JP2007039357A - 有機ホスフィン酸ハライドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 下記一般式(1)
【化1】
(ただし、R1およびR2は、炭素数1〜20の脂肪族基、脂環族基、芳香族基およびアルコキシ基からなる群から選択される炭化水素基を表わし、R1およびR2は同一の基であっても異なる基であってもよい。またR1およびR2は環状物を形成していてもよい。Xは塩素、臭素またはヨウ素を表わす)で示される有機ホスフィン酸ハライドの製造方法であって、
下記一般式(2)
【化2】
(ただし、R1およびR2は前記と同義)で示される有機ホスフィン化合物を含有する溶液に水を加え、次にハロゲンを作用させることを特徴とする有機ホスフィン酸ハライドの製造方法。
【選択図】なし
Description
第一の方法は、有機ホスフィンをハロゲンと反応させ、三価の有機ホスフィンハライドにし、続いて酸素を吹き込んで酸化し、当該化合物を得る方法であるが、酸素酸化の反応が思いの他遅く、工業的生産に向いているとは言いがたい。
よって、有機ホスフィンを原料とし、反応を作業性良く工業的に行なうことのできる製造方法が求められていた。
下記一般式(2)
本発明の第二の発明は、前記第一の発明のハロゲンを作用させた後にさらに水を加えることを特徴とする、有機ホスフィン酸ハライドの製造方法に関するものである。
前記第一の発明および第二の発明において使用する水の量は、原料の有機ホスフィン化合物1モルに対して0.5〜1.5倍モルであることが好ましい。また、使用するハロゲンの量は、原料の有機ホスフィン化合物1モルに対して2〜4倍モルであることが好ましい。
下記一般式(2)
R1R2PH+H2O+2Cl2→R1R2P(O)Cl+3HCl
また、前記一般式(4)において、R4はビシクロアルキレン基を表す。ビシクロアルキレン基としては、ビシクロブチレン基、ビシクロペンチレン基、ビシクロヘキシレン基、ビシクロヘプチレン基、ビシクロオクチレン基、ビシクロノニレン基、ビシクロデカン基等を挙げることができる。R4は置換されてもよく、置換基としては、フェニル基、アルコキシ基、シアノ基等を挙げることができる。
前記一般式(2)で示される有機ホスフィン化合物は、単一の構造のものを用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、前記一般式(2)で示される有機ホスフィンが溶液で得られる場合は、そのまま用いることもできるし、溶媒を除去して用いることもできる。
有機ホスフィン化合物と水の混合物の温度を0〜90℃、好ましくは10〜60℃に調整する。有機ホスフィン化合物と水が十分攪拌されていることを確認し、ハロゲンを加える。有機ホスフィン化合物の種類によっては、ハロゲンを加えると発熱し反応液の温度が上がるため、ハロゲンの吹き込み速度を遅くする等して、反応液の温度が前記温度範囲内となるように調整することが好ましい。一方で、原料の有機ホスフィン化合物の種類によっては、反応が進行しづらいため、場合によっては反応温度を高めにする必要もある。
ハロゲンを加える際の温度は、原料の有機ホスフィン化合物の種類にもよるが、0〜90℃、好ましくは10〜60℃である。温度が90℃を超える場合は、原料の有機ホスフィン化合物によっては蒸気圧が高くなり、危険であるため好ましくない。また、反応温度が0℃未満である場合は、反応溶液中に含まれる水が凝固することから、好ましくない。有機ホスフィン化合物の種類によっては、反応速度が速く、ハロゲンの吹き込みとほぼ同時に反応が進行し、ハロゲンの吹き込みが終了した後の熟成が必要ないものもあるが、必要であれば熟成を行う。
反応液を分析し、水の量が不足しているために反応が完結していない場合には、水を追加して仕込むことができる。反応液に水を入れる際にはハロゲン化水素ガスが発生し激しく発泡するため、少量ずつ加えることが好ましい。また、できるだけ最初に必要量を仕込んで追加の水の量を少なくすることが作業性の面から好ましい。
反応終了後、蒸留または再結晶を行い、目的物である有機ホスフィン酸ハライドを得ることができる。
第一工程:R1R2PH+Cl→R1R2PCl3+HCl
第二工程:R1R2PCl3+H2O→R1R2P(O)Cl+2HCl
上記反応式で表されるように、反応に2工程を要し、中間体として生成する五価のホスホランの溶解性が悪く、溶媒置換を必要とすることがある。また、水仕込み時のハロゲン化水素ガス発生による発泡が激烈であり、その結果反応容器の内圧が高まり、水を仕込む際に細心の注意を必要とする。一方、本件特許発明の方法では、単一工程で製造することができ、反応中で多くのリン成分が溶解性の良い部分的加水分解物として存在するため溶解性の悪い五価のホスホランが主成分となることがなく、溶媒置換の必要がない。また、ハロゲン化水素ガスの発生に関しては、従来例のように水を仕込む際に発生量の半量がいっぺんに発泡するのではなく、ハロゲン仕込み時の全時間を通じて比較的平均的に発生することから、従来例の場合ほどの注意を要せずとも反応を行なうことができる。
3L四つ口フラスコに機械攪拌機、塩素仕込み口、温度計および排気口を備え付けて反応容器とした。反応容器内を窒素置換した後、反応容器にジノルボルニルホスフィン116.6g(525mM、1eq)を仕込み、クロロベンゼン250mLで希釈し、次いで水9.0g(500mM、0.95eq)を仕込んだ。排気は苛性ソーダ水溶液を通した。反応容器を氷冷しながら、窒素気流下で塩素102.6g(1447mM、2.76eq)を仕込んだ。仕込み中、反応容器内の温度は上がっていき、仕込み終了時の温度は29±1℃であった。
溶媒除去後、濃縮物にヘキサン100mLを入れて振り混ぜ、結晶化させた。沈殿をろ取、乾燥し、ジノルボルニルホスフィン酸クロリドを無色結晶として95.1g(349mM)得た。得られた化合物の融点は110℃であり、収率は66.5%であり、31P−NMRは79.2ppm、GC−MSはM+=272,274(37Clに基づく同位体ピーク)であった。
実施例1と同様の反応容器を用い、反応容器に116.6g(525mM、1eq)およびクロロベンゼン250mLを入れ、反応容器を氷冷しながら塩素102.6gを仕込んだ。排気は生成する塩素ガスを苛性ソーダ水溶液にてトラップした後に行った。仕込み中、発熱量が大きく、反応容器内の温度が0〜30℃になるように制御が必要であった。氷冷下で水を滴下した。発熱量は非常に大きく、また激しく発泡した。水を合計で9g仕込み、反応、濃縮、蒸留してジノルボルニルホスフィン酸クロリドを得た。
100mL四つ口フラスコに機械攪拌棒、塩素仕込み口、温度計および排気口を備え付けて反応容器とした。窒素気流下、ホスファビシクロノナン−トルエン溶液(含量32.2%)を44.65g(101mM)、水2.79g(155mM)を仕込んだ。排気は生成する塩酸ガスを苛性ソーダ水溶液にてトラップした後に行なった。攪拌し、温度を40〜60℃に保ちながら、塩素17.2g(243mM)を3時間46分かけて仕込んだ。その後60℃で4時間15分攪拌熟成した。この反応を式で表すと以下の通りである。
Claims (4)
- ハロゲンを作用させた後にさらに水を加えることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- ハロゲンを作用させる前に加える水の量が、原料の有機ホスフィン化合物1モルに対して0.5〜1.5倍モルであることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
- 使用するハロゲンの量が、原料の有機ホスフィン1モルに対して2〜4倍モルである請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
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JP2005223809A JP2007039357A (ja) | 2005-08-02 | 2005-08-02 | 有機ホスフィン酸ハライドの製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011162485A (ja) * | 2010-02-10 | 2011-08-25 | National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology | 光学活性リン化合物の製造方法 |
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JPS5379830A (en) * | 1976-12-23 | 1978-07-14 | Sumitomo Chem Co Ltd | Praparation of 2,6-dichloro-4-methylphenol |
JPS63141990A (ja) * | 1986-11-26 | 1988-06-14 | ヘキスト・アクチエンゲゼルシヤフト | 新規異性体混合物およびその製法 |
JPH09176175A (ja) * | 1995-12-28 | 1997-07-08 | Nissan Chem Ind Ltd | アリールホスホニックジクロリド及びジアリールホスフィニッククロリドの製造方法 |
-
2005
- 2005-08-02 JP JP2005223809A patent/JP2007039357A/ja active Pending
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