JP2012512416A - 機能性流体用光学活性マーカー - Google Patents

機能性流体用光学活性マーカー Download PDF

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    • GPHYSICS
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Abstract

本発明は、流体が偏光ビームで引き起こす光学回転の量を測定することにより、流体を同定する方法を関する。本発明はさらに、流体が引き起こす回転の量に影響を及ぼすために、流体中での任意選択の光学活性マーカーの使用を提供する。本発明は、流体の使用の前、間、および/または後で流体を同定するための、都合のよい信頼性ある手段を提供する。本発明の別の目的は、野外で迅速に機能性流体を分析する方法を提供することである。本発明の別の目的は、訓練を受けていない人物によって、また正確な測定なしに、野外で迅速に機能性流体の属性を試験する方法を提供することである。

Description

本発明は、有機流体などの流体の、属性(identity)の決定に関する。詳細には、本発明は、流体の使用の前、間、および/または後に流体を同定するための、都合のよい信頼性ある手段を提供する。本発明は、偏光ビームを流体のサンプル内に通過させ、このサンプルによって引き起こされた光学回転の量を測定することによって、流体を同定するためのシステムにも関する。本発明はさらに、サンプルから観察される回転の量を増加させかつ/または調節する光学活性マーカーの使用を提供する。任意選択の光学活性マーカーを含む、試験がなされる流体中の材料によって引き起こされるこの回転の測定は、流体の同定を可能にする。
様々なタイプの流体が、数多くの非常に様々な適用例で使用されている。流体の様々なタイプおよび使用の全てにおいて、流体および/または流体の供給源を同定することがしばしば求められており、流体を同定する手段が都合のよいものでありかつ信頼性あるものであることが求められている。
本出願で定義される機能性流体は、様々な自動車、オフロード車、公道車両(on−highway vehicles)、装置、機械、金属加工、および工業的適用例で用いられる流体である。機能性流体の不適正な利用または認められていない偽造を防止するには、そのような機能性流体の属性を知ることが重要である。適正な機能性流体は、この機能性流体を含有するデバイスおよび/または装置の良好な状態を確実にするのを助け、保証契約(warranty agreements)に影響を及ぼす可能性がある。したがって、そのような機能性流体の属性を決定できることが望ましい。
流体の様々な構成成分の存在および/または濃度を決定するのに様々な試薬を使用して、流体を分析し同定するための方法が存在する。特定の試薬は、機能性流体中の成分の存在および濃度を決定するのに用いてもよい。これらの方法は、一般に、試験片で反応性試薬を使用して、pH、着色剤、および汚染物質を分析する。これらの方法は、一般に、反応性試薬を適正に機能させるための制御された状態も必要とする。さらに、これらの方法は、主観的であり不正確になる可能性がある。
マーカーは、流体を同定するのに使用されてきた。プロトン受容化学物質が、マーカーとして、またはタガントとして、特に石油由来の燃料用のものとして提示されている。マーカーは、同定される液体に溶解し、次いでマークされた液体に関する化学試験を行うことによって引き続き検出される。マーカーは、特定グレードの燃料に関して適切な税金が支払われているのを確実にするために、政府機関によって時々用いられる。石油会社も、希釈されまたは改質された製品の同定の支援を助けるため、自らの製品をマークする。これらの会社は、それぞれのブランド製品がある特定仕様を満たすのを確実にするために、ならびに効果的な添加剤パッケージを有する製品を提供するために、しばしば多大な費用を費やす。消費者は、購入した製品が所望の品質であると確信するのに、製品名および品質表示を当てにする。したがって、石油製品中のマーカーを同定できることは重要である。
伝統的に、マーカー物質の存在は、その正確な性質がマーカー物質に応じて様々に変わる可能性がある酸物質の水性または著しく水性の溶液で流体を抽出することにより、検出され、任意選択で定量される。酸は、マーカー化合物と反応して、水性酸相に溶解した容易に目に見える多少強く着色された陽イオンを生成する。この方法は、特許文献1に開示されている。さらに、酸性物質を試験片に付着させる方法が、特許文献2に開示されている。試験片を油に浸漬し、ジアゾ型マーカーを試験片の酸性物質と反応させ、色が変化する。
これらの方法の多くでは、完全な定量のために十分な量のマーカーが回収されるよう、流体の抽出を、典型的には2回または3回繰り返して行う必要があると考えられる。さらに、抽出された分離相は、しばしば有害廃棄物として分類可能であり、特に検査が「野外で(in the field)」行われる場合に安全で合法的な廃棄に関する問題を提示する。さらに、試験がなされる機能性流体は、プロセスによって汚染される可能性があり、この流体を当初の供給源に戻すことが望ましくなく、さらなる廃棄物処理問題が提示される。
これらの流体の多くの所有者/使用者、装置の操作者、および/またはこれら流体の小売業者は、瑕疵解明(warranty resolutions)などでそのような疑問が生じる場合、現在、流体の特定の属性を決定するためにオフサイト実験室に依存している。野外で流体の同定を可能にできるツールは、瑕疵解明および類似した課題を速めることが可能であると考えられる。
米国特許第5,145,573号明細書 国際公開第03/078551号
本発明の目的は、流体の属性を正確に分析するための、容易で都合のよい送達システムを提供することである。本発明の別の目的は、野外で迅速に機能性流体を分析する方法を提供することである。本発明の別の目的は、訓練を受けていない人物によって、また正確な測定なしに、野外で迅速に機能性流体の属性を試験する方法を提供することである。本発明のさらに別の目的は、野外で迅速に機能性流体を同定するための診断キットを提供することである。
本発明は、機能性流体の属性を決定する方法であって:(1)任意選択の光学活性マーカー成分を、この流体に添加するステップ;(2)適用において、流体のサンプルの使用の前、間、または後にその流体のサンプルを得るステップ;(3)偏光ビームをこのサンプル内に通過させるステップ;(4)この光がサンプル内を通過した後の光の平面の回転を測定するステップ;(5)観察された回転の量によって、流体の属性を決定するステップを含む方法を提供する。
本発明はさらに、光学活性マーカーとしてのキラル分子の使用を提供し、このキラル分子は、流体に少なくとも部分的に可溶である。本発明の方法で使用された光学活性マーカー成分は、少なくとも1組の鏡像異性体に関して非ラセミである。
本発明はさらに、偏光の供給源と、偏光ビームを前記供給源から流体のサンプル内に向けるための手段と、このビームがサンプル内を通過した後の偏光ビームの回転量を検出するための手段と、分析器からの結果を使用者に伝達する手段とを含む、流体を分析するための診断キットを提供する。キットは、流体の同定において使用者を支援するために、書面による指示書、絵、図、および/または写真を含んでいてもよい。そのような診断キットと共に使用される流体は、光学活性マーカーを含んでいてもよい。
本発明は、様々な流体の属性を分析しモニタするために、方法およびキットなどのデバイスを含む、流体の供給源を同定しかつ/または確認するための手段として、測定された光学回転の使用を提供する。本発明はさらに、偏光を回転させる流体の能力に影響を及ぼす光学マーカーを提供する。これらのマーカーは、本明細書に記載の方法、デバイス、およびキットで使用してもよく、流体の供給源を同定しかつ/または確認するのに、かつ/または流体の属性をモニタするのに使用してもよい。
同定される流体
本発明での使用に適した流体は、前記流体を同定するのに本明細書に記載の方法および光学活性マーカーを使用してもよいので、過度に限定されない。一般に、本明細書に記載の方法および光学活性マーカーは、流体の供給源および/または属性を確認しかつ/または決定することが求められている任意の液体または流体で使用してもよい。より具体的には、本発明の方法は、潤滑剤および燃料などの機能性流体と工業用流体とを対象とする。
適切な流体には、例えば、内燃機関、定置機関、タービン、トランスミッション、差動装置、ポンプ、金属加工操作、冷却システム、および工業システムなどを含む、数え切れない供給源に由来する機能性流体が含まれる。機能性流体は、オートマチックトランスミッション流体、連続可変トランスミッション流体、無段変速トランスミッション流体、牽引駆動トランスミッション流体、マニュアルトランスミッション流体、パワーステアリング流体、凍結防止液、潤滑油、グリース、クランク室潤滑剤、シリンダ潤滑剤、鉱油、グループI、II、III、またはIV基油、差動潤滑剤、タービン潤滑剤、ギア潤滑剤、ギアボックス潤滑剤、車軸潤滑剤、ファームトラクタ流体、変圧器流体、コンプレッサ流体、冷却システム流体、金属加工流体、油圧流体、ブレーキ流体、工業用流体、燃料、および無段変速トランスミッション流体などを含む。一実施形態で、機能性流体は、オートマチックトランスミッション流体である。一実施形態で、機能性流体は、パワーステアリング流体である。一実施形態で、機能性流体は、ガソリンおよび/またはディーゼルなどの内燃燃料である。一実施形態で、機能性流体は、エアコンプレッサ潤滑剤および/またはタービン潤滑剤などのコンプレッサ液である。一実施形態で、機能性流体は、内燃機関油である。一実施形態で、機能性流体は、流体の耐用寿命を含む期間に至るまで、使用中のある時間が過ぎたときに試験される。
いくつかの実施形態では、流体は有機であり、汚染によって一般に引き起こされる少量以外はいかなる水性材料も含まない。そのような実施形態では、流体は、10%未満の水、または5%未満、1%未満、またはさらに0.5%未満の水を含有していてもよい。その他の実施形態では、流体は、有機および水性流体の両方、ならびにこれらの混合物を含む。
非流体材料を本発明で使用してもよく、この場合、試験をするために、非流体材料を溶媒に溶解し、融解し、またはその他の方法で流体媒体中に移す。
多くの流体は、偏光の平面を回転させる材料を含有する。この回転の測定は、以下に記載するように、流体の属性を検証するのに使用してもよい。そのような材料は、本発明の方法でマーカーとして使用してもよい光学活性材料を、本来含有する。本発明は、そのような材料の光学回転を測定する方法を含み、流体を同定する手段として観察された回転を使用する。いくつかの実施形態では、流体は、有意な回転を全くもたらさなくてもよく、かつ/または競合製品、偽造製品および/または代替製品より多くまたはそれより少なく光を回転させなくてもよい。そのような場合、本発明はさらに、種々のレベルの光学回転をもたらすために、流体に添加してもよい光学活性マーカーの使用を提供する。こうして任意選択のマーカーを含む流体は、次に本発明の方法によって試験をすることができ、本明細書に記載される光学マーカーの使用によって調節された、観察された光学回転は、流体の属性を同定しかつ/または検証するのに使用してもよい。
マーカーと共に使用される溶媒
光学マーカーが流体に添加される実施形態では、マーカーは、流体に添加してもよく、この流体と共に、マーカーは未処理の成分として使用される。その他の実施形態では、マーカーは、本明細書に記載されるように1種または複数の光学マーカーを含みさらに1種または複数の溶媒を含む混合物中に存在してもよく、マーカー濃縮物またはマーカー溶液を形成し、次いでこれを流体に添加してもよい。この混合物はさらに、得られる機能性流体の性能に影響を及ぼしかつ/または改善するように設計された性能添加剤などであるがこれらに限定するものではない、追加の材料を含んでいてもよい。
上述のように、適切な溶媒をマーカーと共に使用してもよく、マーカー溶液が形成される。使用される溶媒は、試験がなされる機能性流体のタイプ、使用される送達システム、および使用されるマーカーに依存する。溶媒の組合せも、適用例および所望の分析タイプに応じてマーカーが機能性流体に溶解しない場合に有用である。溶媒または溶媒の組合せは、機能性流体およびマーカーに対する良好な溶解力および混和性、周囲温度での低蒸気圧、および高引火点などを含めた所望の特性を考慮することによって、選択してもよい。
適切な溶媒には、脂肪族、不飽和、および芳香族炭化水素、アルコール、グリコール、グリコールエーテル、グリセロールなどのポリオール、メタノール、エタノール、およびプロパノールなどの低級アルコール、エーテル、エステル、アミド、アミン、および水などが含まれる。溶媒の組合せを使用してもよい。
いくつかの実施形態では、マーカーと、存在してもよい任意の任意選択の溶媒および/または追加の添加剤との混合物を指すマーカー成分は、マーカー化合物の光学活性性質を阻害すると考えられるいかなる材料も含まない。その他の実施形態では、マーカー成分は、存在する光学活性マーカーと反応すると考えられるいかなる材料も含まない。その他の実施形態では、マーカー成分は、いかなる非キラルおよび/または非光学活性成分も含まない。
マーカーという用語および/またはマーカー成分という用語は、本出願で使用する場合、他に指示しない限り、添加された溶媒を含まない1種もしくは複数のマーカー化合物そのもの、または、1種もしくは複数のマーカー化合物および1種もしくは複数の溶媒もしくは追加の添加剤の混合物を含むマーカー溶液を、意味することができると理解される。溶媒は、マーカー溶液中に、約1重量%から約99.99重量%の範囲で存在してもよく、一実施形態では、マーカー溶液の約5重量%から約98重量%、別の実施形態では約1重量%から約95.5重量%の範囲で存在してもよい。
光学活性マーカー
マーカー物質は、共に使用される流体および/または流体が使用されるシステムに、適合するようにまたは反しないように選択される。一実施形態では、マーカーは、機能性流体がその使用中に曝される、適用例および/または使用条件で存続するように選択される。
一実施形態では、マーカー物質は、新しい流体および/または未使用の流体を同定するのに使用される。その他の実施形態では、一例として保証権利のために、使用される流体の属性を実証することが有用である。この場合、マーカーは、流体の典型的な操作および/または使用条件に直面した後に、存続しかつ検出可能である必要がある。機能性流体の場合、これは、機能性流体が使用されるエンジンまたはその他のデバイスの動作で存続することを含んでいてもよい。
本発明での使用に適したマーカーは、光学活性マーカーとして記載してもよい。適切な光学マーカーは:キラル分子を含む1種または複数の化合物;その分子が少なくとも1つのキラル中心、軸、または平面を含有する1種または複数の化合物;その分子が、少なくとも1個の4面体型結合原子を含有しこの4面体型結合原子上の4個の置換基全てが異なっている1種または複数の化合物;または上述の化合物の1種または複数の混合物を含む。上述の実施形態の全てにおいて、使用されるマーカーの混合物は、光学活性系が、偏光の平面を回転させるように存在するような、全体鏡像体過剰率を持たなければならない。
一実施形態では、本発明のマーカーは、以下に示す式Iによって表される1種または複数の化合物を含む:
(式中、Xは、C、N、P、またはSであり;R、R、R、およびRは、それぞれ独立して、ヒドロカルビル基、−OR基(Rは水素またはヒドロカルビル基である)、芳香族基、孤立電子対、二重結合した酸素または窒素原子であり(XがPまたはSである場合)、但し、各R基は、一意的であり、各R基は、官能基を含有していてもよいことを条件とする。即ち、R、R、R、およびRは、それぞれ一意的な置換基であり、R≠R≠R≠Rである)。
いくつかの実施形態では、光学活性マーカーは:マークされている流体に可溶であり;光の適切な波長の測定可能な光学回転を示し;マークされている流体にまたは流体が使用される適用例に害を及ぼさず;可視スペクトルで無色であり、かつ/またはマークされている流体の色に影響を与えず;無臭および/または無味であり、かつ/またはマークされている流体の臭いおよび/または味に影響を与えず;またはこれらのいくつかの組合せである。
マーカーは、0.00001重量%から100重量%まで、流体に可溶であってもよい。適切なマーカーが回転を引き起こす、適切な波長の光には、紫外線、可視光線、赤外線、またはこれらの組合せが含まれる。十分な光学回転は、回転を評価するのに使用される測定デバイスでの誤差の範囲よりも大きい量であってもよく、いくつかの実施形態では、回転が少なくとも0.1度、少なくとも0.5度、少なくとも1度、または回転が少なくとも5度である。360度よりも大きい光学回転が可能であるが、本発明では、360度よりも大きく光を回転させる分子は、その実際の回転から360を引いた光学回転を有すると特徴付けられる。
化合物は、そこを通過する偏光の平面を回転させることができる場合、光学的に活性であると見なされる。光学回転の量は、分子構造および流体中の光学活性分子の濃度と、流体を通過する光の波長と、関係ある光路長と、温度とによって決定される。各光学活性物質は、ビオの法則で定義される、それ自体の比旋光度を提供する:
(式中、[α]=比旋光度、T=温度、λ=波長、α=光学回転、c=g/100mlを単位とした濃度、l=dmを単位とした光路長である)。光学活性化合物により引き起こされた回転は、キラル材料と偏光との相互作用から得られる。キラル分子の特定の鏡像異性体は、偏光を様々な程度まで吸収する。鏡像異性体は、偏光の平面を回転させる方向によって命名することができる。光を時計回りに回転させる場合(光の進行方向に居る観察者によって見られるように)、鏡像異性体は、(+)、または右旋性(dextrorotatory)に由来して「d−」と標識される。その鏡像は、(−)、または左旋性(levorotatory)に由来して「l−」と標識される。
光学活性化合物は、R/S表示を使用して、その原子の空間配置により各異性体を同定することによって、標識されてもよい。R/S系は、上述の(+)/(−)またはd−/l−系に対して固定された関係を持たない。R/S系は、原子番号に基づき、キラル中心の置換基に優先度が与えられる系に応じて、RまたはSで、化合物に存在する各キラル中心を標識する。優先度が最も低い置換基が観察者から離れた方向を指示するように、キラル中心が向けられている場合、観察者は、2つの可能性を見る:他の3個の置換基の優先度が時計回り方向で低下する場合、キラル中心を右(Rectus)に因んでRと標識し;置換基の優先度が反時計回り方向で低下する場合、キラル中心を左(Sinister)に因んでSと標識する。この系は、分子の各キラル中心(および/または各キラル平面、キラル軸、および/またはキラル基)を標識し、したがって上述のその他の系よりも高い一般性を有する。
光学活性化合物は、キラル分子を含む。キラルという用語は、それ自体の鏡像に重ね合わせることができない物体を説明するのに使用される。キラル分子は、分子のキラリティが、4個の異なる置換基を有する単一原子、通常は炭素原子を中心とした、「ポイントキラリティ」を有することができる。4面体型結合原子上の4個の置換基の全ては異なっている場合、分子はキラルである。同位体差は、キラリティに十分である。
キラル分子に関する上記定義は、4面体炭素原子に限定されず、置換基またはリガンドの適切な組を有する任意のその他のタイプの中心原子も含む。その例には、金属錯体および無機構造を含めた、適切な置換の8面体およびその他の配位構造が含まれる。さらに、分子は多数のキラル中心を有していてもよい。分子は、ポイントキラリティを持つことなくキラルであることも可能である。一般的な例には、軸性キラリティを有する1,1’−ビ−2−ナフトール(BINOL)および1,3−ジクロロ−アレン、ならびに平面キラルを有する(E)−シクロオクテンが含まれる。
キラル分子の不斉中心は、特定原子上に位置付けられる必要はない。例えば、適切な置換基を有するアダマンタン誘導体は、キラルであってもよい。これらの構造において、基全体は、単一原子とは対照的に、空間的配置に4個の置換基を保持し、化合物は、その鏡像と重なり合うことができなくなる。
分子のキラリティが、キラル部分の基または空間的配置の束縛回転から生ずるものである、多くの例があり、そのいくつかの例には、1,2,3,4−テトラメチル−シクロオクタテトラエン、2,5−ジメチル−ビシクロ−2,2,2−オクタ−2,5,7−トリエン、およびパークロロ−トリフェニルアミンが含まれる。さらに、アキラル分子から作製されたカテナンおよび分子節は、キラルであってもよい。
キラル物質は、2種の可能性ある鏡像異性体の一方のみが存在する場合、エナンチオピュアまたはホモキラルと見なされる、2種の鏡像異性体の等量の混合物は、ラセミ混合物と言われる。キラル物質は、過剰な一方の鏡像異性体が存在するが他方を除外するものではない場合、鏡像異性体に富みまたはヘテロキラルである。鏡像体過剰率は、一方の鏡像異性体が他方に比べてどの程度存在するかの尺度である。非ラセミキラル混合物は、スケールミックと呼んでもよい。
いくつかの実施形態では、本発明は、マーカー成分および/または混合物がラセミ混合物ではない、1種または複数の光学活性マーカーを使用する。即ち、マーカー成分はスケールミックであり、ある鏡像体過剰率を有する、または光学純度が100%未満である。いくつかの実施形態では、本発明は、光学活性マーカーの混合物が、存在する各光学活性マーカー毎に少なくとも5重量%過剰な一方の鏡像異性体を含有することを必要とする。さらにその他の実施形態では、過剰率が20重量%、50重量%、またはさらに75重量%でなければない。
本発明のマーカーは、下記の物質、即ち:アブシジン酸、スルホキシム、スルホンアミド、スルタム、1−アセトキシカビコールアセテート、アセナフテノール、アルフゾシン、アルプレノロール、アルチアジド、1−アミノインダン、アムロジピン、アニソイン、9−アントリルエタノール、9−アントリルトリフルオロメチルカルビノール、アルギニン、アテノロール、アトロピン、アゼラスチン、バンブテロール、ベンドロフルメチアジド、ベンゾイン、1−(4−ベンジルオキシ)フェニル、エタノール、βナフチルメチルカルビノール、ベタキソロール、ビホナゾール、1,1’−ビナフトールモノメチルエーテル、1−(p−ブロモフェニル)エタノール、ブロムフェニラミン、バックミンスターフラーレン−エノン[2+2]光付加物、ブフラロール、ブピバカイン、ブプラノロール、カラノリド、カラゾロール、カルプロフェン、カルベジロール、クロルフルレコールメチルクロルメザノン、4−クロロマンデル酸、2−(2−クロロ−4−メチルフェノキシ)プロピオン酸、2−(3−クロロフェノキシ)プロピオン酸、1−(m−クロロフェニル)エタノール、1−(o−クロロフェニル)エタノール、1−(p−クロロフェニル)エタノール、クロルタリドン、シクロプロフェン、シタロプラム、クレンブテロール、クロマカリム、クロトキシホス、シクランデレート、1−シクロヘキシル−1−フェニル酢酸、1−シクロペンチル−1−フェニル酢酸、シクロペンチルベンゾイル−ジアミド、シクロホスファミド、シクロチアジド、シクロチアジド−1、コムブレタスタチンD−1、クマクロル、シペルメトリン、デブリノール、ナプロパミド、デキスメデトミジン、2,2’−ジアミノビナフタレン、2,3−ジベンゾイル−酒石酸、ジクロホップメチル、ジヒドロテトラベナジン、ジルチアゼム、ジメチル(1−アセトキシ−3−フェニル−E−プロペニル)ホスホネート、ジメチル(1−ヒドロキシ−3−フェニル−E−プロペニル)ホスホネート、3,5−ジメチルアニリド−R,S−イブプロフェン、ジノカップ、ジペロドン、ジペロドン−1、ジペロドン−2、ジフェニルニトロキシド、ジソピラミド−1、ジソピラミド−2、ジトルオイル酒石酸、ドロプロピジン、ドキサゾシン、EEDQ、エトトイン、エチル−2−(p−ヒドロキシフェノキシ)プロピオネート、エフェドリン、エトドラク、フェノプロフェン、フェノテロール、フェノキサプロパ−エチル、フェンバレレート、フラバノン、フロブフェン、フロブフェン−1、4−フルオロフェニルアラニン、フルアジホパ−ブチル、フルリジル、1−(p−フルオロフェニル)エタノール、フルオキセチン(プロザク)、フルルビプロフェン、ホルモテロール、グルタミン、グルタミン酸、ハロキシホパ−エトキシエチル、Hanessianのリグナン、ヘスペリチン、ヘスペリチン−2、ヘキソバルビタール、ヒスチジン、ホマトロピン、ホモシステインチオラクトン、フペルジン、ヒドロアトロパ酸、ヒドロベンゾイン、ヒドロキシクロロキン、1−(4−ヒドロキシフェニル)エタノール、p−ヒドロキシ−フェニルグリシン、2−(4−ヒドロキシ−フェノキシ)プロピオン酸、イブプロフェン、イブプロフェノール、イダゾキサン、イフェンプロジル、イフェンプロジル−2、イホスファミド、インダパミド、インダパミド−1、インドプロフェン、イプスジエノール、イソクスプリン、イスラジピン、イスラジピン−1、ケタミン、ケトコナゾール、ケトプロフェン、ケトプロフェン−1−ナフチルアミド、ケトロラク、KP411、キヌレニン、ランソプラゾール、ラウダノシン、レプトホス、ホスベル、ロイシン、ロイシン−1、ロラゼパム、ロルグルミド、ロキソプロフェン、ルシフェリン、マンデル酸、McN 5652、メコプロプ、メフェニトイン、メタラキシル、メタドン、メタドン−1、メチオニン、a−メトキシフェニル酢酸、2−メトキシフェニルフェニルカルビノール、1−(4−メトキシフェニル)−2−ブタノール、1−(o−メトキシフェニル)エタノール、1−(4−メトキシフェニル)−2−プロパノール、メチルマンデレート、1−(o−メチルフェニル)エタノール、1−(m−メチルフェニル)エタノール、1−(p−メチルフェニル)エタノール、メチル3−フェニル−3−アジド−2−ヒドロキシプロパノエートの1種または複数を含んでいてもよい。
キラル化合物の追加の例には:3−メチル−5−フェニルヒダントイン、メトラクロール、メトラゾン、メトプロロール、ミアンセリン、モダフィニル、モサプリド、ナジフロキサシン、ナドロール、1,1’−ビ−2−ナフトール、a−ナフトールメチルカルビノール、1−ナフチル−2−ブタノール、2−ナフチル−2−ブタノール、1−ナフチルウレアフェネチルアミン、ナプロパミド、ナプロキセンジイソプロピルアミド、ナプロキセン(正常相)、ナプロキセン(逆相)、ナプロキセン(ULMO CSP上)、ナプロキセンメチルアミド、ナリンゲニン、ニカルジピン、N−CBZ−バリン、ニコチン、ニモジピン、ニルバノール、ノルロイシン、ノルバリン、オクトパミン、オフロキサシン、オメプラゾール、オメプラゾール(Prilosec)、オメプラゾール(Prilosec)−1、オキサゼパム、オキスプレノロール、オキシブチニン、p−クロロ−ワーファリン、パントプラゾール、パズフロキサシン、ペルメトリン、フェニラミン、フェニルシクロヘキシルカルビノール、2−フェニルシクロプロパンカルボキシレート、フェニルエチルカルビノール、フェニルイソプロピルカルビノール、フェニルメチルカルビノール、1−[(4−フェニル)フェニル]エタノール、フェニルフェニルエチルカルビノール、1−フェニル−2−プロパノール、フェニルプロピルカルビノール、フェニルトリブロモメチルカルビノール、フェニルアラニン、フェニル酪酸、フェニルエチレングリコール、フェニルグリシン、1−フェニルペンタノール、フェニルコハク酸、ピンドロール、ピンドロール−1、ピルプロフェン、PPO阻害剤、プラクトロール、プラジカンテル、プリロカイン、プログルミド、プロリン、プロネタロール、プロパフェノン、プロピコナゾール、チルト、プロプラノロール、キザロホップ−エチル、ラノラジン、レバミピド、レスメトリン、SC 41930、セリン、セトキシジム、ソタロール、スチルベンオキシド、スチレンオキシド、スルコナゾール、スルフィンピラゾン、スリンダク、スルピリド、スプロフェン、タキシホリン、テマゼパム、テマゼパム−1、テルブタリン、テルフェナジン、テルフェナジン−2、tert−ブチル−2−(ベンズアミド)シクロペンチルカルバマト、セパラチオン、tertブチルフェニルカルビノール、テトラベナジン、テトラヒドロベンゾピレン−7−オール、テトラヒドロパルマチン、テトラヒドロパルマチン−2、テトラヒドロピリミンジン、テトラヒドロゾリン、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフトール、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフチルアミン、テトラメトリン、テトラミソール、サリドマイド、2−チオフェンエタノール、3−チオフェンエタノール、チアプロフェン酸、チモロールマレエート、トフィソパム、トルペリソン、trans−2−フェニル−1−シクロヘキサノール、trans−11,12−ジアミノ−9,10−ジヒドロ−9,10−エタノアントラセン、トリクロルメチアジド、4−(トリフルオロメチル)マンデル酸、1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオール、1,3,5−トリフェニルペンタ−4−イン−1−オン、1−(m−トリフルオロメチルフェニル)エタノール、a−トリチル−2−ナフタレンプロピオン酸、Trogerの塩基、トログリタゾン、トロロックス、トロロックス−1、トロロックス−メチルエーテル、トロピカミド、トリプトファン、ツロブテロールHCl、チロシン、U−100057、U−94863、trans−U−50488H、バリン、バニルマンデル酸、バポール、ベラパミル、ベラパミル、ビロキサジン、ワーファリン(正常相)、ワーファリン(逆相)、ワーファリン(ULMO CSP上)、ゾピクロンが含まれる。
キラル化合物の、さらにその他の例には:D−アラニノール、L−アラニノール、L−(+)−イソロイシノール、L−(+)−イソロイシノール、L−(+)−ロイシノール、D−メチオニノール、L−メチオニノール、D−(+)−フェニルアラニノール、L−(−)−フェニルアラニノール、D−(−)−α−フェニルグリシノール、L−(+)−α−フェニルグリシノール、D−(−)−プロリノール、L−(+)−プロリノール、D−トリプトファノール、L−トリプトファノール、D−バリノール、L−バリノール、R−(−)−2−アミノ−2−フェニルエタノール、BOC−D−アラニノール、BOC−L−アラニノール、CBZ−D−アラニノール、CBZ−L−アラニノール、FMOC−D−アラニノール、FMOC−L−アラニノール、BOC−D−(+)−イソロイシノール、BOC−L−(+)−イソロイシノール、CBZ−D−(+)−イソロイシノール、CBZ−L−(+)−イソロイシノール、BOC−D−(+)−ロイシノール、BOC−L−(+)−ロイシノール、CBZ−D−(+)−ロイシノール、CBZ−L−(+)−ロイシノール、BOC−D−フェニルアラニノール、BOC−L−フェニルアラニノール、CBZ−D−フェニルアラニノール、CBZ−L−フェニルアラニノール、FMOC−D−フェニルアラニノール、FMOC−L−フェニルアラニノール、BOC−D−α−フェニルグリシノール、BOC−L−α−フェニルグリシノール、FMOC−D−α−フェニルグリシノール、FMOC−L−α−フェニルグリシノール、BOC−D−プロリノール、BOC−L−プロリノール、CBZ−D−プロリノール、FMOC−D−プロリノール、FMOC−L−プロリノール、BOC−D−バリノール、BOC−L−バリノール、FMOC−L−バリノールが含まれる。
キラル化合物の、さらにその他の例には:S−2−メチルピペラジン、R−2−メチルピペラジン、S−1−Boc−2−メチルピペラジン、R−1−Boc−2−メチルピペラジン、S−ピペラジン−2−カルボン酸、R−ピペラジン−2−カルボン酸、S−4−Boc−ピペラジン−3−カルボン酸、R−4−Boc−ピペラジン−3−カルボン酸、S−4−Boc−2−メチルピペラジン、R−4−Boc−2−メチルピペラジン、S−4−Boc−ピペラジン−2−カルボキシル−t−ブチルアミド、R−4−Boc−ピペラジン−2−カルボキシル−t−ブチルアミド、L−リンゴ酸、D−リンゴ酸、ジエチルL−(+)−タルトレート、ジエチルD−(−)−タルトレート、S−2−アミノ−1−プロパノール、R−2−アミノ−1−プロパノール、S−1−アミノ−2−プロパノール、R−1−アミノ−2−プロパノール、S−1,2−デカンジオール、R−1,2−デカンジオール、S−2−アミノ−1−ブタノール、R−2−アミノ−1−ブタノール、S−オクタノール、R−オクタノール、S−2−フェニルプロピルアミン、R−2−フェニルプロピルアミン、S−2−ヘプタノール、R−2−ヘプタノール、S−3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトン、R−3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトン、S−2−メチル−1−ブタノール、R−2−メチル−1−ブタノール、S−グリセリン酸(ヘミカルシウム塩)、R−グリセリン酸(ヘミカルシウム塩)、S−1−ベンジルグリセロール、R−1−ベンジルグリセロール、S−3−アミノ−1,2−プロパノール、R−3−アミノ−1,2−プロパノール、S−3−メチル−2−ブタノール、R−3−メチル−2−ブタノール、S−グリシドール、R−グリシドール、S−2−メチル−1,4−ブタンジオール、R−2−メチル−1,4−ブタンジオール、S−3−ヒドロキシイソ酪酸メチルエステル、R−3−ヒドロキシイソ酪酸メチルエステル、S−2−メトキシ−2−フェニルエタノール、R−2−メトキシ−2−フェニルエタノールが含まれる。
タルトレートと、酒石酸イミド(tartrimide)と、酒石酸およびクエン酸などのカルボン酸から得られたエステル、アミド、およびイミドを含めた類似の材料と、これらの酸そのものは、キラルであってもよく、したがって本発明で使用するのに適したマーカーでもある。本発明のマーカーは、下記の式Iによって表される添加剤を含んでいてもよい:
(式中:YおよびY’は、独立して、−O−、>NH、>NR、またはYおよびY’基と一緒になりかつ2個の>C=O基の間にR−N<基を形成することによって形成されたイミド基であり;Xは、独立して、−Z−O−Z’−、>CH、>CHR、>CR、>C(OH)(CO)、>C(CO、>CHOR、または>CHCOであり;ZおよびZ’は、独立して、>CH、>CHR、>CR、>C(OH)(CO)、または>CHORであり;nは、0から10、または1から8、または1から6、または2から6、または2から4であり、但し、n=1の場合はXが>CHではなく、n=2の場合は両方のX’が同時に>CHではないことを条件とし;mは0または1であり;Rは独立して、水素、または典型的には1から150、4から30、もしくは6から20、もしくは10から20、もしくは11から18、もしくは8から10個の炭素原子を含有するヒドロカルビル基であり、但し、Rが水素である場合には、mは0であり、nは1以上であることを条件とし;Rは、典型的には1から150、4から30、または6から20、または10から20、または11から18、または8から10個の炭素原子を含有するヒドロカルビル基であり;R、R、およびRは独立して、ヒドロカルビル基、ヒドロキシル含有基、またはカルボキシル含有基であり;Rは、水素、または典型的には1から150、もしくは4から30個の炭素原子を含有するヒドロカルビル基である)。ある組の実施形態では、RおよびRに使用されるヒドロカルビル基は、分枝状ヒドロカルビル基の少なくともいくらかを含有する。
ある組の実施形態では、このタイプのマーカーは、(i)の縮合生成物、式IIおよび(ii)により表される材料、1から約150個の原子を有する分枝状アルコールまたは分枝状アミンを含む混合物、またはこれらの組合せである:
(式中、各Xは、独立して、−Z−O−Z−、>CH、>CR、>C(OH)(CO)、または>CHORであり;各Zは独立して、>CH、>CR、>C(OH)(CO)、または>CHORであり;mは0または1であり;nは1から10であり、但し、n=1の場合、Xは>CHではなく、n=2の場合、両方のX’は>CHではないことを条件とし;各RおよびRは独立して水素またはヒドロカルビル基である)。
一実施形態では、式IIにおいて、Xが>CHORであり、nが2である。別の実施形態では、式IIにおいて、(X)nは−CH−C(OH)(CO)−CH−である。別の実施形態では、式IIのmは1である。さらにその他の実施形態では、成分(i)は酒石酸、クエン酸、いずれかの酸の誘導体、またはこれらの組合せである。
ある組の実施形態では、成分(ii)は、1種または複数の分枝状アルコールまたはアミンの混合物を含む。一実施形態では、混合物は、6から16個の炭素原子を含有する1種または複数の分枝状アルコールを含有する。別の実施形態では、混合物は、6から16個の炭素原子を含有する分枝状アミンを含有する。
別の組の実施形態では、単独でまたは上述の実施形態のいずれかと組み合わせて、成分(ii)は、混合物を構成するアルコールおよび/またはアミンの少なくとも25重量%が分枝状構造であるので、混合物全体は少なくとも25重量%の分枝状である1種または複数の分枝状アルコールまたはアミンの混合物で構成される。
上述の実施形態のいくつかでは、マーカーは、下式によって表してもよく、またはそれに類似した形であってもよい:
(式中、分子のキラル中心は、星印()によって特定される)。これらの分子中には、2つ以上のキラル中心が存在してもよく、上記式IIIおよび式IV中の−COOH基の間に位置付けられた両方の炭素原子が、キラル中心と見なしてよい。さらに、式IIIおよびIV中の−OH基のそれぞれは、独立して、−OR基であってもよく、ここで、Rはヒドロカルビル基である。
これらのカテゴリーに当てはまるマーカーには、酒石酸由来のジエステルが含まれる。ジエステルは、酒石酸、およびアルコール、および/またはアルコールの混合物(Alfol(商標)810など)から得てもよい。特定の例には、混合物が非ラセミである限り、即ち少なくとも一方の鏡像異性体を過剰に含有する限り、D−酒石酸/Alfol(商標)810ジエステル、L−酒石酸/Alfol(商標)810ジエステル、D−酒石酸/Alfol(商標)1214トリデシルアルコールジエステル、L−酒石酸/Alfol(商標)1214トリデシルアルコールジエステル、およびこれらの混合物が含まれる。
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるマーカーは、酒石酸およびその誘導体、グルコースおよびその誘導体、2−ブロモブタン、D−アラニノール、D−アナニノール、L−アラニノール、L−(+)−イソロイシノール、D−ロイシノール、L−(+)−ロイシノール、D−メチオニノール、L−メチオニノール、D−(+)−フェニルアラニノール、L−(−)−フェニルアラニノール、D−(−)−α−フェニルグリシノール、L−(+)−α−フェニルグリシノール、D−(−)−プロリノール、L−(+)−プロリノール、D−トリプトファノール、L−トリプトファノール、D−バリノール、L−バリノール、R−(−)−2−アミノ−2−フェニルエタノール、2−ペンタノール、2−フルオロブタン、3−メチルヘキサン、2−ブロモメチル−2−クロロメチル−1−フルオロプロパン、N−エチル−N−メチル−N−プロピルブタン−1−アミニウム、m−ジクロロシクロヘキサンおよびo−ジクロロシクロヘキサン、アミノ(ヒドロキシ)酢酸、1−アミノエタノール、2−[ピリジン−3−イル(ピリジン−4−イル)メチル]ピリジン、2−アミノ−2−ヒドロキシ−3−オキソ酢酸、およびこれらの組合せからなる群から選択される。
その他の実施形態では、本発明の方法で使用されるマーカーは、コレステリルアセテート、D−酒石酸/Alfol 810ジエステル、L−酒石酸/Alfol 810ジエステル、L−メンチルラクテート、S−(−)−ペリルアルデヒド、1R−(−)−メンチルアセテート、R−(+)−リモネン、L−酒石酸/Alfol 1214トリデシルアルコールジエステル、およびこれらの組合せからなる群から選択され、但し、使用される混合物は、少なくとも1種のマーカーに関して非ラセミであることを条件とする。
さらにその他の実施形態では:関与する流体が乗用車のモータオイルである場合、マーカーは、コレステリルアセテート、L−メンチルラクテート、S−(−)−ペリルアルデヒド、1R−(−)−メンチルアセテート、R−(+)−リモネン、およびこれらの組合せであってもよく;流体が重量車両用ディーゼルエンジンオイルである場合、マーカーは、S−(−)−ペリルアルデヒド、1R−(−)−メンチルアセテート、R−(+)−リモネン、およびこれらの組合せであってもよく;流体がオートマチックトランスミッション流体である場合、マーカーは、コレステリルアセテート、S−(−)−ペリルアルデヒド、1R−(−)−メンチルアセテート、R−(+)−リモネン、およびこれらの組合せであってもよく;流体がギアオイルである場合、マーカーは、L−メンチルラクテート、1R−(−)−メンチルアセテート、R−(+)−リモネン、およびこれらの組合せであってもよく;流体が油圧液である場合、マーカーは、L−メンチルラクテート、1R−(−)−メンチルアセテート、R−(+)−リモネン、およびこれらの組合せであってもよく;流体がディーゼル燃料である場合、マーカーは、コレステリルアセテート、L−メンチルラクテート、S−(−)−ペリルアルデヒド、1R−(−)−メンチルアセテート、R−(+)−リモネン、およびこれらの組合せであってもよく;流体がガソリンである場合、マーカーは、L−メンチルラクテート、1R−(−)−メンチルアセテート、R−(+)−リモネン、およびこれらの組合せであってもよい。
いくつかの実施形態では、本発明のマーカーは、このマーカーが使用される流体によって引き起こされた光学回転に、測定可能な影響をもたらす。いくつかの実施形態では、この影響は、使用される試験方法の誤差範囲よりも大きい。その他の実施形態では、マーカーは、流体により引き起こされた光学回転を、少なくとも5%、少なくとも50%、または少なくとも100%変化させる。
存在する場合、流体中に存在するマーカーの量は、正確な同定を可能にする十分なマーカーが存在する限り、および流体の性能および/または所望の特徴を妨げるほど多くのマーカーが存在しない限り、過度に限定されない。マーカーは、10から10,000ppmまたは10から1,000ppmの濃度で流体中に存在してもよい。別の実施形態では、マーカーは、20から500ppm;25から350ppm、30から130ppm;または30から100ppmで流体中に存在する。その他の実施形態では、マーカーは、0.05から10重量%、または0.1から10重量%、または0.5から10重量%の濃度で流体中に存在する。さらにその他の実施形態では、マーカーは、0.05重量%超、または0.1重量%超で存在する。
マーカー化合物そのものは、水に可溶であってもよく、水に実質的に可溶であってもよく、水に実質的に不溶であってもよく、または水に不溶であってもよい。その他の実施形態では、マーカー化合物は、油などの有機液体に可溶であり、有機液体に実質的に可溶であり、有機液体に実質的に不溶であり、または有機液体に不溶である。マーカー化合物は、この化合物が使用される流体に実質的に可溶および/または可溶であるべきであり、または、この化合物が使用される流体中に存在する成分の少なくとも1種に、実質的に可溶および/または可溶であるべきである。
本発明の光学マーカーは、流体の正確な同定が行われるように試薬と反応するマーカーなどの非光学活性マーカーを含む、その他のマーカーと組み合わせて使用してもよい。多数のタイプのマーカーの使用によって、試験が行われる流体の属性および/または供給源を検証するときに、さらなるレベルの保護および精度が可能になる。
別の実施形態では、マーカー化合物が機能性流体に添加され、このマーカーは、マーカー化合物およびポリマー化合物の混合物を含有する濃縮物の形をとるものである。このポリマー化合物は、機能性流体用の1種または複数の従来の添加剤であってもよい。一実施形態では、濃縮物中にあってもよいポリマー化合物には、分散剤、洗浄剤、抗摩耗剤、摩擦改質剤、金属不活性化剤、腐食阻害剤、シール膨潤剤、粘度改質剤、流動点降下剤、増粘剤、および抗酸化剤が、単独でまたは互いに組み合わせて含まれる。
任意選択の成分
任意選択の成分を、マーカー溶液または流体に添加してもよい。これらには、例えば、界面活性剤、マスキング剤、および顧客への魅力を高めるための香料、ならびに製品製造および使用を改善するための消泡剤が含まれる。これら任意選択の成分は、マーカー溶液液中で単独でまたは組み合わせて使用することができる。
任意選択の成分は、試薬溶液の約0%から約20重量%の範囲で使用してもよく、一実施形態では約0.01%から約5重量%であり、別の実施形態では約0.1%から約2重量%である。
方法
本発明は:(1)任意選択のマーカー成分を流体に添加するステップ;(2)流体のサンプルを、流体の使用の前、間、または後に得るステップ;(3)偏光ビームをサンプル内に通過させるステップ;(4)偏光がサンプル内を通過した後の、偏光の平面の回転を測定することによって、結果を分析するステップ;(5)流体の属性を決定および/または検証するステップを含む、流体の属性を決定する方法を含む。いくつかの実施形態では、観察された光学回転は、本明細書に記載される任意選択の光学マーカーを添加することなく流体そのものによって引き起こされたものである。その他の実施形態では、上述の光学活性マーカーの1種または複数を流体に添加し、それによって、流体中に観察される回転の少なくともいくらかが引き起こされる。
一実施形態では、流体が適用において使用され、マーカーは、そのような使用後に流体の同定がさらに可能になるように、使用条件下で存続する。そのような使用には、動作中の、エンジンなどのデバイスにおける、潤滑剤などの機能性流体の使用が含まれる。極端な温度、極端な圧力、可動部品、および剪断、またはこれらの組合せへの、流体の曝露が含まれる。
流体の代表的なサンプルを得るために、エンジンまたはその他のデバイスまたは機械類の実際の動作中にサンプルを得ることは、必要ではない。流体のサンプルは、エンジンまたは装置またはデバイスの動作の前、間、および/または後のどの時点で得てもよい。流体サンプルは、新しいもの、使用されたもの、またはこれらの組合せであってもよい。一実施形態では、流体試験は、ある期間にわたる動作中および/または動作後に、特に有用である。
診断キット
診断キットは、偏光ビームを発生させ、その光ビームを流体のサンプル内に向ける手段を含む。キットはさらに、サンプル内を通過する前のビームと比較して、流体のサンプル内を通過した後の偏光のビームおよび/または平面の回転を測定するための手段を含む。偏光ビームの平面が経験する回転の量の測定は、試験がなされる流体を同定するための手段である。
一実施形態では、本発明は、反応性マーカーまたは反応性試薬の使用を除外し、流体のマーカー含有サンプルは、流体の同定に使用される観察可能な応答をもたらすために、試薬と反応する。
一実施形態では、本発明は、水抽出によって機能性流体から除去される化合物を観察することによって、同定を除外する。水抽出は、水への化合物の混和性により、機能性流体中の染料などの化合物が機能性流体から除去され、水溶液中に引き出される場合を含む。水溶液中で、いかなる反応も引き起こすことのない、化合物の観察は、提供される唯一の指標である。
一実施形態では、機能性流体がエンジンオイルである。エンジンオイルのサンプル、または試験がなされるその他の機能性流体は、潤滑下で、エンジン、トランスミッション、またはその他の装置の部品として提供された検油棒を使用して得てもよい。使用者は、検油棒またはその他のデバイスと共に、ある量の油を引き出すことになり、次いで、油をサンプル容器(サンプル容器が光の通過を可能にするガラスまたは他の何らかの材料である場合)に移してもよい。試験をするのに必要な流体の量は、使用される偏光計に左右され、いくつかの実施形態では、1滴ほどに少なくてもよく、または数ミリリットルもしくは数百ミリリットルほどに多くてもよい。サンプルをサンプル容器に置いた後、偏光ビームをサンプル内に向けてもよく、光ビームの回転の測定を観察してもよい。使用者は、観察された回転の解釈を助け、かつ流体の属性、状態、および/または供給源として決定を行うために、ガイドおよび/または視覚標示を参照してもよい。
流体のマーキング/同定は望ましいものであるが、それは真の流体の偽造および改悪/希釈が流体供給業者の大きな課題だからであり、偽造および改悪の結果、利益の損失、顧客の不満、ブランド名および評判に害が生じるからである。単純で使い易いマーカーシステムは、種々の流体を通常の検査に基づいて区別できなくなるという可能性があるので、有益である。化学分析または物理的特性は、様々な流体を別々に区別することができるが、これらの分析は、高価な実験室試験装置を必要とし、しばしば実際の最終使用者同定試験をするのに時間がかかり過ぎる。開示された方法によれば、最終使用者は、効率的かつ都合よく、光学回転に基づいて、偽造または改悪された製品を除外することが可能である。
視覚標示
試験サンプルの分析は、光ビーム回転の目視検査によって実現することができ、提供された視覚標示をガイドとして含んでいてもよい。
視覚標示は、芸術的レンダリング、試薬を用いたまたは用いない様々な条件における1種または複数の機能性流体の写真の復元を含んでいてもよい。視覚標示は一般に、1種または複数の機能性流体の1つの表現、2つの表現、または3つ以上の表現、および/または、予測される光ビーム、所与の供給源の流体に関する回転、所与の属性、および/または所与の状態を示す図を含む。一実施形態では、好ましい視覚標示は、正確な同定結果を示す1つまたは複数の表現であり、負の同定結果を示す1つまたは複数の表現である。これらの例のそれぞれに対応した説明文を、示すことができる。異なる数の標示を提供できることが理解される。
下記のデータは、製造業者の指示に従って動作させた、JASCOモデルDIP−360デジタル偏光計で収集した。100mm長の試験セルを、全ての試験で使用した。
(実施例1)
4種の、完全に配合された市販のエンジンオイルを、数種の光学活性マーカーで処理し、偏光計を使用して試験をする。その結果を、下記の表にまとめる。
1−でマークされた、報告された試験値の全ては、2から5個の結果の平均である。その他報告された値の全ては、単一試験の結果である。ブランクは、その濃度レベルでサンプルを調製しなかったことを示す。
2−オイルAは、未使用のValvoline(商標)モータオイルである。オイルBは、未使用のMobil 1(商標)オイルである。オイルCは、3700マイル後に車のエンジンから引き出した、使用済みのValvoline(商標)モータオイルである。オイルDは、Rotella(商標)重量車両用エンジンオイルである。
3−マーカーは、一方の鏡像異性体が僅かに過剰な、DおよびLの鏡像異性体の混合物である。
(実施例2)
4種の、完全に配合された市販の機能性流体を、数種の光学活性マーカーで処理し、偏光計を使用して試験をする。その結果を、下記の表にまとめる。
1−でマークされた、報告された試験値の全ては、2から5個の結果の平均である。その他報告された値の全ては、単一試験の結果である。ブランクは、その濃度レベルでサンプルを調製しなかったことを示す。
2−流体Aは、未使用の芳香族トランスミッション流体である。流体Bは、155,000マイル後の、使用済みのオートマチックトランスミッション流体のドレーンである。流体Cは、ギアオイルである。流体Dは、油圧液である。
3−マーカーは、一方の鏡像異性体が僅かに過剰な、DおよびLの鏡像異性体の混合物である。
(実施例3)
2種の市販の燃料を、数種の光学活性マーカーで処理し、偏光計を使用して試験をする。その結果を、下記の表にまとめる。
1−でマークされた、報告された試験値の全ては、2から5個の結果の平均である。その他報告された値の全ては、単一試験の結果である。ブランクは、その濃度レベルでサンプルを調製しなかったことを示す。
2−燃料Aは、市販のディーゼル燃料である。燃料Bは、市販のガソリンである。
3−マーカーは、一方の鏡像異性体が僅かに過剰な、DおよびLの鏡像異性体の混合物である。
結果は、いくつかの流体が、流体の属性を特定しかつ/または検証する手段として本発明の方法で使用してもよい測定可能な量の光学回転を提供することを示す。結果は、上記にて定義された光学活性マーカーを、流体によって引き起こされた光学回転の量を調節し、影響を与え、かつ/または変化させるためにそのような流体中で使用してもよいことを示し、流体の同定をより容易にすることができる。マーカーは、そのような流体では通常なら存在できない回転の量を実現するのに使用してもよく、したがって、流体の属性を特定しかつ/または検証する都合のよい手段が得られる。
本発明について述べてきたが、その様々な修正例が、本明細書を読むことによって当業者に明らかになることが理解される。したがって、本明細書に開示される本発明は、添付の特許請求の範囲内に包含されるように、そのような修正例を包含するものであることが理解される。
上記にて言及された文献のそれぞれは、参照により本明細書に組み込まれる。実施例を除き、またはその他の方法で明確に示される場合を除き、材料の量、反応条件、分子量、および炭素原子数などを指定する本明細書における全ての数量は、約という単語によって修飾されることを理解されたい。他に指示しない限り、本明細書で言及される各化学物質または組成物は、異性体、副生成物、誘導体、および商用グレード中に存在することが通常は理解されるようなその他の材料を含有していてもよい、商用グレード材料であることを解釈すべきである。しかし、各化学成分の量は、他に指示しない限り、商用材料中に通常存在し得る任意の溶媒または希釈油を除いて示される。他に指示しない限り、全てのパーセンテージの値は、重量パーセントである。本明細書に示される量、範囲、および比の上限および下限は、独立して組み合わせてもよいことを理解されたい。同様に、本発明の各要素に関する範囲および量は、その他の要素のいずれかに関する範囲または量と共に使用することができる。本明細書で使用される、「から本質的になる」という表現は、考慮中の組成物の基本的および新規な特徴に実質的に影響を及ぼさない物質を含むことを可能にする。

Claims (9)

  1. (1)任意選択の光学活性マーカー成分を、機能性流体に添加するステップ;
    (2)適用において、前記流体のサンプルの使用の前、間、または後に、前記流体のサンプルを得るステップ;
    (3)偏光ビームを前記流体のサンプル内に通過させるステップ;
    (4)前記光が前記流体のサンプル内を通過した後の前記光の平面の回転を、前記光の当初の向きと比較することによって、測定するステップ;
    (5)観察された回転の量によって、前記流体の属性を決定するステップ
    を含む、機能性流体の属性を決定する方法。
  2. 前記光学活性マーカー成分が、機能性流体に少なくとも部分的に可溶であるキラル分子を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記光学活性マーカー成分が、下式の化合物:
    (式中、Xは、C、N、P、またはSであり;R、R、R、およびRは、それぞれ独立して、ヒドロカルビル基、−OR基(Rは水素またはヒドロカルビル基である)、芳香族基、孤立電子対(XがNである場合)、二重結合した酸素原子(XがPまたはSである場合)であり、但し、R基のいずれも同一ではないことを条件とする)
    を含み、前記光学活性マーカー成分が、少なくとも1組の鏡像異性体に関して非ラセミである、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記流体が、オートマチックトランスミッション流体、エンジンオイル、牽引駆動トランスミッション流体、マニュアルトランスミッション流体、パワーステアリング流体、凍結防止液、潤滑油、グリース、クランク室潤滑剤、鉱油、グループ1、2、3、または4基油を有する油、差動潤滑剤、タービン潤滑剤、ギア潤滑剤、ギアボックス潤滑剤、車軸潤滑剤、ブレーキ流体、ファームトラクタ流体、変圧器流体、コンプレッサ流体、冷却システム流体、金属加工流体、油圧流体、工業用流体、乗用車用燃料、ディーゼルエンジン燃料、バイオベース燃料、連続可変トランスミッション流体、無段変速トランスミッション流体、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記マーカー成分が、適用において前記流体の使用の前または間に前記流体に添加される、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記機能性流体中の前記マーカー成分の濃度が、10ppmから1000ppmである、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記光学活性マーカー成分が、コレステリルアセテート、1種もしくは複数の酒石酸由来のジエステルおよび/もしくはイミド、L−メンチルラクテート、S−(−)−ペリルアルデヒド、(1R)−(−)−メンチルアセテート、R−(+)−リモネン、コレステロール、スクロース、カンファー、ペニシリンV、タキソール、ブロモブタン、カビクラリン、またはこれらの組合せを含む、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
  8. 偏光の供給源と、偏光ビームを前記供給源から流体のサンプル内に向けるための手段と、前記ビームが前記サンプル内を通過した後の前記偏光ビームの平面の回転量を検出するための手段と、分析器からの結果を使用者に伝達する手段とを含む、流体を分析するための診断キットであって、前記流体の同定において前記使用者を支援するために、書面による指示書、絵、図、写真、またはこれらの組合せをさらに含む、診断キット。
  9. 前記流体が少なくとも1種の光学マーカーを含有する、請求項8に記載の診断キット。
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