JPH10203807A - 乱層構造窒化硼素粉末とその製造方法 - Google Patents
乱層構造窒化硼素粉末とその製造方法Info
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Abstract
る。 【解決手段】無水硼酸と尿素の混合物を硼酸アルカリと
共に/又はなしで密閉ないし準密閉反応容器中に入れ、
非酸化性の1気圧より高い圧力雰囲気に保持して順次温
度を上げ、850〜950℃までの温度に加熱反応させ
て実質的に非晶質の窒化硼素を合成し(一次工程)、次
いで反応生成物を1200〜1400℃で加熱してt−
BNへと結晶化し、生成物を水性洗浄液で洗浄して精製
して、結晶性t−BNを製造する。
Description
高純度でかつ安価に量産できる窒化硼素粉末、特に乱層
構造を有する窒化硼素粉末とその(特に量産可能な)製
造方法に関する。
−BNという)、菱面体晶系の窒化硼素(以下「r−B
N」)、非晶質の窒化硼素(以下a−BNという)、乱
層構造(turbostratic)の窒化硼素(以下
t−BNという)及び高圧相であるZinc Blen
d型のc−BNとW urtzite型のw−BNが知
られている。a−BNは、たとえば900℃以下の比較
的低温で窒化硼素を合成すると生成し、高温で窒化硼素
を合成したり、低温で合成されたa−BNを高温で熱処
理すると、結晶化が進んで安定な六方晶系のh−BNに
転化することが知られている。h−BN粉末の一次粒子
は通常六角板状である。
に示すように)[002]、[100]、[101]、
[102]及び[004]の回折線が顕著である。これ
に対しa−BNである窒化硼素粉末のX線回折図は、一
般に、図8に示すようにh−BN粉末の粉末X線回折図
の[002]回折線と、[100]回折線及び[10
1]回折線に相当する位置に[100]回折線と[10
1]回折線とが合体したいずれもブロード(半価幅が大
きい)な回折線を示す(以下、説明の便宜上h−BN以
外の結晶構造を有する窒化硼素結晶の粉末X線回折にお
ける回折線をh−BN粉末の粉末X線回折による回折線
の呼称で呼ぶ)。h−BNは硼素と窒素の六角形の網目
層がaa’aa’・・・・のパターンで積層した結晶構
造を有するが、硼素と窒素からなる六角形の網目層の積
層形態が変われば六方晶系でない結晶系の窒化硼素結晶
になり、積層形態(即ち積層層間の相互関係)に規則性
のない窒化硼素が一般的に乱層構造窒化硼素と呼ばれ
る。
Nも一種の乱層構造を有する窒化硼素であり、たとえば
資源・素材学会誌Vol.105(1989)No.
2,p201に説明があるように、a−BNを乱層構造
窒化硼素とする分類方法もあるが、これは非晶質窒化硼
素と称すべきものであり、本発明では結晶が相当発達し
てその粉末X線回折図の[004]回折線を始めとする
回折線がある程度顕著に現われたものをt−BNと呼ぶ
ものとする。(さらに本発明においては、後述の通り、
[004]回折線の2θの半価幅が所定値以下の結晶で
あって、かつ積層形態(パターン)に規則性のない窒化
硼素を特に結晶性t−BNとして意図するものであ
る。)
していることによって、電気的に優れた絶縁体である点
を除くと、黒鉛と類似の性質を有している。たとえば、
層間の結合が弱く鱗片状に劈開しやすい、固体潤滑性が
ある、非酸化性雰囲気中では高温まで安定である、難焼
結性である、焼結体は容易に機械加工できる、加えて酸
化温度が黒鉛に比べて約500℃程高い(約1000
℃)等である。窒化硼素には材料として魅力的な性質が
あるので、もし焼結性に優れた或いは高純度な窒化硼素
粉末を安価に製造でき、安価に焼結体を提供できれば経
済的に成立しなかった多くの新用途を実現できることに
なる。
な方法が知られている。 (1)硼砂と尿素の混合物をアンモニア雰囲気中で加熱
する(特公昭38−1610号)。 (2)硼酸や硼酸アンモニウムを含窒素化合物(尿素、
アンモニア、メラミン、ジシアンジアミド等)とともに
加熱する(特公昭48−14559号、特公昭5−47
483号、特開平7−172806号、J.Am.Ch
em.Soc.vol.84 p4619−4622,
1963)。 (3)硼素粉末を窒素とアンモニアの雰囲気中で加熱す
る(特公平7−53610号)。 (4)BCl3とNH3を減圧下で気相反応させて合成す
る(特開平2−296706号)。 (5)ボラジン又はボラジン誘導体を熱分解する(特公
平4−4966号)。 (6)J.Am.Chem.Soc.84、p4619
〜4622、1963には、尿素と硼酸をアンモニア中
で500〜950℃で加熱反応して合成された窒化硼素
粉末が乱層構造炭素と同様の乱層構造を有すると報告さ
れている。
において従来技術について以下のような問題に直面する
ことが分かった。(1)の方法による合成粉末は低温で
反応させたものはa−BNであり、高温で反応するとh
−BNになるとされており、反応で生成した合成粉末中
にはかなり多くのNa成分が含まれていて、そのままで
は電気絶縁性が必要な用途には適さない。(2)の方法
では、1000℃未満の低温で合成するとa−BN粉末
が得られ、高温で合成すれば硼酸がh−BNの結晶化を
促進してh−BNになるとされている。これは、本発明
の観点からすると、合成されたa−BN粉末は硼酸以外
の不純物を含まないが、硼酸があるためh−BNが生成
しやすいという問題がある。
素粉末やボラジン、ボラジン誘導体が高価であり、結果
的に製造する窒化硼素も高価になる。(4)の方法は生
産性が劣り、反応で生成する塩酸ガス等に腐食性があっ
て刺激臭もあるので、作業環境上の問題及び塩酸ガスの
吸収除去装置を必要とするため設備費が高くつくという
問題がある。また、これらの報告中には、いずれについ
ても結晶性のよいt−BN粉末が得られたという記載は
見当たらない。
らするとこの窒化硼素はその粉末X線回折図の[00
2]回折線に相当する位置及び、[100]回折線と
[101]回折線に相当する個所にそれぞれブロード
(半価幅が大きい)な回折線[002],[10]を示
し、[004]回折線も認められないような非晶質窒化
硼素粉末について説明しているに過ぎない(Fig.1
A)。そしてさらに高温にした場合約1450℃で乱層
構造から六方晶系への変態が開始し、1850℃で完了
するとされると共に、結晶化が進むと部分的三次元規則
化が生じ(Fig.1B、C)最終的に六方晶系の完全
な三次元規則化に到達すると報告している。なお、この
場合も酸化硼素の残留が不可避である。
においても、乱層構造窒化硼素(特により結晶化の進ん
だ結晶性乱層構造窒化硼素)を標的に量産可能な方法は
知られていない。また、そのように量産可能な性質の乱
層構造窒化硼素も従来知られていない。本発明の基本目
的は、新規な乱層構造窒化硼素及び新規な乱層構造窒化
硼素の製造方法を提供することにある。より詳しくは、
本発明は上記問題点を解決して焼結性に優れ、かつ安価
な窒化硼素粉末、特に乱層構造窒化硼素とその量産可能
な製造方法を提供することを具体的課題とする。さら
に、別の視点において、より高純度な乱層構造窒化硼素
を提供すること、さらには、より均一な粒径を有するも
の(特に所望の1μm以下から超サブミクロンのレベル
まで、粒径の制御が可能なもの)を提供することも、夫
々課題とする。
いて、実質的に非晶質の窒化硼素をフラックス剤として
の有効量の溶融硼酸アルカリの存在下に非酸化性雰囲気
中(密閉状態又は準密閉状態の容器中雰囲気を含む)に
おいて結晶性乱層構造窒化硼素(t−BN)へと結晶化
させる工程(t−BN結晶化工程ないし二次工程)を含
むことを特徴とする乱層構造窒化硼素粉末の製造方法が
提供される。
元的規則配列を持ったBNへの移行を指すが、ここで言
うt−BN結晶化とは、BNの層が次第に発達し、層面
内回転に関しては不規則ながら層間相互の平行性が増
し、層間間隔が揃って行く過程、即ち結晶性のt−BN
化について言うものとする。
以下で実質的に結晶性t−BNに達するまでの所定時間
行うことが好ましく、さらに1200〜1400℃の温
度で行なうことが好ましい。なお、第1の視点において
この二次工程の出発物質は好ましくは、第2の視点以下
に示すがこれに限定されず、任意の非晶質窒化硼素を用
いることも可能である。また、部分的に乱層構造の結晶
化の進行した中間段階のものを用いることも、結晶性の
t−BNの種を用いることもできる。
素源を含有する混合物を大気圧ないし加圧条件下(密閉
ないし準密閉容器中を含む)に加熱反応させて実質的に
非晶質の窒化硼素を合成する工程(一次工程ないBN合
成工程)を含むことを特徴とする乱層構造窒化硼素粉末
の製造方法が提供される。加熱時の圧力を大気圧以上に
保つことにより、反応が促進され、高純度を目指す場
合、硼酸アルカリの量は極く少量とするか、又は全くな
くてもよい。その反応生成物は洗浄を施すことなく、t
−BN結晶化処理を行うことができる。加熱反応は12
00℃未満、好ましくは950℃以下まで加熱して行う
ことができる。
す硼素酸化物ないし加熱により硼素酸化物を生ずる物質
と窒素源にフラックス剤としての有効量の硼酸アルカリ
を含む混合物を非酸化性の雰囲気(密閉状態又は準密閉
状態の容器中雰囲気を含む)に保持して加熱反応させて
実質的に非晶質の窒化硼素を合成する工程(一次工程な
いしBN合成工程)を含むことを特徴とする乱層構造窒
化硼素粉末の製造方法が提供される。
しい。硼酸アルカリはその水和物として用いることがで
き、硼酸ナトリウム及び/又はその水和物を用いること
ができる。前記一次工程は、1200℃未満で少なくと
もフラックス剤の溶融温度以上まで加熱して行うことが
好ましい。さらに、前記反応を850〜950℃までの
温度に加熱して行なうことが好ましい。
における非酸化性雰囲気は出発混合物の加熱分解ガス成
分から主として成ることができる。前記一次工程を反応
容器中において生成ガスの吸引排気をすることなく行う
ことができ、非酸化性雰囲気が大気圧ないし微加圧を含
む大気圧より高い圧力にできる。また、第2、第3の視
点において混合物中の硼素源としての硼素と窒素源とし
ての窒素のN/B比を窒素過剰とすることができ、N/
B比は1.01以上、さらに1.5以上、さらに2以上
とすることが好ましい。例えば尿素/無水硼酸の重量比
は1.5以上、さらに2以上が好ましく、約6/4〜9
/4の範囲(N/B比1.75〜2.6)が最も好まし
い。
程)において、窒素源をさらに添加(さらに加熱)する
こともできる。これは窒素雰囲気の生成、さらには未反
応硼素源の反応の完遂に資する。混合物中の硼酸アルカ
リの量を0.01重量%以上、20重量%以下(さらに
0.1〜15重量%(ないし1〜10重量%)とするこ
とが反応促進上好ましいが、高純度化のためには、硼酸
アルカリを用いないことがより好ましい。但し、その場
合、圧力等の反応条件及び仕込み混合物のN/B比を最
適化して調節する。
気中(密閉状態又は準密閉状態の容器中雰囲気を含む)
で1500℃以下、さらに1450℃以下、特に120
0〜1400℃に保持して結晶性乱層構造窒化硼素(t
−BN)へと結晶化させる工程(t−BN結晶化工程な
いし二次工程)を含むことが好ましい。本発明の利点
は、このt−BN結晶化工程を、一次工程の反応生成物
の洗浄ないし精製を行うことなしに行うことができるこ
とであり、またそうすることがある意味では好ましいこ
とである。さらに前記一次工程の反応生成物を粉砕する
工程をt−BN結晶化工程(二次工程)の前に含むこと
が好ましいが、前記一次工程に引続き二次工程を連続し
て行うこともできる。
を溶媒(水性洗浄液、特に酸性水)で洗浄して硼酸アル
カリ等の残留介在物ないし不純物を除去することができ
る。水洗で高純度に洗浄できることは、大きな利点であ
る。前記一次工程を前記反応容器を密閉ないし準密閉容
器とし徐々に及び/又は段階的に温度を上げて行なうこ
とが好ましい。このようにして昇温過程においても反応
を進行させることができる。t−BN微粉末を種結晶と
して少量添加して硼素源、窒素源及びフラックス剤を含
む混合物を加熱反応させる工程(通例は一次工程におい
て)を含むことが出来る。これにより、反応効率ないし
収率の増大が達成される。
2、第3の視点のいずれかの方法により製造されること
を特徴とする結晶性乱層構造窒化硼素粉末が提供され
る。本発明の第4の視点の一例において硼素源としての
硼素酸化物ないし加熱により硼素酸化物を生ずる物質
と、尿素を含む窒素源と、有効量の硼酸アルカリとを含
む混合物を非酸化性雰囲気中(密閉状態又は準密閉状態
の容器中雰囲気を含む)で加熱反応させて結晶性乱層構
造窒化硼素の前駆体を生成させる工程(一次工程)、及
び該反応生成物を非酸化性雰囲気中で加熱して結晶性乱
層構造窒化硼素へと結晶化させる工程(二次工程)を含
む方法により製造される結晶性乱層構造窒化硼素粉末が
提供される。
を上記出発混合物を硼酸アルカリを含むことなく、大気
圧ないし加圧下条件下(密閉ないし準密閉容器中を含
む)に加熱反応させて結晶性乱層構造窒化硼素の前駆体
を生成する工程を含み、さらに上記の二次工程を含む方
法により製造される高純度結晶性乱層構造窒化硼素粉末
が提供される。
線回折図における六方晶系窒化硼素の[004]の回折
線に対応する回折線の2θの半価幅が0.6°以下(さ
らに0.5°以下ないし0.47°以下)である結晶性
乱層構造窒化硼素粉末が得られる。この結晶性乱層構造
窒化硼素粉末としては、さらに、該X線回折図において
六方晶系窒化硼素に相当する[002]回折ピーク、
[004]回折ピーク及び[100]回折ピークを有
し、[101]回折ピークに代わり実質的に非晶質の乱
層構造窒化構造窒化硼素に現れる[10]回折ピークを
[100]回折ピークの大角側に連接下り勾配として有
すると共に、六方晶系窒化硼素の[102]相当回折ピ
ークを実質的に明確に示さないことを特徴とするものが
得られる。好ましくは、該X線回折図中の六方晶系窒化
硼素の[100]、[101]及び[102]の回折線
に対応する各回折線の占める面積(回折線の強度を意味
する)S100、S101及びS102の間にS102/(S100+
S101)≦ 0.02の関係がある(これは実質的にh−
BNを含まないことを意味する)。また、典型的には、
CuKα線による粉末X線回折図における六度晶系窒化
硼素の[004]の回折線に相当する2θの回折線が5
5°±0.3°にある結晶性乱層構造窒化硼素粉末が得
られる。これらは、高純度の結晶性t−BNに対応する
ものである。純度としては通例99%以上、99.5%
以上、さらには99.8%以上のものが得られる。
粒子径の窒化硼素粉末が提供される。典型的にはその一
次粒子の粒径が3μm以下、一次粒子の平均粒径が1μ
m以下とできる。また、一次粒子の大部分が略球状及び
/又は略円板形状の粒形を有するものである。粒子形状
は小さいものは略球状、結晶が発達すると略円板形状に
なる。さらに、窒化硼素粉末の一次粒子の平均粒径が
0.1μm以下のものが得られる。典型的には、一次粒
子の平均粒径をXμmとするとき、一次粒子の90%以
上が1/2X〜2Xμmの範囲内に存する均一粒度分布
のものが容易に得られる。吸着法で測定される窒化硼素
粉末の比表面積は20m2/g以上のもの得られる。本
発明の結晶性乱層構造窒化硼素粉末は、X線回折上実質
的には、酸化硼素を含まないものが容易に得られる。
による粉末X線回折図に六方晶系窒化硼素の[102]
回折線に相当する回折線ピークが認められない結晶性乱
層構造窒化硼素粉末が得られる。より好ましくは、前記
乱層構造窒化硼素粉末のCuKα線による粉末X線回折
図の六方晶系窒化硼素の[100]及び[101]に相
当する回折線が合わさった[10]回折線に[101]
回折線に相当する回折線がピークとして実質上に認めら
れないものが得られる。
による合成窒化硼素粉末のX線回折図における六方晶系
窒化硼素の[004]の回折線に対応する回折線が明確
な尖鋭なピークとしての形を有さない鈍い山形状である
実質的に非晶質の窒化硼素粉末を含む粉末組成物が提供
される。これは、同粉末を非酸化性雰囲気中において1
200〜1400℃で加熱してt−BNへの結晶化処理
をするとき、CuKα線による合成窒化硼素粉末のX線
回折図における六方晶系窒化硼素の[004]の回折線
に対応する回折線の2θの半価幅が0.6°以下であ
り、該X線回折図中の六方晶系窒化硼素の[100]、
[101]及び[102]の回折線に対応する各回折線
の占める面積(回折線の強度を意味する)S100、S101
及びS102の間にS102/(S100+S101)≦ 0.02
の関係がある結晶性乱層構造窒化硼素粉末に転化する特
性を有する結晶性乱層窒化硼素前駆体を含有することを
特徴とする非晶質窒化硼素粉末含有粉末組成物として得
られる。
含有する被覆層(好ましくは主として硼酸アルカリから
成る被覆層)を有する被覆窒化硼素粉末粒子が得られ
る。これは、一次工程の結果物(又は二次工程の出発物
質として)中間製品の形で得られる。このような状態の
被覆粒子は、t−BN結晶化に最適である。この被覆窒
化硼素としては、実質的に非晶質でよいが、実質的結晶
性t−BNを含有することも有用である(特に種結晶と
しての役割)。種(ないし核)は実質的に結晶性t−B
Nであればよく完全な結晶性は必ずしも要しない。
て、乱層構造窒化硼素粉末の製造方法は、硼素源として
の硼酸(ないし無水硼酸)と窒素源(特に尿素)に硼酸
アルカリ(フラックス剤)を加えた混合物を蓋付きの反
応容器中に入れ、非酸化性の(特に大気圧ないし大気圧
より高い圧力)雰囲気に保持して加熱反応させて窒化硼
素を合成する工程を含むことが好ましい。反応は特に、
950℃までの温度で(特にフラックス剤を含む場合フ
ラックス剤の溶融温度まで、好ましくは850〜950
℃まで)行ない実質的に非晶質の窒化硼素を(特に乱層
構造窒化硼素の前駆体として)生成することが好まし
い。窒素源としては窒素と炭素、水素、酸素等の1以上
の元素との化合物があり、尿素の如く、加熱温度下にお
いて液状となるものが反応効率の上で好ましい。硼素源
としては、硼素と酸素の化合物が反応性及び安価かつ安
全性の観点から好ましい。いずれもさらに水和物であっ
てよい。
加え、硼酸の水に対する溶解度が小さいことを利用して
溶液から析出させて製造される。無水硼酸は硼酸を加熱
して脱水すれば得られるのでやはり安価な原料であり、
無水硼酸の融点は460℃とされている。また、尿素は
アンモニアと炭酸ガスから直接合成されるので高純度化
が容易であり、肥料としても使用されていることから分
かるように安価であり、その融点は135℃である。
る硼素酸を総称しており、加熱して脱水すれば無水硼酸
(酸化硼素)に変わる。したがって、硼素源としては無
水硼酸の代わりに硼酸を使用することもでき加熱時には
同様な反応を行なうことになる。原料に使用できるフラ
ックス剤たる硼酸アルカリとしては、硼酸リチウム、硼
酸ナトリウム、硼酸カリウムがある。これらの硼酸アル
カリの内、安価で水洗によって容易に除去できることか
ら硼酸ナトリウムを使用するのが好ましい。硼酸アルカ
リは通常硼砂のように結晶水を含んでいる場合が多い
が、加熱すると結晶水が取れて無水物になり、比較的低
温で溶けてガラス化する。混合物中に硼酸アルカリが混
在すると、t−BNに転化しやすいa−BNを生成し、
さらに結晶性t−BNへの転化を促進する働きがある。
リウム、Na2B4O7・10H2O)は200℃以上35
0〜400℃で脱水して無水物になり、741〜878
℃で溶融する。窒素源、硼素源のいずれの化合物も溶融
温度が比較的低いものを用いることができるので、加熱
時には原料の混合物がまず溶融した状態となり、次いで
温度上昇に伴いバサバサの状態になるが、反応時の溶融
物ないし反応中間物(反応系)から水蒸気、炭酸ガス等
が放出される。このとき放出される反応生成物及び放出
物には毒性がなく、不燃性のものとできるので、その場
合、製造装置は簡単に構成できる。反応時の反応容器は
放出される水蒸気、炭酸ガス等の反応生成ガスによって
充満置換され、密閉(ないし準密閉)して大気(酸素)
の流入を防ぐようにしておけば加熱により自然に圧力が
上昇する。容器の安全性及び耐圧容器のコスト等を勘案
すると、圧力が上り過ぎないように圧力逃がし弁を設け
て適切な正圧ないし微加圧(例えば、1.01気圧以
上)に保つのが好ましい。しかし、圧力は、目的に応
じ、所定の反応を達成するに適した圧力にさらに調節す
ることができる。圧力の上限は特にないが、反応容器の
耐圧力、製作費等を考慮し、一例として2.5kg/c
m2以下でよい。特にフラックス剤を用いない場合に
は、できるだけ反応促進のため、高圧下に反応させるこ
とが好ましい。
N合成反応の進行のため450℃以上、さらに500〜
600℃以上かつ1200℃未満、好ましくは1050
℃以下或いは1000℃以下(さらに好ましくは800
〜950℃、さらに好ましくは880〜920℃、最も
好ましくは約900℃)の温度で行なうことができる。
しかし、950℃以下で十分反応が進行してBNが合成
されるので一次工程は、この程度の温度以下でかつ、フ
ラックス剤の溶融温度以上に加熱することが好ましい。
フラックス剤の溶融温度以上の加熱により、溶融したフ
ラックス剤は生成した窒化硼素粒子の周りに(その量に
応じ一様に)被覆される(或いは、フラックス剤が十分
存在する場合、生成BN粒子が溶融フラックス剤のマト
リックス中に分散して存在する)。
(乱層構造窒化硼素前駆体)はさらに結晶性のt−BN
化するために(好ましくは窒素雰囲気等の非酸化性雰囲
気中で)t−BN結晶化温度で処理される。このt−B
N結晶化温度は約1500℃以下で実質的にh−BNが
生成しない条件(時間、雰囲気及び周囲状態)で行うも
のとし、1450℃以下さらには、通常の非酸化性雰囲
気(特に窒素雰囲気)中では、特に1200〜1400
℃(好ましくは1250〜1380℃、さらに1300
〜1350℃)(好ましくは密閉ないし準密閉状態の容
器中で)所定のt−BN構造の結晶化(さらに所定の結
晶粒径)を達成するまでの時間処理することができる。
この際介在する当初の出発材料(混合物)成分の残分が
h−BN化を防ぎ効率的にt−BN化を提供する。その
詳しい理由は、未解明な点も多いが、硼酸アルカリ成分
の存在が有効であることが判っている。硼酸アルカリを
用いない場合には、十分にBN合成及びt−BN結晶化
を進めることが好ましく、また洗浄を十分に行うことが
高純度化に資する。洗浄は、水洗のみならず、酸性洗浄
水を用いて行い、特に揮発性の酸(HClなど)を用い
ることが好ましい。残留酸化硼素を除去するため、洗浄
液は加熱する。最後は熱水ですすぐ。t−BNへの結晶
化工程終了後、反応生成物ないし結晶化生成物は、水洗
され、アルカリ成分等の残留物を除去し、精製t−BN
粉末を得る。その際、酸化硼素の未反応残分も容易に除
去されるので、残留硼素(ないし硼素酸化物)を低く制
御できる。
(ないし無水硼酸)、尿素を含み、さらに硼酸アルカリ
を含む(又は含まない)混合物を大気圧より高い圧力雰
囲気の反応容器中(特に密閉状態又は準密閉状態の容器
中)で加熱反応させる工程、及び反応生成物を窒素雰囲
気中で加熱して乱層構造窒化硼素へと結晶化させる工程
を含む方法により、製造される特定の結晶性乱層構造窒
化硼素粉末が提供できる。このCuKα線による合成窒
化硼素粉末のX線回折図における六方晶系窒化硼素の
[004]の回折線に対応する回折線の2θの半価幅は
好ましくは0.6°以下(さらに0.5°以下、典型的
には約0.47°以下)であり、この点でもt−BNで
も非晶質に近いもの(a−BN)ないし、結晶性の低い
ものとは異なる。a−BNでは[004]回折線は、尖
鋭なピークとして現れず、なだらかな山形ないし丘状カ
ーブを示し、結晶性の低いt−BNでは[004]相当
回折線の半価幅は0.7°以上(1°,1.5°等)の
ものが知られている。即ち、所定回折線の2θの半価幅
が小さいということは、相当結晶化が進んでいる(或い
は結晶粒子が成長している)ことを意味する。また、該
X線回折図中の六方晶系窒化硼素の[100]、[10
1]及び[102]の回折線に対応する各回折線の占め
る面積(回折線の強度を意味する)S100、S101及びS
102の間にS102/(S100+S101)≦ 0.02の関係
があるものが得られる。S102/( S100+S101)≦
0.02の関係は一般的にはh−BNが含まれないか含
まれていても極少ない(実質的に含まれない)ことを意
味する。このようにかなりの結晶性を有するが積層形態
には完全な規則性のないt−BNではh−BNの[10
2]に相当する回折線が基本的には全く現れないはずで
あり、[102]の回折線が現れる場合にはt−BNで
ないh−BN等の結晶が混在していることを一般には意
味すると考えられる。しかし、この場合、h−BNに特
徴的な他の回折線が現れない場合には、部分的に擬h−
BN構造の変形t−BNが生成している場合も考えられ
る。
(揃った)一次粒子径の結晶性t−BNが得られる。一
次粒子径は、純度及び二次工程(t−BN結晶化工程)
の熱処理温度(さらに処理時間)によって主として制御
できる。サブミクロン域ではSEMで測定しないと正確
に制御できないが、1300℃未満で平均0.1μm以
下;1300℃で平均0.2〜0.3μmのもの、13
50℃で平均1μm以下のもの、最小では0.01〜
0.02μm、0.05μm以下とか0.07〜0.0
8μmのものも可能であり、大きい方では3〜4μmの
もの(1400℃)も可能である。さらに温度を上げる
とh−BNの気配が生ずるが、主体としてはt−BNと
なるよう制御できるところに本発明の特徴がある。な
お、一次粒子径は上記の範囲内の任意の平均粒子径に制
御することができる。
化性雰囲気中で(常圧でよい)1200〜1400℃に
約2時間保持することにより行うことができる。一例と
しては一次工程の後常温から約10時間かけて所定保持
温度(例えば1300℃)まで昇温する。保持温度は温
度及び所望粒径、結晶化の程度等にもよるが通例10分
以上、好ましくは30分〜1時間以上〜さらに2時間以
上ともできる。この際に尿素などの窒素源を加えて加熱
することにより、窒素雰囲気と共に残留酸化硼素のBN
化も併せて達成し、収率及び純度を改善できる。もちろ
ん、一次工程と二次工程は続けて行うこともできるが、
一次工程の後反応生成物をほぐし或いは粉砕(軽く解砕
する程度でも可)することが均一化のために好ましい。
り、結晶性t−BNの前駆体たる非晶質t−BN粉末含
有粉末組成物が得られる。これは硼酸アルカリを含むも
のとして、一次工程の生成物(中間生成物)として得ら
れるが、非晶質t−BN粒子は硼酸アルカリのフラック
ス剤に少なくとも部分的に被覆され、或いは囲まれて分
散した形をなす。なお、本願において、数値範囲は、上
限、下限値の間に含まれる(またはそれ以下又は以上)
の任意の数字を代表するものとし、少なくとも全範囲の
10分の1スケールの任意数を含むものとする。記載の
簡略化のため、中間値の記載を省くに過ぎない。
は、硼素成分の一部が窒化硼素の原料になり、a−BN
のt−BNへの結晶化を促進する働きをするので、この
働きを充分発揮できるように結晶水を除いた混合物中の
配合量で計算して混合物中0.01(さらに0.1,
0.5)重量%以上とするのが好ましい。しかし余り多
く配合してもこの結晶化を促進する働きはある程度以上
増えず、水洗して精製するとき多くの時間と多くの純水
を消費することになる。硼酸アルカリの配合量は、さら
に好ましくは20(さらに15、10、5)重量%以下
とでき、その配合量は上述の範囲内で任意の数値に調節
可能である。しかし、特に高純度のt−BNを目指す場
合、硼酸アルカリは加えることなく、所望のt−BNを
製造できる。なお、一次工程にのみ硼酸アルカリを用
い、その後洗浄して二次工程を行うこともできるが、洗
浄による残留未反応物(不純物)の除去ロスを考慮する
と、一次工程から硼酸アルカリを用いないでBNの合成
を行うことが有利である。その場合、既述の通り、反応
条件を調節し、反応促進を図る。反応促進は、一次工程
の上限温度及び時間、さらにより大きくは、反応雰囲気
の圧力増大によって達成できる。なお、二次工程は温度
に注意すれば硼酸アルカリの不存在下でも十分均一な結
晶性t−BNが得られる。さらに、加熱洗浄水、特に酸
性洗浄水による洗浄の併用によって、最終的に高純度の
結晶性t−BNが得られる。
食されないものであればよく、950℃までの反応容器
には安価な鋼製又はステンレス鋼製の反応容器を使用で
きる。非酸化性雰囲気とは酸素の供給を断った状態であ
ればよく、反応容器の加熱時の微加圧(水蒸気の気化成
分が噴出するる状態)にあればよい。大気圧より高い圧
力雰囲気というのは、空気中の酸素が反応容器中に全く
侵入しない圧力をいうが、完全に酸素を断った状態とし
て合成反応を促進できることから、好ましくは1.01
〜2.5気圧、さらに好ましくは1.05〜2.0気圧
とすることができる。2.5気圧より容器内の圧力を高
くしなくても十分に反応が進むので、好ましい圧力を
2.5気圧以下とするが、より高い圧力を用いること
も、当然可能である。この反応容器中で起きる主な反応
は、 B2O3+CO(NH2)2→2BN+CO2+2H2Oであ
ると考えられる。硼酸アルカリは大部分は残留すると考
えられる。
効率よく窒化硼素に転化にさせるには、反応容器中の混
合物の窒素:硼素の原子比(N/B比)を窒素過剰に
(好ましくはかなり大過剰に)することが好ましい。こ
のN/B比は1.1以上とするのが好ましい。尿素/無
水硼酸の重量比では6/4〜9/4(N/B比1.75
〜2.6)とすることができる。なお、通例尿素(出発
仕込み量)に対し約10%(wt)の尿素が残る状態で
あれば一応十分と考えられるが、この比は、硼酸アルカ
リを用いず、かつ高純度を図るほど、高めとすることが
好ましく、N/B比2以上、さらに2.3以上、より好
ましくは2.6±0.2程度である。
合成反応後に反応容器から取り出される反応物は、アル
カリ硼酸塩(さらに反応残留物)ないしは硼酸アルカリ
を含まない反応残留物で覆われた状態のa−BNであ
り、一例としてナトリウム塩で覆われた状態のa−BN
はフレーク状ないしカルメ焼き状になっていて嵩張るの
で、t−BN結晶に結晶化するための第2段結晶化工程
に入る前に粉砕ないし解砕(ほぐす処理)して多くの粉
末を充填できるようにするのが好ましい。目安としては
1mmパスの粒度程度でよい。この段階で粉砕してあれ
ば、最後に行なう洗浄によるt−BNの精製も容易にな
る。
む(又は含まない)一次工程の反応生成物をt−BN結
晶化促進温度、かつh−BN化しない温度・条件にて加
熱する二次工程を実施し、a−BNをt−BN結晶に転
化する。この加熱温度は約1500℃以下でh−BNが
実質上生じないようにし、好ましくは1200〜140
0℃以下とし、より好ましくは、1250〜1350℃
とする。この温度は残留硼素酸化物(ないし酸素)の許
容量、目的純度、粒径等に応じて可変である(一般には
所定温度で10分ないし1時間単位での制御でよい)。
通例昇温・加熱時間は少なくとも1時間以上とすること
が好ましいが、10時間以上でよく、12〜13時間、
さらには16時間程度かけての昇温・加熱でt−BN結
晶化が十分に完了するまで行なう。なお、h−BNの発
生する気配のありうる1450〜1500℃では処理時
間に十分注意することが好ましい(場合により分単位で
制御する)。
理温度に耐える材質のもの、耐熱性スチールやたとえ
ば、アルミナないしムライト製あるいはコージライト製
等の耐火セラミックス製容器等を使用するのが好ましい
が一般にサヤと称するものでもよい。雰囲気は非酸化性
雰囲気即ち、酸素の流入を断った状態であればよい。そ
のため容器は加熱時に窒化硼素が酸素を取り込まないよ
うにするのが好ましく、空気中に酸素の侵入を防げるよ
うに密閉状態又は準密閉状態としておくのが好ましい。
このため、容器には容器と同じく耐熱材料の蓋を設ける
のが好ましい。a−BNをt−BN結晶に転化する温度
は、より好ましくは1280〜1350℃である。加熱
温度は、特定t−BN結晶の結晶化が実用的な時間内で
完結するように、1200℃以上とするが、加熱温度を
高くし過ぎるとh−BNが同時に生成するのでh−BN
の混在を防ぐには1450℃、特に1400℃以下とす
ることが好ましい。さらに好ましくは1300±10℃
である。
の酸素の含有量(B2O3残分)を少なくできるようにa
−BNが空気中の酸素と接触しない窒素等の雰囲気中で
行なうことが好ましいが、a−BNが硼酸ナトリウム塩
等のアルカリ塩で覆われた状態になっている場合は、蓋
付きの容器を使用し、密閉状態又は準密閉状態として、
少なくとも空気中の酸素の侵入をある程度防げる状態で
加熱すれば酸素(B2O3残分)の含有量の少ないt−B
N結晶に転化できる。蓋付きの容器に入れた反応物は、
容器もろとも電気炉等の加熱結晶化炉に収容して所定の
温度に昇温し所定時間加熱するのが好ましい。この加熱
時間が短ければt−BN結晶への転化が完結せず、加熱
時間は一般的に10時間程度で十分であるが、結晶化温
度との関係で、適宜可変調節されうる。通例、10時間
以上12〜13時間、16時間程度をかけての昇温・加
熱は十分なt−BN結晶化をもたらす。その際、最高設
定温度には所定時間保持する(一般に10分以上、好ま
しくは30分以上、さらに1〜2時間)。二次工程の加
熱時に、未反応硼素源をさらに反応させるため、昇温を
段階的ないし徐々に(例えば10時間かけて)所定t−
BN結晶化温度に昇温することが好ましい。
は、不純物として未反応残留物及び場合によりナトリウ
ム塩等のアルカリ塩を含んでいるので、水性洗浄液で洗
浄して精製するのが好ましい。従来、これら不純物の除
去に際しては、窒化硼素では水と反応して窒化硼素中に
酸素が取り込まれないようにエタノール等のアルコール
で洗浄していたが、充分にt−BNへの結晶化が進んだ
状態の本発明によるt−BN粉末では水洗で精製しても
酸素の取り込みが僅かであり、安価な水洗によるt−B
Nの精製が可能である。使用する洗浄水の純度は、精製
後の窒化硼素粉末の純度に影響するので、蒸留水又はイ
オン交換された純水或いは脱酸素処理水を使用するのが
好ましい。この洗浄がどの程度進んだかは洗浄水のpH
値を調べれば分かる。洗浄水の温度を上げれば、硼素酸
化物及びナトリウム塩等の水への溶解度が高まり、洗浄
を速やかに行なえるので、合成されたt−BNに悪影響
を及ぼさない範囲で温水(通例80〜85℃で十分)を
使用するのが好ましい。洗浄液には酸性のものを用いる
ことができ、残留痕跡の少ない揮発性ないし熱分解性の
酸(HClとか有機酸)を用いることが好ましい。この
ようにして、高純度のt−BNが得られる。
素粉末は純度が高いt−BN粉末であり、一次粒子は、
非常に細く、好ましくは実質的にすべて、3〜4μm以
下のものができる。t−BN粉末の一次粒子は、良好な
成形性と焼結性を併せて保有するように好ましくは平均
粒径が1μm以下、0.5μm以下、0.3μm以下、
0.2μm以下などさらに0.1μm以下のものができ
る。得られたt−BN粉末は一次粒子の大きさが細か
く、通常二次粒子を形成しているので沈降式の粒度分布
測定装置では測定が難しい。このため、液中で分散させ
たt−BN粉末は電子顕微鏡で写真撮影し、例えばプリ
ントした写真画面に基づいて調べることができる。一例
として図4にHORIBA製LA−700粒径アナライ
ザーによる測定値を示すが、メジアン径0.3μm、累
積粒子径1μm以下で95.2%、90%粒子径=0.
75μmの値が得られた。しかし、これはなお、かなり
の二次凝集を含んでいると考えられるので、実際の一次
粒子径はこれよりもさらに細い。t−BN粉末の平均粒
径は、粉末X線回折図の半価幅からScherrer式
(J.Am.Chem.Soc.vol.84 p46
20、1963参照)によっても求めることができ、a
軸方向の結晶子のサイズLaとc軸方向の結晶子の サイ
ズLcとして求められる。この結晶子サイズは電子顕微
鏡の写真から求めら れる値とほぼ一致する。本発明の
製造方法によって得られるt−BNの一次粒子の粒度分
布は、図4に示す粒度分布グラフ及び図3、5、6に示
すSEM顕微鏡写真で観察されるように非常にシャープ
で、その粒径が狭い粒度範囲に揃ったものでを合成でき
る。t−BN粉末は、各種のレベルの狭い粒度分布とし
て得られ、例えばt−BNの一次粒子の95%以上が
0.3〜1μmのもの、さらに、0.1μm以下のも
の、0.02〜0.07μmのもの、0.2〜0.6μ
mのもの、その他の範囲のものが得られる。
い態様では、反応容器中での窒化硼素合成反応(第1次
工程を、3段階以上に分けて)段階的に温度を上げて行
なう。たとえば、バッチ方式の反応容器中(特にポット
式の容器)に原料の混合物を入れ、反応容器を加熱装置
から次の加熱装置へと移動させながら順次温度を上げる
方法を採用すれば、a−BN粉末を能率よく半連続的に
合成でき、例えば多ステーションの流れ工程などが可能
である。この方法で合成されたa−BN粉末は容易に目
的とする本発明のt−BN粉末に転化させることができ
る。
て、一次工程(或いは二次工程の)出発原料の混合物に
は種結晶として、少量のt−BN粉末を添加するのが好
ましい。少量の種結晶を添加しておくと、t−BN結晶
への転化が促進され、純度の高いt−BN粉末を速やか
に合成でき、収率の改善を図ることができる。添加する
種結晶の量は少な過ぎると効果が小さいので、水分を除
いた混合物中に好ましくは0.1重量%以上とし、多く
しても効果に差が出ないので3重量%以下とし、さらに
好ましくは0.2〜1重量%とする。この種結晶は完全
なものでなくてもよく、中間体でもよい。従って、二次
工程の反応生成物(場合によっては一次工程の反応生成
物)をそのままあるいは粉砕して或いは場合により水洗
して、一次及び/又は二次工程にリサイクリングするこ
とも収率の増大に資する。
粉末X線回折で調べると、六方晶系窒化硼素の[00
4]回折線に相当する回折線の強度が相当強く、結晶化
が進んでおり、その2θの半価幅が0.6°以下(典型
的には0.47°以下)と小さいにもかかわらず、[1
02]回折線が認められないか、たとえ認められても非
常に小さく、純度の高いt−BN粉末である。
六方晶系窒化硼素の[002]の回折線に対応する回折
線の2θの半価幅が0.6°以下であるt−BN粉末と
いうのは、結晶が相当発達していることを意味する。ま
た、h−BN粉末では粉末の一次粒子が六角板状を呈す
るが、好ましいt−BN粉末では乱層構造を有している
ため結晶のa軸方向に方向性が現れず、図3から分かる
ようにt−BNの一次粒子は円板状(大きい場合)、又
は図3、5、6に示すようにより小径の場合略球状であ
る。本発明によるt−BN粉末のCuKα線による[0
02]回折線の2θの半価幅は、好ましくは0.5°以
下である。しかし、本発明の一次工程、二次工程の組合
せ、条件の設定により、この値はさらに小さくも、大き
くも可変制御できる点に、本発明の製造方法の利点が存
する。
X線回折図の六方晶系窒化硼素の[100]、[10
1]及び[102]の回折線に対応する各回折線の占め
る面積S100、S101、S102の間にS102/(S100+S1
01)≦0.02の関係があるものが得られる。これは、
[102]の回折線が六角網目の積み重なりに規則性が
あるときに現れる回折線であるので、六角網目層の積み
重なり方に全く規則性がない又は殆ど規則性がない(層
と層の間の角度・位置の整列規則性がない)乱層構造の
t−BNであることを意味する。
ラニメーターによって測定してもよいが、記録紙に記録
さ れたX線回折図から[100]、[101]及び
[102]の回折線の部分(ベースラインの上側)をそ
れぞれはさみで切り取り、切り取った各紙片を精密天秤
で秤量して各紙片の重量をそれぞれS100、S101、S10
2としてもよい。S102/(S100+ S101)の値は、さ
らに好ましくは0.01以下である。S102が非常に小
さければh−BNの[102]に対応する回折線が 粉
末X線回折図中に認められないことになる。(図2、図
7参照)
中に含まれる酸素の含有量(従って不純物量)を少なく
できるという特徴があり、少なくともX線回折上はB2
O3のピークが認められないものが得られる。窒化硼素
粉末の純度99重量%以上、さらに好ましくは99.5
ないし99.8重量%以上ないしさらに99.9重量%
以上とすることができる。酸化硼素(酸素)の含有量が
少ないt−BN粉末は焼結反応性が高く、さらにまた加
圧成形などで圧密化した時に成形体の嵩比重を大きくで
き、これによって焼結しやすく、焼結時の収縮を小さく
でき、寸法精度のよい焼結体を作りやすいという利点が
ある。また、別の観点から、高純度の単相t−BNは、
その本来の特性を十分に発揮した種々の応用を考える上
で、魅力的である。
末の比表面積は、好ましくは20m2/g以上、さらに
好ましくは23〜25m2/g以上のものが得られる。
定の実質的に非晶質窒化硼素粉末(ないし、組成物)が
提供される。この無定形窒化硼素粉末は、1200〜1
400℃でt−BN結晶化処理を施したとき、所定の結
晶性t−BNに高収率、高効率で転化する特性を有する
ことで特徴づけられる。この組成物は、典型的には一次
工程の結果物として得られ、所定無定形窒化硼素粉末を
有意量含有することを特徴とする。直接的には、反応残
留物及び場合によりアルカリ硼素化合物塩の残留物を介
在するが、洗浄により精製した中間体を得ることも当然
可能である。これは特別の視点として、一次工程自体の
独自の有用性を示すものでもある。リサイクル(種添
加)等によって一次工程を繰り返すことも当然収率の改
善に資するし、粒径の調節にも資する。なお、付言する
こと、第1次工程の反応生成物は、それ自体乱層構造窒
化硼素の前駆体として有用であるが、それ自体として用
いる場合、或いはt−BNを初めとし、h−BNなどの
その他の(結晶状態の)窒化硼素、或いは、他の複合化
合物(ないし焼結体)、複合セラミックの合成ないし出
発原料としても当然有用である。
以下の実施例は本発明の一例であって本発明はこれらの
実施例に限定されない。
g、尿素((NH2)2CO)5.3kg、硼砂(Na2
B4O7・10H2O)0.63kgからなる混合物を出
発材料とし、この混合物を直径530mmの蓋付きのス
テンレス鋼製反応容器に入れ、この反応容器を炉内に入
れて250〜500℃;500〜600℃、600〜7
00℃、700〜800℃、800〜900℃の多段階
に各10分かけて昇温し、900±10℃で10分間保
持して反応させた(合計1時間)。約100℃で水蒸気
が噴出し初め、200℃で部分的に成分が溶融し始め反
応が進みぶくぶくと泡だってガスの放出が続いた。さら
に350〜400℃まで水蒸気を主として放出し、90
0℃に10分間保持したところ生成ガスの放出が減少し
た。この状態で放冷して反応容器の蓋を開けて反応物を
反応容器から取り出した。このとき、反応容器中の反応
物はB2O3がほぼ反応完了したことを示す乾燥したバサ
バサのカルメラ焼き状になっていた。反応容器中で反応
物を解砕し、真空吸引により取り出し、さらに粉砕機
(クラッシャー)にかけて粉砕し、1mmパスの粉末を
得た(以上、一次工程)。この生成粉末を、以下二次工
程の出発材料とする。
容器(蓋は軽く閉止)に移し、蓋付き容器ごと電気炉に
装入した。電気炉にN2又はCO2を導入して非酸化性雰
囲気とし温度を常温から1300℃に10時間かけて上
げ、最後に約1300℃に2時間保持し、放冷した。
5℃のイオン中和し交換水(熱水)で十分に攪拌粉砕し
つつ洗浄してアルカリ成分を除き、最後に酸(HCl)
で洗い中和し、さらに水洗しその後乾燥した。二次工程
の出発原料10kg当たり、洗浄後に約0.6〜0.6
5kgのt−BNが得られた。これは一次工程の出発硼
素重量に対し約28.5%以上のt−BNとなり収率は
70%以上の高率であり、しかも高純度であった。な
お、一次工程産物から二次工程の熱処理まで10〜20
%の重量ロスが認められた。
あるが、実施例とほぼ同様にして得た結晶性t−BN粉
末をCuKα線による粉末X線回折で調べた。得られた
合成粉末のX線回折図を図2に示す。図1に示す公知の
h−BNのX線回折図形と、図2の粉末X線回折図を比
べると、図2の粉末X線回折図の窒化硼素は相当t−B
N結晶化が進んでいて図1のh−BNの[002]の回
折線及び[004]回折線に対応する位置にシャープな
回折線が夫々約26.6°、約55°に認められる。し
かし、h−BNの[102]回折線に対応する位置に回
折線が認められないことが分かる。また、h−BNの
[100]回折線に対応する位置(41.55°)にか
なりシャープな回折線がある。この[100]回折線は
h−BNのシャープな[101]回折線のある高角度側
で低い[101]回折線とすそで重なっており、、[1
01]回折線は高角度側ですそを引いてやや高まったバ
ックグラウンドを描いている。この[101]回折線は
シャープな突起として存在していない。このことはこの
合成窒化硼素粉末が結晶化が進んだ純度の高いt−BN
粉末であることを意味する。図2の粉末は本発明にいう
ところの結晶性t−BN粉末の一例である。
位置と半価幅を調べたところ、[002]回折線は2
6.58°にあり、[004]回折線は55.0°にあ
り半価幅が0.47°であった。
−BN微粉末のSEMによる拡大写真(×20000倍
及び×10,000倍)を図3に示す。図3のSEM写
真から、このt−BN合成粉末の一次粒子の平均粒径は
約0.45μmであり、一次粒子の粒径は実質的に0.
3〜0.75μmの範囲内に存在することが分かる。ま
た、この一次粒子はh−BNの一次粒子に見られる六方
晶系に特有の六角板状の結晶粒子形状を示さず、結晶性
t−BN結晶に特有と考えられる円板状(大きなもの)
ないし略球状(小さなもの)であることを認めた。
し、分散した一次粒子を多く含むt−BN粉末を種結晶
として外掛けで原料中に1重量%添加した以外は実施例
1と同様にしてt−BN粉末を合成した。この実施例で
は、一次反応の進行も早くなり、最終生成t−BNの収
率に一層の改善が認められた。なお、仕込み無水硼酸に
対する生成BNの収率は最高80%以上にも達する。
したt−BN粉の分散体を作成し粒度分布測定を行い、
その結果を図4に示す。測定はHORIBA LA−7
00粒径アナライザを用いて行った。その結果メデジア
ン径0.30μm、粒子径1μm以下の累積95.2
%、90%粒子径は0.75μmであった。なおこの測
定では、完全な一次粒子とは言えない(かなり凝集した
まま測定される)点を留歩すると平均0.3μm以下で
あることは確実である。なお、その比表面積は23.4
m2/cm3であった。なお、同様にして得た別のサンプ
ルのSEM写真を図5に示す。粒子は略円板状ないし略
球状をしており、平均一次粒子径は約0.3μmであ
り、一次粒子の粒径は実質的に0.2〜0.45μmの
ごく狭い範囲内にあることが分かる。
4:9(重量比)に変え、硼砂を用いることなく、一次
工程加熱を1.5時間とし、最終温度を920〜950
℃で15分間保持し、かつ密閉容器のガス抜き孔を十分
にしぼって内部を加圧状態にした以外は実施例1と同様
にしてBNを合成した。二次工程は実施例1とほぼ同様
の条件で行い、洗浄も同様に行った。極めて高純度のt
−BNが得られた。そのSEM写真を図6に示す。形状
は略球形であり、平均一次粒子径は約0.25μmであ
り、一次粒子径は大部分が0.2〜0.3μmで実質的
に0.15〜0.38μm(即ち凡そ0.1〜0.4μ
m)の範囲にあることが分かる。なお、無水硼酸と尿素
の混合比(重量比)は4:6〜4:9が好ましいが4:
9が最良の結果を与えた。
したサンプルt−BNのX線回折図を図7に示す。図7
と図1の粉末X線回折図を比べると、図7の粉末X線回
折図の窒化硼素は相当t−BN結晶化が進んでいて図1
のh−BNの[002]の回折線及び[100]回折線
に対応する位置にシャープな回折線が夫々26.7°、
41.8°に認められる。しかし、[002]の回折線
の位置はh−BNの対応回折線位置と比べて若干高角度
側にずれており、h−BNの[102]回折線に対応す
る位置(50°)に回折線が全く認められないことが分
かる。また、h−BNの[100]回折線に対応する位
置(41.8°)に余り高くないがシャープな回折線が
ある。この回折線はh−BNの[101]回折線のある
高角度側に肩部を経てやや長いすそを引いている(以下
(10)回折線という)が[101]回折線は明確な突
起として存在しない。このことはこの合成窒化硼素粉末
がt−BNとしての結晶化が進んだ純度の高い単相t−
BN粉末であることを意味する。図7の粉末は本発明に
いうところの高純度結晶性t−BN粉末の一例である
(特に0.2〜0.3μmオーダーの超サブミクロンの
もの)。バックグランドの低さから高純度であること、
t−BN単相であることが十分うかがえる。即ち、図
2、図7の回折線共B2O3を示すピークは全く現れてい
ない点が注目されよう。
BN結晶化が進んだ、純度の高い、特に単相の、t−B
N微粉末を工業的に量産、即ち安価に提供できる。本発
明により得られる結晶性t−BN微粉末は工業的に量産
可能な唯一の製品であり、そのt−BN自体として、ま
たその焼結体さらに他のセラミック材料の出発材料等と
して有用である。また、成形体としたときの嵩比重が大
きく、焼結性にも優れているので、このt−BN粉末を
原料として焼結すれば、相対密度の大きい、したがって
強度の大きい窒化硼素焼結体が得られる。また、残留不
純物(B2O3ないし酸素含有量)を、任意に制御(低
下)できるので目的に応じた用途開発が可能である。こ
のt−BN粉末は安く製造できるので、経済的な理由で
従来使用できなかった用途にも独自に用いることができ
ると共に、優れた特性を有する窒化硼素焼結体を使用す
ることが可能なり、本発明によるt−BN粉末は産業上
の利用価値が大きい。本発明は、かかる窒化硼素の工業
的製造方法としての実用的価値も甚大である。
にt−BN)の前駆体としての実質的に非晶質の窒化硼
素が含有組成物が効率よく製造される。一次工程は、特
に、ガス雰囲気を大気圧以上とすることで高効率に実現
される。これは従来の減圧合成方法に比べ、飛躍的なブ
レークスルーを提供する。また、この組成物は、次段の
二次工程(加熱t−BN結晶化)により、高効率で乱層
構造窒化硼素(特に、特定のt−BN)に転化しうる特
性を有するものである。この一次工程の産物はそれ自体
としても有用であり、さらに結晶性t−BNその他のB
N(h−BNなど)の出発材料とすることもできる上
に、他の複合セラミックス材の出発材料としても、今後
広範な利用の基礎が与えられる。
使用は、主として、酸化防止の働きを行うと期待される
が、粒成長を阻止することによってt−BNへの(微細
結晶化)の触媒ないし助成を行なうと考えられる。換言
すれば、h−BNへの転化の阻止を行なう。さらに、水
洗を容易にし高純度化にも資する。しかし、本発明によ
れば、フラックス剤を使用せずに、一層の高純度化、微
細化を特に均一一次粒径を保った上で、達成できること
は、全く驚くべきことでもある。
す。
である。[]内にh−BN対応ピーク、()内にt−B
N対応ピークを指数付けて示す。
造を示す走査電子顕微鏡(SEM)写真(×20,00
0、×10,000、表示倍率×2/3)である。
ラフである。
示す走査電子顕微鏡(SEM)写真(×20,000、
×10,000、表示倍率×2/3)である。
−BN粉末の結晶構造を示す走査電子顕微鏡(SEM)
写真(×20,000、×10,000、表示倍率2/
3)である。
内にh−BN対応ピーク、()内にt−BN対応ピーク
を指数付けて示す。
(従来法)である。
Claims (42)
- 【請求項1】実質的に非晶質の窒化硼素をフラックス剤
としての有効量の溶融硼酸アルカリの存在下に非酸化性
雰囲気中(密閉状態又は準密閉状態の容器中雰囲気を含
む)において結晶性乱層構造窒化硼素(t−BN)へと
結晶化させる工程(t−BN結晶化工程ないし二次工
程)を含むことを特徴とする乱層構造窒化硼素粉末の製
造方法。 - 【請求項2】前記t−BN結晶化工程は、約1500℃
以下で実質的に結晶性t−BNに達するまでの所定時間
行う請求項1記載の乱層構造窒化硼素粉末の製造方法。 - 【請求項3】前記結晶化は1200〜1400℃の温度
で行なう請求項1又は2記載の乱層構造窒化硼素粉末の
製造方法。 - 【請求項4】硼素源と窒素源を含有する混合物を大気圧
ないし加圧条件下(密閉ないし準密閉容器中を含む)に
加熱反応させて実質的に非晶質の窒化硼素を合成する工
程(一次工程ないしBN合成工程)を含むことを特徴と
する乱層構造窒化硼素粉末の製造方法。 - 【請求項5】硼素源は硼素酸化物ないし加熱により硼素
酸化物を生ずる物質である請求項4記載の乱層構造窒化
硼素粉末の製造方法。 - 【請求項6】前記一次工程の反応生成物を約1500℃
以下で実質的に結晶性t−BNに達するまでの所定時間
非酸化性雰囲気(窒素雰囲気を含む)中において結晶性
乱層構造窒化硼素(t−BN)へと結晶化させる工程
(t−BN結晶化工程ないし二次工程)を含むことを特
徴とする請求項4又は5に記載の乱層構造窒化硼素粉末
の製造方法。 - 【請求項7】硼素源をなす硼素酸化物ないし加熱により
硼素酸化物を生ずる物質と窒素源にフラックス剤として
の有効量の硼酸アルカリを含む混合物を非酸化性の雰囲
気(密閉状態又は準密閉状態の容器中雰囲気を含む)に
保持して加熱反応させて実質的に非晶質の窒化硼素を合
成する工程(一次工程ないしBN合成工程)を含むこと
を特徴とする乱層構造窒化硼素粉末の製造方法。 - 【請求項8】前記窒素源として尿素を用いる請求項4〜
7の一に記載の乱層構造窒化硼素粉末の製造方法。 - 【請求項9】前記一次工程は、1200℃未満の温度ま
で加熱して行う請求項4〜8の一に記載の乱層構造窒化
硼素粉末の製造方法。 - 【請求項10】前記一次工程は少なくともフラックス剤
の溶融温度以上まで加熱して行う請求項7〜9の一に記
載の乱層構造窒化硼素粉末の製造方法。 - 【請求項11】前記反応を850〜950℃までの温度
に加熱して行ない実質的に非晶質の窒化硼素を生成する
ことを特徴とする請求項4〜10の一に記載の乱層構造
窒化硼素粉末の製造方法。 - 【請求項12】硼酸アルカリが硼酸ナトリウム及び/又
はその水和物である請求項1〜3、7〜11のいずれか
1に記載の乱層構造窒化硼素の製造方法。 - 【請求項13】前記一次工程における雰囲気が出発混合
物の加熱分解ガス成分から主として成る請求項4〜11
の一に記載の乱層構造窒化硼素粉末の製造方法。 - 【請求項14】前記一次工程を反応容器中において生成
ガスの吸引排気をすることなく行う請求項4〜12の一
に記載の乱層構造窒化硼素粉末の製造方法。 - 【請求項15】前記一次工程における雰囲気が大気圧な
いし微加圧を含む大気圧より高い圧力である請求項7〜
14のいずれか一に記載の乱層構造窒化硼素の製造方
法。 - 【請求項16】混合物中の硼素源としての硼素と窒素源
窒素を窒素過剰とする請求項4〜15に記載の乱層構造
窒化硼素の製造方法。 - 【請求項17】前記t−BN結晶化工程において、窒素
源をさらに添加する請求項1〜16に記載の乱層構造窒
化硼素の製造方法。 - 【請求項18】混合物中の硼酸アルカリの量を0.01
〜20重量%とする請求項1〜3、7〜17の一に記載
の乱層構造窒化硼素粉末の製造方法。 - 【請求項19】前記一次工程の反応生成物を非酸化性雰
囲気中(密閉状態又は準密閉状態の容器中雰囲気を含
む)で1200〜1400℃に保持して結晶性乱層構造
窒化硼素(t−BN)へと結晶化させる工程(t−BN
結晶化工程ないし二次工程)を含む請求項4〜18のい
ずれかに記載の乱層構造窒化硼素粉末の製造方法。 - 【請求項20】さらに前記一次工程の反応生成物を粉砕
する工程をBN結晶化工程(二次工程)の前に含む請求
項4〜19の一に記載の乱層構造窒化硼素粉末の製造方
法。 - 【請求項21】前記一次工程に引続き二次工程を連続し
て行う請求項4〜19の一に記載の乱層構造窒化硼素粉
末の製造方法。 - 【請求項22】前記乱層構造窒化硼素を結晶化工程の後
で水性洗浄液で洗浄して不純物を除去する請求項1〜2
1の一に記載の乱層構造窒化硼素粉末の製造方法。 - 【請求項23】前記一次工程を徐々に及び/又は段階的
に温度を上げて行なう請求項4〜22のいずれかに記載
の乱層構造窒化硼素粉末の製造方法。 - 【請求項24】t−BN微粉末を種結晶として少量添加
して硼素源、窒素源及びフラックス剤を含む混合物を加
熱反応させる工程を含む請求項1〜23のいずれかに記
載の乱層構造窒化硼素粉末の製造方法。 - 【請求項25】請求項1〜24のいずれかの方法により
製造されることを特徴とする結晶性乱層構造窒化硼素粉
末。 - 【請求項26】硼素源としての硼素酸化物ないし加熱に
より硼素酸化物を生ずる物質と尿素を含む窒素源に有効
量の硼酸アルカリを含む混合物を非酸化性雰囲気中(密
閉状態又は準密閉状態の容器中雰囲気を含む)で加熱反
応させて結晶性乱層構造窒化硼素の前駆体を生成させる
工程(一次工程)、及び該反応生成物を非酸化性雰囲気
中で加熱して結晶性乱層構造窒化硼素へと結晶化させる
工程(二次工程)を含む方法により製造される結晶性乱
層構造窒化硼素粉末。 - 【請求項27】硼素源としての硼素酸化物ないし加熱に
より硼素酸化物を生ずる物質と尿素を含む窒素源とを含
む混合物を大気圧ないし加圧条件下(密閉ないし準密閉
容器中を含む)に加熱反応させて結晶性乱層構造窒化硼
素の前駆体を生成させる工程(一次工程)、及び該反応
生成物を非酸化性雰囲気中で加熱して結晶性乱層構造窒
化硼素へと結晶化させる工程(二次工程)を含む方法に
より製造される結晶性乱層構造窒化硼素粉末。 - 【請求項28】CuKα線によるX線回折図における六
方晶系窒化硼素の[004]の回折線に対応する回折線
の2θの半価幅が0.6°以下であることを特徴とする
結晶性乱層構造窒化硼素粉末。 - 【請求項29】該X線回折図において六方晶系窒化硼素
に相当する[002]回折ピーク、[004]回折ピー
ク及び[100]回折ピークを有し、[101]回折ピ
ークに代わり実質的に非晶質の乱層構造窒化硼素に現れ
る[10]回折ピークを[100]回折ピークの大角側
に連接して有すると共に、六方晶系窒化硼素の「10
2」相当回折ピークを実質的に明確に示さないことを特
徴とする請求項28に記載の結晶性乱層構造窒化硼素粉
末。 - 【請求項30】該X線回折図中の六方晶系窒化硼素の
[100]、[101]及び[102]の回折線に対応
する各回折線の占める面積(回折線の強度を意味する)
S100、S101及びS102の間にS102/(S100+S101)
≦ 0.02の関係があることを特徴とする請求項26
〜29の一に記載の結晶性乱層構造窒化硼素粉末。 - 【請求項31】CuKα線による粉末X線回折図におけ
る六方晶系窒化硼素の[004]の回折線に相当する2
θの回折線が55°±0.3°にある請求項28〜30
の一に記載の結晶性乱層構造窒化硼素粉末。 - 【請求項32】窒化硼素粉末の一次粒子の粒径が3μm
以下、一次粒子の平均粒径が1μm以下、一次粒子の大
部分が略球状及び/又は略円板形状の粒形を有するもの
である請求項25〜31の一に記載の結晶性乱層構造窒
化硼素粉末。 - 【請求項33】窒化硼素粉末の一次粒子の平均粒径が
0.1μm以下である請求項25〜32の一に記載の結
晶性乱層構造窒化硼素粉末。 - 【請求項34】一次粒子の平均粒径をXμmとすると
き、一次粒子の90%以上が1/2X〜2Xμmの範囲
内に存する請求項25〜33の一に記載の結晶性乱層構
造窒化硼素粉末。 - 【請求項35】吸着法で測定される窒化硼素粉末の比表
面積が20m2/g以上である請求項25〜34のいず
れかに記載の結晶性乱層構造窒化硼素粉末。 - 【請求項36】X線回折上実質的に酸化硼素を含まない
高純度の請求項25〜35のいずれかに記載の結晶性乱
層構造窒化硼素粉末。 - 【請求項37】前記乱層構造窒化硼素のCuKα線によ
る粉末X線回折図に六方晶系窒化硼素の[102]回折
線に相当する回折線ピークが認められない請求項25〜
36のいずれかに記載の結晶性乱層構造窒化硼素粉末。 - 【請求項38】前記乱層構造窒化硼素粉末のCuKα線
による粉末X線回折図の六方晶系窒化硼素の[100]
及び[101]に相当する回折線が合わさった[10]
回折線に[101]回折線に相当する回折線がピークと
して実質上に認められない請求項25〜37のいずれか
に記載の結晶性乱層構造窒化硼素粉末。 - 【請求項39】CuKα線による合成窒化硼素粉末のX
線回折図における六方晶系窒化硼素の[004]の回折
線に対応する回折線が明確な尖鋭なピークとしての形を
有さない鈍い山形状である実質的に非晶質の窒化硼素粉
末を含む粉末組成物であって、同粉末を非酸化性雰囲気
中において1200〜1400℃で加熱してt−BNへ
の結晶化処理をするとき、CuKα線による合成窒化硼
素粉末のX線回折図における六方晶系窒化硼素の[00
4]の回折線に対応する回折線の2θの半価幅が0.6
°以下であり、該X線回折図中の六方晶系窒化硼素の
[100]、[101]及び[102]の回折線に対応
する各回折線の占める面積(回折線の強度を意味する)
S100、S101及びS102の間にS102/(S100+S101)
≦ 0.02の関係がある結晶性乱層構造窒化硼素粉末
に転化する特性を有する結晶性乱層窒化硼素前駆体を含
有することを特徴とする非晶質窒化硼素粉末含有粉末組
成物。 - 【請求項40】硼酸アルカリを含有する被覆層を有する
被覆窒化硼素粉末粒子。 - 【請求項41】前記窒化硼素として実質的に非晶質の窒
化硼素を含有する請求項40記載の被覆窒化硼素粉末粒
子。 - 【請求項42】前記窒化硼素として実質的に結晶性乱層
構造窒化硼素を含有する請求項40記載の被覆窒化硼素
粉末粒子。
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