JP2013006154A - 渋味が低減されたビール様飲料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ビール本来の風味を損なうことなく、ビール様飲料の渋味を低減させること。
【解決手段】ビール様飲料を製造する過程で得られる中間液に対し、0.0005〜1重量%の濃度になる量の陽イオン交換樹脂を接触させる工程を行う、ビール様飲料の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明はビール様飲料の製造方法に関し、特に、雑味の少ないビール様飲料の製造方法に関する。
ビール様飲料は、一般に、酵母を用いて麦汁等の原料を発酵させることにより製造される。近年では、原料の品質、反応条件の管理等を厳格に行うことにより、香味、旨味、苦味等のビール本来の風味に優れた高品質なビール様飲料が提供されている。
しかしながら、例え製造条件を厳格に管理しても、ビール様飲料の風味には、ビール本来の風味に貢献しない雑味がある程度発生する。例えば、原料として使用される麦等の穀類は苦渋味成分を含み、また、酵母の自己消化によって苦渋味成分が生成する。
雑味はスッキリとした爽快な味感を損なう要因であり、ビール様飲料の嗜好性に悪影響を与える。そのため、従来からビール様飲料の雑味成分の含有量を低下させる方法の検討が行われている。
ビール様飲料の雑味成分の含有量を低下するための手段としては、麦芽の粉砕工程で雑味成分を含む画分を除去する手段、ビール様飲料の仕込み工程で麦芽穀皮の分離や一番麦汁のみを使用する手段、活性炭及びポリビニルポリピロリドン(PVPP)等の吸着剤を使用する手段などが知られている。
しかしながら、麦芽の粉砕工程で雑味成分を含む画分を除去することは原材料の歩留まりが著しく低減するために経済性において極めて不利であり、またビール様飲料の仕込み工程で麦芽穀皮の分離や一番麦汁のみの使用することも、同様に原材料の歩留まりの悪化や過大な設備を要するなど、経済的な損失が大きい。
一方で、吸着剤を使用する方法は安価で簡便である。例えば、特許文献1には、吸着剤を用いて麦汁、麦芽アルコール飲料中間品又は麦芽アルコール飲料から雑味成分の少なくとも一部を除去することを特徴とする麦芽アルコール飲料の製造方法が記載されている。この方法で使用される吸着剤はイオン交換樹脂、合成吸着剤等である。
しかし、これら吸着剤を用いる従来の方法では、ビール本来の風味が失われ、ビール様飲料の嗜好性が却って低下する問題がある。また、ビール様飲料の雑味のうち、特に渋味については有効に低下させることが困難である。
国際公開第02/004593号公報
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、ビール本来の風味を損なうことなく、ビール様飲料の渋味を低減させることにある。
本発明は、ビール様飲料を製造する過程で得られる中間液に対し、0.0005〜1重量%の濃度になる量の陽イオン交換樹脂を接触させる工程を行う、ビール様飲料の製造方法を提供する。
ある一形態においては、前記中間液が、ビール様飲料を製造する過程の最終段階で得られるものである。
ある一形態においては、前記中間液が麦由来の成分を含むものである。
ある一形態においては、前記中間液が麦汁を含み、麦汁を熟成させる工程の後に得られるものである。
ある一形態においては、前記陽イオン交換樹脂の平均粒子径が0.01〜0.8mmである。
ある一形態においては、前記陽イオン交換樹脂が強酸型陽イオン交換樹脂である。
本発明の方法によれば、ビール様飲料の渋味が低減する。他方、ビール様飲料のビール本来の風味は維持される。その結果、ビール様飲料の嗜好性が向上する。
ビールの製造に使用する陽イオン交換樹脂(未粉砕品)の量とビールの渋味強度及び嗜好性との関係を示すグラフである。 ビールの製造に使用する陽イオン交換樹脂(粉砕品)の量とビールの渋味強度及び嗜好性との関係を示すグラフである。 ビールの製造に使用する陽イオン交換樹脂(未粉砕品)の量とビールの渋味強度及び嗜好性との関係を示すグラフである。 ビールの製造に使用する陽イオン交換樹脂(粉砕品)の量とビールの渋味強度及び嗜好性との関係を示すグラフである。 ノンアルコールビール風味飲料の製造に陽イオン交換樹脂を使用した場合に、渋味強度が低減することを示すグラフである。
本発明の方法では、ビール様飲料を製造する過程で得られる中間液に対し、特定量の陽イオン交換樹脂を接触させる。後に詳述するように、ビール様飲料を製造する過程には、例えば、製麦、仕込、発酵、熟成、濾過等の工程が包含される。中間液とは、これらのいずれかの工程の最中又は終了後に得られる液をいう。中間液の概念には、例えば、麦汁、発酵液、熟成(貯酒)液などが含まれる。
陽イオン交換樹脂は、渋味の原因物質を効率的に吸着する。他方、陽イオン交換樹脂は、渋味の原因物質以外の香味成分に対する吸着性に劣り、過剰に使用しない限りはビール本来の風味に貢献する香味成分まで吸着することはない。特に、使用する陽イオン交換樹脂の量を特定範囲に調節することにより、ビール様飲料のビール本来の風味が維持される。
ビール様飲料とは、ビール様の香味を有する飲料の全てを指していう。中でも好ましいビール様飲料は、酵母を用いて、炭素源、窒素源、ホップ類などの原料を発酵させた飲料である。炭素源としては、麦芽および大麦、米、とうもろこしなどの穀物類を糖化して得た糖液や、糖類そのものから得た糖液などが使用される。窒素源としては、麦芽以外の植物由来のタンパク質もしくはその加水分解物が使用される。ビール様飲料の具体例には、ビール、発泡酒、雑酒、リキュール類、スピリッツ類、低アルコール発酵飲料、ノンアルコール飲料などであって、ビール様の香味を有するものが含まれる。
ビール様飲料を製造する過程は、通常、製麦、仕込、発酵、熟成、濾過等の工程を包含する。まず、製麦工程として、収穫された麦を、水に浸けて適度に発芽させた後、熱風により焙燥して、麦芽を製造する。該麦芽は常法により破砕してもよい。尚、ここで言う麦には大麦及び小麦などが含まれる。
次に、糖化工程として、主原料である麦芽と、副原料である麦芽以外の澱粉質から麦汁を調製する。まず、麦芽の破砕物、大麦等の副原料、及び温水を仕込槽に加えて混合してマイシェを調製する。マイシェの調製は、常法により行うことができ、例えば、35〜50℃で20〜90分間保持することにより行うことができる。また、必要に応じて、主原料と副原料以外にも、後述する糖化酵素やプロテアーゼ等の酵素剤や、スパイスやハーブ類等の香味成分等を添加してもよい。
その後、該マイシェを徐々に昇温して所定の温度で一定期間保持することにより、麦芽由来の酵素やマイシェに添加した酵素を利用して、澱粉質を糖化させる。糖化処理時の温度や時間は、用いる酵素の種類やマイシェの量、目的とする麦芽アルコール飲料の品質等を考慮して、適宜決定することができ、例えば、60〜72℃にて30〜90分間保持することにより行うことができる。糖化処理後、76〜78℃で10分間程度保持した後、マイシェを麦汁濾過槽にて濾過することにより、透明な麦汁を得る。
その他、麦芽の一部、大麦の一部又は全部、及び温水を仕込釜に加えて混合して調製したマイシェを、糖化処理した後、前述の仕込槽で糖化させたマイシェと混合したものを、麦汁濾過槽にて濾過することにより麦汁を得てもよい。
得られた麦汁を煮沸釜に移し、ホップを加えて煮沸する。ホップは、煮沸開始から煮沸終了前であればどの段階で混合してもよい。煮沸した麦汁を、ワールプールと呼ばれる沈殿槽に移し、煮沸により生じたホップ粕や凝固したタンパク質等を除去した後、プレートクーラーにより適切な発酵温度まで冷却する。該発酵温度は、通常8〜15℃である。
次いで発酵工程として、冷却した麦汁に酵母を接種して、発酵タンクに移し、発酵を行う。さらに、熟成工程として、得られた発酵液を、貯酒タンク中で熟成させ、0℃程度の低温条件下で貯蔵し安定化させる。
次いで濾過工程として、熟成後の発酵液を濾過することにより酵母及びタンパク質等を除去して、目的のビール様飲料を得ることができる。また、酵母による発酵工程以降の工程において、例えばスピリッツと混和することにより、酒税法におけるリキュール類を製造することができる。
上記副原料とは、麦芽とホップ以外の原料を意味する。該副原料として、例えば、大麦、小麦、コーンスターチ、コーングリッツ、米、こうりゃん等の澱粉原料や、液糖や砂糖等の糖質原料がある。ここで、液糖とは、澱粉質を酸又は糖化酵素により分解、糖化して製造されたものであり、主にグルコース、マルトース、マルトトリオース等が含まれている。その他、香味を付与又は改善することを目的として用いられるスパイス類、ハーブ類、及び果物等も、副原料に含まれる。
上記糖化酵素とは、澱粉質を分解して糖を生成する酵素を意味する。該糖化酵素として、例えば、α−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、プルナラーゼ等がある。
上記大麦とは、未発芽の大麦を意味する。大麦は、未発芽のものであれば、特に限定されるものではなく、可食性の任意の品種の大麦を用いることができるが、麦芽の製造に用いられている品種の大麦であることが好ましい。大麦には、澱粉の他に窒素源や有機酸、ビタミンやミネラルが豊富に含まれており、大麦が有する麦芽アルコール飲料に対する麦芽感の増強効果は、これらの成分によるものと考えられている。
大麦は、未精白のものであってもよく、精白されたものであってもよい。ポリフェノール等の渋味成分や雑味成分は、大麦穀皮等に多く含まれているため、大麦穀皮が除去されている精白された大麦であることがより好ましい。また、糖化酵素による糖化がなされ易いため、粉砕大麦や大麦押麦であることが好ましく、大麦押麦をさらに粉砕したものであることも好ましい。ここで、粉砕大麦は、未精白又は精白された大麦を粉砕したものであり、大麦押麦は、未精白又は精白された大麦を、蒸気で加熱した後に圧扁したものである。
本発明の方法において、陽イオン交換樹脂と接触させる中間液は、好ましくは、ビール様飲料を製造する過程の最終段階で得られるもの、例えば、麦汁を熟成させる工程の後に得られる液である。ここでいう最終段階とは、ビール様飲料の香味が自発的に変化する工程が終了した段階を意味する。例えば、中間液に含まれる成分の反応が進行している間は、ビールの香味は自発的に変化する。他方、中間液に含まれる成分の反応が終了した後は、ビールの香味は自発的に変化しない。
上述のビール様飲料の製造方法では、熟成工程が行われた後の段階がビール様飲料を製造する過程の最終段階に該当する。アルコール発酵工程を経ずに製造される、いわゆるビアテイスト飲料、ノンアルコールビール風味飲料などと云われる清涼飲料水は、麦汁に香料や副原料を添加し製造されるので、麦汁が陽イオン交換樹脂と接触させる中間液になる。
最終段階で得られる中間液が好ましい理由は、ビール様飲料を製造する過程の初期又は中間段階の中間液から渋味成分を除去しても、その後に中間液に含まれる成分の反応が進行すると、渋味成分が発生しうるからである。
上記中間液と陽イオン交換樹脂との接触は、例えば、中間液中に陽イオン交換樹脂を添加し、要すれば撹拌することにより行うことができる。中間液中に陽イオン交換樹脂を懸濁させ、撹拌することが好ましい。
陽イオン交換樹脂の使用量は、中間液に対し、0.0005〜1重量%の濃度になる量である。陽イオン交換樹脂の使用量が0.0005重量%未満であるとビール様飲料の渋味が十分に低下せず、1重量%を超えると嗜好性が低下する。好ましくは、陽イオン交換樹脂の使用量は、中間液に対し、0.001〜0.1重量%の濃度になる量であり、より好ましくは0.01〜0.1重量%の濃度になる量である。
陽イオン交換樹脂は微細化したものを使用することが好ましい。例えば、陽イオン交換樹脂の平均粒子径は0.01〜0.8mmに調節する。陽イオン交換樹脂の平均粒子径が0.01mm未満であると濾過工程で使用するフィルターが目詰まりを起こすことで、差圧上昇を引き起こし、ビール濾過ができないことになる。0.8mmを超えると、ビール濾過工程で使用するキャンドルフィルターのスラッジスペースが無くなり、ビール濾過ができないこととなる。好ましくは、陽イオン交換樹脂の平均粒子径は、0.05〜0.5mmであり、より好ましくは0.1〜0.5mmである。
陽イオン交換樹脂は、不溶性樹脂からなる母体と、母体の表面又は内部に固定された陽イオン交換基を有する樹脂をいう。陽イオン交換基は酸性基であり、例えばスルホン酸基及びカルボン酸基等が含まれる。陽イオン交換樹脂の中でも、強酸型イオン交換樹脂が好ましい。一般に、ビール様飲料は水素イオン濃度(pH)が3.5〜5.0であり、強酸型イオン交換樹脂を使用すると渋味成分の除去効率が向上する。
陽イオン交換樹脂は市販されているものを使用すればよい。市販されている陽イオン交換樹脂のうち、好ましいものには、オルガノ社製の「アンバーライト200CT Na」(商品名)、「アンバーライト200CT H」(商品名)、三菱化学社製の「ダイヤイオンPK220」(商品名)等が挙げられる。
中間液に対して陽イオン交換樹脂を接触させる時間は特に限定はないが、2分以上が好ましい。この接触時間が2分未満であると渋味除去効果が弱くなるからである。なお、接触時間を延長しても渋味除去能に有意な変化は無い。例えば、製造工程上、樹脂を短時間で除去することは困難であり、樹脂の接触時間が20日以上となることもあり得るが、渋味除去能に影響はない。
その後、陽イオン交換樹脂が添加された中間液から陽イオン交換樹脂を除去する。陽イオン交換樹脂の除去はろ過、遠心分離等の操作により行えばよい。陽イオン交換樹脂を除去して得られた液はそのままビール様飲料として使用することができる。また、要すれば、香料等の副原料が添加されて香味品質の調製を行った後に、ビール様飲料として使用することができる。
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
熟成工程終了後のビール中間液を準備した。室温の環境下で、このビール中間液1リットルに対して、未粉砕(平均粒子径0.6〜0.8mm)の強酸型陽イオン交換樹脂(オルガノ社製「アンバーライト200CT」(商品名))を添加した。混合液を30分間攪拌することにより、ビール中間液に対して陽イオン交換樹脂を十分に接触させた。その後、遠心分離(7000rpm×15分)を行うことによって混合液から陽イオン交換樹脂を除去した。
陽イオン交換樹脂を除去して得られた液をビールとして調製した。そして、専門評価者によって、調製したビールの渋味強度、及びビールとしての嗜好性の官能評価を行った。その際、陽イオン交換樹脂と接触させないビール中間液から調製したビールを対照として使用し、評価値は、4人の専門評価者の平均値を採用した。評価基準及び評価結果を表1〜4に示す。また、図1に評価結果をグラフとして示す。
[表1]
渋味評価基準
Figure 2013006154
[表2]
渋味強度評価結果
Figure 2013006154
[表3]
嗜好性評価基準
Figure 2013006154
[表4]
嗜好性評価結果
Figure 2013006154
評価結果に示されるように、ビールの渋味強度は陽イオン交換樹脂の添加量が増えるに従い低減された。しかし、10重量%添加区では嗜好性も大きく低下した。つまり、陽イオン交換樹脂の添加量が過剰となると渋味成分以外の成分である苦味成分、アミノ酸、香気成分なども吸着・除去されてしまい、ビールらしさ、おいしさを損なう結果となった。
従って、ビール中間液に対するイオン交換樹脂の添加量は0.0005〜1%の範囲が適当である。
実施例2
強酸型陽イオン交換樹脂(オルガノ社製「アンバーライト200CT」(商品名))を粉砕して平均粒子径を0.05mmに調節した。この陽イオン交換樹脂の粉砕品を使用すること以外は実施例1と同様にしてビールを製造し、評価した。結果を表5及び6、及び図2に示す。
[表5]
渋味強度評価結果
Figure 2013006154
[表6]
嗜好性評価結果
Figure 2013006154
評価結果に示されるように、同じ樹脂添加量であれば、樹脂の平均粒径が細かいほうが渋味の低減効果が得られやすくなった。ビールの陽イオン交換樹脂に対する接触機会が多くなるためと考えられる。
実施例3
陽イオン交換樹脂として未粉砕(平均粒子径0.6〜0.8mm)の強酸型陽イオン交換樹脂(三菱化学社製「ダイヤイオンPK220」(商品名))を用いること以外は実施例1と同様にして、ビールを製造し、評価した。結果を表7及び8、及び図3に示す。
[表7]
渋味強度評価結果
Figure 2013006154
[表8]
嗜好性評価結果
Figure 2013006154
評価結果に示されるように、強酸型陽イオン交換樹脂を使用すれば、製造元を変更した場合でも、ビール本来の風味を損なうことなく、ビールの渋味を低減させる効果が得られた。
実施例4
強酸型陽イオン交換樹脂(三菱化学社製「ダイヤイオンPK220」(商品名))を粉砕して平均粒子径を0.05mmに調節した。この陽イオン交換樹脂の粉砕品を使用すること以外は実施例1と同様にしてビールを製造し、評価した。結果を表9及び10、及び図4に示す。
[表9]
渋味強度評価結果
Figure 2013006154
[表10]
嗜好性評価結果
Figure 2013006154
評価結果に示されるように、使用する強酸型陽イオン交換樹脂の製造元を変更した場合でも、樹脂の平均粒径が細かいほうが渋味の低減効果が得られやすくなった。
実施例5
製麦工程として、収穫された麦を、水に浸けて適度に発芽させた後、熱風により焙燥して、麦芽を製造した。該麦芽は常法により破砕した。次に、麦芽の破砕物及び温水を仕込槽に加えて混合してマイシェを調製した。マイシェの調製は、50℃で90分間保持することにより行った。その後、該マイシェを徐々に昇温して所定の温度で一定期間保持することにより、麦芽由来の酵素を利用して、澱粉質を糖化させた。糖化処理時の温度や時間は、72℃にて30分間保持することにより行った。糖化処理後、78℃で10分間保持した後、マイシェを麦汁濾過槽にて濾過することにより、透明な麦汁を得た。
室温の環境下で、得られた麦汁1リットルに対して、未粉砕(平均粒子径0.6〜0.8mm)の強酸型陽イオン交換樹脂(オルガノ社製「アンバーライト200CT」(商品名))を0.1重量%の濃度になる量添加した。混合液を30分間攪拌することにより、麦汁に対して陽イオン交換樹脂を十分に接触させた。その後、遠心分離(7000rpm×15分)を行うことによって混合液から陽イオン交換樹脂を除去した。
陽イオン交換樹脂を除去して得られた液に酸味料、苦味料、炭酸ガスを加え、ノンアルコールビール風味飲料を調製した。そして、実施例1と同様にして、調製した飲料の渋味強度の官能評価を行った。評価結果を表11に示す。また、図5に評価結果をグラフとして示す。
[表11]
渋味強度評価結果
Figure 2013006154
評価結果に示されるように、麦汁に対して強酸型陽イオン交換樹脂を接触させることにより、ノンアルコールビール風味飲料についても、渋味を低減させる効果が得られた。

Claims (6)

  1. ビール様飲料を製造する過程で得られる中間液に対し、0.0005〜1重量%の濃度になる量の陽イオン交換樹脂を接触させる工程を行う、ビール様飲料の製造方法。
  2. 前記中間液が、ビール様飲料を製造する過程の最終段階で得られるものである請求項1に記載のビール様飲料の製造方法。
  3. 前記中間液が麦由来の成分を含むものである請求項1又は2に記載のビール様飲料の製造方法。
  4. 前記中間液が麦汁を含み、麦汁を熟成させる工程の後に得られるものである請求項1〜3のいずれか一項に記載のビール様飲料の製造方法。
  5. 前記陽イオン交換樹脂の平均粒子径が0.01〜0.8mmである請求項1〜4のいずれか一項に記載のビール様飲料の製造方法。
  6. 前記陽イオン交換樹脂が強酸型陽イオン交換樹脂である請求項1〜5のいずれか一項に記載のビール様飲料の製造法。
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