JP2012521417A - アデフォビルジピボキシルの新規結晶形及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【選択図】図2
Description
アデフォビルジピボキシルの化学構造は下記式(1)で示される。
本発明の一実施様態においては、良溶媒としてアセトンをアデフォビルジピボキシルを溶解する最小量である、アデフォビルジピボキシルの重量に対して2〜7倍の重量、好ましくは4〜6倍の重量で使用する。10〜40℃、好ましくは20〜30℃の温度でアデフォビルジピボキシルを溶解した後、前記溶液にアデフォビルジピボキシルを結晶化する溶媒として水を添加する。水の量はアデフォビルジピボキシルの重量に対して20〜40倍重量、好ましくは25〜30倍重量である。結晶化溶媒を加えて結晶を形成し、結晶核の形成と成長を助けるために、得られた混合物を0〜30℃、好ましくは5〜25℃の温度に保持しながら、4〜30時間、好ましくは5〜20時間撹拌する。混合物をろ過し、回収した結晶を35℃又はそれ以下の温度で減圧下乾燥すると、アデフォビルジピボキシル結晶形Aが得られる。乾燥後、結晶形Aが、カールフィッシャー(Karl Fisher)滴定により水分含量が6.5%〜7.1%であることを確認する。撹拌温度が高いと、収率が低下する。従って、撹拌温度及び撹拌時間は、所望の高収率、高純度のアデフォビルジピボキシル結晶形Aを得るのに重要な影響を与える。
アデフォビルジピボキシルの結晶形は、n−ヘプタン、シクロヘキサンのような結晶化溶媒を、クロロホルム、酢酸エチル、アセトニトリルまたはイソプロピルアルコールのような良溶媒中のアデフォビルジピボキシル溶液と混合することによって製造できる。
本発明の別の実施様態においては、アデフォビルジピボキシル結晶形Aを製造して、ろ過する。回収した結晶を35〜45℃で減圧下乾燥すると、アデフォビルジピボキシル結晶形Bが得られる。乾燥後のカールフィッシャー滴定による水分含量は0.01%〜0.5%である。
本発明の別の実施様態においては、良溶媒である酢酸メチルまたはアセトニトリルをアデフォビルジピボキシルの重量に対して、3〜40倍、好ましくは3〜15倍重量の量で10〜40℃、好ましくは20〜30℃で使用して、アデフォビルジピボキシルを溶解する。同温度で減圧下、使用した良溶媒を蒸発して除去すると、アデフォビルジピボキシル結晶形Eが得られる。
特許文献6の実施例9によって製造したアデフォビルジピボキシル(0.3g)及び1−メチルピロリジノン(1.00g)を1:3.33の重量比で混合して、30℃でアデフォビルジピボキシルを完全に溶解した。この溶液に、予め25℃に制御された水を結晶が形成するまで加えた。加えた水の量は5.00gであった。5℃に制御された冷却装置を使用して溶液を冷却した。このように冷却した溶液を約4.5時間撹拌して、スラリーをろ過して結晶を分離した。ろ過して得た結晶を水で洗浄して、再びろ過した。結晶を25℃〜30℃で減圧下乾燥して、結晶形A( 0.3g、回収率:93%)を得た(カールフィッシャー滴定による水分含量:6.7%)。
特許文献6の実施例9によって製造したアデフォビルジピボキシル(0.3g)及びエタノール(3.31g)を1:11.03の重量比で混合したことを除いては、実施例1と同様にして、結晶形A (0.31g、回収率:96%)を得た(カールフィッシャー滴定による水分含量:7.1%)。
特許文献6の実施例9によって製造したアデフォビルジピボキシル(3.94kg)とアセトン(14.15kg)を1:3.59の重量比で混合して、30℃でアデフォビルジピボキシルを完全に溶解した。この溶液に、予め25℃に制御された水(141.5kg)を加えて、混合物を20℃〜25℃で約10時間撹拌した。ろ過して結晶を分離し、水で洗浄した。結晶を25℃〜30℃で減圧下乾燥して、結晶形A(3.83kg、回収率:91%)を得た(カールフィッシャー滴定による水分含量:6.9%)。
特許文献6の実施例9によって製造したアデフォビルジピボキシル(0.301g)及びアセトン(1.30g)を1:4.32の重量比で混合して、30℃でアデフォビルジピボキシルを完全に溶解した。この溶液に、水をアセトン溶媒の2倍の量、即ち、2.60g加えた。混合物を6.4℃で約17時間保持して結晶の成長を誘導した。結晶をろ過して分離し、25℃〜30℃で24時間減圧下乾燥して、結晶形C(0.29g、回収率:90%)を得た(カールフィッシャー滴定による水分含量:6.5%)。
特許文献6の実施例9によって製造したアデフォビルジピボキシル(1.00g)及びクロロホルム(3g)を1:3.00の重量比で混合し、45℃で完全に溶解した。得られた溶液を25℃に冷却し、そこに予め25℃に制御されたn−ヘプタン(2.7g)を加えた。0℃に制御された冷却装置を使用して混合物を冷却し、約5時間撹拌した。ろ過して結晶を分離し、n−ヘプタンで洗浄した。結晶を25℃〜30℃で24時間減圧下乾燥して、結晶形D( 0.89g、回収率:89%)を得た。
特許文献6の実施例9によって製造したアデフォビルジピボキシル(3.8g)及び酢酸エチル(2.7g)を1:0.71の重量比で混合して、30℃でアデフォビルジピボキシルを完全に溶解して、高濃度の溶液を製造した。得られた溶液を、0℃に保持しているn−ヘプタン(82g)に加えて、混合物を約6時間保持して結晶化した。このようにして形成した結晶をろ過して分離し、n−ヘプタンで洗浄し、再びろ過した。結晶を25℃〜30℃で24時間減圧下乾燥して、結晶形D(3.7g、回収率:97%)を得た。
特許文献6の実施例9によって製造したアデフォビルジピボキシル(0.2g)及び酢酸メチル(2.8g)を1:14の重量比で混合して、25℃でアデフォビルジピボキシル完全に溶解した。得られた溶液から同温度で溶媒を減圧下蒸発した。その結果、特許文献5に記載された結晶形1に比べて2θ=3.4゜のピークをさらに有している結晶形E(0.18g、回収率:90%)を得た。
特許文献6の実施例9によって製造したアデフォビルジピボキシル(0.2g)及びアセトニトリル(0.8g)を1:4の重量比で混合したことを除いては、実施例7と同様にした。その結果、特許文献5に記載された結晶形1に比べて、2θ=3.4゜のピークをさらに有している結晶形E(0.18g、回収率:90%)を得た。
特許文献6の実施例9によって製造したアデフォビルジピボキシル(0.5016g)及びイソプロピルアルコール(6.11g)を1:12.2の重量比で混合して、30℃でアデフォビルジピボキシルを完全に溶解した。この溶液に、シクロヘキサンをイソプロピルアルコール溶媒の約2倍の量、即ち、12.83g加えた。次いで、混合物を6.4℃で約20時間撹拌して、結晶の成長を誘導した。ろ過して結晶を分離し、シクロヘキサンで洗浄し、再びろ過し、結晶を25℃〜30℃で24時間減圧下乾燥して、特許文献5に記載された結晶形1に比べて、2θ=5.6゜のピークをさらに有している結晶形F(0.45g、回収率:90%)を得た。
特許文献6の実施例9によって製造したアデフォビルジピボキシル(0.50g)及びクロロホルム(1.50g)を1:3の重量比で混合して、30℃でアデフォビルジピボキシルを完全に溶解した。この溶液に、予め同温度に制御されたn−ヘキサン(3.03g)を加えた。次に、混合物を約4時間撹拌し、吸引装置を利用してろ過して結晶を分離し、25℃〜30℃で24時間乾燥して、特許文献5に記載された結晶形1に比べて、2θ=11.8゜のピークが欠如している結晶形G(0.42g、回収率:84%)を得た。
実施例3と同じ手順により製造し、ろ過して、回収したアデフォビルジピボキシル結晶形A(3.83kg)を35〜45℃で減圧下乾燥して、アデフォビルジピボキシル結晶形B(3.54kg、回収率:99%)を得た(カールフィッシャー滴定による水分含量:0.2%)。
実施例で製造したアデフォビルジピボキシルをX線回折分析装置[機器名:M18XHF−SRA(Mac Science 社製、日本)及びPowder XRD(Bruker AXS社製、ドイツ)]で測定した。その結果を図2、3、4、5、6、7及び8に示した。
実施例3及び11で製造したアデフォビルジピボキシルの結晶形を示差走査熱量計[機器名:DSC822e、Mettler Toledo 社製]で測定した。その結果をそれぞれ図9及び10に示した。
実施例3で製造した結晶形Aを0.1〜1.0Torrの真空条件下に多種の乾燥温度及び乾燥時間で処理して、得られた結晶形の変換結果を表1に示す。
本発明の実施例3及び11の新規結晶形A及びBと、アデフォビルジピボキシル標準品(純度99.5%、50mg)を精密に計量し、50mL容量フラスコに入れ、希釈液に溶解した。標線に仕上げた後、それぞれ試料液と標準液として使用した。下記条件で分析し、新規結晶形A、Bの含量及び形成されたアデフォビルジピボキシルの分解産物の量をピーク面積により計算した。5℃及び加速条件下で6カ月かけて新規な結晶形の含量と分解産物の量の変化を測定した。その結果を下記表2と表3に示す。
使用機器:Waters HPLC model 2695
カラム:Allech Mixed Mode Anion exchange C8、7μm 100A poresize、250mm×4.6mm
分析条件:
移動相混合状態を下記のように実施した:
19分間、移動相Aを100%から0%に、移動相Bを0%から100%に変化させた。
36分まで、移動相B100%で溶出した後、46分まで、溶出を移動相A0%から100%に変化させた。
移動相A:緩衝液/アセトニトリル(70:30、v/v)
移動相B:緩衝液/アセトニトリル(50:50、v/v)
緩衝液:K2HPO4(9.2g)とKH2PO4(47.2g)を精製水(2L)に溶解した
希釈液:KH2PO(3.4g)を精製水(1L)に溶解してpH3.0に調節した
検出波長:260nm
流速:1.2mL/min
本発明の実施例11で製造した新規結晶形Bと特許文献7の実施例1で製造した結晶形Iを原料として用い、特許文献8の実施例1に開示された技術によって、それぞれの製剤を製造した。0.01NのHCl溶液、pH1.2の緩衝液(NaCl(20g)+37%のHCl(68〜70mL)+蒸留水(9L))、pH4.0の緩衝液(酢酸ナトリウム(7.38g)+酢酸(25mL)+蒸留水(9L))、pH6.0の緩衝液(KH2PO4(68g)+NaOH+蒸留水(10L))及びpH7の蒸留水での溶出率を比較した。試験はそれぞれ3回繰り返して、平均値を表4に示す。
Claims (26)
- 粉末XRDパターンが、2θ=12.9、25.9及び28.1に特性ピークを示す、アデフォビルジピボキシルの結晶形A。
- 粉末XRDパターンが、2θ=4.4、8.7、12.9、17.2、19.8、21.6、25.9、28.1及び30.38±0.3゜に特性ピークを示す、請求項1に記載のアデフォビルジピボキシルの結晶形A。
- (a)アデフォビルジピボキシルを、アデフォビルジピボキシルの重量に対して2〜7倍重量の良溶媒であるアセトンに溶解し、この溶液にアデフォビルジピボキシルの重量に対して20〜40倍重量の水を結晶化溶媒として加えて、こうして得られた結晶を回収する、又は
(b)アデフォビルジピボキシルをアデフォビルジピボキシルの重量に対して2〜5倍重量の良溶媒である1−メチルピロリジノン、又はアデフォビルジピボキシルの重量に対して5〜15倍重量の良溶媒であるエタノールに溶解し、この溶液にアデフォビルジピボキシルの重量に対して10〜30倍重量の水を結晶化溶媒として加えて、こうして得られた結晶を回収する、ことを特徴とする、請求項1に記載のアデフォビルジピボキシルの結晶形Aを製造する方法。 - 結晶化溶媒を加える工程の温度を、方法(a)では0〜30℃に、方法(b)では0〜10℃に保持することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
- 回収された結晶を、方法(a)では35℃又はそれ以下で、方法(b)では30℃又はそれ以下で乾燥することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
- 粉末XRDパターンが、2θ=7.3、16.3、17.2及び22.2に特性ピークを示すことを特徴とする、アデフォビルジピボキシルの結晶形B。
- 粉末XRDパターンが、2θ=6.4、7.3、8.6、9.7、12.6、13.5、16.3、17.2、19.5、20.8、22.2及び26.0±0.3゜に特性ピークを示す、請求項6に記載のアデフォビルジピボキシルの結晶形B。
- 請求項3に記載の方法によって回収されたアデフォビルジピボキシルの結晶形Aを、35〜45℃の温度で乾燥することを特徴とする、請求項6に記載のアデフォビルジピボキシルの結晶形Bを製造する方法。
- 粉末XRDパターンが、2θ=8.1、8.8、9.5、24.5、25.3及び32.9に特性ピークを示す、アデフォビルジピボキシルの結晶形C。
- 粉末XRDパターンが、2θ=8.1、8.8、9.5、15.4、17.2、17.6、19.7、21.8、24.5、25.3、26.8、28.9及び32.9±0.3゜に特性ピークを示す、請求項9に記載のアデフォビルジピボキシルの結晶形C。
- アデフォビルジピボキシルを、アデフォビルジピボキシルの重量に対して2〜7倍重量の良溶媒であるアセトンに溶解し、この溶液にアデフォビルジピボキシルの重量に対して7〜13倍重量の水を結晶化溶媒として加えて、こうして得られた結晶を回収することを特徴とする、請求項9に記載のアデフォビルジピボキシルの結晶形Cを製造する方法。
- 水を加えた後、撹拌することなく、0〜10℃の一定の冷却温度を5〜30時間保持して結晶の成長を誘導する、請求項11に記載の方法。
- 粉末XRDパターンが、2θ=3.8及び13.0に特性ピークを示す、アデフォビルジピボキシルの結晶形D。
- 粉末XRDパターンが、2θ=3.8、7.2、10.4、12.4、13.0、15.9、17.5、21.0及び23.3±0.3゜に特性ピークを示す、請求項13に記載のアデフォビルジピボキシルの結晶形D。
- (a)アデフォビルジピボキシルを、アデフォビルジピボキシルの重量に対して1〜5倍重量の良溶媒であるクロロホルムに溶解し、この溶液にアデフォビルジピボキシルの重量に対して1〜5倍重量のn−ヘプタンを結晶化溶媒として加えて、こうして得られた結晶を回収する、又は
(b)アデフォビルジピボキシルを、アデフォビルジピボキシルの重量に対して0.5〜2倍重量の良溶媒である酢酸エチルに溶解し、この溶液をアデフォビルジピボキシルの重量に対して10〜100倍重量の結晶化溶媒であるn−ヘプタンに加えて、こうして得られた結晶を回収する、ことを特徴とする、請求項13に記載のアデフォビルジピボキシルの結晶形Dを製造する方法。 - 工程(a)が、結晶化溶媒を加えた後、混合物を−10〜30℃の温度で4〜20時間撹拌する工程を更に含有している、請求項15に記載の方法。
- 工程(b)が、結晶化溶媒を加えた後、混合物を−20〜20℃の温度で4〜20時間撹拌する工程を更に含有している、請求項15に記載の方法。
- 粉末XRDパターンが、2θ=3.4に特性ピークを示す、アデフォビルジピボキシルの結晶形E。
- 粉末XRDパターンが、2θ=3.4、6.9、11.8、12.7、15.7、17.2、20.7、21.5、22.5及び23.3±0.3゜に特性ピークを示す、請求項18に記載のアデフォビルジピボキシルの結晶形E。
- アデフォビルジピボキシルをアデフォビルジピボキシルの重量に対して3〜40倍重量の良溶媒である酢酸メチル又はアセトニトリルに10〜40℃で溶解し、同温度で減圧下に良溶媒を蒸発することを特徴とする、請求項18に記載のアデフォビルジピボキシルの結晶形Eを製造する方法。
- 粉末XRDパターンが、2θ=5.6に特性ピークを示す、アデフォビルジピボキシルの結晶形F。
- 粉末XRDパターンが、2θ=5.6、6.9、11.8、12.7、15.7、17.2、20.7、21.5、22.5及び23.3±0.2゜に特性ピークを示す、請求項21に記載のアデフォビルジピボキシルの結晶形F。
- アデフォビルジピボキシルを、アデフォビルジピボキシの重量に対して5〜20倍重量の良溶媒であるイソプロピルアルコールに溶解し、この溶液にアデフォビルジピボキシルの重量に対して10〜40倍重量のシクロヘキサンを結晶化溶媒として加えて、こうして得られた結晶を回収することを特徴とする、請求項21に記載のアデフォビルジピボキシルの結晶形Fを製造する方法。
- 結晶化溶媒を加えた後、混合物を−20〜20℃の温度で10〜40時間撹拌する工程を更に含有している、請求項23に記載の方法。
- 粉末XRDパターンが、2θ=6.9、12.7、15.7、17.2、20.7、21.5、22.5及び23.3±0.2゜に特性ピークを示す、アデフォビルジピボキシルの結晶形G。
- アデフォビルジピボキシルを、アデフォビルジピボキシルの重量に対して1〜5倍重量の良溶媒であるクロロホルムに溶解し、この溶液にアデフォビルジピボキシルの重量に対して5〜30倍重量のn−ヘキサンを結晶化溶媒として加えて、こうして得られた結晶を回収することを特徴とする、請求項25に記載のアデフォビルジピボキシルの結晶形Gを製造する方法。
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