定ストッパ68、及び後側の予備苗載せ台20dの後部に装備された後部固定ストッパ69により、予備苗載置部Fに載置した苗Gが受け止め支持されて前後方向への脱落が防止される。
予備苗載置部Fの展開状態から操作具46を握ってロック機構40をロック解除状態に操作し、操作具46を少し上方後方に押し又は引き操作すると、第1連係リンク61が左右向きの軸心P1周りで揺動し、第2連係リンク62が左右向きの軸心P4周りで揺動し、第3連係リンク63が左右向きの軸心P6周りで揺動する。
そして、前側の予備苗載せ台20uの後部の左右向きの軸心P2が、左右向きの軸心P1周りの回転軌跡L1に沿って後方上方に移動すると共に、前側の予備苗載せ台20uの前後中央部の軸心P5が、左右向きの軸心P4周りの回転軌跡L2に沿って後方上方に移動する。これにより、前側の予備苗載せ台20uにおける前端部及び後端部の高低差がほぼ変更されない状態で、前側の予備苗載せ台20uが前後中央の予備苗載せ台20mの上側に移動する。
また、後側の予備苗載せ台20dの前部の左右向きの軸心P3が、左右向きの軸心P1周りの回転軌跡L3に沿って前方下方に移動すると共に、後側の予備苗載せ台20dの前後中央部の軸心P7が、左右向きの軸心P6周りの回転軌跡L4に沿って前方下方に移動する。これにより、後側の予備苗載せ台20dにおける前端部及び後端部の高低差がほぼ変更されない状態で、後側の予備苗載せ台20dが前後中央の予備苗載せ台20mの下側に移動する。
そして、前側の予備苗載せ台20uの第2フレーム部材50が、縦フレーム30dに固定された第1支持部材37に支持されて、第1,第2及び第3連係リンク61,62,63の揺動範囲が規制される。これにより、上段及び下段の予備苗載せ台20u,20dが中段の予備苗載せ台20mと平面視で重複した状態になって、予備苗載置部Fが重複状態に切り換えられる。この場合、ロック機構40が自動的にロック状態に操作され、予備苗載置部Fの重複状態が自動的に保持される。
これにより、操作具46の後方への操作で、リンク機構60の一つの動きで、リンク機構60を介して上段及び下段の予備苗載せ台20u,20dを同時に移動させることができ、予備苗載置部Fを展開状態から重複状態に切り換えることができる。その結果、予備苗載置部Fの状態切換を簡易迅速に行うことができ、予備苗載置部Fの状態切換作業の作業性を向上できる。
予備苗載置部Fを重複状態に切り換えると、前部及び後部可動ストッパ70,80が自動的に作用姿勢に姿勢変更されるので、予備苗載置部Fに載置した苗Gが、前部及び後部可動ストッパ70,80により受け止め支持されて、上段の予備苗載せ台20uの後部、中段の予備苗載せ台20mの前部及び後部、並びに、下段の予備苗載せ台20dの前部から苗Gが前後方向へ脱落することが防止される。この場合、上段の予備苗載せ台20uの前部、及び、下段の予備苗載せ台20dの後部は、前部及び後部固定ストッパ68,69により苗Gが受け止め支持されて、苗Gの前後方向への脱落が防止される。
図8及び図23に示すように、予備苗載せ台20uは、予備苗載せ台20uの前端部及び後端部の高低差が略変更されないで回転軌跡L1,L2に沿って略平行に移動する。これにより、予備苗載置部Fの状態を切り換える場合において、予備苗載せ台20uにおける苗受け体31uの後端下端が図23の回転軌跡L5のように移動し、予備苗載せ台20uの後部下部が、予備苗載せ台20mに載置した苗Gの前部上部と干渉し難くなる。
また、予備苗載せ台20dも同様に、予備苗載せ台20dの前端部及び後端部の高低差が略変更されないで回転軌跡L3,L4に沿って略平行に移動する。これにより、予備苗載置部Fの状態を切り換える場合において、予備苗載せ台20dに載置した苗Gの前端上端が図23の回転軌跡L6のように移動し、予備苗載せ台20dに載置した苗Gが、予備苗載せ台20mの後部下部と干渉し難くなる。
これにより、予備苗載置部Fから苗Gを取り出さなくても、苗Gを予備苗載置部Fに載置した状態のままで予備苗載置部Fの状態を切り換えることができ、予備苗載置部Fの状態切換作業の作業性を向上できる。
図8に示すように、予備苗載置部Fを重複状態から展開状態に切り換える場合において、上段の予備苗載せ台20uは、図8の2点鎖線で示す中間状態に上昇し、下段の予備苗載せ台20dは、図8の2点鎖線で示す中間状態に下降する。そのため、下段の予備苗載せ台20dがその自重(苗Gを載置している場合には苗Gの重量も含む)で中間状態に下降する力が、リンク機構60を介して上段の予備苗載せ台20u(苗Gを載置している場合には苗Gも含む)を中間状態に上昇させる力として作用して相殺され易くなり、これらの力により作用する軸心P1周りのモーメントがつり合い易くなる。
上段の予備苗載せ台20uは、図8の2点鎖線で示す中間状態から下降し、下段の予備苗載せ台20dは、図8の2点鎖線で示す中間状態から上昇する。そのため、上段の予備苗載せ台20uがその自重(苗Gを載置している場合には苗Gの重量も含む)で中間状態から下降する力が、リンク機構60を介して下段の予備苗載せ台20d(苗Gを載置している場合には苗Gも含む)を上昇させる力として作用して相殺され易くなり、これらの力により作用する軸心P1周りのモーメントがつり合い易くなる。
また、予備苗載置部Fを展開状態から重複状態に切り換える場合において、前側の予備苗載せ台20uは、図8の2点鎖線で示す中間状態に上昇し、後側の予備苗載せ台20dは、図8の2点鎖線で示す中間状態に下降する。そのため、後側の予備苗載せ台20dがその自重(苗Gを載置している場合には苗Gの重量も含む)で中間状態に下降する力が、リンク機構60を介して前側の予備苗載せ台20uを中間状態に上昇させる力として作用して相殺され易くなり、これらの力により作用する軸心P1周りのモーメントがつり合い易くなる。
前側の予備苗載せ台20uは、図8の2点鎖線で示す中間状態から下降し、後側の予備苗載せ台20dは、図8の2点鎖線で示す中間状態から上昇する。そのため、前側の予備苗載せ台20uがその自重(苗Gを載置している場合には苗Gの重量も含む)で中間状態から下降する力が、リンク機構60を介して後側の予備苗載せ台20d(苗Gを載置している場合には苗Gも含む)を上昇させる力として作用して相殺され易くなり、これらの力により作用する軸心P1周りのモーメントがつり合い易くなる。
なお、図8の2点鎖線で示す予備苗載せ台20u,20dの中間状態では、リンク機構60の第1,第2及び第3連係リンク61,62,63が上下向きになって、上側の予備苗載せ台20uがリンク機構60により下方側から支持された状態になり、下側の予備苗載せ台20dがリンク機構60により上方側から支持された状態になる。
これにより、操作具46を大きな操作力で押し引き操作しなくても、操作具46を小さな操作力で操作して予備苗載置部Fの状態を切り換えることができ、予備苗載置部Fの状態切換を容易に行うことができる。また、例えば、予備苗載置部Fの状態を切り換えている途中で操作具46から手を離した場合であっても、操作具46から手を離した後に上段及び下段の予備苗載せ台20u,20dが急に上昇又は下降することが無くなる。これにより、予備苗載置部Fの破損を防止できる。
予備苗載置部Fが重複状態から展開状態に切り換えられる場合において、上段の予備苗載せ台20uが前方下方に展開し、下段の予備苗載せ台20dが後方上方に展開するように構成されているので、上段の予備苗載せ台20uを高い位置で前後に移動させることができる。これにより、予備苗載置部Fの下部前方に畦等の障害物が存在する場合であっても、予備苗載置部Fを重複状態から展開状態に容易に切り換えることができると共に、予備苗載置部Fの状態が切り換えられる状況が畦等の作業補助者から見易くなる。
図8及び図23に示すように、上段の予備苗載せ台20uが前方下方に展開し、下段の予備苗載せ台20dが後方上方に展開するように構成することで、予備苗載置部Fが展開状態での第2連係リンク62の後部上側に第1連係リンク61の前部が位置し、予備苗載置部Fが展開状態での第3連係リンク63の前部下側に第1連係リンク61の後部が位置する状態になる。
これにより、直線状の簡素な形状の第1及び第2連係リンク61,62で、前側の予備苗載せ台20uの後部を前後中央の予備苗載せ台20mの前部より高い位置に位置させることができ、直線状の簡素な形状の第1及び第3連係リンク61,63で、後側の予備苗載せ台20dの前部を前後中央の予備苗載せ台20mの後部より低い位置に位置させることができる。その結果、前側の予備苗載せ台20uと前後中央の予備苗載せ台20mと間の段差h1、及び前後中央の予備苗載せ台20mと後側の予備苗載せ台20dとの間の段差h2を容易に形成することができる。
図23に示すように、予備苗載置部Fの展開状態において、前側の予備苗載せ台20u後部の苗載置面31Aと、前後中央の予備苗載せ台20m前部の苗載置面31Aとの間に所定の段差h1が形成され、前後中央の予備苗載せ台20m後部の苗載置面31Aと、後側の予備苗載せ台20d前部の苗載置面31Aとの間に所定の段差h2が形成されるように、予備苗載置部Fが展開状態における前後中央の予備苗載せ台20mに対する前側及び後側の予備苗載せ台20u,20dの高さが設定されている。
また、前後中央の予備苗載せ台20mの苗載置面31Aは、田面と略平行な水平面に対して第1所定角度θ1後方下方に傾斜するように斜めに配設されており、前側の予備苗載せ台20uの苗載置面31Aは、田面と略平行な水平面に対して第2所定角度θ2後方下方に傾斜するように斜めに配設されており、後側の予備苗載せ台20dの苗載置面31Aは、田面と略平行な水平面に対して第3所定角度θ3後方下方に傾斜するように斜めに配設されている。
第2所定角度θ2は、第1所定角度θ1より大きい角度に設定されている。これにより、前側の予備苗載せ台20uの前部に載置した苗Gを、第2所定角度θ2により勢いをつけて後方に無理なく移動させることができる。
第3所定角度θ3は、第1所定角度θ1より大きい角度に設定されている。これにより、苗Gが後側の予備苗載せ台20dの途中で止まることを防止しながら、前側の予備苗載せ台20uから後側の予備苗載せ台20dに移動した苗Gを、第3所定角度θ3により後側の予備苗載せ台20dの後部にまで無理なく移動させることができる。
これにより、機体前部の畦等から前側の予備苗載せ台20uの前部に載置した苗Gを、予備苗載せ台20u,20m,20dの上を滑らせて、後側の予備苗載せ台20dの後部に無理なく移動させることができる。
図7に示すように、予備苗載置部Fの重複状態で、上段の予備苗載せ台20uを使用姿勢から起立姿勢に姿勢変更し、中段の予備苗載せ台20mを使用姿勢から起立姿勢に姿勢変更し、下段の予備苗載せ台20dを使用姿勢から起立姿勢に姿勢変更することで、予備苗載置部Fが重複状態での上下3段の予備苗載せ台20u,20m,20dを機体内側にコンパクトに格納できる。
図3及び図10に示すように、予備苗載置部Fの展開状態で、前側の予備苗載せ台20uを使用姿勢から起立姿勢に姿勢変更し、前後中央の予備苗載せ台20mを使用姿勢から起立姿勢に姿勢変更し、後側の予備苗載せ台20dを使用姿勢から起立姿勢に姿勢変更することで、予備苗載置部Fが展開状態での前後3つの予備苗載せ台20u,20m,20dを機体内側にコンパクトに格納できる。この場合、予備苗載せ台20u,20m,20dを異なる順番で起立姿勢に姿勢変更することも可能である。
すなわち、予備苗載置部Fの重複状態及び展開状態の両方の状態で、予備苗載置部Fを機体内側にコンパクトに格納できる。これにより、例えば倉庫等に乗用型田植機を保管する場合やトラックの荷台等(図示せず)に乗用型田植機を積載する場合には、予備苗載置部Fを重複状態に切り換えて予備苗載せ台20を起立姿勢に姿勢変更することで、機体の全長及び機体の全幅を短くして、乗用型田植機をコンパクトに保管及び積載することができる。また、例えば畦道等の比較的幅狭の道で乗用型田植機を走行させる場合等には、予備苗載置部Fが展開状態のままで予備苗載せ台20を起立姿勢に姿勢変更することで、簡易迅速に機体の全幅のみを短く変更して、畦道等の比較的幅狭の道で乗用型田植機を走行させることができる。
[第2参考形態]
前述の[第1参考形態]においては、中段の予備苗載せ台20mを支持フレーム19側に固定し、上段の予備苗載せ台20uが前側に展開し、下段の予備苗載せ台20dが後側に展開するように、予備苗載置部Fを構成した例を示したが、支持フレーム19側に固定された中段の予備苗載せ台20mに対して、上段の予備苗載せ台20uが後側に展開し、下段の予備苗載せ台20dが前側に展開するように、予備苗載置部Fを構成してもよい。この場合、後側に展開した予備苗載せ台20uの高さを前後中央の予備苗載せ台20mの高さより低く設定し、前側に展開した予備苗載せ台20dの高さを前後中央の予備苗載せ台20mの高さより高く設定してもよい。
前述の[第1参考形態]においては、中段の予備苗載せ台20mを支持フレーム19側に固定し、リンク機構60を介して、上段の予備苗載せ台20uが前側に展開し、下段の予備苗載せ台20dが後側に展開するように、予備苗載置部Fを構成した例を示したが、複数の予備苗載せ台20のうちの異なる予備苗載せ台20を支持フレーム19側に固定し、支持フレーム19側に固定した以外の予備苗載せ台20がリンク機構60を介して展開するように、予備苗載置部Fを構成してもよい。以下、図24に基づいて、その一例を説明する。図24は、この[第2参考形態]での予備苗載置部Fの概略側面図である。
図24(a)に示すように、下段の予備苗載せ台20dが支持フレーム19側に固定され、上段及び中段の予備苗載せ台20u,20mがリンク機構60を介して下段の予備苗載せ台20dと連動連結されている。そして、図24(a)の2点鎖線で示すように、下段の予備苗載せ台20dに対して上段及び中段の予備苗載せ台20u,20mが前側に展開するように、予備苗載置部Fが構成されている。この場合、展開状態での予備苗載置部Fにおいて、予備苗載せ台20u,20m,20dの高さが徐々に後側に向かって低くなるように設定されている。
また、図示しないが、支持フレーム19側に固定した下段の予備苗載せ台20dに対して、上段及び中段の予備苗載せ台20u,20mが後側に展開するように、予備苗載置部Fを構成してもよい。この場合、展開状態での予備苗載置部Fにおいて、予備苗載せ台20u,20m,20dの高さが徐々に後側に向かって低くなるように設定してもよい。
図24(b)に示すように、上段の予備苗載せ台20uが支持フレーム19側に固定され、中段及び下段の予備苗載せ台20m,20dがリンク機構60を介して上段の予備苗載せ台20uと連動連結されている。そして、図24(b)の2点鎖線で示すように、上段の予備苗載せ台20uに対して中段及び下段の予備苗載せ台20m,20dが後側に展開するように、予備苗載置部Fが構成されている。この場合、展開状態での予備苗載置部Fにおいて、予備苗載せ台20u,20m,20dの高さが徐々に後側に向かって低くなるように設定されている。
また、図示しないが、支持フレーム19側に固定した上段の予備苗載せ台20uに対して、中段及び下段の予備苗載せ台20m,20dが前側に展開するように、予備苗載置部Fを構成してもよい。この場合、展開状態での予備苗載置部Fにおいて、予備苗載せ台20u,20m,20dの高さが徐々に後側に向かって低くなるように設定してもよい。
[第3参考形態]
前述の[第1参考形態]、及び[第2参考形態]においては、上下3段の予備苗載せ台20u,20m,20dを備えて、重複状態での予備苗載置部Fを構成した例を示したが、複数の異なる段数(2段,4段以上)の予備苗載せ台20を備えて、重複状態での予備苗載置部Fを構成してもよい。また、前述の[第1参考形態]、及び[第2参考形態]においては、中段の予備苗載せ台20mを支持フレーム19側に固定した例を示したが、リンク機構360を支持フレーム19側に固定するように、予備苗載置部Fを構成してもよい。以下、図25に基づいて、その一例を説明する。図25は、この[第3参考形態]での予備苗載置部Fの概略側面図である。
図25(a)に示すように、上下2段の予備苗載せ台120u,120dを備えて、重複状態での予備苗載置部Fが構成されている。支持フレーム19側に下段の予備苗載せ台120dが固定されており、上段の予備苗載せ台120uが下段の予備苗載せ台120dとリンク機構160(前部リンク161及び後部リンク162)を介して連動連結されている。そして、支持フレーム19側に固定された下段の予備苗載せ台120dに対して、上段の予備苗載せ台120uが前側に展開するように、予備苗載置部Fが構成されている。この場合、前側に展開した予備苗載せ台120uの高さが支持フレーム19側に固定された予備苗載せ台120dの高さより高くなるように設定されている。
また、図示しないが、支持フレーム19側に固定した下段の予備苗載せ台120dに対して、上段の予備苗載せ台120uが後側に展開するように、予備苗載置部Fを構成してもよく、上段の予備苗載せ台120uを支持フレーム19側に固定し、支持フレーム19側に固定された上段の予備苗載せ台120uに対して、下段の予備苗載せ台120dが前側又は後側に展開するように、予備苗載置部Fを構成してもよい。
図25(b)に示すように、上下4段の予備苗載せ台220v,220u,220m,220dを備えて、重複状態での予備苗載置部Fが構成されている。支持フレーム19側に下から2番目の予備苗載せ台220mが固定されており、その他の予備苗載せ台220v,220u,220dが下から2番目の予備苗載せ台220mとリンク機構260(連係リンク261,262,263,264)を介して連動連結されている。そして、支持フレーム19側に固定された予備苗載せ台220mに対して、予備苗載せ台220mより上側の予備苗載せ台220v,220uが前側に展開し、予備苗載せ台220mより下側の予備苗載せ台220dが後側に展開するように、予備苗載置部Fが構成されている。この場合、展開状態での予備苗載置部Fにおいて、予備苗載せ台220v,220u,220m,220dの高さが徐々に後側に向かって低くなるように設定されている。
また、図示しないが、上下4段の予備苗載せ台220v,220u,220m,220dのうちの異なる予備苗載せ台220v,220u,220dのいずれ一つを支持フレーム19側に固定して、予備苗載置部Fを構成してもよい。この場合、上から2番目の予備苗載せ台220uを支持フレーム19側に固定した場合には、予備苗載せ台220uの上側の予備苗載せ台220vが前側又は後側に展開し、予備苗載せ台220uの下側の予備苗載せ台220m,220dが後側又は前側に展開するように構成してもよい。また、最上段の予備苗載せ台220vを支持フレーム19側に固定した場合には、予備苗載せ台220v以外の予備苗載せ台220u,220m,220dが前側又は後側に展開するように構成してもよく、最下段の予備苗載せ台220dを支持フレーム19側に固定した場合には、予備苗載せ台220d以外の予備苗載せ台220v,220u,220mが前側又は後側に展開するように構成してもよい。
図25(c)に示すように、上下2段の予備苗載せ台320u,320dを備えて、重複状態での予備苗載置部Fが構成されており、上下2段の予備苗載せ台320u,320dはリンク機構360(連係リンク361,362)を介して連動連結されている。予備苗載せ台320u,320dは支持フレーム19側に固定されておらず、リンク機構360の連係リンク361の下部が、支持フレーム19の上部に左右向きの軸心周りで揺動自在に支持されている。そして、支持フレーム19を前方に揺動させると、上側及び下側の予備苗載せ台320u,320dが前側に展開するように、予備苗載置部Fが構成されている。
この場合、支持フレーム19に固定された前部及び後部ストッパ19a,19bに、下側の予備苗載せ台320dの下部が接当し、予備苗載置部Fが展開状態及び重複状態で位置決め支持される。なお、前部及び後部ストッパ19a,19bにリンク機構360の一部(例えば連係リンク361)を接当させることで、予備苗載置部Fが展開状態及び重複状態で位置決め支持されるように構成してもよい。また、図示しないが、上下3段以上の予備苗載せ台を備えて予備苗載置部Fを構成し、予備苗載せ台を連動連結するリンク機構を支持フレーム19側に揺動自在に支持するように、予備苗載置部Fを構成してもよい。
前述の[第1参考形態]、及び[第2参考形態]においては、予備苗載置部Fの重複状態で、上下3段の予備苗載せ台20u,20m,20dのうちの一つの予備苗載せ台20を支持フレーム19側に固定し、支持フレーム19側に固定した予備苗載せ台20以外の予備苗載せ台20が前側又は後側に展開状態に展開するように、予備苗載置部Fを構成した例を示したが、予備苗載置部Fの重複状態で、上下3段の予備苗載せ台20u,20m,20dのうちの二つの予備苗載せ台20を支持フレーム19側に固定し、支持フレーム19側に固定した予備苗載せ台20のいずれか一つと、支持フレーム19側に固定されていない予備苗載せ台20とをリンク機構を介して連動連結して、支持フレーム19側に固定した予備苗載せ台20に対して、支持フレーム19側に固定されていない予備苗載せ台20が前側又は後側に展開状態に展開するように、予備苗載置部Fを構成してもよい。
具体的には、例えば重複状態での上下3段の予備苗載せ台20u,20m,20dのうちの中段及び下段の予備苗載せ台20m,20dを支持フレーム19側に固定し、中段の予備苗載せ台20mと上段の予備苗載せ台20uをリンク機構により連動連結する。そして、支持フレーム19側に固定した中段の予備苗載せ台20mに対して、上段の予備苗載せ台20uが前側又は後側に展開するように、予備苗載置部Fを構成する。
また、図示しないが、複数の異なる段数(4段以上)の予備苗載せ台を備えて、重複状態での予備苗載置部Fを構成した場合においても同様に、重複状態での複数の予備苗載せ台のうちの複数の予備苗載せ台を支持フレーム19側に固定し、支持フレーム19側に固定した複数の予備苗載せ台のうちのいずれか一つと、支持フレーム19側に固定していないその他の予備苗載せ台とをリンク機構により連動連結し、支持フレーム19側に固定した予備苗載せ台に対して、支持フレーム19側に固定していない予備苗載せ台が前側又は後側に展開するように、予備苗載置部Fを構成してもよい。
具体的には、例えば重複状態での上下4段の予備苗載せ台220v,220u,220m,220dのうちの下から2番目及び最下段の予備苗載せ台220m,220dを支持フレーム19側に固定し、下から2番目の予備苗載せ台220mと、最上段及び上段の予備苗載せ台220v,220uをリンク機構により連動連結する。そして、支持フレーム19側に固定した下から2番目の予備苗載せ台220mに対して、最上段及び上段の予備苗載せ台220v,220uが前側又は後側に展開するように、予備苗載置部Fを構成する。
[第4参考形態]
前述の[第1参考形態]における前部及び後部可動ストッパ70,80の構造及びリンク機構60との連動構造に代えて、図26及び図27に示すような前部及び後部可動ストッパ170,180の構造及びリンク機構60との連動構造を採用してもよい。図26は、この[第4参考形態]での前部可動ストッパ170付近の側面図であり、図27は、この[第4参考形態]での前部可動ストッパ170付近の平面図である。なお、以下の説明においては、前部可動ストッパ170を例に示すが、後部可動ストッパ180においても同様の構造を採用できる。
図26及び図27に示すように、中段の予備苗載せ台20mの第1フレーム部材30の前部には、側面視での縦断面形状が前向きに開口したコ字状の前部ブラケット53が固定されている。前部ブラケット53には、上下向きの貫通穴が形成されており、この貫通穴に前部可動ストッパ170が上下向きの軸心d周りで揺動可能に支持されている。
前部可動ストッパ170は、可動ストッパ本体171と、板状部材172とを備えて構成されている。前部可動ストッパ170の可動ストッパ本体171は、丸棒を屈曲成形することで、その上部に、中段の予備苗載せ台20mに載置される苗Gを受け止め支持する上部受け止め部171Aが形成され、その下部に、下段の予備苗載せ台20dに載置される苗Gを受け止め支持する下部受け止め部171Bが形成されて、後述する作用姿勢における正面視での外観形状が外向きに開口したコ字状に成形されている。
なお、後部可動ストッパ180の場合には、上部受け止め部により上段の予備苗載せ台20uに載置される苗Gを受け止め支持し、下部受け止め部により中段の予備苗載せ台20dに載置される苗Gを受け止め支持するように構成してもよい。
上部受け止め部171Aの端部には、横平板状の板状部材172が固定されており、可動ストッパ本体171の上下向きの支軸部分を前部ブラケット53の上下向きの貫通穴に下側から内嵌挿入した状態で、上部受け止め部171Aの支軸部分の上端に上方から板状部材172が内嵌されて固定されている。
これにより、前部可動ストッパ170が、上下向きの軸心d周りで外側に揺動し中段及び下段の予備苗載せ台20m,20dに載置された苗Gを受け止め支持可能な作用姿勢(図26及び図27の実線の姿勢)と、上下向きの軸心d周りで内側に揺動し前後方向に沿った状態になった非作用姿勢(図26及び図27の2点鎖線の姿勢)とに、姿勢変更可能に構成されている。
前部可動ストッパ170の作用姿勢では、上部受け止め部171Aと下部受け止め部171Bとの間に、前後方向に開放された開口部170Aが形成されるように、前部可動ストッパ170の形状がコ字状に形成されているので、前部可動ストッパ170が作用姿勢の状態で、前方からの苗Gをこの開口部170Aから下段の予備苗載せ台20dに補給することができる。なお、後部可動ストッパ180である場合には、開口部を介して予備苗載せ台20から後方に苗Gを取り出すことができる。
これにより、前部可動ストッパ170が下段の予備苗載せ台20dに前方から苗Gを補給する妨げになり難くなって、前部可動ストッパ170により中段及び下段の予備苗載せ台20m,20dの前方への落下を防止しながら、下段の予備苗載せ台20dに無理なく前方から苗Gを補給できる。
前部ブラケット53と可動ストッパ本体171上部の板状部材172とに亘って弾性バネ173が装着されており、この弾性バネ173により可動ストッパ本体171が作用姿勢側に付勢されている。
第1フレーム部材30には、縦平板状の前部及び後部ブラケット174,174が固定されており、この前部及び後部ブラケット174,174に亘って、連係ワイヤ176を構成するアウタワイヤ176aの両端部が固定されている。
可動ストッパ本体171における上部受け止め部171Aの下側には、前部アーム部材171aが固定されており、この前部アーム部材171aに、連係ワイヤ176のインナワイヤ176bの一端部が上下向きの軸心周りで回動自在に連係されている。第1連係リンク61における長手方向での中央部には、ブラケット177が固定されており、このブラケット177に、連係ワイヤ176のインナワイヤ176bの他端部が左右向きの軸心周りで回動自在に連係されている。
これにより、予備苗載置部Fを重複状態から展開状態に切り換えると、第1連係リンク61が左右向きの軸心P1周りで図26の紙面反時計回りで揺動し、第1連係リンク61の揺動に伴って第1連係リンク61に固定されたブラケット177が後方上方に移動する。そして、インナワイヤ176bが後方に引っ張られて、前部アーム部材171aが後方に揺動し、弾性バネ173の付勢力に抗して可動ストッパ本体171が上下向きの軸心d周りで前方に揺動する。これにより、前部可動ストッパ170が予備苗載置部Fの状態切換に伴って自動的に非作用姿勢に姿勢変更される。
一方、予備苗載置部Fを展開状態から重複状態に切り換えると、第1連係リンク61が左右向きの軸心P1周りで図26の紙面時計回りで揺動し、第1連係リンク61の揺動に伴って第1連係リンク61に固定されたブラケット177が前方下方に移動する。そして、弾性バネ173の付勢力により可動ストッパ本体171が上下向きの軸心d周りで後方に揺動し、前部アーム部材171aが前方に揺動して、インナワイヤ176bが前方に引っ張られる。これにより、前部可動ストッパ170が予備苗載置部Fの状態切換に伴って自動的に作用姿勢に姿勢変更される。
なお、図示しないが、前述の[第1参考形態]における前部又は後部可動ストッパ70,80の全部又は一部を、この[第4参考形態]での前部又は後部可動ストッパ170,180で構成してもよい。
また、単一の前部又は後部可動ストッパ170,180により、上下2段の予備苗載せ台20の前部又は後部において苗Gを受け止め支持する構成に代えて、単一の前部又は後部可動ストッパ170,180により、単一の予備苗載せ台20の前部又は後部において苗Gを受け止め支持するように構成してもよく、単一の前部又は後部可動ストッパ170,180により、3以上の複数の予備苗載せ台20の前部又は後部において苗Gを受け止め支持するように構成してもよい。
以下、本発明の実施形態について説明する。この場合、本発明の実施形態において前述の第1〜4参考形態と異なる部分について説明しており、その他の部分は前述の第1〜4参考形態と同様である。
[本発明の実施形態]
前述の[第1参考形態]、及び[第4参考形態]においては、予備苗載置部Fの状態切換に伴って前部及び後部可動ストッパ70,170,80,180の姿勢が自動的に変更されるように、予備苗載置部Fを構成した例を示したが、図28及び図29に示すように、苗受け体31に苗Gが載置されているか否か(苗受け体31への苗Gの存否)により、前部及び後部可動ストッパ270,280の姿勢が自動的に変更されるように構成してもよい。以下、その一例について説明する。図28は、この[本発明の実施形態]での前部可動ストッパ270付近の縦断側面図であり、図29は、この[本発明の実施形態]での前部可動ストッパ270付近の平面図である。なお、以下の説明においては、前部可動ストッパ270を例に示すが、後部可動ストッパ280においても同様の構造を採用できる。
図28(a)及び図29に示すように、苗受け体31mの下面側には、ブラケット271が固定されており、このブラケット271の左右向きの軸心周りで揺動支軸272が回動自在に支持されている。
揺動支軸272には、前後に長い帯板状の揺動部材273が固定されている。揺動部材273には、揺動支軸272から前方に延出されたストッパ支持部273aと、揺動支軸272から後方に延出された検出部273bとを備えて構成されている。
揺動部材273におけるストッパ支持部273aの先端部には、縦断面形状がアングル状のストッパ部材274が固定されており、このストッパ部材274の受け止め部274aにより、苗受け体31mに載置された苗Gの前方への脱落を防止できるように構成されている。
揺動部材273の検出部273bには、左右向きの軸心周りで回動自在なローラー275が取り付けられており、このローラー275の上端が、苗受け体31mの苗載置面31Aに形成された開口部31Bから上方に突出するように構成されている。このように、揺動部材273の検出部273bとローラー275とにより、苗受け体31mに載置される苗Gの存否を検出する検出手段が構成されており、この検出手段が前部可動ストッパ270に一体的に連動連結されている。
なお、前部可動ストッパ270とは別に、苗受け体31に載置される苗Gの存否を機械的又は電気的に検出する検出手段(図示せず)を備え、この検出手段と前部可動ストッパ270とを機械的又は電気的に連係する構成を採用してもよい。具体的には、例えば前部可動ストッパ270と検出手段とを連係リンクや連係ワイヤ等(図示せず)により機械的に連係してもよく、例えば検出手段としてのリミットスイッチ等(図示せず)により電気的に苗Gの存否を検出し、電動モータ等(図示せず)により前部可動ストッパ270を電気的に姿勢変更するように構成してもよい。
ブラケット271と揺動部材273とに亘って弾性バネ276が装着されており、この弾性バネ276により、揺動部材273の検出部273bが開口部31Bから上方に突出する側に、揺動部材273が付勢されている。
図28(a)の2点鎖線で示すように、苗受け体31mに苗Gが載置されていない状態では、弾性バネ276の付勢力により、揺動部材273に装着したローラー275が苗受け体31mの開口部31Bから突出し、ストッパ部材274が下方に揺動し、前部可動ストッパ270が非作用姿勢に姿勢変更された状態になる。この場合、揺動部材273の検出部273bが揺動規制部材277に接当し、前部可動ストッパ270の揺動範囲が規制される。
図28(a)の実線で示すように、苗受け体31mに苗Gを載置すると、苗Gの重さにより、弾性バネ276の付勢力に抗して揺動部材273に装着したローラー275が苗受け体31mの開口部31Bから下側に抜け出て、ストッパ部材274が上方に揺動し、前部可動ストッパ270が作用姿勢に姿勢変更された状態になる。
これにより、苗受け体31mに苗Gを載置することで自動的に前部可動ストッパ270を作用姿勢に姿勢変更することができ、前部可動ストッパ270の姿勢変更忘れを簡素な構造で防止することができる。また、例えば予備苗載置部Fを重複状態から展開状態に切り換える場合においては、苗受け体31mに苗Gを載置しないような操作手順とすることで、展開状態への予備苗載置部Fの状態切換に伴って前部可動ストッパ270を非作用姿勢に姿勢変更する複雑な構造を採用しなくてもよくなる。
図28(b)に示すように、予備苗載置部Fの展開状態において、前部可動ストッパ270を装着した苗受け体31mの前側に位置する苗受け体31mの後部下部に、非作用姿勢での前部可動ストッパ270が位置するように、予備苗載置部Fが構成されているので、苗受け体31mの上を苗Gが移動してローラー275が下方に押し下げられても、ストッパ部材274の上端が前側の苗受け体31uの後部下部に接当して、揺動部材273の弾性変形により前部可動ストッパ270の作用姿勢への姿勢変更が阻止されるように構成されている。
なお、図示しないが、前述の[第1参考形態]における前部又は後部可動ストッパ70,80の全部又は一部を、この[本発明の実施形態]での前部又は後部可動ストッパ270,280で構成してもよく、前述の[第4参考形態]における前部及び後部可動ストッパ170,180の全部又は一部を、この[本発明の実施形態]での前部又は後部可動ストッパ270,280で構成してもよい。
また、上記形態と異なる構造で複数の予備苗載せ台20を重複状態と展開状態とに切り換える予備苗載置部においても、この[本発明の実施形態]での前部又は後部可動ストッパ270,280を適用できる。具体的には、例えば重複状態での上段及び下段の予備苗載せ台を、中段の予備苗載せ台の前部及び後部の左右軸心周りで揺動展開する折り畳み式の予備苗載置部(図示せず)や、例えば重複状態での上段及び下段の予備苗載せ台を支持フレームから取り外して、中段の予備苗載せ台の前部及び後部に固定する着脱式の予備苗載置部(図示せず)においても、前部又は後部可動ストッパ270,280を適用できる。
[発明の実施の第1別形態]
前述の[第1参考形態]、[第2参考形態]、[第3参考形態]、[第4参考形態]、及び[本発明の実施形態]においては、左側の予備苗載置部Fを左の操作具46により状態切換可能に構成し、右の予備苗載置部Fを右の操作具46により状態切換可能に構成した例を示したが、左右の予備苗載置部Fを一つの操作具により状態切換可能に構成してもよい。以下、図30に基づいて、その一例を説明する。図30は、この[発明の実施の第1別形態]での乗用型田植機の全体平面図である。
図30に示すように、左側の予備苗載せ台20uにおける第2フレーム部材50の上部と、右側の予備苗載せ台20uにおける第2フレーム部材50の上部とに亘って、丸パイプ状の操作具146が固定されており、この操作具146は、図示しないが、ボンネット14を避けるように、正面視で上向きの凸状に湾曲した形状に形成されている。
操作具146の前側における第2フレーム部材50の上部には、左右のロック機構140が装備されており、このロック機構140により、予備苗載置部Fの重複状態及び展開状態を保持できるように構成されている。
なお、ロック機構140を異なる位置に配設してもよい。具体的には、例えば右側又は左側の一箇所にロック機構140を装備して(上述した左右のロック機構140のいずれか一方を廃止して)、単一のロック機構140により左右の予備苗載置部Fの重複状態及び展開状態を保持するように構成してもよい。
図30の2点鎖線で示すように、予備苗載置部Fの重複状態から、左右のロック機構140をロック解除状態に操作して、操作具146を前方に押し又は引き操作することで、右側及び左側の両方の予備苗載置部Fを展開状態に切り換えることができる。
一方、予備苗載置部Fの展開状態から、左右のロック機構をロック解除状態に操作して、操作具146を後方に押し又は引き操作することで、右側及び左側の両方の予備苗載置部Fを重複状態に切り換えることができる。
これにより、左右の予備苗載置部Fの状態を単一の操作具146により同時に切り換えることができ、簡易迅速に予備苗載置部Fの状態を切り換えることができる。
なお、図示しないが、操作具146の左右中央部に、左右のロック機構140を操作するロック解除レバーを装備し、このロック解除レバーと左右のロック機構140とを連係機構(例えば連係ワイヤ等)により連係して、操作具146を握るのと略同時に、ロック解除レバーを握り操作できるように構成してもよい。これにより、操作具146を握るのと略同時にロック解除レバーの握り操作することで、左右のロック機構140をロック解除状態に操作することができ、簡易迅速に左右の予備苗載置部Fの重複状態及び展開状態を切り換えることができる。この場合、ロック解除レバーの握り操作を止めると、前述の[第1参考形態]におけるロック機構40と同様の構造でロック機構140がバネ付勢されて、左右のロック機構140がロック状態に操作されるように構成してもよい。
また、図示しないが、操作具146を異なる位置に配設する構成を採用してもよく、操作具146を第2フレーム部材50以外の部品に装備する構成を採用してもよく、操作具146を異なる形状や構造で構成してもよい。具体的には、例えばリンク機構60(第1〜第3連係リンク61〜63)に操作具146を装備する構成を採用してもよく、操作具146を中実のロッドや帯板材で構成してもよく、操作具146に樹脂製の握り部(図示せず)を装着する構成を採用してもよい。
[発明の実施の第2別形態]
前述の[第1参考形態]においては、前部支軸64、第1支軸61B、支軸63B、又は第2支軸61Cを介して前部及び後部可動ストッパ70,80をリンク機構60に連動連結し、前述の[第4参考形態]においては、連係ワイヤ176を介して前部及び後部可動ストッパ170,180をリンク機構60に連動連結した例を示したが、前部及び後部可動ストッパ70,170,80,180を連動連結するリンク機構60側の部材として異なる部材を採用してもよく、前部及び後部可動ストッパ70,170,80,180を異なる構成により連係する構成を採用してもよい。具体的には、図示しないが、例えば、連係リンク、連係ワイヤ(プッシュプルワイヤを含む)等により、前部及び後部可動ストッパ70,170,80,180をリンク機構60に連係してもよい。
[発明の実施の第3別形態]
前述の[第1参考形態]、[第2参考形態]、[第3参考形態]、[第4参考形態]、[本発明の実施形態]、[発明の実施の第1別形態]、及び[発明の実施の第2別形態]においては、苗植付け装置6を6条植え付け仕様に構成した例を示したが、異なる植え付け条仕様の苗植付装置(図示せず)を備えた乗用型田植機においても同様に適用できる。
前述の[第1参考形態]、[第2参考形態]、[第3参考形態]、[第4参考形態]、[本発明の実施形態]、[発明の実施の第1別形態]、及び[発明の実施の第2別形態]においては、乗用型田植機の予備苗載置部Fを例に示したが、予備苗載置部を備えた異なる農作業機においても同様に適用できる。具体的には、例えば、複数のポット苗をトレーに入れて予備苗載置部に載置する野菜用の移植機等おいても同様に適用できる。
19 支持フレーム
20 予備苗載せ台
20u 予備苗載せ台
20m 予備苗載せ台
20d 予備苗載せ台
70 前部可動ストッパ(可動ストッパ)
80 後部可動ストッパ(可動ストッパ)
146 操作具
270 前部可動ストッパ(可動ストッパ)
273b 検出部(検出手段)
275 ローラー(検出手段)
280 後部可動ストッパ(可動ストッパ)
G 苗(予備苗)
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