JP2013003530A - 光学シート、この光学シートを備える表示装置用光学フィルタおよび表示装置、ならびにこの光学シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の一の態様によれば、基材シート3と、基材シート3の一方の面に形成された、電離放射線硬化型樹脂組成物を含む透明樹脂組層の硬化物である硬化透明樹脂層7と、前記硬化透明樹脂層7上に並列して形成された複数の光吸収部8と、光吸収部8間に形成された複数の光透過部10とを備えるコントラスト向上機能層11とを備え、光吸収部8が、硬化透明樹脂層7に固着した底部8aと底部8aより幅が狭い先端部8bとを有し、光吸収部8の高さが10μm以上50μm未満であり、光吸収部8aが実質的に離型剤を含んでおり、かつ硬化透明樹脂層7が実質的に離型剤を含んでいないことを特徴とする、光学シートが提供される。
【選択図】図3
Description
を具備することを特徴とする、光学シートの製造方法が提供される。
<光学シートの製造方法>
先ず、第1の実施の形態に係る光学シートの製造方法について、図面を参照しながら説明する。図1(a)〜図5(b)は、本実施の形態に係る光学シートの製造工程を示す模式図である。図6(a)および図6(b)は、本実施の形態に係る他の光学シートの製造工程を示す模式図であり、図7は本実施の形態に係る他の光学シートの作用効果を示す模式図であり、図8(a)および図8(b)は、本実施の形態に係る光学シートの他の製造工程を示す模式図である。
上記のようにして得られた光学シート13は、基材シート3と、基材シート3の一方の面に形成された硬化透明樹脂層7と、硬化透明樹脂層7上に並列して形成された複数の光吸収部8と、光吸収部8間に形成された複数の光透過部10とを備えるコントラスト向上機能層11とを備えている。なお、光学シート13は、粘着層4、剥離フィルム5、12を備えているが、粘着層4および剥離フィルム5、12は必ずしも備えられていなくともよい。
以下、本発明による光学シートを表示装置用光学フィルタとしてプラズマディスプレイに取り付けた例について説明する。図9は本実施の形態に係る光学シートを備えた表示装置の断面図であり、図10〜13は本実施の形態に係る光学シートを備えた他の表示装置の断面図である。
以下、第2の実施の形態に係る光学シートの製造方法について、図面を参照しながら説明する。図14(a)〜図15は、本実施の形態に係る光学シートの製造工程を示す模式図である。なお、以下、本実施の形態において、第1の実施の形態と同様の符号を用いた部材の構成および材料等は、第1の実施の形態で説明した部材の構成および材料等と同一であるので、説明を省略する。
まず、下記のような金型ロールおよび下記のように調整された粘着剤組成物、透明樹脂組成物、光吸収部形成用組成物を用意した。
金型ロールは円柱状のものである。金型ロールの表面部には銅めっき層が施されており、この銅めっき層をバイトにより切削することにより、光吸収部に対応する溝を形成した。バイトとしては、深さ45.7μmのときの幅が15.5μmとなるような略三角形状のダイヤモンドバイトを用いた。このようなダイヤモンドバイトを用いて、ロール軸方向の溝間のピッチを45μmとして金型ロールの銅めっき層の外周を切削して、深さ45.7μm、開口部幅15.5μm、底部幅6μmの略台形状の溝を形成した。なお、溝の底部の法線方向と溝の側面との成す角度は6°となっていた。そして、この切削した金型ロールにクロムめっきを施した。
まず、ブチルアクリレート80.0質量部、γ−メタクロキシプロピルトリメトキシシラン10.0質量部、アセトアセトキシエチルアクリレート10.0質量部、トリエチレングリコールジメルカプタン10.0質量部、アゾビスイソブチロニトリル0.3質量部およびトルエン100.0質量部を撹拌し、窒素ガス気流中において、80℃で8時間反応させた。得られた溶液を、トルエンで希釈して、固形分40%のシランカップリング剤溶液を得た。
まず、ビスフェノールA−エチレンオキシド2モル付加物41.0質量部、イソホロンジイソシアネート14.0質量部、ウレタン化触媒としてビスマストリ(2−エチルヘキサノエート)(2−エチルヘキサン酸50%溶液))0.02質量部を加え、80℃で5時間反応させた。その後、2−ヒドロキシエチルアクリレート5.0質量部を加え、80℃で5時間反応させて得られたウレタンアクリレート系オリゴマーを、光硬化型プレポリマーとして用いた。このウレタンアクリレート系オリゴマー32.0質量部と、光硬化性モノマーとして、フェノキシエチルアクリレート(分子量192)10.0質量部、およびビスフェノールAのエチレンオキサイド4モル付加物のジアクリレート(分子量512)30.0質量部と、光重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:イルガキュア184、チバ・スペシャリティケミカルズ株式会社製)3.0質量部と、を混合し、均一化して透明樹脂組成物を得た。なお、この透明樹脂組成物を厚さ100μmで塗工し、高圧水銀灯により800mJ/cm2の紫外線を照射して、透明樹脂組成物を硬化させ、多波長アッベ屈折計DR−M4(株式会社アタゴ製)を用いて589nmの屈折率を測定したところ、1.550であった。
まず、光硬化型プレポリマーとして、エチレンオキシド、2,2´−[(1−メチルエチリデン)ビス(4,1−フェニレンオキシメチレン)]ビス−、ホモポリマー、ジ−2−プロペノアート20.0質量部と、反応性希釈モノマーとして、2−フェノキシエチル=アクリラート20.0質量部、α−アクリロイル−ω−フェノキシポリ(オキシエチレン)20.0質量部、および2−{2−[2−(アクリロイルオキシ)(メチル)エトキシ](メチル)エトキシ}(メチル)エチル=アクリラート13.0質量部と、光吸収材として、平均粒径4.0μmのカーボンブラックを25%含有したアクリル架橋微粒子(ガンツ化成株式会社製)20.0質量部と、金型離型剤として、テトラデカノール−エチレンオキシド10モル付加物のリン酸エステル(モノエステル/ジエステル=モル比1/1)0.05質量部と、ステアリルアミンエチレンオキシド15モル付加物0.05質量部と、光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(商品名:イルガキュア819、チバ・スペシャリティケミカルズ株式会社製)7.0質量部と、を混合し、均一化して光吸収部形成用組成物を得た。なお、この光吸収部形成用組成物の光吸収材を除いた組成物を厚さ10μmで塗工し、高圧水銀灯により800mJ/cm2の紫外線を照射して硬化させ、多波長アッベ屈折計DR−M4(株式会社アタゴ製)を用いて589nmの屈折率を測定したところ、1.547であった。
実施例2においては、深さ21μm、開口部幅10.5μm、底部幅6μmの略台形状の溝が45μmピッチで複数形成された金型ロールを用いて、光吸収部を形成した以外は、実施例1と同一の材料、工程を用いて、硬化透明樹脂層、光吸収部、光透過部、剥離フィルムを形成し、光学シートを作製した。
実施例3においては、深さ10μm、開口部幅8.1μm、底部幅6μmの略台形状の溝が45μmピッチで複数形成された金型ロールを用いて、光吸収部を形成した以外は、実施例1と同一の材料、工程を用いて、硬化透明樹脂層、光吸収部、光透過部、剥離フィルムを形成し、光学シートを作製した。
比較例1においては、深さ60μm、開口部幅18.6μm、底部幅6μmの略台形状の溝が45μmピッチで複数形成された金型ロールを用いて、光吸収鵜部を形成した以外は、実施例1と同一の材料、工程を用いて、硬化透明樹脂層、光吸収部、光透過部、剥離フィルムを形成し、光学シートを作製した。
比較例2においては、深さ50μm、開口部幅16.5μm、底部幅6μmの略台形状の溝が45μmピッチで複数形成された金型ロールを用い、かつ光吸収部形成用組成物の光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:イルガキュア184、チバ・スペシャリティケミカルズ株式会社製)を用いて、光吸収部を形成した以外は、実施例1と同一の材料、工程を用いて、硬化透明樹脂層、光吸収部、光透過部、剥離フィルムを形成し、光学シートを作製した。
比較例3においては、深さ8μm、開口部幅7.7μm、底部幅6μmの略台形状の溝が45μmピッチで複数形成された金型ロールを用い、かつ光吸収部形成用組成物の光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:イルガキュア184、チバ・スペシャリティケミカルズ株式会社製)を用いて、光吸収部を形成した以外は、実施例1と同一の材料、工程を用いて、硬化透明樹脂層、光吸収部、光透過部、剥離フィルムを形成し、光学シートを作製した。
図16は実施例1に係る光吸収部の断面を撮影したレーザ顕微鏡写真であり、図17は実施例2に係る光吸収部の断面を撮影したレーザ顕微鏡写真である。図16および図17の写真から、実施例1および2においては、ほぼ設計通り、すなわち金型ロールの溝の形状通りの光吸収部が得られたことが確認された。
実施例1〜3および比較例1〜3の光学シートを用いて、基材シートに対する光吸収部の密着性について評価した。なお、基材シートとは、光吸収部に接触している基材シートを意味するものとする。この評価は、JIS K5600−5−6に基づいて行った。また、評価基準は以下の通りとした。
○:光吸収部が基材シートに対して、分類0から1であり、カットの縁に沿って、及び/又は交差点において剥がれがない、もしくは剥がれていても5%を上回ることはなかった。
△:光吸収部が基材シートに対して、分類2であり、カットの縁に沿って、及び/又は交差点において剥がれていて、5%を超えるが15%を上回ることはなかった。
×:光吸収部が基材シートに対して、分類3以上であり、カットの縁に沿って、及び/又は交差点において剥がれていて、15%を超えていた。
実施例1〜3および比較例1〜3の光学シートを作製する際に、金型からの光吸収部または光透過部の離型性について評価した。この金型離型性の評価基準は以下の通りとした。
◎:金型から極めて容易に離型できた。
○:金型から容易に離型できた。
×:金型から離型できなかった、または離型できたが離型した光吸収部または光透過部が破損していた。
実施例1〜3および比較例1〜3の光学シートを用いて、全光線透過率を評価した。この評価は、JIS7361−1に基づき、ヘイズメーター(HR−100:村上色彩研究所)を用いて行われた。また、この評価基準は以下の通りとした。
○:透過率が50%以上であった。
×:透過率が50%未満であった。
実施例1〜3および比較例1〜3の光学シートにおいて、光吸収部と光透過部との界面付近に気泡が存在するか否か目視にて評価した。また、この評価基準は以下の通りとした。
○:気泡が確認されなかった。
×:気泡が確認された。
(6)コントラスト評価
実施例1〜3および比較例1〜3の光学シートを用いて、下記のような評価方法により、コントラストを評価した。まず、光学シートをディスプレイに貼り付けていない状態での黒画面の輝度と、光学シートをディスプレイに貼り付けた状態での黒画面の輝度とを、目視し、光学シートをディスプレイに貼り付けたものと光学シートをディスプレイに貼り付けていないものとの黒さの程度を評価した。コントラストの評価基準は以下の通りとした。
◎:光学シートをディスプレイに貼り付けたものの方が、光学シートをディスプレイに貼り付けていないものと比べて、明らかに黒かった。
○:光学シートをディスプレイに貼り付けたものの方が、光学シートをディスプレイに貼り付けていないものと比べて、同等以上の黒さであった。
×:光学シートをディスプレイに貼り付けたものは、光学シートをディスプレイに貼り付けていないものと比べて、同等以下の黒さであった。
Claims (11)
- 基材シートと、
前記基材シートの一方の面に形成された、電離放射線硬化型樹脂組成物を含む透明樹脂組層の硬化物である硬化透明樹脂層と、
前記硬化透明樹脂層上に並列して形成された複数の光吸収部と、前記光吸収部間に形成された複数の光透過部とを備えるコントラスト向上機能層とを備え、
前記光吸収部が、前記硬化透明樹脂層に固着した底部と前記底部より幅が狭い先端部とを有し、前記光吸収部の高さが10μm以上50μm未満であり、前記光吸収部が実質的に離型剤を含んでおり、かつ前記硬化透明樹脂層が実質的に離型剤を含んでいないことを特徴とする、光学シート。 - 前記光吸収部の底部が凹んでおり、かつ前記硬化透明樹脂層の一部が前記光吸収部の底部の凹みに入り込んでいる、請求項1に記載の光学シート。
- 前記光透過部が粘着剤を含んでいる、請求項1または2に記載の光学シート。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光学シートを備えることを特徴とする、表示装置用光学フィルタ。
- 表示部と、
前記表示部よりも観察者側に配置された請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光学シートとを備え、
前記光吸収部の先端部が前記光吸収部の底部よりも観察者側に位置していることを特徴とする、表示装置。 - 並列して設けられ、開口部が底部より幅広であり、かつ深さが10μm以上50μm未満の複数の溝を有する型に、電離放射線硬化型樹脂組成物および光吸収材を含む光吸収部形成用組成物を供給して、前記溝に光吸収部形成用組成物を充填する工程と、
前記溝内の前記光吸収部形成用組成物と、基材シートの一方の面に形成された、電離放射線硬化型樹脂組成物を含む透明樹脂層とが接触するように、前記型に前記透明樹脂層を接触させる工程と、
前記基材シートを介して、前記光吸収部形成用組成物と前記透明樹脂層に電離放射線を照射し、前記透明樹脂層と前記光吸収部形成用組成物とを硬化させて、硬化透明樹脂層と前記硬化透明樹脂層上に底部が先端部よりも幅広でありかつ高さが10μm以上50μm未満の複数の光吸収部とを形成する工程と、
前記光吸収部を前記型から離型する工程と、
前記光吸収部間に光透過部を形成する工程と
を具備することを特徴とする、光学シートの製造方法。 - 並列して設けられ、開口部が底部より幅広であり、かつ深さが10μm以上50μm未満の複数の溝を有する型に、電離放射線硬化型樹脂組成物および光吸収材を含む光吸収部形成用組成物を供給して、前記溝に光吸収部形成用組成物を充填する工程と、
前記光吸収部形成用組成物に電離放射線を照射し、前記光吸収部形成用組成物を硬化させて、複数の光吸収部を形成する工程と、
前記溝内の前記光吸収部と、基材シートの一方の面に形成された、電離放射線硬化型樹脂組成物を含む透明樹脂層とが接触するように、前記型に前記透明樹脂層を接触させる工程と、
前記基材シートを介して、前記透明樹脂層に電離放射線を照射し、前記透明樹脂層を硬化させて、硬化透明樹脂層を形成するとともに、前記硬化透明樹脂層に底部が先端部よりも幅広でありかつ高さが10μm以上50μm未満の複数の光吸収部を固着させる工程と、
前記光吸収部を前記型から離型する工程と、
前記光吸収部間に光透過部を形成する工程と
を具備することを特徴とする、光学シートの製造方法。 - 前記型に前記透明樹脂層を接触させる前に、前記溝に充填された前記光吸収部形成用組成物と、前記透明樹脂層との少なくともいずれかを半硬化させる工程をさらに備える、請求項6に記載の光学シートの製造方法。
- 前記光吸収部形成用組成物の電離放射線硬化型樹脂が、可視光領域に吸収波長を有する光重合開始剤を含む、請求項6ないし8のいずれか1項に記載の光学シートの製造方法。
- 前記光透過部が粘着剤を含んでいる、請求項6ないし9のいずれか1項に記載の光学シートの製造方法。
- 前記光吸収部形成用組成物が実質的に離型剤を含んでおり、前記透明樹脂層が実質的に離型剤を含んでいない、請求項6ないし10のいずれか1項に記載の光学シートの製造方法。
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