JP2013014107A - 基板加工装置および基板加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】端子領域形成用の幅の狭い2本の平行なスクライブラインを短時間で正確に加工することのできる基板加工装置および基板加工方法を提供する。
【解決手段】各スクライブユニットは、カッターホイール230と、スクライブヘッド230aとを有している。また、各スクライブユニットのうち、少なくとも1つは、シフト機構213をさらに有している。カッターホイール230は、複数のスクライブ予定ラインのうち、対応するスクライブ予定ラインに沿って転動する。スクライブヘッド230aは、Y軸と略平行な軸心を中心に、カッターホイール230を回転自在に保持する要素である。シフト機構213は、X軸方向と略平行な方向にカッターホイール230を移動させる。これにより、隣接するスクライブユニットを用いて同時転動される両スクライブ予定ラインの間の距離を、さらに狭ピッチ化することができる。
【選択図】 図9

Description

本発明は、脆性材料の基板に対してスクライブ加工する装置とその装置を用いる加工方法に関する。加工対象とする基板は、単板のマザー基板に加え、複数の単位表示パネルパターンが形成されている単板の基板を貼り合わせたマザー基板(貼り合わせ基板、貼り合わせマザー基板ともいう)も含まれる。特に、相互に接近して位置する複数のスクライブ線を基板表面に効率よく同時に形成する加工装置及びそれを用いる加工方法に関する。
スクライブ加工とは、加工対象となる脆性材料の脆性破壊現象を利用する加工をいう。本明細書の説明で用いる「スクライブ線(ライン)」とは、加工対象となる脆性材料基板に対して、脆性材料基板の脆性破壊現象を基板表面から内部に発生させた際に、基板表面から内部へ向けて進展して形成される亀裂が、スクライブ工具である刃先(カッターホイール)の移動に伴って刃先の移動跡に、基板の一端から他端に向かって直線又は曲線状に形成される亀裂をいう。
加工対象となる脆性材料基板とは、ガラス基板をはじめ、半導体ウェハ、石英、セラミックスなどの材料からなる単板又は単板を貼り合わせた貼り合わせ基板をいう。貼り合わせ基板の代表として、平面表示パネルに用いられる基板があり、例えば有機ELパネル液晶表示パネルなどがある。そうした基板の場合は、セル基板とかパネル基板とも呼ばれる。
スクライブ加工で形成されたスクライブ線に沿って力を与え、ブレイクすることで基板を必要な大きさに分割することを「分断」という。なお、通常の刃先が形成する亀裂の深さ以上に基板内部に亀裂を形成する事が可能な高浸透性の刃先を用いてスクライブ加工を行った場合には、ブレイクすることが不要になる場合もあるが、この場合には『分断する』の代わりに《分離する》と表現する。従って、ここでいう「スクライブ」には、基板を貫通しない亀裂(クラック)によりスクライブ線が形成される場合だけではなく、基板を貫通するクラックにより完全分断される場合も含まれる。
ガラスやセラミックスに代表される脆性材料からなる平面基板は、大判の単板のマザー基板からスクライブ加工後ブレイクする分断処理がされて単位基板に分割される。こうした単板の大判基板をスクライブ加工する際に用いられる加工装置としては、加工対象の基板を載置させるテーブルとスクライブ用の超硬金属製の刃先を基板の一端から他端へ走査させる駆動機構が移動可能に取付けられたビーム(ブリッジ)機構を備えている。ホルダーに回転可能に取付けられた刃先は、スクライブヘッドと一体になり、本願ではスクライブユニットと呼ばれる。そのスクライブユニットの真下において、スクライブ時には基板表面まで下降し基板にスクライブ荷重を加えながら表面上を移動し、脆性破壊による亀裂が基板表面に形成される。その結果、刃先が移動した移動跡に沿って亀裂が延びて行き直線又は曲線状のスクライブ線が形成される。
加工装置の種類によって、マザー基板が載置されるテーブルは固定の場合と、90度強の角度だけ回動可能な場合とがある。
後者の場合は、装置構成が大掛かりになるが、交差する複数のスクライブ線の形成を効率よく実行可能である点に特徴を有する。また、ブリッジ機構が固定の場合と、移動する場合とに種類が分かれるが、基板とブリッジの間で相対移動する形で、加工する位置が変化して基板表面の必要な位置にスクライブ線が形成される。以上はスクライブヘッドが一台搭載された単板用の加工装置の概略説明である。
一方、スクライブヘッドを複数台搭載した加工装置を用いた場合には、複数のスクライブ線を同時に形成可能である点で加工効率がよい。以上は単板用の各種加工装置の概略説明である。
上記の単板基板の場合以外の加工対象基板として、有機ELパネルや液晶パネルで代表される平面表示体パネルの場合は、2種類の単板基板が貼り合わされた貼り合わせ基板が最初の加工対象のマザー基板となる。貼り合わせ基板に対して、複数のスクライブ線が接近して形成される場合の一例として、以下に液晶パネルの製造用の貼り合わせ基板を一例として取り上げて説明する。
液晶表示パネル製造用のマザー基板は、複数のカラーフィルタがパターン形成された第一基板(CF側基板ともいう)と、複数のTFTおよび端子領域がパターン形成された第二基板(TFT側基板ともいう)とを、液晶を封入するシール材を挟んで貼り合わせてある。このとき、第二基板はTFTや端子領域が形成された基板面が第一基板との接合面となるように貼り合わせてある。
第二基板の端子領域は、TFTと外部機器との間で信号線が接続される領域であることから、単位パネルに分断される最終段階では外部へ露出させる必要がある。そのため、マザー基板を単位表示パネルごとに分割する際に、端子領域に対向する第一基板(CF側基板)の部位は端材として除去される。
マザー基板を単位表示パネルごとに分割する工程で、カッターホイールを用いた分断方法が利用される場合を取り上げる。その場合、マザー基板を構成する2枚の基板(CF側基板とTFT側基板)のそれぞれに対し、分断予定位置(スクライブ予定ライン)にカッターホイールを圧接して各基板にスクライブ線を刻む。次いでスクライブ線に沿って、マザー基板を単位表示パネルごとに完全分断する。この分断方法として、基板の面積が小さい場合には基板毎にスクライブした後反転させて、スクライブ線の反対側から力を加えることでスクライブ線を境として左右の基板に分割していた。そして、分割された個々の単位表示パネルを、搬出ロボットにより後工程に移送していた。
しかしながら、単位表示パネルの表示面積が大きくなるに従って、マザー基板の面積も大きくなってきて、スクライブ後に基板を反転させるのが困難となった。そこで、亀裂が深く形成される刃先を用いてマザー基板の上下二面に対し同時にスクライブ線を形成して、基板を反転させることなく加工する基板加工システム(基板分断システム)や基板加工方法が開発された。それらの技術は、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されている。
これらの特許文献によれば、上下一対のカッターホイールを用いて、マザー基板を上下方向から二面同時にスクライブする。次いで二面同時に分離して、単位表示パネルごとに分割する。通常の平面表示パネル製造においては、大判のマザー基板に多数のスクライブ線を形成した後に分断し、複数の単位パネルを分割して取出す事が行われる。こうした大判一枚のマザー基板から複数の単位パネルを取出す加工を、ここでは「多面取り」加工と呼ぶ。
その多面取り加工で得られる単位パネル枚数は、分断開始時の長方形状のマザー基板の縦・横の長さや面積と単位パネル基板の縦・横の長さや面積を考慮して決められる。「多面取り」加工において、単位パネルのどの辺に端子領域が形成されているのかによって、また4辺の内の幾つの辺に端子領域が形成されているのかによっても、加工方法が異なってくるが詳細は後述する。
図10は、マザー基板の上下面から二面同時にスクライブ線を形成することができる従来の基板加工装置を示す。この基板加工装置は、加工すべきマザー基板を載置後保持する水平な前部テーブル1、後部テーブル2を備えている。各テーブルは図のX方向に沿って分割されている。これらのテーブル1,2間のスペースの中間位置の上方並びに下方には、スクライブ線を形成するための第一及び第二カッターホイール3,3が配置されている。テーブル1,2はマザー基板W(図11参照)を吸着して保持する吸着機能を備えている。またマザー基板Wを加工前後にテーブル上で移動させる搬送機構(不図示)が設けられている。
カッターホイール3,3は、荷重付加手段であるモータ等が組込まれた筐体(スクライブヘッド)3a,3aの下部のカッターホルダーに回転可能に支持されている。スクライブヘッド3a,3aは支持体4,4に取り付けられ、上下移動可能に支持されている。支持体4,4は、両側の支持柱5,5によってX方向に水平に橋架された上下のガイドバー6,6のガイド7,7に沿って移動可能に取り付けられ、走査機構としてのモータ8,8の駆動によりX方向に移動する。上下のガイドバー6,6と両側の支持柱5,5は閉じたブリッジ機構を構成している。必要に応じて、ブリッジ機構はY軸方向の前後に移動可能となる機器構成が採用される。
さらに、X方向およびY方向に移動することが可能な台座9,9にカメラ10,10がそれぞれ設けられている。台座9,9は支持台9a上でX方向に延設されたガイド11に沿って移動する。カメラ10,10は、手動操作で上下動することができ、撮像の焦点を調整することができる。カメラ10,10で撮影された画像はモニタ12,12に表示される。ブリッジ機構が移動する機構を採用する必要がある場合には、例えば図10の装置において、カメラ10,10が取付けられている取付枠の幅と高さを適切に選択する必要がある。ブリッジ機構がY方向に移動可能な範囲にカメラの取付枠の寸法を設定しておき、ブリッジ機構の下部に必要な移動手段を備える移動機構を設けることで移動可能なブリッジ機構を使用することが可能となる。
テーブル1,2上に載置され保持されるマザー基板Wの表面の両隅には、位置を特定するためのアライメントマークが設けられており、カメラ10,10によりアライメントマークを撮像することにより、マザー基板Wの位置を検出する。具体的には、テーブル1,2に載置後保持されたマザー基板W表面のアライメントマークを、カメラ10,10により撮像してアライメントマークの位置を特定する。特定されたアライメントマークの位置に基づいて、マザー基板Wの載置時の位置及び方向ズレ量が検出される。その結果、マザー基板Wに対するスクライブ時に、位置ズレに対してはスクライブ開始位置が変更され、方向ズレに対してはX軸及びY軸方向のスクライブ動作を組み合わせた直線補間動作によりスクライブ線が形成される。
ここで、接近する複数のスクライブ線を形成する加工方法の一例として、貼り合わせマザー基板を単位表示パネルごとに分断するときの端子領域の加工について説明する。図11は、CF側基板である第1基板G1とTFT側基板である第2基板G2とを、TFT形成面を内側にして貼り合わせたマザー基板Wの一部を示している。マザー基板Wの左側は端子領域を備える単位表示パネルU1で、右側は単位表示パネルU2である。単位表示パネルU1、U2の分割箇所にスクライブ線S1,S2が形成され、分断面Caが形成される。また、第1基板G1において分断面Caから端子幅Lだけ離れた箇所にスクライブ線S3が形成される。その結果、スクライブ線S3が形成される箇所で分断後に分断面Cbが得られる事を示している。図12は形成したスクライブ線S1,S2及びS3に沿って分断した状態を示す図である。
左側の単位表示パネルU1と右側の単位表示パネルU2との境界には、端子領域を形成するための3本のスクライブ予定ラインが設定されており、これらに沿って3本のスクライブ線を加工する。図11に示すように、第一スクライブ線S1と第二スクライブ線S2とは、第一基板G1と第二基板G2とに対し、それぞれの加工端面が揃うように形成される。第三スクライブ線S3は、第一基板G1側において、スクライブ線S1から端子幅Lだけ離れた位置に形成される。
そして、3本のスクライブ線S1〜S3に沿ってブレイクすることにより、図12に示すように、2つのカット面Ca,Cbが形成される。
これらのうち、第一スクライブ線S1と第二スクライブ線S2とからなるカット面をジャストカット面Caという。ジャストカット面Caは単位表示パネルU1と単位表示パネルU2とを同一端面となるように分離する面である。
また、ジャストカット面Caから端子幅Lだけ離れた位置において第一基板G1側だけに形成されるカット面を端子カット面Cbという。端子カット面Cbは端子領域Tの端子面を露出するために分断されるカット面である。そしてジャストカット面Caと端子カット面Cbとの間の第一基板G1に、端材Eが発生する。端材Eは分断後に取り除かれる。
図10の加工装置を実際のスクライブ工程に用いた場合、端材Eが、ジャストカット面Caに付着した状態、あるいは端子カット面Cbに付着した状態になる場合が発生する。端材Eがジャストカット面Caに付着した状態であっても、端子カット面Cbに付着した状態のいずれであっても、追加のブレイク処理を行って良品化する必要がある。
しかしながら、端子幅Lは短く、例えば5ミリ前後のパネル仕様である場合もあって、スクライブ後に端材Eが端子カット面Cbに付着して取り残された場合、ブレイク処理して端材Eを端子カット面Cbから確実に除去する事は非常に困難となる。
そこで、図13に示す様に、スクライブ後にスクライブ線を挟んで左右に切り離す際に、 端材Eをジャストカット面Caに付着させた状況で端子カット面Cbから分離させた後、端材Eに力を加えて単位表示パネルU2から除去する分断方法を採用するのが望ましい。そうした加工方法については、特許文献3及び4に開示されている。
この特許文献3に記載された分断方法によれば、カッターホイールでスクライブ加工する際に、まず、第一基板G1(CF側基板)について加工し、次いで上下反転して第二基板G2(TFT側基板)について加工を行う。このスクライブ加工の際に、第二スクライブ線S2及び第三スクライブ線S3を加工するカッターホイールの押圧力を強くし、第一スクライブ線S1を加工する際のカッターホイールの押圧力を弱くして行う。このようにしてスクライブ荷重に強弱を与えることにより、スクライブ線の亀裂深さが調整され、端材Eを常にジャストカット面Ca側に付着させた状態でブレイクされるようにすることができる。その結果、ブレイク機構により効率よく端材Eを除去できるようになる。この段差を有する形状を本明細書では「オフセット形状」と呼ぶ事にする。
さらに、特許文献3の加工方法を改良した加工方法が特許文献4に開示されている。この特許文献4に開示されている加工方法によれば、特許文献3の加工方法における問題点が議論され、改善策が開示されている。図14及び図15を用いて特許文献4で開示されている加工方法を説明する。第一基板(CF側基板)G1を第二基板(TFT側基板)G2の上側に配置した状態のマザー基板の端子領域が図10のY方向(基板搬送方向)に延びている場合を扱う。刃先が取付けられているホルダーはその取付け軸の周りで何れの方向にも自由に回転可能な状態でスクライブヘッドの下部に取付けられている。この結果、ヘッドが進行すれば基板表面に接触している刃先はヘッドの進行方向に倣う形で、同一方向にスクライブ線の形成を始める。同様にヘッドが静止していて、クランプ手段で基板の両端を把持されたマザー基板がY方向に搬送されて移動すれば、その移動に伴って基板上の刃先は基板の移動方向に倣う形でY方向に延びるスクライブ線を形成する。
次に、上下の刃先が対峙する第1方向の水平距離を端子領域の幅だけずらせた状況で、上下方向から刃先30,30をスクライブ予定ラインに沿ってマザー基板の両面に押し付けてスクライブ加工を行う。すなわち、図14に示す様に、刃先30、30を端子幅Lだけブリッジの位置で横方向に離れさせた状態で、第一基板G1と第二基板G2に強い押圧力で押し付けてスクライブし、第二スクライブ線S2及び第三スクライブ線S3を形成する。次に、図15に示す様に、第二スクライブ線S2と相対する位置で第一基板G1に、スクライブ線S2及びS3を形成した際の荷重力よりも弱い力を加えて第一スクライブ線S1を形成する。なお、このとき、上側の刃先30を単独で用いるのではなく、第一スクライブ線S1と相対する第二基板G2の対応位置付近に、下側の刃先30の代わりにローラホイール50を当てる様にすることにより、第一スクライブ線S1を加工するときの下方向の力に対する抗力を与えるようにしておく事が望ましい。その場合は、図10の加工装置の下方側の支持体4には刃先30の代わりに、ローラホイール50を同様の昇降機構と共に組込んだ擬似スクライブヘッドを横に配置しておき、第一スクライブ線S1を加工するときに作動させる機器構成にしておく。以上のスクライブ線の形成により、深いスクライブ線S2及びS3が形成されるのに加えて、浅いスクライブ線S1がマザー基板に形成される。
この結果、特許文献4の加工方法では、特許文献3の加工方法による場合よりも確実に安定した端子出し加工が可能となっている。すなわち、端子領域へのスクライブ加工がより安定して実行可能となっている。図15に示す第1基板G1及び第2基板G2を深いスクライブ線S2及びS3が形成された箇所で左右に分離させて、図13に示す第1単位表示パネルU1及び第2単位表示パネルU2を得る。この分離操作の際、端材Eが端子領域Tの表面を損傷しない様に、第1単位表示パネルU1を第2単位表示パネルU2に対して斜め下方向へ移動させる(同等の動作として、第2単位表示パネルU2を第1単位表示パネルU1に対して斜め上方向へ移動させても同様の効果が得られる)。要は互いの単位表示パネルが相互に離隔する斜め方向に移動する事で端材Eと端子領域Tとの摩擦接触を防止して分離させることが重要である。その後、段差形状となって残っている不要な端材Eに外力を与えて、浅いスクライブ線S1の箇所で分断することで、第2単位表示パネルU2から確実に除去可能となる。そういった端子出し処理を伴う、多面取り加工を自動機にて実行させる場合の問題点をさらに引き続いて議論する。
多面取りの簡単な一例として、ここでは一枚の貼り合わせマザー基板から6枚の単位パネルを分断して取出す場合を取上げて説明する。図16及び図17は、マザー基板から6枚の単位パネルが分割される場合において、各種スクライブラインが形成される状況を模式的に示す図面である。なお、説明を簡単にするために、図16の場合は、各単位パネルについて、X軸に平行な1辺(搬送順方向前側/図面右側)にのみ端子領域が形成されているとする。また、図17の場合は、各単位パネルについて、X軸に平行な1辺(搬送順方向前側)に加えてY軸に平行な1辺(図面上側)の計2辺に端子領域が形成されている場合を取扱うことにする。
端子領域が形成されている基板部分に対しては、端子出し加工が必要である。特許文献4にて開示されている加工方法を採用する場合には、単位パネルの各辺に対するスクライブ加工として、端子出しを必要とするか否かによって、異なるスクライブ加工を行う必要が出てくる。端子出しを必要としない辺では、通常のスクライブ方法で行われる通り、上下の刃先の対峙位置を一致させて加工する。すなわち、マザー基板をスクライブ加工する際に、各単位パネルに相当する基板の端の領域又は単位パネルに相当し隣接する基板間の領域をジャストカットする手順でスクライブ加工を実行する。一方、端子出しを必要とする辺では、端材Eがジャストカット面Caに付着して端子カット面Cbから確実に引離されて段差形状『オフセット形状』が形成されるために、上下の刃先を端子領域の幅だけずらせた水平位置で対峙させた状態で上下の基板に対してスクライブ加工する工程が必要となってくる。
こうした加工を図10の加工装置(特許文献2の装置)で実行させようとすると、マザー基板のパネル仕様が図16の場合には以下の問題が起こる。この場合は、端子領域がX軸方向に延びる形で各単位パネルの搬送順方向の前側の辺b1〜b3に形成されているので、X軸方向にスクライブ加工する際にオフセット形状を形成させる必要がある。しかしながら、図10の装置では上下の刃先が取付けられたスクライブヘッドが一本の同一ブリッジ機構の上下に取り付けられている機器構成であるので、通常は上下の刃先が対峙する水平位置は一致する状態で加工が行われる。従って、当該装置を用いた端子出し加工では、特許文献3で開示されている様にそれぞれのパネル面に順番にスクライブ線を形成させる逐次的な加工方法に基づく方法を採用せざるを得なくなる。特許文献4によると、特許文献3による加工方法では、先に加工された箇所の応力ひずみが付近に内在されていて後のスクライブ加工の良し悪しに影響を与える問題点があると指摘されている。さらに、加工品質上の観点で別の問題点も存在する。通常は上下刃先にほぼ等しい荷重を同時に加えながら加工することが望ましいのであるが、特許文献3の加工方法を図10の装置(特許文献2の分断装置)で実行させようとすると、片側の刃先荷重を少なくした状況でスクライブ加工を実行しなければならなくなる。従って、大きく異なる荷重を上下の刃先に設定することは、加工対象の基板表面に常に余分な荷重が加わったままで加工が行われる結果、加工動作が不安定になり加工品質上問題が発生する頻度が大きくなる。
他方、特許文献4で開示されている加工方法を採用する場合には、スクライブ加工装置としては上下の内の片一方の第1刃先が収納されている第1スクライブヘッドの移動機構のブリッジ機構での取付位置に対峙する位置から、端子領域幅だけずらせてもう一方の第2刃先が収納されている第2スクライブヘッドの移動機構を同一ブリッジ機構に取り付ける必要がある。しかしながら、最終製品となる単位パネル基板の仕様が変更された場合には、加工対象のマザー基板の端子領域が常に同一幅であるとの保証は得られない。また、端子出しの加工と合わせて同一の上下刃先の組合せでジャストカット面加工も必要となった場合には、上下の刃先を同一水平位置で対峙させる必要があり、図10の分断装置では対応不可となる。何らかの工夫が必要となってくる。一方、特許文献5には、加工テーブルに載置保持される際に、マザー基板の載置位置が正規の位置からずれて載置された結果スクライブ開始位置がずれる場合に、ブリッジ機構の位置は変更せずにそこに位置するスクライブヘッドに取り付けられた刃先の基板への接触位置を必要な量だけ移動させる機構を採用した分断装置が開示されている。すなわち、基板が分断装置の加工テーブル上に載置された際に、正規の載置位置からずれて載置されたマザー基板に対してスクライブ加工する場合に、基板を載置し直してその載置位置を変更することはせずに刃先が加工開始時に接触する位置が変更される。この結果、刃先の載置テーブル基準の加工開始位置が調整されて、当初必要としていた基板上の正規の加工位置からスクライブラインを形成させることが可能であることが開示されている。
また、Y方向に延びるスクライブ線の形成の場合には、ヘッドの外形寸法の関係から生じる干渉問題から、極めて近距離で接近する複数のスクライブ線を複数ヘッドを用いて同時に形成することは従来の加工装置では実行不可能である問題がある。
以上の問題点を簡潔にまとめると、次の通りになる。貼り合わせマザー基板の端子出しに関連するスクライブ加工に代表される加工方法において、互いに接近して位置する複数のスクライブ線を同一面に形成する場合の問題点を、形成されるスクライブ線が延びる方向によって、次の2つの場合に分けられる。
まず、(A)X方向に延びて互いに接近する複数のスクライブ線を形成する場合の問題点は次の通りである。
(1)単一のスクライブヘッドを用いて複数のスクライブ線をX方向に互いに平行に近接して形成する場合には、まずブリッジを最初のスクライブ位置へ移動させて1本目のスクライブ線を形成した後、ブリッジを線間距離に相当する距離分だけ移動させて2本目のスクライブ線を形成する。つまり、スクライブ線1本毎の逐次加工の為に加工に時間がかかる。
(2)また、複数ヘッドを用いても、従来の装置構成のままでは、機構上から同時加工の実現には問題がある。
(B)次に、Y方向に延びて互いに接近する複数のスクライブ線を同一面に形成する場合の問題点は次の通りである。この場合は、たとえ複数のスクライブヘッドを用いても、スクライブ線相互の間隔が近すぎると、スクライブヘッドの外形寸法の関係でヘッド同士が干渉して隣り合う刃先を一定距離以内に近づけることができず、複数本を同時に形成する事は不可能である。
国際公開WO2005/087458号公報 国際公開WO2002/057192号公報 特開2008−056507号公報 国際公開WO2009/154012号公報 国際公開WO2009/093619号公報
マザー基板が一枚の単板基板の場合であれ、貼り合わせのパネル基板の場合であれ、多数の小寸法の単位基板に分割する加工においては、単位基板へ分割する面積が小さければ小さい程1枚のマザー基板に形成されるスクライブ線の数が多数に上る。そうした場合に、1台のスクライブヘッドに取付けられた刃先1本のみで、スクライブ線を1本ずつ形成させていたのでは、1枚のマザー基板に対するスクライブ加工に時間がかかりすぎ生産効率が上がらない。そこで、必要に応じて従来は、複数のスクライブヘッドを加工装置に搭載し、1本のスクライブ線を形成するのに必要な加工時間に相当する時間の間に、複数の刃先を同時に用いて複数本のスクライブ線を形成させていた。以下の説明では特に断らない限りマザー基板としては単板基板と貼り合わせ基板の両方を対象とする。
マザー基板の基板面積が大きくなった場合とか、反対に単位基板の面積が小さくなった場合とかには、一枚のマザー基板に対して多数のスクライブ線を短時間に効率よく形成させる必要がある。特に、互いに近接して形成されるスクライブ線の場合には、従来の複数ヘッドを用いる加工方法では隣り合うヘッドの干渉が生じることから同時加工が採用できず、1本ずつの加工とならざるを得なかった。また、貼り合わせマザー基板が加工対象基板である平面表示パネルにおける端子出しの場合で、上下の基板を上下の刃先で同時に加工して安定した端材処理をさせる必要がある場合には、従来の加工装置を用いる分断加工では機構上の問題が生じた。つまり、端子領域の幅に相当する距離を加工の間中に離間させたまま上下の刃先を対峙させる必要があり、ブリッジ機構が延在するX方向に端子領域が形成されている場合には、同一ブリッジ機構に取り付けられているスクライブヘッドを用いて、Y方向に端子幅に相当する水平距離だけ上下の刃先の対峙位置を相互にずらせて加工することは不可能であった。
マザー基板が単板である場合であって、小面積の単位基板を多数個取出す加工をする場合に、出来るだけ短時間で効率よく複数本のスクライブ線を互いに接近させて多数形成させる必要が出て来る。一方、マザー基板が貼り合わせ基板の場合には、携帯端末に代表される表示面積の小さなパネル基板を切り出す場合とか、あるいは表示面積は平面TV用などで大面積であるが端子部の形成箇所における加工の場合では、複数のスクライブ線を互いに接近させて形成させる必要がある。
しかしながら、加工用のスクライブホイールはホルダーに取付けられ、更にホルダーは走行用のスクライブヘッドに取付けられているために、干渉の問題が起こる。つまり、2つのホイールを接近させて同時に2本のスクライブ線を形成させようとしても、スクライブヘッドの外形寸法がホイールの接近を妨げる。この機器干渉に起因して、2つのヘッドを同時に駆動させて、わずかな距離を隔てて形成させる必要がある2本のスクライブ線を同時に形成することは不可能である。この結果、複数のスクライブヘッドが搭載されたマルチヘッド仕様の加工装置を用いた加工が採用されているが、ヘッドに関連する干渉の問題は克服されている訳ではない。
また、表示パネルに用いられる貼り合わせ基板の場合には、同一単位パネル面積に対して表示面積を出来るだけ大きく確保する事が求められ、その結果端子部の端子幅が狭くなる傾向が見られる。つまり、図9及び図10に図示される端子部の第1スクライブ溝S1と第3スクライブ線S3の間隔Lは、パネル基板の厚みの減少と共に、5ミリ以下の仕様のパネルも加工される様になって来ている。そうした狭い幅の端子部の形成には、互いに接近した複数のスクライブ線を形成させる必要があるが、スクライブホイールを2つ並べて同時にスクライブさせるには、上記で説明のスクライブヘッドの干渉問題が発生する。従って、スクライブ線S1若しくはスクライブ線S3の一方をまず先に加工して、その後、カッターホイール3をガイドバー6と共に左右の支持柱5,5をY方向に移動させてから他方のスクライブ線を加工するか、装置構成によるが、載置テーブルを端子幅の間隔Lだけ移動させて、基板の載置位置のずれ量を確認後、次のスクライブ線の形成が行われる。
そこで、本発明は、単板基板及び貼り合わせ基板の表面上で互いに接近する相互の間隔の狭い複数本の平行なスクライブラインを短時間で精度よく加工することのできる基板加工装置及びそれを用いる基板加工方法を提供することを目的とする。
単板のマザー基板の加工において、加工後に取出す単個の基板寸法が小さい場合には、互いに接近する位置関係にある複数のスクライブ線を多数形成させる必要がある場合が考えられる。また、貼り合わせ基板の場合で、端子部の形成において互いに接近する位置に2本のスクライブ線を形成させる必要がある場合には、従来の場合は装置搭載機器の干渉の問題が起こる課題に対しての解決策として、加工精度を低下させること無く、しかもタクトタイムの向上を目的とした加工方法が実現可能な加工装置として、ホイールが取付けられたホルダーをスクライブ形成予定の走査方向に移動させる操作機構が設けられ、ホイールをその走行方向と直交する方向に、必要に応じて所定距離だけ移動可能なシフト機構が組込まれていることを特徴とするスクライブ装置を用いて加工を行う。
上記目的を達成するために本発明では次のような技術的手段を講じる。即ち、本発明の基板加工装置では、特許文献5において別の目的で使用され別の効果が得られているシフト機構を備えるスクライブヘッドを少なくとも1台搭載させて複数のスクライブ線の同時形成を実行させる。この結果、本願では接近する複数のスクライブ線の形成が短時間で効率よく可能となる。基板上に設定された複数のスクライブ予定ラインにしたがって、基板を加工する。そして、本発明の基板加工装置は、基板を保持する保持部と、各々が、対応するスクライブ予定ラインに沿って転動するカッターホイール、を備える複数のスクライブユニットと、各スクライブユニットを、基板に沿って水平第1方向に相対的に移動させる走査機構と、を備え、複数のスクライブユニットのうち、隣接する2つのスクライブユニットを第1および第2着目スクライブユニットとする場合において、第1および第2着目スクライブユニットが、走査機構により水平第1方向に相対的に移動させられることによって、第1および第2着目スクライブユニットのカッターホイールのそれぞれは、水平第1方向に延びる対応のスクライブ予定ラインを、同時に転動し、第1および第2着目スクライブユニットのうち、少なくとも1つは、水平第1方向と交差する水平第2方向にカッターホイールを移動させるシフト機構、をさらに備える。
また、本発明の基板加工装置では、基板上に設定された複数のスクライブ予定ラインにしたがって、基板を加工する。そして、本発明の基板加工装置は、基板を保持する保持部と、各々が、対応するスクライブ予定ラインに沿って転動するカッターホイール、を有する複数のスクライブユニットと、各スクライブユニットを、基板に沿って水平第1方向に相対的に移動させる走査機構と、保持部に載置される基板を、水平第1方向と交差する水平第2方向に相対的に移動させる搬送機構と、を備え、複数のスクライブユニットのうち、隣接する2つのスクライブユニットを第1および第2着目スクライブユニットとする場合において、第1および第2着目スクライブユニットが、搬送機構により水平第2方向に相対的に移動させられることによって、第1および第2着目スクライブユニットのカッターホイールのそれぞれは、基板の同一加工面上に設定されており、水平第2方向に延びる対応のスクライブ予定ラインを、同時に転動し、第1および第2着目スクライブユニットのうち、少なくとも1つは、水平第1方向と略平行な方向にカッターホイールを移動させるシフト機構、をさらに有する。
また、本発明の基板加工方法では、複数のスクライブユニットにより、基板上に設定された複数のスクライブ予定ラインにしたがった加工を実行する。また、複数のスクライブユニットは、対応するスクライブ予定ラインに沿って転動するカッターホイール、を備える。そして、本発明の基板加工方法は、複数のスクライブユニットのうち、隣接する2つのスクライブユニットを第1および第2着目スクライブユニットとする場合において、(a) 第1および第2着目スクライブユニットを、水平第1方向に相対的に移動させる工程と、(b) 第1および第2着目スクライブユニットのカッターホイールのそれぞれによって、水平第1方向に延びる対応のスクライブ予定ラインを、同時に転動する工程と、(c) 第1および第2着目スクライブユニットのうち、少なくとも1に含まれるカッターホイールを、水平第1方向と交差する水平第2方向に移動させる工程と、を備える。
さらに、本発明の基板加工方法では、複数のスクライブユニットにより、基板上に設定された複数のスクライブ予定ラインにしたがった加工を実行する。また、複数のスクライブユニットは、対応するスクライブ予定ラインに沿って転動するカッターホイール、を備える。そして、本発明の基板加工方法は、複数のスクライブユニットのうち、隣接する2つのスクライブユニットを第1および第2着目スクライブユニットとする場合において、 (a) 第1および第2着目スクライブユニットのうち、少なくとも1つに含まれるカッターホイールを水平第1方向と略平行な方向に移動させる工程と、
(b) 第1および第2着目スクライブユニットを水平第2方向に相対的に移動させる工程と、
(c) 第1および第2着目スクライブユニットのカッターホイールのそれぞれは、基板の同一加工面上に設定されており、水平第2方向に延びる少なくとも2本以上のスクライブラインを、同時に形成する工程と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る単板用の基板加工装置によれば、スクライブユニットの走行方向が、ブリッジ機構が延在する第1方向であって、その第1方向に延びて互いに近接する2本以上のスクライブ線が形成される場合には、ブリッジ機構の走行箇所に隣り合う2台以上のスクライブユニットを搭載し、その内の1台以上のスクライブユニットが刃先を第1方向に直交する第2の方向へ必要な所定量だけ移動させることが可能なシフト機構を備えている場合をまず取上げる(以下、第1の場合という)。こうした機器構成を採用する結果、第1方向に延びて互いに近接する2本以上のスクライブ線を、ほぼ同時に極めて接近させて形成する事が可能となる。
本発明に係る単板用の基板加工装置によれば、スクライブユニットの走行方向が、ブリッジ機構が延在する方向は第1方向であるが、その第1方向に直交する第2の方向に延びて互いに近接する2本以上のスクライブ線を形成する場合に、加工対象となる単板基板とブリッジ機構の何れかが互いに相対的に移動して、ブリッジ機構に搭載された隣り合う2台以上のスクライブユニットがほぼ同時に単板基板の表面を移動し、第2方向に延在し互いに近接する2本以上のスクライブ線が形成される場合を次に取上げる(以下、第2の場合という)。その場合には、刃先を第1の方向に移動させることが可能なシフト機構をその内の1台以上のスクライブユニットが備えている機器構成を採用することを特徴とする。この結果、第2の方向に延在して互いに近接する2本以上のスクライブ線を極めて接近させて同時に形成させる事が可能となる。
更に、本発明に係る貼り合わせ基板用の基板加工装置によれば、加工対象両面基板の上下のうちの何れかに位置する2台以上のスクライブユニットの走行方向が、ブリッジ機構が延在する第1方向であって、その第1方向に延びて互いに近接する2本以上のスクライブ線が形成される場合には、ブリッジ機構の走行箇所に隣り合う2台以上のスクライブユニットを搭載し、その内の1台以上のスクライブユニットが刃先を第1方向に直交する第2の方向へ必要な所定量だけ移動させることが可能なシフト機構を備えている場合をその次に取上げる(以下、第3の場合という)。こうした機器構成を採用する結果、第1方向に延びて互いに近接する2本以上のスクライブ線を、ほぼ同時に極めて接近させて少なくとも加工対象の両面基板の少なくとも片面に形成する事が可能となる。
同様に、本発明に係る単板用の基板加工装置によれば、加工対象両面基板の上下のうちの何れかの特定表面側に位置する2台以上のスクライブユニットの走行方向が、ブリッジ機構が延在する方向と同じ第1方向であるが、その第1方向に直交する第2の方向に延びて互いに近接する2本以上のスクライブ線を形成する場合に、加工対象となる両面基板とブリッジ機構の何れかが互いに相対的に移動して、ブリッジ機構に搭載された隣り合う2台以上のスクライブユニットがほぼ同時に両面基板の特定表面側を移動し、第2方向に延在し互いに近接する2本以上のスクライブ線が形成される場合をその次に取上げる(以下、第4の場合という)。その場合には、刃先を第1の方向に移動させることが可能なシフト機構をその内の1台以上のスクライブユニットが備えている機器構成を採用することを特徴とし、この結果、第2の方向に延在して互いに近接する2本以上のスクライブ線を極めて接近させて同時に形成させる事が可能となる。
更に、第1表面側が第1の場合で、第2表面側が第2の場合で、上下の両面に対して、上面側が第1又は第2の何れかの第1特定方向に延在し互いに近接する2本以上のスクライブ線を形成するのに合わせて、第1特定方向に交差する第2特定方向に延在し互いに近接する2本以上のスクライブ線を形成することが可能となる。
これにより、第1および第2着目スクライブユニットのカッターホイール間距離が、調整できる。そのため、基板加工装置は、少なくとも、このカッターホイール間距離だけ離隔する2つのスクライブラインを、同時に形成することができる。
また、本発明の基板加工装置によれば、隣接する第1および第2スクライブユニットのうちの少なくとも1つは、シフト機構を有している。また、このシフト機構は、各スクライブユニットの走査方向(第1水平方向)と略平行な方向に、対応するカッターホイールを移動させる。
これにより、第1および第2着目スクライブユニットのうち、一方のカッターホイールは、他方のカッターホイールに接近させられる。すなわち、第1および第2着目スクライブユニット同士を干渉(接触)させることなく、両者のカッターホイールをさらに接近させることができる。そのため、隣接する第1および第2着目スクライブユニットにより同時に形成される両スクライブラインの間の距離を、さらに狭ピッチ化することができる。
本発明の前駆的思想にかかる基板加工装置の全体構造を示す斜視図である。 本発明の前駆的思想の基板加工装置におけるスクライブヘッドを一部断面にして示す側面図である。 マザー基板をスクライブするときの加工手順の第一過程を示す図である。 マザー基板をスクライブするときの加工手順の第二過程を示す図である。 (a)はマザー基板に対して第1(X)方向へ2本のスクライブ線を略同時に形成する状況を示す模式平面図であり、(b)マザー基板に対して第2(Y)方向へ2本のスクライブ線を略同時に形成する状況を示す模式平面図である。 図3の要部拡大図である。 図4の要部拡大図である。 本発明の第1および第2実施形態にかかる基板加工装置の全体構造を示す斜視図である。 第2実施形態の基板加工装置におけるスクライブヘッドを一部断面にして示す側面図である。 従来の基板加工装置を示す斜視図である。 単位表示パネルの端子領域が形成される部分にスクライブ線を形成した状態を示す図である。 形成したスクライブ線に沿って分断した状態を示す図である。 第二スクライブ線S2及び第3スクライブ線S3を加工する際のカッターホイールの押圧力を強くし、第一スクライブ線S1を加工する際のカッターホイールの押圧力を弱くしたときの分離状態の例を示す図である。 マザー基板をスクライブするときの加工手順の第一工程を示す図である。 マザー基板をスクライブするときの加工手順の第二工程を示す図である。 端子領域が一辺に形成されている単位パネルを複数枚、マザー基板から分割する場合の模式説明図である。 端子領域が二辺に形成されている単位パネルを複数枚、マザー基板から分割する場合の模式説明図である。
以下において本発明の詳細をその実施の形態を示す図面に基づいて詳細に説明する。
<1.第1実施形態>
図1は本発明に係る基板加工装置Mのスクライブ機構を示す斜視図である。また、図2は基板加工装置Mにおけるスクライブヘッド(ユニット)30aを、一部を断面にして示す側面図である。なお、図10で示した従来の基板加工装置と同じ部分については同符号を付けて説明する。
基板加工装置Mは、加工すべきマザー基板を載置後吸着保持する水平な前部テーブル1、後部テーブル2を備えている。各テーブルは図のX方向(前後方向)に沿って分割されている。これらのテーブル1,2間の空隙の中間位置の上方及び下方には、スクライブ線を形成するための第一及び第二カッターホイール30,30が配置されている。テーブル1,2はマザー基板Wを載置後吸着して保持する吸着保持機構を備えている。またマザー基板Wの端部をクランプしてテーブル1及び2の上で移動させる搬送機構(不図示)が設けられている。
スクライブ開始時には、上下のスクライブヘッド30aに取付けられた刃先30は加工開始位置まで移動する。その後、上部のヘッド30aは上側基板の表面まで下降し、一方の下部のヘッド30aは下側基板の表面まで上昇する。上下のスクライブヘッド30aにはそれぞれサーボモータが組込まれていて、それらの回転力を刃先30のスクライブ荷重へ変換する機構により刃先30に必要な荷重が加えられる。上下の刃先30へ必要なスクライブ荷重が加えられ、上下のサーボモータが必要に応じて位置制御又はトルク制御で制御され、その結果上下の刃先30がそれぞれ基板表面に対するスクライブ加工が進行する間、刃先30に加えられる荷重が上下でバランスが取られて加工が行われる。スクライブヘッド30aはガイド7に移動可能に取付けられている。一方、ガイド7にはリニアモータの固定子の役目を果たす永久磁石(又は電磁コイル)40が組込まれている。他方、支持体4にはリニアモータの可動子の役割を果たす電磁コイル(又は永久磁石)が組込まれている。リニアモータの駆動方式として交流方式と直流方式があり、更に直流方式を採用した場合にも、電磁コイルへの給電制御により各種方式がある。直流駆動の場合として、例えば固定子としての永久磁石40がそのN極とS極が交互に並ぶ構成で組込まれ、可動子としての複数の電磁コイルが必要な励磁モードとなる様に電磁コイルに印加される電流が切換わる制御(転流)が行われる。その結果、必要な移動速度に対応する速さで転流させることにより、スクライブヘッド30aがリニアモータ駆動によりガイド7の一端から他端へ移動する。スクライブヘッド30aはリニア駆動にて移動し、ガイドバー6のガイド7内に又は支持体4の内部に組込まれたセンサーにて停止時と移動時の現在位置が検知されている。検知された位置情報が駆動パラメータのひとつとなって加減速を伴うリニアモータ駆動に役立てられる。また、スクライブヘッド30aの先端に取付けられる刃先30の代わりにローラが取付けられたヘッドを用いる場合は、複数台のスクライブヘッド30aが使用されることになる。その場合は、スクライブヘッド30aが一台ずつ順番に基板の一端から他端へ移動し、互いのスクライブヘッド30aは独立した駆動パラメータにて、相互に干渉することなく移動が可能な制御がなされる。なお、リニアモータを用いない場合には、各スクライブヘッド30aが独立して独自に移動可能となる駆動手段となる回転モータをその中に組込み、位置を検知するセンサーにて走行中の位置情報を入手しながら必要な走行パラメータにて移動する機器構成を採用してもよい。
カッターホイール30,30を回転自在に収納したカッターホルダーは、その取付け軸の周りで回転自在にスクライブヘッド30a,30aに取り付けられている。スクライブヘッド30a,30aは上下に移動可能に支持体4,4に取り付けられている。支持体4,4は、両側の支持柱5,5によってX方向に水平に橋架された上下のガイドバー6,6のガイド7,7に沿って移動可能に取り付けられる。そして支持体4,4はリニアモータの駆動によりX方向に移動する。このようにして、支持体4,4およびガイドバー6,6およびリニアモータにより、カッターホイール30,30をX方向に走査する走査機構が構成される。上下のガイドバー6,6と両側の支持柱5,5は閉じたブリッジ機構を構成している。必要に応じて、ブリッジ機構はY軸方向の前後に移動可能となる機器構成が採用される。装置構成としては、ブリッジ機構が固定の場合と移動可能な場合とが考えられるが、加工対象物が載置される際の位置ずれの修正の必要性から移動可能な方が都合がいい。しかし、マザー基板が大判になればブリッジの長さが長くなり相当な重量物となるので、ブリッジの左右の支持物を安定して移動させるのが大掛かりな制御となる。その結果、装置機構として機械強度を含め十分余裕を持たせた機械設計が要求される。ブリッジ機構が移動する機構を採用する必要がある場合には、例えば図1の装置において、カメラ10、10が取付けられている取付枠の幅と高さを適切に選択する必要がある。ブリッジ機構がY方向に移動可能な範囲に設定しておき、ブリッジ機構の下部に必要な移動手段を備える移動機構を設けることで移動可能なブリッジ機構を使用することが可能となる。
ホルダーに回転可能に収納されたカッターホイール30,30は、このホルダーを保持するスクライブヘッド30a,30aに対してスクライブ予定ラインに沿った方向(図1のX方向)に直交する方向(Y方向)に向かって位置調整できるように、シフト機構13(図2参照)を介して取り付けられている。シフト機構13は、スクライブヘッド30aの下面に設けられたレール30bを含み、モータ30cの駆動によってカッターホイール30がレール30bに沿ってY方向にスライドして位置調整できるように構成されている。
また、X方向およびY方向に移動することが可能な台座9,9にカメラ10,10がそれぞれ設けられている。台座9,9は支持台9a上でX方向に延設されたガイド11に沿って移動する。カメラ10,10は、手動操作で上下動することができ、撮像の焦点を調整することができる。カメラ10,10で撮影された画像はモニタ12,12に表示される。
テーブル1,2上に載置されたマザー基板Wの両端には、基板の載置位置を特定するためのアライメントマークが設けられており、カメラ10,10によりアライメントマークを撮像することにより、マザー基板Wの載置位置を検出する。具体的には、テーブル1,2に支持されたマザー基板W表面のアライメントマークを、カメラ10,10により撮像してアライメントマークの位置を特定する。特定されたアライメントマークの位置に基づいて、マザー基板Wの載置時の位置及び方向ズレ量が検出される。その結果、マザー基板Wに対するスクライブ時に、位置ズレに対してはスクライブ開始位置が変更され、方向ズレに対してはX軸及びY軸方向のスクライブ動作を組み合わせた直線補間動作によりスクライブ線が形成される。
マザー基板Wを分断するに際し、図3及び図6に示すように、第一基板(CF側基板)G1を第二基板(TFT側基板)G2の上側に配置した状態のマザー基板Wを所定位置でテーブル1,2に載置した後吸着保持させる。次いで上下のカッターホイール30,30を端子幅LだけY軸方向に離れさせた状態で、両基板G1及びG2に強い押圧力で押し付けてスクライブし、第二スクライブ線S2及び第三スクライブ線S3を形成する。その後、図4及び図7に示すように、第二スクライブ線S2と相対する位置で第一基板G1に、スクライブ線S2及びS3を形成した際の荷重力よりも弱い力を加えて第一スクライブ線S1を形成する。
なお、このとき、第一スクライブ線S1と相対する第二基板G2の対応位置付近に、刃先30の代わりにローラホイール50を当てるようにすることにより、第1スクライブ線S1を加工するときの下方向の力に対する抗力を与えるようにしておくことが望ましい。その場合は、図1における下方側の支持体4の横に、これと同様の昇降機構を備えているが、刃先30の代わりにローラホイールが組込まれた擬似スクライブヘッドを並行に配置しておき、第1スクライブ線S1を形成するときに作動させる機器構成を採用しておく。
図5(a)は、単板又は貼り合わせのマザー基板に対して、2台のスクライブユニットを用いて第1(X)方向へ、2本のスクライブ線を略同時に形成する状況を示す模式平面図である。
端子出し加工を一例として取上げて、以下に詳しく説明する。端子領域がX方向に延びて形成されている、表示パネル用の貼り合わせマザー基板を加工する場合の加工例とする。図14及び図15に図示する通り、CF側基板G1がTFT側基板G2の上に位置するとする。この場合、従来は上側の基板G1に対して2段階の加工処理で形成されている、深いスクライブ線S3と浅いスクライブ線S1を、本願に係る2台のスクライブユニットを用いて略同時に形成する事が可能となるという状況が模式的に図5(a)に示されている。同様に、従来は下側の基板G2に対して2段階の加工処理が必要な、深いスクライブ線S2の形成動作とローラホイールを用いる基板への拮抗力付与動作を、本願に係る2台のスクライブユニットを用いて略同時に実行させる事が可能となることが判る。
図5(b)は、単板又は貼り合わせのマザー基板に対して、2台のスクライブユニットを用いて第2(Y)方向へ2本のスクライブ線を略同時に形成する状況を示す模式平面図である。
次に、端子出し加工を一例として取上げて、以下に詳しく説明する。端子領域がY方向に延びて形成されている、表示パネル用の貼り合わせマザー基板を加工する場合の加工例とする。図14及び図15に図示する通り、CF側基板G1がTFT側基板G2の上に位置するとする。この場合、端子幅のように極めて接近して位置する複数のスクライブ線を形成させる場合、従来は上側の基板G1に対して2段階の加工処理で形成されている、深いスクライブ線S3と浅いスクライブ線S1を、本願に係る2台のスクライブユニットを用いて略同時に形成する事が可能となるという状況が模式的に図5(b)に示されている。同様に、従来は下側の基板G2に対して2段階の加工処理で対応が為されていた、深いスクライブ線S2の形成動作とローラホイールを用いる基板への拮抗力付与動作を、本願に係る2台のスクライブユニットを用いて上側基板G1への加工と略同時に1台のスクライブユニットを用いる深いスクライブ線S2の形成動作で実行させる事が可能となることが判る。
また、上記実施例では、マザー基板Wの第一基板(CF側基板)G1を第二基板(TFT側基板)G2の上側に配置した状態でマザー基板Wをテーブル1,2に吸着保持させてスクライブする例を示したが、逆にマザー基板Wの第一基板(CF側基板)G1を第二基板(TFT側基板)G2の下側にした状態でマザー基板Wをテーブルに吸着保持させて上記同様にスクライブすることも可能である。
<2.第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について図8に示す基板加工装置M1を用いて説明する。この基板加工装置M1は、本発明の第1実施形態の基板加工装置Mと比較して、カッターホイール30がテーブル1、2の上側および下側のそれぞれに、複数(2台以上)配置されている点を除いては、本発明の第1実施形態の基板加工装置Mと同様である。
そこで、以下では、この相違点を中心に説明する。なお、本実施の形態において、「スクライブユニット」とは、主として、カッターホイール30と、スクライブヘッド30aと、を有している。
図8は、第1および第2実施形態にかかる基板加工装置M1、M2の全体構造を示す斜視図である。基板加工装置M1は、本発明の前駆的思想の基板加工装置Mと同様に、マザー基板W上に設定された複数のスクライブ予定ラインにしたがって、マザー基板Wを加工する。図8に示すように、基板加工装置M1は、主として、テーブル1、2と、複数のスクライブユニットと、モータ8と、を備えている。
テーブル1、2は、マザー基板Wを載置後に吸着保持する保持部である。図8に示すように、テーブル1、2は、保持されたマザー基板Wが上下に配置された複数のスクライブユニットの間となるように、基板加工装置M1内に配置されている。また、図8に示すように、各スクライブユニットのカッターホイール30の直下には、テーブル1、2のいずれも配置されていない。
なお、テーブル1、2は、上述のように、搬送機構(図示省略)を有している。これにより、テーブル1、2に載置される際にマザー基板Wは、この搬送機構によって、Y軸方向(水平第2方向)に移動させられる。
ガイド7にはリニアモータの固定子の役目を果たす永久磁石(又は電磁コイル)40が組込まれている。他方、支持体4にはリニアモータの可動子の役割を果たす電磁コイル(又は永久磁石)が組込まれている。リニアモータの駆動方式として交流方式と直流方式があり、更に直流方式を採用した場合にも、電磁コイルへの給電制御により各種方式がある。直流駆動の場合として、例えば固定子としての永久磁石40がそのN極とS極が交互に並ぶ構成で組込まれ、可動子としての複数の電磁コイルが必要な励磁モードとなる様に電磁コイルに印加される電流が切換わる制御(転流)が行われる。その結果、必要な移動速度に対応する速さで転流させることにより、スクライブヘッド30aがリニアモータ駆動によりガイド7の一端から他端へ移動する。スクライブヘッド30aはリニア駆動にて移動し、ガイドバー6のガイド7内に又は支持体4の内部に組込まれたセンサーにて停止時と移動時の現在位置が検知されている。検知された位置情報が駆動パラメータのひとつとなって加減速を伴うリニアモータ駆動に役立てられる。また、スクライブヘッド30aの先端に取付けられる刃先30の代わりにローラが取付けられたヘッドを用いる場合は、複数台のスクライブヘッド30aが使用されることになる。その場合は、スクライブヘッド30aが一台ずつ順番に基板の一端から他端へ移動し、互いのスクライブヘッド30aは独立した駆動パラメータにて、相互に干渉することなく移動が可能な制御がなされる。なお、リニアモータを用いない場合には、各スクライブヘッド30aが独立して独自に移動可能となる駆動手段となる回転モータをその中に組込み、位置を検知するセンサーにて走行中の位置情報を入手しながら必要な走行パラメータにて移動する機器構成を採用してもよい。
このように、走査機構による各スクライブユニットの走査方向(水平第1方向)と、搬送機構によるマザー基板Wの搬送方向(水平第2方向)とは、交差(より具体的には略直交)する。
複数のスクライブユニットのそれぞれは、対応するカッターホイール30をマザー基板Wに圧接転動させることによって、マザー基板W上にスクライブラインを形成する。図8に示すように、各スクライブユニットは、カッターホイール30と、スクライブヘッド30aと、を有している。また、各スクライブユニットのうち、少なくとも1つは、図2に示すようなシフト機構13をさらに備えている。
シフト機構13は、スクライブユニットの走査方向と交差する方向(水平第2方向)にカッターホイール30を移動させる。図2に示すように、シフト機構13は、主として、レール30bと、モータ30cと、を有している。
レール30bは、図2に示すように、Y軸方向(水平第2方向)に沿って延びる案内部である。ホルダーに収納されたカッターホイール30は、モータ30cからの駆動力によって、Y軸方向に沿って移動させられる。
ここで、複数のスクライブユニットのうち、テーブル1、2の上側に配置されており、隣接する2つのスクライブユニットを、第1および第2着目スクライブユニットとして選択する。そして、第1および第2着目スクライブユニットの両カッターホイール30間距離のY成分が所望値となるように、両カッターホイール30の相対的な位置が、シフト機構13により調整されている。
この場合において、第1および第2着目スクライブユニットが、リニアモータによりX軸方向(水平第1方向)に移動させられることによって、第1および第2着目スクライブユニットのカッターホイール30は、それぞれX軸方向(水平第1方向)に延び、両カッターホイール30間距離のY成分だけ隔てて設定された近接する2本のスクライブラインを、ほぼ同時に形成することができる。
<3.第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について図9に示す基板加工装置M2を用いて説明する。この基板加工装置M2は、第2実施形態の基板加工装置M1と比較して、カッターホイールの構成が異なる点を除いては、第2実施形態と同様である。
そこで、以下では、この相違点を中心に説明する。なお、本実施の形態において、「スクライブユニット」とは、主として、カッターホイール230と、スクライブヘッド230aとを備えている。
基板加工装置M2は、本発明の第1実施形態の基板加工装置M、および第2実施形態の基板加工装置M1と同様に、マザー基板W上に設定された複数のスクライブ予定ラインにしたがって、マザー基板Wを加工する。図8に示すように、基板加工装置M2は、主として、テーブル1、2と、複数のスクライブユニットと、リニアモータとを備えている。
図9は、第3実施形態の基板加工装置M2におけるスクライブヘッド230aを一部断面にして示す側面図である。複数のスクライブユニットのそれぞれは、対応するカッターホイール230をマザー基板Wに圧接転動させることによって、マザー基板W上にスクライブラインを形成する。図8に示すように、各スクライブユニットは、上述のように、カッターホイール230と、スクライブヘッド230aと、を有している。また、各スクライブユニットのうち、少なくとも1つは、図9に示すように、シフト機構213をさらに有している。
カッターホイール230は、複数のスクライブ予定ラインのうち、対応するスクライブ予定ラインに沿って転動する。スクライブヘッド230aは、Y軸と略平行な軸心を中心に、カッターホイール230を回転自在に保持する要素である。
シフト機構213は、スクライブユニットの走査方向(X軸方向)と略平行な方向(水平第2方向)にカッターホイール230を移動させる。図9に示すように、シフト機構213は、主として、レール230bと、モータ230cとを備えている。
レール230bは、図9に示すように、X軸方向(水平第1方向)に沿って延びる案内部である。カッターホイール230およびスクライブヘッド230aは、モータ230cからの駆動力によって、X軸方向に沿って移動させられる。
ここで、複数のスクライブユニットのうち、テーブル1、2の上側に配置されており、隣接する2つのスクライブユニットを、第1および第2着目スクライブユニットとして選択する。そして、第1および第2着目スクライブユニットの両カッターホイール230間距離のX成分が所望値となるように、両カッターホイール230の相対的な位置が、シフト機構213により調整されている。
この場合において、テーブル1、2に保持されたマザー基板Wが、搬送機構(図示省略)によりY軸方向(水平第2方向)に移動させられることによって、第1および第2着目スクライブユニットのカッターホイール230は、次のように動作する。すなわち、両カッターホイール230は、それぞれY軸方向(水平第2方向)に延び、マザー基板Wの同一加工面(例えば、マザー基板Wの主面である上面または下面)に、両カッターホイール230間距離のX成分だけ隔てて近接する2本のスクライブラインを、同時に形成することができる。
また、上述のように、第1および第2着目スクライブユニットの少なくとも一方がシフト機構213を有している。これにより、第1および第2着目スクライブユニット同士を干渉(接触)させることなく、両者のカッターホイール230をさらに接近させることができる。そのため、隣接する第1および第2着目スクライブユニットにより同時形成される両スクライブラインの間の間隔を、さらに狭ピッチ化することができる。
<4.変形例>
以上、本発明の代表的な実施例について説明したが、本発明は必ずしも上記の本発明の第1、第2及び第3実施形態に特定されるものではない。
(1)例えば上記本発明の第1、第2及び第3実施形態では、上下のカッターホイールの何れにもシフト機構13を設けたが、2本の平行なスクライブ線、例えばS1,S3を加工する側のカッターホイールにのみシフト機構を設けるようにしてもよい。
(2)また、上記本発明の第1、第2及び第3実施形態において、走査機構(モータ8)が、各スクライブユニットのカッターホイール30を、テーブル1、2に対してX軸方向に移動させるものとして説明したが、これに限定されるものでない。例えば、テーブル1、2が各スクライブユニットに対して移動しても良いし、テーブル1、2と各スクライブユニットとの両者が移動しても良い。すなわち、各スクライブユニットを移動させる走査機構は、各スクライブユニットを加工対象物に対して「相対的」に移動させれば十分である。
(3)また、上記本発明の第1、第2及び第3実施形態において、搬送機構(図示省略)が、テーブル1、2に載置されるマザー基板Wを、複数のスクライブユニットに対してY軸方向に移動させるものとして説明したが、これに限定されるものでない。例えば、各スクライブユニットが取付られたブリッジ機構がテーブル1、2に保持されたマザー基板Wに対して移動しても良いし、テーブル1、2に保持されたマザー基板Wと各スクライブユニットとの両者が移動しても良い。すなわち、マザー基板Wを移動させる搬送機構は、テーブル1、2に保持されたマザー基板Wを「相対的」に移動させれば十分である。
(4)また、上記本発明の前駆的思想、並びに第1および第2実施形態では、2枚の単板基板を貼り合わせたマザー基板W(貼り合わせ基板)を加工対象としているが、これに限定されるものでない。例えば、マザー基板Wを構成することができる各単板基板単体も、加工対象とすることができる。なお、単板基板としては、例えばガラス基板またはセラミックス基板等のように、脆性材料で形成された基板を用いることができる。
このように、本実施の形態における「基板」は、脆性材料で形成されており、基板の形状としては、貼り合わせ状のものだけでなく、単板状のものも含まれる。
(5)また、上記第1および第2実施形態において、スクライブユニットは、テーブル1、2の上側に2つ、テーブル1、2の下側に2つ、配置されるものとして説明したが、テーブル1、2の上側および下側におけるスクライブユニットの個数は、これに限定されるものでない。例えば、テーブル1、2の上側および下側のそれぞれに、スクライブユニットが3つ以上配置されても良い。
(6)また、上記第1実施形態において、第1および第2着目スクライブユニットとして、テーブル1、2の上側に配置された2つが選択されたが、第1および第2着目スクライブユニットの選択手法は、これに限定されるものでない。例えば、テーブル1、2の下側に配置された2つが選択されてもよい。また、テーブル1、2の上側から1つ、下側から1つ、選択されてもよい。
さらに、上記第2実施形態において、第1および第2着目スクライブユニットとして、テーブル1、2の上側に配置された2つが選択されたが、第1および第2着目スクライブユニットの選択手法は、これに限定されるものでない。例えば、テーブル1、2の下側に配置された2つが選択されてもよい。
その他本発明では、その目的を達成し、請求の範囲を逸脱しない範囲内で適宜修正、変更することが可能である。
本発明の基板スクライブ方法は、液晶パネル用のマザー基板をスクライブして単位表示パネルに分割するのに利用することができる。
W 基板
G1 第一基板
G2 第二基板
Ca ジャストカット面
Cb 端子カット面
1 前部テーブル
2 後部テーブル
4 支持体
6 ガイドバー
8 モータ
13、213 シフト機構
30、230 カッターホイール
30a、230a スクライブヘッド

Claims (4)

  1. 基板上に2本以上の複数のスクライブラインを加工する基板加工装置であって、
    (a) 前記基板を載置保持する載置保持部と、
    (b) 各々が、
    (b-1) 対応するスクライブラインを形成するカッターホイール、
    を備える複数のスクライブユニットと、
    (c) 各スクライブユニットを、前記基板に沿って水平第1方向に相対的に移動させる走査機構と、を備え、
    前記複数のスクライブユニットのうち、隣接する2つのスクライブユニットを第1および第2着目スクライブユニットとする場合において、
    前記第1および第2着目スクライブユニットが、前記走査機構により前記水平第1方向に相対的に移動させられることによって、
    前記第1および第2着目スクライブユニットの前記カッターホイールのそれぞれは、前記水平第1方向に延びる2本以上のスクライブラインを、略同時に形成する手段で、
    前記第1および第2着目スクライブユニットのうち、少なくとも1つは、
    (b-2) 前記水平第1方向と交差する水平第2方向に前記カッターホイールを移動させるシフト機構、をさらに備えることを特徴とする基板加工装置。
  2. 基板上に設定された2本以上の複数のスクライブラインを形成する基板加工装置であって、
    (a) 前記基板を載置後保持する載置保持部と、
    (b) 各々が、
    (b-1) 対応するスクライブラインを形成するカッターホイール、
    を備える複数のスクライブユニットと、
    (c) 各スクライブユニットを、前記基板に沿って水平第1方向に相対的に移動させる走査機構と、
    (d) 前記載置保持部に載置・保持される前後にスクライブ線の形成時に前記基板を、前記水平第1方向と交差する水平第2方向に相対的に移動させる搬送機構と、
    を備え、
    前記複数のスクライブユニットのうち、隣接する2つのスクライブユニットを第1および第2着目スクライブユニットとする場合において、
    前記第1および第2着目スクライブユニットが、前記搬送機構により前記水平第2方向に相対的に移動させられることによって、
    前記第1および第2着目スクライブユニットの前記カッターホイールのそれぞれは、前記基板の同一加工面上に設定されており、前記水平第2方向に延びる対応のスクライブ予定ラインを、同時に転動し、
    前記第1および第2着目スクライブユニットのうち、少なくとも1つは、
    (b-2) 前記水平第1方向と略平行な方向に前記カッターホイールを移動させるシフト機構、をさらに備えることを特徴とする基板加工装置。
  3. 複数のスクライブユニットにより、基板上に設定された複数のスクライブ予定ラインにしたがった加工を実行する基板加工方法であって、
    前記複数のスクライブユニットは、
    対応するスクライブ予定ラインに沿って転動するカッターホイール、を備えるとともに、
    前記複数のスクライブユニットのうち、隣接する2つのスクライブユニットを第1および第2着目スクライブユニットとする場合において、
    (a) 前記第1及び第2着目スクライブユニットのうち、少なくとも1つに含まれる前記カッターホイールを、前記水平第1方向と交差する水平第2方向に移動させる工程と、
    (b)前記第1および第2着目スクライブユニットを、水平第1方向に相対的に移動させる工程と、
    (c) 前記第1および第2着目スクライブユニットの前記カッターホイールのそれぞれによって、前記水平第1方向に延びる2本以上の複数のスクライブラインを、同時に形成する工程と、を備えることを特徴とする基板加工方法。
  4. 複数のスクライブユニットにより、基板上に2本以上の複数のスクライブラインを形成する基板加工方法であって、
    前記複数のスクライブユニットは、
    対応するスクライブラインを形成するカッターホイール、
    を備えるとともに、
    前記複数のスクライブユニットのうち、隣接する2つのスクライブユニットを第1および第2着目スクライブユニットとする場合において、
    (a) 前記第1および第2着目スクライブユニットのうち、少なくとも1つに含まれる前記カッターホイールを水平第1方向と略平行な方向に移動させる工程と、
    (b) 前記第1および第2着目スクライブユニットを水平第2方向に相対的に移動させる工程と、
    (c) 前記第1および第2着目スクライブユニットの前記カッターホイールのそれぞれは、前記基板の同一加工面上に設定されており、前記水平第2方向に延びる複数のスクライブラインを、略同時に形成する工程と、
    を備えることを特徴とする基板加工方法。
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