JPH10165507A - Ptcaによる冠状動脈拡張用器具 - Google Patents

Ptcaによる冠状動脈拡張用器具

Info

Publication number
JPH10165507A
JPH10165507A JP8332131A JP33213196A JPH10165507A JP H10165507 A JPH10165507 A JP H10165507A JP 8332131 A JP8332131 A JP 8332131A JP 33213196 A JP33213196 A JP 33213196A JP H10165507 A JPH10165507 A JP H10165507A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coronary artery
balloon
inner cylinder
coronary
guiding catheter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8332131A
Other languages
English (en)
Inventor
Kimiko Ito
喜美子 伊東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEW WAVE MEDICAL KK
Original Assignee
NEW WAVE MEDICAL KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEW WAVE MEDICAL KK filed Critical NEW WAVE MEDICAL KK
Priority to JP8332131A priority Critical patent/JPH10165507A/ja
Publication of JPH10165507A publication Critical patent/JPH10165507A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 狹窄部位で進行が阻害されるようなことがあ
っても内筒が弾性変形して、バルーンの折れ曲がりや冠
状動脈の内壁に対する接触等による送り込み抵抗の増大
を招かず狹窄部位の通過性をスムースにし、しかも手元
操作性の向上と手元操作によるバルーン部分への精確な
伝達性とを両立する。 【解決手段】 ガイディングカテーテル100 を冠状動脈
のコロナリー入口部に係合させて冠状動脈の最奥部に冠
状動脈拡張用器具Aを手元操作で到達させた際、先端部
位から冠状動脈内のコロナリー入口部近傍位置もしくは
ガイディングカテーテル100 内の中途位置まで至る内筒
31の所望長さ範囲に周方向に向く適宜長さの切り溝41が
内筒31に適度な弾性機能を付与し、また通過抵抗の増大
を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PTCA、即ち冠
状動脈形成術に使用される冠状動脈拡張用器具に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】心臓の筋肉に血液を供給する冠状動脈の
内周にアテロームと呼ばれる付着物が付着する症状が進
行すると、心筋に供給される血液の量が低下して狭心症
や心筋梗塞に至る可能性がある。この症状の治療として
薬の投与と共に症状が重い場合には冠状動脈を拡張する
手術、即ちPTCAが行われている。このPTCAは、
図7に示すようにパイプ状のガイディングカテーテル10
0 を足の付け根から挿入して心臓の大動脈を通してその
先端を冠状動脈300 の入口であるコロナリー入口部301
に係合し、このガイディングカテーテル100 を利用して
先端にバルーン11を有するカテーテル(冠状動脈拡張用
器具)1をガイドワイヤ500 を利用して進入させた後、
まずそのガイドワイヤ500 先端を冠状動脈300内に通し
て一旦固定し、次にカテーテル1をガイドワイヤ500 を
介してコロナリー入口部301 の手前からバルーン11が狹
窄部位に到達し通過するまで序々に手元操作で送り出
し、造影剤を注入してバルーン11を膨脹させ、その膨脹
力でアテロームが付着する冠状動脈300 の狹窄部位400
を強制的に押し広げるものである。ところで、カテーテ
ル1は詳細には外筒(図示せず)と先端をその外筒から
突出させた状態で挿通される内筒(図示せず)とで構成
され、バルーン11は、その前側開放部を内筒(図示せ
ず)の先端近傍外周面に、また後側開放部を外筒(図示
せず)の先端外周面に固着している。このバルーン11は
PE系の樹脂またPET系の樹脂で薄肉状に成形し、陰
圧状態下でカテーテル1に人為的に巻き付け、その状態
を保持して、ガイディングカテーテル100 内に挿入され
る。カテーテル1の内筒は、直進性を要求されることか
ら金属パイプや硬質プラスチックパイプで成形されてお
り、詳細にはコロナリー入口部301 手前から少し宛出入
れを繰り返しながら狹窄部位400 を避けるように進入さ
せてバルーン11をその狹窄部位400 間に到達させる手元
操作を必要とする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、バルーン11を
備えた内筒は細径であるため、ガイディングカテーテル
100 の屈曲部位や冠状動脈300 が屈曲している場合には
その屈曲部位の通過時、更には狹窄部位400 に突き当た
って折れ癖がつき、出入れ操作を繰り返し行って同じ折
れ癖部分で内筒の折れを招いてしまい、その折れ状態で
カテーテル1の出し入れ操作しても狹窄部位400 を通過
しないことがある。そして必要以上にその操作を継続す
ると冠状動脈300 や狹窄部位400 を傷つけ、思わぬ事故
を招くことから、新しい他のカテーテル1と交換等し、
多大な労力と大きな損失を生み出している。また、冠状
動脈形成術後にカテーテル1は、造影剤を吸引してバル
ーン11を窄めた状態でガイディングカテーテル100 から
引き抜かれる。しかし、PET系の樹脂で成形されたバ
ルーン11の場合には、造影剤を吸引すると、PE系の樹
脂で成形されたバルーンのように柔軟性を有しないため
クシャクシャにならずに、膨脹した時よりも直径を若干
大きくする偏平ヒラメ状になり、ガイディングカテーテ
ル100 との摩擦抵抗のため、引き難くなるばかりでな
く、冠状動脈300 内でカテーテル1を押し出すことも引
くことも出来なくなり、冠状動脈300 の内壁を傷付けた
り、ガイディングカテーテル100 の入口部でバルーン11
が破損する等様々な問題があった。
【0004】本発明は従来事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、狹窄部位で進行が阻害される
ようなことがあっても内筒が弾性変形して、バルーンの
折れ曲がりや冠状動脈の内壁に対する接触等による送り
込み抵抗の増大を招かず狹窄部位の通過性をスムースに
し、しかも手元操作性の向上と手元操作によるバルーン
部分への精確な伝達性とを両立できるPTCAによる冠
状動脈拡張用器具を提供することにある。更に他の目的
とする処は、冠状動脈形成術後に造影剤を吸引した時の
バルーンの偏平変形を防止して径を縮小できるPET系
のバルーンを備えたPTCAによる冠状動脈拡張用器具
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に講じた技術的手段は、請求項1は、前後端を開放しP
E系の樹脂で薄肉状に成形したバルーンに、外筒とその
外筒内を挿通する内筒とを具備し動脈内に差し込んで心
臓の冠状動脈に進入するカテーテルを挿通させ、前記バ
ルーンの前側開放部を内筒に、また後側開放部を外筒に
水密状に固着して構成してなり、ガイディングカテーテ
ル内を通してバルーンを冠状動脈の狭窄部位に到達させ
るPTCAによる冠状動脈拡張用器具において、前記ガ
イディングカテーテルを冠状動脈のコロナリー入口部に
係合させて冠状動脈の最奥部に前記器具を手元操作で到
達させた際、その器具先端部位から冠状動脈内の前記コ
ロナリー入口部近傍位置もしくはガイディングカテーテ
ル内の中途位置まで至る内筒の所望長さ範囲に周方向に
向く適宜長さの切り溝を平行状に多数設けていることを
要旨とする。また、請求項2は外筒とその外筒内を挿通
する内筒とを具備し動脈内に差し込んで心臓の冠状動脈
に進入するカテーテルに、前後端を開放しPET系の樹
脂で薄肉状に成形したバルーンを挿通させ、該バルーン
の前側開放部を内筒に、また後側開放部を外筒に水密状
に固着して構成してなり、ガイディングカテーテル内を
通してバルーンを冠状動脈の狭窄部位に到達させるPT
CAによる冠状動脈拡張用器具において、前記バルーン
を径を細くするように軸方向に引き伸ばした状態でその
前側開放部を内筒に、また後側開放部を外筒に各々水密
状に固着し、且つ前記ガイディングカテーテルを冠状動
脈のコロナリー入口部に係合させて冠状動脈の最奥部に
前記器具を手元操作で到達させた際、その器具先端部位
から冠状動脈内の前記コロナリー入口部近傍位置もしく
はガイディングカテーテル内の中途位置まで至る内筒の
所望長さ範囲に周方向に向く適宜長さの切り溝を平行状
に多数設けていることを要旨とする。更に、請求項3は
請求項1または2記載の切り溝が内筒の中心を挟んで対
向して設けた適宜長さの周方向に向く上下溝と内筒の中
心を挟んで対向して設けた適宜長さの左右溝とからな
り、前記先端部位から冠状動脈内の前記コロナリー入口
部近傍位置もしくはガイディングカテーテル内の中途位
置まで至る内筒の所望長さ範囲にその上下溝と左右溝と
を交互に配列していることを要旨とする。そして、請求
項4は請求項1乃至3いずれか1項記載の内筒が金属製
または硬質プラスチック製であることを要旨とする。こ
こで、冠状動脈の最奥部とは手元操作で器具(PTCA
による冠状動脈拡張用器具)における内筒先端が到達で
きる最奥位置であり、詳細には0.6mm乃至0.7m
m程度径の内筒の先端が冠状動脈に進入させた際、到達
できる最も奥部である。また、切り溝を設ける先端部位
とは内筒の先端またはバルーンの前側開放部を固着する
固着部を指し、その先端部位からの切り溝の範囲は10
cm乃至60cm程度とするのが好ましいものである。
全長に亘って切り溝を設けると直進性が優れた材料で成
形されている内筒であっても可撓性があり過ぎてガイデ
ィングカテーテルとの摺動抵抗がかえって大きくなり好
ましくない。更に内筒の材質は金属製である場合には生
体適応金属として広く認められたステンレス鋼や生体適
応金属に加え形状記憶に優れたチタニューム合金を使用
する。そして前記固着部はポリエチレン等の合成樹脂を
使用した熱圧着、超音波接着、蒸着法等で形成する。
【0006】
【作用】上記技術的手段によれば下記の作用がある。 (請求項1)ガイディングカテーテルを冠状動脈の入口
であるコロナリー入口部に係合した後、器具(PTCA
による冠状動脈拡張用器具)を手元操作でガイディング
カテーテル内を進入させて冠状動脈の最奥部に内筒を到
達させた時、その先端部位から冠状動脈内の前記コロナ
リー入口部近傍位置もしくはガイディングカテーテル内
の中途位置まで至る内筒の長さ範囲に設けた切り溝によ
る適度な可撓性(弾性変形)によってガイディングカテ
ーテルの屈曲部位や冠状動脈の屈曲している場合の屈曲
部位の通過時はもとより狹窄部位に突き当っても切り溝
の働きで弾性変形して折れず、冠状動脈の内壁を傷付け
たりすることを回避して通過抵抗となる折れ曲がりを防
止し、併せて切り溝が内筒の先端部位のみの場合のよう
に可撓性が不十分であったり、内筒の全長に亘って設け
た場合のように柔軟弾性があり過ぎてコロナリー入口部
手前から少し宛出入れを繰り返しながら狹窄部位を避け
るように進入させる際に摺動抵抗が大きくなって操作性
が低下したり、バルーン部分への伝達性が悪くなって操
作誤差が生じるようなこともなくなる。 (請求項2)請求項1と同様の作用を奏する他、PET
系の樹脂で成形したバルーンが内筒に対して小径をもっ
て被覆された状態に固着され、造影剤を吸引してもその
小径またはそれ以上まで小径化してガイディングカテー
テルに対する接触抵抗を少なく抑制する。そして、術後
のカテーテルの引き戻しを円滑に行わせる。また、切り
溝を備えた内筒部分の弾性変形によって冠状動脈の患部
を強制的に押し広げる時にバルーンの膨脹を阻害しな
い。 (請求項3)切り溝を内筒の中心を挟んで対向して設け
た適宜長さの周方向に向く上下溝と内筒の中心を挟んで
対向して設けた適宜長さの左右溝とを長さ方向に交互に
配列した構成にした結果、柔軟弾性が更に高められ蛇行
した冠状動脈やガイディングカテーテル通過時の抵抗に
よる通過性(挿通性)をより向上させる。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1乃至図3は第1の実施の形態
を、図4乃至図6は第2の実施の形態を各々示してい
る。まず、第1の実施の形態について説明すると、符号
Aは冠状動脈拡張用器具である。
【0008】この冠状動脈拡張用器具Aは、硬質プラス
チックまたは金属パイプ(ステンレスパイプ、チタニュ
ームパイプ等)からなる内外同芯の外筒21、内筒31を備
えたカテーテル1の先端をPE系の樹脂で薄肉状に成形
したバルーン11を被包して備えた構造になっている。
【0009】カテーテル1は、内筒31内に挿通するガイ
ドワイヤ500 を、冠状動脈の狹窄部位(図示せず)間を
挿通させて進入させた後、コロナリー入口部(図示せ
ず)に係合されたガイディングカテーテル100 を通し、
そのバルーン11を患部である狹窄部位間に位置させ、そ
こで内筒31、外筒21間から造撮剤(図示せず)を注入し
てバルーン11を膨脹させて患部を拡張させるようになっ
ている。
【0010】図示するように内筒31を外筒21よりも前方
に突出させた状態にすると共に、外筒21先端外周面と内
筒31先端近傍の外周面とに亘って前後端を開放しPE系
の樹脂で薄肉状に成形したバルーン11のその前後開放部
を水密状に固着した先端構造になっており、前記のよう
にガイディングカテーテル100 を冠状動脈のコロナリー
入口部(図示せず)に係合させて冠状動脈の最奥部に冠
状動脈拡張用器具Aを手元操作で到達させた際、先端部
位から冠状動脈内のコロナリー入口部近傍位置もしくは
ガイディングカテーテル100 内の中途位置まで至る内筒
31の所望長さ範囲に周方向に向く適宜長さの切り溝41…
を平行状に多数設けている。
【0011】この切り溝41…は本実施の形態では内筒31
の中心を挟んで対向して設けた適宜長さの周方向に向く
上下溝41a、41aと内筒31の中心を挟んで対向して設け
た適宜長さの左右溝41b、41bとからなり、先端部位か
ら冠状動脈内のコロナリー入口部近傍位置もしくはガイ
ディングカテーテル100 内の中途位置まで至る内筒31の
所望長さ範囲にその上下溝41a、41aと左右溝41b、41
bとを交互に配列してある。その数は任意である。この
ようにするとガイディングカテーテル100 に対する通過
性が非常に良くなると共に、狹窄部位の通過性も良くな
る。
【0012】固着部61は、ポリエチレン等の合成樹脂を
使用した熱圧着、超音波接着、蒸着法等の適宜手段で水
密状に固着している。
【0013】バルーン11は、ガイディングカテーテル10
0 に挿入する前工程として陰圧をかけると共に図3に示
すように皺部分を人為的に丸めたり、必要に応じて人体
に影響のないグリース分等でその内筒31に対する巻回状
態にされ、この状態をもってガイディングカテーテル10
0 に挿入される。
【0014】内筒31に設けた上下溝41a、41a、左右溝
41b、41bは、図2に示すように内部空間まで到達する
もの、図示しないが内部空間まで到達しないものどちら
でも良く。内部空間まで到達する場合には詳細には図2
の拡大図で示すように内筒31外周面に亘ってシリコン、
テフロン、PET系等の薄肉な合成樹脂51をコーティン
グして造影剤の漏れを防止する。尚、前記上下溝41a、
41a、左右溝41b、41bを有する内筒31に熱可塑性を有
する筒状のフィルムを包皮し、そのフィルムを熱収縮さ
せて同溝を塞ぐようにしても構わないものである。
【0015】この冠状動脈拡張用器具Aは、従来と同様
に内筒31にガイドワイヤ500 を挿通した状態でガイディ
ングカテーテル100 に挿入され、カテーテル1先端を冠
状動脈のコロナリー入口部の手前に一旦停止させ、その
状態からバルーン11が狹窄部位間に到達するように医者
が手元で操作して出入れを繰り返してバルーン11を狹窄
部位間に位置させ、そこで造影剤を外筒21の先端開放部
からバルーン11内に圧入して膨脹させ、その加圧力で患
部を拡張する冠状動脈形成術を行う。
【0016】その際、バルーン11が狹窄部位間に到達す
るように医者が手元で操作して狹窄部位に内筒31先端が
突き当たることがあっても、内筒31を切り溝41…を有す
る弾性変形し易い構造にしていることから、硬質プラス
チックパイプまたはステンレスパイプ、チタニュームパ
イプ等でその内筒31を成形した比較的腰があるものであ
っても、折れ癖が生じることがなく、ひいてはバルーン
11が折れ曲がって通過抵抗を増大させたり、折れ遊端部
が冠状動脈に突き当たって通過抵抗を増大させるような
不具合を生せず、しかも切り溝41…を有する内筒31がそ
の弾性変形機能でガイドワイヤ500 に沿って弾性変形す
ることが相乗してバルーン11を狹窄部位間まで送り出す
ことが容易に行える。また、切り溝41を設ける範囲をガ
イディングカテーテル100 を冠状動脈のコロナリー入口
部に係合させて冠状動脈の最奥部に冠状動脈拡張用器具
Aを手元操作で到達させた際、先端部位から冠状動脈内
のコロナリー入口部近傍位置もしくはガイディングカテ
ーテル100 内の中途位置まで至る内筒31の所望長さ範
囲、好ましくは先端部位から10cm乃至60cmの範
囲にしていることから、内筒31の摺動抵抗を軽減した上
で手元操作によるバルーン11部分への精確な伝達性とを
兼備できる。
【0017】次に第2の実施の形態を説明すると、この
実施の形態はバルーン11をPE系に代えてPET系で成
形したものの例である。
【0018】PET系の樹脂で成形したバルーン11は、
冠状動脈形成術後、造撮剤を吸引した時、PE系の樹脂
で成形したバルーン11のようにクシャクシャにならずに
径を若干大きくする偏平なヒラメ状になり、カテーテル
1の前後への動きを阻害し、その状態でカテーテル1を
動かした場合、正常血管(冠状動脈)を傷付けたり、血
栓を引っ掛けることになったり、臨床的に不具合を生じ
させ、またガイディングカテーテル100 から抜き取れな
い大きな抵抗となる場合もあるので、図4、図5に示す
ようにPET系の樹脂で成形したバルーン11を径を細く
するように前後開放部を軸方向に引き伸ばした状態でそ
の開放部を前記第1の実施の形態と同様に外筒21先端外
周面と内筒31先端近傍の外周面とに亘って水密状に固着
している。
【0019】切り溝41…は前記第1の実施の形態と同様
な範囲に設けている。
【0020】この冠状動脈拡張用器具Aは、前記第1の
実施の形態と同様に操作して狹窄部位間にバルーン11を
到達させる。手元での操作時に狹窄部位に内筒31先端が
突き当たることがあっても、必要に応じて弓状に形成し
て弾性変形し易い構造にしていることから、折れ癖にな
るようなことがなく、前記第1の実施の形態と同様にバ
ルーン11を狹窄部位間まで送り出すことができる。
【0021】また、本来の冠状動脈形成術遂行時には造
影剤の加圧力に伴って内筒31部分がその弾性作用で湾曲
変形することからバルーン11の膨脹を阻害せず、第1の
実施の形態と同様に患部の拡張が行える(図6)。
【0022】そして、冠状動脈形成術後に造影剤を吸引
すると、内筒31は弾性復元力で直管状に復元すると同時
にバルーン11も径を細くするように軸方向に引き伸ばさ
れた初期状態(図5)もしくはそれ以上に小さな小径状
態に戻り、ガイディングカテーテル100 に対する接触抵
抗を少なくし、抜き取り易くする。
【0023】また、PET系の樹脂で成形したバルーン
11は径を細くするように軸方向に引き伸ばした状態で前
後の開放部を外筒21先端外周面と内筒31先端近傍の外周
面とに亘って前後開放部を水密状に固着し、更に外側か
ら治具(図示せず)を使用してその径を更に小径にして
も良いものである。
【発明の効果】本発明は以上のように構成したから下記
の利点がある。 (請求項1)ガイディングカテーテルを冠状動脈のコロ
ナリー入口部に係合させて冠状動脈の最奥部に冠状動脈
拡張用器具を手元操作で到達させた際、先端部位から冠
状動脈内のコロナリー入口部近傍位置もしくはガイディ
ングカテーテル内の中途位置まで至る内筒の所望長さ範
囲に周方向に向く適宜長さの切り溝を平行状に多数設け
たから、ガイディングカテーテルの屈曲部位や冠状動脈
が屈曲している場合の通過時、更には狹窄部位に突き当
たっても切り溝の弾性変形機能で対応してカテーテル
(内筒)に折れ癖が生じることがなく、出入れの繰り返
しで折れが生じこれが抵抗になって通過性を阻害するよ
うなことがなくなり、出し入れ操作の継続によって冠状
動脈や狹窄部位を傷つけ、思わぬ事故を招いたり、新し
い他のカテーテルと交換する必要がなくなる。その上、
切り溝が先端部位のみの場合のように可撓性(柔軟弾
性)が不十分であったり、全長に亘って設けた場合のよ
うに柔軟弾性があり過ぎてコロナリー入口部手前から少
し宛出入れを繰り返しながら狹窄部位を避けるように進
入させる際に摺動抵抗が大きくなって操作性が低下した
り、バルーン部分への伝達性が悪くなって操作誤差が生
じるようなこともなく、手元操作性の向上と手元操作に
よるバルーン部分への精確な伝達性をも兼備できる。 (請求項2)その上、PET系の樹脂で成形したバルー
ンが内筒に対して小径をもって被包された状態に固着さ
れることから、冠状動脈形成術後に造影剤を吸引すると
切り溝を有する内筒の弾性復元作用で元の直管状に復元
すると同時にバルーンが元の小径もしくはそれ以上小径
な被包状態に戻り、ガイディングカテーテルに対してス
ムーズに抜き取ることができ、抜き取り易くなる。そし
て、更に先の狹窄部位に対して同じカテーテルを使用し
て冠状動脈形成術を安全に遂行することができる。 (請求項3)しかも、コロナリー入口部に係合させて冠
状動脈の最奥部に冠状動脈拡張用器具を手元操作で到達
させた際、先端部位から冠状動脈内のコロナリー入口部
近傍位置もしくはガイディングカテーテル内の中途位置
まで至る内筒の所望長さ範囲に切り溝を設け、その切り
溝を内筒の中心を挟んで対向して設けた適宜長さの周方
向に向く上下溝と内筒の中心を挟んで対向して設けた適
宜長さの左右溝とで構成してその上下溝と左右溝とを交
互に配列しているため、障害物(ガイディングカテーテ
ルや冠状動脈の屈曲部、狭窄部位等)に沿って速やかに
逃げる自在性を付与でき、通過性が更に良好になり冠状
動脈を傷付けすることなく安全性が高まるばかりでな
く、ひいては手元での操作性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の要部の断面図。
【図2】切り溝部分の拡大断面図。
【図3】陰圧をかけてバルーンを内筒に巻回した状態を
示す部分拡大断面図。
【図4】第3の実施の形態の要部の断面図。
【図5】図5において、バルーンと、内筒と、ガイドワ
イヤとの関係を示す部分拡大断面図。
【図6】バルーンを膨脹させた状態を示す要部の断面
図。
【図7】冠状動脈形成術の施法を示す概略図で、(イ)
はカテーテルを送り出している状態を示す。(ロ)はバ
ルーンを膨脹させた状態を示す。
【符号の説明】
11 :バルーン 1 :カテーテル 300 :冠状動脈 A :冠状動脈拡張用器具 41 :切り溝 21 :外筒 31 :内筒 61 :固着部 51 :合成樹脂 41 :切り溝 41a、41a:上下溝 41b、41b:左右溝

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前後端を開放しPE系の樹脂で薄肉状に
    成形したバルーンに、外筒とその外筒内を挿通する内筒
    とを具備し動脈内に差し込んで心臓の冠状動脈に進入す
    るカテーテルを挿通させ、前記バルーンの前側開放部を
    内筒に、また後側開放部を外筒に水密状に固着して構成
    してなり、ガイディングカテーテル内を通してバルーン
    を冠状動脈の狭窄部位に到達させるPTCAによる冠状
    動脈拡張用器具において、前記ガイディングカテーテル
    を冠状動脈のコロナリー入口部に係合させて冠状動脈の
    最奥部に前記器具を手元操作で到達させた際、その器具
    先端部位から冠状動脈内の前記コロナリー入口部近傍位
    置もしくはガイディングカテーテル内の中途位置まで至
    る内筒の所望長さ範囲に周方向に向く適宜長さの切り溝
    を平行状に多数設けていることを特徴とするPTCAに
    よる冠状動脈拡張用器具。
  2. 【請求項2】 外筒とその外筒内を挿通する内筒とを具
    備し動脈内に差し込んで心臓の冠状動脈に進入するカテ
    ーテルに、前後端を開放しPET系の樹脂で薄肉状に成
    形したバルーンを挿通させ、該バルーンの前側開放部を
    内筒に、また後側開放部を外筒に水密状に固着して構成
    してなり、ガイディングカテーテル内を通してバルーン
    を冠状動脈の狭窄部位に到達させるPTCAによる冠状
    動脈拡張用器具において、前記バルーンを径を細くする
    ように軸方向に引き伸ばした状態でその前側開放部を内
    筒に、また後側開放部を外筒に各々水密状に固着し、且
    つ前記ガイディングカテーテルを冠状動脈のコロナリー
    入口部に係合させて冠状動脈の最奥部に前記器具を手元
    操作で到達させた際、その器具先端部位から冠状動脈内
    の前記コロナリー入口部近傍位置もしくはガイディング
    カテーテル内の中途位置まで至る内筒の所望長さ範囲に
    周方向に向く適宜長さの切り溝を平行状に多数設けてい
    ることを特徴とするPTCAによる冠状動脈拡張用器
    具。
  3. 【請求項3】 前記切り溝が内筒の中心を挟んで対向し
    て設けた適宜長さの周方向に向く上下溝と内筒の中心を
    挟んで対向して設けた適宜長さの左右溝とからなり、前
    記先端部位から冠状動脈内の前記コロナリー入口部近傍
    位置もしくはガイディングカテーテル内の中途位置まで
    至る内筒の所望長さ範囲にその上下溝と左右溝とを交互
    に配列していることを特徴とする請求項1または2記載
    のPTCAによる冠状動脈拡張用器具。
  4. 【請求項4】 前記内筒が金属製または硬質プラスチッ
    ク製であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1
    項記載のPTCAによる冠状動脈拡張用器具。
JP8332131A 1996-12-12 1996-12-12 Ptcaによる冠状動脈拡張用器具 Pending JPH10165507A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8332131A JPH10165507A (ja) 1996-12-12 1996-12-12 Ptcaによる冠状動脈拡張用器具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8332131A JPH10165507A (ja) 1996-12-12 1996-12-12 Ptcaによる冠状動脈拡張用器具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10165507A true JPH10165507A (ja) 1998-06-23

Family

ID=18251507

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8332131A Pending JPH10165507A (ja) 1996-12-12 1996-12-12 Ptcaによる冠状動脈拡張用器具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10165507A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013005823A (ja) * 2011-06-22 2013-01-10 Goodman Co Ltd カテーテル
WO2014013565A1 (ja) * 2012-07-18 2014-01-23 テルモ株式会社 医療用処置具
KR20190004357A (ko) * 2016-05-31 2019-01-11 인튜어티브 서지컬 오퍼레이션즈 인코포레이티드 유연한 생검 니들 시스템
CN111012414A (zh) * 2019-12-23 2020-04-17 合肥市第三人民医院 一种经皮肾镜用筋膜扩张器及其应用

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013005823A (ja) * 2011-06-22 2013-01-10 Goodman Co Ltd カテーテル
WO2014013565A1 (ja) * 2012-07-18 2014-01-23 テルモ株式会社 医療用処置具
US8936612B2 (en) 2012-07-18 2015-01-20 Terumo Kabushiki Kaisha Medical treatment tool
KR20190004357A (ko) * 2016-05-31 2019-01-11 인튜어티브 서지컬 오퍼레이션즈 인코포레이티드 유연한 생검 니들 시스템
JP2019523665A (ja) * 2016-05-31 2019-08-29 インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド 柔軟な生検針システム
CN111012414A (zh) * 2019-12-23 2020-04-17 合肥市第三人民医院 一种经皮肾镜用筋膜扩张器及其应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09639A (ja) Ptcaによる冠状動脈拡張用器具
US20170028170A1 (en) Guide catheter extension device and methods of use for cardiology procedures
JP2533720B2 (ja) 外翻カテ―テルおよび外翻カテ―テルに細長い器具を位置決めする方法
US5976107A (en) Catheter having extendable guide wire lumen
US6027508A (en) Stent retrieval device
US8216294B2 (en) Catheter with disruptable guidewire channel
US7867219B2 (en) Catheter with flexible tip and shape retention
EP0057205B1 (en) Calibrating dilatation catheter
US5108413A (en) Dilator for opening the lumen of a tubular organ
JP2001218851A (ja) カテーテル
EP0744187B1 (en) Balloon catheter with balloon protection sheath
EP0664719B1 (en) Catheter tip with a low friction lining
JP2002543914A (ja) 脈管へのアクセスを確立するためのシステムとその方法
US6966890B2 (en) Convertible balloon catheter and manufacture thereof
JP2002527211A (ja) ステント輸送潅流カテーテル
US20070083252A1 (en) Method for placing a stent through a constricted lumen, and medical device
US20070106260A1 (en) Catheter
RU2370224C2 (ru) Внутрипросветная хирургическая система доставки
WO2002096297A2 (en) Medical grafting apparatus
JPH084628B2 (ja) 拡張体付カテーテル
JPH10165507A (ja) Ptcaによる冠状動脈拡張用器具
JP2010057770A (ja) カテーテル組立体
JP2002355313A (ja) カテーテルチューブおよびバルーンカテーテル
JP2000217923A (ja) バルーンカテーテルおよびその製造方法
JPH10240A (ja) カテーテル組立体