JP2012528412A - スイッチト出力段のための短絡保護 - Google Patents

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Abstract

デバイスのダメージを引き起こしうる短絡条件における過度の出力電流からスイッチング出力段を保護するための、スイッチ型出力段における短絡保護が説明される。この目的を達成するための設計技術は、ドレイン電圧を実質的に等しくするための回路と組み合わせて、スケールされたトランジスタをスイッチングトランジスタと並列に置くことによって、それらスイッチングトランジスタにおける電流を測定することを含む。短絡保護のための様々な技術は、(a)トランジスタと演算増幅器とを組み合わせて使用すること、(b)演算増幅器の代わりに単一のトランジスタを使用すること、(c)過電流検出信号を生成するための回路を使用すること、(d)出力電流を低減するために、ドライバに過電流検出信号を提供すること、(e)出力電流をフィードバック調整するためにインバータを使用すること、(f)通常動作中に電流調整器をバイパスするためにスイッチを使用すること、および(g)過電流状態において、このスイッチを自動的に開くこと、を具備する。

Description

関連出願
本願は、本願の譲受人に譲渡された、2009年5月28日に提出された名称“SHORT-CIRCUIT PROTECTION IN SWITCHED OUTPUT STAGES”の仮出願61/182045号に対する優先権を主張する。上記仮出願は、参照によって本明細書に明確に組み込まれる。
本開示は、一般に、電子機器に関し、特に、複数のスイッチト出力段(switched output stage)のための短絡保護に関する。
電力効率は、モバイルデバイスにおいて最も重要なことである。電力効率を最大にするために、モバイルデバイスは高効率のスイッチング回路を利用する。スイッチング回路の高効率動作は、オン状態スイッチの抵抗が低いことを要求する。しかしながら、オン状態スイッチの抵抗が低いことは、スイッチング回路の出力端子が短絡した場合に、大きな出力電流を発生しうる。大きな出力電流は、スイッチング回路にダメージをもたらしうる。したがって、回路ダメージを防ぐために、高効率スイッチング出力段回路において利用される短絡保護回路を開発する必要がある。
種々の短絡保護回路が利用されることができるが、これらの解決法は重大な欠点を有している。例えば、保護回路は、出力トランジスタに直列に追加されうる。この短絡保護回路は短絡電流を防ぐことができるが、一方で、出力を有する直列回路の追加は、電力損失(power dissipation)の増大を引き起こし、したがって、回路の全体的な効率を低下させる。
従来、デジタル出力段はスイッチングされ、一方、アナログ出力段は連続的な方式で制御される。しかしながら、アナログ出力段をスイッチングすることが有利な場合も存在する。
図1は、典型的なアナログのスイッチト出力段100の一例を示す。スイッチト出力段100は、ドライバ102と、出力端子OUTに結合する負荷回路(図示せず)を駆動するように構成された出力トランジスタM2 104およびM1 106からなる相補的な一対とを含む。負荷回路の一例は拡声器である。出力トランジスタ104、106は、例えば、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)または金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)でありうる。
非スイッチト出力段が、負荷回路に印加される電流または電圧を精確に確立できることが望ましい。精確なアナログ出力電流(または電圧)を確立するための知られている技術は、出力端子OUTのところの出力電流(または電圧)を測定し、測定された出力電流(または電圧)が所望の値に達するまで、フィードバックループを通じて出力段トランジスタのゲート電圧を調節することである。M1、M2(106、104)のような出力トランジスタは、著しい量の電力を損失し、負荷に運ばれる電力を低減するので、最終的に非スイッチト出力段の効率もまた低減される。
スイッチト出力構成では、トランジスタゲート電圧は精確には調節されない。むしろ、出力トランジスタゲート電圧は高電圧と低電圧の間でトグルされる。NMOSトランジスタの場合、ゲート電圧が高いときには、トランジスタはオン状態にある。反対に、NMOSトランジスタのゲート電圧が低いときには、トランジスタはオフ状態にある。PMOSトランジスタの場合、ゲート電圧が高いときには、トランジスタはオフ状態にある。反対に、PMOSトランジスタゲートが低いときには、トランジスタはオン状態にある。オン状態では、トランジスタのドレイン端子とソース端子との間の抵抗は最小化される。抵抗のこの低減によって、トランジスタ端子間の電圧が低くなる。低い抵抗および低い電圧は、トランジスタにおける電力損失の低下をもたらす。電圧と、電流と、抵抗と、電力損失との間の関係は、以下のように表すことができる。
P=VI=IR 式(1)
オフ状態では、トランジスタのドレイン端子とソース端子との間の抵抗は、最大化される。抵抗の増大は、トランジスタを流れる電流の減少をもたらす。トランジスタ電流の低減は、電力損失の低下をもたらす。トランジスタのオン状態中およびオフ状態中の低電力損失特性によって、スイッチング回路は、非常に低い電力損失と、その後の高い電力効率とを達成することができる。スイッチング回路の一例はクラスD回路である。
短絡から段を保護することは、出力電流を測定し、所与のしきい値が観測されたときに出力電流を低減することによって、達成されることができる。出力電流を測定可能な回路は、回路出力に直列に結合されることができる。しかしながら、直列回路構成は、そうでなければ負荷回路に運ばれたであろう追加の電力損失をもたらすことになろう。したがって、直列結合による解決法は、出力段の効率を低減することになろう。代替的に、出力電流を測定するために測定回路を並列に結合することは、同じ回路が、負荷回路に運ばれる電力の低減をもたらさず、したがって短絡条件に対して保護することができないという欠点を有する。
図2は、短絡保護を備えた典型的なスイッチト出力段200の一例を示す。スイッチト出力段200は、短絡保護回路201を介して出力トランジスタ204に結合されたドライバ203を含む。短絡保護回路201は、基準トランジスタM1a 202を含み、該基準トランジスタM1a 202のゲートは、出力トランジスタM 204のゲートおよびドライバ203の出力に結合される。トランジスタM1a 202およびM 204のゲート端子は、ドライバ出力端子に結合される。トランジスタM1a 202およびM 204のソース端子はグラウンドに結合される。トランジスタM1a 202は、出力トランジスタM 204のスケールされたバージョンである。飽和領域では、トランジスタM1a 202を流れる電流I1aは、出力トランジスタM 204を流れる電流Iのスケールされたバージョンである。電流制限回路205は、基準トランジスタM1a 202および出力トランジスタM1 204を流れる電流を制限するために、基準トランジスタM1aのドレインに結合される。
トランジスタM1 204を流れる出力電流Iと基準トランジスタM1a 202を流れる基準電流I1aとの間の関係は、次のように表されることができる。
Figure 2012528412
デバイスが飽和領域で動作していないときには、トランジスタM1a 202を流れる電流I1aは、トランジスタM 204を流れる電流Iに対して精確にスケールされることができない。したがって、飽和領域で動作していないときには、トランジスタ電流は、その代わりに、トランジスタのドレイン端子とソース端子の間に印加される電圧に大きく左右される。
スイッチング出力トランジスタが飽和領域で動作するようにのみ構成されているわけではない、クラスD段および容量チャージポンプ回路とともに利用されうるような、アナログのスイッチト出力段では、改善された短絡保護が望ましい。
図1は、典型的なアナログのスイッチト出力段の一例を示す。 図2は、短絡保護を備えた典型的なスイッチト出力段の一例を示す。 図3は、短絡保護を備えたアナログのスイッチト出力段の第1の例示的な実施形態である。 図4は、図3の演算増幅器が単一トランジスタ構成として実施される、第2の例示的な実施形態によるスイッチト出力段の例示的な一実施形態を示す。 図5は、各出力トランジスタが図4のものに類似したスイッチト出力段構成によって短絡保護される、2つの出力トランジスタを備えたスイッチト出力段のさらなる例示的な実施形態である。 図6は、図5のものに類似したスイッチト出力段の例示的な一実施形態であるが、出力電流を独立して調整するためにフィードバック構成内にインバータを備えて示されている。 図7はブースト電流機能を備えた、図6のものに類似したスイッチト出力段の例示的な一実施形態を示す。 図8は、比較器の代わりに使用される追加的なトランジスタを備えた、図7のものに類似したスイッチト出力段のさらなる例示的な実施形態である。 図9は、独立バイアスを含む、図8のものに類似したスイッチト出力段のさらなる例示的な実施形態である。 図10は、図9のスイッチト出力段900に対して、独立した別個の相補的なスイッチト出力段として使用するためのスイッチト出力段を示す。
単語「例示的(exemplary)」は、本明細書では「例、事例、説明として役立つこと」を意味するために使用される。「例示的」として本明細書で記載される実施形態は、必ずしもその他の諸実施形態よりも好ましい、または有利なものとして解釈されるべきではない。
添付図面に関連して以下で記述される詳細な説明は、本発明の例示的な諸実施形態の説明を目的としており、本発明が実施されることができる実施形態のみを示すことを意図したものではない。本明細書全体にわたって使用される用語「例示的」は、「例、事例、説明として役立つこと」を意味し、必ずしも他の例示的な諸実施形態よりも好ましい、または有利なものとして解釈されるべきではない。詳細な説明は、本発明の例示的な諸実施形態の完全な理解を提供することを目的とした特定の詳細を含む。本発明の例示的な諸実施形態が、これら特定の詳細なしに実施されうることが当業者には明らかであろう。いくつかの事例では、よく知られている構造およびデバイスは、本明細書に提示された例示的な諸実施形態の新規性が不明瞭になることを避けるために、ブロック図形態で図示されている。
本発明の例示的な諸実施形態は、スイッチト出力段における短絡保護を対象とする。これらの例示的な諸実施形態は、デバイスのダメージを引き起こしうる短絡条件における過度な出力電流から、スイッチト出力段を保護する。
この目的を達成するための設計技術は、ドレイン電圧を実質的に等しくするための回路と組み合わせて、スケールされたトランジスタをスイッチングトランジスタと並列に置くことによって、それらスイッチングトランジスタにおける電流を測定することを含む。短絡保護のための様々な技術は、(a)トランジスタと演算増幅器とを組み合わせて使用すること、(b)演算増幅器の代わりに単一のトランジスタを使用すること、(c)過電流検出信号を生成するための回路を使用すること、(d)出力電流を低減するために、ドライバ回路に過電流検出信号を提供すること、(e)出力電流を調整するためにフィードバックを使用すること、(f)通常動作中に電流調整器をバイパスするためにスイッチを使用すること、および(g)過電流状態において、このスイッチを自動的に開くこと、を具備する。これらの態様およびその他の態様は、図3〜図10に関してさらに詳細に記述される。
示されるスイッチト出力段は、集積回路の一部を形成することができ、またはディスクリート回路であることができる。同様に、ダメージから保護されたデバイスは、モバイルデバイス、ラップトップ、ノートブックなどを含む無線通信デバイスのようなデバイスを含む、スイッチト出力段を用いる任意のデバイスでありうる。
図3は、短絡保護を備えたスイッチト出力トランジスタを備えるスイッチト出力段300の第1の例示的な実施形態である。例示的な実施形態によれば、スイッチト出力トランジスタは、非飽和領域で操作されることができ、飽和領域で動作している場合と同様に保護されることができる。
スイッチト出力段300は、ドレイン等化回路301に結合された電流検出トランジスタM1a 306と、ドライバ303と、出力トランジスタM1 308を短絡保護するための電流制限回路305とを含む。
ドレイン等化回路301は、測定トランジスタM3 304と演算増幅器A1 302とを具備する。ドレイン等化回路301は、出力トランジスタM1 308のドレイン電圧を測定し、測定された電圧をフィードバックループを通じて電流検出トランジスタM1a 306のドレイン端子に印加する。このように、トランジスタ306、308の両方のドレイン電圧が、電流I1の精確なスケールされた測定量(measure)である基準電流I1aを生み出すように、類似した電位に設定される。
図示されるように、演算増幅器A1 302の出力は、トランジスタM3 304のゲート端子に結合される。トランジスタM3 304のソース端子は、トランジスタM1a 306のドレイン端子に結合される。トランジスタM3 304のドレイン端子は電流制限回路305に結合される。トランジスタM1a 306およびM1 308のソース端子はグラウンドに結合される。
ドレイン電圧等化回路301は、出力トランジスタM1 308の各端子に存在する電圧が電流検出トランジスタM1aの対応する各端子に存在するような方式で結合される。このように、出力トランジスタの飽和領域で動作していないときでも、適切な短絡保護が最小の追加電力消費で提供される。
ここでは、ただ1つの出力トランジスタM1 308と、そのそれぞれの短絡保護とを備えたスイッチ出力段が示されることに留意する。第2の演算増幅器は、ドレイン電圧を測定し、第2の出力トランジスタを保護するために必要とされ、それは、フィードバックループを通じて、第2の測定トランジスタのドレイン端子に適用されることになる。相補型トランジスタ形式で構成される第2のトランジスタの一例が、以下でさらに説明される代替の実施形態に関連して、図5および図10に示されている。
ラベルされた同様のコンポーネント(例えばM1、M2、M3など)は、後の図において同様に配置され機能するコンポーネントを同じ表記で表すよう意図されていることが理解されるべきである。各事例において、異なる参照番号は複数の図にわたって類似のコンポーネントを表すために使用されうる。これは、単に参照を容易にするためになされたものであり、当業者にはよく理解されるであろう明らかな技術的相違を除き、相違が含意または示唆されるものではない。
図4は、図3の演算増幅器が単一のトランジスタ構成として実施される第2の例示的な実施形態による、スイッチト出力段400の例示的な実施形態を示す。
ここでは、ドレイン等化回路401は、単一のトランジスタM 408に結合されたトランジスタM3 406で構成される様子が示され、その単一のトランジスタM 408は、図3に示された演算増幅器A 302を置き換えている。一対の電流源は、供給電圧Vsupに結合されたトランジスタM 402およびM 404を使用して実施され、スイッチト出力段400へ、特に、電流検出トランジスタ410へ供給される電流を調整する働きをする。
出力電流Iが保護しきい値未満であり、電流I1aがトランジスタM 402によって運ばれる公称電流未満である場合、ノードOCにおける過電流電圧は、供給電圧Vsupにほぼ等しい値において高くなる。出力電流I1が保護しきい値よりも大きい場合、I1aの公称値は、トランジスタM 402の公称ドレイン電流よりも大きい。これは、次には、ノードOCをグラウンドに近い電圧レベルにする。したがって、ノードOCは、通常動作条件下では、より高い電圧レベルにあり、出力段がしきい値よりも大きな電流を運ぶときには、より低い電圧レベルにある。
ノードOCに結合されたドライバ403は、ノードOCにおいて検出された電圧レベルを使用して出力トランジスタM 412をオフに切り替え、したがって、短絡電流から出力トランジスタM 412を保護する。ここでは、出力トランジスタM 412だけのための短絡保護が示されることに留意する。
図5は、各出力トランジスタが図4のものに類似したスイッチト出力段構成によって短絡保護される、2つの出力トランジスタM1およびM2(524、514)を備えたスイッチト出力段500のさらなる例示的な実施形態である。
示されたように、スイッチト出力段500の第2の出力トランジスタM2 514は、図4の出力トランジスタM1 412と同じやり方で構成され、動作する、第1の出力トランジスタM1 524と類似したやり方で保護される。
ここでは、2つのドレイン等化回路は、トランジスタM3、M4(506、508)およびM7、M8(516、518)でそれぞれ構成される、501および501aとされている。
ドレイン等化回路501aは、トランジスタM 514およびM2a 512のドレイン電圧を同じ電圧に設定する。M 514およびM2a 512のドレイン電圧が同じ電圧レベルに設定されることを考慮すると、トランジスタM2a 512における電流は、トランジスタM 514における電流の精確なスケールされた測定量(measure)である。トランジスタM 514を流れる電流がしきい値より大きいときには、ノードOC2における第2の過電流電圧は、高くなり、電源電圧に対応するVsupとほぼ等しい値になる。信号OCおよびOC2はドライバ590に過電流条件を伝達し、該ドライバ590は出力電流を低減することによって応答する。ドライバ590は、トランジスタM 524およびM 514の駆動電圧を低減することによって出力電流を低減する。代替的に、ドライバ590は、出力トランジスタM 524またはM 514をオフ状態に切り替えることによって出力電流を低減することもできる。
図6は、図5のものに類似したスイッチト出力段600のさらなる例示的な実施形態であるが、出力電流を独立して調整するためにフィードバック構成内にインバータを備えて示されている。
図5では、電流調整はドライバ590の介在により出力電流を制限することによって提供される。図6では、ドライバ出力電流は、ドライバ690から独立して調整される。ここでは、フィードバックが、出力電流を調整するために使用される。通常動作では、電圧Vは供給電圧に近い。この電圧は、トランジスタM11 612およびM12 610から構成されるインバータに電力を供給する。このインバータの入力電圧が低い場合、M12 610はオン状態にあり、M11の612はオフ状態にある。オン状態にあるとき、M12 610はMのゲートをVに結合し、したがって、トランジスタM 616をオン状態にセットする。トランジスタM 616における電流が大きくなりすぎる場合、トランジスタM1a 614における電流はトランジスタM 602によって運ばれる公称電流よりも大きくなる。これは、トランジスタM1a 614における電流がトランジスタM 602によって運ばれる電流に等しくなるまで、VおよびトランジスタM 614のゲート電圧を低減する。これは、トランジスタM 616における電流を、トランジスタM 616とM1a 614との間のスケール係数を乗じた、トランジスタM 602によって運ばれる電流に制限するだろう。
トランジスタM 616が大きなゲートキャパシタンスを有する大きなトランジスタである場合、トランジスタM 602は、トランジスタM 616をオン状態に切り替えるために、トランジスタM 616のゲートへ大量のチャージを運ばなければならない。トランジスタM 602が運ぶ電流は、許容可能な時間量でトランジスタM 616のゲートをチャージするのには十分ではないことがありうる。提供される電流をブーストすることが可能な回路が、このような状況において望まれうる。
図7は、ブースト電流機能が設けられた、図6のものに類似したスイッチト出力段700の例示的な一実施形態を示す。
ここでは、トランジスタM13 710およびM14 704は、短絡検出器の余分な出力(extra output)Vd2を提供する。トランジスタM15 702は出力トランジスタM 722に余分な電流(extra current)を提供する。トランジスタM15 702によって提供される余分な電流は、比較器790を通じて出力Vd2における電圧によって制御される。追加のバイアス回路は、トランジスタM 722が大きなゲートキャパシタンスを有する大きなトランジスタである場合、トランジスタM 722のゲートに大量のチャージを供給するように、増加した電流を提供する。
スイッチト出力段700は、また、トランジスタM15 702および比較器790で構成される電流ブースト制御回路を含む。M15 702のソースはVsupに結合され、一方、トランジスタM15 702のドレイン端子は、トランジスタM12 716のソースおよびトランジスタM 706のドレイン端子に結合される。トランジスタM15 702のゲート端子は、比較器790の出力端子に結合される。ノードVd2は比較器790の入力に結合される。基準電圧(図示せず)は、また、比較器790の入力に結合される。
ここでは、比較器がノードVd2における電圧変化に反応するように、比較レベルを設定することが有利でありうることに留意する。
通常動作では、スイッチM15 702は閉じられ、トランジスタM 722のゲートに電流を提供するための低い抵抗の経路を実現する。電流I1aはトランジスタM 712とM13 710とに分けられる。過電流状態では、電流I1aはノードVd2における電圧を低減するのに十分に大きい。比較器790は、これを検出し、トランジスタM15 702を開いてオフ状態にする。トランジスタM15 702がオフ状態になると、トランジスタM 712はノードVにおける電圧を制御し、それにより、上述された図6のスイッチト出力段600と同じ方式でトランジスタM 722における電流を調整する。
図7に示される比較器790が様々なトランジスタ構成で実施されうるということが理解されるべきである。
図8は、トランジスタM16 802およびM17 812が比較器790の代わりに使用される、図7のものに類似したスイッチト出力段800の例示的な一実施形態を示す。
ここでは、トランジスタM16 802およびM17 812は、図7に示される比較器790の代わりとなる。トランジスタM16 802のソース端子は、Vsupに結合され、一方、トランジスタM16 802のドレイン端子は、トランジスタM17 812のドレイン端子およびトランジスタM15 804のゲート端子に結合される。M16 802のゲート端子は、ノードVd2に結合される。トランジスタM17 812のゲート端子は、バイアス基準電圧に結合される。
M16およびM17は、ノードVd2上に存在する電圧を検出する。ノードVd2に存在する電圧がしきい値電圧未満に下がるとき、トランジスタM16 802のドレイン端子のところの電圧は高くなり、したがってトランジスタM15 804をオフ状態にする。トランジスタM15 804がオフ状態になると、トランジスタM 820はノードVdにおける電圧を制御し、それにより、上述された図7のスイッチト出力段700と同じ方式でトランジスタM 826における電流を調整する。
ノードVd2に存在する電圧がしきい値電圧を上回って上昇するとき、トランジスタM16 802のドレイン端子のところの電圧は低くなり、したがって、トランジスタM15 804をオン状態にする。トランジスタM15 804がオン状態になると、それは、ノードVdにおける電圧を制御し、トランジスタM 826のゲートを供給電圧へとチャージして、それを制御してオン状態にする。
図9は、独立したバイアスを含む、図8のものに類似したスイッチト出力段900のさらなる例示的な実施形態である。
ここでは、追加的なトランジスタM1b 918が、M13に独立してバイアスをかける働きをする供給電流を提供するために、トランジスタM13 920のソースに結合される。追加的なトランジスタM1b 918をこのように利用することによって、トランジスタM13 920内を流れる電流のより精確な制御が提供される。
図10は、図9のスイッチ型出力段900に対して、独立した別個の相補的なスイッチ型出力段として使用するためのスイッチ型出力段1000を示す。容易に理解されうるように、スイッチ型出力段1000内のトランジスタの配置は、出力トランジスタM1 928に対して相補的に動作するように構成された出力トランジスタM2 1012を短絡保護するために、スイッチ型出力段900内の類似して配置されたトランジスタと比較して、逆にされている。
当業者は、情報および信号が様々な異なる技術および技法のうち任意のものを使用して表わされうることを理解するだろう。例えば、上記説明全体を通して参照されうるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光場もしくは光学粒子、またはこれらの任意の組み合わせによって表現されることができる。
当業者はさらに、本明細書で開示された諸実施形態に関して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップが、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはそれら両方の組み合わせとして実装されうることを理解するだろう。ハードウェアおよびソフトウェアのこの交換可能性を明確に説明するために、様々な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、以上でそれらの機能の観点から一般的に記載された。そのような機能がハードウェアとして実装されるかソフトウェアとして実装されるかは、特定のアプリケーションおよびシステム全体に課せられる設計制約によって決まる。当業者は、ここに記載された機能を特定のアプリケーションごとに様々な方法で実装することができるが、このような実装の決定は、本発明の例示的な諸実施形態の範囲からの逸脱をまねくものと解釈されるべきではない。
本明細書で開示された諸実施形態に関連して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートもしくはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、または本明細書で説明された機能を果たすように設計されたそれらの任意の組み合わせによって、実装または実施されることができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであることができるが、代替的に、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであることもできる。プロセッサは、また、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、またはその他任意のこのような構成として実装されることができる。
本明細書で開示された諸実施形態に関して説明された方法またはアルゴリズムの諸ステップは、ハードウェアにおいて直接実現されるか、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールにおいて実現されるか、またはそれら2つの組み合わせにおいて実現されることができる。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読取専用メモリ(ROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、または当該技術分野において知られているその他任意の形態の記憶媒体に存在しうる。例示的な記憶媒体は、プロセッサが該記憶媒体から情報を読み取り、該記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。あるいは、記憶媒体は、プロセッサに一体化されることもできる。プロセッサおよび記憶媒体は、ASIC内に存在することができる。ASICは、ユーザ端末内に存在することができる。あるいは、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末内にディスクリートコンポーネントとして存在することもできる。
1つまたは複数の例示的な実施形態では、説明された機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せにおいて実装されることができる。ソフトウェアにおいて実装される場合、これら機能は、コンピュータ読取可能媒体上に1つもしくは複数の命令もしくはコードとして格納されることができ、または、コンピュータ読取可能媒体上で1つもしくは複数の命令もしくはコードとして伝送されることができる。コンピュータ読取可能媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの移動を容易にする任意の媒体を含む通信媒体およびコンピュータ記憶媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされうる利用可能な任意の媒体であることができる。制限するものではなく一例として、このようなコンピュータ読取可能媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMもしくはその他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置もしくはその他の磁気記憶デバイス、または、所望のプログラムコードを命令もしくはデータ構造の形態で搬送もしくは格納するために使用されることができ、コンピュータによってアクセスされることができる、その他任意の媒体を具備することができる。さらに、任意の接続が、コンピュータ読取可能媒体と適切に呼ばれる。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)、または、赤外線、無線およびマイクロ波のような無線技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、またはその他の遠隔ソースから伝送される場合、該同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または、赤外線、無線およびマイクロ波のような無線技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用されるディスク(diskおよびdisc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびブルーレイディスクを含んでおり、ここで、diskは、通常、データを磁気的に再生し、一方、discは、レーザを用いてデータを光学的に再生する。上記の組み合わせもまた、コンピュータ読取可能媒体の範囲内に含まれるべきである。
開示された例示的な諸実施形態に関する以上の説明は、当業者が本発明を製造あるいは使用できるように提供される。これらの例示的な諸実施形態に対する様々な修正が、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義された一般的原理は、本発明の精神または範囲から逸脱することなくその他の実施形態に適用されうる。よって、本発明は本明細書に示される諸実施形態に限定されるよう意図されたものではなく、本明細書で開示された原理および新規の特徴と矛盾しない最大範囲であると認められるべきである。

Claims (29)

  1. 下記を具備する、出力トランジスタのための短絡保護を有するスイッチ型出力段:
    前記出力トランジスタに並列に結合された電流検出トランジスタ;および
    前記出力トランジスタの各端子に存在する電圧が前記電流検出トランジスタの対応する各端子に存在するように、前記出力トランジスタおよび前記電流検出トランジスタに結合されたドレイン電圧等化回路。
  2. さらに下記を具備する、請求項1に記載のスイッチ型出力段:
    前記電流検出トランジスタを流れる電流を調整するための回路。
  3. 請求項2に記載のスイッチ型出力段、ここにおいて、前記調整するための回路は、過電流検出信号を生成する。
  4. 請求項3に記載のスイッチ型出力段、ここにおいて、前記過電流検出信号は、ドライバを調節するために使用される。
  5. 請求項4に記載のスイッチ型出力段、ここにおいて、前記ドライバは、前記過電流検出信号に応答して前記出力トランジスタの電流を調節する。
  6. 請求項2に記載のスイッチ型出力段、ここにおいて、前記スイッチ型出力段は、少なくとも2つの出力トランジスタを含む。
  7. さらに下記を具備する、請求項2に記載のスイッチ型出力段:
    前記出力トランジスタに結合されたインバータ。
  8. 請求項7に記載のスイッチ型出力段、ここにおいて、前記インバータは、過電流検出信号(Vd)に応答して、前記出力トランジスタ電流を調節する。
  9. さらに下記を具備する、請求項7に記載のスイッチ型出力段:
    電流をブーストする手段。
  10. 請求項9に記載のスイッチ型出力段、ここにおいて、電流をブーストする前記手段は、前記スイッチ型出力段にバイアス電流を提供する手段を具備する。
  11. 請求項10に記載のスイッチ型出力段、ここにおいて、ブーストする前記手段は、比較器およびスイッチを含む。
  12. 請求項11に記載のスイッチ型出力段、ここにおいて、前記比較器は、少なくとも1つのトランジスタを具備する。
  13. 請求項10に記載のスイッチ型出力段、ここにおいて、前記バイアス電流は独立して設定される。
  14. 請求項10に記載のスイッチ型出力段、ここにおいて、前記スイッチ型出力段は、少なくとも2つの出力トランジスタを含む。
  15. 請求項1に記載のスイッチ型出力段、ここにおいて、前記スイッチ型出力段は、少なくとも2つの出力トランジスタを含む。
  16. さらに下記を具備する、請求項1に記載のスイッチ型出力段:
    前記出力トランジスタに結合されたインバータ。
  17. 請求項16に記載のスイッチ型出力段、ここにおいて、前記インバータは、過電流検出信号(Vd)に応答して、前記出力トランジスタ電流を調節する。
  18. さらに下記を具備する、請求項16に記載のスイッチ型出力段:
    電流をブーストする手段。
  19. 請求項18に記載のスイッチ型出力段、ここにおいて、電流をブーストする前記手段は、前記スイッチ型出力段にバイアス電流を提供する手段を具備する。
  20. 請求項19に記載のスイッチ型出力段、ここにおいて、ブーストする前記手段は、比較器およびスイッチを含む。
  21. 請求項20に記載のスイッチ型出力段、ここにおいて、前記比較器は少なくとも1つのトランジスタを具備する。
  22. 請求項21に記載のスイッチ型出力段、ここにおいて、前記バイアス電流は独立して設定される。
  23. 請求項22に記載のスイッチ型出力段、ここにおいて、前記スイッチ型出力段は少なくとも2つのトランジスタを含む。
  24. 下記を具備する、出力トランジスタのための短絡保護を有するスイッチ型出力段:
    前記出力トランジスタの電流を測定する手段;
    前記出力トランジスタの端子のところの電圧を設定する手段;および
    前記出力トランジスタの電流を調整する手段。
  25. さらに下記を具備する、請求項24に記載のスイッチ型出力段:
    過電流イベントが生じているときを検出する手段;および
    過電流イベントが検出されたときに、前記出力トランジスタの電流を調節する手段。
  26. さらに下記を具備する、請求項25に記載のスイッチ型出力段:
    通常動作中は前記スイッチ型出力段にバイアス電流を提供し、過電流動作中はバイアス電流を提供しない手段。
  27. 下記を具備する、出力トランジスタのための短絡保護を有するスイッチ型出力段を含むデバイス:
    前記出力トランジスタに並列に結合された電流検出トランジスタ;および
    前記出力トランジスタの各端子に存在する電圧が前記電流検出トランジスタの対応する各端子に存在するように、前記出力トランジスタおよび前記電流検出トランジスタに結合されたドレイン電圧等化回路。
  28. 請求項27に記載のデバイス、ここにおいて、前記デバイスは、無線通信デバイスである。
  29. 請求項27に記載のデバイス、ここにおいて、前記デバイスは集積回路である。
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