JP2013005823A - カテーテル - Google Patents

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Abstract

【課題】柔軟性の低下を抑制しつつ、引っ張り強度の向上を図ることが可能なカテーテルを提供すること。
【解決手段】ステントデリバリカテーテル10においてバルーン13の遠位側レッグ領域13eよりも遠位側には、延出部41が形成されている。延出部41にはスリット42が形成されている。また、延出部41を外周側から覆うカバーチューブ43が形成されている。カバーチューブ43は延出部41よりも柔らかい材料で形成されている。ここで、カバーチューブ43の一部は、延出部41を内周側から覆わない範囲内でスリット42内に入り込んでいる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、カテーテルに関するものである。
カテーテルは体内の腔、管、血管等に挿入する中空状の医療器具である。当該カテーテルは、様々な用途で用いられている。例えば、閉塞状態又は狭窄状態にある血管の通路を確保するために用いられるバルーンカテーテル、当該通路の確保に際して使用されるステントをデリバリするためのカテーテル、閉塞箇所や狭窄箇所を貫通させるために使用されるカテーテル、血栓の吸引を行うために用いられる吸引カテーテル、血管造影剤の注入等に際して使用される注入カテーテル、これらカテーテルを目的箇所に導入するために使用されるガイディングカテーテル等が知られている。
カテーテルの操作性を向上させるのに必要な性能としては、挿入される血管等に対する追従性が挙げられ、この場合、カテーテルのチューブは柔軟に形成されている必要がある。その一方、血管等への挿入に際してのチューブの変形や潰れを抑制することが可能な強度も必要となる。
このような要求性能に対して例えば特許文献1には、バルーンカテーテルにおいてその遠位端部に補強用の形状維持体を設けた構成が開示されている。かかる構成の場合、スプリング状の形状維持体を、当該形状維持体よりも柔軟な樹脂材料により形成された樹脂層に埋設することで、当該形状維持体がチューブの内周面及び外周面の両方に露出しないようにしながら強度の向上を図っている。
国際公開第2006/093274号
ここで、上記スプリング状のように所定の孔部を有する形状維持体においては、柔軟性をある程度確保しながら、ラジアル方向の強度の向上を図ることができる反面、引っ張り強度の向上を図りづらい。かといって、引っ張り強度の向上を図るために柔軟性が極端に低下してしまうことは好ましくない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、柔軟性の低下を抑制しつつ、引っ張り強度の向上を図ることが可能なカテーテルを提供することを目的とするものである。
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。
第1の発明のカテーテル:チューブ状をなすとともに軸線方向の途中位置に内外に貫通する孔部が生じるように形成されたベース層と、当該ベース層よりも柔らかい材料で形成され、当該ベース層の外周面に積層されているとともに外周側から前記孔部を覆うカバー層と、を備え、前記カバー層を形成する材料は、内周側から前記ベース層を覆わない範囲において前記孔部内に入り込んでいることを特徴とする。本構成によれば、ベース層に孔部が生じている分だけ、孔部が生じている箇所における柔軟性が向上している。これにより、カテーテルの追従性の向上を図ることができる。また、ベース層に対してカバー層が積層されており、さらに当該カバー層を形成する材料は孔部内に入り込んでいるため、単にカバー層がベース層に積層されている構成と比較して、引っ張り強度の向上を図ることができる。その一方、カバー層は、ベース層よりも柔らかい材料で形成されているとともに、内周側からベース層を覆わない範囲で孔部内に入り込んでいるため、柔軟性の低下は軽減されている。以上のことから、柔軟性の低下を抑制しつつ、引っ張り強度の向上を図ることができる。
第2の発明のカテーテル:第1の発明において、前記孔部は、複数の壁要素が所定方向に離間させて形成されることにより生じるものであり、前記カバー層において前記孔部内に入り込んでいる入り込み部は、当該孔部を区画形成している前記壁要素における当該孔部側を向く面の少なくとも一部に対して溶着されていることを特徴とする。本構成によれば、入り込み部が壁要素における孔部側を向く面の少なくとも一部に対して溶着されているため、引っ張り強度の更なる向上を図るとともに、カバー層とベース層との分離を抑制することができる。
第3の発明のカテーテル:第1又は第2の発明において、前記孔部は、複数の壁要素が所定方向に離間させて形成されることにより生じるものであり、前記カバー層において前記孔部内に入り込んでいる入り込み部は、当該孔部を区画形成している前記壁要素における当該孔部側を向く面であって前記入り込み部と対峙する面の少なくとも一部に対して結合されていないことを特徴とする。本構成によれば、壁要素の一部の面については入り込み部と結合されないため、ベース層の柔軟性の低下を抑制することができる。これにより、引っ張り強度と柔軟性との両立を図ることができる。
なお、「結合」とは、共有結合、水素結合等といった化学結合や、分子間力による相互作用による結合といった、両者の間に所定の結合エネルギーが発生するものや、接着層を介したものを含む。一方、当接による摩擦力や慣性力といったものは、「結合」には含まない。
第4の発明のカテーテル:第1乃至第3のいずれか1の発明において、前記ベース層の内周面は流体及び所定の部材の少なくとも一方が通過する通路の周面を規定し、前記カバー層において前記孔部内に入り込んでいる入り込み部は、前記通路内に突出していないことを特徴とする。本構成によれば、入り込み部が通路内に突出していないため、通路内を流体等が通過する場合に入り込み部が邪魔にならない。これにより、入り込み部を設けることに起因する流体等の通過性の低下を抑制することができる。
第5の発明のカテーテル:第4の発明において、前記入り込み部は、前記通路の周面に凹凸を生じさせないように形成されていることを特徴とする。本構成によれば、入り込み部により通路の周面に凹凸が生じないようになっているため、通路内を通過する流体等が、離間させて形成された壁要素の凹凸に引っ掛かることを回避することができる。これにより、通路内を通過する流体等の通過性の更なる向上を図ることができる。
第6の発明のカテーテル:第1乃至第5のいずれか1の発明において、前記孔部は、複数の壁要素が所定方向に離間させて形成されることにより生じるものであり、前記壁要素は、前記ベース層において外周面を生じさせる第1層と、内周側から前記第1層に積層された第2層と、を備え、前記第1層を形成する材料は、前記カバー層を形成する材料と熱溶着可能な材料により形成されており、前記第2層を形成する材料は、前記カバー層を形成する材料と熱溶着しない材料により形成されていることを特徴とする。本構成によれば、カバー層を第1層に対して熱溶着させることにより、引っ張り強度の向上を図るとともに、カバー層とベース層との分離を抑制することができる。一方、カバー層と第2層とは熱溶着しないため、両者の間には物理的な結合力が弱く、柔軟になっている。これにより、引っ張り強度と柔軟性との両立をより好適に図ることができる。
第7の発明のカテーテル:第6の発明において、前記カバー層において前記孔部内に入り込んでいる入り込み部は、前記第1層における前記孔部側を向く面に対して熱溶着されていることを特徴とする。本構成によれば、入り込み部が第1層における孔部側を向く面に対して熱溶着されているため、引っ張り強度の更なる向上を図ることができる。
第8の発明のカテーテル:第6又は第7の発明において、前記カバー層において前記孔部内に入り込んでいる入り込み部は、前記第2層に対して前記孔部側から対峙する領域が生じるように入り込んでいることを特徴とする。本構成によれば、第2層に対して孔部側から対峙する領域が生じるように、入り込み部が入り込んでいるため、入り込み部を設けたことによる引っ張り強度の更なる向上を図ることができる。
第9の発明のカテーテル:第8の発明において、前記入り込み部において前記第2層に対して前記孔部側から対峙する領域は、当該第2層に結合されていないことを特徴とする。本構成によれば、第2層に対して孔部側から対峙する領域は第2層に結合されていないため、両者の間の物理的な結合力が弱く、柔軟になっている。これにより、引っ張り強度の向上を図りつつ、柔軟性の低下を抑制することができる。
第10の発明のカテーテル:第9の発明において、前記入り込み部において前記第2層に対して前記孔部側から対峙する領域は、当該第2層に結合されていない一方、密着していることを特徴とする。本構成によれば、入り込み部と第2層とが密着しているため、カテーテルを引っ張る場合に両者が当接して、両者が一体的に動く。これにより、引張力をベース層とカバー層とで分散させて受けることができるため、引っ張り強度の更なる向上を図ることができる。
第11の発明のカテーテル:第6乃至第10のいずれか1の発明において、前記ベース層の内周面は所定の部材が通過する通路の周面を規定し、前記第2層は前記第1層よりも前記所定の部材に対する摩擦抵抗が低い材料により形成されており、前記第1層は前記第2層よりも柔らかい材料により形成されていることを特徴とする。本構成によれば、第2層は第1層よりも所定の部材に対する摩擦抵抗が低い材料により形成されているため、ベース層の内周面を通過する所定の部材の通過性の向上を図ることができる。一方、第1層は第2層よりも柔らかい材料により形成されているため、第2層を形成する材料として、柔らかさよりも摩擦抵抗を優先したものを採用した場合であっても、所定の柔軟性を確保することができる。
第12の発明のカテーテル:第6乃至第11のいずれか1の発明において、前記ベース層の内周面は所定の部材が通過する通路の周面を規定し、前記カバー層は、ポリアミドエラストマを用いて形成されており、前記第1層は、ポリアミドエラストマを用いて形成されており、前記第2層は、ポリイミドを用いて形成されていることを特徴とする。本構成によれば、カバー層と第1層とがポリアミドエラストマで形成されているため、両者の結合を容易且つ強固に行うことができる。一方、第2層は、ポリイミドを採用することにより、所定の強度を確保することができる。
第13の発明のカテーテル:第1乃至12のいずれか1の発明において、前記ベース層において前記孔部を有する領域は、遠位端側であることを特徴とする。本構成によれば、遠位端側に孔部を有する領域が設けられているため、カテーテルの追従性の向上をより好適に図ることができる。
(a)バルーン及びカバーチューブを縦断面の状態で示す、膨張状態のバルーン及びその周辺の構成を示す側面図であり、(b)延出部について一部を拡大して示す縦断面図である。 (a)バルーンカテーテルの構成を示す概略全体側面図である。 (a)圧縮状態のバルーン及びその周辺の構成を説明するための説明図であり、(b)膨張状態のバルーン及びその周辺の構成を説明するための説明図である。 (a)第2の実施形態における膨張状態のバルーン及びその周辺の構成示す縦断面図であり、(b)領域Aの拡大図であり、(c)領域Bの拡大図である。 カバーチューブの変形例を説明するための先端部の一部拡大縦断面図である。 先細り領域の変形例を説明するための先端部の部分縦断面図である。
(第1の実施形態)
以下、カテーテルの一種であるバルーン拡張型のステントデリバリカテーテル10についての一実施形態を図面に基づいて説明する。先ず図2及び図3を参照しながらステントデリバリカテーテル10の概略構成を説明する。図2はステントデリバリカテーテル10の構成を示す概略全体側面図である。なお、図面の関係上、バルーン13周辺を実際よりも大きく示す。図3は、バルーン13及びその周辺の構成を説明するための説明図であり、(a)は収縮状態のバルーン13を示し、(b)は膨張状態のバルーン13を示す。
図2に示すように、ステントデリバリカテーテル10は、カテーテルチューブ11と、当該カテーテルチューブ11の近位端部(基端部)に取り付けられたハブ12と、カテーテルチューブ11の遠位端側(先端側)に取り付けられたバルーン13と、バルーン13に装着されているステント14と、を備えている。なお、ステントデリバリカテーテル10の長さ寸法は、1m〜2mとなっている。
カテーテルチューブ11は、複数のチューブにより構成されており、少なくとも軸線方向(長手方向)の途中位置からバルーン13の位置まで内外複数管構造となっている。具体的には、カテーテルチューブ11は、外側チューブ15と、当該外側チューブ15よりも細径化された内側チューブ16と、を備えており、外側チューブ15に内側チューブ16が内挿されていることで内外2重管構造となっている。
外側チューブ15は、軸線方向の全体に亘って連続するとともに両端にて開放された外側管孔21(図3参照)を有する管状に形成されている。また、外側チューブ15は、Ni―Ti合金やステンレスなどの金属により形成された外側近位チューブ22と、当該外側近位チューブ22に対して遠位側にて連続し外側近位チューブ22よりも剛性が低くなるように熱可塑性のポリアミドエラストマにより形成された外側中間チューブ23と、当該外側中間チューブ23に対して遠位側にて連続し外側中間チューブ23よりも剛性が低くなるように熱可塑性のポリアミドエラストマにより形成された外側遠位チューブ24と、を備えている。
なお、外側近位チューブ22を合成樹脂により形成してもよい。また、外側中間チューブ23及び外側遠位チューブ24の形成材料は、熱可塑性のポリアミドエラストマに限定されることはなく、他の合成樹脂により形成されていてもよく、金属製の編組チューブや金属製のコイルが合成樹脂製の壁部に埋設された構成であってもよい。また、本明細書において剛性とは、カテーテルを軸線方向に対して直交する方向に曲げようとするときに作用するモーメントの大きさのことをいう。
内側チューブ16は、図3に示すように、軸線方向の全体に亘って連続するとともに両端にて開放された内側管孔31を有する管状に形成されている。内側管孔31の内径は任意であるが、例えば0.39mmに設定されている。また、内側チューブ16は、その近位端部が外側チューブ15における軸線方向の途中位置、具体的には外側中間チューブ23と外側遠位チューブ24との境界に対して接合され、さらに外側チューブ15よりも遠位側に延出するように設けられている。そして、この延出している領域を外側から覆うようにしてバルーン13が設けられている。内側チューブ16の外径は任意であるが、例えば0.41mmに設定されている。
内側管孔31は、ガイドワイヤGが挿通されるガイドワイヤ用ルーメンとして機能する。また、図2に示すように、内側管孔31の近位端開口31aがステントデリバリカテーテル10の軸線方向の途中位置に存在した所謂RX型のカテーテルとなっているが、これに限定されることはなく、内側管孔31の近位端開口31aがステントデリバリカテーテル10の近位端部に存在する所謂オーバー・ザ・ワイヤ型のカテーテルであってもよい。
バルーン13は、熱可塑性のポリアミドにより形成されている。但し、これに限定されることはなく、ポリオレフィン、ポリオレフィンエラストマ、ポリエステル、ポリエステルエラストマ、ポリアミドエラストマ、ポリイミド、ポリイミドエラストマ、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマ、ポリエチレンテレフタレート、シリコンゴム、スチレンオレフィンゴムなどといった他の合成樹脂により形成されていてもよい。また、このように列挙した合成樹脂や上記ポリアミドエラストマのうち、2種類以上を混合させた材料により形成してもよく、この場合、単層構造としてもよく、多層構造としてもよい。
バルーン13の製造方法としては特に限定されることはなく、ブロー成形、ディッピング成形、押出成形などによる製造方法が挙げられる。但し、心臓の冠状動脈に生じた狭窄部を拡張治療する場合、バルーン13が十分な耐圧強度を有することが好ましく、この場合、ブロー成形が好ましい。
バルーン13は、図3に示すように、外側管孔21を介する圧縮流体の流入及び吸引により、外径が相対的に大小となる膨張状態と収縮状態とに変形可能に構成されており、収縮状態では内側チューブ16に巻きついている(図3(a)参照)。バルーン13は、図3(b)に示すように、膨張状態において内径及び外径が複数段階で代わるように形成されている。つまり、バルーン13は、外側チューブ15に接合される近位側レッグ領域(近位側接合領域)13aと、先端側に向けて内径及び外径が連続的に拡径されるようにテーパ状をなす近位側コーン領域(近位側の遷移領域)13bと、長さ方向の全体に亘って内径及び外径が同一でありバルーン13の最大外径領域をなす直管領域(膨張用領域)13cと、先端側に向けて内径及び外径が連続的に縮径されるようにテーパ状をなす遠位側コーン領域(遠位側の遷移領域)13dと、内側チューブ16に接合される遠位側レッグ領域(遠位側接合領域)13eとを、近位側からこの順で有している。
ステント14は、ステンレス等の金属材料により略円筒形状に形成されている。ステント14は塑性変形可能な材料で形成されている。ステント14は、折畳まれることにより円筒形状をなした通常状態よりも縮径された縮径状態となり、バルーン13によって拡径(膨張)方向に外力が付与されることにより通常状態に変形する構成となっている。
ここで、内側チューブ16には一対の造影環32,33が取り付けられている。各造影環32,33は、X線造影機能を有する金属、詳細にはステンレス鋼により形成されており、X線を投影することでその位置を特定することができるようになっている。なお、各造影環32,33については、金、白金、イリジウム、コバルトクロム合金、チタンなどを用いてもよい。
次に、内側チューブ16の先端部の構成について、図1(a)を参照しながら詳細に説明する。図1(a)はバルーン13及びカバーチューブ43を縦断面の状態で示す、膨張状態のバルーン13及びその周辺の構成を示す側面図である。なお、造影環33については図示を省略する。
内側チューブ16は1のチューブにより形成されており、遠位側レッグ領域13eよりも遠位側に延出した延出部41を備えている。延出部41には、当該延出部41の柔軟性を高めるべく、内外に貫通したスリット42が形成されている。スリット42は内側チューブ16の長手方向を軸線とする螺旋状に形成されている。スリット42は、延出部41の両端側の所定領域を除いて、延出部41全体に亘って形成されている。この場合、両端側の所定領域のうち、先端側(遠位端側)の所定領域の範囲は、スリット42のピッチよりも短く設定されている。例えばスリット42のピッチは0.05mm〜0.3mmに設定されており、先端側の所定領域の範囲は0.05mm〜0.3mmのうち上記ピッチよりも短い寸法に設定されている。より好ましくは、先端側の所定領域の範囲が0.1mmに設定されており、ピッチが0.1mm〜0.3mmに設定されている。これにより、先端側の所定領域の範囲が上記ピッチよりも長く設定されている構成と比較して、先端部の柔軟性の向上を図ることができ、ガイドワイヤGへの追従性の向上を図ることができる。なお、基端側(近位端側)の所定領域の範囲は、0.2mm〜1mmに設定されている。
ここで、内側チューブ16の一部が延出部41となっているため、複数のチューブを接合する必要がない。これにより、接合箇所から剥離するといった不都合を回避することができるとともに、接合箇所が局所的に硬くなることに起因する耐キンク性の低下を抑制することができる。
また、延出部41にはスリット42が形成されているため、1のチューブを用いて延出部41を形成する構成において、当該延出部41に柔軟性を付与することができる。これにより、ステントデリバリカテーテル10の追従性の向上を図ることができる。
また、延出部41の両端側の所定領域にはスリット42が形成されていないため、内側チューブ16(延出部41)の両端側の強度は低下しないようになっている。これにより、先端部が潰れたり変形したりすることを抑制することができるとともに、延出部41の近位端側が変形してバルーン13と内側チューブ16とが剥離することを抑制することができる。
内側チューブ16は、延出部41を覆うカバーチューブ43を備えている。カバーチューブ43は、延出部41よりも柔らかい(ショア硬度が低い)材料で形成されており、具体的にはPEBAXなどの熱可塑性のポリアミドエラストマで形成されている。カバーチューブ43は延出部41を外周側から覆っている。カバーチューブ43における延出部41の外周面からの厚さは、バルーン13の遠位側レッグ領域13eの肉厚(例えば0.05mm〜0.07mm)と同一に設定されており、カバーチューブ43における近位側の端部は、遠位側レッグ領域13eと連続している。このため、カバーチューブ43とバルーン13との間に段差が生じないようになっている。なお、カバーチューブ43が形成されている領域の外径は例えば0.46mm〜0.48mmとなっている。
ステントデリバリカテーテル10の通過性の向上を図るべく、カバーチューブ43の遠位側には、軸線方向の途中位置から遠位端部に向けて徐々に肉厚が小さくなる先細り領域44が形成されている。このため、延出部41は遠位側に向けて先細り(テーパ状)となっている。
カバーチューブ43は、延出部41に対して熱溶着されている。その溶着態様について図1(b)を用いて説明する。図1(b)は、延出部41について一部を拡大して示す縦断面図である。
先ず、上記溶着態様を説明する前段階として、延出部41のチューブ構造について詳細に説明する。内側チューブ16は、複数種類の合成樹脂が積層された2層構造をなしている。詳細には、内側チューブ16は、その外周面を規定するものであってカバーチューブ43が積層される外層51と、内側チューブ16の内周面、すなわち内側管孔31を規定する内層52と、を備えている。外層51は、カバーチューブ43と結合する材料で形成されており、具体的にはカバーチューブ43と同一の材料(熱可塑性のポリアミドエラストマ)で形成されている。カバーチューブ43と外層51とは熱溶着されることで、両者が剥離不可な状態で結合している。
内層52は、カバーチューブ43よりも硬く且つ摩擦係数が小さい材料で形成されており、詳細には、比較的硬い、高弾性率を有する高分子材料と、フッ素系樹脂とのポリマーアロイとなっている。なお、ポリマーアロイは、ポリマーブレンド、ブロック、グラフト高分子、及びIPN(InterpenetratingPolymer Network)を包含するものであり、詳細には、内層52は、上記高弾性率を有する高分子材料とフッ素系樹脂とのポリマーブレンドとなっている。
なお、上記構成に限られず、例えば内層52を、フッ素系樹脂から形成され、内腔を形成する第1内層と、第1内層に積層され、高弾性率を有する高分子材料とフッ素樹脂とのポリマーアロイから形成される第2内層とによって形成する構成としてもよい。
高弾性率を有する高分子材料としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン等を用いるのが好ましく、特にポリイミドが好ましい。また、フッ素系樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシアルカン、エチレン・テトラフルオロエチレンコポリマー等を用いるのが好ましく、特にPTFEを用いるのが好ましい。
ここで、ポリイミドとPTFEとのブレンド材料は、基本的な材料物性はポリイミドのそれと同様でありながら、PTFEの特性である摩擦係数が小さい滑らかな表面特性を有する。これにより、強度を確保しつつ、内側チューブ70内のガイドワイヤGの通過性をより向上させることができる。
なお、上記ブレンド材料のブレンド比は、重量%でポリイミド:PTFEが97:3〜50:50、より好ましくは80:20である。
外層51及び内層52は接着層を介して結合されている。この場合、延出部41は内層52を形成する材料としてカバーチューブ43を形成する材料よりも硬い材料が用いられているため、全体としてカバーチューブ43よりも硬くなっている。また、内層52は外層51よりも厚く形成されており、詳細には延出部41の全体肉厚(例えば0.02mm)において内層52と外層51との肉厚比が6:4〜7:3に設定されている。
ここで、2層構造をなす延出部41とスリット42との関係について説明すると、スリット42は、図1(b)に示すように、各層51,52を内外に貫通させて形成されている。この場合、スリット42を形成する壁部60(壁要素)は、外層51により形成される第1壁部60aと、内層52により形成される第2壁部60bとに区分けされる。なお、スリット42は、接着層を介して結合された外層51及び内層52の結合体を切り欠くことで形成されている。このため、接着層がスリット42に入り込むことは発生しない。
カバーチューブ43は、延出部41の外層51に熱溶着されているとともに、その一部がスリット42内に入り込んでいる。以下、このカバーチューブ43の入り込み部分を入り込み部43aという。
入り込み部43aは、内周側に向けて凸となるように形成される。入り込み部43aは、延出部41の内周側(内側管孔31内)に突出しない範囲内でスリット42内を埋めている。詳細には、入り込み部43aは、スリット42における外層51により形成された領域を埋めつつ、内層52により形成された領域内に入り込んでいる。この場合、入り込み部43aは、第1壁部60a及び第2壁部60b双方に対して接している。
ここで、内層52を形成する材料(ポリイミドとPTFEとのブレンド材料)は、カバーチューブ43を形成する材料(ポリアミドエラストマ)とは熱溶着しない。このため、入り込み部43aは、同一の材料で形成されている外層51の第1壁部60aに対しては良好に溶着する一方、内層52の第2壁部60bに対しては溶着することなく密着する。
かかる構成によれば、カバーチューブ43が、延出部41(外層51)の外周面及び第1壁部60a全体に溶着されているため、溶着面積が大きくなっている。これにより、延出部41の引っ張り強度の向上を図ることができ、延出部41がちぎれることを抑制することができる。この場合、カバーチューブ43と第2壁部60bとは溶着することなく密着するため、引張力を各壁部60a,60bで分散させて受けることができるため、延出部41の柔軟性の低下を軽減しつつ、適度な引っ張り強度が得られる。
なお、スリット幅は、カバーチューブ43を熱処理した場合に当該カバーチューブ43がスリット42内に適度に入り込むようにカバーチューブ43の粘性等を考慮するとともに、柔軟性及び引っ張り強度のバランスを考慮して決定されており、具体的には0.05mm〜0.3mmとなっている。
次に、ステントデリバリカテーテル10の製造方法について簡単に説明する。
先ず、2層構造の内側チューブ16を作成する。具体的には、例えば内層52を形成する上記ブレンド材料からなるチューブを押し出し成形により形成し、その後接着層を蒸着し、その蒸着された接着層を介してポリアミドエラストマを接着させる。
その後、延出部41にスリット42を形成する。そして、カバーチューブ43を延出部41に被せ、熱処理を施す。この場合、スリット42内へのカバーチューブ43の入り込み寸法が上述した範囲内となるように、熱処理の時間及び温度を調整する。
その後、一旦冷却させた後、バルーン13を接合させる。この場合、バルーン13の遠位側レッグ領域13eの遠位端がカバーチューブ43の近位端と連続するように、カバーチューブ43を基準として位置合せを行いながら、バルーン13をセットする。
次に、ステントデリバリカテーテル10の使用方法について簡単に説明する。
先ず血管内に挿入されたシースイントロデューサにガイディングカテーテルを挿通し、押引操作して冠動脈入口部まで導入する。次いで、ガイドワイヤGをステントデリバリカテーテル10の内側管孔31に挿通し、冠動脈入口部から狭窄箇所を経て末梢部位まで導入する。続いて、ガイドワイヤGに沿ってステントデリバリカテーテル10を、押引操作を加えながら狭窄箇所まで挿入する。この場合、既に説明したとおり、比較的硬い材料で形成された延出部41にスリット42が形成されており、延出部41よりも柔らかい材料で形成されたカバーチューブ43で延出部41が覆われているため、先端部の変形や潰れの発生を抑制しつつ、ステントデリバリカテーテル10の追従性を高めることができる。
その後、加圧器を用いてハブ12側からバルーン13内に圧縮流体を注入することにより、バルーン13を膨張させて閉塞箇所や狭窄箇所を拡張させる。その後、バルーン13内に注入された圧縮流体を抜き取ることによりバルーン13を収縮させ、ステントデリバリカテーテル10の体内からの抜き取り作業を行う。この場合、ステントデリバリカテーテル10に引張力が付与されることとなるが、カバーチューブ43がスリット42内に入り込んでいる分だけ引っ張り強度が高められているため、内側チューブ16が破損する等の不都合が発生しない。
なお、ステントデリバリカテーテル10は上記のように主として血管内を通されて、例えば冠状動脈、大腿動脈、肺動脈などの血管を治療するために用いられるが、血管以外の尿管や消化管などの生体内の「管」や、「体腔」にも適用可能である。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
内側チューブ16の一部である延出部41にスリット42を形成し、そのスリット42を覆うカバーチューブ43を形成した。そして、カバーチューブ43を形成する材料がスリット42内に入り込むよう構成した。これにより、スリット42を形成することによって生じた引っ張り強度の低下をカバーチューブ43で補償することができる。よって、ステントデリバリカテーテル10の追従性の向上を図りつつ、引っ張り強度の低下を軽減させることができる。
また、延出部41を、カバーチューブ43と溶着する外層51と、カバーチューブ43と溶着しない内層52との2層構造とした。この場合、入り込み部43aは、外層51の第1壁部60aには良好に溶着する一方、内層52の第2壁部60bには溶着することなく密着する。これにより、柔軟性の低下を抑制しつつ、引っ張り強度の向上を図ることができる。特に、カバーチューブ43が、スリット42のうち内層52により形成されている領域まで入り込み、第2壁部60bに対して溶着することなく密着する構成としたことにより、柔軟性の低下を抑制しつつ、引っ張り強度の更なる向上を図ることができる。
(第2の実施形態)
本実施形態では、内側チューブ70の構成が上記第1の実施形態と異なっている。その異なる点について図4を用いて説明する。図4(a)は、膨張状態のバルーン13及びその周辺の構成を示す縦断面図であり、図4(b)は領域Aの拡大図であり、図4(c)は領域Bの拡大図である。なお、造影環33については図示を省略する。
本実施形態における内側チューブ70は、複数のチューブ71〜73を同一軸線上となるように並べて連結させることで形成されている。具体的には、内側チューブ70の近位端部から遠位側レッグ領域13eよりも近位側の途中位置までを構成する内側近位チューブ71と、当該内側近位チューブ71に対して遠位側にて連続するとともに、バルーン13が接合される遠位側レッグ領域13eを形成する内側中間チューブ72と、当該内側中間チューブ72に対して遠位側にて連続するとともに内側チューブ70の遠位端部を構成する内側遠位チューブ73と、を備えている。なお、内側遠位チューブ73が第1の実施形態における延出部41に相当する。
内側近位チューブ71は複数種類の合成樹脂が積層されてなる2層構造をなしている。詳細には、外層が熱可塑性のポリアミドエラストマ(PEBAX)により形成されており、内層が高密度ポリエチレンにより形成されている。なお、図面の関係上、図4では、単一の層として示す。
内側中間チューブ72は合成樹脂により形成されており、単一層構造をなしている。詳細には、内側近位チューブ71よりも柔らかい熱可塑性のポリアミドエラストマ(PEBAX)で形成されている。
なお、内側近位チューブ71及び内側中間チューブ72の形成材料は、上記のものに限定されず、内側近位チューブ71よりも内側中間チューブ72の方が柔らかく形成されていれば任意である。
内側近位チューブ71と内側中間チューブ72とは、図4(b)に示すように、内側中間チューブ72が内側近位チューブ71に内挿された状態で熱溶着されることで接合されている。なお、接合はこれに限られず、例えば、接合箇所を含めて内側チューブ70の内径が同一又は略同一となるようにマンドレルを挿入した状態で行われる構成としてもよい。この場合、ガイドワイヤGの通過性が低下することを軽減することができる。
内側遠位チューブ73は、複数種類の合成樹脂が積層されてなる2層構造をなしている。詳細には、第1の実施形態の延出部41と同様に、外層73aが熱可塑性のポリアミドエラストマ(PEBAX)により形成されており、内層73bがポリイミドとPTFEとのブレンド材料により形成されている(図4(c)参照)。内側遠位チューブ73は、全体として内側近位チューブ71及び内側中間チューブ72よりも硬く形成されている。
内側遠位チューブ73と内側中間チューブ72とは、図4(c)に示すように、内側中間チューブ72が内側遠位チューブ73に内挿された状態で、内側中間チューブ72と外層73aとが熱溶着されることで接合されている。この場合、接合箇所における内周面は段差が形成されない一方、接合箇所の外周側には段差が生じている。
上記のように構成された内側チューブ70における内側中間チューブ72と内側遠位チューブ73との接合箇所に跨って、カバーチューブ81が設けられている。カバーチューブ81は、第1の実施形態と同様に、PEBAX等のポリアミドエラストマにより形成された単層構造をなしている。カバーチューブ81は、内側中間チューブ72と内側遠位チューブ73との接合箇所を含めてその外周面が面一となるように、内側中間チューブ72及び内側遠位チューブ73全体に亘って設けられている。この場合、カバーチューブ81、内側中間チューブ72及び内側遠位チューブ73の外層73aは同一の材料により形成されており、カバーチューブ81は各チューブ72,73に対して熱溶着されている。
かかる構成によれば、各チューブ72,73の接合箇所に跨ってカバーチューブ81が形成されているため、接合箇所における強度がカバーチューブ81により向上している。これにより、上記接合箇所が破損する事態を避けることができる。
なお、カバーチューブ81には、内側遠位チューブ73の遠位側を覆う領域であって、遠位側に向けて徐々に肉厚が小さくなった先細り領域82が形成されている。これにより、内側チューブ70は、遠位端側に向けて徐々に先細りに形成されている。
内側遠位チューブ73にはスリット83が形成されている。スリット83及びスリット83とカバーチューブ81との溶着態様については、第1の実施形態のスリット42とカバーチューブ43との溶着態様と基本的に同様であるため、説明を省略する。
次に、各チューブ72,73の接合箇所とバルーン13との関係について説明すると、バルーン13は、内側中間チューブ72に対して溶着されているとともに、内側遠位チューブ73に対して一部オーバーラップして溶着されている。これにより、バルーン13の遠位側レッグ領域13eは、上記接合箇所を跨ぐように形成されている。詳細には、バルーン13の遠位側レッグ領域13eには、遠位側に向かうに従って肉厚が徐々に薄くなるレッグ先細り領域91が形成されており、そのレッグ先細り領域91が上記接合箇所に跨って形成されている。これにより、遠位側レッグ領域13eが接合箇所に跨って形成されている分だけ、接合箇所の強度の向上を図ることができる。
以上詳述した本実施形態によれば、内側チューブ70を、複数のチューブ71〜73を同一軸線上となるように並べて連結させることで形成する構成において、内側中間チューブ72と内側遠位チューブ73との接合箇所に跨ってカバーチューブ81を形成し、さらに遠位側レッグ領域13eのレッグ先細り領域91を、上記接合箇所に跨るように形成した。これにより、カバーチューブ81及びバルーン13双方により上記接合箇所の強度が高められている。よって、内側中間チューブ72と内側遠位チューブ73とが剥離する事態を回避することができる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施しても良い。
(1)内層52をポリイミドで形成してもよい。この場合、ポリイミドとPTFEとのブレンド材料と比較して、内側チューブ16の先端部における硬度の向上及び引っ張り強度の向上を図ることができる。また、内層52にポリイミドを採用した場合、内層52とカバーチューブ43とは溶着しない。このため、入り込み部43aは内層52の第2壁部60bと溶着することなく密着する。第2実施形態の内層73bについても同様である。
(2)内層52,73bに上記ブレンド材料を採用し、外層51,73aにポリイミドを採用してもよい。この場合、外層51,73aにポリアミドエラストマを採用する構成と比較して、先端部の変形等を抑制することが可能な硬度を得ることができ、先端部の肉厚の薄肉化を図ることができる。なお、外層51,73aと内層52,73bとの肉厚比は任意であるが、例えば均等に設定してもよい。
(3)上記内側チューブ16,70の先端部を、上記のような2層構造ではなく、1の合成樹脂から構成された単層構造としてもよい。例えばポリイミドを用いて形成してもよい。この場合、ポリアミドエラストマや上記ブレンド材料を用いて形成する場合と比較して、高い強度を得ることができるため、先端部の肉厚の薄肉化を図ることができる。
なお、外層51,73aをポリイミドで形成する2層構造を採用する場合、又はポリイミドの単層構造を採用する場合には、ポリイミド層の外周側に接着層を設け、当該接着層を介してカバーチューブ43,81をポリイミド層に接着させる。この場合、スリット42,83を形成する前段階で接着層を形成し、その後にスリット42,83を形成する。そして、カバーチューブ43,81を接着させて所定時間に亘って低温熱処理を行う。
(4)外層51,73aを形成するポリアミドエラストマと、カバーチューブ43,81を形成するポリアミドエラストマの硬度を異ならせる構成としてもよい。例えば外層51,73aの方を、カバーチューブ43,81よりも硬度を高くしてもよい。
(5)図5(a)に示す変形例のように、カバーチューブ100の入り込み部100aがスリット42内全体を埋めている構成としてもよい。この場合、延出部41の内周面と面一となるように入り込み部100aを形成するとよい。これにより、延出部41の内周面に凹凸が生じない。よって、スリット42により生じた凹凸にガイドワイヤGが引っ掛かるという事態を回避することができ、ガイドワイヤGの通過性の向上を図ることができる。
また、図5(b)に示すように、延出部41の内周側に突出する入り込み部101aを有するカバーチューブ101を形成してもよい。この場合であっても、引っ張り強度とステントデリバリカテーテル10の追従性の両立を図ることができるとともに、内側チューブ16の内周面が連続しているため、ガイドワイヤGの通過性の低下を抑制することができる。
(6)上記各実施形態では、スリット42,83の形状として螺旋状を採用したが、これに限られず、所定の柔軟性を実現できる形状であれば任意である。例えば、内側チューブ16,70の軸線方向に沿ってスリットを1つ又は複数形成してもよく、リング状のスリットを所定の間隔だけ隔てて複数配置してもよい。また、円形等の貫通孔を所定の周期で複数設ける構成としてもよい。
また、編組チューブにカバーチューブを形成する構成としてもよい。この場合、編み合わせの隙間にカバーチューブが入り込むようにするとよい。
(7)上記各実施形態において、スリット42,83を近位側に延出させて、バルーン13が溶着される領域までに亘って形成してもよい。この場合、バルーン13が溶着されることによって硬化した箇所を軟化させることができる。
(8)上記各実施形態では、スリット42,83が形成され、そのスリット42,83に一部入り込むカバーチューブ43,81が形成される箇所は、内側チューブ16,70の先端部であったが、これに限られず、相対的に硬いチューブと柔らかいチューブとの間に中間チューブを設ける構成において、その中間チューブにスリット42,83及びカバーチューブ43,81を形成する構成としてもよい。また、この場合、中間チューブとして編組チューブを採用する場合には、その編組チューブの隙間に入り込むようにカバーチューブを形成するとよい。
(9)上記第1の実施形態では、カバーチューブ43がスリット42内に入り込むことで入り込み部43aが形成されていたが、これに限られず、例えば第1壁部60aがカバーチューブ43と一体となって入り込み部43aを形成する構成としてもよい。また、カバーチューブ43が第1壁部60aを構成するように形成してもよい。
(10)延出部41の先端側に設けられる先細り領域について、例えば、図6(a)に示すように、カバーチューブ43のみを切り欠くことにより、先端縁(最遠位端縁)がカバーチューブ43にある先細り領域111を形成してもよい。この場合、スリット42及び入り込み部43aを、先細り領域111まで形成するとよい。これにより、先端部の柔軟性の向上を図りつつ、先細り領域111及びスリット42を形成することに起因する強度の低下を、入り込み部43aで補償することができる。
また、図6(b)に示すように、カバーチューブ43から第1壁部60aまでを切り欠くことにより、先端縁が第1壁部60aに達している先細り領域112を形成してもよい。この場合、先端縁がカバーチューブ43にある構成と比較して、先端部の外径が小さくなっているため、ステントデリバリカテーテル10の通過性の更なる向上を図ることができる。さらに、図6(c)に示すように、カバーチューブ43から第2壁部60bまでを切り欠くことにより、先端縁が第2壁部60bに達している先細り領域113を形成する構成としてもよい。この場合、先端部の外径を更に小さくすることができる。しかしながら、各壁部60a,60bを形成する材料間において硬度や熱膨張率等が違う場合、上記先細り領域113を形成する過程、すなわち研磨処理や熱処理を行う工程にて、第1壁部60aと第2壁部60bとの間に段差が生じ易く、却ってステントデリバリカテーテル10の通過性が低下する場合がある。
(11)上記各実施形態では、バルーン拡張型のステントデリバリカテーテル10について説明したが、これに限られず、自己拡張型のステントデリバリカテーテル、バルーンカテーテル、吸引カテーテル等の他のカテーテルに対して本発明を適用してもよい。
10…ステントデリバリカテーテル、13…バルーン、13e…遠位側レッグ領域、15…外側チューブ、16…内側チューブ、41…延出部、42…スリット、43…カバーチューブ、51…外層、52…内層、60…スリット42を形成する壁部、60a…第1壁部、60b…第2壁部、70…第2の実施形態における内側チューブ、72…内側中間チューブ、73…内側遠位チューブ、81…カバーチューブ、83…スリット。

Claims (13)

  1. チューブ状をなすとともに軸線方向の途中位置に内外に貫通する孔部が生じるように形成されたベース層と、
    当該ベース層よりも柔らかい材料で形成され、当該ベース層の外周面に積層されているとともに外周側から前記孔部を覆うカバー層と、
    を備え、
    前記カバー層を形成する材料は、内周側から前記ベース層を覆わない範囲において前記孔部内に入り込んでいることを特徴とするカテーテル。
  2. 前記孔部は、複数の壁要素が所定方向に離間させて形成されることにより生じるものであり、
    前記カバー層において前記孔部内に入り込んでいる入り込み部は、当該孔部を区画形成している前記壁要素における当該孔部側を向く面の少なくとも一部に対して溶着されていることを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
  3. 前記孔部は、複数の壁要素が所定方向に離間させて形成されることにより生じるものであり、
    前記カバー層において前記孔部内に入り込んでいる入り込み部は、当該孔部を区画形成している前記壁要素における当該孔部側を向く面であって前記入り込み部と対峙する面の少なくとも一部に対して結合されていないことを特徴とする請求項1又は2に記載のカテーテル。
  4. 前記ベース層の内周面は流体及び所定の部材の少なくとも一方が通過する通路の周面を規定し、
    前記カバー層において前記孔部内に入り込んでいる入り込み部は、前記通路内に突出していないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載のカテーテル。
  5. 前記入り込み部は、前記通路の周面に凹凸を生じさせないように形成されていることを特徴とする請求項4に記載のカテーテル。
  6. 前記孔部は、複数の壁要素が所定方向に離間させて形成されることにより生じるものであり、
    前記壁要素は、前記ベース層において外周面を生じさせる第1層と、内周側から前記第1層に積層された第2層と、を備え、
    前記第1層を形成する材料は、前記カバー層を形成する材料と熱溶着可能な材料により形成されており、
    前記第2層を形成する材料は、前記カバー層を形成する材料と熱溶着しない材料により形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載のカテーテル。
  7. 前記カバー層において前記孔部内に入り込んでいる入り込み部は、前記第1層における前記孔部側を向く面に対して熱溶着されていることを特徴とする請求項6に記載のカテーテル。
  8. 前記カバー層において前記孔部内に入り込んでいる入り込み部は、前記第2層に対して前記孔部側から対峙する領域が生じるように入り込んでいることを特徴とする請求項6又は7に記載のカテーテル。
  9. 前記入り込み部において前記第2層に対して前記孔部側から対峙する領域は、当該第2層に結合されていないことを特徴とする請求項8に記載のカテーテル。
  10. 前記入り込み部において前記第2層に対して前記孔部側から対峙する領域は、当該第2層に結合されていない一方、密着していることを特徴とする請求項9に記載のカテーテル。
  11. 前記ベース層の内周面は所定の部材が通過する通路の周面を規定し、
    前記第2層は前記第1層よりも前記所定の部材に対する摩擦抵抗が低い材料により形成されており、
    前記第1層は前記第2層よりも柔らかい材料により形成されていることを特徴とする請求項6乃至10のいずれか1に記載のカテーテル。
  12. 前記ベース層の内周面は所定の部材が通過する通路の周面を規定し、
    前記カバー層は、ポリアミドエラストマを用いて形成されており、
    前記第1層は、ポリアミドエラストマを用いて形成されており、
    前記第2層は、ポリイミドを用いて形成されていることを特徴とする請求項6乃至11のいずれかに記載のカテーテル。
  13. 前記ベース層において前記孔部を有する領域は、遠位端側であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1に記載のカテーテル。
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