JP2013007556A - 冷凍装置の室外ユニット - Google Patents

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忠 竿尾
Mikio Kagawa
幹夫 賀川
Shiro Koike
史朗 小池
Yusuke Nakagawa
裕介 中川
Tomohisa Takeuchi
知久 竹内
Katsutoshi Sakurai
克敏 櫻井
Shigeki Kamiya
成毅 神谷
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Abstract

【課題】冷凍装置の室外ユニットにおいて、ケーシングの鉛直方向の耐荷重を増大しつつ、熱交換器の熱交換面積を十分に確保できるようにする。
【解決手段】冷凍装置の室外ユニットは、吹出口(26)が形成される天板(24)と、底板(22)とを有し、天板(24)と底板(22)との間の4つの側面(4)が形成されるケーシング(20)と、4つの側面(4)に沿うように屈曲した伝熱管(32)を有し内部に機械室(8)を形成するように底板(22)に設置される熱交換器(30)と、ケーシング(20)の上部に収容され、熱交換器(30)を通過した空気を吹出口(26)へ搬送するファン(40)とを備える。ケーシング(20)には、天板(24)及び底板(22)の各4つの隅部を連結する4本の支柱(21)が設けら、各支柱(21)の下端には、上記底板(22)から下方に延出し且つ天板(24)の吹出口(26)の対応部位の上方への膨出高さよりも長い脚部(27)が形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、冷凍装置の室外ユニットに関し、特に室外ユニットのケーシング内での室外熱交換器や圧縮機の配置構造に関するものである。
従来より、室外に設置される室外ユニットと室内に設置される室内ユニットとが冷媒配管で接続された構成の冷凍装置として、いわゆる室内マルチタイプの空気調和装置が知られている。この空気調和装置では、1つの室外ユニットに対して複数の室内ユニットが接続され、ビルなどの複数の部屋を空調することができる。
例えば特許文献1の室外ユニットは、ケーシングの底板に室外熱交換器が設置されている。室外熱交換器は、ケーシングの側面に沿って伝熱管が屈曲した、角型の筒状に形成されている。これにより、室外熱交換器では、ケーシングの4つの側面に対向して熱交換面が形成され、熱交換面積が大きくなっている。
実公昭60−18767号公報
特許文献1の室外ユニットでは、天板と底板との間に室外熱交換器を配置し、室外熱交換器の管板等によって天板を下側から支持している。このため、この室外ユニットのケーシングでは、鉛直方向における耐荷重が弱くなってしまう。一方、このような鉛直方向の耐荷重を向上させるために、例えばケーシングの四側面のうちの一面に側壁を形成することも考えられる。しかしながら、こうすると、ケーシングの一側面が塞がってしまうため、室外熱交換器の4つの熱交換面のうちの1つの面が機能しなくなり、熱交換面積の低下を招いてしまう。
本発明は、このような問題点に鑑みて創案されたものであり、その目的は、冷凍装置の室外ユニットにおいて、ケーシングの鉛直方向の耐荷重を増大しつつ、熱交換器の熱交換面積を十分に確保できるようにすることである。
第1の発明は、冷凍装置の室外ユニットを対象としている。そして、この冷凍装置の室外ユニットは、吹出口(26)が形成される天板(24)と、底板(22)とを有し、該天板(24)と底板(22)との間の4つの側面(4)が形成されるケーシング(20)と、該4つの側面(4)に沿うように屈曲した伝熱管(32)を有し、内部に機械室(8)を形成するように上記底板(22)に設置される熱交換器(30)と、上記ケーシング(20)の上部に収容され、上記熱交換器(30)を通過した空気を上記吹出口(26)へ搬送するファン(40)とを備え、上記ケーシング(20)には、上記天板(24)及び底板(22)の各4つの隅部を連結する4本の支柱(21)が設けられ、上記各支柱(21)の下端には、上記底板(22)から下方に延出し且つ天板(24)の吹出口(26)の対応部位(24b)の上方への膨出高さよりも長い脚部(27)が形成されていることを特徴とする。
第1の発明のケーシング(20)には、天板(24)の4つの隅部と、底板(22)の4つの隅部とが支柱(21)によって連結される。これにより、ケーシング(20)の鉛直方向の耐荷重が増大する。また、各支柱(21)は、天板(24)及び底板(22)の4つの隅部に設けられる。このため、各支柱(21)が、熱交換器(30)の伝熱管(32)を遮る面積は、最低限に抑えられる。その結果、熱交換器(30)の熱交換の面積を十分に確保できる。
また、各支柱(21)の下端には、それぞれ脚部(27)が設けられる。この脚部(27)の長さは、天板(24)の上方への膨出高さよりも長くなっている。このため、ケーシング(20)の脚部(27)を、他のケーシング(20)の天板(24)の4隅部や支柱(21)上端に設置して、これらケーシング(20)を上下に積み重ねても、隣接する天板(24)及び底板(22)が干渉することがない。
第2の発明は、第1の発明において、上記ケーシング(20)の上部側面には、上記ファン(40)を囲むように上記各支柱(21)に取り付けられる4枚の上側面パネル(23a)が設けられていることを特徴とする。
第2の発明のケーシング(20)の上部側面には、4枚の上側面パネル(23a)が取り付けられる。これにより、各上側面パネル(23a)の内部に、吹出空気が流れる空気流路が形成される。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、上記ケーシング(20)には、上記熱交換器(30)の伝熱管(32)の長手方向の両端部と、1本の上記支柱(21a)との間にメンテナンス開口(3a)が形成され、上記ケーシング(20)の下部側面には、上記各メンテナンス開口(3a)をそれぞれ開閉自在に上記支柱(21a)に取り付けられる2枚の下側面パネル(23b,23c)が設けられていることを特徴とする。
第3の発明のケーシング(20)では、1本の支柱(21a)を挟んで両側にメンテナンス開口(3a)が形成される。これらのメンテナンス開口(3a)は、2枚の下側面パネル(23b,23c)が支柱(21)に取り付けられて塞がれる。メンテナンス時には、支柱(21a)から各下側面パネル(23b,23c)を外すことで、メンテナンス開口(3a)が露出される。
第4の発明は、第1乃至第3のいずれか1つの発明において、上記天板(20)は、平面形状に形成されていることを特徴とする。
第4の発明では、天板(20)が平面形状となるため、上方への膨出高さがゼロとなる。従って、ケーシング(20)を上下に積み重ねた際、隣接する天板(24)と底板(22)とが干渉することを確実に回避できる。
本発明によれば、天板(24)及び底板(22)の4つの隅部をそれぞれ支柱(21)によって連結しているので、ケーシング(20)の鉛直方向の耐荷重を増大できる。また、各支柱(21)の間の側面にそれぞれ空気の吸込口を形成できるため、熱交換器(30)の熱交換面積を十分に得ることができる。これにより、例えば3つの側面に沿って伝熱管が屈曲する熱交換器と比較して、熱交換器(30)の小型化、ひいては室外ユニットの小型化を図ることができる。
また、ケーシング(20)の各支柱(21)の脚部(27)を、他のケーシング(20)の天板(24)側に設置することで、複数のケーシング(20)を上下に重ねることができる。従って、室外ユニットの設置スペースを削減できる。また、このようにして複数のケーシング(20)を重ねた場合にも、4本の支柱(21)により鉛直方向の強度を十分に確保できる。
また、熱交換器(30)の熱交換面積が増大すると、熱交換器(30)に流入する空気の流速が小さくなる。これにより、吹出空気が再び熱交換器(30)に流入する、いわゆるショートサーキットを抑制できる。
また、本発明によれば、熱交換器(30)の内部に機械室(8)を形成しているため、例えば熱交換器の下側や上側にこのような機械室を形成する場合と比較して、ケーシング(20)の高さを低くできる。また、熱交換器(30)を底板(22)に設置することで、熱交換器(30)や機械室(8)の高さ位置も低くなる。その結果、熱交換器(30)や機械室(8)の機器類のメンテナンスも容易に行うことができる。
更に、ケーシング(20)の上部にファン(40)を配置することで、ケーシング(20)の下部に熱交換器(30)や機械室(8)用のスペースを十分に確保できる。
第2の発明では、ケーシング(20)の上部に4枚の上側面パネル(23a)を設けることで、これらの上側面パネル(23a)の内側に吹出空気の空気流路を形成できる。また、各支柱(21)を上側面パネル(23a)の取り付け部材として利用できる。
第3の発明では、熱交換器(30)の両端部と支柱(21a)との間に、機械室(8)の機器類等のメンテナンスを行うための2つのメンテナンス開口(3a)を形成できる。また、これらのメンテナンス開口(3a)の間の1本の支柱(21a)を、2つの下側面パネル(23b,23c)を取り付けるための取り付け部材として利用できる。
図1は、本発明の実施形態1に係る空気調和装置の室外ユニットの外観形状を示す斜視図である。 図2は、図1の室外ユニットの内部構造を示す第1の斜視図である。 図3は、図1の室外ユニットの内部構造を示す第2の斜視図である。 図4は、図1の室外ユニットの下半部の内部構造を示す平面図である。 図5は、実施形態1の圧縮機カバーの分解斜視図である。 図6は、実施形態1の圧縮機カバーの分解組立状態を示す断面図である。 図7は、実施形態2に係る空気調和装置の室外ユニットの外観形状を示す斜視図である。 図8は、図7の室外ユニットの内部構造を示す第1の斜視図である。 図9は、図7の室外ユニットの内部構造を示す第2の斜視図である。 図10は、図7の室外ユニットの下半部の内部構造を示す平面図である。 図11は、実施形態1に係る室外ユニットにおける、室外熱交換器(30)の寸法を説明するための平面図である。 図12は、その他の実施形態の室外ユニットの外観形状を示す立面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〈発明の実施形態1〉
図1〜図4に示すように、本実施形態1の室外ユニット(10)は、冷凍装置である空気調和装置に用いられるものであって、図示しないが、室内ユニットが接続されて蒸気圧縮式冷凍サイクルを構成している。
上記室外ユニット(10)は、例えば、ビルの屋上等に設置され、ケーシング(20)と室外熱交換器(30)と室外ファン(40)と圧縮機構(50)とを備えている。
上記ケーシング(20)は、平面視矩形状に形成され、4本の支柱(21)と、底板を構成する底フレーム(22)と、側面パネル(23)と、平面状の天板(24)とを備えている。つまり、ケーシング(20)には、天板(24)と底フレーム(22)との間に4つの側面(4)が形成される(図4を参照)。
上記4つの支柱(21)は、四隅に設けられ、下部に底フレーム(22)が固定されている。また、前側の左右の支柱(21,21)の下端には基礎脚(27)が接続され、後ろ側の左右の支柱(21)の下端にも基礎脚(27)が接続されている。各基礎脚(24)は、底フレーム(22)から下方に延出している。これにより、他のケーシング(20)の平面状の天板(24)の4隅部ないし支柱(21)の上端に、各基礎脚(27)を設置することができ、複数の室外ユニット(10)を上下に重ねて配置できる。この状態では、平面状の天板(24)と底フレーム(22)との間に所定のクリアランスが確保される。
上記側面パネル(23)は、ケーシング(20)の上半部四面を形成する上側面パネル(23a)と、ケーシング(20)の下半部における前面を形成し且つ左半分を形成する前側面パネル(23b)と、ケーシング(20)の下半部における左側の横側面を形成し且つ前半分を形成する横側面パネル(23c)とを備えている。そして、上記ケーシング(20)の側面には、下半部における前面の右半分と、下半部における右側の横側面と、下半部における背面と、下半部における左側の横側面の後半分に吸込口(25)が形成されている。
4枚の上側面パネル(23a)は、室外ファン(40)を囲むように各支柱(21)に取り付けられる。上側面パネル(23a)の内部には、室外ファン(40)が収納される上部空間(2b)が形成される。
また、上記天板(24)は、支柱(21)の上端に固定され、吹出口(26)が形成されると共に、吹出口(26)を覆うグリル(24a)を備えている。本実施形態の天板(24)は、吹出口(26)に対応する部位の膨出高さがゼロとなる、平面形状に構成されている。
上記室外熱交換器(30)は、フィンアンドチューブ型熱交換器であって、室外空気と冷媒とを熱交換するように構成されている。つまり、室外熱交換器(30)は、上下に配列される複数の伝熱管(32)(図4を参照)が、板状のフィンを貫通して構成される。室外熱交換器(30)は、ケーシング(20)の側面に沿うように伝熱管(32)が3箇所で直角に屈曲している。即ち、上記室外熱交換器(30)は、上下に起立した状態で設けられ、熱交換面が上記ケーシング(20)の全ての側面に亘る(ケーシング(20)の有する複数の側面すべてに沿う)折曲熱交換器(角筒形熱交換器)に構成されている。
室外熱交換器(30)の内部には、圧縮機(50)、油分離器(51)、アキュムレータ(52)等の機器類が設置される機械室(8)が区画される。
ケーシング(20)では、室外熱交換器(30)の両側の各側端部(伝熱管(32)の長手方向の両端部)と、4本の支柱(21)のうち前側左隅の支柱(21a)との間に、2つの開口(3a,3a)が形成される。これらの2つの開口(3a,3a)は、ケーシング(20)内の機器類のメンテナンス開口を構成する。この開口(3a)を形成する室外熱交換器(30)の両端には、室外熱交換器(30)をケーシング(20)に固定するのに用いる管板(31)が設けられている。
上記ケーシング(20)には、室外熱交換器(30)の各開口(3a)に対応して上記前側面パネル(23b)と横側面パネル(23c)が設けられている。前側面パネル(23b)及び横側面パネル(23c)は、ケーシング(20)の下部に設けられる下側面パネルを構成している。前側面パネル(23b)及び横側面パネル(23c)は、各開口(3a,3a)を開閉自在に支柱(21a)に取り付けられる。
上記室外熱交換器(30)の開口(3a)が設けられているケーシング(20)の前面側は、サービス面になっており、前側面パネル(23b)を取り外した部分が開放面になる。このサービス面の一端側(図の左側)における上記開口(3a)内の部分には、室外ユニット(10)と室内ユニット(図示せず)を接続する連絡配管を取り付けるための閉鎖弁(55,56)と、この閉鎖弁(55,56)をケーシング(20)に固定するための取付部材(57)が配置されている。そして、サービス面の他端側からのびる室外熱交換器(30)の端部は、サービス面のほぼ中央(ケーシング(20)の幅方向の中央近傍)に位置している。そして、この室外熱交換器(30)の端部と、上記閉鎖弁(55,56)または取付部材(57)との間に、サービス用アクセス開口(3b)が形成されている。サービス用アクセス開口(3b)は、圧縮機取り出し用開口部と言うことができる。
上記圧縮機構(50)は、ケーシング(20)内において、上記室外熱交換器(30)の各熱交換面で囲まれる位置に配置されている。具体的には、平面視において、室外熱交換器(30)と、室外熱交換器(30)の両端を結んだ線とで形成される仮想の筒体の内側に圧縮機の大部分が位置するようになっている。
上記底フレーム(22)には、上記圧縮機構(50)と油分離器(51)とアキュムレータ(52)とが取り付けられ、上記圧縮機構(50)は、2台の圧縮機(5a,5b)で構成されている。
また、上記ケーシング(20)は、室外熱交換器(30)が収納される下部空間(2a)と、室外ファン(40)が収納される上部空間(2b)との間に位置して、水平方向に延びるステー(20a,20b,20c,20d)が4面に取り付けられている。
上記室外ファン(40)は、2台設けられ、ファン本体(41)とファンモータ(図示せず)とベルマウス(43)とを備え、上記ステー(20a,20c)に取り付けられている。
さらに、上記ケーシング(20)には、圧縮機構(50)等を制御するための電装品が収納される電装品ユニット(60)が取り付けられている。該電装品ユニット(60)は、室外熱交換器(30)の前面上方において、室外熱交換器(30)の上端の直近に配置され、上側面パネル(23a)と室外ファン(40)のベルマウス(43)との間に設けられている。
上記室外熱交換器(30)は、上記底フレーム(22)に一端面を下端にして載置された状態でケーシング(20)に固定されている。具体的には、上記室外熱交換器(30)の両端に設けられている管板(31)を底フレーム(22)を含むケーシング(20)に締結することにより、室外熱交換器(30)がケーシング(20)に固定されている。なお、上記室外熱交換器(30)には、該室外熱交換器(30)の両端に示している管板(31)の他にも、必要に応じて複数の管板を設け、これらの管板も室外熱交換器(30)をケーシング(20)に固定するのに用いてもよい。
上記底フレーム(22)には、上記圧縮機構(50)を覆う圧縮機カバー(70)が取り付けられている。この圧縮機カバー(70)は、圧縮機構(50)の振動による騒音を低減するための防音箱として設けられている。上記圧縮機カバー(70)は、図5の分解斜視図に示すように、前壁板(71)と左右の側壁板(72,73)と後壁板(74)と上壁板(75)とを有し、これらをビスなどの締結部材で固定することにより、上端が閉塞された縦長の四角い箱に形成されている。前壁(71)、左右の側壁板(72,73)、後壁板(74)及び上壁板(75)は、それぞれ、金属プレートを折り曲げ成形した板金部材である。圧縮機カバー(70)を構成する部材の内面には、例えば防音材を貼り付けておくとよい。
前壁板(71)は、互いに別部材である上部前板(71a)と下部前板(71b)とから構成されていて、上部前板(71a)の高さ寸法と下部前板(71b)の高さ寸法を合計した寸法が、左右の側壁板(72,73)及び後壁板(74)の高さ寸法と実質的に一致している。上部前板(71a)が下部前板(71b)の上方に隙間のない状態で配置される。
右側壁板(72)は、右横板(72a)と右前板(72b)とが一体的に形成された部材であって、平面視が「L」形の部材である。右横板(72a)の下端と右前板(72b)の下端には、圧縮機カバー(70)の外側に張り出す取付片(70a)が設けられている。この取付片(70a)は、ビスなどの締結部材を用いて右側壁板を上記底フレーム(22)に固定するために用いられる。
左側壁板(73)は、左横板(73a)と上記下部前板(71b)とが一体になった折り曲げ部品である。この左側壁板(73)の左横板(73a)と上記下部前板(71b)には、上記右側壁板(72)と同様に、圧縮機カバー(70)の外側に張り出す取付片(70a)が設けられている。また、上記下部前板(71b)には、上記圧縮機構(50)などの電気部品用のワイヤーハーネスを通すための複数の配線孔(70b)が形成されている。
上記後壁板(74)は、背板(74a)と右後板(74b)と左後板(74c)を一枚の金属プレートから折り曲げ形成した部材である。この後壁板(74)の下端には、上記右側壁板(72)及び右側壁板(72)と同様に、圧縮機カバー(70)の外側に張り出す取付片(70a)が設けられている。また、後壁板(74)の背板(74a)の上端には、2台の圧縮機(5a,5b)のそれぞれに接続された吸入管と吐出管とが挿通する切り欠き部(74d)が形成されている。なお、吸入管と吐出管は、ゴムホース等の制振部材を有する取付部材を介して背板(74a)に取り付けられている。このように吸入管及び吐出管を取り付けることにより、吸入管及び吐出管の振動が圧縮機カバー(70)に伝わらないようにして圧縮機カバー(70)の振動を抑制している。
上記右側壁板(72)の右横板(72a)と後壁板(74)の右後板(74b)は、フック(70e)を用いて一体化されるようになっている。そのために、右横板(72a)と右後板(74b)の継ぎ目には、それぞれフランジプレート(72c,74e)が設けられ、右横板(72a)のフランジプレート(72c)にはフック(70e)が形成される一方、右後板(74b)のフランジプレート(74e)には上記フック(70e)が係合する穴(70f)が形成されている。また、上記左側壁板(73)の左横板(73a)と後壁板(74)の左後板(74c)も、フック(70e)を用いて一体化されるようになっている。そのために、左横板(73a)と左後板(74c)の継ぎ目には、上記と同様、それぞれフランジプレート(73c,74f)が設けられ、左横板(73a)のフランジプレート(73c)にはフック(70e)が形成される一方、左後板(74c)のフランジプレート(74f)には上記フック(70e)が係合する穴(70f)が形成されている。
上記上壁板(75)は、右側壁板(72)、左側壁板(73)及び後壁板(74)の上端にネジ留めされるように構成されている。このために、上壁板(75)の周縁部には所定ピッチでビス孔が形成される一方、右側壁板(72)、左側壁板(73)及び後壁板(74)の上端部は圧縮機カバー(70)の内側に折り曲げられて、ネジ穴を有する上板固定片(70c)が形成されている。
上記前壁板(71)である上部前板(71a)と下部前板(71b)を右側壁板(72)に取り付ける構造を図6の断面図に示している。図示するように、上部前板(71a)及び下部前板(71b)における図の右側端部と、右前板(72b)の左側端部には、互いに重ねてビス(第2の締結部材)(76)で固定するためのフランジプレート(70d,70d)が形成されている。これらのフランジプレート(70d,70d)は、ビスの締結方向が前壁板(71)の面直角方向に対して、上記開口(3a)側へ傾斜した方向となるように形成されている。なお、図5における上部前板(71a)の左側端部は、左側壁板(73)の前端に形成されているフランジプレート(73b)に対しビス(第2の締結部材)(77)で固定するように構成され、そのビス止め方向は上部前板(71a)の面直角方向になっている。
上記構成の圧縮機カバー(70)は、底フレーム(22)にまず圧縮機構(50)を固定してから、次に後壁板(74)を取り付けて配管作業を行った後、左右の側壁板(72,73)を底フレーム(22)に取り付けてから、前壁板(71)を右側壁板(72)に固定する順に取り付け作業を行う。なお、下部前板(71b)を底フレーム(22)に取り付けるのは、右側壁板(72)に対する下部前板(71b)の取り付け前後どちらに行ってもよい。
以上説明したように、上記ケーシング(20)内には、上記室外熱交換器(30)の各熱交換面で囲まれる位置に上記圧縮機構(50)が配置されるとともに、上記室外熱交換器(30)の開口(3a)がある熱交換面には、室外熱交換器(30)の端部から閉鎖弁(55,56)または取付部材(57)にわたって形成されるサービス用アクセス開口(3b)を有している。上記サービス用アクセス開口(3b)の開口寸法は、上記圧縮機構(50)(圧縮機)(5a,5b)の取り出し必要寸法に設定されている。なお、取り出し必要寸法が設定される上記のサービス用アクセス開口(3b)の開口寸法は、各圧縮機(5a,5b)の取り出し最小幅寸法(ほぼ圧縮機の外径寸法と考えることができる)より大きく設定されているが、必要以上に大きな寸法には設定されていない。
また、上述したように、上記ケーシング(20)には、上記圧縮機構(50)を覆うための圧縮機カバー(70)が設けられるとともに、該圧縮機カバー(70)は、ビスなどの締結部材を用いて分解と組み立てが可能に構成されている。そして、上記サービス用アクセス開口(3b)の開口寸法(図4に示している開口(3a)における閉鎖弁(54)と管板(31)との間の幅寸法)は、上記第2の締結部材であるビス(76)を操作するための締結工具が上記管板(31)に干渉しないように寸法設定されている。言い換えると、本実施形態では、上記端板(31)を締結工具が干渉しない位置設定にするとともに、上記サービス用アクセス開口(3b)の開口寸法が、上記締結部材を操作するために締結工具で該開口(3a)からビス(76)にアクセスでき、かつ圧縮機カバー(70)を分解した部品の取り出しが可能な寸法に設定されている。なお、上部前板(71a)は、圧縮機(5a,5b)のメンテナンスの際には圧縮機カバー(70)から取り外される。
このように、本実施形態では、上記圧縮機カバー(70)の締結部材として、上記開口(3a)を有する前面側の熱交換面に対して、サービス用アクセス開口(3b)で開放された範囲内に位置する第1の締結部材(77)と、該開口(3b)よりも熱交換面の奥に位置する第2の締結部材(76)とを用い、上記第2の締結部材であるビス(76)の締結方向は、上記圧縮機カバー(70)の前壁板(71)の面直角方向に対して上記開口側へ傾斜させている。
−運転動作−
この空気調和装置の室外ユニット(10)の運転時は、圧縮機構(50)が動作して、この室外ユニット(10)と図示していない室内ユニットとの間に形成されている冷媒回路内を冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる。また、室外ユニット(10)のケーシング(20)内では室外ファン(40)が回転し、ケーシング(20)の下半部に形成されている吸込口(25)により四方からケーシング(20)内に吸い込まれた室外空気が室外熱交換器(30)を通過する。室外熱交換器(30)を通過する室外空気は、室外熱交換器(30)の中を流れる冷媒と熱交換して、暖房運転時には蒸発器になっている室外熱交換器(30)で冷媒に熱を奪われて冷却され、冷房運転時には凝縮器になっている室外熱交換器(30)で冷媒から熱を奪って過熱される。そして、室外空気はさらに室外ファン(40)を通過して上方へ向きを変え、吹出口(26)から室外へ吹き出される。
この実施形態1では、ケーシング(20)の前面側に設けられているサービス用アクセス開口(3b)が圧縮機構(50)の取り出し必要寸法を満たすように形成されているので、ケーシング(20)の複数の側面に沿うように形成した室外熱交換器(30)の内側に圧縮機構(50)を配置した室外ユニット(10)において、圧縮機構(50)(圧縮機(5a,5b))を上記サービス用アクセス開口(3b)から取り出すことができる。
なお、室外ユニット(10)の据え付け時には、サービス用アクセス開口(3b)をケーシングの前側面パネル(23b)で覆う構成を採用しているが、圧縮機構(50)をケーシング(50)から取り出すときには前側面パネル(23b)もケーシング(20)から取り外して作用を行う。
また、本実施形態では、上記サービス用アクセス開口(3b)から圧縮機カバー(70)のビス(76)を締結工具で操作できるように、その開口幅を寸法設定している。したがって、圧縮機カバー(70)をケーシング(20)の外から上記開口(3a)を通して分解することができ、その後に圧縮機(5a、5b)を取り出すこともできる。また、圧縮機(5a,5b)をケーシング(20)内に上記サービス用アクセス開口(3b)を通して組み込んだ後、圧縮機カバー(70)の上部前板(71a)をケーシング(20)の外から組み立てることもできる。
特に、この実施形態では、上記室外熱交換器(30)の開口(3a)の端部から奥まったところに設けられる圧縮機カバー(70)のビス(76)の締結方向を、該圧縮機カバー(70)の面直角方向に対して開口(3a)側へ寝かせるように傾斜させているので、上記室外熱交換器(30)の幅を必要以上に広げなくても圧縮機カバー(70)の分解や組立を行うことができる。
−実施形態1の効果−
本実施形態によれば、以上説明したように、ケーシング(20)の複数の側面に沿うように形成した室外熱交換器(30)の内側に圧縮機(5a,5b)を配置した室外ユニット(10)において、圧縮機(5a,5b)を上記サービス用アクセス開口(3b)から取り出すことができる。
また、ケーシング(20)の複数の側面に沿う熱交換面を有する室外熱交換器(30)を配置する場合には、本実施形態のように一般に室外ファン(40)がケーシング(20)の上方に配置されるが、本実施形態によれば上記のメンテナンスの際に室外ファン(40)を取り外す必要もない。したがって、圧縮機(5a,5b)のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
また、上記サービス用アクセス開口(3b)を、各圧縮機(5a,5b)の取り出し必要寸法に設定しているので、該室外熱交換器(30)の内側に配置された複数の圧縮機(5a,5b)を上記開口(3b)から確実に取り出すことができる。したがって、このことによっても、圧縮機(5a,5b)のメンテナンス作業を特に容易に行うことができる。
さらに、本実施形態によれば、上記室外熱交換器(30)の開口(3a)の端部から奥まったところに設けられる圧縮機カバー(70)のビス(76)の締結方向を、該圧縮機カバー(70)の面直角方向に対して傾斜させることにより、上記室外熱交換器(30)の開口(3a)の幅を必要以上に広げなくても圧縮機カバー(70)の上部前板(71a)の分解や組立を行うことができるようにしているので、開口(3a)の幅の適切な設定と相まって、十分な熱交換面積を確保して熱交換能力の低下を抑えられる。
また、上記実施形態1によれば、天板(24)及び底フレーム(22)の4つの隅部を4本の支柱(21)によって連結しているので、ケーシング(20)の鉛直方向の耐荷重を増大できる。このため、例えば複数のケーシング(20)を上下に積み重ねたり、重量物をケーシング(20)に支持させたりできる。また、各支柱(21)の間の側面(4)にそれぞれ空気の吸込口(25)を形成できるので、室外熱交換器(30)の熱交換面積を十分に得ることができる。これにより、例えば3つの側面に沿って伝熱管が屈曲する熱交換器と比較して、室外熱交換器(30)の小型化、ひいては室外ユニット(10)の小型化を図ることができる。
また、ケーシング(20)の各支柱(21)の(27)を、他のケーシング(20)の天板(24)側に設置することで、複数のケーシング(20)を上下に重ねることができる。従って、室外ユニットの設置スペースを削減できる。また、このようにして複数のケーシング(20)を重ねた場合にも、4本の支柱(21)により鉛直方向の強度を十分に確保できる。
また、このようにして室外熱交換器(30)の熱交換面積が増大すると、室外熱交換器(30)に流入する空気の流速が小さくなる。これにより、吹出口(26)から吹き出された吹出空気が再び室外熱交換器(30)に流入する、いわゆるショートサーキットを抑制できる。
また、上記実施形態1によれば、室外熱交換器(30)の内部に機械室(8)を形成しているため、例えば熱交換器の下側や上側にこのような機械室を形成する場合と比較して、ケーシング(20)の高さを低くできる。また、室外熱交換器(30)を底フレーム(22)に設置することで、室外熱交換器(30)や機械室(8)の高さ位置も低くなる。その結果、室外熱交換器(30)や圧縮機(50)等のメンテナンスも容易に行うことができる。
更に、ケーシング(20)の上部に室外ファン(40)を配置することで、ケーシング(20)の下部に室外熱交換器(30)や機械室(8)用のスペースを十分に確保できる。
また、ケーシング(20)の上部に4枚の上側面パネル(23a)を設けることで、これらの上側面パネル(23a)の内側に吹出空気の空気流路を形成できる。また、各支柱(21)を上側面パネル(23a)の取り付け部材として利用できる。
更に、室外熱交換器(30)の両端部と支柱(21)との間に、機械室(8)の機器類等のメンテナンスを行うための2つのメンテナンス用の開口(3a,3a)を形成できる。また、これらの開口(3a,3a)の間の1本の支柱(21)を、2つの下側面パネル(23b,23c)を取り付けるための取り付け部材として利用できる。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。
図7〜図10に示すように、本実施形態2の室外ユニット(10)は、実施形態1のものと比べて小型に構成されている。
上記ケーシング(20)は、平面視矩形状に形成され、4本の支柱(21)と、底板を構成する底フレーム(22)と、側面パネル(23)と、天板(24)とを備えている。つまり、ケーシング(20)には、天板(24)と底フレーム(22)との間に4つの側面(4)が形成される(図10を参照)。
上記4つの支柱(21)は、四隅に設けられ、下部に底フレーム(22)が固定されている。また、前側の左右の支柱(21,21)の下端には基礎脚(27)が接続され、後ろ側の左右の支柱(21)の下端にも基礎脚(27)が接続されている。各基礎脚(24)は、底フレーム(22)から下方に延出している。これにより、他のケーシング(20)の平面状の天板(24)の4隅部ないし支柱(21)の上端に、各基礎脚(27)を設置することができ、複数の室外ユニット(10)を上下に重ねて配置できる。この状態では、平面状の天板(24)と底フレーム(22)との間に所定のクリアランスが確保される。
上記側面パネル(23)は、ケーシング(20)の上半部四面を形成する上側面パネル(23a)と、ケーシング(20)の下半部における前面を形成し且つ左半分を形成する前側面パネル(23b)と、ケーシング(20)の下半部における左側の横側面を形成し且つ前半分を形成する横側面パネル(23c)とを備えている。そして、上記ケーシング(20)の側面には、下半部における前面の右半分と、下半部における右側の横側面と、下半部における背面と、下半部における左側の横側面の後半分に吸込口(25)が形成されている。
4枚の上側面パネル(23a)は、室外ファン(40)を囲むように各支柱(21)に取り付けられる。上側面パネル(23a)の内部には、室外ファン(40)が収納される上部空間(2b)が形成される。
また、上記天板(24)は、支柱(21)の上端に固定され、吹出口(26)が形成されると共に、吹出口(26)を覆うグリル(24a)を備えている。本実施形態の天板(24)は、吹出口(26)に対応する部位の膨出高さがゼロとなる、平面形状に構成されている。
上記室外熱交換器(30)は、フィンアンドチューブ型熱交換器であって、室外空気と冷媒とを熱交換するように構成されている。室外熱交換器(30)は、上下に配列される複数の伝熱管が、板状のフィンを貫通して構成される。室外熱交換器(30)は、ケーシング(20)の側面に沿うように伝熱管(32)(図10を参照)が3箇所で直角に屈曲している。図8及び図9に示すように、上記室外熱交換器(30)は、上下に起立した状態で設けられ、上記ケーシング(20)の全ての側面に亘る折曲熱交換器に構成されている。
室外熱交換器(30)の内部には、圧縮機(50)、油分離器(51)、アキュムレータ(52)等の機器類が設置される機械室(8)が区画される。
ケーシング(20)では、室外熱交換器(30)の両側の各側端部(伝熱管(32)の長手方向の両端部)と、4本の支柱(21)のうち前側左隅の支柱(21a)との間に、2つの開口(3a,3a)が形成される。これらの2つの開口(3a,3a)は、ケーシング(20)内の機器類のメンテナンス開口を構成する。この開口(3a)を形成する室外熱交換器(30)の両端には、室外熱交換器(30)をケーシング(20)に固定するのに用いる管板(31)が設けられている。この開口(3a)を形成する室外熱交換器(30)の両端には、室外熱交換器(30)をケーシング(20)に固定するのに用いる管板(31)が設けられている。
上記ケーシング(20)は、室外熱交換器(30)の開口(3a)に対応して上記前側面パネル(23b)と横側面パネル(23c)が設けられている。前側面パネル(23b)及び横側面パネル(23c)は、ケーシング(20)の下部に設けられる下側面パネルを構成している。前側面パネル(23b)及び横側面パネル(23c)は、各開口(3a,3a)を開閉自在に支柱(21a)に取り付けられる。
上記室外熱交換器(30)の開口(3a)が設けられているケーシング(20)の前面側は、サービス面になっており、前側面パネル(23b)を取り外した部分が開放面になる。このサービス面の一端側(図の左側)における上記開口(3a)内の部分には、室外ユニット(10)と室内ユニット(図示せず)を接続する連絡配管を取り付けるための閉鎖弁(55,56)と、この閉鎖弁(55,56)をケーシング(20)に固定するための取付部材(57)が配置されている。そして、サービス面の他端側からのびる室外熱交換器(30)の端部は、サービス面のほぼ中央(ケーシング(20)の幅方向の中央近傍)に位置している。そして、この室外熱交換器(30)の端部と、上記閉鎖弁(55,56)または取付部材(57)との間に、サービス用アクセス開口(3b)が形成されている。
図10にも示すように、上記底フレーム(22)には、圧縮機構(50)と油分離器(51)とアキュムレータ(52)とが取り付けられ、上記圧縮機構(50)は、1台の圧縮機(5a)で構成されている。
また、上記ケーシング(20)は、室外熱交換器(30)が収納される下部空間(2a)と、室外ファン(40)が収納される上部空間(2b)との間に位置して、水平方向に延びるステー(20a,20b,20c,20d)が4面に取り付けられている。
上記室外ファン(40)は、ファン本体(41)とファンモータ(図示省略)とベルマウス(43)とを備え、上記ステー(20a,20c)に取り付けられている。
さらに、上記ケーシング(20)には、圧縮機構(50)等を制御するための電装品が収納される電装品ユニット(60)が取り付けられている。該電装品ユニット(60)は、ケーシング(20)を正面から見て左側に位置するステー(20d)の上に配置され、室外熱交換器(30)の上端の直近に配置され、ケーシング(20)を正面から見て左側に位置する上側面パネル(23a)と室外ファン(40)のベルマウス(43)との間に設けられている。
上記室外熱交換器(30)は、上記底フレーム(22)に一端面を下端にして載置された状態でケーシング(20)に固定されている。具体的には、上記室外熱交換器(30)の両端に設けられている管板(31)を底フレーム(22)を含むケーシング(20)に締結することにより、室外熱交換器(30)がケーシング(20)に固定されている。なお、上記室外熱交換器(30)には、該室外熱交換器(30)の両端に示している管板(31)の他にも、必要に応じて複数の管板を設け、これらの管板も室外熱交換器(30)をケーシング(20)に固定するのに用いてもよい。
以上のように、実施形態2の室外ユニット(10)は、圧縮機構(50)が1台の圧縮機(5a)で構成されていることを除き、実施形態1とほぼ同様に構成されている。また、圧縮機カバー(70)の構成も、圧縮機(5a)の台数が異なるために寸法設定が実施形態1とは相違する点を除いて、構成自体は実施形態1と同じである。そのため、実施形態2の圧縮機カバー(70)の分解斜視図や具体構成の説明は本実施形態では省略する。また、圧縮機カバー(70)の分解や組立構造と、上部前板(71a)とサービス用アクセス開口(3b)との位置関係に基づいてビス(76)の締結方向を斜め向きに設定していることも実施形態1と同じである。
−実施形態2の効果−
この実施形態2においても、ケーシング(20)の複数の側面に沿うように形成した室外熱交換器(30)の内側に圧縮機(5a)を配置した室外ユニット(10)において、圧縮機(5a)を上記サービス用アクセス開口(3b)から取り出すことができる。
また、ケーシング(20)の複数の側面に沿う熱交換面を有する室外熱交換器(30)を配置する場合には、本実施形態のように一般に室外ファン(40)がケーシング(20)の上方に配置されるが、本実施形態によれば上記のメンテナンスの際に室外ファン(40)を取り外す必要もない。したがって、圧縮機(5a)のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
また、上記サービス用アクセス開口(3b)を、各圧縮機(5a)の取り出し必要寸法に設定しているので、該室外熱交換器(30)の内側に配置された複数の圧縮機(5a)を上記開口(3b)から確実に取り出すことができる。したがって、圧縮機のメンテナンス作業を特に容易に行うことができる。
さらに、本実施形態によれば、上記室外熱交換器(30)の開口(3a)の端部から奥まったところに設けられる圧縮機カバー(70)のビス(76)の締結方向を、該圧縮機カバー(70)の面直角方向に対して傾斜させることにより、上記室外熱交換器(30)の開口(3a)の幅を必要以上に広げなくても圧縮機カバー(70)の上部前板(71a)の分解や組立を行うことができるようにしているので、開口(3a)の幅の適切な設定と相まって、十分な熱交換面積を確保して熱交換能力の低下を抑えられる。
また、上記実施形態2においても、天板(24)及び底フレーム(22)の4つの隅部を4本の支柱(21)によって連結しているので、ケーシング(20)の鉛直方向の耐荷重を増大できる。このため、例えば複数のケーシング(20)を上下に積み重ねたり、重量物をケーシング(20)に支持させたりできる。また、各支柱(21)の間の側面(4)にそれぞれ空気の吸込口(25)を形成できるので、室外熱交換器(30)の熱交換面積を十分に得ることができる。これにより、例えば3つの側面に沿って伝熱管が屈曲する熱交換器と比較して、室外熱交換器(30)の小型化、ひいては室外ユニット(10)の小型化を図ることができる。
また、ケーシング(20)の各支柱(21)の基礎脚(27)を、他のケーシング(20)の天板(24)側に設置することで、複数のケーシング(20)を上下に重ねることができる。従って、室外ユニットの設置スペースを削減できる。また、このようにして複数のケーシング(20)を重ねた場合にも、4本の支柱(21)により鉛直方向の強度を十分に確保できる。
また、このようにして室外熱交換器(30)の熱交換面積が増大すると、室外熱交換器(30)に流入する空気の流速が小さくなる。これにより、吹出口(26)から吹き出された吹出空気が再び室外熱交換器(30)に流入する、いわゆるショートサーキットを抑制できる。
また、上記実施形態1によれば、室外熱交換器(30)の内部に機械室(8)を形成しているため、例えば熱交換器の下側や上側にこのような機械室を形成する場合と比較して、ケーシング(20)の高さを低くできる。また、室外熱交換器(30)を底フレーム(22)に設置することで、室外熱交換器(30)や機械室(8)の高さ位置も低くなる。その結果、室外熱交換器(30)や圧縮機(50)等のメンテナンスも容易に行うことができる。
更に、ケーシング(20)の上部に室外ファン(40)を配置することで、ケーシング(20)の下部に室外熱交換器(30)や機械室(8)用のスペースを十分に確保できる。
また、ケーシング(20)の上部に4枚の上側面パネル(23a)を設けることで、これらの上側面パネル(23a)の内側に吹出空気の空気流路を形成できる。また、各支柱(21)を上側面パネル(23a)の取り付け部材として利用できる。
更に、室外熱交換器(30)の両端部と支柱(21)との間に、機械室(8)の機器類等のメンテナンスを行うための2つのメンテナンス用の開口(3a,3a)を形成できる。また、これらの開口(3a,3a)の間の1本の支柱(21)を、2つの下側面パネル(23b,23c)を取り付けるための取り付け部材として利用できる。
−室外熱交換器の寸法について−
上述した冷凍装置の室外ユニット(10)において、図11に示すように、室外熱交換器(30)の寸法は以下のように設定するとよい。図11は、上記実施形態1に係る中型タイプの冷凍装置(10馬力程度)の室外ユニット(10)である。この室外ユニット(10)において、ケーシング(20)の前後の幅をW1とすると、室外熱交換器(30)のうちケーシング(20)の一側方の側面(左側面)に沿って後方から前方へ延びる側方熱交換部(30A)の長さL1は、W1×1/2とするとよい。これにより、ケーシング(20)内には、側方熱交換部(30A)の前側に閉鎖弁(55,56)やヘッダやキャピラリーチューブ等の冷媒配管機器を設置することができる。
また、室外ユニット(10)において左右の幅をW2とすると、室外熱交換器(30)のうちケーシング(20)の前面に沿って右から左へ延びる前方熱交換部(30B)の長さL2は、0より大きくW2×3/4以下とするとよい。これにより、ケーシング(20)の左前面において、圧縮機(50)等のメンテナンスを行うためのメンテナンス開口(30a)を十分に確保できる。
以上のような点を考慮し、室外熱交換器(30)の高さをHとし、室外熱交換器(30)の幅方向(伝熱管(32)の延びる方向)の全長をL(図11のL1+L2+L3+L4)とすると、これらの比率α=H/Lは、冷凍装置の馬力に応じて以下の範囲に設定するとよい。
まず、冷凍装置の馬力が5馬力前後の小型のケーシング(20)である場合、上記αは、0.42以上0.55以下とするとよい。また、冷凍装置の馬力が10馬力前後である中型のケーシング(20)である場合、上記αは、0.37以上0.47以下とするとよい。更に、冷凍装置の馬力が20馬力前後の大型のケーシング(20)である場合、上記αは、0.30以上0.37以下とするとよい。このようにすると、ケーシング(20)の4つの側面に亘って室外熱交換器(30)の熱交換面を十分に確保でき、室外熱交換器(30)の高さを低く抑えることができる。これにより、室外ユニット(10)の小型化を図ることができる。
また、このようにして室外熱交換器(30)の熱交換面積が増大すると、室外熱交換器(30)に流入する空気の流速が小さくなる。これにより、吹出口(26)から吹き出された吹出空気が再び室外熱交換器(30)に流入する、いわゆるショートサーキットを抑制できる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
図12に示すように、天板(24)は、吹出口(26)に対応する部位に膨出部(24b)を形成した形状であってもよい。具体的に、図12に示す例では、ベルマウス(43)の上部が、天板(24)から上方へ膨出する膨出部(24b)を構成している。この場合には、各支柱(21)の下端の基礎脚(27)の長さ(底フレーム(22)から基礎脚(27)の下端までの高さH1)を、天板(20)における膨出部(24b)の膨出高さ(支柱(21)の上端ないし天板(24)の4隅の上端から膨出部(24b)の上端までの高さH2)よりも長くするとよい。こうすると、ケーシング(20)の各基礎脚(27)を、他のケーシング(20)の支柱(21)ないし天板(24)の4隅に設置して、ケーシング(20)を上下に重ねても、上下に隣接する天板(24)と底フレーム(22)との間に所定のクリアランスを確保することができる。
なお、天板(24)における吹出口(26)の対応部位(膨出部(24b))は、吹出口(26)を覆うように上方へ膨出する吹出グリルであってもよい。この場合にも、基礎脚(27)の長さH1を、天板(24)における吹出グリルの膨出高さH2よりも長くすることで、上下に隣接する天板(24)と底フレーム(22)とが干渉することなく、ケーシング(20)を上下に重ねることができる。
例えば、上記圧縮機の台数やサイズ及び圧縮機カバーの位置設定などにより、場合によって、上部前板のビスの締結方向を左右両側とも上部前板の面直角方向にしてもよい。
また、本発明は、室外熱交換器を、下端を底フレームに載置した状態でケーシングに固定するタイプの室外ユニットであれば適用可能であり、室外熱交換器の開口から圧縮機を取り出せる構成である限り、他の具体的な形状は適宜変更してもよい。
また、上記実施形態における冷媒回路機器の配置などは一例に過ぎず、適宜変更することが可能である。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、冷凍装置の室外ユニットにおけるケーシング内での室外熱交換器や圧縮機の配置構造について有用である。
3a 開口
4 側面
8 機械室
10 室外ユニット
20 ケーシング
21 支柱
22 底フレーム(底板)
23a 上側面パネル
26 吹出口
27 基礎脚(脚部)
30 室外熱交換器(熱交換器)
32 伝熱管
3a 開口(メンテナンス
40 室外ファン(ファン)

Claims (4)

  1. 吹出口(26)が形成される天板(24)と、底板(22)とを有し、該天板(24)と底板(22)との間の4つの側面(4)が形成されるケーシング(20)と、
    上記4つの側面(4)に沿うように屈曲した伝熱管(32)を有し、内部に機械室(8)を形成するように上記底板(22)に設置される熱交換器(30)と、
    上記ケーシング(20)の上部に収容され、上記熱交換器(30)を通過した空気を上記吹出口(26)へ搬送するファン(40)とを備え、
    上記ケーシング(20)には、上記天板(24)及び底板(22)の各4つの隅部を連結する4本の支柱(21)が設けられ、
    上記各支柱(21)の下端には、上記底板(22)から下方に延出し且つ天板(24)の吹出口(26)の対応部位(24b)の上方への膨出高さよりも長い脚部(27)が形成されていることを特徴とする冷凍装置の室外ユニット。
  2. 請求項1において、
    上記ケーシング(20)の上部側面には、上記ファン(40)を囲むように上記各支柱(21)に取り付けられる4枚の上側面パネル(23a)が設けられていることを特徴とする冷凍装置の室外ユニット。
  3. 請求項1又は2において、
    上記ケーシング(20)には、上記熱交換器(30)の伝熱管(32)の長手方向の両端部と、1本の上記支柱(21)との間にメンテナンス開口(3a)が形成され、
    上記ケーシング(20)の下部側面には、上記各メンテナンス開口(3a)をそれぞれ開閉自在に上記支柱(21)に取り付けられる2枚の下側面パネル(23b,23c)が設けられていることを特徴とする冷凍装置の室外ユニット。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つにおいて、
    上記天板(20)は、平面形状に形成されていることを特徴とする室外ユニット。
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