JP2013010658A - 基板分断装置および基板分断方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】単位表示パネルの端子領域が形成されている箇所に対しては、端子出し加工に必要な安定したスクライブ動作を提供し、端子領域の箇所でパネル端面形状が不揃いとなった場合でも、単位表示パネルの端子領域を損傷することなく素早く分離することのできる基板分断装置および基板分断方法を提供する。
【解決手段】上下の刃先の対峙位置を不揃いとさせるシフト機構を上下いずれかのスクライブヘッドに搭載し、端子出し加工に必要な深いスクライブ線と浅いスクライブ線を形成しオフセット形状を形成する。その後、基板の前後の載置テーブルを互いに斜め上方(又は)下方に移動させることで端子領域における損傷を確実に防止する。テーブル1は、Y軸方向に進退可能とされるとともに、Z軸方向に昇降可能とされている。テール101、102のそれぞれは、X軸方向に進退可能とされるとともに、Z軸方向に昇降可能とされている。
【選択図】図4
【解決手段】上下の刃先の対峙位置を不揃いとさせるシフト機構を上下いずれかのスクライブヘッドに搭載し、端子出し加工に必要な深いスクライブ線と浅いスクライブ線を形成しオフセット形状を形成する。その後、基板の前後の載置テーブルを互いに斜め上方(又は)下方に移動させることで端子領域における損傷を確実に防止する。テーブル1は、Y軸方向に進退可能とされるとともに、Z軸方向に昇降可能とされている。テール101、102のそれぞれは、X軸方向に進退可能とされるとともに、Z軸方向に昇降可能とされている。
【選択図】図4
Description
本発明は、複数の単位表示パネルパターンが形成してある同一種又は異種の基板を貼り合わせたマザー基板(貼り合わせ基板、貼り合わせマザー基板ともいう)をスクライブ加工にて分断する基板分断装置及びそれを用いる基板分断方法に関する。
スクライブ加工とは、加工対象となる脆性材料の脆性破壊現象を利用する加工をいう。本明細書の説明で用いる「スクライブ線(ライン)」とは、加工対象となる脆性材料基板に対してスクライブ加工を行い、脆性材料基板の脆性破壊現象を基板表面から内部に発生させた際に、基板表面から内部へ向けて進展して形成される亀裂がスクライブ工具である刃先の移動に伴って刃先の移動跡に、基板の一端から他端に向かって直線又は曲線状に形成される亀裂をいう。
加工対象となる脆性材料基板は、ガラス基板をはじめ、半導体ウェハ、石英、セラミックなどの材料からなり、使用用途の一例として平面表示パネルに利用される基板をいう。また、平面表示パネルの代表例としては有機ELパネル、液晶表示パネルなどがある。
スクライブ加工で形成されたスクライブラインに沿ってブレイクすることでマザー基板を個別のパネルに分けることを「分断」という。なお、スクライブの際に形成される亀裂が基板表面から内部へ深く進展する性能を有する高浸透性刃先を用いてスクライブ加工を行った場合には、ブレイクすることが不要になる程度の深いクラックが形成される場合があるが、この場合には「ブレイクする」ではなく「分離する」と表現する。
以下、平面表示パネルの内から液晶表示パネルを例にして説明する。液晶表示パネル製造用のマザー基板は、複数のカラーフィルタがパターン形成された第一基板(CF側基板ともいう)と、複数のTFT及び端子領域がパターン形成された第二基板(TFT側基板ともいう)とを、液晶を封入するシール材を挟んで貼り合わせてある。このとき、第二基板はTFTや端子領域が形成された基板面が第一基板との接合面となるように貼り合わせてある。長方形の形状をしたマザー基板に縦及び横方向のスクライブ線を形成するスクライブ加工をした後分断し、個々の単位パネルに分割する事で平面表示パネルが製造される。
単位パネルとなる第二基板の端子領域は、内部のTFTと外部機器との間で信号線が接続される領域であることから、分断の最終段階では外部に露出させる必要がある。そのため、マザー基板を単位表示パネルごとに分割する際に、端子領域に対向する第一基板(CF側基板)の部位を端材として除去する必要がある。こうして端子領域を外部に露出させる加工のことをここでは「端子出し」加工と呼び、後程詳細に説明する。
マザー基板を単位表示パネルごとに分割する工程では、例えば刃先を用いた分断方法が利用されている。その場合、マザー基板を構成する2枚の基板(CF側基板とTFT側基板)のそれぞれに対し、分断予定位置(スクライブ予定ライン)に刃先を圧接して各基板にスクライブ線を刻む。次いでスクライブ線に沿って、マザー基板を単位表示パネルごとに完全分断する。この分断方法として、基板の面積が小さい場合には基板毎にスクライブ後反転させて、スクライブ線の反対側から力を加える事でスクライブ線を境として左右の基板に分割していた。そして、分割された1つ1つの単位表示パネルを、搬出ロボットにより後工程に移送していた。
しかしながら、単位表示パネルの表示面積が大きくなるに従って、マザー基板の面積も大きくなってきて、スクライブ後に基板を反転させるのが困難となった。そこで、亀裂が深く形成される刃先を用いてマザー基板の上下二面に対し同時にスクライブ線を形成して、基板を反転させることなく加工する基板加工システム(基板分断システム)や基板加工方法が開発された。それらの技術は、例えば特許文献1や特許文献2で開示されている。これらの文献によれば、上下一対の刃先を用いて、マザー基板を上下方向から二面同時にスクライブする。次いで二面同時に分離して、単位表示パネルごとに分割する。通常の平面表示パネル製造においては、大判のマザー基板に多数のスクライブ線を形成した後に分断し、複数の単位パネルを分割して取出す事が行われる。こうした大判一枚のマザー基板から複数の単位パネルを取出す加工をここでは「多面取り」加工と呼ぶ。その多面取り加工で得られる単位パネル枚数は、分断開始時の長方形状のマザー基板の縦・横の長さや面積と単位パネル基板の縦・横の長さや面積を考慮して決められる。「多面取り」加工において、単位パネルのどの辺に端子領域が形成されているのかによって、また4辺の内の幾つの辺に端子領域が形成されているかによって加工方法が異なってくるが詳細は後述する。
ここで、マザー基板を単位表示パネルごとに分断するときの端子領域の加工について説明する。図12は単位表示パネルの端子領域が形成される部分にスクライブ線を形成した状態を示す図であり、図13は形成したスクライブ線に沿って分断した状態を示す図である。
左側の単位表示パネルU1と右側の単位表示パネルU2との境界には、端子領域を形成するための3本のスクライブ予定ラインが設定されており、これらに沿って3本のスクライブ線を加工する。図12に示すように、第一スクライブ線S1と第二スクライブ線S2とは、第一基板G1と第二基板G2とに対し、それぞれの加工端面が揃うように形成される。第三スクライブ線S3は、第一基板側において、スクライブ線S1から端子幅Lだけ離れた位置に形成される。
そして、3本のスクライブ線S1〜S3に沿ってブレイクすることにより、図13に示すように、2つのカット面Ca,Cbが形成される。
これらのうち、第一スクライブ線S1と第二スクライブ線S2が形成された位置のカット面をジャストカット面Caという。ジャストカット面Caは単位表示パネルU1と単位表示パネルU2とを同一端面を有するように分断する面である。
また、ジャストカット面Caから端子幅Lだけ離れた位置において第一基板G1側だけに形成されるカット面を端子カット面Cbという。端子カット面Cbは端子領域Tの端子面を露出するために分断されるカット面である。そしてジャストカット面Caと端子カット面Cbとの間の第一基板G1に、端材Eが発生する。
実際のスクライブ工程では、端材Eがジャストカット面Caに付着した状態、あるいは端子カット面Cbに付着した状態になる場合が発生する。したがって、端材Eがジャストカット面Caに付着した状態であっても、端子カット面Cbに付着した状態であっても、追加のブレイク処理を行って良品化する必要がある。
しかしながら、端子幅Lは5ミリ前後のパネル仕様である場合もあって短く、スクライブ後に端材Eが端子カット面Cbに付着して取り残された場合、ブレイク処理して端材Eを端子カット面Cbから確実に除去する事は非常に困難となる。
そこで、スクライブ後にスクライブ線を挟んで左右に切り離す際に、 端材Eをジャストカット面Caに付着させた状況で端子カット面Cbから分離させた後、端材Eに力を加えて単位表示パネルU2から除去する分断方法を採用するのが望ましい。そうした加工方法については、特許文献3及び4に開示されている。
この文献3に記載された分断方法によれば、刃先でスクライブ加工する際に、まず、第一基板G1(CF側基板)について加工し、次いで上下反転させて第二基板G2(TFT側基板)について加工を行う。このスクライブ加工の際に、第二スクライブ線S2及び第3スクライブ線S3を加工する刃先の押圧力を強くし、第一スクライブ線S1を加工する際の刃先の押圧力を弱くして行う。このようにしてスクライブ荷重に強弱を与えることにより、スクライブ線の亀裂深さが調整され、図14に示すように端材Eを常にジャストカット面Ca側に付着させた状態でブレイクされるようにすることができる。その結果、単一のブレイク機構により効率よく端材Eを除去できるようになる。この段差を有する形状を本明細書では「オフセット形状」と呼ぶ事にする。
さらに、特許文献3の加工方法を改良した加工方法が特許文献4に開示されている。この特許文献4に開示されている加工方法によれば、特許文献3の加工方法における問題点が議論され、改善策が開示されている。その結果、特許文献3の加工方法による場合よりも確実に安定した端子出し加工が可能となっている。すなわち、端子領域へのスクライブ加工がより安定して実行可能となり、不要な端材Eが確実に除去可能となったとある。そういった端子出し処理を伴う、多面取り加工を自動機にて実行させる場合の問題点をさらに議論する。
図1は、従来の基板分断装置Mを示す斜視図である。基板分断装置Mは、加工すべきマザー基板を保持する保持部材としての水平なテーブル1,2を備えている。このテーブル1,2の上方並びに下方にテーブルを挟むようにしてスクライブ線を形成するための第一及び第二刃先3,3が配置されている。テーブル1,2は図1のX方向(前後方向)に沿って分割された前部のテーブル1と後部のテーブル2とからなり、テーブル1,2の間に、刃先3,3が位置するように配置されている。テーブル1,2は搬送されてきたマザー基板W(図4参照)を吸着して保持する吸着機能を備えている。また、クランプ手段で把持されたマザー基板Wをテーブル上でY方向に移動させる搬送機構(不図示)が設けられている。
刃先3,3は、支持体4,4に上下移動可能に取り付けられ、支持体4,4は、両側の支持柱5,5によってX方向に水平に橋架された上下のガイドバー6,6のガイド7,7に沿って移動可能に取り付けられ、モータ8,8の回転によりX方向に移動する。上下のガイドバー6,6と両側の支持柱5,5は閉じたブリッジ機構を構成している。必要に応じて、ブリッジ機構はY軸方向の前後に移動可能となる機器構成が採用されている。
また、X方向及びY方向に移動することが可能な台座9,9にカメラ10,10がそれぞれ設けられている。台座9,9は支持台9a上でX方向に延設されたガイド11に沿って移動する。カメラ10,10は、手動操作で上下動することができ、撮像の焦点を調整することができる。カメラ10,10で撮影された画像はモニタ12,12に表示される。ブリッジ機構が移動する機構を採用する必要がある場合には、例えば図1の装置において、カメラ10,10が取付けられている取付枠の幅と高さを適切に選択することが必要である。ブリッジ機構がY方向に移動可能な範囲に設定しておき、ブリッジ機構の下部に必要な移動手段を備える移動機構を設けることで移動可能なブリッジ機構を使用することが可能となる。
テーブル1,2上に載置されたマザー基板Wの表面の両隅には、位置を特定するためのアライメントマークが設けられており、カメラ10,10によりアライメントマークを撮像することにより、マザー基板Wの位置を検出する。具体的には、テーブル1,2に載置されたマザー基板W表面のアライメントマークを、カメラ10,10により撮像してアライメントマークの位置を特定する。特定されたアライメントマークの位置に基づいて、マザー基板Wの載置時の位置及び方向ズレ量が画像処理にて検出される。その結果、マザー基板に対するスクライブ時に、位置ズレに対してはスクライブ開始位置が変更され、方向ズレに対してはX軸及びY軸方向のスクライブ動作を組み合わせた直線補間動作によりスクライブ線が形成される。
多面取りの簡単な一例として、ここでは一枚のマザー基板から6枚の単位パネルを分断して取出す場合を取上げて説明する。図16及び図17は、マザー基板から6枚の単位パネルが分割される場合において、スクライブラインが形成される状況を模式的に示す図面である。説明を簡単にするために、図16の場合は、各単位パネルについて、X軸に平行な1辺b1〜b3(搬送方向前側)にのみ端子領域が形成されているとする。また、図17の場合は、各単位パネルについて、X軸に平行な1辺d1〜d3(搬送方向前側)に加えてY軸に平行な1辺c1及びc2の計2辺に端子領域が形成されているとする。
端子領域が形成されている基板部分に対しては、端子出し加工が必要である。特許文献4にて開示されている加工方法を採用する場合には、単位パネルの各辺に対するスクライブ加工として、端子出しを必要とするか否かによって、異なるスクライブ加工を行う必要が出てくる。端子出しを必要としない辺では、通常のスクライブ方法で行われる通り、上下の刃先の対峙位置を一致させて加工する。すなわち、マザー基板をスクライブ加工する際に、各単位パネルに相当する基板の端の領域又は単位パネルに相当し隣接する基板間の領域をジャストカットする手順でスクライブ加工を加える。一方、端子出しを必要とする辺では、端材Eがジャストカット面Caに付着して端子カット面Cbから確実に引離される段差形状『オフセット形状』を形成するために、上下の刃先を端子領域の幅だけずらせた位置で対峙させて上下の基板に対してスクライブ加工する工程が必要となってくる。
こうした加工を特許文献2の装置(本願の図1に該当)で行おうとすると、上下の刃先が一本の同一ブリッジ機構の上下に取り付けられている設計であるので、通常は上下の刃先が対峙する位置は一致する状態で加工が行われる。従って、当該装置を用いた端子出し加工では、特許文献3で開示されている加工方法に基づく方法を採用せざるを得なくなる。特許文献4によると、特許文献3による加工方法では先に加工された箇所の応力ひずみが内在されている問題点があると指摘されている。さらに、別の問題点も存在する。通常は上下刃先にほぼ等しい荷重を同時に加えながら加工する必要があるが、特許文献3の加工方法を特許文献2の分断装置(本願の図1)で実行させようとすると、片側の刃先荷重を少なくした状況でスクライブ加工を実行しなければならなくなる。従って、大きく異なる荷重を上下の刃先に設定することは、加工対象の基板表面に常に余分な荷重が加わったままで加工が行われる結果、加工動作が不安定になり加工品質上問題が発生する頻度が大きくなる。
他方、特許文献4で開示されている加工方法を採用する場合には、スクライブ加工装置としては上下の内の片一方の刃先の取付位置に対峙する位置から、端子領域幅だけずらせてもう一方の刃先をブリッジの移動機構に取り付ける必要がある。しかしながら、単位パネル基板の仕様が変更された場合に、加工対象のマザー基板の端子領域が常に同一幅であるとは限らない。また、端子出しの加工と合わせて同一上下刃先の組合せでジャストカット面加工も必要となった場合には、上下の刃先を同一位置で対峙させる必要があり、図1の分断装置では対応不可となる。何らかの工夫が必要となってくる。一方、特許文献5には加工テーブルに載置されたマザー基板のスクライブ開始位置がずれた場合に、ブリッジに取り付けられた刃先の位置を必要な量だけ移動させる機構を採用した分断装置が開示されている。すなわち、基板が分断装置の加工テーブル上に載置された際に、正規の載置位置からずれて載置されたマザー基板に対してスクライブ加工する場合に、基板の載置位置を変更せずに加工開始位置を変えて当初必要としていた加工位置に、スクライブラインを形成することが可能であることが開示されている。
平面表示パネルの多面取り加工における分断、分離、分割の各工程処理が安定して効率よく実行される分断装置を提供することが重要である。そのためには、最初の分断工程として、まず端子出しに必要なスクライブ加工が安定して確実に実行される事が必要である。その場合の問題点として、上下の刃先が対峙する位置でスクライブ加工がされる場合と対峙位置からいずれかの刃先が端子領域幅の距離だけずれた状態でスクライブ加工が為される機構を搭載した加工装置が必要となる。しかしながら、そうした加工装置によって、たとえ端子出し加工が安定して実行される事になったとしても、端材Eがジャストカット面Ca側に付着した状態は、図14に示すように、端材Eがジャストカット面Caの外側に突き出ることになる。すなわち、分断された単位表示パネルU1,U2の分断面が、段差状にオフセット形状が形成されることになる。したがって、右側の単位表示パネルU2よりも先に、左側の単位表示パネルU1を上方に取り出そうとして、単位表示パネルU1を第一基板G1側に引き離そうと力を加えると、単位表示パネルU1の端子領域が端材Eを接触状態で押圧することになる。このとき端材Eが単位表示パネルU2側のジャストカット面Caにしっかり付着していると、端子領域を損傷するおそれがある。
また、単位表示パネルU1を水平方向に移動させて引き離すブレイク手段(特許文献2参照)では、第一基板に付着した端材Eと単位表示パネルU1の端子領域Tが面接触で水平移動するので、摩擦によりやはり端子領域に損傷が生じることがあり、生産の歩留まりが劣化するといった課題がある。マザー基板の先端や後端の一辺に対する端子出しの場合は、オフセット形状となっていても端材部分の重さがそれ程重くないので取出し手段やロボットのハンドで除去する事が可能である。一方、単位パネルが隣り合って分割される分断位置では、分離させる際にロボットを用いた吸着動作で行うとパネル辺が長くなればなる程、端子領域の密着状況によって必要な引き離し力が毎回異なり、パネルの重さも加わり、安定した吸引引き離し動作は期待し難くなる。
そこで、本発明は、スクライブ加工でオフセット形状を安定して効率よく形成される分断装置とそれを用いる分断方法を提供することを目的とする。また、更に分断されたマザー基板の単位表示パネルU1,U2の分断面がオフセット形状になる場合でも、単位表示パネルの端子領域を損傷することなく素早く分離することのできる分離機構を備えた基板分断装置およびそれを用いる基板分断方法を提供することも目的とする。
本発明の分断装置では、貼り合せ構造であるマザー基板を平面表示パネル用の貼り合せ形状の単位表示パネルにする為に、端子出し処理加工の安定化を目指し、(図1の装置を用いて特許文献4で開示された加工方法を確実に効率よく実行させるため)上下刃先が対峙する位置の変更を可能とするシフト機構が搭載されたスクライブヘッドを用いる。
通常のスクライブ時には、上下の刃先が対峙する位置が揃っているが、端子出しが必要な箇所のスクライブ加工の際には、端子領域の幅だけ対峙位置をずらせる事が可能となることで、オフセット形状が確実に形成されるシフト機構が組込まれたスクライブヘッドを用いる。その後の分離工程では、分断装置に備えられた斜め分離用の移動手段を用いる。すなわち、本発明の第1実施形態の基板分断装置は、マザー基板の上下に配置された第一刃先及び第二刃先と、スクライブ予定ラインによって前後に区分されるマザー基板をそれぞれ個別に保持する一対の保持部材を備え、少なくとも一方の保持部材には、他方の保持部材に対して分離する方向でかつ斜め方向に向かって移動させるための移動手段を備えている。
そして、上記課題を解決するために、本発明の第2実施形態の基板分断装置は、以下の構成を備えている。すなわち、マザー基板の上下に配置されており、左右方向及び前後方向に沿ったスクライブラインを形成する第一刃先及び第二刃先と、一対の保持部材と、を備え、前記一対の保持部材の一方は第1保持要素を、他方は第2および第3保持要素を有しており、前記第1から第3保持要素のぞれぞれは、前記マザー基板を個別に保持し、前記第1保持要素と、前記第2および第3保持要素と、の少なくとも一方は、他方に対して、前記前後方向に離隔し、かつ斜め方向に向かって移動させるための第1移動手段を有しており、前記第2および第3保持要素の少なくとも一方は、他方に対して、左右方向に離隔し、かつ斜め方向に向かって移動させる第2移動手段を備えている。
同一ブリッジに取り付ける上下一対の刃先の対峙位置が可変となるシフト機構を搭載したスクライブヘッドを採用し、端子出し加工においてオフセット形状が確実に安定して形成可能としたことにより、不要な端材を確実に除去可能とする。さらに、本発明の基板分断装置によれば、スクライブラインによって左右に区分されたマザー基板をそれぞれ個別に保持する一対の保持部材の少なくとも一方を、他方の保持部材に対して遠のく方向でかつ第一基板側に向かって斜め方向に移動させる。これにより、端子領域の面に端材(第一基板の端材部分と第二基板の端子領域部分)を接触させることなく瞬時に分離させることができ、摩擦等による端子領域の損傷を確実に防止できるとともに、分断に要する時間を短縮することができるといった効果がある。
上記発明において、保持部材の移動手段が、支持柱に垂直方向に移動可能に取り付けられた垂直移動体を含み、保持部材が垂直移動体の上面で水平方向に移動できるように配置され、保持部材と垂直移動体とを同調して移動させることにより、保持部材を斜め上方に移動させるようにしてもよい。これにより、テーブルを安定した状態で確実に斜め方向に移動させることができる。
また、本発明の分断装置によれば、左右方向および前後方向のいずれのスクライブラインに沿っても分断することができる。これにより、単位表示パネルの端子領域は、左右方向に沿った分断面、および前後方向に沿った分断面のいずれにも配置できる。そのため、マザー基板Wから複数の単位表示パネルを取得する多面取りにおいて、マザー基板W上における各単位表示パネルの配置の自由度を向上させることができる。
以下において本発明の詳細をその実施の形態を示す図面に基づいて詳細に説明する。
<1.第1実施形態>
図2は、本発明に係る図3の基板分断装置M1におけるスクライブヘッド30aを、一部を断面にして示す側面図である。図3は、シフト機構を組込んだスクライブヘッド30aを搭載した、本発明にかかる基板分断装置M1を示す。図1の分断装置と同一相当部分は同一符号を用いて示す。刃先30,30は、スクライブヘッド30a,30aの下のホルダ−に取付けられ回転可能に支持されていると同時に、Y方向に沿って位置調整できるようにシフト機構13を介して取付けられている。シフト機構13は、スクライブヘッド30aの下面に設けられたレール30bを含み、モータ30cの駆動によって刃先30がレール30bに沿ってY方向にスライドして位置調整できるように構成されている。図2のシフト機構が組込まれたスクライブヘッド30a,30aは支持体4,4に取付けられ、上下移動可能に支持されている。支持体4,4は、両側の支持柱5,5によってX方向に水平に橋架された上下のガイドバー6,6のガイド7.7に沿って移動可能に取付けられている。そして支持体4,4はガイドバー6,6に組込まれているリニアモータの駆動によりX方向に移動する。このようにして、支持体4,4、ガイドバー6,6及びリニアモータにより、刃先30,30をX方向に走査する走査機構が構成されている。この結果、支持体4,4が上下のガイド7,7のそれぞれに複数個取付けられている場合であっても、上部ガイド7又は下部ガイド7において互いの支持体4が独立して移動可能となっている。図1のスクライブ装置と異なる点は、少なくとも上下いずれかのスクライブヘッドにシフト機構が搭載されている点である。また、刃先の代わりにバックアップローラの役目を果たし加工対象物を損傷させない材質、例えばゴム、樹脂製のローラを取り付けたスクライブヘッドも使用可能な装置仕様となっている。テーブル1,2には基板をY軸方向の前後に搬送するための搬送手段としてローラが組込まれていて、基板の搬送時には基板の下面を複数のローラで支えながら搬送可能となるテーブル機構となっている。また、同時に基板の搬送が終わりスクライブ加工が行われる間は各テーブルに設けられている吸着手段により加工対象の基板が載置テーブル上の所定加工位置で吸着されて固定される。
図2は、本発明に係る図3の基板分断装置M1におけるスクライブヘッド30aを、一部を断面にして示す側面図である。図3は、シフト機構を組込んだスクライブヘッド30aを搭載した、本発明にかかる基板分断装置M1を示す。図1の分断装置と同一相当部分は同一符号を用いて示す。刃先30,30は、スクライブヘッド30a,30aの下のホルダ−に取付けられ回転可能に支持されていると同時に、Y方向に沿って位置調整できるようにシフト機構13を介して取付けられている。シフト機構13は、スクライブヘッド30aの下面に設けられたレール30bを含み、モータ30cの駆動によって刃先30がレール30bに沿ってY方向にスライドして位置調整できるように構成されている。図2のシフト機構が組込まれたスクライブヘッド30a,30aは支持体4,4に取付けられ、上下移動可能に支持されている。支持体4,4は、両側の支持柱5,5によってX方向に水平に橋架された上下のガイドバー6,6のガイド7.7に沿って移動可能に取付けられている。そして支持体4,4はガイドバー6,6に組込まれているリニアモータの駆動によりX方向に移動する。このようにして、支持体4,4、ガイドバー6,6及びリニアモータにより、刃先30,30をX方向に走査する走査機構が構成されている。この結果、支持体4,4が上下のガイド7,7のそれぞれに複数個取付けられている場合であっても、上部ガイド7又は下部ガイド7において互いの支持体4が独立して移動可能となっている。図1のスクライブ装置と異なる点は、少なくとも上下いずれかのスクライブヘッドにシフト機構が搭載されている点である。また、刃先の代わりにバックアップローラの役目を果たし加工対象物を損傷させない材質、例えばゴム、樹脂製のローラを取り付けたスクライブヘッドも使用可能な装置仕様となっている。テーブル1,2には基板をY軸方向の前後に搬送するための搬送手段としてローラが組込まれていて、基板の搬送時には基板の下面を複数のローラで支えながら搬送可能となるテーブル機構となっている。また、同時に基板の搬送が終わりスクライブ加工が行われる間は各テーブルに設けられている吸着手段により加工対象の基板が載置テーブル上の所定加工位置で吸着されて固定される。
スクライブ開始時には、上下のスクライブヘッド30aに取付けられた刃先30は加工開始位置まで移動する。その後、上部のヘッド30aは上側基板の表面まで下降し、一方の下部のヘッド30aは下側基板の表面まで上昇する。上下のスクライブヘッド30aにはそれぞれサーボモータが組込まれていて、それらの回転力を刃先30のスクライブ荷重へ変換する機構により刃先30に必要な荷重が加えられる。上下の刃先30へ必要なスクライブ荷重が加えられ、上下のサーボモータが必要に応じて位置制御又はトルク制御で制御され、その結果上下の刃先30がそれぞれ基板表面に対するスクライブ加工が進行する間、刃先30に加えられる荷重が上下でバランスが取られて加工が行われる。スクライブヘッド30aはガイド7に移動可能に取付けられている。一方、ガイド7にはリニアモータの固定子の役目を果たす永久磁石(又は電磁コイル)40が組込まれている。他方、支持体4にはリニアモータの可動子の役割を果たす電磁コイル(又は永久磁石)が組込まれている。リニアモータの駆動方式として交流方式と直流方式があり、更に直流方式を採用した場合にも、電磁コイルへの給電制御により各種方式がある。直流駆動の場合として、例えば固定子としての永久磁石40がそのN極とS極が交互に並ぶ構成で組込まれ、可動子としての複数の電磁コイルが必要な励磁モードとなる様に電磁コイルに印加される電流が切換わる制御(転流)が行われる。その結果、必要な移動速度に対応する速さで転流させることにより、スクライブヘッド30aがリニアモータ駆動によりガイド7の一端から他端へ移動する。スクライブヘッド30aはリニア駆動にて移動し、ガイドバー6のガイド7内に又は支持体4の内部に組込まれたセンサーにて停止時と移動時の現在位置が検知されている。検知された位置情報が駆動パラメータのひとつとなって加減速を伴うリニアモータ駆動に役立てられる。また、スクライブヘッド30aの先端に取付けられる刃先30の代わりにローラが取付けられたヘッドを用いる場合は、複数台のスクライブヘッド30aが使用されることになる。その場合は、スクライブヘッド30aが一台ずつ順番に基板の一端から他端へ移動し、互いのスクライブヘッド30aは独立した駆動パラメータにて、相互に干渉することなく移動が可能な制御がなされる。なお、リニアモータを用いない場合には、各スクライブヘッド30aが独立して独自に移動可能となる駆動手段となる回転モータをその中に組込み、位置を検知するセンサーにて走行中の位置情報を入手しながら必要な走行パラメータにて移動する機器構成を採用してもよい。
図3の分断装置には、図2に示すシフト機構が少なくとも上下の何れかのスクライブヘッドに搭載されている。その結果、上下の刃先の内、シフト機構が組込まれているスクライブヘッドに取り付けられている刃先は、ブリッジに取り付けられている位置付近の所定範囲内で基板搬送方向の前後に、必要なシフト移動の範囲内で基板への接触位置を変更させる事が可能なスクライブ加工手段となっている。次に、図3の分断装置を用いた端子出し加工を説明する。マザー基板の送り側の端の一部が把持されて、加工テーブルに設けられた搬送手段(ローラー)の上にあるマザー基板が必要な速度で押し出されてくる。装置構成としては、ブリッジが固定の場合と移動可能な場合とが考えられるが、加工対象物の位置ずれの修正の必要性から移動可能な方が都合がいい。しかし、マザー基板が大判になればブリッジの長さが長くなり相当な重量物となるので、ブリッジの左右の支持物を安定して移動させるのが大掛かりな制御となる。その結果、装置機構として機械強度を含め十分余裕を持たせた機械設計が要求される。ブリッジ機構が移動する機構を採用する必要がある場合には、例えば図3の装置において、カメラ10,10が取付けられている取付枠の幅と高さを適切に選択することが必要である。ブリッジ機構がY方向に移動可能な範囲に設定しておき、ブリッジ機構の下部に必要な移動手段を備える移動機構を設けることで移動可能なブリッジ機構を使用することが可能となる。
図4は、本発明の第1実施形態の基板分断装置のスクライブ機構及びテーブル移動手段の一部を示す模式図である。第1基板G1(CF側)が第2基板(TFT基板側)の上に位置する貼り合わせマザー基板Wが、載置テーブル1及び2の上に搬送された後載置され、吸着固定されている状況を模式的に示す。このとき、マザー基板のスクライブ加工位置において上下の刃先30、30が端子領域の幅だけ対峙位置をずらせて位置している。図4に示すように、上記のテーブル1,2のうち、少なくとも一方のテーブル(本実施例では前部のテーブル1)は、移動手段17により他方のテーブル2から離れる方向でかつ斜め上方若しくは斜め下方に向かって移動できるように構成されている。図4に示した実施例では、移動手段17は、支持柱14に垂直方向に移動可能に取り付けられた垂直移動体15を含み、テーブル1が垂直移動体15の上面でレール16に沿って水平方向(Y方向)に移動できるように配置されており、テーブル1と垂直移動体15とを同調して電動的に移動させることにより、テーブル1を他方のテーブル2から遠のく方向で斜め上方若しくは斜め下方に移動可能に構成されている。
マザー基板Wを分断するに際し、図4に示すようにマザー基板Wの第一基板(CF側基板)を第二基板の上側に配置した状態でマザー基板Wを所定位置(スクライブ予定ラインが刃先30の延長上にくる位置)でテーブル1,2に載置して吸着保持させる。次いで上下のスクライブヘッド30aのいずれかに搭載されたシフト機構を用いて、上下の刃先が対峙する位置を端子領域の幅だけずらせた状況で、上下方向から刃先30,30をスクライブ予定ラインに沿ってマザー基板Wに押しつけてスクライブ加工を行う。
このとき、分断された単位表示パネルU1,U2の分断面が図11で示すようにオフセット形状となるようにスクライブする。すなわち、図5及びその拡大図である図9に示すように、刃先30,30を端子幅Lだけ横方向に離れさせた状態で、第一基板G1と第二基板G2に強い押圧力で押しつけてスクライブし、第二スクライブ線S2及び第三スクライブ線S3を加工する。次いで図6及びその拡大図である図10に示すように、第二スクライブ線S2と相対する位置で第一基板G1に、スクライブ線S2及びS3を形成した場合の荷重力よりも弱い力を加えて第一スクライブ線S1を形成する。なお、このとき、第一スクライブ線S1と相対する第二基板G2の対応位置付近に、刃先30の代わりに溝付きローラホイール50を当てるようにすることにより、第一スクライブ線S1を加工するときの下方向の力に対する抗力を与えるようにしておくことが望ましい。その場合は、図3における下方側の支持体4には刃先30の代わりに、ローラホイール50を同様の昇降機構と共に組込んだ擬似スクライブヘッドを並行に配置しておき、第一スクライブ線S1を加工するときに作動させればよい。
この後、図4に示した分離機構を用いてスクライブ線を挟んだ前後にマザー基板を分離させる。すなわち、図7及びその拡大図である図11に示すように移動手段17により、前部のテーブル1を後部のテーブル2から遠のく方向で斜め上方に移動させてマザー基板Wを相互に分離し、単位表示パネルU1,U2を加工する。端材Eが付着した単位表示パネルU2は、次工程で端材Eが第一スクライブ線S1の箇所から切除される。
これにより、端子領域の面を接触させることなく瞬時に分離させることができ、摩擦等による端子領域Tの損傷を確実に防止できるとともに、分断に要する時間を短縮することができる。すなわち、分断時にオフセット形状で上下に重なる部分(単位表示パネルU2の端材部分Eと単位表示パネルU1の端子領域部分T)の接触が無くなって、端子領域Tを損傷させることなく分離することができる。
上記実施例では、マザー基板Wを分断するに際し、マザー基板Wの第一基板(CF側基板)を第二基板の上側に配置した状態でマザー基板Wをテーブル1,2に吸着保持させて分断する例を示したが、逆にマザー基板Wの第一基板(CF側基板)を第二基板の下側に配置した状態でマザー基板Wをテーブルに吸着保持させて同様にスクライブした後、図8に示すように、テーブル1を矢印で示す斜め下方に移動させて分断するようにしてもよい。以上のシフト機構及び分離機構を用いた場合のマザー基板の多面取り加工に付いて更に詳細に説明する。多面取りの加工方法の例として、短冊加工及びクロス切り(複数の直交するスクライブ線を形成して分断する手法)における端子出し加工を説明する。
議論が簡単になるように、マザー基板から図16及び図17の形状の単位パネルを分割する場合を取り上げる。図3のスクライブ装置を用いる「短冊切り」による多面取りにつき説明する。図16及び図17は、マザー基板から6枚の単位パネルを得る場合のスクライブ状況を示す模式図面である。まず、端子領域の有無により必要とされるスクライブ加工として、X軸方向の一方向に沿って必要なスクライブラインを形成する。その後、スクライブ後の分断箇所で端子出しが必要ではない場合にはジャストカット処理、すなわち分断箇所の左右で基板を前後に引き離して分離させる。一方、端子領域が形成されている箇所で端子出しが必要な場合には、スクライブ後の分断箇所で斜め方向への分離動作をさせる。
以上の加工処理にて、大判のマザー基板から中間寸法の短冊状の基板を1枚得ることになる。次に載置テーブル1及び2の吸着を外し、残ったマザー基板を次のスクライブ位置が所定加工位置に来る迄搬送させる。その後、再度吸着させてから必要なスクライブ加工と分離動作を実行させる。同様の加工処理を残りのマザー基板に行い、中間寸法の短冊状の基板を合計3枚取出す事ができる。その後、取出した基板の向きを約90度回転させた向きにして再び同一スクライブ装置に搬入するか、あるいは別の、ブリッジの幅寸法の狭いスクライブ装置を用いて、順番に必要な回数分だけ(今の場合は1回)分断処理をする。各短冊状の基板から単位パネルを2枚ずつ取り出す事になり、結果として1枚の大判のマザー基板から総計6枚の単位パネルを取出すことになる。別の多面取り加工については図15を用いて後述する。
<2.第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について図15を用いて説明する。この第2実施形態における基板分断装置は、本発明の第1実施形態と比較して、テーブル移動手段の構成が異なる点を除いては、本発明の第1実施形態と同様である。そこで、以下では、この相違点を中心に説明する。
次に、本発明の第2実施形態について図15を用いて説明する。この第2実施形態における基板分断装置は、本発明の第1実施形態と比較して、テーブル移動手段の構成が異なる点を除いては、本発明の第1実施形態と同様である。そこで、以下では、この相違点を中心に説明する。
なお、以下の説明において、本発明の第1実施形態の基板分断装置における構成要素と同様な構成要素については同一符号を付している。これら同一符号の構成要素は、本発明の第1実施形態で説明済みであるため、本実施形態では説明を省略する。
図15は、本発明の第2実施形態における分断装置及びテーブル移動手段の一部を示す平面図である。テーブル移動手段は、主として、テーブル1、テーブル101及びテーブル102を備えている。
テーブル1は、Y軸プラスまたはマイナス方向(水平第1方向)に進退可能とされるとともに、Z軸プラスまたはマイナス方向(上下方向)に昇降可能とされている。図15に示すように、テーブル1に関連して、移動手段17、支持柱14、垂直移動体15及びレール16が備えられている。
レール16は、テーブル1をY軸プラスまたはマイナス方向に案内する案内部である。図15に示すように、テーブル1およびレール16は、垂直移動体15上に設けられている。したがって、移動手段17から駆動力が付与されると、テーブル1は、レール16に沿って進退する。
垂直移動体15は、移動手段17から駆動力が付与されると、一対の支持柱14に沿って上下方向に移動する。これにより、垂直移動体15上に設けられたテーブル1は、垂直移動体15の移動にともなって昇降する。
テーブル101、102のそれぞれは、X軸プラスまたはマイナス方向(水平第2方向)に進退可能とされるとともに、Z軸プラスまたはマイナス方向に昇降可能とされている。図15に示すように、テーブル101、102に関連して、移動手段117、支持柱114、垂直移動体115及びレール116が備えられている。
レール116は、テーブル101、102をX軸プラスまたはマイナス方向に案内する案内部である。図15に示すように、テーブル101、102、およびレール116は、それぞれ左右の垂直移動体115上に設けられている。したがって、移動手段117から駆動力が付与されると、テーブル101、102は、レール116に沿って進退する。
垂直移動体115は、移動手段117から駆動力が付与されると、一対の支持柱114に沿って上下方向に移動する。これにより、垂直移動体115上に設けられたテーブル101、102は、垂直移動体115の移動にともなって昇降する。
各刃先30は、加工対象となるマザー基板Wの上下に配置されており、ガイドバー6に沿ってX軸プラスまたはマイナス方向に移動する。また、刃先30は、回転自在に設けられている。さらに、刃先30の稜線(図示省略)が、X軸と略平行となるように、刃先30は基板分断装置M1内に設置されている。したがって、刃先30がガイドバー6に沿って移動させられると、マザー基板Wに対してX軸(左右方向)に沿ったスクライブラインが形成される。
ここで、刃先30が取り付けられているホルダーがスクライブヘッドの下部でホルダー取付軸の周りに自由に回転可能にされている機器構成が採用されていて、スクライブ時にスクライブヘッドの進行方向に速やかに刃先の稜線方向が倣うように設計されている場合、すなわちX方向の正逆の何れの向きの加工にも使用可能であることに加えて、Y方向の正逆の何れの向きの加工にも同一刃先にて対応可能である機器構成が採用されているとする。すなわち、マザー基板Wに対して、刃先30はY軸方向(前後方向)に沿ったスクライブラインも形成可能である。
ここで、マザー基板W上に互いに交わる(例えば、左右(X軸)方向および前後(Y軸)方向に延びる)複数のスクライブラインが形成されている場合、テーブル1と、テーブル101、102と、のいずれか一方が他方に対して、前後方向に離隔し、かつ斜め方向に向かって移動すると、左右及び前後方向に沿ったスクライブラインの位置で分離される。
一方、テーブル101、102のいずれか一方が他方に対して、左右方向に離隔し、かつ斜め方向に向かって移動すると、前後方向に沿ったスクライブラインが分断される。図15の機構を備えた図3の分断装置を用いて多面取りする場合の例を図17を用いて説明する。図3の分断装置を用いた分断加工(短冊切り)の場合は、同一装置又は別置きの同種装置による複数回の分断処理が必要である。一方、別の分断方法が可能であるので、その分断方法を用いる多面取りの場合を図17を用いて説明する。この場合、分断処理後の単位パネルに対してその2辺に端子出し処理が必要であるとする。
基板の端を把持するクランプ手段(不図示)を用いて、スクライブ後もマザー基板が分離しないように配慮し、好ましくは必要最小限の複数箇所で基板を把持しながらY軸方向に基板を搬送させる。この搬送動作に合わせて、上下一対の刃先30を用いてY軸に平行なスクライブラインをマザー基板の両面に複数本形成する。すなわち、上下の刃先30を互いに端子領域幅だけずらせて対峙させて基板を移動させる動作の後、基板はY軸方向の加工開始位置へ戻される。その後引き続いて、片側のヘッドをローラ付のヘッドに変更して再度基板をY軸搬送方向に移動させて次のスクライブ動作を行う。この結果、基板端の一箇所c1には端子出し処理の前処理が行われる。同様の端子出しの前処理が次のスクライブ箇所c2に行われる。
次に、端の辺c1にある端子領域に対しては、吸引ピックアップ手段(不図示)又はロボット機構(不図示)により引き離しと端材の除去処理が行われる。また、中央のスクライブ箇所c2は、図15に示された分離機構により斜めに引き離される分離動作が行われる。その後、吸引ピックアップ手段(不図示)又はロボット機構(不図示)により引き離しと端材の除去処理が行われる。こうして、Y軸方向に必要な分断動作が終了する。
その後、X軸方向の分断動作が実行されるが、以下のいずれかの加工方法が採用可能である。まず、ひとつの方法として、小幅サイズになった2枚のマザー基板を個別に1枚ずつ同一の分断装置でX軸方向の分断加工をする。あるいは、もうひとつの方法として、上述の分離動作で所定距離離れた状態でテーブル101,102に載置されている2枚の小幅サイズのマザー基板の後端d4をクランプ手段で把持させて基板の搬送動作を繰り返し、X軸方向の分断加工を実行していく事も可能である。両基板の端d1をガイドバー6間の所定加工位置まで搬送し、吸着固定する。
続いて、上下の刃先30を端子領域幅ずらせて対峙させた状態でX軸方向へ移動させて複数のスクライブラインを形成する。続いて、ローラ付きのヘッドを用いて端子出し準備加工を実行する。基板端d1の端子出しの場合は外側の端材部分の幅が小さく重量も重くないので吸引ピックアップ手段又はロボットハンドにて処理可能である。基板端d1の処理が終了すれば、基板の吸着動作を中断し、残りの基板をクランプ手段で再び搬送させて次のX軸方向の分断動作が必要な箇所d2をガイドバー6間の所定位置まで搬送させた後、吸着固定させる。引き続いて同様のスクライブ動作を繰り返して端子出し準備の後、テーブル1を移動させて単位パネル基板を斜めに分離させる。
以上、多面取りに関する分断加工について図17を用いて説明を加えた。マザー基板の寸法がもっと大判になり分割する面数が多くなった場合には、分割する面数や端子領域が設けられる辺数やその辺がX軸方向の辺かY軸方向の辺なのか、などによって加工時間が早い最適な加工方法を採用するのが望ましい。例えば、X軸方向の分割数が図16や図17の場合で2面であったのが、4面とか6面とかになった場合を想定する。面数が増えた場合には、増えた面に対してスクライブ箇所が増えるので、その増えたスクライブ箇所へのスクライブ動作を可能とさせるために、その増えた後の面の数に相当する数の小分割テーブルを互いにスクライブ動作に必要なスペースだけ必要な所定距離だけ離した状態で設けて対応する。また、端子出しが必要な辺数が3辺以上になった場合にも、更に追加の配慮をする事で自動化への対応は可能である。ここでは更なる説明を省略するが、上記した基本的な各種動作を組み合わせる事で、図4及び図15の分離機構を備えた図3のスクライブ装置を用いて特許文献4に説明がある分断加工の手順に沿った加工動作を自動的に実行させる事が可能である。
このように、本実施形態の基板分断装置によれば、左右方向および前後方向のいずれのスクライブ予定ラインをも分断することができる。これにより、単位表示パネルの端子領域は、左右方向に沿った分断面、および前後方向に沿った分断面のいずれにも配置できる。そのため、マザー基板Wから複数の単位表示パネルを取得する多面取りにおいて、マザー基板W上における各単位表示パネルの配置の自由度を向上させることができる。
<3.変形例>
以上、本発明の代表的な実施例について説明したが、本発明は必ずしも上記の本発明の第1実施形態および第2実施形態に特定されるものではない。例えば上記実施例では、前部テーブルのみ移動手段を介して斜め方向に移動できるようにしたが、前後いずれのテーブルも斜めに移動できるように形成することも可能である。また前記移動手段は、テーブルを安定して斜めに移動させることのできる機構であればどのような構造のものでもよい。例えばテーブルを、リンク機構を介して斜め方向に移動させることも可能である。その他本発明では、その目的を達成し、請求の範囲を逸脱しない範囲内で適宜修正、変更することが可能である。
以上、本発明の代表的な実施例について説明したが、本発明は必ずしも上記の本発明の第1実施形態および第2実施形態に特定されるものではない。例えば上記実施例では、前部テーブルのみ移動手段を介して斜め方向に移動できるようにしたが、前後いずれのテーブルも斜めに移動できるように形成することも可能である。また前記移動手段は、テーブルを安定して斜めに移動させることのできる機構であればどのような構造のものでもよい。例えばテーブルを、リンク機構を介して斜め方向に移動させることも可能である。その他本発明では、その目的を達成し、請求の範囲を逸脱しない範囲内で適宜修正、変更することが可能である。
また、上記本発明の第1実施形態および第2実施形態ではテーブルをX又はY方向に移動させたが、テーブルをXY方向に分割されるようにすれば、Y方向とともにX方向にも移動させて、二次元的に斜め移動させることもできる。
また、上記第1及び第2実施形態において、テーブル1、テーブル101、テーブル102のいずれも上下方向に移動するものとして説明したが、これに限定されるものでない。テーブル1と、テーブル101、102と、のいずれかが昇降可能とされていれば十分である。
さらに、上記本発明の第1実施形態および第2実施形態において、加工対象は、貼り合わせ基板であるものとして説明したが、これに限定されるものでない。例えば、貼り合せ基板の一部に単板の脆性材料基板が加工対象とされていても良い。
本発明は、平面表示体として用いられる各種パネル、例えば有機ELパネルや液晶パネルの製造用のマザー基板をスクライブして単位表示パネルに分割する基板分断装置に利用することができる。
W 基板
G1 第一基板
G2 第二基板
1 前部テーブル(保持部材)
2 後部テーブル(保持部材)
101、102 テーブル
30 第一、第二刃先
14、114 支持柱
15、115 垂直移動体
16,116 レール
17、117 移動手段
G1 第一基板
G2 第二基板
1 前部テーブル(保持部材)
2 後部テーブル(保持部材)
101、102 テーブル
30 第一、第二刃先
14、114 支持柱
15、115 垂直移動体
16,116 レール
17、117 移動手段
Claims (15)
- 表面パターンの一部に端子領域を備える第1基板の前記端子領域を内側にして、第2基板と貼り合わせたマザー基板を、上下の両面から同時にそれぞれスクライブ加工する第1加工手段及び第2加工手段と、
前記第1加工手段及び前記第2加工手段をそれぞれ備える第1走行保持機構及び第2走行保持機構と、
第1方向に橋架され、前記第1走行保持機構及び前記第2走行保持機構を前記第1方向にスクライブ走行させる際のそれぞれの案内手段となる上下一対のガイド溝を備えるブリッジと、
前記第2加工手段が前記第1方向にスクライブ走行可能な幅以上に離隔して、前記ブリッジの前側と後側にそれぞれ配置され、前記第1方向に略直交する第2方向から搬送される前記マザー基板が、載置された後吸着保持される第1載置保持手段及び第2載置保持手段と、を具備する基板分断装置において、
前記第1走行保持機構及び前記第2走行保持機構の内の少なくとも1台の特定走行保持機構が、そのスクライブ走行位置において前記特定走行保持機構に取付けられている前記第1加工手段又は前記第2加工手段のいずれかの特定加工手段の加工位置を第1所定距離だけ前記第2方向に変更可能とするべく前記特定加工手段を移動させるシフト機構を備えているとともに、
前記シフト機構は、
(a)前記第1加工手段及び前記第2加工手段が、前記マザー基板を挟んで上下で対峙する対峙位置の水平距離が、前記第2方向において前記第1所定距離以内の第2所定距離だけ離間して対峙した状態で、前記第1方向に前記マザー基板の一端から他端へスクライブ走行し、前記マザー基板の両面を同時に加工する間、前記特定加工手段を離間させておく手段であり、かつ、
(b)前記スクライブ加工後に前記マザー基板のスクライブ加工された箇所に前記第2所定距離に相当する幅の段差を、前記第1基板及び前記第2基板に形成する手段であること、を特徴とする基板分断装置。 - 前記第1載置保持手段及び前記第2載置保持手段の少なくとも一方には、他方の載置保持手段に対して斜め方向に離隔させる移動手段が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の基板分断装置。
- 表面パターンの一部に端子領域を備える第1基板の前記端子領域を内側にして、第2基板と貼り合わせたマザー基板を、上下の両面から同時にそれぞれをスクライブ加工する第1加工手段及び第2加工手段と、
前記第1加工手段及び前記第2加工手段をそれぞれ備える第1走行保持機構及び第2走行保持機構と、
第1方向に橋架され、前記第1走行保持機構及び前記第2走行保持機構を前記第1方向にスクライブ走行させる際のそれぞれの案内手段となる上下一対のガイド溝を備えるブリッジと、
前記第1方向に略直交する第2方向から搬送される前記マザー基板を載置した後吸着保持するための載置保持手段で、前記第2加工手段が前記第1方向にスクライブ可能な第1所定幅以上に離隔して、前記ブリッジの前側に配置される第1載置保持手段と、前記ブリッジの後側に配置される第2載置保持手段と、を具備する基板分断装置において、
前記第2載置保持手段が、第2所定幅だけ離隔して前記ブリッジの後側の前記第2方向の左側と右側にそれぞれ分かれて配置され、前記第2方向から搬送される前記マザー基板が載置された後吸着保持される、第1載置保持要素及び第2載置保持要素からなり、
前記マザー基板を挟んで上下で対峙する前記第1加工手段及び前記第2加工手段が、その対峙位置の水平距離が、前記第1方向において第3所定幅だけ離間した状態で、前記第2方向に搬送される前記マザー基板の両面を上下同時にスクライブ加工する手段であるとともに、前記スクライブ加工後に前記マザー基板のスクライブ加工された箇所に前記第3所定幅の段差を、前記第1基板及び前記第2基板に形成する手段であり、かつ、
前記第1載置保持要素と前記第2載置保持要素は、前記第1加工手段及び前記第2加工手段により前記第2方向に形成された段差形状を有するスクライブ箇所を挟んで前記第1載置保持要素と前記第2載置保持要素の内のいずれか一方を他方に対して斜め方向へ離隔させる手段を備えること、を特徴とする基板分断装置。 - 表面パターンの一部に端子領域を備える第1基板の前記端子領域を内側にして、第2基板と貼り合わせたマザー基板を、上下の両面から同時にそれぞれスクライブ加工する第1加工手段及び第2加工手段と、
前記第1加工手段及び前記第2加工手段をそれぞれ備える第1走行保持機構及び第2走行保持機構と、
第1方向に橋架され、前記第1走行保持機構及び前記第2走行保持機構を前記第1方向にスクライブ走行させる際のそれぞれの案内手段となる上下一対のガイド溝を備えるブリッジと、
前記第1方向に略直行する第2方向から搬送される前記マザー基板を載置した後吸着保持するための載置保持手段で、前記第2加工手段が前記第1方向にスクライブ可能な第1所定幅以上に離隔して、前記ブリッジの前側に配置される第1載置保持手段及び後側に配置される第2載置保持手段と、
第2所定幅だけ離隔して前記ブリッジの後側で前記第2方向の左側と右側に前記第2載置保持手段が分けられてそれぞれ配置され、前記第2方向から搬送される前記マザー基板が載置された後吸着保持される、第1載置保持要素及び第2載置保持要素と、を具備する基板分断装置において、
前記第1走行保持機構及び前記第2走行保持機構の内の少なくとも1台の特定走行保持機構が、そのスクライブ走行位置において前記特定走行保持機構に取付けられている、前記第1加工手段及び前記第2加工手段の何れかの特定加工手段の加工位置を前記第2方向へ第3所定幅だけ変更可能とするべく前記特定加工手段を移動させるシフト機構を備えており、
前記シフト機構は、前記第1加工手段及び前記第2加工手段が、前記マザー基板を挟んで上下で対峙する対峙位置の水平距離が、前記第2方向において前記第3所定幅以内の第4所定幅だけ離間して対峙した状態で、前記第1方向へ向けて前記マザー基板の一端から他端へスクライブ走行し前記マザー基板の両面を同時に加工する間、前記特定加工手段を移動させておく手段であって、
前記第1加工手段、前記第2加工手段及び前記シフト機構は、前記第1方向のスクライブ加工後に前記マザー基板のスクライブ加工された箇所に前記第4所定幅に相当する幅の段差を前記第1基板及び前記第2基板に形成する手段であり、
段差形状を有する基板の辺が前記第1方向に延在している場合には、前記第1載置保持手段が前記第2載置保持手段との間で、互いに斜め方向に離間する第1分離手段であるとともに、
段差形状を有する基板の辺が前記第2方向に延在している場合には、前記第1載置保持要素が前記第2載置保持要素との間で、互いに斜め方向に離間する第2分離手段であること、を特徴とする基板分断装置。 - 第1方向に橋架され上下一対のガイド溝を備えるブリッジの間に向けて、第1基板と第2基板とを貼り合わせたマザー基板をそのスクライブ予定箇所まで、前記第1の方向に略直交する第2方向から搬送し、前記ブリッジの所定位置にて載置し固定させる工程と、
前記マザー基板を上下の両面から同時にスクライブ加工する第1加工手段及び第2加工手段をそれぞれ備える第1走行保持機構及び第2走行保持機構を、前記第1方向にそれぞれスクライブ走行させる際の案内手段となる前記ガイド溝に沿って走行させてスクライブする工程と、
前記第2加工手段がマザー基板の下側を前記第1方向へスクライブ可能とすべく、所定幅以上に互いに離されて、前記ブリッジの前記所定位置の前後で、前側に配置された第1載置保持手段及び後側に配置された第2載置保持手段に前記マザー基板を載置し、その後吸着する工程と、を具備する基板分断方法において、
前記スクライブ工程は、前記第1走行保持機構及び前記第2走行保持機構の少なくとも1つが備えるシフト機構により、前記第1加工手段及び前記第2加工手段とが対峙する位置の前記第2方向における水平距離を所定距離だけ離した状態にし、前記スクライブ工程の間その距離を保持したまま、前記マザー基板の両面を同時にその一端から他端へ向けて前記第1方向へスクライブ加工し、そのスクライブ箇所に段差形状を形成する工程を備えることを特徴とする基板分断方法。 - 前記ブリッジを挟んでその前後に配置されている前記第1載置保持手段及び前記第2載置保持手段を前後に互いに斜め方向に離隔させて、前記マザー基板の段差形状を有するスクライブ箇所で前後に分離する工程を備えることを特徴とする請求項5に記載の基板分断方法。
- 第1方向に橋架され上下一対のガイド溝を備えるブリッジの間に向けて、第1基板と第2基板とを貼り合わせたマザー基板を、前記第1の方向に略直交する第2方向から搬送する工程と、
前記マザー基板を上下の両面からスクライブ加工する第1加工手段及び第2加工手段をそれぞれ備える第1走行保持機構及び第2走行保持機構を用いて、前記マザー基板の搬送時に前記マザー基板を第2方向にスクライブする工程と、
前記第2加工手段が前記第1方向へスクライブ可能とすべく、必要な幅以上に互いに離されて、前記ブリッジの前記所定位置の前後で、前側に配置された第1載置保持手段、及び後側に配置され所定間隔を隔てて第1載置保持要素及び第2載置保持要素に分けられて配置された第2載置保持手段に前記マザー基板を載置し、その後吸着する工程と、を具備する基板分断方法において、
前記スクライブ工程は、前記第1加工手段及び前記第2加工手段とが対峙する位置の前記第1方向における水平距離を所定距離だけ離した状態にし、前記スクライブ工程の間その距離を保持したまま、前記マザー基板の両面を同時にその前記第2方向の一端から他端へ向けてスクライブ加工し、そのスクライブ箇所に段差形状を形成する工程であって、
前記第1と前記第2載置保持要素とを互いに斜め方向に離隔し前記スクライブ箇所にて分離する工程を具備することを特徴とする基板分断方法。 - 第1方向に橋架され上下一対のガイド溝を備えるブリッジの間に向けて、第1基板及び第2基板を貼り合わせたマザー基板のスクライブ予定箇所を、前記第1方向に略直交する第2方向から前記ブリッジの所定位置まで搬送する工程と、
前記マザー基板を上下の両面からスクライブ加工する第1加工手段及び第2加工手段をそれぞれ備える第1走行保持機構及び第2走行保持機構を、前記第1方向にそれぞれスクライブ走行させる際の案内手段となる前記ガイド溝に沿って走行させてスクライブする第1スクライブ工程と、
前記第2加工手段が前記第1方向へスクライブ可能な所定幅以上に互いに離されて、前記ブリッジの前記所定位置の前後で、前側に配置された第1載置保持手段、及び後側に配置され互いに所定間隔を隔てて第1載置保持要素及び第2載置保持要素に分けられて配置された第2載置保持手段に前記マザー基板を載置し、その後吸着する工程と、を具備する基板加工方法において、
前記第1スクライブ工程は、前記第1走行保持機構及び前記第2走行保持機構の少なくとも一つが備えるシフト機構により、前記第1加工手段及び前記第2加工手段とが対峙する位置の前記第2方向における水平距離を所定距離だけ離した状態にし、前記第1スクライブ工程の間その距離を保持したまま、前記マザー基板の両面を同時にその一端から他端へ向けて前記第1方向へスクライブ加工し、スクライブ箇所に段差形状を形成する工程であり、かつ、
前記第1走行保持機構及び前記第2走行保持機構を前記ガイド溝に沿って移動させて、前記第1加工手段及び前記第2加工手段とが対峙する位置の前記第1方向の水平距離を所定距離に調整保持したまま、前記マザー基板を搬送するか前記ブリッジを移動するかして前記マザー基板の両面を同時にその一端から他端へ向けて、第2方向へスクライブ加工し、スクライブ箇所に段差形状を形成する第2スクライブ工程を備えること、を特徴とする基板分断方法。 - 前記第1スクライブ工程の後に、前記第1載置保持手段と前記第2載置保持手段とを互いに斜め方向に離隔し、前記第1方向のスクライブ箇所の段差形状部分にて分離する第1分離工程と、
前記第2スクライブ工程の後に、前記第1載置保持要素と前記第2載置保持要素とを互いに斜め方向に離隔し前記第2方向のスクライブ箇所の段差形状部分にて分離する第2分離工程と、を備えることを特徴とする請求項8に記載の基板分断方法。 - 表面パターンの一部に端子領域を備える第1基板の前記端子領域を内側にして、第2基板と貼り合わせたマザー基板を上下の両面からそれぞれスクライブ加工する第1加工手段及び第2加工手段と、
前記第1加工手段及び前記第2加工手段をそれぞれ備える第1走行保持機構及び第2走行保持機構と、
第1方向に橋架され、前記第1走行保持機構及び前記第2走行保持機構を前記第1方向にスクライブ走行させる際のそれぞれの案内手段となる上下一対のガイド溝を備えるブリッジと、
前記第2加工手段が前記第1方向に走行可能とすべく、必要な幅だけ離隔して前記ブリッジの前側と後側にそれぞれ配置され、前記第1方向に略直交する第2方向から搬送される前記マザー基板が載置された後吸着保持される、第1載置保持手段及び第2載置保持手段と、を具備する基板分断装置において、
前記第1載置保持手段及び前記第2載置保持手段の少なくとも一方には、他方の載置保持手段に対して斜め方向に離隔させる移動手段が備えられていることを特徴とする基板分断装置。 - 前記第1及び第2走行保持機構の内の少なくとも1台の特定走行保持機構が、そのスクライブ走行位置において、前記第1加工手段及び前記第2加工手段のいずれかの特定加工手段の加工位置を所定距離だけ前記第2方向に変更可能とするべく前記特定加工手段を移動させるシフト機構を備えており、
前記シフト機構は、
(a)前記第1加工手段及び第2加工手段が、前記マザー基板を挟んで上下で対峙する対峙位置の水平距離が、前記第2方向において前記所定距離だけ離間して対峙した状態で前記第1方向へ前記マザー基板の一端から他端へスクライブ走行し、前記マザー基板の両面を同時に加工する間、前記特定加工手段を移動させておく手段であり、かつ、
(b)前記スクライブ加工後に前記マザー基板のスクライブ加工された箇所に前記所定距離に相当する幅の段差を、前記第1基板及び前記第2基板に形成する手段であること、
を特徴とする請求項10に記載の基板分断装置。 - 前記第2載置保持手段が、前記第2方向へ前記第2加工手段がスクライブ可能な幅以上に離隔して分かれ、前記ブリッジの後側の左側と右側にそれぞれ配置され、前記第2方向から搬送される前記マザー基板が載置された後吸着保持される、第1載置保持要素及び第2載置保持要素に分かれており、
前記マザー基板を挟んで上下で対峙する前記第1加工手段及び前記第2加工手段が、その対峙位置の水平距離が、前記第1方向において所定幅だけ離間した状態で、前記マザー基板の両面を上下同時に前記第2方向へスクライブ加工する手段であるとともに、前記スクライブ加工後に前記マザー基板のスクライブ加工された箇所に前記所定幅の段差を、前記第1基板及び前記第2基板に形成する手段であり、
前記第1載置保持要素と前記第2載置保持要素が、前記第1加工手段及び前記第2加工手段により前記第2方向に形成された段差形状を有するスクライブ箇所を挟んで前記第1載置保持要素と前記第2載置保持要素の内のいずれか一方を他方に対して斜め方向へ離隔させる手段を備えることを特徴とする請求項10又は11に記載の基板分断装置。 - 第1方向に橋架されたブリッジの上下一対のガイドの間に向けて、第1基板と第2基板とを貼り合わせたマザー基板のスクライブ予定箇所を前記ブリッジの所定位置まで、前記第1の方向に略直交する第2方向から搬送する工程と、
第1加工手段及び第2加工手段をそれぞれ備える第1走行保持機構及び第2走行保持機構を、前記第1方向にそれぞれスクライブ走行させる際の案内手段となる前記ガイドに沿って走行させてスクライブする工程と、
前記第2加工手段が前記第1方向に走行可能な幅だけ離隔して、前記ブリッジに略平行に前後に、前側に配置された第1載置保持手段及び後側に配置された第2載置保持手段に前記マザー基板を載置し、その後吸着する工程と、を具備する基板分断方法において、
前記第1載置保持手段及び前記第2載置保持手段の内の少なくとも何れかの特定載置保持手段が、他方に対して斜め方向に離隔する移動手段を備えていて、前記マザー基板の段差形状を有するスクライブ箇所で前後に分離する工程を備えることを特徴とする基板分断方法。 - 前記スクライブ工程は、前記第1走行保持機構及び前記第2走行保持機構の内の少なくとも1つの特定走行保持機構が備えるシフト機構により、前記第1加工手段及び前記第2加工手段とが対峙する位置の前記第2方向における水平距離を所定距離だけ離した状態にし、前記スクライブ工程の間その距離を保持したまま、前記マザー基板の両面を同時にその一端から他端へ向けて前記第1方向へスクライブ加工し、そのスクライブ箇所に段差形状を形成する工程を備えるとともに、
その後前記第1載置保持手段及び前記第2載置保持手段にて分離される工程を備えること、を特徴とする請求項13に記載の基板分断方法。 - 前記スクライブ工程は、
前記第1加工手段及び前記第2加工手段とが対峙する位置の前記第1方向における水平距離を所定距離だけ離した状態にし、前記スクライブ工程の間その距離を保持したまま、前記マザー基板の両面を同時にその一端から他端へ向けて前記第2方向へスクライブ加工し、そのスクライブ箇所に段差形状を形成する工程を備えるとともに、
前記第2載置保持手段が所定の幅を隔てて分かれて配置されている第1載置保持要素と第2載置保持要素の内の少なくともひとつの特定載置保持要素が他方に対して互いに斜め方向に離隔する移動手段を備えていて、前記スクライブ箇所にて分離する工程を備えること、を特徴とする請求項13又は14に記載の基板分断方法。
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