JP2013005702A - 固定子鉄心 - Google Patents

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Abstract

【課題】分割鉄心の接合部に対し周方向の荷重のみをかけて分割鉄心を接合することができ、内径側の真円度の精度が高い固定子鉄心を得ることを目的とする。
【解決手段】固定子鉄心1は、周方向に延在するヨーク部21と、ヨーク部21の中央部から中心方向に突出したティース部22とを備えた複数個の分割鉄心を、環状に配置して構成される。隣接する分割鉄心2は、各ヨーク部21に設けられ互いに接合されるくの字形状の接合面5と、各ヨーク部21の外周面に設けられる切り欠き25とを備えている。そして、2つの切り欠き25の互いに向かい合う2面は、隣接する分割鉄心2の各ティース部21の中心線がなす角度の2等分線に対し平行である。
【選択図】図1

Description

この発明は、ヨーク部とティース部とを備えた複数個の分割鉄心を環状に配置して形成される固定子鉄心に関するものである。
複数個の分割鉄心を環状に配置して形成される固定子鉄心において、真円度の精度向上を目的とし、分割鉄心の接合部の形状や接合方法に関する技術が提案されている。
従来の積層鉄心は、固定子鉄心を構成する分割ヨーク鉄心片が、極歯形成位置を中心としてヨーク円周部の両側をく字状に分割されている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来の鉄心装置は、相隣するコア片の少なくとも一対の縁部同士を連結する連結手段を設け、連結手段で各コア片を回動させることにより環状鉄心装置を形成している(例えば、特許文献2参照)。
また、従来の回転電機は、ユニットコア内の固定子片は固定子の外周部になる部分で薄肉連結部により連結して一体化して構成され、薄肉連結部を中心として折り曲げたユニットコアを組み合わせて円筒状にし、各鉄心の接合部を溶接、接着等により一体化することにより固定子を得る(例えば、特許文献3参照)。
特開平08−182231号公報 特開2000−201458号公報 特開平09−191588号公報
上記従来の積層鉄心では、隣り合う分割ヨーク鉄心片との接合時の位置合わせを容易とするため、分割ヨーク鉄心片の接合部の形状をく字状としているが、接合の際、分割ヨーク鉄心片の外周面に荷重をかけると、周方向の荷重だけでなく径方向の荷重が発生する。径方向の荷重を加えながら分割ヨーク鉄心片の接合を行うと、接合部が内側に入り込んだり、隣り合う分割ヨーク鉄心片間で径方向のずれが生じ、積層鉄心の内径側の真円度が悪化するという問題があった。
また、上記従来の鉄心装置では、回動可能な連結手段を設け、連結手段によりコア片を回動させて環状に配置しているが、連結手段で連結されたコア片の端部に配置されるコア片同士は当接結合されていた。このため、上記従来の積層鉄心の場合と同様、接合の際、コア片の外周面に荷重をかけると、周方向の荷重だけでなく径方向の荷重が発生し、接合部が内側に入り込んだり、隣り合うコア片で径方向のずれが生じ、鉄心装置の内径側の真円度が悪化するという問題があった。
また、上記従来の回転電機の固定子では、固定子片の薄肉連結部を折り曲げて円筒状に配置しているが、薄肉連結部で連結された固定子片の端部に配置される固定子片同士は溶接等により接合されていた。このため、上記従来の積層鉄心の場合と同様、接合の際、固定子片の外周面に荷重をかけると、周方向の荷重だけでなく径方向の荷重が発生し、接合部が内側に入り込んだり、隣り合う固定子片で径方向のずれが生じ、固定子の内径側の真円度が悪化するという問題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、径方向の荷重による悪影響を防止して分割鉄心を接合することができ、内径側の真円度の精度が高い固定子鉄心を得ることを目的とする。
この発明に係る固定子鉄心は、周方向に延在するヨーク部と、上記ヨーク部の中央部から中心方向に突出したティース部とを備えた複数個の分割鉄心を、環状に配置して構成される。上記複数個の分割鉄心のうち隣接する1組の分割鉄心は、各ヨーク部に設けられ互いに接合される接合面と、各ヨーク部の外周面に設けられる切り欠きとを備えている。そして、上記2つの切り欠きの互いに向かい合う2面は、上記1組の分割鉄心の各ティース部の中心線がなす角度の2等分線に対し平行である。
この発明の固定子鉄心によれば、隣接する1組の分割鉄心の各ヨーク部外周面にそれぞれ切り欠きを備え、2つの切り欠きの互いに向かい合う2面は、1組の分割鉄心の各ティース部の中心線がなす角度の2等分線に対し平行である。このため、2つの切り欠きの向かい合う2面の両側から接合面に対し周方向の荷重のみをかけて1組の分割鉄心を接合することができ、固定子鉄心の内径側の真円度の精度を向上させることができる。
この発明の実施の形態1における固定子鉄心の構成を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1における分割鉄心の構成を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1における鉄心片の構成を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1における分割鉄心の切り欠きの構成を説明するための平面図である。 この発明の実施の形態1における分割鉄心の接合方法を説明するための平面図である。 この発明の実施の形態1における比較例の分割鉄心の接合方法を説明するための平面図である。 この発明の実施の形態1における分割鉄心の接合面の形状の他の例を示す平面図である。 この発明の実施の形態2における固定子鉄心の構成を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2における別例の固定子鉄心の構成を示す斜視図である。 この発明の実施の形態3における固定子鉄心の構成を示す斜視図である。 この発明の実施の形態4における固定子鉄心の構成を示す斜視図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における固定子鉄心1の構成を示す斜視図、図2は固定子鉄心1を構成する分割鉄心2の構成を示す斜視図、図3は分割鉄心2を構成する鉄心片3の構成を示す斜視図である。
図に示すように、固定子鉄心1は9個の分割鉄心2を環状に配置して構成されている。各分割鉄心2は鉄心片3を複数枚積み重ねて形成されている。なお、本実施の形態1では固定子鉄心1を9個の分割鉄心2により構成したが、固定子鉄心1を構成する分割鉄心の数はこれに限られるものではない。
鉄心片3は、電磁鋼板等の磁性板材からなり、周方向に延在するヨーク部31と、ヨーク部31の中央部から中心方向に突出したティース部32とを備えている。鉄心片3のヨーク部31の周方向一方側の端面はくの字形状に突出する凸面33であり、他方側の端面はくの字形状の凸面33に係合する形状であるくの字形状の凹面34である。また、鉄心片3のヨーク部31の外周側の周方向中央部分に、略V字形状の切り欠き35が設けられている。
このような形状の鉄心片3が積層されることにより、周方向に延在するヨーク部21と、ヨーク部21の中央部から中心方向に突出したティース部22とを備えた分割鉄心2が形成される。そして、分割鉄心2のヨーク部21の周方向一方側の端面にはくの字形状の凸面23、他方側の端面にはくの字形状の凹面24が形成される。分割鉄心2のヨーク部21に設けられたくの字形状の凸面23と隣接する分割鉄心2のヨーク部21に設けられたくの字形状の凹面24は互いに接合される接合面5であり、各分割鉄心2間の接合面5を溶接や接着等により接合することで環状の固定子鉄心1が形成される。なお、本実施の形態1ではくの字の字形方向が変わる頂点4がヨーク部21の径方向中間に位置するようなくの字形状としている。
さらに、分割鉄心2のヨーク部21の外周面の周方向中央部には、軸方向に延びる断面略V字形状の切り欠き25が形成される。図4は分割鉄心2の切り欠き25の構成を説明するための平面図であり、以下図4により切り欠き25の構成について詳述する。
図4では、3つの分割鉄心2A〜2Cを各ヨーク部21を接合させて配置している。図中点線A、B、Cはそれぞれ分割鉄心2A、2B、2Cのティース部22の中心線であり、一点鎖線6Aは、中心線Aと中心線Bとのなす角度の2等分線、一点鎖線6Bは中心線Bと中心線Cとのなす角度の2等分線である。
まず、隣接する分割鉄心2Aと分割鉄心2Bとの組に着目すると、分割鉄心2Aの切り欠き25Aと分割鉄心2Bの切り欠き25Bは、それぞれ二つの平面26Aと27A、26Bと27Bで構成されている。切り欠き25Aと切り欠き25Bの互いに向かい合う2面27A、26Bは、中心線Aと中心線Bのなす角度の2等分線である一点鎖線6Aに対し平行である。
次に、隣接する分割鉄心2Bと分割鉄心2Cとの組に着目すると、分割鉄心2Bの切り欠き25Bと分割鉄心2Cの切り欠き25Cは、それぞれ二つの平面26Bと27B、26Cと27Cで構成されている。切り欠き25Bと切り欠き25Cの互いに向かい合う2面27B、26Cは、中心線Bと中心線Cのなす角度の2等分線である一点鎖線6Bに対し平行である。
分割鉄心2Bの切り欠き25Bに着目すると、切り欠き25Bを構成する一方の面26Bは中心線Aと中心線Bのなす角度の2等分線である一点鎖線6Aに平行であり、他方の面27Bは中心線Bと中心線Cのなす角度の2等分線である一点鎖線6Bに平行である。よって、平面26Bと平面27Bがなす角度θは、一点鎖線6Aと一点鎖線6Bのなす角度と等しくなり、本実施の形態1では固定子鉄心1を9個の分割鉄心2により構成しているため、角度θは40°となる。
次に、上記のように構成された分割鉄心2の接合方法について、ヨーク部に切り欠きを備えていない比較例の分割鉄心の場合と対比して説明する。図5は、本実施の形態1の分割鉄心2の接合方法を説明するための平面図であり、図4の分割鉄心2A、2Bを拡大したものである。図6は、比較例としての切り欠きを備えていない分割鉄心の接合方法を説明するための平面図である。
図5に示すように、本実施の形態1における隣接する分割鉄心2A、2Bはヨーク部21A、21Bのくの字形状の接合面5にて接合され、ヨーク部21A、21Bには切り欠き25A、25Bが設けられている。分割鉄心2Aの切り欠き25Aと分割鉄心2Bの切り欠き25Bの互いに向かい合う2面27A、26Bは、分割鉄心2Aのティース部22Aの中心線Aと分割鉄心2Bのティース部22Bの中心線Bとのなす角度の2等分線6Aに対し平行である。この2面27A、26Bに両側から垂直な荷重7をかけてくの字形状の接合面5を押圧すると、接合面5にかかる荷重は周方向の荷重7Aのみであり、径方向の荷重は0である。径方向の荷重が0であるため、接合面5が内径側に移動せず、固定子鉄心1の内径側の真円度の精度を向上させることができる。
また、くの字形状の接合面5に周方向の荷重7Aがかかると、接合面5を形成する分割鉄心2A側のくの字形状の凹面24と分割鉄心2Bのくの字形状の凸面23の各頂点4同士が一致するように各分割鉄心2A、2Bが動き、接合面5のずれが補正される。このため、固定子鉄心1の内径側の真円度の精度をより向上させることができる。
なお、切り欠き25A、25Bの互いに向かい合う2面27A、26Bにかける垂直な荷重7の作用線上から、くの字形状の接合面5の頂点4が外れると、各分割鉄心2A、2Bに頂点4を中心としたモーメントが発生する。このため、接合面5が径方向にずれ、固定子鉄心1の内径側の真円度の精度が低下する可能性がある。従って、図5に示すように接合面5の頂点4が荷重7の作用線上となるように、荷重7をかける位置を設定することが望ましい。そして、切り欠き25A、25Bの断面形状は、このような荷重7をかけることができるような形状とする必要がある。ここでは、切り欠き25A、25Bの形状は断面V字形状であるため、作用線上に頂点4が位置するような荷重7をかけることができるように切り欠き25A、25Bの切り欠き深さを設定している。
固定子鉄心1は、環状に分割鉄心2を各ヨーク部21の接合面5を互いに当接させて配置後、図5に示すような方法で、まず1組の隣接する分割鉄心2を切り欠き25の両側から治具により押圧して接合面5を接合し、環状に配置された分割鉄心2を回転させながら、順次隣接する分割鉄心2の接合面5を接合していくことにより形成される。
これに対し、図6に示すように、比較例における隣接する分割鉄心2X、2Yは、ヨーク部21X、21Yがくの字形状の接合面5Xにて接合されているが、本実施の形態1に示すような切り欠き25A、25Bをヨーク部21X、21Yに備えていない。このため、分割鉄心2X、2Yの接合面5Xに荷重をかけるためには、ヨーク部21X、21Yの外周側から荷重70をかける必要がある。このため、接合面5Xには、周方向の荷重70Xだけでなく、径方向の荷重70Yが必ず生じてしまう。径方向の荷重70Yが生じると、接合面5Xは径方向の荷重70Yにより内径側に移動し、その結果、固定子鉄心の内径側の真円度が悪化する。
以上のように、本実施の形態1の固定子鉄心1によれば、隣接する分割鉄心2の各ヨーク部21外周面にそれぞれ切り欠き25を備え、2つの切り欠き25の互いに向かい合う2面が、分割鉄心2の各ティース部22の中心線がなす角度の2等分線に対し平行であるため、2つの切り欠き25の向かい合う2面の両側から接合面5に対し周方向の荷重のみをかけて隣接する分割鉄心2を接合することができ、固定子鉄心1の内径側の真円度の精度を向上させることができる。
また、接合面5をくの字形状としたため、接合面5に周方向の荷重をかけると接合面5を形成する分割鉄心2の凹面24と凸面23の各頂点4が一致するよう各分割鉄心2が動いて接合面5のずれが補正され、固定子鉄心1の内径側の真円度の精度をより向上させることができる。
そして、固定子鉄心1の内径側の真円度の精度が向上することにより、固定子鉄心1の歩留まりを向上させることができる。
なお、本実施の形態1では、分割鉄心2のヨーク部21の外周面の周方向中央部に切り欠き25設け、分割鉄心2のヨーク部21の幅が切り欠き25の両側で略等しくなるようにして均一な磁束密度を得る構成としたが、切り欠き25の配置位置はこれに限られるものではない。ヨーク部21の外周面の周方向中央部から外れた位置に切り欠き25を配置した場合でも、隣接する分割鉄心2の各切り欠き25の互いに向かい合う2面が、分割鉄心2の各ティース部22の中心線がなす角度の2等分線に対し平行であれば、切り欠き25の向かい合う2面の両側から垂直な荷重をかけることができ、固定子鉄心1の内径側の真円度の精度を向上させることができる。
また、本実施の形態1では、接合面5の形状をくの字形状とし、接合面5のずれを補正する構成としたが、接合面5の形状は必ずしもこれに限られるものではない。例えば接合面5が図7に示すような単純な平面同士であってもよく、切り欠き25を設けたことにより接合面5に周方向の荷重のみをかけることができるため、接合面5が内径側に移動せず、固定子鉄心の内径側の真円度の精度を向上させることができる。
実施の形態2.
次に、本実施の形態2について説明する。
本実施の形態2では、上記実施の形態1の分割鉄心2のヨーク部21外周面に設けられた切り欠き25が、軸方向の一部にのみ設けられている。それ以外の構成については上記実施の形態1と同様であり説明を省略する。
図8は、本実施の形態2の固定子鉄心10の構成を示す斜視図である。図に示すように、固定子鉄心10の分割鉄心20はヨーク部210の軸方向中央部分の一部にのみ切り欠き250が設けられている。分割鉄心20は、2種類の鉄心片3、3Aを積層させることにより形成される。鉄心片3は図3に示すものと同じであり、ヨーク部31の外周側に切り欠き35を備えているが、鉄心片3Aは切り欠きを備えていない。鉄心片3Aは切り欠きを備えていないこと以外は鉄心片3と同じ形状である。本実施の形態1では切り欠きのない鉄心片3Aを7枚、続いて切り欠きのある鉄心片3を12枚、続いて切り欠きのない鉄心片3Aを7枚積層させることで、分割鉄心20の外周側の軸方向中央部分に一定の幅をもった切り欠き250を形成している。
このような切り欠き250を設けた分割鉄心20を環状に配置し、隣接する分割鉄心20の接合面5を接合する場合、接合面5に荷重をかけるために治具8を用いる。治具8は、2つの切り欠き250の両側から切り欠き250の互いに向かい合う面に対して垂直な荷重をかけることで接合面5を押しつけ、接合面5を接合する。治具8は切り欠き250の軸方向の長さに合わせた幅を持ち、先端部分は面取りされている。また、図中左右両側の治具8の高さが揃うように構成されている。このような構成の治具8を隣接する分割鉄心20の2つの切り欠き250の両側から図中矢印Aの方向に移動させると、仮に隣接する分割鉄心20の位置関係が軸方向にずれていた場合、治具8先端の面取り部分に沿って各分割鉄心20が軸方向に動き、隣接する分割鉄心20間の軸方向のずれが解消される。
以上のように、本実施の形態2の固定子鉄心10は、分割鉄心20の切り欠き250が軸方向の一部にのみ設けられているため、切り欠き250の軸方向の長さに合わせた幅を持ち、かつ両側の高さが揃うように構成された治具8を用いて、接合面5を接合することで、分割鉄心20の軸方向の位置合わせをすることができ、軸方向の位置精度を向上させることができる。そして、上記実施の形態1と同様、隣接する分割鉄心20の2つの切り欠き250の互いに向かい合う面は分割鉄心20の各ティース部の中心線がなす角度の2等分線に対し平行であるため、切り欠き250の向かい合う2面の両側から垂直な荷重をかけることができ、固定子鉄心10の内径側の真円度の精度を向上させることができる。
そして、分割鉄心20に切り欠き250を設けたことで、分割鉄心20の軸方向の位置合わせをしつつ、固定子鉄心10の内径側の真円度の精度を向上させながら、接合面5を接合することができるため、軸方向の位置合わせをするための他の機構(例えば、固定子鉄心の端面を押さえつける機構等)が不要となり、接合面5の接合が効率的に行える。
なお、本実施の形態2では、分割鉄心20はヨーク部210の軸方向中央部分に切り欠き250を設けたが、切り欠きの軸方向の長さ、設ける位置、設ける個数はこれに限られるものではなく、切り欠きは分割鉄心のヨーク部外周側の軸方向の一部に設けられていればよい。
図9は本実施の形態2の別例の固定子鉄心10Aの構成を示す斜視図である。図に示すように、固定子鉄心10Aの分割鉄心20Aはヨーク部210Aの軸方向両端部分の2箇所に切り欠き250Aが設けられている。本実施の形態2の別例では、分割鉄心20Aの切り欠き250Aは、切り欠きのある鉄心片3を7枚、続いて切り欠きのない鉄心片3Aを12枚、続いて切り欠きのある鉄心片3を7枚積層させることで形成されている。
治具8Aは、切り欠き250Aの位置に合わせて軸方向両端部分に押圧部分80が形成された凹形状の治具8Aであり、図中左右両側の治具8Aの押圧部分80の高さが揃うように構成されている。また押圧部分80の先端部分は面取りされている。
このような構成の治具8Aにより隣接する分割鉄心20Aの接合面5を接合することで、上記実施の形態2の場合と同様、分割鉄心20Aの軸方向の位置合わせをしつつ、固定子鉄心10Aの内径側の真円度の精度を向上させながら、接合面5を接合することができる。
実施の形態3.
図10は、本実施の形態3の固定子鉄心10Bの構成を示す斜視図である。本実施の形態3の固定子鉄心10Bは、隣接する分割鉄心20Bのヨーク部210B同士が回動可能な連結部9で線状に連結され、連結された分割鉄心20Bの両端部に配置される分割鉄心20B同士が各ヨーク部210Bの接合面5により接合される。これにより、連結部9により連結された分割鉄心20Bが環状に配置される。固定子鉄心10Bを構成する分割鉄心20Bの内、接合面5により接合される2つの分割鉄心20Bにのみ、上記実施の形態1と同様の切り欠き25が設けられている。上記実施の形態1と同様の部分については、同一符号を付して説明を省略する。
以上のように、本実施の形態3の固定子鉄心10Bによれば、接合面5により互いに接合される2つの分割鉄心20Bに、上記実施の形態1と同様の切り欠き25が設けられているため、接合面5において上記実施の形態1と同様の効果を得ることができ、固定子鉄心10Bの内径側の真円度の精度を向上させることができる。
なお、図10の例では固定子鉄心10Bを構成する9個全ての分割鉄心20Bを連結部9により連結しているが、これに限られるものではない。例えば、3個の分割鉄心20Bを連結して1組の連結分割鉄心を形成し、これを3組環状に配置して固定子鉄心10Bを構成してもよい。この場合、接合面5は3箇所となるため、各接合面5の両側に配置される分割鉄心20Bにそれぞれ切り欠き25を設ければよい。
実施の形態4.
図11は、本実施の形態4の固定子鉄心10Cの構成を示す斜視図である。本実施の形態4の固定子鉄心10Cは、隣接する分割鉄心20Cのヨーク部210C同士が薄肉部90により線状に連結されており、薄肉部90が屈曲されて、薄肉部90により連結された分割鉄心20Cの両端部に配置される分割鉄心20C同士が各ヨーク部210Cの接合面5により接合される。これにより、薄肉部90により連結された分割鉄心20Cが環状に配置される。固定子鉄心10Cを構成する分割鉄心20Cの内、接合面5により接合される2つの分割鉄心20Cにのみ、上記実施の形態1と同様の切り欠き25が設けられている。上記実施の形態1と同様の部分については、同一符号を付して説明を省略する。
以上のように、本実施の形態4の固定子鉄心10Cによれば、接合面5により互いに接合される2つの分割鉄心20Cに、上記実施の形態1と同様の切り欠き25が設けられているため、上記実施の形態1と同様の効果を得ることができ、固定子鉄心10Cの内径側の真円度の精度を向上させることができる。
なお、図11の例では固定子鉄心10Cを構成する9個全ての分割鉄心20Cを薄肉部90により連結しているが、これに限られるものではない。例えば、3個の分割鉄心20Cを連結して1組の連結分割鉄心を形成し、これを3組環状に配置して固定子鉄心10Cを構成してもよい。この場合、接合面5は3箇所となるため、各接合面5の両側に配置される分割鉄心20Cにそれぞれ切り欠き25を設ければよい。
1 固定子鉄心、2,2A〜2C 分割鉄心、3 鉄心片、5 接合面、9 連結部、
10,10A〜10C 固定子鉄心、20,20A〜20C 分割鉄心、
21,21A,21B ヨーク部、22,22A,22B ティース部、
25,25A〜25C 切り欠き、31 ヨーク部、32 ティース部、
35 切り欠き、90 薄肉部、210,210A〜210C ヨーク部、
250,250A 切り欠き、A,B,C ティース部の中心線。

Claims (6)

  1. 周方向に延在するヨーク部と、上記ヨーク部の中央部から中心方向に突出したティース部とを備えた複数個の分割鉄心を、環状に配置して構成される固定子鉄心において、
    上記複数個の分割鉄心のうち隣接する1組の分割鉄心は、各ヨーク部に設けられ互いに接合される接合面と、各ヨーク部の外周面に設けられる切り欠きとを備え、上記2つの切り欠きの互いに向かい合う2面は、上記1組の分割鉄心の各ティース部の中心線がなす角度の2等分線に対し平行であることを特徴とする固定子鉄心。
  2. 上記接合面は、くの字形状であることを特徴とする請求項1に記載の固定子鉄心。
  3. 上記固定子鉄心を構成する上記各分割鉄心は、ヨーク部とティース部とを有する複数枚の鉄心片を積層して形成され、上記1組の分割鉄心に設けられた上記切り欠きは、上記複数枚の鉄心片のうち一部の鉄心片のヨーク部にのみ切り欠きを設けることにより、軸方向の一部に設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載の固定子鉄心。
  4. 上記1組の分割鉄心は、上記固定子鉄心を構成する全ての隣接する分割鉄心であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の固定子鉄心。
  5. 上記固定子鉄心を構成する上記分割鉄心のヨーク部は、隣接する分割鉄心のヨーク部と回動可能に連結する連結部を有し、上記連結部により連結された複数の分割鉄心の端部に配置される分割鉄心同士が、各ヨーク部に設けられた接合面により互いに接合され、上記接合される2つの分割鉄心が上記1組の分割鉄心であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の固定子鉄心。
  6. 上記固定子鉄心を構成する上記分割鉄心のヨーク部は、隣接する分割鉄心のヨーク部と連結する薄肉部を有し、上記薄肉部により連結された複数の分割鉄心の端部に配置される分割鉄心同士が、各ヨーク部に設けられた接合面により互いに接合され、上記接合される2つの分割鉄心が上記1組の分割鉄心であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の固定子鉄心。
JP2011138061A 2011-06-22 2011-06-22 固定子鉄心 Active JP5717555B2 (ja)

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