JP2012528123A - 亜リン酸ジアルキルの製造のための方法 - Google Patents

亜リン酸ジアルキルの製造のための方法 Download PDF

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Abstract

1〜6個のP-O-P結合を分子中に含むP-O成分と、アルコール、ならびにアルキル基中に1〜6個の炭素原子を有しかつエステルのエステル形成アルキル基中に5〜20個の炭素原子を有するカルボン酸エステルとを反応させる、亜リン酸ジアルキルの製造のための方法を開示する。亜リン酸ジアルキルは、形成されるカルボン酸の同時留去下で形成される。

Description

本発明は、1〜6個のP-O-P結合を分子中に含むP-O成分から出発する亜リン酸ジアルキルの製造のための方法に関し、本方法は、P-Oと、エステル形成アルキル基が5〜20個の炭素原子を含むアルコールR'OHおよびC1〜6カルボン酸のエステルとを、エステル形成アルコールR'OHおよびP-Oの具体的に規定されるモル比で反応させる工程を含む。この混合物を反応させ、形成されるカルボン酸を同時に留去する。この方法は、P-O反応物の亜リン酸ジアルキルへの非常に良好な変換を実際にもたらし、望ましくない副生成物は非常に低レベルでかつ選択性は高い。好ましい実施形態では、P-O反応物は液体P4O6で代表され得る。
亜リン酸ジアルキルは以前から知られており、したがって、望ましい化合物を合成するための特に中間体としてのそれらの重要性が確立されている。亜リン酸ジアルキルの合成のための多種多様なアプローチが検討されてきた。CN 101250199は、PCl3およびイソプロパノールから亜リン酸ジイソプロピルを調製するための方法に関する。DE 4121696は、亜リン酸ジアルキルの調製のための方法を記載している。ベンゼン中での無水酢酸およびメタノールによる亜リン酸メチルおよびジメチルの混合物の処理によって、高レベルの亜リン酸ジメチルを含む生成物が得られた。いくつかの公報HU 207334、HU 199149およびHU 196817は、PCl3から出発する亜リン酸ジアルキルの製造のための方法を開示している。
DD 108755は、液体モノエステルおよびガス状ジエステルの混合物を得るためのP4O6蒸気とメタノール蒸気との反応を記載している。
米国特許第4,342,709号は、過剰の亜リン酸トリエチルと亜リン酸とを反応させることによって亜リン酸ジエチルを製造する方法を記載している。通常、トリエチル反応物は化学量論的必要量の7〜10%過剰で使用する。方法は厳密に無水の亜リン酸から出発する。水の吸着に付随する欠点を回避するために、不活性ガス掃流下で亜リン酸を加える。DD 128755は、三塩化リンおよび脂肪族アルコールから出発して不活性溶媒の存在下で亜リン酸ジアルキルを調製するための連続的方法を記載している。DOS 1 668 031は、少なくとも5個の炭素原子を有する第一級または第二級直鎖または分岐アルコールと少なくとも45%過剰の亜リン酸とから出発する亜リン酸ジアルキルの高い収率および純度での製造に関する。
DD 116457は、元素リンを含む工業グレードのP(III)オキシドが加えられる混合物であるアルコールと亜リン酸アルキルの混合物または亜リン酸モノ-アルキルとジ-アルキルの混合物を、工業用窒素で掃流しながら反応させた後、形成された亜リン酸モノ-およびジ-アルキルを蒸留分離することによる、亜リン酸モノ-およびジ-アルキルの製造のための連続的方法に関する。DD 108755は、気相中でP4O6とアルコールとを高収率で反応させることによる亜リン酸モノ-およびジ-アルキルの混合物の連続的調製のための方法を公開している。DD 222596は、亜リン酸モノ-およびジ-エステルの混合物から出発して亜リン酸の純粋なアルキル-またはアリール-ジエステルを調製するための方法に関する。この混合物を不活性有機溶媒に溶解させ、アンモニアガスを混合物に通すことでモノ種を析出させる。
米国特許第5,344,951号は、亜リン酸溶液と過剰の一価アルコールとを反応させることで亜リン酸ジヒドロカルビルを得る、亜リン酸のジ-エステルを調製するための方法を記載している。WO 2004/024742は、亜リン酸トリ-エチル、亜リン酸ジエチルおよび/または塩化エチルの群からの添加剤の存在下でエタノールおよび三塩化リンを反応させる、亜リン酸ジエチルおよび塩化エチルの合同製造のための方法に関する。一般に、同様の亜リン酸ジアルキルの調製は、プロセス中のアルコールおよびHClの存在による、塩化アルキル、オレフィンおよびエーテルを含む副生成物を生じさせる。
先行技術は、亜リン酸ジアルキル製造技術が、かなりの技術的および経済的改善に値しながらも、長い間実質的に停滞しており、有意義な改善のための実行可能な解決策を少なくとも提供しなかったことを明確に示している。当技術分野の技術は、しばしば扱いにくく、時間を浪費し、不経済であり、実際のおよび予見可能な商業的必要性に適応していない。
本発明の主要な目的は、亜リン酸ジアルキルの製造のための著しく改善された方法を提供することにある。本発明の別の目的は、亜リン酸モノアルキルとジアルキルの混合物以外の広範な反応物、例えば純粋な亜リン酸モノアルキルからの亜リン酸ジアルキルの製造のための方法を提供することにある。本発明のさらに別の目的は、液体P4O6から出発する亜リン酸ジアルキルの1工程製造を提供することにある。本明細書におけるさらに別の目的は、一般的な必要性に相応して改善された純度および選択性の亜リン酸ジアルキルの製造のための方法を想定している。本明細書におけるさらに別の目的は、経済的に好ましい条件で亜リン酸ジアルキルを提供することを目的とする。本明細書における本発明のさらに別の目的は、実質的に純粋/塩素を含まない亜リン酸ジアルキルを製造することを企図している。
本出願を通じて使用する「パーセント」または「%」という用語は、異なって定義されない限り、「重量パーセント」または「重量%」を意味する。「ppm」という用語は「百万分率」を意味する。「P2O3」および「P4O6」という用語は互換的に使用可能である。「液体P4O6」という用語は、液体状態の純粋なP4O6、固体P4O6、および気体P4O6、好ましくは液体P4O6を包含する。一般に、温度および圧力に関する「周囲」という用語は、海水面で通常一般的な大気条件を意味し、例えば、温度は約18℃〜25℃であり、圧力は990〜1050mmHgを意味する。
前述のおよび他の目的は、P-O-P結合を含有する化合物を、対応する亜リン酸ジアルキルに変換する製造方法によって、現在達成することができる。より詳細には、本発明は、以下の工程を含む、1〜6個のP-O-P結合を分子中に含むP-O成分から出発する亜リン酸ジアルキルの製造のための方法に関する:
a) 少なくとも1:1〜6:1のR'OH:P-Oのモル比で表されるP-O成分およびR'OHの混合物であって、R'が5〜20個の炭素原子を有する分岐または直鎖構成のアルキル基より選択される、混合物と、
下記式を有する酸エステルであって、
R-C(O)OR'
式中、R'が上記の意味を有し、Rが1〜6個の炭素原子を有するアルキル鎖を表し、該方法(および1モルの該P-Oの亜リン酸ジアルキルへの化学量論的変換)に必要なP-O分子中のP原子当たりのR-C(O)OR'の最小モル数「z」がz = 2n - mにより決定され、式中、mがP-O分子中のP-O-P結合の数であり、nがその分子中のP原子の数である、酸エステルと
を、R'OHにP-Oを酸エステルと同時にまたは別々に、40℃〜180℃、好ましくは70℃〜150℃、特に90℃〜130℃の範囲の温度で10分間〜10時間、好ましくは15分間〜6時間、形成されるカルボン酸の同時留去下で加えることによって、反応させる工程。
本発明の好ましい実施形態では、R'OHを含む反応媒体にP4O6を酸エステルと同時にまたは別々に加えることによって、亜リン酸ジアルキル成分を調製する。反応媒体は一般にアルコールそれ自体であるが、P-O、R'OHおよび酸エステルに対して不活性の好適な溶媒を任意で使用することができる。適切な溶媒は、好ましくは以下の通りである: アニソール; フルオロベンゼン; クロロベンゼン、テトラクロロエタン、テトラクロロエチレンなどの塩素化炭化水素; スルホラン、ジグリム、グリム、酸化ジフェニル、Rが低級アルキル基であるORなどの末端封止OH基を有するポリアルキレングリコール誘導体のような極性溶媒; ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素; ジブチルエーテル、ジイソプロピルエーテルおよびジペンチルエーテルのような非環状エーテル; テトラヒドロフランおよびジオキサンのような環状エーテル; トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素; アセトニトリルのような有機ニトリル; ポリメチルフェニルシロキサンのようなシリコーン液、またはこれらの混合物。系から除去されるカルボン酸との共沸混合物として蒸留される溶媒、例えば、酢酸を除去するトルエンが最も好ましい。
P4O6は、少なくとも85%、好ましくは90%超、より好ましくは少なくとも95%、特定の一実施形態では少なくとも97%のP4O6を含む実質的に純粋な化合物によって代表され得る。本発明の文脈内での使用に好適な六酸化四リンは任意の公知の技術によって製造可能であるが、好ましい実施形態では、この六酸化物は「Process for the manufacture of P4O6 with improved yield」と題するWO 2009/068636および/またはPCT/EP2009/064988の方法に従って調製することができる。詳細には、酸素、または酸素および不活性ガスの混合物と、気体または液体リンとを、本質的に化学量論的な量で1600〜2,000 Kの範囲の温度の反応装置において、0.5〜60秒の好ましい滞留時間を維持しながらリンおよび酸素の発熱反応が作り出す熱を除去して反応させた後、反応生成物を700 K未満の温度で急冷し、粗反応生成物を蒸留によって精製する。そのように調製された六酸化物は、通常少なくとも97%のこの酸化物を含む純粋な生成物である。一般に、そのように生成されたP4O6は特に、100%であるP4O6に対して表される好ましくは1000ppm未満という低レベルで元素リンP4を含む高純度の液体材料を意味する。好ましい滞留時間は5〜30秒、より好ましくは8〜30秒である。好ましい一実施形態では、反応生成物を350 K未満の温度に急冷することができる。
上記のように、「液体P4O6」という用語は、P4O6のあらゆる状態を包含する。しかし、学術的にいえば反応媒体の調製において固体種を使用できるが、40℃〜180℃の温度での反応に関与するP4O6は必然的に液体または気体であると想定される。
1〜6個のP-O-P結合を分子中に含むP-O成分は、P4O6またはその部分水和種によって代表され得る。P-O成分の好適な種の例としては、1個のP-O-P結合を含むピロ亜リン酸H4P2O5; 6個のP-O-P結合を含むP4O6; ならびに2個、3個、4個および5個のP-O-P結合をそれぞれ含むその部分水和種が挙げられる。部分水和P4O6は、2個、3個、4個または5個のP-O-P結合を含む加水分解生成物をもたらすことができる。便宜性および運用上の専門知識の理由から、P-O成分は好ましくは、非常に低レベルの不純物、特に元素リンP4を、100%であるP4O6に対して表される1000ppm未満、通常は500ppm未満、好ましくは200ppm以下のレベルで含む高純度のP4O6によって代表される。P-O成分は、例えば均一数のP-O-P結合を有する均一な成分で、またはP4O6の部分水和種において生じうるP-O-P結合の分布を有する混合物によって代表され得る。明らかに、そのような場合、P-O-Pの数はP-O-P結合の平均数を意味する。また、好適なP-O成分は、PCl3から出発して部分加水分解によって、またはPCl3および亜リン酸を反応させて、またはP4O6および亜リン酸を反応させて、またはP4O6の部分加水分解によって調製することができる。P-O成分は、分子中の少なくとも1個のP-O-P結合の存在に依存する、異なる試薬、例えばPCl3、亜リン酸、および水の混合物/組み合わせによって代表され得る。使用する水のレベルは、P4O6当たり4つのH2Oに限定される(モル換算で)。6個未満のP-O-P結合を有する成分でP-Oが代表される場合、水のレベルは、本明細書における方法で使用されるP-O成分に少なくとも1個のP-O-P結合が存在するように比例的に減少する。塩素を含有する出発原料、例えばPCl3、およびその組み合わせを使用する場合、塩素レベルは、100%であるP-O材料に対して表される1000ppm未満、通常は500ppm未満、好ましくは200ppm未満に維持すべきである。
式R-C(O)OR'を有する酸エステルは周知のクラスの材料であり、そのかなりの数の種が市販されているかまたは必要性に応じてルーチン的に利用可能となりうる。カルボン酸基Rは、1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を直鎖または分岐構成で含む。アルコールR'OHおよび酸エステルR-C(O)OR'中のR'基は、5〜20個の炭素原子、好ましくは5〜12個の炭素原子、特に5〜8個の炭素原子を有する分岐または直鎖構成のアルキル基によって代表される。アルコールおよび酸エステル中のR'は、独立して選択することができるが、好ましい態様では、アルコールおよび酸エステルの両方において同一のR'を使用する。
P-O分子中のP原子当たりのR-C(O)OR'の最小モル数は、P-Oの1モルを亜リン酸ジアルキルに完全に変換することを必要とし、したがって本発明の方法について、「z」は、下記式を用いて決定される:
z = 2n - m
式中、mはP-O分子中のP-O-P結合の数であり、nはその分子中のP原子の数である。
R'OHは、直鎖または分岐構造中にC5〜C20のアルキル基、好ましくは5〜12個の炭素原子、特に5〜8個の炭素原子を有するアルキル基を有するアルコールによって代表される。R'OHは、P-Oに対して少なくとも1:1〜6:1のR'OH:P-Oのモル比で使用する。1:1〜6:1のR'OH:P-O比は、P-O成分中のP-O-P結合の数に関連している。「少なくとも」という用語は、系に悪影響を与えることなく、R'OHのレベルを、例えば8:1に増加させることができることを意味する。任意の過剰のR'OHは、ルーチン的に系中にリサイクル可能であり、したがって本発明の方法の経済性に影響しない。
本発明に係る反応は、当技術分野においてルーチン的に知られている様式で行う。実験的な提示に示すように、必須の反応パートナーを組み合わせて、反応混合物を通常は45℃〜180℃、より好ましくは70℃〜150℃、特に90℃〜130℃の範囲の温度に加熱することによって、本方法を行うことができる。上限温度は、反応物、またはこれらの反応において形成される中間体の不適切な実質的分解を防ぐことを目的とする。反応パートナーの分解温度が圧力などのさらなる物理的パラメータ、ならびに反応混合物中の成分の質的および量的パラメータに応じて変動しうるということが理解されかつ周知である。
本発明の反応は、周囲圧力または減圧下で、および反応温度によっては蒸留下で行うことができ、これにより潜在的に過剰なアルコールおよびおそらく溶媒との共沸混合物として形成されたカルボン酸が排除される。反応の持続時間は、実質的に瞬間的な時間、例えば10分から、例えば10時間という長時間まで変動しうる。1つの方法構成では、P-O、アルコールおよびエステルを反応器に加えた後、この混合物を徐々に70〜150℃の温度に加熱する。この反応は、周囲圧力下、または減圧下で、蒸留を伴って行うことができる。
さらに別の操作順序では、反応を蒸留および圧力設定の組み合わせで行うことができる。具体的には、反応混合物を含む反応容器を、周囲圧力または減圧下、選択された反応温度に保持する。次に混合物を場合によっては連続的に、自己(オートクレーブ原理)圧力上昇下で操作される反応器を通じて循環させることにより、必要に応じてさらなる反応パートナーを徐々に加える。反応は加圧下で実質的に完了し、その後反応混合物は密閉容器から離れて反応器にリサイクルされ、そこで過剰のアルコールおよび形成されたカルボン酸の蒸留が起こる。
したがって反応は、初期反応物を自己圧力下、場合によっては減圧下、70℃〜150℃で加熱することによる、バッチプロセスとして行うことができる。
さらに別の設定では、反応を連続的に行い、一方で例えばP-Oとアルコールとの間の予備的反応をバッチ式に行うことができる半連続的構成によって、方法を表わすことができる。
必要であれば、亜リン酸ジアルキル反応生成物を、減圧蒸留を特に含む慣習的な手段によって反応生成物から回収することができる。
亜リン酸ジアルキルは、例えば作製が困難であることが知られていた化合物を有利に合成するための中間体として使用することができる。一例としては、2-ホスホノブチル-1,2,4-トリカルボン酸を亜リン酸ジアルキルから出発して以下のように作製することができる:
1: 亜リン酸ジメチルとマレイン酸メチルとを反応させ; 続いて
2: 1:により得られた系とアクリル酸メチルとをナトリウムメトキシドの存在下で反応させ; 続いて
3: 2:で形成されたエステル基を塩酸の存在下、水で加水分解する。
したがって、本発明の一つの局面では、本発明の方法に従って亜リン酸ジメチルを調製すること、および上記のように2-ホスホノブチル-1,2,4-トリカルボン酸にさらに変換することによる、2-ホスホノブチル-1,2,4-トリカルボン酸を調製するための方法が提供される。
本発明を以下の実施例によって、それにより本発明を制限することなくさらに示す。
実施例1
40℃で加熱したP4O6 22g (0.1モル)を、1-ペンタノール106g (1.2モル)に、攪拌下で25分かけて滴下した。反応混合物を40℃に維持している間、酢酸1-ペンチル52.56g (0.4モル)を加えた。乾燥トルエン60mlを反応混合物に加え、トルエンが豊富な液体を蒸留するために122〜135℃に到達するように加熱攪拌を適用した。乾燥トルエン60mlをさらに2回加えながら、この蒸留プロセスを2時間50分にわたって維持した。
粗反応混合物の31P NMR分析は、H3PO3 0.5%w/w (1.2モル%)、亜リン酸モノ1-ペンチル19.6%w/w (26.1モル%)、および亜リン酸ジ1-ペンチル79.8%w/w (72.6モル%)の存在を示した。
実施例2
40℃で加熱したP4O6 22g (0.1モル)を、1-ペンタノール106g (1.2モル)に、攪拌下で25分かけて滴下した。反応混合物を40〜50℃に維持している間、酢酸1-ペンチル52.56g (0.4モル)および1-ペンタノール10mlを加えた。次に乾燥トルエン60mlの画分を反応混合物に加え、トルエンが豊富な液体の蒸留を伴って120〜135℃の範囲の温度に到達するように加熱攪拌を適用した。45分間の蒸留後、乾燥トルエン60mlおよび酢酸1-ペンチル60mlを反応混合物に加え、加熱/蒸留プロセスをさらに続けた。次に乾燥トルエンの60ml画分をさらに4回加えながら、この蒸留プロセスを4時間30分にわたって維持した。
CDCl3中粗反応液の31P NMR分析は、H3PO3 0.6%w/w (1.5モル%)、亜リン酸モノ1-ペンチル19.6%w/w (26.0モル%)、および亜リン酸ジ1-ペンチル79.6%w/w (72.4モル%)の存在を示した。

Claims (14)

  1. 以下の工程を含む、1〜6個のP-O-P結合を分子中に含むP-O成分から出発する亜リン酸ジアルキルの製造のための方法:
    a) 少なくとも1:1〜6:1のR'OH:P-Oのモル比で表されるR'OHおよびP-Oの混合物であって、R'が5〜20個の炭素原子を有する分岐または直鎖構成のアルキル基より選択される、混合物と、
    下記式を有する酸エステルであって、
    R-C(O)OR'
    式中、R'が上記の意味を有し、Rが1〜6個の炭素原子を有するアルキル鎖を表し、それによって該方法に必要なP-O分子中のP原子当たりのR-C(O)OR'の最小モル数zがz = 2n - mにより決定され、式中、mがP-O分子中のP-O-P結合の数であり、かつnがその分子中のP原子の数である、酸エステルと
    を、R'OHにP-Oを酸エステルと同時にまたは別々に、40℃〜180℃の範囲の温度で10分間〜10時間、形成されるカルボン酸の同時蒸留下で加えることによって、反応させる工程。
  2. カルボン酸中のRが1〜4個の炭素原子を有する、請求項1記載の方法。
  3. P-O成分がP4O6で表わされる、請求項1または2記載の方法。
  4. P4O6が液体である、請求項3記載の方法。
  5. P-O成分が、R'OHおよび酸エステルを含む反応媒体に添加される、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
  6. P-Oが、100%であるP-O成分に対して表される1000ppm未満の元素リンP4を含む、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
  7. アルコールR'OHおよび酸エステル中のアルキル基が同一である、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
  8. R'OH:P-Oのモル比が1:1〜8:1の範囲である、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
  9. P-O成分が、P-O当たり4以下のH2Oのモルレベルで水を含む反応媒体に添加される、請求項1〜8のいずれか一項記載の方法。
  10. アルコールおよび酸エステル中のアルキル基R'が5〜12個の炭素原子を含む群より選択される、請求項1〜9のいずれか一項記載の方法。
  11. アルコール中のアルキル基R'が5〜8個の炭素原子を有する、請求項1〜10のいずれか一項記載の方法。
  12. 前記反応が、70℃〜150℃の温度で15分間〜6時間行われる、請求項1〜11のいずれか一項記載の方法。
  13. P-O成分が、PCl3から出発して調製され、かつP-O成分(100%)に対して表される400ppm未満の塩素を含む、請求項1〜12のいずれか一項記載の方法。
  14. R'がCH3である、前記方法であって、
    2-ホスホノブチル-1,2,4-トリカルボン酸を得るために、
    b) 工程a)で得られたリン酸ジメチルとマレイン酸メチルとを反応させる工程; 続いて
    c) 工程b)により得られた系とアクリル酸メチルとをナトリウムメトキシドの存在下で反応させる工程; 続いて
    d) 工程c)で形成されたエステル基を塩酸の存在下、水で加水分解する工程
    をさらに含む、請求項1〜13のいずれか一項記載の方法。
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