JP2012520823A - 窒化ホウ素粉末の調製のための方法 - Google Patents

窒化ホウ素粉末の調製のための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、良好な粘結性、熱伝導率および誘電特性を示す、コンタミネーションの程度が低い窒化ホウ素粉末、特に微粉末、の調製のためのプロセスに関する。具体的には、非晶性窒化ホウ素(a−BN)の調製のためのプロセスであって、ホウ酸の粉末およびカルボアミドを約250〜300℃の範囲の温度で混合して、これによりポリホウ酸アンモニウム;ホウ素イミドまたはそれらの混合物およびアンモニアを形成する工程と、工程(a)で形成された物質を、約500〜600℃の範囲の温度に加熱し、これによりa−BNの粉末を形成する工程と、を含むプロセスが提供される。
【選択図】図1b

Description

本発明は、良好な粘結性、熱伝導率および誘電特性を示す、コンタミネーションの程度が低い窒化ホウ素粉末、特に微粉末、の調製のためのプロセスに関する。
窒化ホウ素(BN)などのセラミック材料は、高い融解温度、低い密度、高強度、剛性、硬度、耐摩耗性、および耐腐食性を含めた有用な特性を有する。多くのセラミックは良好な電気絶縁体および断熱体である。
セラミックを使用するほとんどの応用例について、ナノサイズの粒子ほどにも小さい、小さい粒径を有する微粉末が必要とされる。小さい粒径の粉末は、現在の方法論によっては容易に得られず、通常は、さらなる粉砕および清浄化の操作が必要とされる。
窒化ホウ素(BN)は、高い化学安定性および熱安定性ならびに高い電気抵抗を有する白色の粉末である。窒化ホウ素は、3つの多形の形態を有する;つまり、ダイヤモンドに類似の形態、グラファイトに類似の形態およびフラーレンに類似の形態。窒化ホウ素は、極めて硬い(硬度ではダイヤモンドに次いで2番目)結晶を作製するために使用することができ、この化合物とダイヤモンドとの類似性は、他の応用例にも及ぶ。ダイヤモンドのように、窒化ホウ素は、電気絶縁体として作用し、熱の優れた導体である。
窒化ホウ素は、グラファイトのように、極めて低温および高温の条件においてともに潤滑する能力を有し、極圧用途に適しており、環境にやさしく、かつほとんどの化学物質粉末に対して不活性である。
優れた誘電特性および絶縁特性に起因して、BNは、電子機器において、例えば半導体用基板、マイクロ波透過性の窓、封止のための構造材料、電極、ならびに燃料電池およびバッテリにおける触媒担体として使用される。
BNは、非晶性BN(a−BN)、六方晶系BN(h−BN)、乱層構造BN(t−BN)および立方晶系BN(c−BN)として調製することができる。一般に、a−BNは比較的低温で調製されるが、一方でh−BNおよびt−BNの両方は、より高い温度で調製される。c−BNは、h−BNの高圧および高温での処理によって調製されてもよい。
特許文献1に提示されているものなど、BN粉末を調製するための、当該技術分野で公知のプロセスがいくつかある。しかしながら、当該技術分野で公知の方法は、一般に不十分で、使用前に清浄化および/または粉砕される必要がある粉末を生成する傾向がある。特許文献1は、例えば、1000℃未満、たいていは850〜950℃の範囲の温度でa−BN粉末を調製するための方法を開示する。しかしながら、そのプロセスにおける反応物質のうちの1つであるホウ酸無水物(B)はこのような高温では蒸発するので、このプロセスの収率は比較的低い。
米国特許第6306358号明細書
それゆえ、効率的でありかつ純粋な粉末を与える、種々の形態のBNを調製するためのプロセスに対するニーズが、当該技術分野で存在する。
本発明は、非晶性窒化ホウ素(a−BN)の調製のためのプロセスであって、
(a)ホウ酸の粉末およびカルボアミドを約250〜300℃の範囲の温度で混合して、これによりポリホウ酸アンモニウム;ホウ素イミドまたはそれらの混合物およびアンモニアを形成する工程と、
(b)工程(a)で形成された物質を、約500〜600℃の範囲の温度に加熱し、これによりa−BNの粉末を形成する工程と、
を含むプロセスに関する。
a−BN粉末を示す。 本発明の1つの実施形態に係るa−BNのX線粉末回折図の一例を示す。 h−BN/t−BNのXRD図のX線粉末回折図の一例を示す。 h−BN/t−BN粉末を示すEM顕微鏡写真を表し、その粉末の高い程度の純度を示す。 h−BN/t−BN粉末を示すEM顕微鏡写真を表し、その粉末の高い程度の純度を示す。 当該h−BN/t−BN粉末の物性および化学特性を記載する表を示す。 当該h−BN/t−BN粉末の物性および化学特性を記載する表を示す。 本発明の1つの実施形態に係るプロセスの熱量分析を示す。
以下の詳細な説明では、本発明の十分な理解を提供するために、多くの特定の各要素が提示される。しかしながら、本発明は、これらの特定の各要素がなくとも実施されうるということは、当業者なら理解するであろう。他の例では、本発明を不明確にしないために、周知の方法、手順、および成分は詳細には記載されていない。
本発明は、BNのセラミック粉末の調製のためのプロセスを提供する。本発明の1つの実施形態では、調製されたBNは非晶性BN、すなわち、a−BNである。
当該a−BNは、以下の工程によって、本発明に従って調製される:ホウ酸の粉末および窒素を含む化合物を約250〜300℃の範囲の温度で混合し、これによりポリホウ酸アンモニウム((NH);ホウ素イミド、またはそれらの混合物およびアンモニアを形成する工程;ならびに、形成されたポリホウ酸アンモニウムおよびホウ素イミドを約500〜600℃の範囲の温度に加熱し、これによりa−BNの粉末を形成する工程。「約」は、±30%、20%、10%または5%を意味する。
窒素を含有する化合物は、例えば、アンモニア、アンモニウムおよびカルボアミド(尿素を含む)であってもよい。
a−BNは、以下の工程によって、本発明に従って調製される:
ホウ酸の粉末および尿素((NHCO)などのカルボアミドを約250〜300℃の範囲の温度で混合して、これによりポリホウ酸アンモニウム((NH);ホウ素イミド、またはそれらの混合物およびアンモニアを形成する工程;ならびに
その後、形成されたポリホウ酸アンモニウムおよびホウ素イミドを約500〜600℃の範囲の温度に加熱し、これによりa−BNの粉末を形成する工程。
図1aは、本発明のプロセスによって与えられるa−BNを示し、図1bは、調製されたa−BNのXRD図を示す。
本発明によれば、このポリホウ酸アンモニウムは、約500〜600℃に加熱されたときにアンモニアと反応し、これによりa−BNを形成する。さらに、本発明によれば、このホウ素イミドを約500〜600℃に加熱することでa−BNが得られる。
本発明によれば、上記のプロセスの第2の工程は、ホウ酸反応物質の初期重量の約50%未満が反応容器の中に残るときに行われる。別の実施形態によれば、上記のプロセスの第2の工程は、ホウ酸反応物質の初期重量の約55〜75%が反応容器の中に残るときに行われる。本発明のさらなる実施形態によれば、この第2の工程は、ホウ酸反応物質の初期重量の約60〜65%が残るときに行われる。本発明のさらなる実施形態によれば、この第2の工程は、ホウ酸反応物質の初期重量の約70%が反応容器の中に残るときに行われる。本発明のさらなる実施形態によれば、この第2の工程は、ホウ酸反応物質の初期重量の約40〜50%が反応容器の中に残るときに行われる。本発明のさらなる実施形態によれば、この第2の工程は、ホウ酸反応物質の初期重量の約30〜40%が反応容器の中に残るときに行われる。本発明のさらなる実施形態によれば、この第2の工程は、ホウ酸反応物質の初期重量の約20〜30%が反応容器の中に残るときに行われる。本発明のさらなる実施形態によれば、この第2の工程は、ホウ酸反応物質の初期重量の約10〜20%が反応容器の中に残るときに行われる。用語「約」は、本願明細書では、平均±10%を意味するために使用される。
本発明の1つの実施形態では、当該ホウ酸は、HBO、HまたはHBOから選択される。本発明の別の実施形態では、ホウ酸の塩をホウ酸の代わりに使用してもよい。
本発明の1つの実施形態によれば、ポリホウ酸アンモニウムの化学式は(NH(式中、xは1〜4の間であり、yは1〜10の間であり、zは2〜17の間である)である。このポリホウ酸アンモニウムは、限定はされないが、例えば(NH、NHまたは(NH1017であってもよい。本発明の1つの実施形態によれば、ポリホウ酸塩のいずれも、水和されていてよい。本発明の1つの実施形態によれば、カルボアミド反応物質が尿素である場合、形成されるポリホウ酸アンモニウムは、テトラホウ酸アンモニウムであってもよい。この実施形態によれば、上記プロセスの第1の工程で、反応容器の中で起こりうる化学反応は、
Figure 2012520823
である。
加えて、反応容器の中の尿素の一部は、上記の反応で生成される水と反応し、これにより以下の反応に従ってアンモニアを形成する:
Figure 2012520823
次いで、第2の工程では、約500〜600℃に加熱されると、テトラホウ酸アンモニウムは、アンモニアと反応して、以下の反応に従ってa−BNを形成する:
Figure 2012520823
さらに、第1の工程で生成されるホウ素イミドは、500〜600℃への加熱の際に、以下の反応に従ってa−BNおよびアンモニアへと分解する:
Figure 2012520823
このようにして、a−BNおよびさらなるアンモニアが与えられ、このアンモニアは、さらなるa−BNの形成のためにテトラホウ酸アンモニウムと反応してもよい。
本発明の1つの実施形態によれば、このカルボアミドおよびホウ酸反応物質のw/w比は約3:4〜2:1である。本発明のさらなる実施形態によれば、カルボアミドおよびホウ酸のw/w比はほぼ1.0〜1.5:1.0の間である。本発明のさらなる実施形態によれば、カルボアミドおよびホウ酸の比は約3.75:4である。本発明のさらなる実施形態によれば、カルボアミドおよびホウ酸の比は約3.5:4である。本発明のさらなる実施形態によれば、カルボアミドおよびホウ酸の比は約3.25:4である。本発明のさらなる実施形態によれば、カルボアミドおよびホウ酸の比は約2.75:4である。本発明のさらなる実施形態によれば、カルボアミドおよびホウ酸の比は約2.5:4である。本発明のさらなる実施形態によれば、カルボアミドおよびホウ酸の比は約2.25:4である。本発明のさらなる実施形態によれば、カルボアミドおよびホウ酸の比は約1:2である。
本発明の1つの実施形態によれば、本発明のプロセスは、窒素、アンモニア、またはそれらの両方の混合物の雰囲気下で約1200〜1800℃の間の温度にa−BNを加熱して、これによりh−BNおよび/またはt−BNを与える工程をさらに含んでもよい。本発明の1つの実施形態によれば、ホウ酸反応物質の初期重量の約40〜45%が残るときに、a−BNの加熱は行われる。本発明の1つの実施形態によれば、ホウ酸反応物質の初期重量の約35〜40%が残るときに、a−BNの加熱は行われる。本発明の1つの実施形態によれば、ホウ酸反応物質の初期重量の約30〜35%が残るときに、a−BNの加熱は行われる。本発明の1つの実施形態によれば、ホウ酸反応物質の初期重量の約25〜30%が残るときに、a−BNの加熱は行われる。本発明の1つの実施形態によれば、ホウ酸反応物質の初期重量の約20〜25%が残るときに、a−BNの加熱は行われる。本発明の1つの実施形態によれば、ホウ酸反応物質の初期重量の約15〜20%が残るときに、a−BNの加熱は行われる。本発明の1つの実施形態によれば、ホウ酸反応物質の初期重量の約10〜15%が残るときに、a−BNの加熱は行われる。
本発明によれば、より低い範囲の温度、すなわち約1200〜1400℃が使用される場合、t−BNの百分率は上昇し、一方で、より高い温度、すなわち約1400〜1800℃はより低い量のt−BNおよび高い量のh−BNを生じる。図2は、1500℃で本発明に従って調製されるh−BN/t−BN粉末から得られたXRDパターンを示す。
本発明の1つの実施形態によれば、当該a−BNは、h−BN/t−BNを調製するために約1200℃〜1800℃に加熱する前に、約2〜3ミクロン(約2〜3μm)よりも小さい粒子へと粉砕される。
本発明の1つの実施形態に従ってh−BN/t−BNが調製されると、そのt−BN/h−BN粉末は、約70℃よりも高い温度にある熱水、および/またはアルコールを用いて洗浄することにより、残留するホウ酸、ホウ酸無水物、またはいずれかの他の混入物質から清浄な状態にされる。このアルコールは、より清浄な物質を与えることができるので、本発明に従ってより高い純度の物質が所望される場合、当該t−BN/h−BNは、最初に水を用い次いでアルコールを用いて洗浄される。さらなる実施形態によれば、反応容器の中のホウ酸無水物の残存量が約0.5%w/w未満になるまで、熱水を用いて洗浄することが行われる。さらなる実施形態によれば、反応容器の中のホウ酸無水物の残存量が約1〜2%w/w未満になるまで、熱水を用いて洗浄することが行われる。さらなる実施形態によれば、反応容器の中のホウ酸無水物の残存量が約2〜3%w/w未満になるまで、熱水を用いて洗浄することが行われる。さらなる実施形態によれば、反応容器の中のホウ酸無水物の残存量が約3〜4%w/w未満になるまで、熱水を用いて洗浄することが行われる。さらなる実施形態によれば、反応容器の中のホウ酸無水物の残存量が約4〜5%w/w未満になるまで、熱水を用いて洗浄することが行われる。さらなる実施形態によれば、ホウ酸無水物の残存量が約0.1%w/w未満になるまで、アルコールを用いて洗浄することが行われる。
本発明の1つの実施形態によれば、生成物である材料を洗浄するために使用される水は蒸留水または脱イオン水であり、その水の中のh−BN/t−BN粉末の濃度は約2〜5%未満である。別の実施形態によれば、この粉末は、遠心分離によって水から分離される。
このh−BN/t−BN物質が洗浄されると、1%までの残留酸素(ホウ酸無水物には由来しないもの)が依然として存在する可能性がある。この残留酸素は、おそらくは、空気中の酸素と反応するh−BN/tBN物質の表面上の自由軌道に由来する。このように、本発明のさらなる実施形態によれば、h−BN/t−BN物質が水および/またはアルコールを用いて洗浄された後に、このh−BN/t−BN物質は、水素またはヘリウムなどの軽いガスの下で約300℃に加熱され、これにより酸素がその表面から離れるようになる。次いで、隔離(hermitic)条件下で、アルゴンまたは窒素などのより重いガスが、h−BN/t−BN物質にわたって流される。
本発明によれば、当該h−BN/t−BN生成物は、約2%までの不純物を含有する。本発明の別の実施形態によれば、当該h−BN/t−BN生成物は約1%までの不純物を含有する。本発明のさらに別の実施形態によれば、当該h−BN/t−BN生成物は約0.5%までの不純物を含有する。本発明のさらに別の実施形態によれば、当該h−BN/t−BN生成物の中で見出される不純物の量は0.5%未満である。
図3aは、本発明に従って調製されたh−BN/t−BN粉末の電子顕微鏡写真を示し、この写真は、その生成物の高い程度の純度を実証する。図3bは、本発明に従って調製されるh−BN/t−BN粉末のさらなる電子顕微鏡写真を示す。本発明に従って調製されるh−BN/t−BN粉末を分析すると、以下の組成が示される:炭素 0.053%、酸素 0.608%、窒素 55.8%、カルシウム 280ppm、ケイ素 100ppmおよび可溶性(sol.)ホウ酸 0.133%、平均粒径5.5μm。
本発明に従って調製されるh−BN/t−BNの2つの異なる処理単位の物性および化学特性が図4aおよび4bに与えられる。このt−BNを調製するための継続時間は、1200〜1500℃の温度で1.5〜3時間である。このh−BNを調製するための継続時間は、1500〜1800℃の温度で3時間である。
本発明の種々の態様は、以下の実施例においてより詳細に記載される。この実施例は、本発明の実施形態を代表するが、本発明の範囲を限定するものとは決して解釈されない。
実施例1
300gのHBOを、600gの(NHCOと250℃で2時間混合し、次いで500℃に0.25時間加熱し、120gのa−BNを得た。次いでこの反応容器を、窒素雰囲気中で1200℃の温度に3時間加熱し、84.6gのt−BNを得た。
実施例2
300gのHBOを、600gの(NHCOと250℃で2時間混合し、次いで600℃に0.5時間加熱し、130gのa−BNを得た。次いでこの反応容器を、窒素の雰囲気下で1500℃の温度に2時間加熱し、104.5gのt−BNを得た。
実施例3
300gのHBOを、600gの(NHCOと250℃で2時間混合し、次いで600℃に0.5時間加熱し、135gのa−BNを得た。次いでこの反応容器を、窒素雰囲気中で1500℃の温度に5時間加熱し、101.2gのh−BNを得た。
実施例4
300gのHBOを、600gの(NHCOと250℃で2時間混合し、次いで600℃に1.0時間加熱し、132gのa−BNを得た。次いでこの反応容器を、窒素雰囲気中で1800℃の温度に3時間加熱し、88.6gのh−BNを得た。
実施例5
当該プロセスを模擬するために、発明者らは、TG−50を使用して熱重量分析を、DSC−823Eを使用して熱量分析を行った。両方の分析器はMettler Toledo,USA(メトラー・トレド・ユーエスエー)社製である。
熱重量分析のために、25.5600mgの、2:1の比として採用した尿素およびホウ酸の混合物を使用した。窒素雰囲気中(200ml毎分)で、25℃から1000℃まで10℃毎分の速度で加熱を行った。結果は、非晶性BNの生成のためには600℃を超える加熱は効果的ではないということを示す。
熱量分析のために、6.2900mgの、2:1の比として採用した尿素/ホウ酸の混合物を使用した。窒素雰囲気中(毎分80ml)で、300℃〜600℃の温度範囲で10℃/分の加熱速度で分析を行った。これらの結果を図5に示す。
本発明の特定の特徴が本願明細書で説明され記載されたが、この時点で、当業者には多くの改変物、置き換え、変更点、および等価物が思い浮かぶであろう。それゆえ、添付の特許請求の範囲は、本発明の趣旨の範囲内にあるすべてのこのような改変物および変更点に及ぶことが意図されているということを理解されたい。

Claims (17)

  1. 非晶性窒化ホウ素(a−BN)の調製のためのプロセスであって、
    (a)ホウ酸の粉末およびカルボアミドを約250〜300℃の範囲の温度で混合して、これによりポリホウ酸アンモニウム;ホウ素イミドまたはそれらの混合物およびアンモニアを形成する工程と、
    (b)工程(a)で形成された物質を、約500〜600℃の範囲の温度に加熱し、これによりa−BNの粉末を形成する工程と、
    を含むプロセス。
  2. 前記ポリホウ酸アンモニウムは、約500〜600℃に加熱されたときにアンモニアと反応し、これによりa−BNを形成する、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記ホウ素イミドを約500〜600℃に加熱することで、a−BNが得られる、請求項1に記載のプロセス。
  4. 前記カルボアミドは尿素である、請求項1に記載のプロセス。
  5. 工程(b)は、前記ホウ酸の初期重量の約55〜75%が反応容器の中に残るときに行われる、請求項1に記載のプロセス。
  6. 工程(b)は、前記ホウ酸の初期重量の約60〜65%が反応容器の中に残るときに行われる、請求項1に記載のプロセス。
  7. 前記ホウ酸はHBO、HまたはHBOである、請求項1に記載のプロセス。
  8. 形成される前記ポリホウ酸アンモニウムは、実質的にテトラホウ酸アンモニウムからなる、請求項1に記載のプロセス。
  9. 前記カルボアミドおよび前記ホウ酸反応物質のw/w比は約3:4〜2:1である、請求項1に記載のプロセス。
  10. 前記カルボアミドおよび前記ホウ酸反応物質のw/w比はほぼ1.0〜1.5:1.0の間である、請求項1に記載のプロセス。
  11. 窒素、アンモニア、またはそれらの混合物の雰囲気下で約1200〜1800℃の間の温度に前記a−BNを加熱して、これによりh−BN、t−BN、またはh−BNおよびt−BNの組み合わせを与える工程をさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
  12. 前記a−BNは、前記a−BNを加熱する前に、約2〜3ミクロン(約2〜3μm)よりも小さい粒子へと粉砕される、請求項11に記載のプロセス。
  13. 前記ホウ酸の初期重量の約40〜45%が反応容器の中に残るときに、前記a−BNのさらなる加熱は行われる、請求項11に記載のプロセス。
  14. 残留するホウ酸、ホウ酸無水物および他の混入物質は、水、アルコール、またはそれらの混合物を用いて洗浄することにより、前記t−BNおよび前記h−BNから取り除かれる、請求項11に記載のプロセス。
  15. 前記水を用いて洗浄することは、ホウ酸無水物の残存量が約0.5%w/w未満になるまで行われる、請求項14に記載のプロセス。
  16. 前記アルコールを用いて洗浄することは、ホウ酸無水物の残存量が約0.1%w/w未満になるまで行われる、請求項14に記載のプロセス。
  17. 軽いガスの下で前記h−BNおよびt−BNを約300℃に加熱することと、
    隔離条件下、前記h−BNおよびt−BNにわたって重いガスを流すことと、
    をさらに含む、請求項13に記載のプロセス。
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