JP5759736B2 - バルーンカテーテル - Google Patents

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Description

本発明は、血管の狭窄箇所又は閉塞箇所の拡張治療をする際などにおいて生体内に導入して用いられるバルーンカテーテルに関するものである。
従来から、PTA(経皮的血管形成術)やPTCA(経皮的冠動脈形成術)といった治療等においては、バルーンカテーテルが用いられている。バルーンカテーテルは、カテーテルチューブに、バルーンを固定して構成されている。
当該バルーンカテーテルとして、例えば特許文献1には、当該カテーテルの挿入時において血管に接触し易い遠位端部の柔軟性を高めるべく、当該遠位端部から近位側に向けた所定範囲に亘って先端チップを設けた構成が開示されている。当該構成の一例を図7に示す。
図7に示すように、バルーンカテーテル80は、カテーテルチューブ81とバルーン82とを備えている。カテーテルチューブ81は、外側チューブ83と、当該外側チューブ83の内腔を貫通させて設けられた内側チューブ84とを備えており、内側チューブ84は外側チューブ83よりも遠位端側に延長させて設置されている。そして、この延長させた領域を外側から覆うようにして、バルーン82が設けられている。
バルーン82は、膨張状態において内径及び外径が複数段階で代わるように形成されている。詳細には、バルーン82は、外側チューブ83に接合される近位側レッグ領域82aと、遠位端側に向けて内径及び外径が拡径されるようにテーパ状をなす近位側コーン領域82bと、長さ方向の全体に亘って内径及び外径が同一でありバルーン82の最大外径領域をなす直管領域82cと、遠位端側に向けて内径及び外径が縮径されるようにテーパ状をなす遠位側コーン領域82dと、内側チューブ84に接合される遠位側レッグ領域82eとを、近位側からこの順で有している。
上記構成において、内側チューブ84の外側チューブ83よりも遠位側に延長された領域において、遠位端部から近位側に向けた所定範囲の領域は、当該領域に対して近位側にて連続するベースチューブ85よりも柔軟な先端チップ86により構成されている。当該先端チップ86は、バルーン82の遠位側レッグ領域82eの接合対象箇所となっているとともに、バルーン82の遠位側コーン領域82dよりも近位側の位置に亘って形成されている。
このように先端チップ86が設けられていることにより、バルーンカテーテル80の治療目的箇所への挿入時において血管に接触し易い当該カテーテル80の遠位端部を柔軟なものとすることが可能となる。
特開2008−237844号公報
ここで、バルーン82はブロー成形などを利用して形成されるため、バルーン82の肉厚は軸線方向の両端側に比べて中央側の方が薄くなり易い。そうすると、収縮状態のバルーン82が内側チューブ84に巻きついた状態において、直管領域82c側の方が遠位側レッグ領域82e側よりも剛性が低くなり易い。この場合、その剛性の変わり目部分においてキンク(折れ曲がり)の発生が懸念される。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、遠位端部の柔軟性を高めたバルーンカテーテルにおいて、バルーンが設けられた領域の剛性の好適化を図ることを目的とするものである。
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。
第1の発明のバルーンカテーテル:流体を利用して膨張又は収縮されるバルーンが、チューブ体の遠位端側を覆うようにして設けられたバルーンカテーテルにおいて、前記バルーンは、前記チューブ体に対する遠位側の接合箇所を構成する遠位側接合領域と、前記バルーンの膨張時において最も外側に張り出す部分を構成する膨張用領域と、前記遠位側接合領域と前記膨張用領域との間に設けられた遷移領域と、を備え、前記チューブ体は、当該チューブ体の遠位側を構成する遠位側チューブと、当該遠位側チューブよりも近位側に設けられ、当該遠位側チューブよりも剛性が高くなるように形成された近位側チューブと、これら遠位側チューブ及び近位側チューブの間に設けられ、近位側チューブよりも剛性が低く且つ遠位側チューブよりも剛性が高くなるように形成された中間チューブと、を備え、当該中間チューブは、その少なくとも一部が前記遷移領域により外側から覆われるように形成されていることを特徴とする。
本構成によれば、チューブ体において、バルーンの遷移領域により外側から覆われる領域には、近位側チューブよりも剛性が低く且つ遠位側チューブよりも剛性が高い中間チューブが存在している。これにより、バルーンにおいて膨張用領域側の方が遠位側よりも剛性が低くなる構成であったとしても、その剛性変化をチューブ体において適切に吸収することが可能となり、通過性の向上と耐キンク性の向上との両立を図ることが可能となる。
また、上記のような剛性のバランスを、近位側チューブ及び遠位側チューブとは別の中間チューブを介在させることにより実現している。これにより、チューブ体の設計の自由度を高めながら、上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
第2の発明のバルーンカテーテル:第1の発明において、前記中間チューブの遠位端部は、前記遷移領域と前記遠位側接合領域との境界又はそれよりも遠位側に存在していることを特徴とする。これにより、バルーンにおいて上記剛性の変化が生じ易い領域に対して中間チューブが存在することとなり当該剛性変化の吸収を良好に行うことが可能となる。
第3の発明のバルーンカテーテル:第1又は第2の発明において、前記中間チューブと前記遠位側チューブとの接合箇所が、前記遠位側接合領域により外側から覆われていることを特徴とする。これにより、中間チューブと遠位側チューブとの接合強度をバルーンにより補うことが可能となり、中間チューブと遠位側チューブとの分離が抑制される。
特に、上記第2の発明に係る構成を備えている場合に本構成を適用することで、例えば屈曲した血管内に挿入されるバルーンカテーテルの遠位側に中間チューブと遠位側チューブとの接合箇所が存在している構成において、これらチューブの接合強度を好適に高めることが可能となる。
第4の発明のバルーンカテーテル:第3の発明において、前記中間チューブと前記遠位側チューブとの接合箇所は、前記遠位側チューブが前記チューブ体の外周面を生じさせるように、これら中間チューブ及び遠位側チューブをラジアル方向に積層させて形成されていることを特徴とする。これにより、中間チューブと遠位側チューブとの接合箇所がバルーンの遠位側接合領域により外側から覆われる構成において、当該遠位側接合領域と遠位側チューブとの接合面積を広く確保することが可能となり、遠位側チューブの脱落を抑制することが可能となる。
第5の発明のバルーンカテーテル:第1乃至第4の発明のいずれか1に記載の発明において、前記中間チューブの近位端部は、前記膨張用領域と前記遷移領域との境界又はそれよりも近位側に存在していることを特徴とする。これにより、バルーンにおける上記剛性変化を中間チューブにて好適に吸収することが可能となる。
特に上記第2の発明に係る構成を備えている場合に本構成を適用することで、バルーンにおいて剛性変化が生じ易い遷移領域の全体に対して中間チューブが存在することとなり、バルーンにおける上記剛性変化を中間チューブにて好適に吸収することが可能となる。
第6の発明のバルーンカテーテル:第1乃至第5の発明のいずれか1に記載の発明において、前記チューブ体には、前記バルーンの軸線方向の所定位置を確認容易とするために確認用手段が取り付けられており、前記中間チューブの近位端部は、前記確認用手段よりも遠位側に存在していることを特徴とする。これにより、確認用手段の位置を所望の位置としながら、当該確認用手段をより剛性が高い近位側チューブに取り付けることが可能となり、当該確認用手段を安定した状態で取り付けることが可能となる。
第7の発明のバルーンカテーテル:第6の発明において、前記中間チューブと前記近位側チューブとの接合箇所は、前記中間チューブが前記近位側チューブに対して外側となるように形成されていることにより、近位側に向けた段差面を有しており、前記確認用手段は、筒状をなしており且つ遠位側の端面が前記段差面に近位側から当接するようにして設けられていることを特徴とする。これにより、確認用手段が取り付けられた位置において遠位側に向けた面を有する凸部が生じにくくなる。よって、バルーンカテーテルの挿入時においてバルーンが確認用手段に引っ掛かりづらくなる。
(a)バルーン及び外側チューブを縦断面の状態で示す膨張状態のバルーン及びその周辺の側面図であり、(a1)縦断面の状態のバルーンについて一部を拡大して示す図であり、(a2)内側近位チューブと内側中間チューブとの接合箇所を示す縦断面図であり、(a3)内側中間チューブと内側遠位チューブとの接合箇所を示す縦断面図であり、(b)バルーンが収縮状態である場合における当該バルーン及びその周辺を拡大して示す側面図である。 バルーンカテーテルの構成を示す概略全体側面図である。 第2の実施の形態におけるバルーンカテーテルを示す図であって、バルーン及び外側チューブを縦断面の状態で示す膨張状態のバルーン及びその周辺の側面図である。 第3の実施の形態におけるバルーンカテーテルを示す図であって、バルーン及び外側チューブを縦断面の状態で示す膨張状態のバルーン及びその周辺の側面図である。 第4の実施の形態におけるバルーンカテーテルを示す図であって、バルーン及び外側チューブを縦断面の状態で示す膨張状態のバルーン及びその周辺の側面図である。 第5の実施の形態におけるバルーンカテーテルを示す図であって、バルーン及び外側チューブを縦断面の状態で示す膨張状態のバルーン及びその周辺の側面図である。 背景技術を説明するための図であって、バルーン及び外側チューブを縦断面の状態で示す膨張状態のバルーン及びその周辺の側面図である。
(第1の実施の形態)
以下、バルーンカテーテルについての第1の実施の形態を図面に基づいて説明する。先ず図2を参照しながらバルーンカテーテル10の概略構成を説明する。図2はバルーンカテーテル10の構成を示す概略全体側面図である。
図2に示すように、バルーンカテーテル10は、カテーテルチューブ11と、当該カテーテルチューブ11の近位端部(基端部)に取り付けられたハブ12と、カテーテルチューブ11の遠位端側(先端側)に取り付けられたバルーン13と、を備えている。なお、バルーンカテーテル10の長さ寸法は、1m〜2mとなっている。
カテーテルチューブ11は、複数のチューブにより構成されており、少なくとも軸線方向(長手方向)の途中位置からバルーン13の位置まで内外複数管構造となっている。具体的には、カテーテルチューブ11は、外側チューブ15と、当該外側チューブ15よりも細径化された内側チューブ16と、を備えており、外側チューブ15に内側チューブ16が内挿されていることで内外2重管構造となっている。なお、内側チューブ16がチューブ体に相当する。
外側チューブ15は、軸線方向の全体に亘って連続するとともに両端にて開放された外側管孔21(図1参照)を有する管状に形成されている。また、外側チューブ15は、ハブ12に連続する位置から遠位側に向けた所定範囲の領域がNi―Ti合金やステンレスなどの金属により形成された外側近位チューブ22となっており、それよりも遠位側は外側近位チューブ22に比べて剛性が低くなるように熱可塑性のポリアミドにより形成された外側遠位チューブ23となっている。
なお、外側近位チューブ22を合成樹脂により形成してもよい。また、本明細書において剛性とは、カテーテルを軸線方向に対して直交する方向に曲げようとするときに作用するモーメントの大きさのことをいう。
内側チューブ16は、軸線方向の全体に亘って連続するとともに両端にて開放された内側管孔31(図1参照)を有する管状に形成されている。また、内側チューブ16は、その近位端部が外側遠位チューブ23における軸線方向の途中位置に接合され、さらに図2に示すように、外側チューブ15よりも遠位側に延出するように設けられている。そして、この延出している領域を外側から覆うようにしてバルーン13が設けられている。
なお、外側管孔21は、バルーン13を膨張又は収縮させる際に圧縮流体が流通することとなる流体用ルーメンとして機能する。また、内側管孔31は、バルーンカテーテル10の生体内への挿入に際して利用されるガイドワイヤGが挿通されるワイヤ用ルーメンとして機能する。
次に、バルーン13及び内側チューブ16の構成について、図1を参照しながら詳細に説明する。
図1(a)はバルーン13が膨張状態である場合における当該バルーン13及びその周辺を示す側面図である。なお、図1(a)においてバルーン13及び外側チューブ15は縦断面の状態で示す。また、図1(a1)は縦断面の状態のバルーン13について一部を拡大して示す図であり、図1(a2)は内側チューブ16の一部を拡大して示す縦断面図であり、図1(a3)はバルーン13及び内側チューブ16の一部を拡大して示す縦断面図である。また、図1(b)はバルーン13が収縮状態である場合における当該バルーン13及びその周辺を示す側面図である。
バルーン13は、熱可塑性のポリアミドエラストマにより形成されている。但し、これに限定されることはなく、ポリオレフィン、ポリオレフィンエラストマ、ポリエステル、ポリエステルエラストマ、ポリアミド、ポリイミド、ポリイミドエラストマ、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマ、ポリエチレンテレフタレート、シリコンゴム、スチレンオレフィンゴムなどといった他の合成樹脂により形成されていてもよい。また、このように列挙した合成樹脂や上記ポリアミドエラストマのうち、2種類以上を混合させた材料により形成してもよく、この場合、単層構造としてもよく、多層構造としてもよい。
バルーン13の製造方法としては特に限定されることはなく、ブロー成形、ディッピング成形、押出成形などによる製造方法が挙げられる。但し、心臓の冠状動脈に生じた狭窄部を拡張治療する場合、バルーン13が十分な耐圧強度を有することが好ましく、この場合、ブロー成形が好ましい。
当該ブロー成形によりバルーン13を製造する方法の一例は以下のとおりである。先ず、押出成形により、バルーン13の元となる管状パリソンを作製する。次に、当該管状パリソンを長さ方向に延伸させた後、バルーン13の形状に対応した型が形成された金型を用いて、所定の条件下でブロー成形を行う。これにより、管状パリソンが2軸延伸された状態となる。その後、延伸された管状パリソンの両端を切断することでバルーン13の製造が完了する。なお、上記ブロー成形は、室温条件下で行ってもよく、加熱条件下で行ってもよい。また、当該ブロー成形を複数回行ってもよい。さらにまた、軸方向の延伸とラジアル方向の延伸とを同時に行うようにしてもよい。さらに、2軸延伸後などにおいてアニーリングを行ってもよい。
バルーン13は、図1(a)に示すように、膨張状態において内径及び外径が複数段階で代わるように形成されている。つまり、バルーン13は、外側チューブ15に接合される近位側レッグ領域(近位側接合領域)13aと、先端側に向けて内径及び外径が拡径されるようにテーパ状をなす近位側コーン領域(近位側の遷移領域)13bと、長さ方向の全体に亘って内径及び外径が同一でありバルーン13の最大外径領域をなす直管領域(膨張用領域)13cと、先端側に向けて内径及び外径が縮径されるようにテーパ状をなす遠位側コーン領域(遠位側の遷移領域)13dと、内側チューブ16に接合される遠位側レッグ領域(遠位側接合領域)13eとを、近位側からこの順で有している。
近位側レッグ領域13aの軸線方向の長さ寸法は0.5mm〜5.0mmであり、近位側コーン領域13bの軸線方向の長さ寸法は0.5mm〜5.0mmであり、直管領域13cの軸線方向の長さ寸法は10mm〜50mmであり、遠位側コーン領域13dの軸線方向の長さ寸法は0.5mm〜10.0mmであり、遠位側レッグ領域13eの軸線方向の長さ寸法は0.5mm〜2.0mmである。また、バルーン13が膨張した際の直管領域13cの外径は1.0mm〜5.0mmであり、バルーン13の膨張させる前の収縮時(すなわち、バルーン13が折り畳まれている状態)における直管領域13cの外径は0.5mm〜1.5mmである。
この場合において、遠位側コーン領域13dの軸線方向の長さ寸法は、近位側コーン領域13bの軸線方向の長さ寸法よりも大きく、且つ、遠位側コーン領域13dの軸線方向の長さ寸法は、直管領域13cの軸線方向の長さ寸法と略同一となっていることが好ましい。これにより、バルーン13の全体長に対する遠位側コーン領域13dの比率を高めることができ、当該遠位側コーン領域13dの傾斜を極力緩やかなものとすることが可能となる。よって、図1(b)に示すように、バルーン13が収縮し、バルーン13における近位側コーン領域13b、直管領域13c及び遠位側コーン領域13dが内側チューブ16の外周面に巻きついた状態では、遠位端側から直管領域13cに至る部分において外径の変化が緩やかなものとなり、バルーンカテーテル10を体内に挿入する際の通過性が向上する。
なお、バルーン13が複数羽式(例えば、3枚羽式)で形成された構成においては、バルーン13の収縮状態では、それら各羽が個別に内側チューブ16に巻きついた状態となる。詳細には、バルーン13が膨張状態から収縮状態となる場合、軸線方向に対して垂直に起立する羽が等間隔で複数形成されるようにバルーン13の膨張及び収縮領域(近位側コーン領域13b、直管領域13c及び遠位側コーン領域13d)が折りたたまれ、その後、各羽が内側チューブ16に巻きつき収縮状態となる。
内側チューブ16は、複数のチューブ32〜34を同一軸線上となるように並べて連結させることで形成されている。具体的には、内側チューブ16の近位端部から外側チューブ15よりも遠位側の途中位置までを構成する内側近位チューブ32と、当該内側近位チューブ32に対して遠位側にて連続する内側中間チューブ33と、当該内側中間チューブ33に対して遠位側にて連続するとともに内側チューブ16の遠位端部を構成する内側遠位チューブ34と、を備えている。なお、内側近位チューブ32が近位側チューブに相当し、内側中間チューブ33が中間チューブに相当し、内側遠位チューブ34が遠位側チューブに相当する。
内側近位チューブ32は合成樹脂により形成されており、具体的には複数種類の合成樹脂が積層されてなる3層構造をなしている。詳細には、外層がショア硬度70D相当の熱可塑性のポリアミドエラストマにより形成されており、中間層が低密度ポリエチレンにより形成されており、内層が高密度ポリエチレンにより形成されている。なお、図1(a2)では、説明の便宜上、内側近位チューブ32を単一の層として示している。
内側中間チューブ33は合成樹脂により形成されており、単一層構造をなしている。内側中間チューブ33は、内側近位チューブ32において利用されている熱可塑性のポリアミドエラストマよりもショア硬度が小さい樹脂材料を用いて形成されている。詳細には、内側近位チューブ32において利用されている熱可塑性のポリアミドエラストマよりもショア硬度が小さい熱可塑性のポリアミドエラストマ、具体的にはショア硬度63D相当のポリアミドエラストマにより形成されている。
内側遠位チューブ34は合成樹脂により形成されており、単一層構造をなしている。内側遠位チューブ34は、内側中間チューブ33において利用されている熱可塑性のポリアミドエラストマよりもショア硬度が小さい樹脂材料を用いて形成されている。詳細には、内側中間チューブ33において利用されている熱可塑性のポリアミドエラストマよりもショア硬度が小さい熱可塑性のポリアミドエラストマ、具体的には、ショア硬度55D相当のポリアミドエラストマと63D相当のポリアミドエラストマとを1対1の割合で混合した材料により形成されている。
内側近位チューブ32と内側中間チューブ33との接合箇所35(以下、第1接合箇所35とも言う)は、図1(a)に示すように、バルーン13の直管領域13cにおける軸線方向の所定位置、具体的には中間位置と対応する位置に存在している。第1接合箇所35は、図1(a2)に示すように、内側中間チューブ33の近位端開口を拡径させ、その拡径させた領域に内側近位チューブ32の遠位端部を挿入し、その挿入箇所を外側から加熱して両チューブ32,33を熱溶着させることで形成されている。この場合、第1接合箇所35では内側中間チューブ33が内側近位チューブ32に対して外側から積層された状態となっており、さらにこの内側中間チューブ33の外側に積層された領域は内側近位チューブ32の外周面よりも外側に張り出している。その一方、第1接合箇所35の形成に際しては、内側管孔31にマンドレルを挿入した状態で熱溶着が行われるため、第1接合箇所35を含めて内側チューブ16の内径が同一又は略同一となっている。なお、接合方法は熱溶着に限定されることはなく、接着剤を利用してもよい。
第1接合箇所35に対しては、X線投影下でのバルーン13の視認性を向上させ、且つ目的とする治療箇所へのバルーン13の位置決めを容易に行うために、金属製であって筒状をなす造影環(造影マーカー)36が設けられている。造影環36は、ステンレスにより形成されているが、これに限定されることはなく、金、白金、イリジウム、コバルトクロム合金、チタンなどを用いてもよい。なお、造影環36が確認用手段に相当する。
造影環36は、遠位側の端面36aを、第1接合箇所35において近位側を向くようにして生じている段差面33aに当接させて設置されている。つまり、造影環36は、内側近位チューブ32及び内側中間チューブ33のうち剛性が高い内側近位チューブ32に取り付けられている。これにより、造影環36の支持を安定して行うことが可能となる。
なお、近位側を向くように生じている段差面33aは、軸線方向に対して直角である平面に限定されることはなく、例えば軸線方向に対して鋭角又は鈍角をなす平面であってもよく、近位側に凸となる又は遠位側に凹んだ曲面であってもよい。
造影環36の取り付け方法は任意であるが、本バルーンカテーテル10では加締めることにより造影環36が取り付けられている。この取り付け方法について簡単に説明すると、取り付け対象のチューブの外径よりも若干大きい内径の造影環36を当該取り付け対象のチューブ上に挿通させて配置し、その後に造影環36の外周面に外力を加えて当該造影環36を変形させて造影環36をチューブに圧着させる。このように造影環36が取り付けられる場合において、取り付け対象のチューブを、内側チューブ16において剛性が高い内側近位チューブ32とすることにより、当該取り付け作業を好適に行うことが可能となる。
造影環36の外径は、第1接合箇所35の外径と同一又は略同一となっている。これにより、内側チューブ16においてバルーン13により被覆された領域に、遠位側を向く面を有する金属製の突部が生じないようにすることが可能となる。なお、このような突起を生じさせないようにする上では、造影環36の外径を第1接合箇所35の外径以下とすればよい。
内側中間チューブ33と内側遠位チューブ34との接合箇所37(以下、第2接合箇所37とも言う)は、図1(a)に示すように、バルーン13の遠位側レッグ領域13eと対応する位置に存在している。つまり、第2接合箇所37は、内側チューブ16に対するバルーン13の遠位側の接合領域に存在している。
第2接合箇所37について詳細には、図1(a3)に示すように、内側遠位チューブ34の近位端開口側に内側中間チューブ33の遠位端部を挿入し、その挿入箇所を外側から加熱して両チューブ33,34を熱溶着させることで形成されている。この熱溶着は、第2接合箇所37を含めて内側チューブ16の内径が同一又は略同一となるようにマンドレルを挿入した状態で行われるとともに、第2接合箇所37に段差が生じずに当該第2接合箇所37及びその周辺において外周面が面一となるように熱収縮チューブなどを利用して外側から加熱圧縮することで行われる。これにより、内側チューブ16は、第2接合箇所37及びその周辺において外周面が面一となり、さらにこの第2接合箇所37では内側遠位チューブ34が内側チューブ16の外周面を生じさせている。なお、接合方法は熱溶着に限定されることはなく、接着剤を利用してもよい。
また、バルーン13を内側チューブ16に接合する際には、上記のように形成された第2接合箇所37を外側から覆うようにして遠位側レッグ領域13eを配置し、当該遠位側レッグ領域13eの外側から加熱することで、当該遠位側レッグ領域13eの全体を内側チューブ16に熱溶着させる。したがって、バルーン13は、内側中間チューブ33に接合されているとともに、内側遠位チューブ34に接合されており、さらに第2接合箇所37に対しても接合されている。
このように第2接合箇所37がバルーン13の遠位側の接合領域と重なっていることにより、第2接合箇所37の接合強度をバルーン13により補うことが可能となる。よって、内側中間チューブ33と内側遠位チューブ34との分離が抑制される。また、上記のとおり第2接合箇所37では、内側遠位チューブ34が内側中間チューブ33に対して外側から積層された状態となっており、当該内側遠位チューブ34が内側チューブ16の外周面を生じさせているため、内側遠位チューブ34に対するバルーン13の接合面積が広く確保されている。よって、内側遠位チューブ34の脱落を抑制することが可能となる。さらにまた、第2接合箇所37をバルーン13により覆うことで、当該第2接合箇所37の形状に影響されることなく、バルーンカテーテル10の遠位端側の外形を滑らかなものとすることが可能となる。
内側チューブ16の外径は、第1接合箇所35を除いて基本的に一定となっている。また、内側チューブ16の内径は全体的に一定となっている。ちなみに、一定となっている箇所の外径は0.50mm〜0.60mmであり、内径は0.40mm〜0.48mmである。
このように外径及び内径が基本的に一定となっている構成において、上記のとおり、内側中間チューブ33は内側近位チューブ32よりもショア硬度の小さい材料により形成されているとともに、内側遠位チューブ34は内側中間チューブ33よりもショア硬度の小さい材料により形成されている。したがって、内側チューブ16は、遠位側に向けて剛性が段階的に低くなっている。つまり、内側中間チューブ33は、内側近位チューブ32よりも剛性が低く設定されており、内側遠位チューブ34は、内側中間チューブ33よりも剛性が低く設定されている。これにより、通過性及び耐キンク性(折れ曲がりに対する耐性)の向上が図られる。
ここで、内側チューブ16の遠位側を近位側よりも剛性が低くなるようにしている構成において、内側近位チューブ32と内側遠位チューブ34との間には、内側近位チューブ32よりも剛性が低く且つ内側遠位チューブ34よりも剛性が高い内側中間チューブ33を積極的に設けている。
当該内側中間チューブ33は、図1(a)に示すように、バルーン13の直管領域13cと遠位側コーン領域13dとの境界に対応する位置よりも近位側、より詳細には直管領域13cの途中位置に対応する位置から、バルーン13の遠位側コーン領域13dと遠位側レッグ領域13eとの境界に対応する位置よりも遠位側、より詳細には遠位側レッグ領域13eの途中位置に対応する位置に亘って存在している。
バルーン13は、図1(a1)に示すように、軸線方向の両端から直管領域13cに向けて除々に肉厚が小さくなるように形成されているのが一般的である。この傾向は、上述したブロー成形によりバルーン13が形成される場合に顕著となる。そうすると、バルーン13単体で見た場合に、直管領域13c側の方が遠位端側に比べて剛性が低くなってしまう。この場合に、当該バルーン13の範囲に内側遠位チューブ34が存在していると仮定した場合、上記バルーン13の剛性変化の影響を内側チューブ16側において吸収することができなくなり、キンクの発生が懸念される。その一方で、上記のように剛性が変化する領域にまで内側近位チューブ32を延在させると、バルーンカテーテル10の通過性が低下してしまうことが懸念される。これに対して、上記のように内側中間チューブ33が存在していることにより、上記バルーン13の剛性変化の影響を内側チューブ16において吸収しながら、バルーンカテーテル10の通過性も低下させないようにすることが可能となる。
バルーンカテーテル10の通過性に関して、内側遠位チューブ34は、図1(a)に示すように、バルーン13よりも遠位側の領域が内径を一定としながら先細りさせることで、テーパ状に形成されている。なお、内側遠位チューブ34においてバルーン13よりも遠位側に延在している範囲の寸法は、2.0mm〜5.0mmである。
また、図1(a3)に示すように、遠位側レッグ領域13eについても、内径を一定としながら先細りさせることで、テーパ状に形成されている。これにより、内側チューブ16の遠位端部から遠位側レッグ領域13eに亘って概ね連続したテーパ形状を生じさせることが可能となり、バルーンカテーテル10の通過性を向上させることが可能となる。この場合に、既に説明したとおり、第2接合箇所37及びその周辺は面一となるように形成されている。したがって、第2接合箇所37を覆うようにして遠位側レッグ領域13eが設けられる構成において、遠位側レッグ領域13eのテーパ形状の形成を良好に行うことが可能となる。
なお、図1(a3)では遠位側レッグ領域13eと内側遠位チューブ34のテーパ部分との間に非テーパ部分が介在していることでテーパ部分が断続的に存在している構成となっているが、当該非テーパ部分が介在しておらず、テーパ部分が連続している構成としてもよい。また、上記テーパ形状は例えば研磨を行うことにより形成されている。
さらにまた、図1(b)に示すように、バルーン13の収縮状態においては、上記先細りさせるテーパ形状がバルーン13の遠位側コーン領域13dに亘って存在することとなる。これにより、バルーンカテーテル10の通過性をより向上させることが可能となる。
次に、バルーンカテーテル10の使用方法について簡単に説明する。
先ず血管内に挿入されたシースイントロデューサにガイディングカテーテルを挿通し、押引操作して冠動脈入口部まで導入する。次いで、ガイドワイヤGをバルーンカテーテル10の内側管孔31に挿通し、冠動脈入口部から狭窄箇所を経て末梢部位まで導入する。続いて、ガイドワイヤGに沿ってバルーンカテーテル10を、押引操作を加えながら狭窄箇所まで挿入する。この場合に、既に説明したとおり、内側遠位チューブ34だけでなく内側中間チューブ33が設けられていることにより、バルーンカテーテル10の通過性を高めつつ、バルーン13の直管領域13cや遠位側コーン領域13dが設けられた箇所におけるキンクの発生を抑制することが可能となる。
その後、加圧器を用いてハブ12側からバルーン13内に圧縮流体を注入することにより、バルーン13を膨張させて閉塞箇所や狭窄箇所を拡張させる。その後、バルーン13内に注入された圧縮流体を抜き取ることによりバルーン13を収縮させ、バルーンカテーテル10の体内からの抜き取り作業を行う。
なお、バルーンカテーテル10は上記のように主として血管内を通されて、例えば冠状動脈、大腿動脈、肺動脈などの血管を治療するために用いられるが、血管以外の尿管や消化管などの生体内の「管」や、「体腔」にも適用可能である。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
バルーン13における遠位側コーン領域13dから直管領域13cに亘る範囲に対応する位置に、内側近位チューブ32よりも剛性が低く且つ内側遠位チューブ34よりも剛性が高い内側中間チューブ33が設けられている。これにより、バルーン13において直管領域13c側の方が遠位側よりも剛性が低くなる構成であったとしても、その剛性変化を内側チューブ16において適切に吸収することが可能となり、通過性の向上と耐キンク性の向上との両立を図ることが可能となる。
また、上記のような剛性のバランスを、内側近位チューブ32及び内側遠位チューブ34とは別の内側中間チューブ33を介在させることにより実現している。これにより、内側チューブ16の設計の自由度を高めながら、上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
また、内側中間チューブ33の近位端部の位置が造影環36よりも遠位側となっており、当該造影環36は内側近位チューブ32に取り付けられている。このように剛性が相対的に高い内側遠位チューブ34に造影環36を取り付けることにより、当該造影環36を安定した状態で取り付けることが可能となる。
また、内側中間チューブ33と内側遠位チューブ34との接合箇所である第2接合箇所37がバルーン13の遠位側レッグ領域13eにより覆われている。これにより、第2接合箇所37の接合強度をバルーン13側において補うことが可能となり、内側中間チューブ33と内側遠位チューブ34との分離が抑制される。
(第2の実施の形態)
図3は、第2の実施の形態におけるバルーンカテーテル40の構成を示す概略全体側面図である。なお、図3においては上記第1の実施の形態と同一の構成については同一の番号を付すとともに、以下の説明ではその構成の説明を基本的に省略する。
図3に示すように、本バルーンカテーテル40の内側チューブ16も、内側近位チューブ32よりも剛性が低く且つ内側遠位チューブ34よりも剛性が高くなるように形成された内側中間チューブ33を備えている。内側中間チューブ33の遠位端部の位置は、上記バルーンカテーテル10と同様に、バルーン13の遠位側レッグ領域13eと重なる位置となっている。一方、内側中間チューブ33の近位端部の位置は、バルーン13における直管領域13cと遠位側コーン領域13dとの境界よりも遠位側となっている。但し、当該位置は、直管領域13cと遠位側コーン領域13dとの境界寄りの位置となっている。
本構成では、上記バルーンカテーテル10よりも内側近位チューブ32が遠位側に延在することとなるためそれだけ剛性が高くなるが、その分だけバルーン13の剛性変化を良好に吸収することが可能となる。
(第3の実施の形態)
図4は、第3の実施の形態におけるバルーンカテーテル50の構成を示す概略全体側面図である。なお、図4においては上記第1の実施の形態と同一の構成については同一の番号を付すとともに、以下の説明ではその構成の説明を基本的に省略する。
図4に示すように、本バルーンカテーテル50の内側チューブ16も、内側近位チューブ32よりも剛性が低く且つ内側遠位チューブ34よりも剛性が高くなるように形成された内側中間チューブ33を備えている。内側中間チューブ33の近位端部の位置は、上記バルーンカテーテル10と同様に、バルーン13の直管領域13cにおける軸線方向の中間位置となっている。一方、内側中間チューブ33の遠位端部の位置は、バルーン13の遠位側レッグ領域13eよりも近位側となっている。但し、当該位置はバルーン13の遠位側コーン領域13dにおける軸線方向の途中位置と対応する位置となっており、詳細には遠位側コーン領域13dと遠位側レッグ領域13eとの境界寄りの位置となっている。
本構成では、遠位側コーン領域13dに対して内側遠位チューブ34が遠位側から入り込むこととなるが、遠位側コーン領域13dの大部分は内側中間チューブ33と対応する位置に存在していることとなるため、バルーン13における剛性変化を吸収することは可能である。
また、本構成によれば、内側チューブ16に対するバルーン13の接合箇所と、内側中間チューブ33及び内側遠位チューブ34の接合箇所とが軸線方向に離間されることとなる。これにより、剛性が高まり易い接合箇所を軸線方向に分散させることが可能となる。
(第4の実施の形態)
図5は、第4の実施の形態におけるバルーンカテーテル60の構成を示す概略全体側面図である。なお、図5においては上記第1の実施の形態と同一の構成については同一の番号を付すとともに、以下の説明ではその構成の説明を基本的に省略する。
図5に示すように、本バルーンカテーテル60の内側チューブ16も、内側近位チューブ32よりも剛性が低く且つ内側遠位チューブ34よりも剛性が高くなるように形成された内側中間チューブ33を備えている。内側中間チューブ33の近位端部の位置は、上記バルーンカテーテル10と同様に、バルーン13の直管領域13cにおける軸線方向の中間位置となっている。一方、内側中間チューブ33の遠位端部の位置は、バルーン13の遠位側レッグ領域13eよりも遠位側となっている。但し、当該位置は、遠位側レッグ領域13e寄りの位置となっている。
本構成では、直管領域13cよりも遠位側におけるバルーン13の肉厚が変化し得る領域の全体に対して内側中間チューブ33が存在することとなる。これにより、バルーン13の剛性変化を内側中間チューブ33にて吸収することが可能となる。
また、本構成によれば、内側チューブ16に対するバルーン13の接合箇所と、内側中間チューブ33及び内側遠位チューブ34の接合箇所とが軸線方向に離間されることとなる。これにより、剛性が高まり易い接合箇所を軸線方向に分散させることが可能となる。
(第5の実施の形態)
図6は、第5の実施の形態におけるバルーンカテーテル70の構成を示す概略全体側面図である。なお、図6においては上記第1の実施の形態と同一の構成については同一の番号を付すとともに、以下の説明ではその構成の説明を基本的に省略する。
図6に示すように、本バルーンカテーテル70の内側チューブ16も、内側近位チューブ32よりも剛性が低く且つ内側遠位チューブ34よりも剛性が高くなるように形成された内側中間チューブ33を備えている。内側中間チューブ33の近位端部の位置は、外側チューブ15の遠位端部よりも近位側となっており、内側中間チューブ33の遠位端部の位置は、バルーン13の遠位側レッグ領域13eよりも遠位側となっている。ちなみに、造影環36は内側中間チューブ33に取り付けられている。
本構成では、バルーン13の全体に対して内側中間チューブ33が存在することとなる。これにより、バルーン13の剛性変化を内側中間チューブ33にて吸収することが可能となる。また、バルーンカテーテル10においてバルーン13が設けられた領域の柔軟性を、上記バルーンカテーテル10よりも高めることが可能となる。
なお、本バルーンカテーテル70において内側中間チューブ33の遠位端部の位置を、上記第2の実施の形態におけるバルーンカテーテル40のような位置としてもよく、上記第3の実施の形態におけるバルーンカテーテル50のような位置としてもよい。
(他の実施の形態)
本発明は上記実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施しても良い。
(1)内側近位チューブ32、内側中間チューブ33及び内側遠位チューブ34の形成材料は、内側中間チューブ33が内側近位チューブ32よりも剛性が低く、且つ内側遠位チューブ34よりも剛性が高いのであれば、任意である。
(1−1)内側近位チューブ32を、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアミドエラストマ、ポリイミド、ポリイミドエラストマ、シリコンゴムなどといった合成樹脂を用いて、上記実施の形態とは異なる組み合わせの多層構造として形成してもよい。また、多層構造とするのではなく、上記のように列挙した合成樹脂などを用いて単層構造としてもよい。この場合に、1種単独の合成樹脂により形成してもよく、2種類以上を混合させた材料により形成してもよい。
(1−2)内側中間チューブ33及び内側遠位チューブ34を、それぞれ独立に、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリイミドエラストマ、シリコンゴムなどといった合成樹脂を用いて形成してもよい。この場合、上記実施の形態と同様に単層構造としてもよく、さらに当該単層構造を1種単独の合成樹脂により形成してもよく、2種以上を混合させた材料により形成してもよい。また、上記のように列挙した合成樹脂などを用いて多層構造としてもよい。
当該多層構造としては、上記実施の形態における内側近位チューブ32と同様に、外層がポリアミドエラストマにより形成されており、中間層が低密度ポリエチレンにより形成されており、内層が高密度ポリエチレンにより形成されている構成としてもよい。当該構成を上記実施の形態に適用した場合、内側近位チューブ32、内側中間チューブ33及び内側遠位チューブ34は同一の多層構造をなすものの、外層を生じさせる合成樹脂(具体的にはポリアミドエラストマ)のショア硬度を、内側近位チューブ32>内側中間チューブ33>内側遠位チューブ34の関係とすることで、内側中間チューブ33の剛性を内側近位チューブ32よりも低く且つ内側遠位チューブ34よりも高い構成とすることが可能となる。
(2)第1接合箇所35は、内側近位チューブ32の遠位端部を拡径させてその拡径させた領域に内側中間チューブ33を挿入することに基づいて形成されている構成としてもよい。当該構成であっても造影環36を内側近位チューブ32に取り付ける構成としてもよく、これに代えて、内側中間チューブ33に取り付ける構成としてもよい。後者の場合には、第1接合箇所35に生じている近位側を向く面(内側近位チューブ32の遠位側の端面)に造影環36の近位側の端面を遠位側から当接させる構成としてもよい。また、第1接合箇所35を、上記第1の実施の形態などの第2接合箇所37と同様に、外周面が周辺に対して面一となるように形成してもよい。
(3)第2接合箇所37は、内側遠位チューブ34の近位端部を拡径させてその拡径させた領域に内側中間チューブ33を挿入することに基づき形成されている構成としてもよい。また、内側中間チューブ33の遠位端部を拡径させてその拡径させた領域に内側遠位チューブ34を挿入することに基づいて形成されている構成としてもよい。この場合、第2接合箇所37は、その周辺よりも外側に突出した形状となるが、バルーン13の遠位側レッグ領域13eにより覆うようにすることで、その形状を遠位側レッグ領域13eにて吸収することが可能となり、バルーンカテーテル10の遠位端側の外形を滑らかなものとすることが可能となる。
(4)内側チューブ16は、第1接合箇所35及び第2接合箇所37を含めて外径が一定となるように形成されていてもよい。また、内側チューブ16において先細りする領域が内側遠位チューブ34の軸線方向の途中位置から遠位端部に亘って存在している構成に加えて又は代えて、当該先細りする領域が内側近位チューブ32及び内側中間チューブ33の少なくとも一方に存在していてもよく、内側近位チューブ32から内側中間チューブ33又は内側遠位チューブ34に亘って存在していてもよく、内側中間チューブ33から内側遠位チューブ34に亘って存在していてもよい。
(5)内側中間チューブ33の遠位端部が遠位側コーン領域13dと遠位側レッグ領域13eとの境界に存在していてもよく、内側中間チューブ33の近位端部が直管領域13cと遠位側コーン領域13dとの境界に存在していてもよい。
(6)内側チューブ16は3個のチューブ32〜34により形成されている構成に限定されることはなく、4個のチューブ又は5個以上のチューブにより形成されていてもよい。例えば、上記各実施の形態における内側中間チューブ33と内側遠位チューブ34との間に、内側中間チューブ33と剛性が同一のチューブ、内側遠位チューブ34と剛性が同一のチューブ、又は内側中間チューブ33よりも剛性が低く且つ内側遠位チューブ34よりも剛性が高いチューブが介在している構成としてもよい。また、上記各実施の形態における内側近位チューブ32と内側中間チューブ33との間に、内側近位チューブ32と剛性が同一のチューブ、内側中間チューブ33と剛性が同一のチューブ、又は内側近位チューブ32よりも剛性が低く且つ内側中間チューブ33よりも剛性が高いチューブが存在している構成としてもよい。
(7)内側遠位チューブ34の遠位端開口部の強度を高めるために、内側遠位チューブ34の遠位端部を形成する材料を近位側にて連続する領域に比べて剛性が高い材料とする、又は内側遠位チューブ34の遠位端部に金属環といった補強部材を埋設させる構成としてもよい。
(8)第1接合箇所35に対して取り付けられる確認用手段は、造影環36に限定されることはなく、筒状をなす目視用の環であってもよい。
(9)内側チューブ16がワイヤ用ルーメンを形成している構成に限定されることはなく、内側チューブ16が流体用ルーメンを形成している構成としてもよい。この場合、内側チューブ16の遠位端部を閉塞させ、その代わりに、内側チューブ16においてバルーン13により被覆されている領域に内外に貫通する貫通孔を形成する。本構成であっても、内側チューブ16が、少なくとも内側近位チューブ32と内側中間チューブ33と内側遠位チューブ34とを有していることが好ましい。なお、当該構成においては、内側チューブ16とは別のチューブによりワイヤ用ルーメンを形成することが好ましく、さらにまた外側チューブ15を不具備として外側チューブ15の機能を内側チューブ16に持たせるようにしてもよい。
10…バルーンカテーテル、13…バルーン、15…外側チューブ、16…内側チューブ、32…内側近位チューブ、33…内側中間チューブ、34…内側遠位チューブ、35…第1接合箇所、36…造影環、37…第2接合箇所、40,50,60,70…バルーンカテーテル。

Claims (7)

  1. 流体を利用して膨張又は収縮されるバルーンが、チューブ体の遠位端側を覆うようにして設けられたバルーンカテーテルにおいて、
    前記バルーンは、
    前記チューブ体に対する遠位側の接合箇所を構成する遠位側接合領域と、
    前記バルーンの膨張時において最も外側に張り出す部分を構成する膨張用領域と、
    前記遠位側接合領域と前記膨張用領域との間に設けられた遷移領域と、
    を備え、
    前記チューブ体は、
    当該チューブ体の遠位側を構成する遠位側チューブと、
    当該遠位側チューブよりも近位側に設けられ、当該遠位側チューブよりも剛性が高くなるように形成された近位側チューブと、
    これら遠位側チューブ及び近位側チューブの間に設けられ、近位端部が前記近位側チューブに接合されているとともに、遠位端部が前記遠位側チューブに接合された中間チューブと、を備え、
    前記中間チューブは、前記近位側チューブよりも剛性が低く且つ前記遠位側チューブよりも剛性が高くなるように形成されており、その少なくとも一部が前記遷移領域により外側から覆われていることを特徴とするバルーンカテーテル。
  2. 前記中間チューブの遠位端部は、前記遷移領域と前記遠位側接合領域との境界又はそれよりも遠位側に存在していることを特徴とする請求項1に記載のバルーンカテーテル。
  3. 前記中間チューブと前記遠位側チューブとの接合箇所が、前記遠位側接合領域により外側から覆われていることを特徴とする請求項1又は2に記載のバルーンカテーテル。
  4. 前記中間チューブと前記遠位側チューブとの接合箇所は、前記遠位側チューブが前記チューブ体の外周面を生じさせるように、これら中間チューブ及び遠位側チューブをラジアル方向に積層させて形成されていることを特徴とする請求項3に記載のバルーンカテーテル。
  5. 前記中間チューブの近位端部は、前記膨張用領域と前記遷移領域との境界又はそれよりも近位側に存在していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載のバルーンカテーテル。
  6. 前記チューブ体には、前記バルーンの軸線方向の所定位置を確認容易とするために確認用手段が取り付けられており、
    前記中間チューブの近位端部は、前記確認用手段よりも遠位側に存在していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載のバルーンカテーテル。
  7. 前記中間チューブと前記近位側チューブとの接合箇所は、前記中間チューブが前記近位側チューブに対して外側となるように形成されていることにより、近位側に向けた段差面を有しており、
    前記確認用手段は、筒状をなしており且つ遠位側の端面が前記段差面に近位側から当接するようにして設けられていることを特徴とする請求項6に記載のバルーンカテーテル。
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