JP5542976B2 - 貼り合せ基板スクライブ加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の単位表示パネルが形成されたマザー基板(貼り合せ基板、貼り合せマザー基板ともいう)を分割し、単位表示パネルを1つずつ取り出す基板加工システムの貼り合せ基板スクライブ加工装置に関する。本発明の基板加工システムは、具体的には液晶表示パネル等の製造工程で利用される。
液晶表示パネル製造用のマザー基板は、複数のカラーフィルタがパターン形成された側の第一基板(CF側基板ともいう)と、複数のTFTおよび端子領域がパターン形成された側の第二基板(TFT側基板ともいう)とを、液晶を封入するシール材を挟んで貼り合わせてある。このとき、第二基板はTFTや端子領域が形成された基板面が第一基板との接合面となるように貼り合わせてある。
第二基板の端子領域は、TFTと外部機器との間で信号線が接続される領域であることから露出させる必要がある。そのため、マザー基板を単位表示パネルごとに分割する際に、端子領域に対向する第一基板(CF側基板)の部位を端材として除去する。具体的には、TFTが接続される側とは逆側になる端子領域の外側端に沿って第二基板側を分断し、さらに、端子領域の外側端から信号線を取り付けるために必要な幅(端子幅)だけ内側に入った位置で第一基板を分断する。これにより、端子領域に対向する第一基板の部位を端材として切除するようにしている。
一般に、マザー基板を単位表示パネルごとに分割する工程では、カッターホイールを用いた分断方法が利用されている。その場合、マザー基板を構成する2枚の基板(CF側基板とTFT側基板)のそれぞれに対し、分断予定位置にカッターホイールを圧接して各基板にスクライブ溝を刻む。次いでスクライブ溝に沿って、力を加えてブレイクしたり(メカニカルブレイク)、加熱蒸気を加えてブレイクしたり(スチームブレイク)することにより、マザー基板を単位表示パネルごとに完全分断する。そして分割された1つ1つの単位表示パネルを、搬出ロボット(基板搬出装置)により後工程に移送する。
これら一連の基板加工をマザー基板の上下二面に対し同時に行うようにして、基板を反転させることなく加工する基板加工システム(基板分断システム)や基板加工方法が開示されている(特許文献1、特許文献2参照)。これらの文献によれば、上下一対のカッターホイールを用いて、マザー基板を上下方向から二面同時にスクライブする。次いでスチームブレイク装置またはローラブレイク装置により二面同時にブレイクを行い、単位表示パネルごとに分割する。そして形成された単位表示パネルを1つずつ取り出して後工程に送るようにしている。
また、マザー基板から液晶表示パネルを取り出すトランスハンド(基板搬出装置)の縁部にスチーム発生器とプッシャを設けておき、二次ブレイクを行うことが開示されている(特許文献3参照)。この文献によれば、上下二面に対するスクライブ、および、一次ブレイク(スチームブレイク)の後、トランスハンドによって液晶表示パネルを取り出す前に、トランスハンドのスチーム発生器およびプッシャを作動して液晶表示パネルから周辺のダミーガラスを上下二面同時に完全に分離することが開示されている。
一方、この文献では、端面が揃っていない端子領域に対して、この二次ブレイクが適用できるかについては言及されていない。
液晶表示パネルでは、近年ますます大画面化が求められ、そのために単位表示パネルについても大面積化が求められている。また、1つのマザー基板を分割して複数の単位表示パネルを形成する際に、基板の一部が端材として廃棄されるが、廃棄される端材量を減らしてマザー基板を有効利用することが求められている。そのため、マザー基板上にカラーフィルタ(CF)、TFT、端子領域を形成する際に、隣接する単位表示パネル間に形成される端材領域が最小となるように基板レイアウトを考慮している。
図18、図19は端材発生量を抑えた液晶表示パネル用マザー基板の基板レイアウト例を示す図(平面図、正面図、右側面図)である。マザー基板は第一基板G1(CF側基板)と第二基板G2(TFT側基板)とを貼り合わせた構造をしている。これらの例では、マザー基板上に合計8個の単位表示パネルUが配置してある。このうち図18(a)のマザー基板は、隣り合う二辺の周縁に端子領域Tが形成された二端子パネルが配置してある。図18(b)のマザー基板は、三辺の周縁に端子領域Tが形成された三端子パネルが配置してある。図18(c)のマザー基板は、一辺の周縁に端子領域Tが形成された一端子パネルが配置してある。また、図19のマザー基板は、四辺の周縁に端子領域Tが形成された四端子パネルが配置してある。端子領域Tが形成される辺の数は、単位表示パネルUに含まれる画素数に応じて選択される。
上述した基板レイアウトでは、第二基板G2(TFT側基板)は、隣接する単位表示パネルUとの間で端材が発生しないように、直接、各単位表示パネルUどうしが接するように配置してある。したがって第二基板G2については、マザー基板の外周部分だけが端材として発生する。一方、第一基板(CF側基板)は、マザー基板Uの外周部分とともに、第二基板G2の端子領域Tに対向する領域が端材として発生する。図18、図19において端材となる部分をハッチングで示す。
ここで図18に示した一端子パネル、二端子パネル、三端子パネルに着目する。図20は隣接する単位表示パネルの断面の一部分を示す模式図である。これらの基板レイアウトでは、少なくとも一対の隣接する単位表示パネルU1、U2間で、一方の単位表示パネルU1における端子領域Tの外側端面L1(第二基板G2のみの端面)と、他方の単位表示パネルU2において端子領域Tが設けられていない非端子面L2(第一基板G1と第二基板G2とが同一端面)とが接するように単位表示パネルU1、U2が配置されることになる。なお、そのような関係になる単位表示パネルの境界の具体例を、図18において、「○」印で示しておく(後述するが、本明細書では特定境界と呼ぶ)。
マザー基板を分割する際に、上記の単位表示パネルU1と単位表示パネルU2との境界(特定境界)では、3つのスクライブ溝を加工することにより、2つのカット面が形成される。すなわち、単位表示パネルU2側の非端子面L2に沿って、第二基板G2と第一基板G1とに対し、それぞれの端面が揃うようにスクライブ溝(第二スクライブ溝、第三スクライブ溝)が形成される。このスクライブ溝による1つのカット面をジャストカット面Caという。ジャストカット面Caは単位表示パネルU1と単位表示パネルU2とを完全分離する面である。ジャストカット面Caから端子幅Wa(図18)だけ離れた位置(単位表示パネルU1の端子領域Tの内側端に対向する第一基板G1の位置)に、第一基板G1側だけにスクライブ溝(第一スクライブ溝)が形成される。このスクライブ溝によるカット面を端子カット面Cbという。端子カット面Cbは端子領域Tの端子面を露出するために分断されるカット面である。そしてジャストカット面Caと端子カット面Cbとの間の第一基板G1に、端材Eが発生する。
図21は、図20で示した単位表示パネルU1、単位表示パネルU2、端材Eについて、スクライブ加工とブレイク処理とが行われた後の3種類の分離状態を示す図である。
図21(a)では、端材Eが単位表示パネルU1、U2から完全分離しており、いずれの単位表示パネルU1、U2もそのまま良品とされる分離状態である。この状態に分離された単位表示パネルU1、U2は、そのまま後工程に移送される。
図21(b)は、端材Eが単位表示パネルU2から分離できておらず、ジャストカット面Ca側に付着し、単位表示パネルU1だけが完全分離した状態である。このときは単位表示パネルU1については良品としてそのまま後工程に移送されるが、単位表示パネルU2については、端材Eを分離する追加のブレイク処理を行って良品化してから後工程に移送することになる。
図21(c)は、端材Eが単位表示パネルU1から分離できておらず、端子カット面Cb側に付着し、単位表示パネルU2だけが完全分離した状態である。このときは単位表示パネルU2については良品としてそのまま後工程に移送されるが、単位表示パネルU1については端材Eを分離する追加のブレイク処理を行って良品化してから後工程に移送することになる。
実際の製造工程では、できるだけ端材Eが完全分離した状態(図21(a))に加工されるように基板加工システムを調整しているが、それでも不定期に、端材Eがジャストカット面Caに付着した状態(図21(b))、あるいは端子カット面Cbに付着した状態(図21(c))になる場合が発生する。したがって、端材Eがジャストカット面Caに付着した状態であっても、端子カット面Cbに付着した状態であっても、追加のブレイク処理を行って良品化する必要がある。
この場合のブレイク処理(二次ブレイク)として、スチーム発生器とプッシャとによって、端面を二面同時に完全分離させる方法(特許文献3参照)を適用することが考えられる。しかしながら、段差が形成されている端子領域に対して適用することになるため、そのまま採用することは困難である。例えば、端材Eが端子カット面Cbに付着した状態(図21(c))に対して、この方法を適用しても、端材Eをプッシャで押圧することができず、加熱蒸気を直接端材Eに噴霧することもできないため、完全分離することは困難である。
そこで、それぞれの付着状態に対応した二種類のブレイク機構を別途に用意し、2種類の付着状態のいずれであるかを判定し、端材Eの付着状態に応じてブレイク機構を選択し、追加のブレイク処理を行う必要がある。
一方、常に端材Eをジャストカット面Ca(図21(b))に付着させるか、あるいは常に端材Eを端子カット面Cb(図21(c))に付着させるようにして、次の工程で、単一種のブレイク機構を用いて確実に端材Eを分離するようにする分割方法が開示されている(特許文献4参照)。
この文献に記載された分割方法によれば、カッターホイール(あるいはレーザ)でスクライブ加工する際に、まず、第一基板G1(CF側基板)について加工し、次いで上下反転して第二基板G2(TFT側基板)について加工を行う。その際、例えば図22に示すように、第一基板G1の端子カット面Cbに対するスクライブを強い押圧力P1で行う。そして第一基板G1のジャストカット面Caに対するスクライブをP1より弱い押圧力P2で行う。さらに第二基板G2のジャストカット面Caに対するスクライブを強い押圧力P1で行う。このようにしてスクライブに強弱を与えることにより、スクライブ溝の深さが調整され、端材Eを常にジャストカット面Ca側に付着させた状態でブレイクされるようにすることができる。その結果、一種類のブレイク機構を用意するだけで効率よく端材Eを除去できるようになる。
同様に、端材Eを常に端子カット面Cb側に付着させた状態でブレイクされるようにする場合は、例えば図23に示すように、第一基板G1のジャストカット面Caに対するスクライブを強い押圧力P1で行う一方、第一基板G1の端子カット面Cbに対するスクライブ加工をP1より弱い押圧力P2で行う。また、第二基板G2のジャストカット面Caに対するスクライブを強い押圧力P1で行う。この場合も一種類のブレイク機構を用意するだけで効率よく端材Eを除去できるようになる。
WO2005/087458号公報 WO2002/057192号公報 特開2007−183550号公報 特開2008−56507号公報
マザー基板が大面積化するにつれて、スクライブ加工の途中で、マザー基板を上下反転することが困難になる。特に各基板の板厚Wt(図18参照)が1mm以下まで薄くなると(例えば0.05〜0.7mm)、基板が割れやすくなるため、基板反転は避けたい。したがって、第一基板(CF側基板)と第二基板(TFT側基板)とを、加工途中に反転して両側基板を加工する特許文献4に記載されるような方法は困難となる。それゆえ、基板を反転する必要がない特許文献1〜特許文献3に記載されたような、上下方向から基板の加工を行う上下基板加工システムを採用することが必要になる。
上下基板加工システムを採用した場合、マザー基板から単位表示パネルを取り出すとき、マザー基板の下側には基板支持装置や搬送装置があるため、一般的には、単位表示パネルは吸着パッドによりマザー基板の上側に引き離すようにして取り出されることになる(特許文献1〜特許文献3参照)。
ところで、単位表示パネルの大面積化に伴い、端子領域として露出させる部分の幅である端子幅Wa(図18参照)を従来よりもさらに小さくすることが求められている。具体的にはこれまで端子幅Waは10mm程度であったが、これを1mm〜3mm程度にまで小さくすることが求められている。このような基板レイアウトになった場合でも、端材を確実に分離するために、スクライブ溝の深さが調整された状態で分割する特許文献4に記載の分割方法(図22、図23)を採用して、後から不要の端材を除去することが考えられる。しかし、端子幅Waが小さくなると、この分割方法を採用しても良品化できない場合がある。
すなわち、端材Eが端子カット面Cb側に付着した状態(図23)では、端材Eは単位表示パネルと一体となって、全体で直方体をなした状態に切り出されることになり、端材Eだけを把持するための突出部分がなくなる。また、端子幅Waが1mm〜3mmになると、端材Eだけを吸着パッドで引き離す(特許文献2参照)ことも困難になる。そのため、一旦、端子カット面Cb側に付着してしまうと、端子カット面Cbから端材Eを分離することが困難であり、不良品として廃棄せざるを得なくなる。
一方、端材Eがジャストカット面Ca側に付着した状態(図22)では、端子幅Waが小さくなった場合であっても、端材Eの一部が1mmだけでも突き出していることから、この部分だけを把持することができる。また端材Eのみに対して分離に必要なせん断力や曲げモーメントを加えることができるので、後から追加のブレイク処理を行うことにより、ジャストカット面Caから端材Eを分離することができる。
以上のことから、大面積のマザー基板から、端子領域の端子幅Waを狭くした単位表示パネルを加工しようとすれば、基板を反転する必要がない上下基板加工システムを用いるとともに、常に端材Eが端子カット面Cb側に付着されない(付着する場合でもジャストカット面Ca側に付着する)基板加工方法(図22)を採用することが望ましいことになる。
しかしながら、この方法を用いた場合に別の問題が生じる。端材Eがジャストカット面Ca側に付着した状態は、図22(中段の図)に示すように、端材Eがジャストカット面Caの外側に突き出ることになる。このとき右側の単位表示パネルU2(図中ハッチングで示す単位表示パネル)よりも先に、左側の単位表示パネルU1(図中一点鎖線で示す単位表示パネル)を取り出そうとして、単位表示パネルU1を第一基板G1側に引き離そうとすると、単位表示パネルU1の端子領域が端材Eと衝突して押圧することになる。このとき端材Eが単位表示パネルU2側のジャストカット面Caにしっかり付着していると、端子領域を損傷するおそれがある。
既述のように、上下基板加工システムでは、単位表示パネルが吸着パッドによりマザー基板の上側に引き離すようにして取り出すことが一般的であるのでこのような問題が発生する。
そこで、本発明は、第一に、反転することが困難な大面積のマザー基板に形成された単位表示パネルを、安定かつ確実に取り出すことができる基板加工システムのための貼り合せ基板スクライブ加工装置を提供することを目的とする。
また、第二に、単位表示パネルの端子領域の端子幅が狭くなっても、端子領域を覆う部分の端材が端子カット面側に付着した不良品が全く発生せず、端材が完全に分離するか、万一、完全分離できなかった場合でも、後から確実に端材を除去して良品化できる基板加工システムのための貼り合せ基板スクライブ加工装置を提供することを目的とする。
また、第三に、マザー基板に配置された単位表示パネルを、端子領域が損傷することがないように取り出すことができる基板加工システムのための貼り合せ基板スクライブ加工装置を提供することを目的とする。
本発明は、貼り合せ基板からなるマザー基板を分割して単位表示パネルを取り出す際に、単位表示パネルから端材領域が完全に分離することができなかったとしても、追加のブレイク処理で端材領域が確実に分離されるようにした基板加工システムにおいて利用できる貼り合せ基板スクライブ加工装置である。
本発明では、加工対象のマザー基板は、第一基板と第二基板とを貼り合わせた構造を有している。そして、それぞれ形状が同一でかつ方形である複数の単位表示パネルが、マザー基板に互いに隣接するようにして並べて形成されている。
方形の各単位表示パネルは、四辺の周縁のうち、一辺の周縁、または、隣り合う二辺の周縁、または、三辺の周縁に、第二基板側が第一基板側よりも突出した段差が形成されることにより端子領域が設けられている。また、端子領域が設けられない残りの周縁に、第一基板と第二基板とが同一端面となる非端子面が形成されている。また、端子領域に対向する第一基板の部位に単位表示パネルから切除される端材領域が設けられている。
さらに各単位表示パネルは、隣接する単位表示パネルの少なくとも一つとの境界で、一方の単位表示パネルの端子領域と、他方の単位表示パネルの非端子面とが面接するように配置されるようにしてある。この境界を、他の形態の境界と区別するために「特定境界」と呼ぶ。
本発明の貼り合せ基板スクライブ加工装置が利用できる基板加工システムは、上記レイアウトで単位表示パネルが配置されているマザー基板を、第二基板が上側、第一基板が下側になるように支持した状態で単位表示パネルごとに分割し、1つずつ取り出す基板加工システムであり、以下に示す(a)から(e)の構成を備えている。このうち、本発明の貼り合せ基板スクライブ加工装置は、(a)と(b)とからなるものである。
(a)第一基板に向けた第一カッターホイールと、第二基板に向けたバックアップローラおよび第二カッターホイールとを備え、第一カッターホイールと第二カッターホイールとを組み合わせて、または、バックアップローラと第一カッターホイールとを組み合わせて第一基板と第二基板とを両側から圧接してスクライブ加工を行うスクライブ装置
(b)特定境界(一方の単位表示パネルの端子領域と、他方の単位表示パネルの非端子面とが面接する境界)をスクライブ加工する際に、端子領域が面接する側の単位表示パネルの端子領域に対向する第一基板の部位の内側端に第一スクライブ溝を形成し、非端子面が面接する側の単位表示パネルの第二基板側の非端子面に第二スクライブ溝を形成し、第一基板側の非端子面に前記第一スクライブ溝および前記第二スクライブ溝より浅い第三のスクライブ溝を形成するようにスクライブ装置を制御するスクライブ装置制御部
(c)吸着部材を備え、スクライブ加工された単位表示パネルの第二基板に吸着してマザー基板から取り出すパネル搬出装置
(d)前記特定境界を挟んで面接する一対の単位表示パネルを取り出す際に、端子領域が面接する側の単位表示パネルを非端子面で面接する側の単位表示パネルよりも優先的に取り出すパネル搬出装置制御部
(e)フックとプッシャとを備え、パネル搬出装置に取り付けられ、マザー基板から取り出した単位表示パネルの第一基板側の端部に第三スクライブ溝を挟んで端材領域が付着している場合に端材領域に対し前記フックを掛けるとともに前記プッシャを押圧して第三スクライブ溝を広げる方向の曲げモーメントを加えて端材領域を分断させる補助ブレイク装置
本発明の貼り合せ基板スクライブ加工装置によれば、まず、スクライブ装置制御部がスクライブ装置を制御することにより、マザー基板のスクライブ加工を行う。このスクライブ加工において、一方の単位表示パネルの端子領域と他方の単位表示パネルの非端子面とが面接する境界(特定境界)をスクライブ加工する際に、端子領域が面接する側の単位表示パネルの端子領域に対向する第一基板の部位の内側端に第一スクライブ溝を形成する。また、非端子面が面接する側の単位表示パネルの第二基板側の非端子面に第二スクライブ溝を形成する。また、第一基板側の非端子面に対し、第一スクライブ溝および第二スクライブ溝より浅い第三スクライブ溝を形成する。このように、加工するスクライブ溝の深さに差異を設けることで、端材領域が完全に分離できなかったときに、端材領域がジャストカット面側(第三スクライブ溝の位置)に付着するようにし、後のブレイク処理で端材領域が簡単かつ確実に分離できるようにする。すなわち、端材領域が完全分離できなかった場合でも、追加で行うブレイク処理によっても分離が困難になってしまう端子カット面側(第一スクライブ溝の位置)には決して端材領域が付着しないようにすることができる。
続いて、パネル搬出装置制御部がパネル搬出装置を制御することにより、スクライブ加工済みの単位表示パネルの第二基板に吸着部材を吸着させてマザー基板から取り出す。このとき、特定境界を挟んで面接する一対の単位表示パネルを取り出す際に、端子領域が面接する側の単位表示パネルを非端子面で面接する側の単位表示パネルよりも優先的に取り出す。この優先順は、マザー基板に形成されているすべての単位表示パネルに対して適用される。端子領域が含まれる第二基板側が上面となるように配置してあるので、端子領域が面接する側の単位表示パネルを先に上方向に引き離すことで、端材領域と衝突しなくなり、単位表示パネルを問題なく取り出すことができる。
このとき端材領域は、隣接する単位表示パネルのジャストカット面側(第三スクライブ溝の位置)に付着するか、引き離しの際の振動・衝撃で両側の単位表示パネルから完全分離するようになる。
続いて、パネル搬出装置に取り付けられた補助ブレイク装置のフックとプッシャとを作動する。マザー基板から単位表示パネルを取り出す際に、単位表示パネルの第一基板側の端部(第三スクライブ溝の位置)に端材領域が付着している場合に、この端材領域に対しフックを掛けるとともにプッシャを押圧し、第三スクライブ溝が広がるように曲げモーメントを与えて端材領域を単位表示パネルから分断させる。これにより端材領域を完全に切除する。
本発明の貼り合せ基板スクライブ加工装置によれば、加工するスクライブ溝の深さに差異を設けることで、端材領域が完全に分離できなかったときに、端材領域がジャストカット面側(第三スクライブ溝の位置)に付着するようにし、後のブレイク処理で端材領域が簡単かつ確実に分離できる。すなわち、端材領域が完全分離できなかった場合でも、追加で行うブレイク処理によっても分離が困難になってしまう端子カット面側(第一スクライブ溝の位置)には決して端材領域が付着しないようにすることができる。
また、本発明の貼り合せ基板スクライブ装置を利用した基板加工システムによれば、大面積のマザー基板であっても、基板を反転させる必要がなく、安定かつ確実に単位表示パネルを取り出すことができる。
また、単位表示パネルの端子領域の端子幅が狭くなっても、端子領域を覆う部分の端材領域が端子カット面側に付着することがなくなり、端材領域を単位表示パネルから確実に除去することができる。
さらに、マザー基板に配置されたすべての単位表示パネルが端材領域と衝突することがなくなり、端子領域を損傷させることなく取り出すことができる。
(その他の課題を解決するための手段及び効果)
上記発明において、スクライブ装置制御部は、第一カッターホイールと第二カッターホイールとの組み合わせにより第一スクライブ溝と第二スクライブ溝とを先に形成し、次いで、バックアップローラと第一カッターホイールとの組み合わせにより第三スクライブ溝を形成するスクライブ制御を行うようにしてもよい。
すなわち、強くスクライブする必要がある第一スクライブ溝(第一基板の端子カット面)および第二スクライブ溝(第二基板のジャストカット面)を、第一回目のスクライブ加工で先に形成する。第一回目のスクライブ加工では、基板に応力が発生していないので、いずれのスクライブ溝も深く形成することができる。なお、この場合は、一対のカッターホイールを、上下にまっすぐに対向させた状態で圧接するのではなく、端子幅の長さだけ離れた位置で圧接することになるが、端子幅は短いので影響はほとんどない。
続いて、第二回目のスクライブ加工で、第三スクライブ溝(第一基板のジャストカット面)をスクライブする。単位表示パネルの場合、上下の基板を貼り合わせるシール材がスクライブ溝を形成する位置の近傍に存在する。基板に第一回目のスクライブによるスクライブ溝が形成されたとき、このシール材の存在により、このスクライブ溝とシール材とに挟まれた領域に圧縮応力が発生するようになる。そして第二回目のスクライブ加工はこの圧縮応力が発生した領域に第三スクライブ溝を形成することになる。したがって、第三スクライブ溝は圧縮応力を受けた状態でスクライブされることになり深いスクライブ溝を形成することは困難になるが、元々、第一、第二スクライブ溝よりも浅くスクライブすることを予定しているスクライブ溝なので、第一、第二、第三スクライブ溝を好ましい溝深さにした加工ができる。
上記発明において、第三スクライブ溝を形成する際に、バックアップローラは先に形成された第二スクライブ溝の隣接位置を圧接するようにしてもよい。
これにより、先に形成された第二スクライブ溝を傷つけることなく、バックアップローラで第二基板側を支持しながら第三スクライブ溝を形成することができる。
本発明の一実施形態である基板加工システムの全体構成を示す斜視図。 図1の基板加工システムのA視斜視図。 図1の基板加工システムの平面図。 図3のB−B’断面図。 図3のC−C’断面図。 図3のD−D’断面図。 図3のE−E’断面図。 図3のF−F’断面図。 図1の基板加工システムの制御系を示すブロック図。 スクライブ加工の基本的な手順を示すフローチャート。 スクライブ加工の加工工程を示す模式図。 マザー基板をY方向にスクライブする時の加工順を示す図。 マザー基板をX方向にスクライブする時の加工順を示す図。 マザー基板をY方向にスクライブする時の加工順を示すフローチャート。 搬出ロボットがマザー基板から単位表示パネルを取り出す順序を示す図。 マザー基板から得られた単位表示パネルに付着する端材の状態を示す図。 補助ブレイク装置によるブレイク動作を示す図。 マザー基板の基板レイアウトを示す図(一端子パネル、二端子パネル、三端子パネル)。 マザー基板の基板レイアウトを示す図(四端子パネル)。 隣接する単位表示パネル間の断面の一部分を示す図。 隣接する単位表示パネル間の3種類の分離状態を示す図。 従来のマザー基板の端子加工を示す図。 従来のマザー基板の端子加工を示す図。
本発明の一実施形態である貼り合せ基板スクライブ加工装置と、これを利用した基板加工システムについて、図面に基づいて説明する。この基板加工システムは、液晶表示パネルの製造工程において、前工程から搬入されたマザー基板を単位表示パネルごとに分割し、分割された単位表示パネルを1つずつ取り出して後工程に搬出するときに使用される。
(基板加工システム)
最初に基板加工システムの全体構成について説明する。
図1は本発明の一実施形態である基板加工システム1の全体構成を示す斜視図である。図2は図1のA視斜視図(後述する架台10を除く)である。図3は基板加工システム1の平面図(後述するフレーム11、支柱14を除く)である。図4は図3のB−B’断面図、図5は図3のC−C’断面図、図6は図3のD−D’断面図、図7は図3のE−E’断面図、図8は図3のF−F’断面図である。
ここでは、単位表示パネルがX方向に2列、Y方向に4列並んだマザー基板90を加工する場合を説明する。なお、説明で用いるXYZ方向については図中に示す。
まず、システムの全体構造について説明する。
基板加工システム1は、基板搬入側1Lから基板搬出側1Rに向けて、Y方向にマザー基板90が搬送されていき、その途中でスクライブ加工やブレイク処理が行われるようにしてある。
マザー基板90(貼り合せ基板)は上側が第二基板G2(TFT側基板)、下側が第一基板G1(CF側基板)となるように載置される。
基板加工システム1は、中空の架台10、メインフレーム11、支柱14により骨組構造が形成される。架台10の上方には、マザー基板90を支持するための基板支持装置20が配置される。基板支持装置20は、第一基板支持部20Aと第二基板支持部20Bとからなる。第一基板支持部20Aと第二基板支持部20Bとの中間位置に、スクライブ装置30が配置される。なお、本発明の貼り合せ基板スクライブ加工装置は、スクライブ装置30と後述するスクライブ装置制御部152とにより構成される。
図4(図3のB−B’断面)に示すように、第一基板支持部20Aは、X方向に並んだ5台の支持ユニット21で構成される。第二基板支持部20Bも同様の構成である。各支持ユニット21は、それぞれスクライブ装置30に近い側で、架台10に固定される。各支持ユニット21の上面にはタイミングベルトが周回移動するようにしてあり、後述するクランプ装置50と連動してマザー基板90を送る。
スクライブ装置30は、上部ガイドレール31および下部ガイドレール32が設けられ、上部ガイドレール31にはX方向に移動可能に取り付けられる上部スクライブ機構60、下部ガイドレール32にはX方向に移動可能に取り付けられる下部スクライブ機構70がそれぞれ取り付けてある。
図5(a)(図3のC−C’断面)に示すように、上部スクライブ機構60は、昇降機構61、回転機構62、X軸駆動機構63からなる。昇降機構61には、第二カッターホイールW2とバックアップローラW3(図5(b)参照)とがY方向に並べて取り付けられ、第二カッターホイールW2とバックアップローラW3とが独立に昇降するようにしてある。回転機構62は、第二カッターホイールW2の刃先方向およびバックアップローラW3の押圧方向をY方向とX方向とに切り換える。X軸駆動機構63は、第二カッターホイールW2およびバックアップローラW3のX方向の位置を調整する。また、X方向のスクライブ加工の際にこれらを駆動する。
昇降機構61および回転機構62は、第二カッターホイールW2またはバックアップローラW3のいずれかを選択して基板に圧接することができ、また、移動方向をY方向またはX方向に向けることができるようにしてある。バックアップローラW3は、後述する第一カッターホイールW1と対になって使用され、第一カッターホイールW1で下側基板(第一基板)だけスクライブするときに、上側基板(第二基板)面を押圧するようにして用いられる。
下部スクライブ機構70は、昇降機構71、回転機構72、X軸駆動機構73からなる。昇降機構71には第一カッターホイールW1が取り付けてあり、これを昇降する。回転機構72は、第一カッターホイールW1の刃先方向をY方向とX方向とに切り換える。X軸駆動機構73は、第一カッターホイールW1のX方向の位置を調整する。また、X方向のスクライブ加工の際に第一カッターホイールW1を駆動する。
具体的なスクライブ加工の手順については後述する。
基板支持装置20の基板搬入側1L側には、図1または図2に示すように、マザー基板90の基板搬入側の端部(マザー基板90の後端)をクランプするクランプ装置50が配置される。クランプ装置50は、一対のクランプ具51(51L、51R)、クランプ具51を昇降させる昇降機構55(55L、55R)、移動ベース57からなり、マザー基板90をクランプした状態でY方向に移動する。このクランプ装置50はリニアモータ機構58により駆動される。そして支持ユニット21の間隙および下方を移動して、マザー基板90をクランプした状態のまま、マザー基板90の後端がスクライブ装置30を通過できるようにしてある。クランプ具51Lおよびクランプ具51Rは、それぞれマザー基板90に形成された単位表示パネルの左側の列、右側の列をクランプするようにしてあり、Y方向に沿って基板中央を分断した後でも左右に分割されたマザー基板90を各列ごとに支持でき、Y方向に送ることができるようにしてある。
基板支持装置20の基板搬出側1Rには、図6(図3のD−D’断面)に示すように、送られてくるマザー基板90に対し、加熱蒸気を上から吹き付ける上部スチームユニット101、下から吹き付ける下部スチームユニット102を備えたスチームブレイク装置100が配置される。スチームブレイク装置100から吹き付ける加熱蒸気の間を、スクライブ加工されたマザー基板90が通過することにより、マザー基板90は膨張し、主としてマザー基板のX方向に対する積極的なブレイク処理が行われる。スチームブレイク装置100は、リニアモータ機構130(図1参照)によりY方向に移動できるようにしてある。
スチームブレイク装置100の基板搬出側1Rの位置には、図7(図3のE−E’断面)に示すように、送られてくるマザー基板90に対し、基板上に形成されたY方向のスクライブ溝の隣接位置に沿ってブレイクローラ111〜113を押圧し、基板のY方向に対するブレイク圧(曲げモーメント)を与えて積極的にブレイク処理するローラブレイク装置110が配置される。ローラブレイク装置110は、リニアモータ機構130によりY方向に移動できるようにしてある。ブレイクローラ111〜113の押圧位置をスクライブ溝の直上から外すのは、カット面に傷がつかないようにするためである。なお、X方向とともにY方向についてもスチームブレイク装置にすることも可能であるが、その場合はY方向に沿ったスチームユニットを別途に取り付けることになるので、Y方向にローラブレイク装置を用いる場合よりもシステムの設置スペースが大きくなる。
スチームブレイク装置100およびローラブレイク装置110は、スクライブ装置30によって単位表示パネルごとにスクライブ加工されたマザー基板を、単位表示パネルごとに完全分断する装置であり、これらを通過した段階で、単位表示パネルは、通常は1つ1つが完全に分離され、また、端材領域も完全に分離された状態で送り出される。ただし、実際には、一部の単位表示パネルについては、端材領域が分離されずに送り出されることもありうる。したがって、そのような場合に備えて、次の基板搬出装置で追加のブレイク装置(補助ブレイク装置)を備えるようにしている。
ローラブレイク装置110の基板搬出側1Rの位置には、図8(図3のF−F’断面)に示すように、マザー基板90から単位表示パネルを1つずつ取り出して後工程に送るパネル搬出装置120が配置される。パネル搬出装置120には、上部ガイドレール121が設けられ、上部ガイドレール121にはX方向に移動可能な搬出ロボット80が取り付けてある。基板搬出装置120は、リニアモータ機構130(図1)によりY方向に移動できるようにしてある。
搬出ロボット80は、吸着パッド82が取り付けられたプレート83と、プレート83をXY面で回転させる回転機構84と、プレート83をZ方向に昇降させる昇降機構85と、X軸駆動機構86とを有する。そして搬出ロボット80は、マザー基板90から分断された単位表示パネルの1つを吸着して上方に引き離す。さらに引き離された単位表示パネルを回転しながらX軸方向に移動し、さらにリニアモータ機構130によりY方向に移動し、1つずつ搬出する動作を行う。マザー基板90に含まれる複数の単位表示パネルを1つずつ取り出すときの具体的な手順については後述する。搬出された単位表示パネルは後工程(不図示)に受け渡され、次の加工が行われる。
搬出ロボット80のプレート83には、さらに、搬出中の単位表示パネルに端材Eが付着している場合に、これを除去するための補助ブレイク装置140であるフック87およびプッシャ88を備えている。フック87は、プレート83に固定された支軸を中心にして回動できるようにしてあり、吸着パッド82によって単位表示パネルがマザー基板から引き離されたときに、単位表示パネルの下面側に回り込んで、単位表示パネルの端部に付着する端材と接するようにしてある。プッシャ88は、フック87が端材に接しているときに、上方から下方に向けて押圧するようにしてある。具体的なフック87とプッシャ88とによる端材Eのブレイク処理の手順については後述する。
(制御系)
次に、基板加工システムの制御系について説明する。図9は基板加工システム1の制御系の概略構成を示すブロック図である。制御部150はCPU、メモリ、入力装置、出力装置を備えたハードウェアと、種々の処理を実現するためのプログラム(ソフトウェア)とからなるコンピュータ装置で構成される。
制御部150を制御対象ごとに分類すると、搬送制御部151、スクライブ装置制御部152、ブレイク装置制御部153、パネル搬出装置制御部154からなる。
搬送制御部151は、基板支持装置20とクランプ装置50とを制御することにより、マザー基板90を基板搬入側1Lから基板搬出側1Rに向けて移動する制御を行う。
具体的には、搬入されたマザー基板90に、クランプ装置50のクランプ具51を装着し、マザー基板90の後方から押すようにして送る制御を行う。その際、基板支持装置20の各支持ユニット21上面にあるタイミングベルトを連動させることにより、大面積基板を安定して送ることができるように制御を行う。
また、Y方向に複数本のスクライブ溝を加工するときには、マザー基板90を前進、後退させることで、Y方向のスクライブ加工を複数回繰り返す制御を行う。
スクライブ装置制御部152は、上部スクライブ機構60と下部スクライブ機構70を同時に作動して、基板を両面同時にスクライブするか、または、片面だけスクライブする制御を行う。特に、特定境界(図18の「○」で示した境界)をスクライブ加工する際には、端子領域が面接する側の単位表示パネルの端子領域に対向する第一基板の部位の内側端に第一スクライブ溝を形成し、非端子面が面接する側の単位表示パネルの第二基板側の非端子面に第二スクライブ溝を形成し、第一基板側の非端子面に前記第一スクライブ溝および前記第二スクライブ溝より浅い第三のスクライブ溝を形成するように、スクライブ加工の制御を行う。
このような溝深さに大小をつける制御の具体的方法として、各スクライブ溝に対するスクライブ回数を制御することにより溝深さを調整したり(深い溝はスクライブ回数を増加させる)、スクライブの圧接力の制御により溝深さを調整したりする方法がある。
ここでは、溝深さを調整するための異なる制御方法として、スクライブの順序を規定する制御を行う。具体的には、第一カッターホイールと第二カッターホイールとの組み合わせにより第一スクライブ溝と第二スクライブ溝とを先に形成し、次いで、バックアップローラと第二カッターホイールとの組み合わせにより第三スクライブ溝を形成するスクライブ制御を行う。すなわち、基板に圧縮応力が働いていない第一回目のスクライブ加工で第一スクライブ溝と第二スクライブ溝とを先に加工し、深いスクライブ溝にする。続いて、スクライブ溝が形成されることにより圧縮応力が発生した状態で第二回目のスクライブ加工を行い、最初のスクライブ溝よりも浅い第三スクライブ溝を形成する。このようにして第三スクライブ溝の深さを第一、第二スクライブ溝よりも浅く形成する制御を行う。
ブレイク装置制御部153は、スチームブレイク装置100およびローラブレイク装置110を作動して、マザー基板90に形成されたX方向およびY方向のスクライブ溝に対するブレイク処理の制御を行う。
パネル搬出装置制御部154は、第一に、パネル搬出装置120の搬出ロボット80を作動して、スクライブ加工された単位表示パネルの第二基板に吸着パッド82を吸着し、マザー基板から取り出す制御を行う。このとき、特定境界を挟んで面接する一対の単位表示パネルを取り出す際に、端子領域が面接する側の単位表示パネルを非端子面で面接する側の単位表示パネルよりも優先的に取り出すことになるように、マザー基板から単位表示パネルを取り出す順序を制御する。具体的には、マザー基板90に配置される単位表示パネルのレイアウトに応じて優先順位が定まるので、それに基づいて、予め、取り出す順を入力設定しておくことで、搬出ロボット80が設定順に単位表示パネルを取り出す。
また、パネル搬出装置制御部154は、第二に、搬出ロボット80に付設されている補助ブレイク装置140(フック87、プッシャ88)を作動して、端材が単位表示パネルの端部に付着している場合に、これを除去する制御を行う。
次に、基板加工システム1による処理について説明する。本発明では、スクライブ加工、ブレイク処理、基板取り出し、補助ブレイク処理の各処理が行われる。これらについて順次説明する。
(スクライブ加工)
基板加工システム1を用いたマザー基板90についてのスクライブ加工の動作について説明する。スクライブ加工は、スクライブ装置30(図5)とスクライブ装置制御部152とからなる貼り合せ基板スクライブ加工装置とを用いて行われる。
マザー基板90から単位表示パネルを取り出す工程で、マザー基板に含まれる特定境界(図18の「○」で示した境界)において端材が完全分離できなかった場合に、端子カット面Cb側ではなくジャストカット面Ca側に端材を付着させる。そのために、スクライブ加工の際に、端材を付着させたい第一基板のジャストカット面Ca側を、付着させたくない端子カット面Cb側よりも浅いスクライブ溝となるようにする。
図10は、このようなスクライブ加工を行う際の基本的な加工手順を示すフローチャート、図11は加工工程を示す模式図である。
図11(a)に示すように、マザー基板90上の隣接する2つの単位表示パネルU1、U2の境界部分に、ジャストカット面Caと端子カット面Cbとに挟まれた端子領域Tが形成されている。端子領域Tの幅は1mm〜3mm程度である。この部分をカッターホイールで上下同時にスクライブ加工し、端子領域Tの貼り合せ面(第一基板G1と第二基板G2との接合面)を露出させる加工を行う。
マザー基板90から単位表示パネルU1を取り出す際に、搬送ロボット80が上側の基板面に吸着することから、第二基板G2(TFT側基板)を上側、第一基板G1(CF側基板)を下側に配置する。これは、単位表示パネルU1に吸着させて単位表示パネルU2から引き離すときに、端子領域T(第二基板G2側)が端材領域E(第一基板G1側)の上側にくるようにして、端材領域Eが単位表示パネルU2のジャストカット面Caに残るようにし、端子カット面Cbに付着されないようにするためである。
図11(b)に示すように、まず、上部スクライブ機構60の第二カッターホイールW2を、第二基板G2のジャストカット面Caに合わせる。また、下部スクライブ機構70の第一カッターホイールW1を、第一基板G1の端子カット面Cbに合わせる。そして、圧接力P1で両方同時に第一回目のスクライブを行い、第一基板G1の端子カット面Cbに第一スクライブ溝M1、第二基板G2のジャストカット面Caに第二スクライブ溝M2を形成する(S101)。このときは、加工を行う領域の近傍には応力が発生していないので、第一、第二スクライブ溝M1、M2を深く伸展させることができる。
第一回目のスクライブでスクライブ溝M1、M2が形成されると、その後のスクライブ溝M1、M2の近傍領域では、その両側がシール材S1、S2で固定されるとともにスクライブ溝M1、M2が広がる結果、近傍に圧縮応力が発生するようになる。
続いて、図11(c)に示すように、下部スクライブ機構70の第一カッターホイールW1を、ジャストカット面Caの位置に合わせる。また、上部スクライブ機構60のバックアップローラW3を、第二基板G2に合わせる。このときバックアップローラW3は、先にスクライブ溝M2が形成されたジャストカット面Caの位置から外れるように横に移動させて、スクライブ溝M2が傷つかないようにする。そして、第一回目の圧接力P1と同じかそれより弱い圧接力P2で第二回目のスクライブ加工を行い、第一基板のジャストカット面Caに第三スクライブ溝M3を形成する(S102)。
このとき、第一基板G1のジャストカット面Caでは、圧縮応力に抗しながらスクライブ加工が行われるので、スクライブ溝の伸展が阻害され、スクライブ溝M3は浅く形成される。スクライブ溝M3は、元々、端子カット面Cbのスクライブ溝M1より浅く形成する予定であったことから、好ましい深さのスクライブ溝が形成されるようになる。
その後、次工程でスチームブレイク(図6)およびローラブレイク(図7)によるブレイク処理を行うことにより、図11(d)に示すように、端材領域Eが第一基板の端子カット面Cb側に付着するのではなく、第一基板G1のジャストカット面Ca側に付着した状態で分離されることとなる。なお、端材領域Eが完全に分離されてもよいことは言うまでもない。
さらに、端材領域Eがジャストカット面Caに付着している場合は、後の工程で、フック87およびプッシャ88による追加のブレイク処理を行うことによって、ジャストカット面Caから確実に分離されることとなる。
以上は、1つの端子領域(特定境界)に対してスクライブ加工を行う場合について説明した。実際のマザー基板90では、複数の単位表示パネルが縦横に並んでいる。各単位表示パネルの周囲には、端子カット面Cbとジャストカット面Caとに挟まれた端子領域Tを有する特定境界だけではなく、その他の形態の境界も含まれる。
そのような場合、1つの境界ごとに加工するのではなく、複数の境界間で交互に加工するようにしてバランスよく加工することもできる。
図12は、二端子パネルとなる単位表示パネルがX方向に2列、Y方向に4列並んだマザー基板90について、Y方向にスクライブする例である。また、図13はX方向にスクライブする例である。
まず、先に加工するY方向のスクライブについて説明する。Y方向のスクライブでは、マザー基板90の後端がクランプ装置50にてクランプされることで、スクライブ加工後に、X方向に分離されないようにしてある。
Y方向については、図12に示すように、マザー基板90の中央部分に沿った端子領域Tが含まれる境界と、左端近傍の端子領域Tが含まれる境界と、右端近傍のジャストカット面Tが含まれる境界の3つの境界について、スクライブ加工が行われる。このうち、中央の境界が特定境界である。したがって、中央の特定境界の端子カット面とジャストカット面については加工順を考慮する必要がある。
図14は、Y方向の加工順を示すフローチャートである。
この場合、第一回目のスクライブ(Y1とする)を、中央の端子領域T(特定境界)に対して行う。すなわち第一基板G1の端子カット面と第二基板G2のジャストカット面とにスクライブを行う(S201)。その結果、第一スクライブ溝M1、第二スクライブ溝M2が形成される。続いて、第二回目のスクライブ(Y2とする)を、左端近傍の端子領域Tに対して行う(S202)。続いて、第三回目のスクライブ(Y3とする)を、右端近傍のジャストカット面Tに対して行う(S203)。なお、S202とS203とは入れ替えてもよい。そして、最後に第四回目のスクライブ(Y4とする)を、中央の端子領域T(特定境界)の第一基板G1のジャストカット面に対して行う(S204)。このときは第二基板G2のジャストカット面の横(図中、矢印に代えて十字印で位置を示す)を、バックアップローラW3で押圧しながらスクライブを行う。その結果、第三スクライブ溝M3が形成される。既述のように、第三スクライブ溝M3は、圧縮応力が加わった状態で形成されるので、第一スクライブ溝M1、第二スクライブ溝M2よりも浅くなる。
このように、中央の端子領域T(特定境界)に対するスクライブ加工の後に、先に左端近傍の端子領域Tと右端近傍のジャストカット面Tとのスクライブを行い、その後、再び中央の端子領域T(特定境界)に対するスクライブ加工を行うようにして、交互に加工を行うようにする。これにより、バランスよく加工することができる。
以上の手順によって、Y方向のスクライブを終えると、続いてX方向のスクライブを行う。
X方向については、図13に示すように、マザー基板90の前端近傍にありジャストカット面Tが含まれる境界と、基板中央にある端子領域Tを含んだ3つの特定境界と、後端近傍にあり端子領域Tが含まれる境界とが、スクライブ加工される。
この場合、X方向の3つの端子領域Tについても、これまでと同様に、第一基板G1の端子カット面と第二基板G2のジャストカット面を先に強くスクライブし、後から第一基板G1のジャストカット面を弱くスクライブすれば、確実に単位表示パネルを取り出すことができる。具体的には図13に示すように、X2(第一基板G1の端子カット面と第二基板G2のジャストカット面)、X3(第一基板G1のジャストカット面)、X4(第一基板G1の端子カット面と第二基板G2のジャストカット面)、X5(第一基板G1のジャストカット面)、X6(第一基板G1の端子カット面と第二基板G2のジャストカット面)、X7(第一基板G1のジャストカット面)の順で加工を行うようにする。なお、X3、X5、X7の加工の際には、第二基板G2のジャストカット面の横をバックアップローラで押圧しながらスクライブが行われる。
(ブレイク処理)
次に、マザー基板90のブレイク処理について説明する。スクライブ装置30によるスクライブ加工の結果、マザー基板90は各単位表示パネルの周縁に沿ってスクライブ溝が形成される。基板の板厚が薄い場合は、スクライブ加工のみで各単位表示パネルを完全に分断できるが、そうでない場合には、ブレイク処理を加えることでスクライブ溝を伸展させる必要がある。また、板厚が薄い場合であっても、確実に完全分断させるために、ブレイク処理を加える方が好ましい。本実施形態では、各単位表示パネルが確実に分断されるように、スチームブレイク装置100によるX方向のブレイクと、ローラブレイク装置110によるY方向のブレイクとを行うようにしている。
具体的には、まず、スチームブレイク装置100の上部スチームユニット101と下部スチームユニット102との間隙に、スクライブ加工後のマザー基板90を通過させ、加熱蒸気を吹き付ける。その結果、主としてX方向のスクライブ溝が伸展することになる。その後、マザー基板90はローラブレイク装置110に送られ、ブレイクローラ111〜113でY方向の3本のスクライブ溝の隣接位置を押圧する。これによって曲げモーメントが加わり、Y方向のスクライブ溝が伸展することになる。
(単位表示パネルの取り出し)
次に、マザー基板90からの単位表示パネルを取り出し動作について説明する。単位表示パネルの取り出しは、パネル搬出装置120の搬出ロボット80によって行われる。
既述のように、搬出ロボット80は、マザー基板90から分断された単位表示パネルの1つを吸着して上方に引き離し、単位表示パネルを回転しながらX軸方向に移動し、さらにY方向に移動して搬出するが、搬出する単位表示パネルの取り出し順が重要になる。
図11に示した特定境界を有するマザー基板90から単位表示パネルを取り出すときの取り出し順序について説明する。
特定境界を有するマザー基板90から、単位表示パネルを1つずつ取り出す際には、特定境界を挟んで隣接する2つの単位表示パネルのうち、端子カット面Cbが境界面となる単位表示パネルU1を、ジャストカット面Caが境界となる単位表示パネルU2より先に取り出すことが必要になる。この優先順は、マザー基板90に含まれるすべての単位表示パネル間で満たす必要がある。もしも、この取り出し順を守らないと、端材Eが端子カット面Cb側に付着してしまうおそれが生じる。
図15は、単位表示パネルがX方向に2列、Y方向に4列並んだマザー基板について、単位表示パネルの取り出し順を示す図であり、図15(a)は二端子パネル、図15(b)は三端子パネル、図15(c)は一端子パネルの場合である。
図15(a)の二端子パネルについて説明する。単位表示パネル(1)は、隣接する単位表示パネル(2)(3)との特定境界(図中に〇印で示す)に対し、単位表示パネル(1)の端子カット面Cbが境界となる。したがって、最初に単位表示パネル(1)を取り出すことが必要になる。
単位表示パネル(1)が取り出された状態では、単位表示パネル(2)が、隣接する単位表示パネル(4)との特定境界で、端子カット面Cbが境界となる。また、単位表示パネル(3)は隣接する単位表示パネル(4)(5)との特定境界に対し、端子カット面Cbが境界となる。このときは単位表示パネル(2)(3)のいずれかを取り出せばよいが、マザー基板の前端に近い側から取り出す方が一方向の搬送で済ませることができるため、先に単位表示パネル(2)を取り出す。
単位表示パネル(1)(2)が取り出された状態では、単位表示パネル(3)が、隣接する単位表示パネル(4)(5)との特定境界で、端子カット面Cbが境界となる。したがって、次に単位表示パネル(3)を取り出す。以下同様に、図15において各単位表示パネルに付した番号の若い順(1)、(2)・・・(8)に、単位表示パネルを取り出すようにすれば、すべての特定境界に対し、端子カット面Cb側の単位表示パネルを優先して取り出すことになる。
図16は、取り出された各単位表示パネル(1)〜(8)についての端材のつき方を示す図(正面図、平面図、右側面図)である。図中、ハッチングで示した領域に端材領域が付着する可能性がある。
いずれの単位表示パネルについても、ジャストカット面Caには端材が付着する可能性があるが、端子カット面Cbに端材が付着することなく取り出すことができる。したがって、単位表示パネルに端材が付着していても、後から、フック87およびプッシャ88を用いた補助ブレイク処理で、確実に端材を除去することができる。
以上は二端子パネルについてであるが、三端子パネル(図15(b))や一端子パネル(図15(c))についても同様である。これらの場合、問題となる特定境界(〇印)は、隣接する一対の単位表示パネルだけのため、基板の搬送を考えなければ、2つの単位表示パネル間で優先順を決めて取り出せばよい。具体的には単位表示パネル(1)を、それぞれ対向する単位表示パネル(2)よりも先に取り出せばよい。マザー基板の前端に近い側から一方向に搬送しながら加工する場合は、前端側を優先する方が望ましいため、図15(a)と同様、各単位表示パネルに付した番号の若い順(1)、(2)・・・(8)に、単位表示パネルを取り出すようにする。
以上は、単位表示パネルがX方向に2列、Y方向に4列並んだマザー基板を対象にしたが、それ以外のレイアウトであっても同様であり、特定境界を挟む両側の単位表示パネルに対する取り出し順の優先順を守ればよいことになる。
なお、四端子パネル(図19)では特定境界が存在しない。したがって、この場合の取り出し順は問題にならない。よって、前端側から順次取り出せばよい。
(補助ブレイク処理)
次に、補助ブレイク処理について説明する。
図17は、補助ブレイク装置140(フック87およびプッシャ88)によるブレイク処理動作を示す図である。補助ブレイク処理は、搬出ロボット80による基板搬出と同時に行われる。
図17(a)に示すように、フック87およびプッシャ88を上方に回避させた状態で、単位表示パネルの第二基板G2(TFT側基板)を吸着パッド82で吸着する。
次いで、図17(b)に示すように、フック87を作動して、吸着面とは逆側である第一基板G1の端にある端材Eに接触させ、端材Eを下方の端面で支持する。
そして図17(c)に示すように、プッシャ88を作動して第二基板G2の端に付着する端材Eを上方から押圧する。
このようにして、端材Eと第一基板G1との間に形成されている第三スクライブ溝M3(図10参照)を広げる曲げモーメントを加えることで、端材Eが確実に分断されるようにする。
なお、補助ブレイク処理については、上記方法に限られず、他の方法を用いることもできる。
例えば、上記実施形態では、搬出ロボット80に、フック87およびプッシャ88からなる補助ブレイク装置140を備えていたが、これに代えて、端材Eの下端面に押し当てるための傾斜板を、搬出ロボット80の移動範囲内の適当な位置に別途に設けておき、搬送ロボットをこの位置まで移動させるとともに、端材Eが付着している単位表示パネルを、傾斜板の上方から下降して端材Eの部分に押し当てることで、確実に分断させることができる。
また、搬送ロボット80の近傍に、別途にロボットハンドを設けておき、端材Eの部分をこのロボットハンドで把持して分断するようにしてもよい。
本発明の貼り合せ基板スクライブ加工装置および基板加工システムは、液晶パネル用のマザー基板のスクライブ加工に利用することができる。
1 基板加工システム
20 基板支持装置
30 スクライブ装置
50 クランプ装置
60 上部スクライブ機構
70 下部スクライブ機構
80 搬出ロボット
85 補助ブレイク装置
87 フック
88 プッシャ
90 マザー基板
100 スチームブレイク装置
110 ローラブレイク装置
120 パネル搬出装置
Ca ジャストカット面
Cb 端子カット面
G1 第一基板(CF側基板)
G2 第二基板(TFT側基板)
E 端材(端材領域)
T 端子領域
U1 単位表示パネル(端子カット面が境界に面する)
U2 単位表示パネル(ジャストカット面が境界に面する)
W1 第一カッターホイール
W2 第二カッターホイール
W3 バックアップローラ

Claims (3)

  1. 加工対象のマザー基板が第一基板と第二基板とを貼り合わせた構造を有し、
    それぞれ形状が同一でかつ方形である複数の単位表示パネルが、前記マザー基板に互いに隣接するようにして並べて形成され、
    各単位表示パネルは、四辺の周縁のうち、一辺の周縁、または、隣り合う二辺の周縁、または、三辺の周縁に、第二基板側が第一基板側よりも突出した段差が形成されることにより端子領域が設けられ、
    端子領域が設けられない残りの周縁に第一基板と第二基板とが同一端面となる非端子面が形成され、前記端子領域に対向する第一基板の部位に単位表示パネルから切除される端材領域が設けられ、
    さらに各単位表示パネルは、隣接する単位表示パネルの少なくとも一つとの境界で、一方の単位表示パネルの端子領域と、他方の単位表示パネルの非端子面とが面接するように配置され、
    前記マザー基板を第二基板が上側、第一基板が下側になるように支持した状態で単位表示パネルごとに分断し、1つずつ取り出す基板加工システムにおいてスクライブ加工を行う貼り合せ基板スクライブ加工装置であって、
    第一基板に向けた第一カッターホイールと、第二基板に向けたバックアップローラおよび第二カッターホイールとを備え、第一カッターホイールと第二カッターホイールとを組み合わせて、または、バックアップローラと第一カッターホイールとを組み合わせて第一基板と第二基板との両側から圧接してスクライブ加工を行うスクライブ装置と、
    前記境界をスクライブ加工する際に、端子領域が面接する側の単位表示パネルの端子領域に対向する第一基板の部位の内側端に第一スクライブ溝を形成し、非端子面が面接する側の単位表示パネルの第二基板側の非端子面に第二スクライブ溝を形成し、第一基板側の非端子面に前記第一スクライブ溝および前記第二スクライブ溝より浅い第三のスクライブ溝を形成するように前記スクライブ装置を制御するスクライブ装置制御部とを備えたことを特徴とする貼り合せ基板スクライブ加工装置。
  2. スクライブ装置制御部は、第一カッターホイールと第二カッターホイールとの組み合わせにより第一スクライブ溝と第二スクライブ溝とを先に形成し、
    次いで、バックアップローラと第一カッターホイールとの組み合わせにより第三スクライブ溝を形成するスクライブ制御を行う請求項1に記載の貼り合せ基板スクライブ加工装置。
  3. 第三スクライブ溝を形成する際に、バックアップローラは先に形成された第二スクライブ溝の隣接位置を圧接する請求項2に記載の貼り合せ基板スクライブ加工装置。
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