JP2013003175A - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナーの製造方法 Download PDF

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Tomomi Oshiba
知美 大柴
Hitomi Shigetani
ひとみ 茂谷
Tomoko Mine
知子 峯
Saburo Hiraoka
三郎 平岡
Mikihiko Sukeno
幹彦 助野
Tatsuya Nagase
達也 長瀬
Takeshi Omura
大村  健
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Abstract

【課題】 凝集剤としてポリシリカ金属を用いた場合であって、高い彩度が得られる静電荷像現像用トナーの製造方法の提供。
【解決手段】 本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、結着樹脂を含有するトナー粒子からなる静電荷像現像用トナーを製造する方法であって、結着樹脂からなる結着樹脂微粒子が分散されてなる水系媒体中に、金属部分がCa、Mg、AlまたはZnであるポリシリカ金属を含む凝集剤を添加することにより当該結着樹脂微粒子を凝集させる工程を有することを特徴とする。本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法においては、前記トナー粒子が、カラー着色剤を含有するカラートナー粒子であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成に用いられる静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
ケミカル法による静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)の製造方法は、製造時の所要エネルギーが少ないこと、トナーの小粒径化が図れること、微粉成分の発生を抑えることができることなどの利点を有する。
中でも乳化凝集法は、乳化重合などによって製造された結着樹脂よりなる結着樹脂微粒子の分散液を、必要に応じて着色剤微粒子などの他のトナー粒子構成成分の分散液と混合し、凝集剤の添加によってこれらを凝集させ、必要に応じて凝集停止剤を添加して粒径制御を行い、さらに結着樹脂微粒子間の融着によって形状制御を行ない、トナー粒子を製造する方法である。
この乳化凝集法において、凝集剤として、無機高分子であるポリシリカ鉄を利用する方法が開示されている(特許文献1参照)。
凝集剤としてポリシリカ鉄を用いる場合、当該ポリシリカ鉄は鉄とシリカを主成分とする化合物であって鉄塩の電荷中和反応と重合ケイ酸による架橋作用を生じることから、少量で所望のトナー粒子を得ることができる。
特開2009−145885号公報
しかしながら、特許文献1に開示された方法においては、カラー着色剤を含有するカラートナーを製造した場合に、当該カラートナーが色が濁って高い彩度が得られないものになる、という問題が生じること、また、実質的に無色であるクリアトナーを製造する場合においては、当該クリアトナーが透明性の低下したものとなる、という問題が生じることが明らかになった。
本発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、凝集剤としてポリシリカ金属を用いた場合であって、高い彩度が得られる静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、ポリシリカ金属を含む凝集剤を使用する系において、得られるトナーの彩度について鋭意検討の結果、ポリシリカ金属における金属部分の種類が関係すること、そして、特定の凝集剤により上記の課題が解決できることを見出し、本願発明を完成したものである。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、結着樹脂を含有するトナー粒子からなる静電荷像現像用トナーを製造する方法であって、
結着樹脂からなる結着樹脂微粒子が分散されてなる水系媒体中に、金属部分がCa、Mg、AlまたはZnであるポリシリカ金属を含む凝集剤を添加することにより当該結着樹脂微粒子を凝集させる工程を有することを特徴とする。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法においては、前記工程において、凝集停止剤を添加して前記結着樹脂微粒子の凝集を停止させる工程を有し、
前記凝集停止剤が、前記ポリシリカ金属における金属部分よりも低い価数の陽イオンを生ずる水溶性塩からなることが好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法においては、前記工程において、凝集停止剤を添加して前記結着樹脂微粒子の凝集を停止させる工程を有し、
前記凝集停止剤が、多価有機酸またはその塩からなることが好ましい。
また、本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法においては、前記トナー粒子が、カラー着色剤を含有するカラートナー粒子、または、クリアトナー粒子であることが好ましい。
本発明のトナーの製造方法によれば、凝集剤としてポリシリカ金属を使用する場合において、金属部分がCa、Mg、AlまたはZnである特定のポリシリカ金属を用いることにより、高い彩度が得られるトナーの製造することができる。
これは、凝集剤は製造されるトナー中に残存するために、例えば凝集剤としてポリシリカ鉄を使用した場合には、鉄に由来の色の影響がトナーの彩度に現れるところ、特定のポリシリカ金属を用いる場合には、Ca、Mg、AlおよびZnは、その水酸化物が無色であるので、これらがトナー中に残存しても、トナーの彩度への影響が小さいからであると考えられる。
以下、本発明について具体的に説明する。
〔トナーの製造方法〕
本発明のトナーの製造方法は、少なくとも結着樹脂を含有し、必要に応じてカラー着色剤や離型剤、荷電制御剤などを含有するトナー粒子からなるトナーを製造する方法であって、結着樹脂からなる結着樹脂微粒子が分散されてなる水系媒体中に、特定のポリシリカ金属を含む凝集剤を添加することにより、当該結着樹脂微粒子を凝集させる凝集工程を有する方法である。
本発明のトナーの製造方法においては、凝集工程中において凝集停止剤を添加することにより結着樹脂微粒子の凝集を停止させる工程を有することが好ましい。
このような工程を有することによって、優れたトナー粒径制御性が得られると共にシャープな粒度分布のトナーを製造することができる。
ここで、「水系媒体」とは、水50〜100質量%と、水溶性の有機溶媒0〜50質量%とからなる媒体をいう。水溶性の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランを例示することができ、結着樹脂微粒子を溶解しない有機溶媒が好ましい。
本発明のトナーの製造方法の一例として、例えばカラー着色剤を含有するトナーの製造方法を以下に示す。
(1)水系媒体中にカラー着色剤による着色剤微粒子が分散されてなる分散液を調製する着色剤微粒子分散液調製工程、
(2)水系媒体中に、必要に応じて離型剤、荷電制御剤などの内添剤を含有した結着樹脂微粒子が分散されてなる分散液を調製する結着樹脂微粒子分散液調製工程、
(3)結着樹脂微粒子および着色剤微粒子、並びに必要に応じてその他のトナー構成成分の微粒子を、水系媒体中において、凝集させて凝集粒子を成長させ、凝集停止剤を添加して凝集を停止させて会合粒子を得る凝集工程、
(4)会合粒子を熱エネルギーにより熟成させて形状を制御し、トナー粒子を得る熟成工程、
(5)水系媒体からトナー粒子を濾別し、当該トナー粒子から凝集剤、凝集停止剤、界面活性剤などを除去する濾過、洗浄工程、
(6)洗浄処理されたトナー粒子を乾燥する乾燥工程
から構成され、必要に応じて、
(7)乾燥処理されたトナー粒子に外添剤を添加する外添剤添加工程
を加えることができる。
(1)着色剤微粒子分散液調製工程
着色剤微粒子の分散液は、水系媒体中にカラー着色剤を分散させることにより得られる。
分散の方法としては、分散機を用いるなど、公知の種々の方法を採用することができる。
着色剤微粒子の分散液における着色剤微粒子の平均粒径は、体積基準のメジアン径で例えば10〜300nmの範囲にあることが好ましい。なお、体積基準のメジアン径は、動的光散乱式粒度分析計「マイクロトラックUPA150」(日機装(株)製)を用いて測定されるものである。
〔カラー着色剤〕
本発明に係るトナーに含有されるカラー着色剤としては、カラーの染料、顔料などの公知の種々の着色剤を用いることができる。
染料としては、例えばC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95などが挙げられる。
顔料としては、例えばC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同48:3、同53:1、同57:1、同81:4、同122、同139、同144、同149、同150、同166、同177、同178、同222、同238、同269、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同156、同158、同180、同185、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15:3、同60などが挙げられる。
各色のトナーを得るためのカラー着色剤は、各色について、1種単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のトナーの製造方法による効果、すなわち製造されるトナーに高い彩度が得られる効果は、カラー着色剤を含有するトナーについて発揮され、特にイエロートナーについて顕著に発揮される。
また、本発明のトナー製造方法は、クリアトナーの透明性を向上させる効果も有する。
本発明において、クリアトナーとは、光吸収や光散乱の作用により色が認識されないトナーのことである。クリアトナーは実質的に無色透明であればよく、例えば、顔料、染料などの着色剤を含まないトナーや、顔料、染料などの着色剤を色認識できない程度に含むトナー、結着樹脂やワックス、外添剤の種類や添加量により透明度が若干低くなっているトナーなどが挙げられる。
カラー着色剤の含有割合は、トナー中に1〜10質量%とされることが好ましく、より好ましくは2〜8質量%である。カラー着色剤の含有量が過少である場合は、得られるトナーに所望の着色力が得られないおそれがあり、一方、カラー着色剤の含有量が過多である場合は、カラー着色剤の遊離やキャリアなどへの付着が発生し、帯電性に影響を与える場合がある。
カラー着色剤をトナー粒子中に導入する方法としては、この例のように結着樹脂微粒子とは別個にカラー着色剤のみよりなる着色剤微粒子を作製してこれらを凝集させる方法に限定されず、例えば、結着樹脂微粒子分散液調製工程においてカラー着色剤が結着樹脂に分散された微粒子の分散液を調製し、この微粒子を凝集させる方法を選択することもできる。
(2)結着樹脂微粒子分散液調製工程
結着樹脂微粒子は、トナーの技術分野において公知の製造方法、例えば、乳化重合法、転相乳化法、懸濁重合法、溶解懸濁法などにより製造することができる。中でも、乳化重合法による製造が好ましい。
乳化重合法においては、結着樹脂を形成するべき重合性単量体を水系媒体中に分散させて乳化粒子を形成した後、重合開始剤を投入して重合性単量体を重合させることにより、結着樹脂微粒子が形成される。
〔結着樹脂〕
トナー粒子を構成する結着樹脂としては、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂、オレフィン系樹脂などのビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスルフォン、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂などの公知の種々の樹脂を用いることができ、これらの中ではビニル系樹脂およびポリエステル系樹脂を用いることが好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
結着樹脂としてビニル系樹脂を用いる場合、結着樹脂を形成するべき重合性単量体としては、以下のものが挙げられる。
(1)スチレンあるいはスチレン誘導体
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンなど。
(2)メタクリル酸エステル誘導体
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなど。
(3)アクリル酸エステル誘導体
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニルなど。
(4)オレフィン類
エチレン、プロピレン、イソブチレンなど。
(5)ビニルエステル類
プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなど。
(6)ビニルエーテル類
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなど。
(7)ビニルケトン類
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなど。
(8)N−ビニル化合物類
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなど。
(9)その他
ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体など。
また、ビニル系樹脂を形成するべき重合性単量体としては、例えばカルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基などのイオン性解離基を単量体の側鎖に有するものを用いることができる。具体的には、以下のものがある。
カルボキシル基を有するものとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステルなどが挙げられる。また、スルフォン酸基を有するものとしては、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸などが挙げられる。さらに、リン酸基を有するものとしてはアシドホスホオキシエチルメタクリレートなどが挙げられる。
さらに、ビニル系樹脂を形成するべき重合性単量体として、多官能性ビニル類を使用して、ビニル系樹脂を架橋構造を有するものとすることもできる。多官能性ビニル類としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどが挙げられる。
また、結着樹脂としてポリエステル系樹脂を用いる場合、結着樹脂を形成するための重合性単量体としては多価カルボン酸および多価アルコールが用いられる。
多価カルボン酸としては、2価以上のカルボン酸、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸などのジカルボン酸類;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸類;トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの酸無水物、あるいは酸塩化物などの3価以上のカルボン酸類などを挙げることができる。これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、多価アルコールとしては、2価以上のアルコール、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブチレンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタングリコール、1,6−ヘキサングリコール、1,7−ヘプタングリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ピナコール、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールZ、水素添加ビスフェノールAなどのジオール類;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどの3価以上の多価脂肪族アルコール類;上記3価以上の多価脂肪族アルコール類のアルキレンオキサイド付加物などを挙げることができる。これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
結着樹脂としてポリエステル系樹脂を用いる場合は、その酸価が40mgKOH/g、水酸基価が60mgKOH/g以下であるものを用いることが好ましい。この酸価、水酸基価は定法により測定される値である。
〔重合開始剤〕
結着樹脂微粒子分散液調製工程において重合開始剤を使用する場合、従来公知の種々のものを用いることができる。重合開始剤の具体例としては、例えば過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなど)が好ましく用いられる。その他、アゾ系化合物(4,4’−アゾビス4−シアノ吉草酸およびその塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩など)、パーオキシド化合物、アゾビスイソブチロニトリルなどを用いてもよい。
〔界面活性剤〕
水系媒体には、界面活性剤が添加されていてもよく、界面活性剤としては、従来公知の種々のアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン界面活性剤などを用いることができる。
〔連鎖移動剤〕
結着樹脂微粒子分散液調製工程においては、結着樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては特に限定されるものではなく、例えば2−クロロエタノール、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタンおよびスチレンダイマーなどを挙げることができる。
結着樹脂微粒子は、組成の異なる樹脂よりなる2層以上の構成とすることもでき、この場合、常法に従った乳化重合処理(第1段重合)により調製した樹脂微粒子の分散液に、重合開始剤と重合性単量体とを添加し、この系を重合処理(第2段重合)する方法を採用することができる。
結着樹脂微粒子分散液調製工程において得られる結着樹脂微粒子の平均粒子径は、体積基準のメジアン径で20〜400nmの範囲にあることが好ましい。
結着樹脂微粒子の体積基準のメジアン径は、「マイクロトラックUPA−150」(日機装社製)を用いて測定されるものである。
本発明に係るトナー粒子中には、結着樹脂の他に、必要に応じて離型剤や荷電制御剤などの内添剤が含有されていてもよい。
〔離型剤〕
離型剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス、カルナウバワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャトロプシュワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、脂肪酸エステルなどを挙げることができる。
トナー粒子中における離型剤の含有割合としては、結着樹脂100質量部に対して通常0.5〜25質量部とされ、好ましくは3〜15質量部とされる。
〔荷電制御剤〕
荷電制御剤としては、摩擦帯電により正または負の帯電を与えることのできる物質であり、かつ無色のものであれば公知の種々の正帯電制御剤および負帯電制御剤を用いることができる。
荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して0.01〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量部であり、さらに好ましくは0.5〜5質量部である。
(3)凝集工程
凝集工程においては、結着樹脂微粒子および着色剤微粒子、並びに必要に応じてその他のトナー構成成分の微粒子が分散された水系媒体に、凝集剤を添加し、結着樹脂微粒子の凝集により凝集粒子を成長させ、凝集粒子が所望の粒子径になった時点で凝集停止剤を水系媒体に添加することにより、水系媒体における微粒子間の凝集力を低下させて粒径成長を停止させる。この凝集工程において、凝集粒子を成長させながら、または凝集粒子を所望の粒子径まで成長させ終えた後に、結着樹脂微粒子のガラス転移点以上で加熱して凝集粒子を融着させてもよい。
〔凝集剤〕
本発明においては、凝集剤として金属部分がCa、Mg、AlまたはZnである特定のポリシリカ金属が使用される。
特定のポリシリカ金属は、平均分子量が20万〜50万ダルトン程度の安定した重合ケイ酸にCa、Mg、AlまたはZnが導入された化合物であり、一般式[SiO2 n [Mx y ](MはCa、Mg、Al、Znから選ばれる金属、nおよびx、yは正の整数)で表される。特定のポリシリカ金属は、具体的には、重合ケイ酸溶液にこれら金属の塩を混合した状態で使用する。
このポリシリカ金属によれば、Ca、Mg、AlまたはZn由来の電荷中和作用と重合ケイ酸による架橋作用により、金属塩系凝集剤を単独で使用した場合よりも高い凝集力が発揮される。
ポリシリカ金属としては、シリカと金属部分(M)のモル比(Si/M)が任意のものを使用することができるが、凝集工程における凝集粒子の粒度分布の制御性の観点から0.5〜4.5の範囲のものを使用することが好ましい。
特定のポリシリカ金属は1種単独で、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
凝集剤としては、特定のポリシリカ金属と共に、それ以外のものを併用することもできる。
凝集剤の水系媒体に対する添加量は、水系媒体1Lに対して金属部分基準で1〜120mmolとされることが好ましく、2〜70mmolとされることがより好ましい。
凝集工程において、凝集剤を添加する温度は特に限定されないが、結着樹脂のガラス転移点以下であることが好ましい。
また、凝集工程における水系媒体のpHは7以下に調整されることが好ましい。反応系のpHが7より大きい場合は、凝集時の粗大粒子の発生を抑制することができず、得られるトナーが粒度分布の広いものになるおそれがある。
〔凝集停止剤〕
凝集停止剤としては、特定のポリシリカ金属における金属部分よりも低い価数の陽イオンを生ずる水溶性塩、あるいは、多価有機酸またはその塩を用いることが好ましい。
水溶性塩の具体例としては、例えば、陽イオンが1価の塩としては塩化リチウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウムなどが挙げられ、陽イオンが2価の塩としては塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガンなどが挙げられ、これらの中でも、塩化カリウム、塩化ナトリウムが好ましい。
このような、特定のポリシリカ金属における金属部分よりも低い価数の陽イオンを生ずる水溶性塩を水系媒体に添加することにより十分な凝集緩和効果が得られる理由は、明確ではないが、特定のポリシリカ金属よりの金属イオンと、これよりも価数の低い、水溶性塩から供される陽イオンとの間に生じる拮抗作用により、特定のポリシリカ金属よりの金属イオンに由来する凝集能力が低下することによって、ポリシリカ金属全体の凝集能力が大きく低下するためであると考えられる。
また、多価有機酸とは、1分子につきプロトンを2個以上供与できる化合物、または電離指数pKa値を2つ以上有する化合物であり、多価有機酸としては、例えば、1分子中にカルボキシル基を2つ以上有する化合物であるポリカルボン酸、1分子にカルボキシル基と水酸基を有する化合物であるオキソ酸、1分子中にホスホン酸基を2つ以上有する化合物であるポリホスホン酸、1分子中にカルボキシル基とアミノ基(イミノ基を含む)を有する化合物であるアミノ酸、スルホン酸化合物、アミノ酸化合物、リン酸化合物、硫酸化合物などが挙げられる。
このような多価有機酸またはその塩を水系媒体に添加することにより、多価有機酸がキレート剤として作用する、すなわち当該多価有機酸の酸基によって凝集剤を構成するポリシリカ金属からの金属イオンが捕捉され、凝集作用が効果的に緩和されると考えられる。
多価有機酸またはその塩の具体例としては、下記式(1−1)〜(11−21)で表される化合物またはその塩を挙げることができる。
Figure 2013003175
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凝集停止剤として多価有機酸またはその塩を用いる場合は、特に、上記式(8−1)〜(10−3)、(10−5)〜(10−8)で表されるような、アミノ酸およびその塩を用いることが好ましい。
これらの凝集停止剤は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
凝集停止剤の水系媒体に対する添加量は、その種類によっても異なるが、水溶性塩を用いる場合は水系媒体1Lに対して0.05〜5molとされることが好ましく、また、多価有機酸またはその塩を用いる場合は水系媒体1Lに対して1〜500mmolとされることが好ましく、10〜300mmolとされることがより好ましい。
(4)熟成工程
熟成工程は、必要に応じて行われるものであって、当該熟成工程においては、会合粒子を熱エネルギーにより所望の形状になるまで熟成させる熟成処理が行われる。
(5)濾過、洗浄工程
濾過、洗浄工程は、一般的に行われる公知のトナー粒子の製造方法における濾過、洗浄工程に従って行うことができる。
この濾過、洗浄工程において、具体的な濾過、洗浄を行う時点でのトナー粒子分散液のpHは、1.0〜5.0に調整されていることが好ましい。このようなpHに調整されていることによって、トナー粒子中に取り込まれなかった凝集剤、界面活性剤、カラー着色剤、凝集停止剤などを効果的に洗浄して除去することができる。
(6)乾燥工程
この乾燥工程は、一般的に行われる公知のトナー粒子の製造方法における乾燥工程に従って行うことができる。
(7)外添剤添加工程
上記のトナー粒子は、そのままトナーとして用いることができるが、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、当該トナー粒子に、いわゆる流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤を添加した状態で使用してもよい。
流動化剤としては、例えば、数平均1次粒子径が10〜1000nm程度の、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化銅、酸化鉛、酸化アンチモン、酸化イットリウム、酸化マグネシウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸亜鉛、フェライト、ベンガラ、フッ化マグネシウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、窒化ケイ素、窒化ジルコニウム、マグネタイト、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム微粒子、ステアリン酸亜鉛などよりなる無機微粒子などが挙げられる。
これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって、トナー粒子の表面への分散性向上、環境安定性向上のために、表面処理が行われていることが好ましい。
クリーニング助剤としては、例えば、数平均1次粒子径が10〜2000nm程度の、ポリスチレン微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒子、スチレン−メチルメタクリレート共重合体微粒子などの有機微粒子が挙げられる。
外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
これらの外添剤の添加量は、その合計の添加量がトナー粒子100質量部に対して好ましくは0.05〜5質量部、より好ましくは0.1〜3質量部とされる。
外添剤の混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミルなどの機械式の混合装置を使用することができる。
〔トナー粒子の粒径〕
本発明に係るトナーの平均粒径は、例えば体積基準のメジアン径で3〜8μmであることが好ましく、より好ましくは5〜8μmである。この平均粒径は、製造時において使用する凝集剤の添加量や有機溶媒の添加量、融着時間、結着樹脂の組成などによって制御することができる。
体積基準のメジアン径が上記の範囲にあることにより、1200dpiレベルの非常に微小なドット画像を忠実に再現することなどができる。
トナー粒子の体積基準のメジアン径は「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピューターシステムを接続した測定装置を用いて測定・算出されるものである。具体的には、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナー粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を調製し、このトナー分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャ径を100μmにし、測定範囲である2〜60μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒子径が体積基準のメジアン径とされる。
〔トナー粒子の粒度分布〕
本発明に係るトナーは、トナー粒子の体積基準の粒度分布における変動係数(Cv値)が2〜22%であること好ましく、より好ましくは5〜20%である。
体積基準の粒度分布における変動係数(Cv値)は、トナー粒子の粒度分布における分散度を体積基準で表したもので、下記式(Cv)によって定義されるものである。
式(Cv):Cv値(%)=(個数粒度分布における標準偏差)/(個数粒度分布におけるメジアン径)×100
このCv値の値が小さい程、粒度分布がシャープであることを示し、トナー粒子の大きさが揃っていることを意味する。すなわち、Cv値が上記範囲にあることにより、大きさの揃ったトナー粒子が得られることになるので、デジタル方式による画像形成で求められる微細なドット画像や細線をより高精度に再現することが可能である。また、写真画像を形成する場合において、大きさの揃った小径トナーを用いることにより、印刷インクで作製された画像レベルまたはそれ以上の高画質の写真画像を形成することができる。
以上のようなトナーの製造方法によれば、凝集剤としてポリシリカ金属を使用する場合において、金属部分がCa、Mg、AlまたはZnである特定のポリシリカ金属を用いることにより、高い彩度が得られるトナーの製造することができる。
これは、凝集剤は製造されるトナー中に残存するために、例えば凝集剤としてポリシリカ鉄を使用した場合には、鉄に由来の色の影響がトナーの彩度に現れるところ、Ca、Mg、AlおよびZnは、その水酸化物が無色であるので、これらがトナー中に残存しても、トナーの彩度への影響が小さいからであると考えられる。
〔現像剤〕
本発明に係るトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。本発明に係るトナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなる分散型キャリアなど用いてもよい。
キャリアの体積基準のメジアン径としては20〜100μmであることが好ましく、さらに好ましくは25〜80μmとされる。キャリアの体積基準のメジアン径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
好ましいキャリアとしては、磁性粒子の表面が樹脂により被覆されている樹脂被覆キャリア、樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアを挙げることができる。樹脂被覆キャリアを構成する樹脂としては、特に限定はないが、例えばオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂、フッ素含有重合体系樹脂などが挙げられる。また、樹脂分散型キャリアを構成する樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えばアクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
以上、本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明の実施の形態は上記の例に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、上記のトナーの製造方法の(3)凝集、融着工程において、凝集停止剤を添加する行程は必須ではなく、例えばpH調整を行うことなどによって凝集粒子の成長を停止させてもよい。
また例えば、本発明のトナーの製造方法は、結着樹脂が含有されたコア粒子とその外周面を被覆するシェル樹脂よりなるシェル層とよりなるコア−シェル構造のトナー粒子からなるトナーの製造に適用することもできる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。結着樹脂微粒子の体積基準のメジアン径、着色剤微粒子の体積基準のメジアン径、トナーの体積基準のメジアン径、Cv値の測定は、それぞれ上述の通りに行った。
〔結着樹脂微粒子分散液の調製例1〕
撹拌装置を取り付けたフラスコ内において、
スチレン 448質量部
n−ブチルアクリレート 165質量部
メタクリル酸 16質量部
n−オクチルメルカプタン 2質量部
パラフィンワックス「HNP−57」(日本精蝋社製) 80質量部
を90℃に加温して溶解させて単量体溶液を作製した。
一方、撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム8質量部をイオン交換水1780質量部に溶解させた界面活性剤溶液を入れ、98℃に加熟し、この界面活性剤溶液に、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック杜製)により、上記の単量体溶液を8時間混合分散させて、分散粒子径330nmの乳化粒子を有する分散液を調製した。
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を80℃で12時間にわたって加熱撹拌して重合を行うことにより、結着樹脂微粒子の分散液〔1〕を得た。
この分散液〔1〕について、結着樹脂微粒子の体積基準のメジアン径を測定したところ、132nmであった。
〔着色剤微粒子の分散液の調製例Y1〕
ドデシル硫酸ナトリウム10質量%の水溶液900質量部を撹拌しながら、カラー着色剤「C.I.Pigment yellow 74」100質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤微粒子の分散液〔Y1〕を調製した。
この分散液〔Y1〕中の着色剤微粒子の体積基準のメジアン径を測定したところ、175nmであった。
〔ポリシリカ金属の作製例1〕
市販の水ガラス4号品を水で希釈してSi濃度を3%(SiO2 濃度6.4%)に調整した水ガラス水溶液1kgを、2.3%希硫酸1kg中に撹拌しながら混入し、pH4、Si濃度1.5%の酸性ケイ酸溶液2kgを得た。この酸性ケイ酸溶液を27℃で4時間撹拌しながら重合させて重合ケイ酸溶液を得た。この重合ケイ酸溶液にSiとAlのモル比Si/Alが1となるよう金属塩:硫酸アルミニウムAl2 (SO4 3 ・16H2 Oを加えることにより、ポリシリカ金属〔1〕を得た。
〔ポリシリカ金属の作製例2〜7〕
ポリシリカ金属の作製例1において、使用する金属塩の種類、および、Si部分と金属部分のモル比Si/Mを表1に従って変更したことの他は同様にして、ポリシリカ金属〔2〕〜〔7〕を作製した。
Figure 2013003175
〔トナーの製造例1:実施例1〕
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた反応容器に、
結着樹脂微粒子の分散液〔1〕 2105質量部
着色剤微粒子の分散液〔Y1〕 200質量部
イオン交換水 900質量部
を入れて撹拌し、容器内の温度を30℃に調整した後、硝酸50質量部(0.3mol)を添加し十分に混合した。次いで、ポリシリカ金属〔1〕110質量部(水系媒体1Lに対して金属部分基準で20mmol)をイオン交換水100質量部に溶解させた凝集剤水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて85℃まで昇温した。
その状態で、「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)によって凝集粒子の粒径を測定し、体積基準のメジアン径(D50)が6.5μmになった時点で、凝集停止剤:塩化ナトリウム150質量部(水系媒体1Lに対して152mmol)をイオン交換水600質量部に溶解させた凝集停止剤水溶液を添加して粒径成長を停止させ、さらに、熟成処理として液温度85℃で3時間にわたって加熱撹拌することにより融着を進行させた。
その後、6℃/min の条件で30℃まで冷却し、撹拌を停止した。
生成したトナー粒子を固液分離し、15Lのイオン交換水による洗浄を4回繰り返し、その後、40℃の温風で乾燥し、トナー粒子〔1X〕よりなるトナー〔1X〕を得た。
得られたトナー粒子〔1X〕に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)を1質量%および疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)を1質量%添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工機社製)により混合した。その後、45μmの目開きのフルイを用いて粗大粒子を除去することにより、トナー〔1〕を製造した。
このトナー〔1〕の体積基準のメジアン径およびCv値を測定した。結果を表2に示す。
〔トナーの製造例2〜6:実施例2〜6〕
トナーの製造例1において、ポリシリカ金属〔1〕の代わりに、それぞれ、ポリシリカ金属〔2〕〜〔6〕を用いたことの他は同様にして、トナー〔2〕〜〔6〕を得た。
このトナー〔2〕〜〔6〕の体積基準のメジアン径およびCv値を測定した。結果を表2に示す。
〔トナーの製造例7:実施例7〕
トナーの製造例1において、塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解させた凝集停止剤水溶液の代わりに、N−2−ヒドロキシエチルイミノ2酢酸2ナトリウム塩「クレワット Bi−HDS」(ナガセケムテックス社製)100質量部を添加したことの他は同様にして、トナー〔7〕を得た。
このトナー〔7〕の体積基準のメジアン径およびCv値を測定した。結果を表2に示す。
〔トナーの製造例8:実施例8〕
トナーの製造例1において、塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解させた凝集停止剤水溶液を添加する代わりに、1Nの水酸化ナトリウムを添加してpHを7に調整したことの他は同様にして、トナー〔8〕を得た。
このトナー〔8〕の体積基準のメジアン径、およびCv値を測定した。結果を表2に示す。
〔トナーの製造例9:比較例1〕
トナーの製造例1において、ポリシリカ金属〔1〕の代わりに、ポリシリカ金属〔8〕を用いたことの他は同様にして、比較用のトナー〔9〕を得た。
このトナー〔9〕の体積基準のメジアン径、およびCv値を測定した。結果を表2に示す。
〔現像剤の製造例1〜9〕
(1)キャリアの作製
フェライトコア粒子100質量部とシクロヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート(共重合比5/5)の共重合体樹脂粒子5質量部とを、撹拌羽根付き高速混合機に投入し、120℃で30分間撹拌混合して機械的衝撃力の作用でフェライトコア粒子の表面に樹脂コート層を形成させることにより、体積基準のメジアン径が35μmであるフェライトキャリアを得た。
キャリアの体積基準のメジアン径は、湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック社製)により測定した。
(2)トナーとキャリアの混合
トナー〔1〕〜〔9〕の各々に対して、上記のキャリアをトナー濃度が6%となるように添加し、V型混合機によって混合することにより、本発明に係る現像剤〔1〕〜〔8〕および比較用の現像剤〔9〕を製造した。
これらの現像剤〔1〕〜〔9〕をそれぞれ用いて、市販の画像形成装置「bizhub PRO C6500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)によって、デフォルトモードで、サイズが2cm×2cm、トナー付着量が4.0g/m2 であるイエロー単色(Y)のベタ画像(色域測定用のテストチャート)を作製した。
そして、この色域測定用のテストチャートを、「Spectrolina/Scan Bundle」(Gretag Macbeth社製)を用いてYの色度を以下の測定条件で測定し、測定されたYの色度をa* −b* 座標に表し、下記式(1)に従って算出した彩度C* によって評価した。結果を表2に示す。なお、彩度C* が85以上であると、実用上問題がなく合格レベルと判断される。
式(1):彩度C* =〔(a* 2 +(b* 2 1/2
−測定条件−
・光源:D50光源
・観測視野:2°
・濃度:ANSI T
・白色基準:Abs
・フィルタ:UV Cut
・測定モード:リフレクタンス
・言語:Japanese
Figure 2013003175


Claims (4)

  1. 結着樹脂を含有するトナー粒子からなる静電荷像現像用トナーを製造する方法であって、
    結着樹脂からなる結着樹脂微粒子が分散されてなる水系媒体中に、金属部分がCa、Mg、AlまたはZnであるポリシリカ金属を含む凝集剤を添加することにより当該結着樹脂微粒子を凝集させる工程を有することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  2. 前記工程において、凝集停止剤を添加して前記結着樹脂微粒子の凝集を停止させる工程を有し、
    前記凝集停止剤が、前記ポリシリカ金属における金属部分よりも低い価数の陽イオンを生ずる水溶性塩からなることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  3. 前記工程において、凝集停止剤を添加して前記結着樹脂微粒子の凝集を停止させる工程を有し、
    前記凝集停止剤が、多価有機酸またはその塩からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  4. 前記トナー粒子が、カラー着色剤を含有するカラートナー粒子、または、クリアトナー粒子であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。



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