JP2007039357A - 有機ホスフィン酸ハライドの製造方法 - Google Patents

有機ホスフィン酸ハライドの製造方法 Download PDF

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大輔 間山
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Abstract

【課題】樹脂材料モノマーとして注目されている有機ホスフィン酸ハライドを作業性良く工業的に製造する方法を提供する。
【解決手段】 下記一般式(1)
【化1】
Figure 2007039357

(ただし、RおよびRは、炭素数1〜20の脂肪族基、脂環族基、芳香族基およびアルコキシ基からなる群から選択される炭化水素基を表わし、RおよびRは同一の基であっても異なる基であってもよい。またRおよびRは環状物を形成していてもよい。Xは塩素、臭素またはヨウ素を表わす)で示される有機ホスフィン酸ハライドの製造方法であって、
下記一般式(2)
【化2】
Figure 2007039357

(ただし、RおよびRは前記と同義)で示される有機ホスフィン化合物を含有する溶液に水を加え、次にハロゲンを作用させることを特徴とする有機ホスフィン酸ハライドの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学特性、透明性、耐熱性、低吸湿性、難燃性、電気的特性などに優れた樹脂材料モノマーとして注目されている、有機ホスフィン酸ハライドの製造方法に関するものである。
有機ホスフィンを原料とする有機ホスフィン酸ハライドの合成法としては、次の3つの方法が既に知られており、または容易に考えることができる。
第一の方法は、有機ホスフィンをハロゲンと反応させ、三価の有機ホスフィンハライドにし、続いて酸素を吹き込んで酸化し、当該化合物を得る方法であるが、酸素酸化の反応が思いの他遅く、工業的生産に向いているとは言いがたい。
第二の方法として、有機ホスフィンをヘキサクロロエタン、五塩化リン、塩化スルフリルなどと反応させて当該化合物を得る方法が知られている(例えば、非特許文献1を参照)。しかし、これらの方法は、有機ホスフィンから単一の工程で当該化合物を得る便利な方法であるものの、ヘキサクロロエタンではテトラクロロエチレン、五塩化リンではオキシ塩化リン、塩化スルフリルでは塩化チオニル、亜硫酸ガスという、厄介な副生物が多量に生成するため、工業生産に向いているとは言い難い。
第三の方法として、有機ホスフィンをハロゲンと反応させ、五価のホスホランにし、続いて水を加えて部分的に加水分解して当該化合物を得る方法が考えられる(例えば、非特許文献2を参照)。
Z. anorg. allg. Chem.、548巻、1987年、第55−62頁 Gennady M. Kosolapoff, "Organophosphorus Compounds"、1950年、第61−62頁
しかし、上記非特許文献2の方法では、明瞭なる技術的な困難性(obvious difficulties of technique)のために工業的スケールでの実施がままならないと記載されている。ここで、明瞭なる技術的な困難性としては、かつて有機ホスフィンを工業的に得る技術が確立されておらず原料の入手が困難であったことの他、中間体の五価のホスホラン型化合物に水を加え部分的に加水分解をする際の反応性が激烈であり、反応の制御が困難であるなど作業性が悪いことが挙げられる。上記非特許文献2に記載の方法では、あくまでも塩素化を先に行ない、五価のホスホラン化合物を中間体としなければならないという前提の上に立っている。なぜならば、塩素仕込み前に水が存在すると不完全な加水分解物が生成し、目的物をとても高収率では得られないという予断が同業者の間にはあったからである。その結果、反応に2工程を要し、また五価のホスホラン化合物を水と直接反応させるという激烈な反応工程を経なければならず、作業性は悪かった。
よって、有機ホスフィンを原料とし、反応を作業性良く工業的に行なうことのできる製造方法が求められていた。
本発明者らは、有機ホスフィン化合物を原料とし、有機ホスフィン酸ハライドを工業的に製造する方法について鋭意検討した結果、驚くべきことに、水を先に入れ、ここにハロゲンを仕込むことにより、温和に反応が進行し、作業性よく当該化合物を得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第一の発明は、下記一般式(1)
Figure 2007039357
(ただし、RおよびRは、炭素数1〜20の脂肪族基、脂環族基、芳香族基およびアルコキシ基からなる群から選択される炭化水素基を表わし、RおよびRは同一の基であっても異なる基であってもよい。またRおよびRは環状物を形成していてもよい。Xは塩素、臭素またはヨウ素を表わす)で示される有機ホスフィン酸ハライドの製造方法であって、
下記一般式(2)
Figure 2007039357
(ただし、RおよびRは前記と同義)で示される有機ホスフィン化合物を含有する溶液に水を加え、次にハロゲンを作用させることを特徴とする、有機ホスフィン酸ハライドの製造方法に関するものである。
本発明の第二の発明は、前記第一の発明のハロゲンを作用させた後にさらに水を加えることを特徴とする、有機ホスフィン酸ハライドの製造方法に関するものである。
前記第一の発明および第二の発明において使用する水の量は、原料の有機ホスフィン化合物1モルに対して0.5〜1.5倍モルであることが好ましい。また、使用するハロゲンの量は、原料の有機ホスフィン化合物1モルに対して2〜4倍モルであることが好ましい。
本発明により、光学特性、透明性、耐熱性、低吸湿性、難燃性、電気的特性などに優れた樹脂材料モノマーとして注目されている、有機ホスフィン酸ハライドを温和な条件で作業性良く工業的に製造することができる。
本発明は、下記一般式(1)
Figure 2007039357
(ただし、RおよびRは、炭素数1〜20の脂肪族基、脂環族基、芳香族基およびアルコキシ基からなる群から選択される炭化水素基を表わし、RおよびRは同一の基であっても異なる基であってもよい。またRおよびRは環状物を形成していてもよい。Xは塩素、臭素またはヨウ素を表わす)で示される有機ホスフィン酸ハライドの製造方法であって、
下記一般式(2)
Figure 2007039357
(ただし、RおよびRは前記と同義)で示される有機ホスフィン化合物を含有する溶液に水を加え、次にハロゲンを作用させることを特徴とするものであり、ハロゲン(X)が塩素の場合を反応式で表すと以下の通りである。
PH+HO+2Cl→RP(O)Cl+3HCl
本発明で原料として使用する前記一般式(2)で表される有機ホスフィン化合物において、RおよびRは、炭素数1〜20の脂肪族基、脂環族基、芳香族基およびアルコキシ基からなる群から選ばれた炭化水素基を示し、RおよびRは同一の基であっても異なる基であってもよい。炭素数1〜20の脂肪族基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、tert−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、イソデシル基、n−ドデシル基、イソドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、n−エイコシル基を挙げることができる。脂環族基としては、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基を挙げることができる。芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基を挙げることができるが、かかる芳香族基はアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン等の置換基を有していてもよい。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、t−ブトキシ基、フェニレン基を挙げることができる。
また、前記一般式(2)においてRおよびRが環状物を形成する場合は、下記一般式(3)および(4)で示される有機ホスフィン化合物が挙げられる。
Figure 2007039357
Figure 2007039357
前記一般式(3)において、Rはシクロアルキレン基を表す。シクロアルキレン基としては、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基、シクロノニレン基、シクロデカン基等を挙げることができる。Rは置換されてもよく、置換基としては、フェニル基、アルコキシ基、シアノ基等を挙げることができる。
また、前記一般式(4)において、Rはビシクロアルキレン基を表す。ビシクロアルキレン基としては、ビシクロブチレン基、ビシクロペンチレン基、ビシクロヘキシレン基、ビシクロヘプチレン基、ビシクロオクチレン基、ビシクロノニレン基、ビシクロデカン基等を挙げることができる。Rは置換されてもよく、置換基としては、フェニル基、アルコキシ基、シアノ基等を挙げることができる。
このような一般式(2)で示される有機ホスフィン化合物としては、例えば、ジノルボルニルホスフィン、ジメチルホスフィン、ジエチルホスフィン、ジ(n−プロピル)ホスフィン、ジイソプロピルホスフィン、ジ(n−ブチル)ホスフィン、ジ(tert−ブチル)ホスフィン、ジ(n−ヘキシル)ホスフィン、ジイソヘキシルホスフィン、ジ(n−オクチル)ホスフィン、ジイソオクチルホスフィン、ジ(n−デシル)ホスフィン、ジ(n−ドデシル)ホスフィン、ジ(n−テトラデシル)ホスフィン、ジ(n−ヘキサデシル)ホスフィン、ジ(n−オクタデシル)ホスフィン、ジシクロヘキシルホスフィン、ビス(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィン、メチルエチルホスフィン、メチルn−プロピルホスフィン、メチルn−ブチルホスフィン、メチルn−ヘキシルホスフィン、メチルn−オクチルホスフィン、メチルノルボルニルホスフィン、エチルn−ブチルホスフィン、エチルn−プロピルホスフィン、エチルn−オクチルホスフィン、エチルノルボルニルホスフィン、n−ブチルノルボルニルホスフィン、n−オクチルノルボルニルホスフィン、プロピレンホスフィン、ブチレンホスフィン、ペンタメチレンホスフィン、ヘキサメチレンホスフィン、9−ホスファビシクロ[3.3.1]ノナン、9−ホスファビシクロ[4.2.1]ノナン等を挙げることができる。
前記一般式(2)で示される有機ホスフィン化合物は、市販のものを用いることができ、または特開平1−113397号公報または特開2002−255983号公報に記載の方法に従い、オレフィンとホスフィンを触媒の存在下反応させることにより製造して用いることもできる。
前記一般式(2)で示される有機ホスフィン化合物は、単一の構造のものを用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、前記一般式(2)で示される有機ホスフィンが溶液で得られる場合は、そのまま用いることもできるし、溶媒を除去して用いることもできる。
本発明で使用する水は、通常の水道水を用いることもできるし、脱イオン水等精製したものを用いることもできる。
本発明で使用するハロゲンは、塩素、臭素、ヨウ素等の単体物であり、ガス状または液体のものを使用することができ、これらを溶媒に溶かして使用することもできる。
次に、本発明の製造方法について説明する。まず、反応容器を窒素ガス等の不活性ガスで置換した後、一般式(2)で示される有機ホスフィン化合物を反応装置に仕込む。有機ホスフィン化合物は酸化されやすいため、不活性ガス雰囲気下等で仕込みおよび以下の反応を行なう。反応装置は、攪拌装置、ガス置換装置および温度計測装置のついたものを用いる。
反応は、溶媒中でまたは無溶媒で行うことができる。使用することのできる溶媒としては、ヘキサン、トルエン、クロロホルム、ジオキサン、クロロベンゼンなど、原料であるハロゲンおよび有機ホスフィン化合物や生成する有機ホスフィン酸ハライドとの反応性が小さい溶媒を用いることができ、これらは一種又は二種以上を用いてもよい。また、前述の有機ホスフィンが溶液で得られる場合は、そのまま用いることもできる。
有機ホスフィン化合物を攪拌しながら、水を加える。この際に加える水の量は、原料の有機ホスフィン化合物1モルに対して0.5〜1.5倍モル、好ましくは0.8〜1.0倍モルが望ましい。水の量が1.5倍モルより多すぎると、目的生成物が加水分解されてしまうため、好ましくない。また、0.5倍モルより少ないと、目的物の酸化が完結しないため、好ましくない。なお、使用する水の量は、反応雰囲気中の水分の量を差し引いて算出する。また、後述するように反応が完結するために不足する水を後から追加することもできる。
有機ホスフィン化合物と水の混合物の温度を0〜90℃、好ましくは10〜60℃に調整する。有機ホスフィン化合物と水が十分攪拌されていることを確認し、ハロゲンを加える。有機ホスフィン化合物の種類によっては、ハロゲンを加えると発熱し反応液の温度が上がるため、ハロゲンの吹き込み速度を遅くする等して、反応液の温度が前記温度範囲内となるように調整することが好ましい。一方で、原料の有機ホスフィン化合物の種類によっては、反応が進行しづらいため、場合によっては反応温度を高めにする必要もある。
使用するハロゲンの量は、原料である有機ホスフィン化合物に対して2〜4倍モル、好ましくは3〜3.5倍モルである。ハロゲンの量が4倍モルより多いと、原料である有機ホスフィン化合物や生成物である有機ホスフィン酸ハライドの有機基がハロゲンにより虐待され、ハロゲン置換を起こすため、好ましくない。一方、ハロゲンの量が2倍モルより少ないと、反応中間体が生成物中に残存するため、好ましくない。
ハロゲンを加える際の温度は、原料の有機ホスフィン化合物の種類にもよるが、0〜90℃、好ましくは10〜60℃である。温度が90℃を超える場合は、原料の有機ホスフィン化合物によっては蒸気圧が高くなり、危険であるため好ましくない。また、反応温度が0℃未満である場合は、反応溶液中に含まれる水が凝固することから、好ましくない。有機ホスフィン化合物の種類によっては、反応速度が速く、ハロゲンの吹き込みとほぼ同時に反応が進行し、ハロゲンの吹き込みが終了した後の熟成が必要ないものもあるが、必要であれば熟成を行う。
反応液を分析し、水の量が不足しているために反応が完結していない場合には、水を追加して仕込むことができる。反応液に水を入れる際にはハロゲン化水素ガスが発生し激しく発泡するため、少量ずつ加えることが好ましい。また、できるだけ最初に必要量を仕込んで追加の水の量を少なくすることが作業性の面から好ましい。
反応終了後、蒸留または再結晶を行い、目的物である有機ホスフィン酸ハライドを得ることができる。
反応系内での反応の過程は明らかではないが、ハロゲン仕込み途中の過程においてはさまざまな中間体が存在することが判明している。中間体としては加水分解し過ぎたもの、ハロゲン化し過ぎたもの等であり、最終的にはこれらの加水分解し過ぎたものおよびハロゲン化し過ぎたものがお互い酸素原子とハロゲン原子を融通しあってすべてが最もエネルギー準位の低い当該化合物に落ち着くと考えられる。
本発明の方法で得られる有機ホスフィン酸ハライドは、前記一般式(1)で表され、例えば、ジノルボルニルホスフィン酸ブロミド、ジメチルホスフィン酸ブロミド、ジエチルホスフィン酸ブロミド、ジ(n−プロピル)ホスフィン酸ブロミド、ジイソプロピルホスフィン酸ブロミド、ジ(n−ブチル)ホスフィン酸ブロミド、ジ(tert−ブチル)ホスフィン酸ブロミド、ジ(n−ヘキシル)ホスフィン酸ブロミド、ジイソヘキシルホスフィン酸ブロミド、ジ(n−オクチル)ホスフィン酸ブロミド、ジイソオクチルホスフィン酸ブロミド、ジ(n−デシル)ホスフィン酸ブロミド、ジ(n−ドデシル)ホスフィン酸ブロミド、ジ(n−テトラデシル)ホスフィン酸ブロミド、ジ(n−ヘキサデシル)ホスフィン酸ブロミド、ジ(n−オクタデシル)ホスフィン酸ブロミド、ジシクロヘキシルホスフィン酸ブロミド、ビス(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィン酸ブロミド、メチルエチルホスフィン酸ブロミド、メチルn−プロピルホスフィン酸ブロミド、メチルn−ブチルホスフィン酸ブロミド、メチルn−ヘキシルホスフィン酸ブロミド、メチルn−オクチルホスフィン酸ブロミド、メチルノルボルニルホスフィン酸ブロミド、エチルn−ブチルホスフィン酸ブロミド、エチルn−プロピルホスフィン酸ブロミド、エチルn−オクチルホスフィン酸ブロミド、エチルノルボルニルホスフィン酸ブロミド、n−ブチルノルボルニルホスフィン酸ブロミド、n−オクチルノルボルニルホスフィン酸ブロミド、プロピレンホスフィン酸ブロミド、ブチレンホスフィン酸ブロミド、ペンタメチレンホスフィン酸ブロミド、ヘキサメチレンホスフィン酸ブロミド、9−ブロモ−9−オキソ−9−ホスファビシクロ[3.3.1]ノナン、9−ブロモ−9−オキソ−9−ホスファビシクロ[4.2.1]ノナン、
ジノルボルニルホスフィン酸クロリド、ジメチルホスフィン酸クロリド、ジエチルホスフィン酸クロリド、ジ(n−プロピル)ホスフィン酸クロリド、ジイソプロピルホスフィン酸クロリド、ジ(n−ブチル)ホスフィン酸クロリド、ジ(tert−ブチル)ホスフィン酸クロリド、ジ(n−ヘキシル)ホスフィン酸クロリド、ジイソヘキシルホスフィン酸クロリド、ジ(n−オクチル)ホスフィン酸クロリド、ジイソオクチルホスフィン酸クロリド、ジ(n−デシル)ホスフィン酸クロリド、ジ(n−ドデシル)ホスフィン酸クロリド、ジ(n−テトラデシル)ホスフィン酸クロリド、ジ(n−ヘキサデシル)ホスフィン酸クロリド、ジ(n−オクタデシル)ホスフィン酸クロリド、ジシクロヘキシルホスフィン酸クロリド、ビス(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィン酸クロリド、メチルエチルホスフィン酸クロリド、メチルn−プロピルホスフィン酸クロリド、メチルn−ブチルホスフィン酸クロリド、メチルn−ヘキシルホスフィン酸クロリド、メチルn−オクチルホスフィン酸クロリド、メチルノルボルニルホスフィン酸クロリド、エチルn−ブチルホスフィン酸クロリド、エチルn−プロピルホスフィン酸クロリド、エチルn−オクチルホスフィン酸クロリド、エチルノルボルニルホスフィン酸クロリド、n−ブチルノルボルニルホスフィン酸クロリド、n−オクチルノルボルニルホスフィン酸クロリド、プロピレンホスフィン酸クロリド、ブチレンホスフィン酸クロリド、ペンタメチレンホスフィン酸クロリド、ヘキサメチレンホスフィン酸クロリド、9−クロロ−9−オキソ−9−ホスファビシクロ[3.3.1]ノナン、9−クロロ−9−オキソ−9−ホスファビシクロ[4.2.1]ノナン、
ジノルボルニルホスフィン酸アイオダイド、ジメチルホスフィン酸アイオダイド、ジエチルホスフィン酸アイオダイド、ジ(n−プロピル)ホスフィン酸アイオダイド、ジイソプロピルホスフィン酸アイオダイド、ジ(n−ブチル)ホスフィン酸アイオダイド、ジ(tert−ブチル)ホスフィン酸アイオダイド、ジ(n−ヘキシル)ホスフィン酸アイオダイド、ジイソヘキシルホスフィン酸アイオダイド、ジ(n−オクチル)ホスフィン酸アイオダイド、ジイソオクチルホスフィン酸アイオダイド、ジ(n−デシル)ホスフィン酸アイオダイド、ジ(n−ドデシル)ホスフィン酸アイオダイド、ジ(n−テトラデシル)ホスフィン酸アイオダイド、ジ(n−ヘキサデシル)ホスフィン酸アイオダイド、ジ(n−オクタデシル)ホスフィン酸アイオダイド、ジシクロヘキシルホスフィン酸アイオダイド、ビス(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィン酸アイオダイド、メチルエチルホスフィン酸アイオダイド、メチルn−プロピルホスフィン酸アイオダイド、メチルn−ブチルホスフィン酸アイオダイド、メチルn−ヘキシルホスフィン酸アイオダイド、メチルn−オクチルホスフィン酸アイオダイド、メチルノルボルニルホスフィン酸アイオダイド、エチルn−ブチルホスフィン酸アイオダイド、エチルn−プロピルホスフィン酸アイオダイド、エチルn−オクチルホスフィン酸アイオダイド、エチルノルボルニルホスフィン酸アイオダイド、n−ブチルノルボルニルホスフィン酸アイオダイド、n−オクチルノルボルニルホスフィン酸アイオダイド、プロピレンホスフィン酸アイオダイド、ブチレンホスフィン酸アイオダイド、ペンタメチレンホスフィン酸アイオダイド、ヘキサメチレンホスフィン酸アイオダイド、9−ヨード−9−オキソ−9−ホスファビシクロ[3.3.1]ノナン、9−ヨード−9−オキソ−9−ホスファビシクロ[4.2.1]ノナン等を挙げることができる。
本発明の方法は、反応を単一工程(ワンポット)で行える点および作業性の面で従来の製造方法より優れる。後に比較例として述べるが、従来の方法では、ハロゲン(X)が塩素の場合を反応式で表すと以下の通りである。
第一工程:RPH+Cl→RPCl+HCl
第二工程:RPCl+HO→RP(O)Cl+2HCl
上記反応式で表されるように、反応に2工程を要し、中間体として生成する五価のホスホランの溶解性が悪く、溶媒置換を必要とすることがある。また、水仕込み時のハロゲン化水素ガス発生による発泡が激烈であり、その結果反応容器の内圧が高まり、水を仕込む際に細心の注意を必要とする。一方、本件特許発明の方法では、単一工程で製造することができ、反応中で多くのリン成分が溶解性の良い部分的加水分解物として存在するため溶解性の悪い五価のホスホランが主成分となることがなく、溶媒置換の必要がない。また、ハロゲン化水素ガスの発生に関しては、従来例のように水を仕込む際に発生量の半量がいっぺんに発泡するのではなく、ハロゲン仕込み時の全時間を通じて比較的平均的に発生することから、従来例の場合ほどの注意を要せずとも反応を行なうことができる。
本発明の好ましい実施態様を、以下の実施例により説明する。
(実施例1:ジノルボルニルホスフィン酸クロリドの合成)
3L四つ口フラスコに機械攪拌機、塩素仕込み口、温度計および排気口を備え付けて反応容器とした。反応容器内を窒素置換した後、反応容器にジノルボルニルホスフィン116.6g(525mM、1eq)を仕込み、クロロベンゼン250mLで希釈し、次いで水9.0g(500mM、0.95eq)を仕込んだ。排気は苛性ソーダ水溶液を通した。反応容器を氷冷しながら、窒素気流下で塩素102.6g(1447mM、2.76eq)を仕込んだ。仕込み中、反応容器内の温度は上がっていき、仕込み終了時の温度は29±1℃であった。
溶媒除去後、濃縮物にヘキサン100mLを入れて振り混ぜ、結晶化させた。沈殿をろ取、乾燥し、ジノルボルニルホスフィン酸クロリドを無色結晶として95.1g(349mM)得た。得られた化合物の融点は110℃であり、収率は66.5%であり、31P−NMRは79.2ppm、GC−MSはM=272,274(37Clに基づく同位体ピーク)であった。
(比較例1:ジノルボルニルホスフィン酸クロリドの合成)
実施例1と同様の反応容器を用い、反応容器に116.6g(525mM、1eq)およびクロロベンゼン250mLを入れ、反応容器を氷冷しながら塩素102.6gを仕込んだ。排気は生成する塩素ガスを苛性ソーダ水溶液にてトラップした後に行った。仕込み中、発熱量が大きく、反応容器内の温度が0〜30℃になるように制御が必要であった。氷冷下で水を滴下した。発熱量は非常に大きく、また激しく発泡した。水を合計で9g仕込み、反応、濃縮、蒸留してジノルボルニルホスフィン酸クロリドを得た。
上記結果から明らかなように、必要な水の全量を後から添加する比較例1は、発熱量が大きく、反応の制御が容易ではないことから、このような手法によりジノルボルニルホスフィン酸クロリドを安定な状態で工業的に生産することは不可能である。これに対し、本発明による実施例1は、反応を単一工程で行えるというメリットがある上に、反応も温和に進行するので、ジノルボルニルホスフィン酸クロリドの工業的生産に適していると言える。
(実施例2:9−クロロ−9−オキソ−9−ホスファビシクロ[3.3.1]ノナンおよび9−クロロ−9−オキソ−9−ホスファビシクロ[4.2.1]ノナン混合物の合成)
100mL四つ口フラスコに機械攪拌棒、塩素仕込み口、温度計および排気口を備え付けて反応容器とした。窒素気流下、ホスファビシクロノナン−トルエン溶液(含量32.2%)を44.65g(101mM)、水2.79g(155mM)を仕込んだ。排気は生成する塩酸ガスを苛性ソーダ水溶液にてトラップした後に行なった。攪拌し、温度を40〜60℃に保ちながら、塩素17.2g(243mM)を3時間46分かけて仕込んだ。その後60℃で4時間15分攪拌熟成した。この反応を式で表すと以下の通りである。
Figure 2007039357
この反応液の31P−NMR結果は、ホスフィン酸クロリド([3.3.1]異性体;74.7ppm、[4.2.1]異性体;91.6ppm)であった。反応液を濃縮後、ヘキサンで再結晶精製し、ホスフィン酸クロリドを無色粉末として得た。収量16.29g(84.6mM)、収率83.8%。GC−MS;M=192,194。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 2007039357
    (ただし、RおよびRは、炭素数1〜20の脂肪族基、脂環族基、芳香族基およびアルコキシ基からなる群から選択される炭化水素基を表わし、RおよびRは同一の基であっても異なる基であってもよい。またRおよびRは環状物を形成していてもよい。Xは塩素、臭素またはヨウ素を表わす)で示される有機ホスフィン酸ハライドの製造方法であって、
    下記一般式(2)
    Figure 2007039357
    (ただし、RおよびRは前記と同義)で示される有機ホスフィン化合物を含有する溶液に水を加え、次にハロゲンを作用させることを特徴とする有機ホスフィン酸ハライドの製造方法。
  2. ハロゲンを作用させた後にさらに水を加えることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. ハロゲンを作用させる前に加える水の量が、原料の有機ホスフィン化合物1モルに対して0.5〜1.5倍モルであることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 使用するハロゲンの量が、原料の有機ホスフィン1モルに対して2〜4倍モルである請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
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