JP2012255479A5 - - Google Patents
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Description
ところで、前記した従来の軸受用の保持器においては、鋼球(ボール)を保持するためのポケットの内周面はボールに添うような単一の曲面にて構成されているものであって、ボールによる油(グリース等の潤滑剤)のせん断抵抗が発生する。このせん断抵抗は、ポケット内側とそのポケットに抱えられている鋼球(ボール)との間に形成された油膜をせん断する時に発生する。また、ボールを覆う保持器ポケット内側との微少なスキマを潤滑剤が通過する際の抵抗が発生する。このため、従来の保持器においては、低トルク化を実現することは困難であった。
本発明の玉軸受用保持器は、軸方向に向き合う一対の環状体の対向面にボールを収容する半球状のポケットを周方向の複数箇所に有し、この一対の環状体が周方向に重なり合う対称形とされて一体化される樹脂製の玉軸受用保持器であって、ポケットの内周面にボール接触面とボール非接触面とを設け、内周面のポケット周方向中央部であって少なくとも径方向中央部に前記ボール接触面を形成するとともに、前記ボール非接触面はボール接触面よりも反ボール側へ凹む凹部にて構成され、この凹部は少なくとも一方の径方向端に開口しているものである。
本発明の玉軸受用保持器によれば、内周面にボール非接触面を設けたことによって、ポケット内部側に潤滑剤の逃がし部を形成することができる。これによって、ポケット内部を潤滑剤が通過する際の抵抗を低減することができ、また、ボールとポケットとの間に形成される油膜量を少なくできる。しかも、ボール非接触面を構成する凹部は、少なくとも一方の径方向端に開口しているので、保持器の内周面とボール(鋼球)との間の余分な潤滑剤をこの間から排出することができる。また、内周面中央部にボール接触面が設けられるので、ボール(鋼球)をこのポケット中央部に安定して保持することができる。
ボール接触面は、ポケットの内周面のポケット周方向中央部における径方向中央部に形成され、ボール非接触面は、このボール接触面のポケット周方向両側に設けられる部位と、軸受外径側の径方向端側に設けられる部位とからなるコの字状の凹部にて形成されるものがある。このように設定することによって、内周面とボールとの間の潤滑剤を遠心力によって排出しやすくなる。
ボール接触面は内周面のポケット周方向中央部であって径方向両端に達する長円形部にて形成され、ボール非接触面はこのボール接触面のポケット周方向両側に設けられる円弧形状の凹部にて構成されるとともに、両凹部は径方向両端に開口するものであってもよい。このように設定することによっても、内周面とボールとの間の潤滑剤が軸受外径側及び軸受内径側から余分な潤滑剤を排出することができる。
本発明の玉軸受用保持器は、潤滑剤がポケット内を通過する際の抵抗を低減させたり、ボールが運動する際にせん断する油膜量も少なくでき、この保持器を用いた軸受(玉軸受)のトルクを低減させることができる。しかも、内周面とボール(鋼球)との間の余分な潤滑剤をこの間から排出することができ、余分な潤滑剤によるトルクへの影響を排除することができる。また、ボール(鋼球)をポケット中央部に安定して保持することができ、ボールのガタツキを防止でき、高品質の製品を提供できる。さらに、2枚の環状体を用いるものであるので、遠心力による変形やボールの脱落を有効に防止できる。しかも、この保持器は樹脂製であるので、安価で軽いという利点もある。
ボール非接触面が径方向端側に設けられるものであっても、ボール接触面のポケット周方向両側に設けられるものであっても、ボール対向面とボールとの間の余分な潤滑剤を排出できるようにでき、余分なオイルのトルクへの影響を安定して排除できる。
ボール非接触面31としての凹部32は、一方の径方向端部側(外径側)に配設されるポケット周方向部32aと、このポケット周方向部32aの両端側に設けられて内方に延びる一対の端部32b、32bとからなるコの字状の凹部である。このため、ボール接触面30は、凹部の端部32b、32b間に配設される中間部位30aと、内径側のポケット周方向部30bと、外径側の端部30c、30cとからなる。
ボール非接触面31としての凹部32は、一方の径方向端(保持器外径面10a)に開口(開放)され、一対の環状体10、10が組み合わされた場合、各環状体10、10の凹部32、32は相対面するように径方向同一方向(軸受外径側)に配設されている(図1参照)。
本発明では、内周面にボール非接触面31を設けたことによって、ポケット内部を潤滑剤が通過する際の抵抗を低減することができ、また、ボール4とポケット12との間に形成される油膜量を少なくできる。これによって、トルクの低減を図ることができる。しかも、ボール非接触面31を構成する凹部32は、少なくとも一方の径方向端に開口しているので、内周面とボール(鋼球)との間の余分な潤滑剤をこの間から排出することができ、余分な潤滑剤によるトルクへの影響を排除することができる。
次に、図11は他の保持器を用いた玉軸受を示し、この場合の保持器は、ボール接触面30は内周面のポケット周方向中央部であってポケット軸方向両端に達する長円形部25にて形成される。また、ボール非接触面31はボール接触面のポケット周方向両側に設けられる円弧形状の一対の凹部26,26にて構成される。両凹部26,26は径方向両端に開口する。すなわち、保持器内径面10bから保持器外径面10aに達し、保持器内径面10bと保持器外径面10aとにそれぞれ開口している。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、ボール接触面30やボール非接触面31の形状としては、ボール接触面30が、少なくとも内周面の中央部(ポケット周方向中央部であって径方向中央部)に配置されるとともに、ボール非接触面31がいずれか一方のポケット軸方向端に開口するものであれば、図例のもの以外の種々のものを採用できる。
Claims (8)
- 軸方向に向き合う一対の環状体の対向面にボールを収容する半球状のポケットを周方向の複数箇所に有し、この一対の環状体が周方向に重なり合う対称形とされて一体化される樹脂製の玉軸受用保持器であって、
ポケットの内周面にボール接触面とボール非接触面とを設け、内周面のポケット周方向中央部であって少なくとも径方向中央部に前記ボール接触面を形成するとともに、前記ボール非接触面はボール接触面よりも反ボール側へ凹む凹部にて構成され、この凹部は少なくとも一方の径方向端に開口していることを特徴とする玉軸受用保持器。 - ボール接触面は、ポケットの内周面のポケット周方向中央部における径方向中央部に形成され、ボール非接触面は、このボール接触面のポケット周方向両側に設けられる部位と、軸受外径側の径方向端側に設けられる部位とからなるコの字状の凹部にて形成されることを特徴とする請求項1に記載の玉軸受用保持器。
- ボール接触面は内周面のポケット周方向中央部であって径方向両端に達する長円形部にて形成され、ボール非接触面はこのボール接触面のポケット周方向両側に設けられる円弧形状の凹部にて構成されるとともに、両凹部は径方向両端に開口することを特徴とする請求項1に記載の玉軸受用保持器。
- 環状体の反合わせ側の外径部及び内径部に鍔部を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の玉軸受用保持器。
- 環状体の反合わせ側の端面をフラット形状としたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の玉軸受用保持器。
- 保持器材料が、ポリアミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂のいずれかを用いたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の玉軸受用保持器。
- 内輪と、外輪と、この内輪と外輪との間に介装されるボールと、このボールを保持する保持器とを備えた玉軸受において、前記保持器に前記請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の玉軸受用保持器を用いたことを特徴とする玉軸受。
- トランスミッションに適用されることを特徴とする請求項7に記載の玉軸受。
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