JP2013001215A - 車両のフード構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】フードの剛性および強度の低下を抑えて衝突時にフードに折れ変形を生じさせる変形促進機能を持たせ、しかも前突と斜突との両折れ変形の起点としての機能を発揮できる車両のフード構造を提供する。
【解決手段】上向き開口301の後周縁部mrに枢支され前端n1が上向き開口の前周縁部mfにロックされるフード4を備え、フードがアウタパネル5とその周縁部に重なる前後及び左右側の骨格部6〜9を有したインナパネル補強板とで形成され、前方骨格部6と前周縁部mfとがロック手段21、22によりロックされ、側方骨格部8、9が下方に膨出する断面形状に形成され、両側方骨格部の中間部に車幅方向内側の側縁部から車幅方向外側へ向って膨出量を部分的に減少させた退却平面部26を形成し、前突時には左右の退却平面部を結ぶ直線Lfの位置で変形を開始し、斜突時にはロック手段と退却平面部とが重なる直線Lsの位置でフードが変形を開始する。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両の前突や斜突の際にフードを所定位置で屈曲させることでフードの後退を抑制するようにした車両のフード構造に関する。
車体前部に形成されたエンジンルームを開閉可能に覆うフードはその左右後端が、エンジンルームの上向き開口の後周縁部近傍にヒンジ結合され、フードの前端側がロック部材により上向き開口の前側周縁部に開放可能にロックされている。
このようなフードはアウタパネルとインナパネルとを上下に重ねて一体結合され、所定の剛性を保持する。特に、フード外周縁はアウタパネルとインナパネルとで閉断面を成すように形成され、その前後左右の骨格部によりフード外周縁の形状剛性を保持する。更に、インナパネル側の断面下向き膨出状の中間梁部が外周縁部を除く中央領域に配設され、その両側端が前後左右の骨格部に連続形成されることでフード中央の形状剛性を保持している。
このような車両が前突した場合、フードはその衝撃の程度によってはそのまま後退して、フードの後端部がウインドシールドに侵入してしまう場合がある。このような事態を避けるために、従来は、フードのインナパネルには、車両前後方向略中間位置に車幅方向に延びるビードが形成されている。具体的には、フードのインナパネルの左右側方の骨格部や中央部の梁部材などにビードが形成され、これら複数のビードがフードの車両前後方向中間位置で車幅方向に並ぶように設けられている。このビード部分が前突時の過荷重を受けた場合にここを起点としてフードに折れ変形を生じさせるので、フードの折れ変形により衝突荷重が吸収されるとともにフードの後退が抑えられて、フード後端部のウインドシールドへの侵入が防止される。
なお、フードのインナパネルに車幅方向に延びるビードを形成し、ビードを起点としてフードに折れ変形を生じさせる変形促進機能を持たせた従来構造の一例が特許文献1、特許文献2にそれぞれ記載されている。
実開平03−026678号公報 特開2006−224876号公報
このように、フードのインナパネルに車幅方向に延びるビードを形成した場合、即ち、ビードを形成した該当部であるフード外周縁の左右側方の骨格部やフードの中央部分に設けられる梁部材にビードを形成した場合、これらがフード全体の剛性や強度を低下させる原因を成してしまっていた。そこで、ビードの深さ、形状は過度にフードの剛性や強度が低下しないように的確な設定をする必要があった。即ち、フード剛性を保持する機能とフードに折れ変形を生じさせる変形促進機能との相反する特性を両立させる必要があり、そのバランスの設定が難しかった。 更に、フードのインナパネル側に車幅方向に延びるビードを形成した場合、前突に対しては適正にビード部分で折れ変形して衝撃吸収性能を発揮するが、斜突の場合、車幅方向に延びるビードでは的確に折れ変形することができず、十分な衝撃吸収性能を発揮できるものではなかった。
このように、従来の車両のフード構造には、改善の余地があった。
本発明は以上のような課題に基づきなされたもので、目的とするところは、フード全体の剛性および強度の低下を抑えて衝突時に確実にフードに折れ変形を生じさせる変形促進機能を持たせ、しかも前突だけでなく、斜突においてもフードの変形を促進して衝撃吸収効果を十分に発揮することができる車両のフード構造を提供することにある。
本願請求項1の発明は、車体前部に形成された上向き開口の後縁部近傍に左右後端が枢支され、前端側が前記上向き開口の前周縁部に上下に開放可能にロックされて、前記上向き開口を覆うフードを備えた車両のフード構造において、前記フードが、前記上向き開口を覆うフード主板と、該フード主板の下面に重なり一体結合される補強板とで形成され、前記補強板は、前記フード主板の前後左右の外周縁部に沿って延設されて下方に膨出する断面形状に形成された前後及び左右側の骨格部を有しており、前記前方の骨格部の車幅方向中央部には、前記上向き開口の前縁部に開放可能にロックされるロック手段が設けられ、該左右側方の骨格部の前後方向での中間部には、それぞれ当該左右側方の骨格部の車幅方向内側の側縁部から車幅方向外側へ向かって膨出量を部分的に減少させた退却平面部が形成され、前記フードに車両の前突による過荷重を受けた際には、左右両側方の前記退却平面部が前記フードの屈曲変形の起点となり、前記フードに車両の斜突による過荷重を受けた際には、左右いずれかの前記退却平面部と前記ロック手段とが前記フードの屈曲変形の起点となるよう構成したことを特徴とする。
本願請求項2の発明は、請求項1記載の車両のフード構造において、前記退却平面部は、前記側方の骨格部の車幅方向内側の側縁部に沿った部位を底辺とした三角形状に形成され、当該退却平面部の三角形状の前側および後側の斜片を成す部位が縦壁状の段状部で形成され、前記前側の斜辺を成す段状部が、前記ロック手段に向かって車幅方向内側斜め前方に傾斜されていることを特徴とする。
本願請求項3の発明は、請求項1又は2記載の車両のフード構造において、前記補強板には、車両前後方向中間部において車幅方向に延設されて、左右の前記退却平面部間を連結する補助横梁が形成されていることを特徴とする。
本願請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の車両のフード構造において、前記上向き開口はエンジンルームの上向き開口であり、前記退却平面部には前記エンジンルームの上向き開口を開閉するフードを開放位置に保持するサポートロッドの係止穴が形成されたことを特徴とする。
請求項1の発明は、フード主板とその前後左右の周縁部の下面に重なり一体結合される前後及び左右側の骨格部とによりフード剛性を損なわないようにでき、車両の前突による過荷重の入力を受けると左右の退却平面部を結ぶ直線の位置を起点としてフードが前後に屈曲変形を開始し、車両の左右いずれかの方向からの斜突による過荷重の入力を受けるとロック手段より退却平面部に傾斜して延びる直線の位置を起点としてフードが前斜側部の屈曲変形を開始するよう形成したので、確実に当該直線位置で屈曲変形を開始するので、変形開始以後所定の変形モードに沿って変形が行なわれるようになり、特に、フードの左右の側骨部がウインドシールドへ進入するような変形を防止でき、乗員の安全性を確保できる。
請求項2の発明は、退却平面部とその前端側より屈曲して延びる段状部とが応力集中部を形成でき、しかもその段状部がロック手段より延びる直線に沿うようにして重なるので、車両の斜突による過荷重を受けると該応力集中部でフードがより容易に変形を開始でき、より確実にフードを屈曲変形させることができる。
請求項3の発明は、車両前後方向中間部において車幅方向に補助横梁が延設されるので、この補助横梁によりフードの中央部における車幅方向での剛性を保持でき、しかも左右の退却平面部とその間の補助横梁の変形促進機能により、前突時にはこの部位が起点となってフード全体が補助横梁に沿って屈曲変形するようにできる。したがって、フード全体の剛性を落とすことなく、確実に屈曲変形させることができる。
請求項4の発明は、エンジンルームのフードに設けられた退却平面部を過荷重を受けた際の変形開始位置を規制する部位としても、フードを開放保持するためのサポートロッドが係止される係止穴を形成する係止平面部としても共用でき、構成の簡素化を図れる。
本発明の一実施形態としての車両のフード構造が適用されたフードを有する車両の概略前部斜視図である。 図1の車両の概略前部平面図である。 図1のフード構造が適用されたフードの裏面拡大図である。 図3のフードのA−A線概略断面図である。 図3のフードのB−B線概略断面図及び開放時の形態を2点鎖線で示す図である。 図3のフードのC−C線概略断面図である。 図3のフードの左右の側骨部に設けた退却平面部の拡大図を示す。 図7の退却平面部の側断面図を示す。 図2のフードのヒンジ部の要部拡大側面図である。 図2のフードのロック部の要部拡大側断面図である。 図2のフードの前突時に屈曲した状態を示す概略図である。 図2のフードが斜突時に屈曲した状態を示す概略図である。
以下、本発明の第1の実施形態である車両のフード構造について説明する。なお、図面中の矢印Xは、車両前後方向を示し、矢印Yは、車幅方向を示す。
図1は、本発明の車両のフード構造を備えた車両1の前部を示す。
車両はその前部1の両側部に、前部1の左右側面を成すフロントフェンダパネル2がそれぞれ配設される。左右一対のフロントフェンダパネル2の間にはエンジンルーム3が配設され、エンジンルーム3の上向き開口301がフード(エンジンフード)4によって覆われている。
図2に示すように、フード4は上向き開口301を覆うフード主板であるアウタパネル5とアウタパネル5の下面に重なり一体結合される補強板であるインナパネル11(図3参照)とで主要部が形成される。インナパネル11は、アウタパル5の前後左右の外周縁部に沿って延設され、下方に膨出する断面形状に形成された前後及び左右側の骨格部6,7,8,9(図2に実線で示した)を有している。
更に、図2、図9に示すように、フード4の左右後端部は、それぞれフードヒンジ12を介してエンジンルーム3の上向き開口301の後周縁部mrである左右のエプロンアッパメンバ(車両骨格部材)13に枢支される。フード4の前方骨格部6の車幅方向中央は、上向き開口301の前周縁部mfを成すフロントバルクヘッド14(図10参照)の車幅方向中央にロック手段であるラッチ22及びストライカ21を介して上下に開放可能にロックされる。
図9に示すように、フードヒンジ12は車体側であるエプロンアッパメンバ13に取り付けられたベースプレート15(ヒンジベース)と、一端部がフードのインナパネル11に取り付けられたヒンジアーム16とを有し、両者は車幅方向に延びる回転中心線L1(図2参照)を回転中心として枢着される。
ここで、ベースプレート15は、車両正面視で略L字形状を成しており、図9に示すように、エプロンアッパメンバ13の頂壁部131にボルト締結により固定される取付座151と、この取付座151の車幅方向内側の側縁から立ち上げられた縦壁部152とによって形成される。縦壁部152の上部には、ヒンジアーム16の取付用として、ヒンジピン17が取り付けられている。
ベースプレート15の車幅方向内側に配設されるヒンジアーム16の基端部とベースプレート15とは、ヒンジピン17によって車幅方向中心線L1の回りに相対回転可能に連結される。
ヒンジアーム16の上縁側は、車幅方向内側へ折り曲げられてフランジ部161が形成されている。フランジ部161は、フードインナパネル11のフード取付座部18と重ねられ、フード取付座部18に設けられた前後一対のボルト穴を有するナット19、19に締結ボルト20がねじ込まれることで、フード取付座部18にフランジ部161が締結される。これにより、フード4の左右後端部がフードヒンジ12を介して左右のエプロンアッパメンバ13に枢支される。なお、左右のフードヒンジ12は左右対称に形成される。
図10に示すように、フード4の前方骨格部6は、インナパネル11が下方に膨出形成された断面形状でアウタパネル5の前縁部に沿って左右に延在するよう形成されている。そして前方骨格部6の車幅方向中央には、平坦なロック基部601が形成され、そこにU字状のストライカ21が下向きに突設されている。
インナパネル11の前方骨格部6の車幅方向中央のストライカ21(図2に破線で示す)と、上向き開口301の前周縁部mfを成すフロントバルクヘッド14の車幅方向中央のラッチ22とはロック手段を成し、フード4を上下に開放可能にロックする。
図10に示すように、ストライカ21は前後の脚部s1、s2と、両脚部の突端を繋ぐピン部s3とがU字状に一体成形された部品であり、前後の脚部の基端s4がロック基部601に溶着されている。
ラッチ22は、フロントバルクヘッド14に取付けられたハウジング221と、先端がストライカ21に係合するように鉤状に形成されてハウジング221にスイング自在に取付けられたフック部222とを備え、フック部222がストライカ21に係合・離脱可能に形成される。なお、フック部222は不図示の開閉リンク機構を介して常閉状態より開放位置に切換え可能に形成される。
図2に示すように、フード4のアウタパネル5は前方に凸状を成して湾曲する前端縁n1と、前方に凹状を成して湾曲する後端縁n2と、左右の直状側縁n3,n4とを有した略矩形板状に形成される。
図3に示すように、アウタパネル5に下方より重なり一体的に結合されるインナパネル11は、アウタパネル5の前後左右の外周縁部n1〜n4(図2参照)に沿ってアウタパネル5の下面に重なり一体結合される。このインナパネル11は、アウタパネル5の外周縁部n1〜n4に沿って延設されフード外周縁の形状剛性を保持する前後及び左右側の骨格部6、7、8、9と、外周縁部を除く中央領域において車両前後方向に延び、その両側端を前後の骨格部6,7に連続形成されることでフード中央の形状剛性を保持する複数の中間梁部24(図4参照)とで形成される。
ここで、前後及び左右側の骨格部6、7、8、9や、複数の中間梁部24はそれぞれが下向き膨出状の横断面形状を成しており、アウタパネル5に結合された状態で閉断面を形成するよう構成されている。そして、前後及び左右側の骨格部6、7、8、9は、それぞれフード4の前後縁部および左右側縁部に沿って連続的に形成されており、複数の中間梁部24は、前後の骨格部6.7の間を繋ぐように車両前後方向に延在されている。そして、これら骨格部6,7,8,9と中間梁部24とが一体的にプレス成形により形成される。
前方骨格部6は、その車幅方向中央部分にストライカ21(図10参照)を下向きに突設したロック基部601が形成される。しかも、この前方骨格部6はそのロック基部601を中心に左右それぞれの側に所定間隔を隔てた位置より中間梁部24を後方に分岐して複数延出形成し、更に、左右端より左右側方骨格部8、9を後方に延出形成する。
左右側方骨格部8、9はその後端が後方骨格部7の左右端に連結され、それぞれ一体形成され、複数の中間梁部24の後端が後方骨格部7に連結され、それぞれ一体形成される。なお、図3に示すようにインナパネル11の車両前後方向での中間部には、車幅方向に延設される複数の補助横梁111が設けられている。具体的には、車両前後方向に延びる左右側方骨格部8、9及び複数の中間梁部24が車両前後方向での中間部において、それぞれ隣り合う部材と補助横梁111によって連結されている。この補助横梁111によりフード4の中央部における車幅方向での剛性を保持している。
図3、7に示すように、左右側方骨格部8、9には、その骨格部の前後方向での中間部に膨出量を段状に減少させた三角形状の退却平面部26がそれぞれ形成されている。
左右の退却平面部26は左右対称に形成され、ここでは一方の側方骨格部8を主に説明する。
図7、図8に示すように、側方骨格部8はその断面が、膨出部Bとその左右側縁から延びる左右フランジbとで下向き膨出断面に形成されており、側方骨格部8(膨出部B)の車両中心線Lc側と対向する中央側(車幅方向内側)の側縁部(図7で右側)から車幅方向外側に向けて膨出量を部分的に低減させた退却平面部26が形成されている。
すなわち、図8に示すように、側方骨格部8の長手方向(車両前後方向)の中間部は、断面が膨出量h1の膨出部B(連続膨出部e)と膨出量を低減させた膨出量h2の退却平面部26とで段状に形成されている。図7に示すように、退却平面部26は、側方骨格部8(膨出部B)の車両中心線Lc側と対向する中央側(車幅方向内側)の側縁部(図7で右側)を底辺a1とした三角形状に形成される。すなわち、側方骨格部8は、車両前後方向中間部分に車幅方向内側の側縁部から車幅方向外側に向かって切り込むように三角形状の凹部(退却平面部26)が形成された状態となっている。
三角形状の退却平面部26の頂点となる突端部p1は、側方骨格部8の膨出部Bの車外側の側縁部より幅gだけ車内側に位置しており、突端部p1より車外側には、膨出量h1が前後で変化しない連続膨出部eが形成される。側方骨格部8は、この連続膨出部eの幅gを増減調整することで、前後方向での曲げ剛性を調整することができる。
そして、この三角形状の退却平面部26が、前突時におけるフード4の屈曲(折れ)変形の起点として機能し、左右の退却平面部26の三角形状の頂点である突端部p1を互いに結ぶ前突屈曲基準線Lfに略沿った状態にフード4が屈曲される仕組みとなっている。 また、本実施形態では、図3に示すように、補助横梁111が前突屈曲基準線Lfに略沿うように車幅方向Yに並んで設けられており、左右の退却平面部26間を補助横梁111で連結した構成としている。これにより、フード4の中央部分では、この補助横梁111に沿って前突時の応力が集中することとなるので、補助横梁111に沿ってフードが折れ曲がるという変形促進機能を保持できる。
このように構成することで、図11に実線で示す定常状態より、前突が生じると、まず、左右の側方骨格部8、9が一対の退却平面部6で屈曲変形され、これが起点となってフード4全体が補助横梁111に沿って屈曲変形する。このような左右の退却平面部26とその間の補助横梁111の変形促進機能により、所定の変形モードに沿って変形が行なわれ、図11に2点差線で示すように屈曲することとなる。したがって、フード4全体の後退が抑制され、後方骨格部7および側方骨格部8、9が後退してウインドシールドW(図1参照)へ侵入するような変形を防止でき、乗員の安全性を確保できる。
更に、図7、8に示すように、膨出量を段状に減少させた退却平面部26と膨出部Bとの境目には、縦壁状の段状部Dが形成されており、この段状部Dが退却平面部26の三角形状の前側および後側の各斜辺a2,a3を形成している。
そして、前側の斜辺a2は、フード4の前方骨格部6の車幅方向中央に設けられるロック手段であるストライカ21に向って延びるよう車幅方向に対して車体前方側に向って傾斜(傾斜角α)されている。具体的には、退却平面部26の前側の斜辺a2を成す段状部Dが、退却平面部26の三角形状の頂点を成す突端部p1とストライカ21の前端部分とを結んだ斜突屈曲基準線Lsに略沿うように形成されている。
ここで、図8に示すように、縦壁状の段状部Dと退却平面部26とがなす屈曲部のアールrの曲率半径が大きいほど曲げ剛性が高く、小さいほど曲げ変形を促進することとなり、適正値が適宜設定される。更に、縦壁状の段状部Dと退却平面部26とがなす挟み角θが小さいほど曲げ変形を促進し、大きいほど曲げ剛性を高めることとなり、適正値が適宜設定される。
このように、退却平面部26とその前側(図7で下側)の段状部Dである斜辺a2とがなす屈曲部(アールrの形成部)が応力集中部を形成できる。また、一方でストライカ21が設けられる前方骨格部6の車幅方向中央部分はロック基部601により補強されているので、車両の斜突による過荷重を受けると、退却平面部26の斜辺a2を成す段状部Dとストライカ21とが屈曲変形の起点となる。そして、斜辺a2を成す段状部Dがストライカ21より延びる斜突屈曲基準線Lsに沿うようにして重なるため、フード4が斜突屈曲基準線Lsに沿って屈曲変形を開始するよう機能する。
このため、図12に示すように、斜突が発生した場合、フード4が実線で示す定常状態より、斜突屈曲基準線Lsで屈曲変形を開始し、連続して所定の変形モードに沿って変形が進み、図12に2点差線で示すように屈曲変形する。このため、車両の斜突時に、フード4の左右の側方骨格部8、9の後退が抑制され、側方骨格部8、9が後退して、ウインドシールドW(図1参照)へ侵入するような変形を防止でき、乗員の安全性を確保できる。
更に、退却平面部26の中央には楕円状の貫通穴である係止穴28が形成されている。この係止穴28を設けることにより、車両の衝突時に退却平面部26が他の部位より変形し易くなるので、退却平面部26を屈曲変形の起点としてより確実に機能させることができる。なお、左右いずれか一方の退却平面部26の係止穴28は、図5に示すように、これと対向する側のエプロンアッパメンバ13に基端が枢支されたサポートロッド29の先端を突入でき、フードを開放位置に保持できる。この際、サポートロッド29の先端側の先端屈曲部291が係止穴28の周縁に係止されることで、フードを開放位置に安定して保持する機能を発揮できる。
以上説明したように、本発明のフード構造では、左右の側方骨格部8.9の車両前後方向中間部分に、車幅方向内側の側縁部から車幅方向外側へ向けて膨出量を部分的に低減させた退却平面部26を形成し、車両の前突による過荷重の入力を受けると左右両側の退却平面部26をフード4の屈曲変形の起点として機能させ、斜突時には、車両の左右いずれかの方向からの斜突による過荷重の入力を受けると左右いずれかの退却平面部26とフード4の前端中央部に設けられるロック手段であるストライカ21とをフード4の屈曲変形の起点として機能させる構成としたので、左右の側方骨格部8.9に退却平面部26を形成するという簡単な構成で、前突と斜突の両方に対応してフード4を確実に屈曲変形させることができる。特に、退却平面部26の形状を左右の側方骨格部8.9(膨出部B)の車幅方向内側の側縁部を底辺a1とした三角形状に形成し、三角形状の前側の縦壁状の段状部Dである斜辺a2を退却平面部26の三角形状の頂点を成す突端部p1とストライカ21の前端部分とを結んだ斜突屈曲基準線Lsに略沿うように傾斜させているので、斜突時のフード4の屈曲変形が確実かつスムーズとなり、斜突時においても変形開始以後の変形が所定の変形モードに沿って確実に行なわれる。
また、左右の退却平面部26の突端部p1同士を結んだ前突屈曲基準線前Lfに略沿うように補助横梁111を車幅方向に並んで設けているので、前突時における変形促進機能を発揮でき、変形開始以後の変形がより確実に行なわれる。
したがって、前突、斜突関係無く、フード4の後方骨格部6や左右の側方骨格部8、9がウインドシールドへ侵入するような変形を防止でき、乗員の安全性をより確実に確保することができる。
しかも本発明のフード構造であれば、従来構造のようにフードの中央部分の中間梁部に幅方向に亘ってビードを設ける必要がなく、フード4全体の剛性が落ちにくいので、通常走行時におけるフード剛性を損なうこともない。
また、更には、エンジンルームのフード4に設けられた退却平面部26を衝突時における変形開始の起点となる部位としても、フードを開放保持するためのサポートロッド29が係止される係止穴28を形成する係止平面部としても共用でき、構成の簡素化を図れる。
以上のように、本発明のフード構造であれば、簡素な構造でフード剛性を維持したまま車両の前突、斜突に対応して確実に変形することができるフードを提供することができる。
なお、上述した本実施形態では、退却平面部26の形状を三角形状としているが、少なくとも前側の斜辺a2(図7参照)がストライカ21側に向って傾斜された形状であれば三角形状でなくとも良く、同等の効果を得ることができる。
また、補助横梁111を前突屈曲基準線前Lfに略沿うように設けて、この補助横梁111によりフード4の中央部における車幅方向での剛性を保持しているが、前突屈曲基準線前Lfを挟んで互いに並列配備される複数の補助横梁111を用いてもよく、その場合も効果を得ることができる。
また、上述のところで、退却平面部26にはサポートロッド29の係止穴28が形成され、退却平面部26がサポートロッド29の係止平面を兼ねていたが、サポートロッド29の係止平面を別途形成し、退却平面部26が屈曲変形の起点を設定する部位としてのみ機能するよう構成しても良い。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
1 車両
3 エンジンルーム
301 上向き開口
4 フード
5 アウタパネル
6 前方骨格部
7 後方骨格部
8、9 左右の側方骨格部
12 フードヒンジ
13 エプロンアッパメンバ(車両骨格部材)
21 ストライカ(ロック手段)
22 ラッチ
26 退却平面部
a1 底辺
a2 前側の斜辺
a3 後側の斜辺
e 連続膨出部
h1 退却平面部の膨出量
h2 膨出部の膨出量
mf 前縁部
mr 後縁部
n1 前端
p1 突端部
B 膨出部
D 段状部
E 幅
Lf 前突屈曲基準線
Ls 斜突屈曲基準線

Claims (4)

  1. 車体前部に形成された上向き開口の後縁部近傍に左右後端が枢支され、前端側が前記上向き開口の前周縁部に上下に開放可能にロックされて、前記上向き開口を覆うフードを備えた車両のフード構造において、
    前記フードが、前記上向き開口を覆うフード主板と、該フード主板の下面に重なり一体結合される補強板とで形成され、
    前記補強板は、前記フード主板の前後左右の外周縁部に沿って延設されて下方に膨出する断面形状に形成された前後及び左右側の骨格部を有しており、
    前記前方の骨格部の車幅方向中央部には、前記上向き開口の前縁部に開放可能にロックされるロック手段が設けられ、
    該左右側方の骨格部の前後方向での中間部には、それぞれ当該左右側方の骨格部の車幅方向内側の側縁部から車幅方向外側へ向って膨出量を部分的に減少させた退却平面部が形成され、前記フードに車両の前突による過荷重を受けた際には、左右両側方の前記退却平面部が前記フードの屈曲変形の起点となり、前記フードに車両の斜突による過荷重を受けた際には、左右いずれかの前記退却平面部と前記ロック手段とが前記フードの屈曲変形の起点となるよう構成したことを特徴とする車両のフード構造。
  2. 前記退却平面部は、前記側方の骨格部の車幅方向内側の側縁部に沿った部位を底辺とした三角形状に形成され、
    当該退却平面部の三角形状の前側および後側の斜片を成す部位が縦壁状の段状部で形成され、前記前側の斜辺を成す段状部が、前記ロック手段に向かって車幅方向内側斜め前方に傾斜されていることを特徴とする請求項1記載の車両のフード構造。
  3. 前記補強板には、車両前後方向中間部において車幅方向に延設されて、左右の前記退却平面部間を連結する補助横梁が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の車両のフード構造。
  4. 前記上向き開口はエンジンルームの上向き開口であり、
    前記退却平面部には前記エンジンルームの上向き開口を開閉するフードを開放位置に保持するサポートロッドの係止穴が形成されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の車両のフード構造。
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