JP2012255070A - 無機酸化物粒子とシリコーン樹脂との複合組成物及び透明複合体 - Google Patents
無機酸化物粒子とシリコーン樹脂との複合組成物及び透明複合体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012255070A JP2012255070A JP2011128302A JP2011128302A JP2012255070A JP 2012255070 A JP2012255070 A JP 2012255070A JP 2011128302 A JP2011128302 A JP 2011128302A JP 2011128302 A JP2011128302 A JP 2011128302A JP 2012255070 A JP2012255070 A JP 2012255070A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- inorganic oxide
- silicone
- silicone resin
- oxide particles
- composite
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K3/00—Use of inorganic substances as compounding ingredients
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K9/00—Use of pretreated ingredients
- C08K9/04—Ingredients treated with organic substances
- C08K9/06—Ingredients treated with organic substances with silicon-containing compounds
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L83/00—Compositions of macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon only; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L83/04—Polysiloxanes
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
Abstract
【解決手段】本発明の無機酸化物粒子とシリコーン樹脂との複合組成物は、片末端に1官能基を有するポリジメチルシロキサン骨格ポリマーが結合することにより表面修飾された平均分散粒子径が1nm以上かつ20nm以下の無機酸化物粒子と、シリコーン樹脂と、反応触媒とを含有してなる複合組成物であり、シリコーン樹脂は、ビニル変性シリコーン及びハイドロジェン変性シリコーンを含有し、反応触媒は、ヒドロシリル化反応触媒を含有している。
【選択図】なし
Description
また、無機酸化物粒子の表面にポリマーを被覆することにより、機械的特性の他に屈折率や透明性の調整等、光学的特性を趣向したコーティング組成物、塗膜が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
このような用途において要求される特性としては、透明性、屈折率等の光学的特性、硬度等の機械的特性、耐熱性等の熱的安定性、水蒸気や各種ガスの透過性を抑制するガスバリア性が挙げられる。
そこで、一般的な解決法として、無機酸化物粒子の表面を疎水化するために、有機高分子分散剤等の表面修飾剤を無機酸化物粒子の表面に付与することにより、シリコーン樹脂と無機酸化物粒子との相溶性を高める工夫がなされているが、無機酸化物粒子の表面の疎水化を、シリコーン樹脂と相溶するまで十分に疎水化することが難しいという問題点があった。
また、無機酸化物粒子の粒径が20nm以上と大きく、したがって、透明性が低下し、場合によっては失透してしまうという問題点があった。
また、水酸基含有ポリシロキサンを用いた場合、架橋の進行に伴い水が発生し、場合によっては、無機酸化物粒子とポリシロキサンとが相分離する虞があり、さらには、得られた複合物にポアやクラックが発生する虞があった。
一方、多官能ポリシロキサンを用いる場合も無機酸化物粒子とポリシロキサンとの配合に制約があり、特に無機酸化物粒子の量が多い場合にポアやクラックの発生が顕著となるという問題点があった。多官能ポリシロキサンを用いる場合では、未反応の官能基が残留し易く、よって、架橋後の複合体特性に経時変化が生じ易く、更には、耐久性に劣るという問題点があった。
また、高屈折率の発光素子用充填材料においては、各種有機分子と相互作用し易いメチルフェニルシリコーンにナノ粒子を分散させた透明分散液が提案されているが、低極性であるジメチルシリコーン樹脂での透明分散および硬化体については達成できていない。
また、付加反応型のジメチルシリコーンを用いる場合では、硬化前のシリコーンには透明分散するが、硬化工程で、相分離が発生し白化してしまう場合があった。
前記ビニル変性シリコーンは、両末端ビニル−ジメチルシリコーン、両末端ビニルジフェニル−ジメチルシリコーン、両末端ビニル−フェニルメチルシリコーン、両末端ビニル−ジエチルシリコーン、側鎖ビニル−ジメチルシリコーン、ビニルメチルシリコーン、ビニルメトキシシリコーン、ビニルレジン分散体の群から選択された1種または2種以上であることが好ましい。
に示す側鎖ハイドロジェン変性シリコーンを含有してなり、該側鎖ハイドロジェン変性シリコーンにおけるmとnとの比(m/(m+n))は0.25以上かつ1以下であることが好ましい。
したがって、この複合組成物を用いれば、無機酸化物粒子とシリコーン樹脂とを複合化した場合に、分散性が高く、しかも、硬化時の相分離・白化を防止することができ、よって、透明性、耐熱性及び耐光性を維持しつつ、屈折率が制御された透明複合体を得ることができる。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本実施形態の無機酸化物粒子とシリコーン樹脂との複合組成物(以下、単に「複合組成物」と称することもある。)は、無機酸化物粒子をシリコーン樹脂中に分散してなる複合組成物であり、少なくとも、片末端に1官能基を有するポリジメチルシロキサン骨格ポリマーが結合することにより表面修飾された平均分散粒子径が1nm以上かつ20nm以下の無機酸化物粒子と、シリコーン樹脂と、反応触媒とを含有してなる複合組成物である。
この複合組成物の状態としては、例えば、液状やチクソトロピー性を有するゲル状の状態にあるものを示すものとする。
このような無機酸化物は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
特に、シリコーン樹脂との複合組成物を高屈折率化する場合には、高い屈折率を有し、可視光線に対して無色透明であり、硬度も高い酸化ジルコニウム(ZrO2)や酸化チタン(TiO2)が好適である。
ここで、無機酸化物粒子の平均分散粒子径を1nm以上かつ20nm以下と限定した理由は、平均分散粒子径が1nm未満であると、この粒子を構成する粒子の一次粒子径も1nm未満と極めて小さくなり、したがって、結晶性が乏しくなり、屈折率等の粒子特性を発現することが難しくなるからであり、一方、平均分散粒子径が20nmを超えると、レイリー散乱の影響が大きくなり、複合組成物の透明性が低下したり、あるいは、この複合組成物を成形・固化して得られる透明複合体の透明性が低下するからである。
ここで、無機酸化物粒子の含有率を1質量%以上かつ90質量%以下と限定した理由は、含有率が1質量%未満であると、無機酸化物粒子の量が少なすぎてしまい、無機酸化物粒子をシリコーン樹脂と複合化した場合にシリコーン樹脂の光学特性や機械的特性の変化が発現し難くなり、結果として無機酸化物粒子を複合化させる効果が得られなくなるので好ましくない。一方、含有率が90質量%を越えると、無機酸化物粒子の分散性が十分に確保できなくなったり、複合組成物中における流動性が低下し、成形性が悪化したりするので好ましくない。
この無機酸化物粒子の表面は、片末端に1官能基を有するポリジメチルシロキサン骨格ポリマーからなる表面修飾剤により修飾されている。
この表面修飾剤は、ポリジメチルシロキサン骨格、特に直鎖状のポリジメチルシロキサン骨格を主鎖に有し、この主鎖の片末端(一端側)に官能基である極性基を1基のみ有している。そのため、この官能基(極性基)が無機酸化物粒子の表面へ選択的に結合すると、他端側、すなわちシロキサン骨格部分は揃って粒子外側(無機酸化物粒子の表面から遠ざかる方向)を向く形となる。
ここで、このポリジメチルシロキサン骨格に枝分れ(分岐)があったり、あるいは、官能基である極性基がシロキサン骨格の中間に位置している(官能基がシロキサン骨格の中間に位置するケイ素に結合している)場合には、シロキサン骨格の少なくとも一部は、無機酸化物粒子の表面方向を向いたり、粒子表面に平行な方向を向いたりし易い。この場合、無機酸化物粒子の外側に向いたシロキサン骨格の量が減少することになり、無機酸化物粒子とシリコーン樹脂との間の相溶性や親和性が低下する虞が生じる。さらに、シロキサン骨格の方向に統一性が無くなるために、シロキサン骨格同士の絡み合いや立体障害が生じ、やはり無機酸化物粒子とシリコーン樹脂との間の相溶性や親和性が低下する虞がある。
これらの表面修飾剤が有する末端基のうち、モノグリシジルエーテル末端は、グリシジル基の一部であるエポキシ基の部分が開環して無機酸化物粒子の表面の水酸基と結合するものであり、また、モノヒドロキシエーテル末端は、末端の水酸基と無機酸化物粒子の表面の水酸基とが脱水縮合することで結合するものである。
これらのシリコーン樹脂の中でも、特に、室温(25℃)以上かつ150℃程度以下で硬化物が得られるヒドロシリル化反応を用いたシリコーン樹脂が特に好ましく、このようなシリコーン樹脂としては、ビニル変性シリコーンおよびハイドロジェン変性シリコーンが好適である。
に示す側鎖ハイドロジェン変性シリコーンを含有していることが好ましい。
ここで、側鎖ハイドロジェン変性シリコーンが好ましい理由は、ビニル変性シリコーンとヒドロシリル化反応等により重合硬化してシリコーン樹脂重合体を形成する際に、末端ハイドロジェン変性シリコーンに比べて反応性が高く、さらに反応基であるハイドロジェン変性シリコーンの量が多くできることから架橋密度が高くなり、結果として得られたシリコーン樹脂重合体の特性を向上させることができるからである。
ここで、mとnとの比(m/(m+n))を0.25以上かつ1以下に限定した理由は、この比が0.25未満であると、硬化時の架橋密度が少なすぎるために、無機酸化物粒子の凝集・相分離速度がシリコーン樹脂の硬化速度よりも速くなり、その結果、シリコーン樹脂との硬化の際に透明性が失われるからである。
また、「有機基」とは、特性基、官能基、置換基等の有機物からなる基全般を表すものであって、例えば、アルキル基、アルコキシ基等が含まれる。
また、このシリコーン樹脂においては、その特性を損なわない範囲で酸化防止剤、離型剤、カップリング剤、無機充填剤等を添加してもよい。
この反応触媒としては、ヒドロシリル化反応触媒を含有していることが好ましい。このヒドロシリル化反応触媒としては貴金属系触媒が挙げられ、貴金属の粉体、貴金属塩、貴金属錯体等を適宜選択することができる。貴金属系触媒の中では白金族系触媒が好ましく、例えば、白金系触媒、ロジウム系触媒、パラジウム系触媒等を挙げることができ、特に、白金系触媒が好ましい。この白金系触媒としては、白金微粉体、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−カルボニル錯体等が挙げられ、これらを単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ここで、複合組成物が有機溶媒を含有する利点としては、次のような点が上げられる。
第1の利点としては、複合組成物の粘度制御が挙げられる。例えば、無機酸化物粒子とシリコーン樹脂との混合物が高粘度の場合、流動性が悪化し、後述の透明複合体の成形性の低下や取り扱いの容易性が低下するという問題が生じる場合がある。そこで、これらの問題を解消するために、有機溶媒を混合物に添加することにより、この混合物の粘度を所望の粘度にまで低下させることが可能になる。
このような疎水性溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等の塩素含有溶媒が好適に用いられ、これらの溶媒のうち1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
本実施形態の複合組成物の製造方法は、まず、無機酸化物粒子の表面を、片末端に1官能基を有するポリジメチルシロキサン骨格ポリマーにより修飾し、次いで、この表面修飾された平均分散粒子径が1nm以上かつ20nm以下の無機酸化物粒子と、シリコーン樹脂と、反応触媒とを混合する方法である。
この特定の分散剤とは、分散剤が結合した無機酸化物粒子が疎水性溶媒に容易に分散するものであり、かつ、片末端に1官能基を有するポリジメチルシロキサン骨格ポリマーよりなる表面修飾剤が共存する場合に、無機酸化物粒子表面において、既に結合している特定の分散剤と当該表面修飾剤とが、容易に置換を起こすことができるものである。
これらの分散剤の中でも、無機酸化物粒子を分散させる分散剤として機能し、かつ表面修飾剤との反応時には良好に脱離させることが可能であることから、カルボン酸やアミンが好適に用いられる。
疎水性溶媒としては、当該無機酸化物粒子が安定に分散するものであればよいが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などの含塩素溶媒が好適に用いられ、これらの溶媒のうち1種または2種以上を用いることができる。
この片末端に1官能基を有するポリジメチルシロキサン骨格ポリマーからなる表面修飾剤の無機酸化物粒子に対する質量比は、無機酸化物粒子の全質量に対して5質量%以上かつ200質量%以下であることが好ましく、より好ましくは10質量%以上かつ100質量%以下、さらに好ましくは20質量%以上かつ100質量%以下である。
以上により、表面が片末端に1官能基を有するポリジメチルシロキサン骨格ポリマーにより修飾された平均分散粒子径が1nm以上かつ20nm以下の無機酸化物粒子が得られる。
ここで、シリコーン樹脂自体には特段の限定は無く、上述したヒドロシリル化反応により硬化可能なビニル変性シリコーンおよびハイドロジェン変性シリコーンの組み合わせであれば問題なく使用することができる。
ここで、側鎖ハイドロジェン変性シリコーンが好ましい理由は、ビニル変性シリコーンとヒドロシリル化反応等により重合硬化してシリコーン樹脂重合体を形成する際に、末端ハイドロジェン変性シリコーンに比べて反応性が高く、さらに反応基であるハイドロジェン変性シリコーンの量が多くできることから架橋密度が高くなり、結果として得られたシリコーン樹脂重合体の特性を向上させることができるからである。
ここで、mとnとの比(m/(m+n))を0.25以上に限定した理由は、この比が0.25未満であると、硬化時の架橋密度が少なすぎるために、無機酸化物粒子の凝集・相分離速度がシリコーン樹脂の硬化速度よりも速くなり、その結果、シリコーン樹脂との硬化の際に透明性が失われるからである。
この問題を防ぐためには、無機酸化物粒子とシリコーン樹脂とを混合する際に、適当な溶媒、例えば、表面修飾された無機酸化物の分散性が高くかつシリコーン樹脂との相溶性も高い有機溶媒を添加し、得られた混合物の粘度を低下させておくことが好ましい。
また、この有機溶媒の含有率は、上記の溶媒添加効果が得られるものであれば特に限定はされないが、通常、表面修飾された無機酸化物粒子とシリコーン樹脂との合計量に対して400質量%以下であることが好ましい。その理由としては、有機溶媒が過剰に存在すると、この複合組成物を用いて後述の透明複合体を形成する際に、粘度が低すぎて成形性に難が生じたり、あるいは有機溶媒の除去に時間を要したりするからである。
なお、有機溶媒の添加により得られた混合物の粘度が低い場合には、有機溶媒の一部あるいは全部を揮発等で除去することにより、粘度の調整(高粘度化)を行ってもよい。
以上のようにして、本実施形態の複合組成物を得ることができる。
本実施形態の透明複合体は、シリコーン樹脂中に、片末端に1官能基を有するポリジメチルシロキサン骨格ポリマーが結合することにより表面修飾された無機酸化物粒子が平均分散粒子径1nm以上かつ20nm以下にて分散するとともに、前記シリコーン樹脂中にヒドロシリル化反応触媒を含有している透明複合体である。なお、この透明複合体においては、有機溶媒、中でも疎水性溶媒は、基本的には含まれておらず、含まれていてもごく微量である。
このように、無機酸化物粒子は、ナノメートルサイズの粒子であるから、この無機酸化物粒子をシリコーン樹脂中に分散させた複合組成物や透明複合体においても、光散乱が小さく、複合組成物や透明複合体の透明性を維持することが可能である。
このように、無機酸化物粒子の結晶性が維持されているので、無機酸化物粒子自体が有する特性、すなわち屈折率や硬度、耐熱性等の特性が劣化することがない。したがって、無機酸化物粒子をシリコーン樹脂と複合化させた透明複合体としての効果を十分に得ることができる。
「光学的特性」
透明複合体の光学的特性としては、屈折率制御が挙げられる。
シリコーン樹脂の屈折率は1.4程度であるから、このシリコーン樹脂より屈折率が高い高屈折率酸化物粒子と複合化することにより、透明複合体の屈折率を高めることができる。
特に屈折率が2以上の高屈折率無機酸化物粒子、例えば、正方晶酸化ジルコニウム(屈折率:2.15)や酸化チタン(屈折率:2.6程度)と複合化することが有効であり、これらの高屈折率無機酸化物粒子を用いることにより、透明複合体の屈折率を、シリコーン樹脂単体と比べて0.1から0.2程度高い1.5から1.65程度まで高めることが可能である。
なお、中空シリカ粒子や多孔質シリカ粒子のような、粒子内に空隙を有することで粒子全体として低屈折率となる無機酸化物粒子をシリコーン樹脂と複合化すれば、透明複合体の屈折率を低下させることも可能である。
透明複合体の機械的特性としては、樹脂単体と比較して硬度が向上することが挙げられる。
通常の無機酸化物粒子は、シリコーン樹脂と比べて硬度が高く、この無機酸化物粒子をシリコーン樹脂と複合化することで、透明複合体の表面硬度を高めることができる。これにより、透明複合体の耐擦傷性を向上させることができ、透明複合体自体の寸法精度を向上させることができる。
特に、酸化ジルコニウムは、酸化物系セラミックスの中でも高硬度であるから、複合化による表面硬度の向上に高い効果を発揮することができる。
シリコーン樹脂は、それ自体が骨格にケイ素(Si)を含むので、通常の樹脂と比べて耐熱性や耐薬品性等の熱的安定性や化学的安定性に優れている。一方、無機酸化物粒子は、耐熱性の点でシリコーン樹脂より勝っている。そこで、化学的安定性が高い無機酸化物粒子を選定し、この化学的安定性が高い無機酸化物粒子とシリコーン樹脂とを複合化すれば、得られた透明複合体の熱的安定性や化学的安定性をより高めることができる。
本実施形態の透明複合体においては、ガスバリア性に優れる無機酸化物粒子が透明複合体の内部に均一に分散され、さらに無機酸化物粒子とシリコーン樹脂との結合性が高いことから、透明複合体における水蒸気に対するガスバリア性を高い状態へ改善することができる。
その結果、例えば、光学レンズの小型化、薄厚化、集積化、集光効率の向上、屈折率波長依存性の低減等を行うことができるようになり、よって、このような光学素子を用いる機器であるCCDやCMOSカメラ等の特性向上、例えば高解像度化や高感度化が期待できる。
さらに、この透明複合体は水蒸気に対するガスバリア性が高いことから、外部からの水分滲入を抑え、発光領域の劣化を抑制することができる。したがって、発光素子の長寿命化を図ることができる。
本実施形態の透明複合体は、本実施形態の複合組成物を、所定の形状に成形し固化するか、または前記複合組成物を固化した後に所定の形状に成形することで、得ることができる。
まず、本実施形態の複合組成物を、金型や型枠を用いて成形したり、金型や型枠状の容器に充填したりすることにより、目的の形状に成形された成形体または充填物を得る。
この際、使用する複合組成物の粘度が高い場合には、予め、有機溶媒等を添加し撹拌・混合して粘度を低下させ、成形や充填に適した粘度となるように調整しておくことが好ましい。
一方、使用する複合組成物の粘度が低い場合には、予め、シリコーン樹脂同士やシリコーン樹脂と表面修飾剤の一部を下記の様に重合や架橋させるか、または複合組成物が有機溶媒を含む場合には、この有機溶媒の一部あるいは全部を揮発させる等で除去することで粘度を高め、成形や充填に適した粘度となるように調整しておくことが好ましい。
また、この成形体または充填物に有機溶媒が残留する場合には、この有機溶媒を揮発除去する。
これにより、この成形体または充填物は、金型や容器から外した後、外力を加えても、一定の形状を維持できる状態となる。
以上により、欠陥が無く、光学的特性、機械的特性に優れ、高い熱的安定性や化学的安定性を有する、本実施形態の透明複合体を得ることができる。
まず、本実施形態の複合組成物を固化して、複合組成物の固化物(未成形の透明複合体)を得る。固化方法としては、複合組成物を室温(25℃程度)のまま、あるいは所定の温度(室温〜150℃、好ましくは80℃〜150℃)に加温して所定時間静置し、この複合組成物中のシリコーン樹脂や表面修飾剤に反応触媒を介して重合や架橋等の反応を生じさせ、シリコーン樹脂同士やシリコーン樹脂と表面修飾剤間での結合度(重合度)を高めてやればよい。
また、有機溶媒が残留する場合には、この有機溶媒も揮発除去することが好ましい。
この固化物は、外力を加えても、一定の形状を維持できる状態である。
さらに、加工後の成型体においては、シリコーン樹脂同士やシリコーン樹脂と表面修飾剤間での結合度(重合度)を高めたり、残留する有機溶媒を除去することで、より固化を進めてもよい。
以上によっても、欠陥が無く、光学的特性、機械的特性に優れ、高い熱的安定性や化学的安定性を有する、本実施形態の透明複合体を得ることができる。
このような場合であっても、本実施形態の複合組成物の製造方法を適用することにより、複合組成物中での無機酸化物粒子の分散性が高まり、良好な物性を有する成形体または充填物を作製することが可能な複合組成物とすることができる。
オキシ塩化ジルコニウム8水塩2615gを純水40L(リットル)に溶解させたジルコニウム塩溶液に、28%アンモニア水344gを純水20Lに溶解させた希アンモニア水を攪拌しながら加え、ジルコニア前駆体スラリーを調整した。
次いで、このスラリーに、硫酸ナトリウム300gを5Lの純水に溶解させた硫酸ナトリウム水溶液を攪拌しながら加えた。このときの硫酸ナトリウムの添加量は、ジルコニウム塩溶液中のジルコニウムイオンのジルコニア換算値に対して30質量%であった。
次いで、この固形物を自動乳鉢を用いて粉砕した後、電気炉を用いて、大気中、500℃にて1時間焼成した。
次いで、この焼成物を純水中に投入し、攪拌してスラリー状とした後、遠心分離器を用いて洗浄を行い、添加した硫酸ナトリウムを十分に除去した後、乾燥器にて乾燥させ、ジルコニア粒子を得た。
次いで、このジルコニア透明分散液100gに、片末端に1官能基を有するポリジメチルシロキサン骨格ポリマーとしてモノグリシジルエーテル末端ポリジメチルシロキサン(PDMS−G:数平均分子量5000:Aldrich社製)10g、ジブチルスズジラウレート0.01gを加え、環流下にて表面修飾を行った。
この透明複合体のジルコニア粒子の含有率は25質量%であった。
この測定結果から、実施例1の複合組成物中のジルコニア粒子の平均分散粒子径も、7nmないしはそれ以下と結論づけられた。
また、得られた実施例1の透明複合体について、元素分析を行った結果、反応触媒として添加した量と同等量の白金成分を検出できたことから、本発明の透明複合体であることを確認した。
ジルコニア粒子を10g(25質量%)から14g(35質量%)に、ビニル変性シリコーンとして側鎖ビニル−ジメチルシリコーンVDT−131を14.1g(47質量%)から8.4g(28質量%)に、ハイドロジェン変性シリコーンとしてメチルハイドロジェン−ジメチルシリコーンHMS−151を0.9g(3質量%)から0.6g(2質量%)に、それぞれ変更した他は、実施例1に準じて実施例2の表面修飾ジルコニア粒子−シリコーン樹脂複合組成物及び厚みが1mmの透明複合体を得た。
この透明複合体のジルコニア粒子の含有率は35質量%であった。
この結果から、実施例2の複合組成物中のジルコニア粒子の平均分散粒子径も、8nmないしはそれ以下と結論づけられた。
また、得られた実施例2の透明複合体について、元素分析を行った結果、反応触媒として添加した量と同等量の白金成分を検出できたことから、本発明の透明複合体であることを確認した。
ジルコニア粒子を10g(25質量%)から16g(40質量%)に、ビニル変性シリコーンとして側鎖ビニル−ジメチルシリコーンVDT−131を14.1g(47質量%)から5.7g(19質量%)に、ハイドロジェン変性シリコーンとしてメチルハイドロジェン−ジメチルシリコーンHMS−151を0.9g(3質量%)から0.3g(1質量%)に、反応触媒として白金ジビニルテトラメチルジシロキサンSIP6830.3を6mg(0.02質量%)から3mg(0.01質量%)に、それぞれ変更した他は、実施例1に準じて実施例3の表面修飾ジルコニア粒子−シリコーン樹脂複合組成物及び厚みが1mmの透明複合体を得た。
この透明複合体のジルコニア粒子の含有率は40質量%であった。
この結果から、実施例3の複合組成物中のジルコニア粒子の平均分散粒子径も、10nmないしはそれ以下と結論づけられた。
また、得られた実施例3の透明複合体について、元素分析を行った結果、反応触媒として添加した量と同等量の白金成分を検出できたことから、本発明の透明複合体であることを確認した。
ビニル変性シリコーンとして側鎖ビニル−ジメチルシリコーンVDT−131を14.1g(47質量%)から11.7g(39質量%)に、ハイドロジェン変性シリコーンとしてメチルハイドロジェン−ジメチルシリコーンHMS−151の0.9g(3質量%)を、メチルハイドロジェン−ジメチルシリコーンHMS−031(Gelest社製)の3.3g(11質量%)に、それぞれ変更した他は、実施例1に準じて実施例4の表面修飾ジルコニア粒子−シリコーン樹脂複合組成物及び厚みが1mmの透明複合体を得た。
この透明複合体のジルコニア粒子の含有率は25質量%であった。
この結果から、実施例4の複合組成物中のジルコニア粒子の平均分散粒子径も、7nmないしはそれ以下と結論づけられた。
また、得られた実施例4の透明複合体について、元素分析を行った結果、反応触媒として添加した量と同等量の白金成分を検出できたことから、本発明の透明複合体であることを確認した。
ビニル変性シリコーンとして側鎖ビニル−ジメチルシリコーンVDT−131の14.1g(47質量%)を、側鎖ビニル−ジメチルシリコーンVDT−731(Gelest社製)の4.8g(16質量%)に、ハイドロジェン変性シリコーンとしてメチルハイドロジェン−ジメチルシリコーンHMS−151の0.9g(3質量%)を、メチルハイドロジェン−ジメチルシリコーンHMS−031の10.2g(34質量%)に、それぞれ変更した他は、実施例1に準じて実施例5の表面修飾ジルコニア粒子−シリコーン樹脂複合組成物及び厚みが1mmの透明複合体を得た。
この透明複合体のジルコニア粒子の含有率は25質量%であった。
この結果から、実施例5の複合組成物中のジルコニア粒子の平均分散粒子径も、7nmないしはそれ以下と結論づけられた。
また、得られた実施例5の透明複合体について、元素分析を行った結果、反応触媒として添加した量と同等量の白金成分を検出できたことから、本発明の透明複合体であることを確認した。
ビニル変性シリコーンとして側鎖ビニル−ジメチルシリコーンVDT−131の14.1g(47質量%)を、両末端ビニル−ジメチルシリコーンDMS−V21(Gelest社製)の13.5g(45質量%)に、ハイドロジェン変性シリコーンとしてメチルハイドロジェン−ジメチルシリコーンHMS−151の0.9g(3質量%)を、メチルハイドロジェン−ジメチルシリコーンHMS−301(Gelest社製)の1.5g(5質量%)に、それぞれ変更した他は、実施例1に準じて実施例6の表面修飾ジルコニア粒子−シリコーン樹脂複合組成物及び厚みが1mmの透明複合体を得た。
この透明複合体のジルコニア粒子の含有率は25質量%であった。
この結果から、実施例6の複合組成物中のジルコニア粒子の平均分散粒子径も、10nmないしはそれ以下と結論づけられた。
また、得られた実施例6の透明複合体について、元素分析を行った結果、反応触媒として添加した量と同等量の白金成分を検出できたことから、本発明の透明複合体であることを確認した。
ビニル変性シリコーンとして側鎖ビニル−ジメチルシリコーンVDT−131の14.1g(47質量%)を、両末端ビニル−ジメチルシリコーンDMS−V22(Gelest社製)の14.7g(49質量%)に、ハイドロジェン変性シリコーンとしてメチルハイドロジェン−ジメチルシリコーンHMS−151の0.9g(3質量%)を、メチルハイドロジェン−ジメチルシリコーンHMS−301の0.3g(1質量%)に、それぞれ変更した他は、実施例1に準じて実施例7の表面修飾ジルコニア粒子−シリコーン樹脂複合組成物及び厚みが1mmの透明複合体を得た。
この透明複合体のジルコニア粒子の含有率は25質量%であった。
この結果から、実施例7の複合組成物中のジルコニア粒子の平均分散粒子径も、10nmないしはそれ以下と結論づけられた。
また、得られた実施例7の透明複合体について、元素分析を行った結果、反応触媒として添加した量と同等量の白金成分を検出できたことから、本発明の透明複合体であることを確認した。
ビニル変性シリコーンとして側鎖ビニル−ジメチルシリコーンVDT−131を14.1g(47質量%)から14.4g(48質量%)に、ハイドロジェン変性シリコーンとしてメチルハイドロジェン−ジメチルシリコーンHMS−151の0.9g(3質量%)を、メチルハイドロジェン−ジメチルシリコーンHMS−301の0.6g(2質量%)に、それぞれ変更した他は、実施例1に準じて実施例8の表面修飾ジルコニア粒子−シリコーン樹脂複合組成物及び厚みが1mmの透明複合体を得た。
この透明複合体のジルコニア粒子の含有率は25質量%であった。
この結果から、実施例8の複合組成物中のジルコニア粒子の平均分散粒子径も、7nmないしはそれ以下と結論づけられた。
また、得られた実施例8の透明複合体について、元素分析を行った結果、反応触媒として添加した量と同等量の白金成分を検出できたことから、本発明の透明複合体であることを確認した。
ビニル変性シリコーンとして側鎖ビニル−ジメチルシリコーンVDT−131の14.1g(47質量%)を、側鎖ビニル−ジメチルシリコーンVDT−731の11.4g(38質量%)に、ハイドロジェン変性シリコーンとしてメチルハイドロジェン−ジメチルシリコーンHMS−151の0.9g(3質量%)を、メチルハイドロジェン−ジメチルシリコーンHMS−301の3.6g(12質量%)に、それぞれ変更した他は、実施例1に準じて実施例9の表面修飾ジルコニア粒子−シリコーン樹脂複合組成物及び厚みが1mmの透明複合体を得た。
この透明複合体のジルコニア粒子の含有率は25質量%であった。
この結果から、実施例9の複合組成物中のジルコニア粒子の平均分散粒子径も、7nmないしはそれ以下と結論づけられた。
また、得られた実施例9の透明複合体について、元素分析を行った結果、反応触媒として添加した量と同等量の白金成分を検出できたことから、本発明の透明複合体であることを確認した。
ビニル変性シリコーンとして側鎖ビニル−ジメチルシリコーンVDT−131の14.1g(47質量%)を、両末端ビニル−ジメチルシリコーンDMS−V22の14.7g(49質量%)に、ハイドロジェン変性シリコーンとしてメチルハイドロジェン−ジメチルシリコーンHMS−151の0.9g(3質量%)を、メチルハイドロジェン−ジメチルシリコーンHMS−301の0.3g(1質量%)に、反応触媒として白金ジビニルテトラメチルジシロキサンSIP6830.3を、白金シクロビニルメチルシロキサンSIP6832.2(Gelest社製)に、それぞれ変更した他は、実施例1に準じて実施例10の表面修飾ジルコニア粒子−シリコーン樹脂複合組成物及び厚みが1mmの透明複合体を得た。
この透明複合体のジルコニア粒子の含有率は25質量%であった。
この結果から、実施例10の複合組成物中のジルコニア粒子の平均分散粒子径も、9nmないしはそれ以下と結論づけられた。
また、得られた実施例10の透明複合体について、元素分析を行った結果、反応触媒として添加した量と同等量の白金成分を検出できたことから、本発明の透明複合体であることを確認した。
ビニル変性シリコーンとして側鎖ビニル−ジメチルシリコーンVDT−131の14.1g(47質量%)を、両末端ビニル−ジメチルシリコーンDMS−V21の8.7g(29質量%)に、ハイドロジェン変性シリコーンとしてメチルハイドロジェン−ジメチルシリコーンHMS−151の0.9g(3質量%)を、メチルハイドロジェン−ジメチルシリコーンHMS−031の6.3g(21質量%)に、それぞれ変更した他は、実施例1に準じて比較例1の表面修飾ジルコニア粒子−シリコーン樹脂複合組成物及び厚みが1mmの複合体を得た。
この複合体のジルコニア粒子の含有率は25質量%であった。
得られた比較例1の複合体中のジルコニア粒子の粒子径を実施例1と同様にして測定した結果、平均分散粒子径は35nmであった。
ビニル変性シリコーンとして側鎖ビニル−ジメチルシリコーンVDT−131の14.1g(47質量%)を、両末端ビニル−ジメチルシリコーンDMS−V22の13.2g(44質量%)に、ハイドロジェン変性シリコーンとしてメチルハイドロジェン−ジメチルシリコーンHMS−151の0.9g(3質量%)を、メチルハイドロジェン−ジメチルシリコーンHMS−031の1.8g(6質量%)に、それぞれ変更した他は、実施例1に準じて比較例2の表面修飾ジルコニア粒子−シリコーン樹脂複合組成物及び厚みが1mmの複合体を得た。
この複合体のジルコニア粒子の含有率は25質量%であった。
得られた比較例2の複合体中のジルコニア粒子の粒子径を実施例1と同様にして測定した結果、平均分散粒子径は42nmであった。
実施例1〜10それぞれの透明複合体及び比較例1、2それぞれの複合体について、下記の装置または方法により透明性、屈折率及び耐久性の評価を行った。
分光光度計(日本分光社製)を用いて可視光線の透過率を測定した。
ここでは、透明複合体(または複合体)の厚み方向(L=1mm)の可視光線透過率を測定し、可視光線透過率が80%以上を「○」、80%未満を「×」とした。
(2)屈折率
日本工業規格JIS K 7142「プラスチックの屈折率測定方法」に準拠し、アッベ屈折計により測定した。
ここでは、ジルコニア粒子を添加していない樹脂単体を基準として、屈折率が0.03以上向上した場合を「○」、屈折率が0.03未満しか向上しなかった場合を「×」とした。
透明複合体(または複合体)を温度150℃の環境下に24時間放置した後、取り出し、透明複合体(または複合体)の外観を目視にて観察し、黄変が無いものを「○」、黄変したものを「×」とした。
実施例1〜10及び比較例1〜2各々の複合組成物の組成及び透明複合体(または複合体)の評価結果を表1に示す。
一方、比較例1、2の複合体は、可視光線の透過率が0%〜20%と極めて低く、また、屈折率を測定することができなかった。
この理由は、ハイドロジェン変性シリコーン及びビニル変性シリコーン共に架橋密度が小さいので、無機酸化物粒子の凝集・相分離速度がシリコーン樹脂の硬化速度よりも速くなり、その結果、シリコーン樹脂との硬化の際に透明性が失われたことによると考えられる。
Claims (7)
- 少なくとも、片末端に1官能基を有するポリジメチルシロキサン骨格ポリマーが結合することにより表面修飾された平均分散粒子径が1nm以上かつ20nm以下の無機酸化物粒子と、シリコーン樹脂と、反応触媒とを含有してなる複合組成物であって、
前記シリコーン樹脂は、ビニル変性シリコーン及びハイドロジェン変性シリコーンを含有し、
前記反応触媒は、ヒドロシリル化反応触媒を含有してなることを特徴とする無機酸化物粒子とシリコーン樹脂との複合組成物。 - 前記ポリジメチルシロキサン骨格ポリマーは、モノグリシジルエーテル末端ポリジメチルシロキサン、モノヒドロキシエーテル末端ポリジメチルシロキサンの群から選択された1種または2種であることを特徴とする請求項1記載の無機酸化物粒子とシリコーン樹脂との複合組成物。
- 前記ビニル変性シリコーンは、両末端ビニル−ジメチルシリコーン、両末端ビニルジフェニル−ジメチルシリコーン、両末端ビニル−フェニルメチルシリコーン、両末端ビニル−ジエチルシリコーン、側鎖ビニル−ジメチルシリコーン、ビニルメチルシリコーン、ビニルメトキシシリコーン、ビニルレジン分散体の群から選択された1種または2種以上であることを特徴とする請求項1または2記載の無機酸化物粒子とシリコーン樹脂との複合組成物。
- 前記ハイドロジェン変性シリコーンは、両末端ハイドロジェン−ジメチルシリコーン、メチルハイドロジェン−ジメチルシリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、エチルハイドロジェンシリコーン、メチルハイドロジェン−フェニルメチルシリコーン、ハイドライドレジンの群から選択された1種または2種以上であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の無機酸化物粒子とシリコーン樹脂との複合組成物。
- シリコーン樹脂中に、片末端に1官能基を有するポリジメチルシロキサン骨格ポリマーが結合することにより表面修飾された無機酸化物粒子が平均分散粒子径1nm以上かつ20nm以下にて分散するとともに、前記シリコーン樹脂中にヒドロシリル化反応触媒を含有してなることを特徴とする透明複合体。
- 請求項1ないし5のいずれか1項記載の無機酸化物粒子とシリコーン樹脂との複合組成物を、所定の形状に成形し固化するか、または前記複合組成物を固化した後に成形してなることを特徴とする透明複合体。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011128302A JP5780003B2 (ja) | 2011-06-08 | 2011-06-08 | 無機酸化物粒子とシリコーン樹脂との複合組成物及び透明複合体 |
PCT/JP2012/055066 WO2012169237A1 (ja) | 2011-06-08 | 2012-02-29 | 無機酸化物粒子とシリコーン樹脂との複合組成物及び透明複合体 |
CN201280027849.7A CN103597034B (zh) | 2011-06-08 | 2012-02-29 | 无机氧化物粒子与聚硅氧烷树脂的复合组合物以及透明复合体 |
KR1020137032472A KR101596378B1 (ko) | 2011-06-08 | 2012-02-29 | 무기 산화물 입자와 실리콘 수지의 복합 조성물 및 투명 복합체 |
TW101106487A TWI525140B (zh) | 2011-06-08 | 2012-02-29 | 無機氧化物粒子與聚矽氧樹脂之複合組成物及透明複合體 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011128302A JP5780003B2 (ja) | 2011-06-08 | 2011-06-08 | 無機酸化物粒子とシリコーン樹脂との複合組成物及び透明複合体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012255070A true JP2012255070A (ja) | 2012-12-27 |
JP5780003B2 JP5780003B2 (ja) | 2015-09-16 |
Family
ID=47295811
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011128302A Active JP5780003B2 (ja) | 2011-06-08 | 2011-06-08 | 無機酸化物粒子とシリコーン樹脂との複合組成物及び透明複合体 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5780003B2 (ja) |
KR (1) | KR101596378B1 (ja) |
CN (1) | CN103597034B (ja) |
TW (1) | TWI525140B (ja) |
WO (1) | WO2012169237A1 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015061075A1 (en) * | 2013-10-24 | 2015-04-30 | Dow Corning Corporation | Cured silicone with high light transmittance, curable silicone for preparing same, devices and methods |
KR20170102784A (ko) * | 2016-03-02 | 2017-09-12 | 삼성전자주식회사 | 무기 산화물 함유 경화성 실리콘 수지 조성물 및 이를 이용하여 형성된 광학 부재 |
JP2019537741A (ja) * | 2016-09-21 | 2019-12-26 | コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. | アクチュエータデバイス、アクチュエーション方法、及び製造方法 |
JP2020164678A (ja) * | 2019-03-29 | 2020-10-08 | 日亜化学工業株式会社 | シリコーン樹脂組成物及びその製造方法 |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9567255B2 (en) | 2013-01-31 | 2017-02-14 | Empire Technology Development Llc | Light weight structural materials |
JP6112603B2 (ja) * | 2013-03-29 | 2017-04-12 | 日本化薬株式会社 | エネルギー線硬化型樹脂組成物及びその硬化物 |
US10138331B2 (en) | 2014-04-24 | 2018-11-27 | Rensselaer Polytechnic Institute | Matrix-free polymer nanocomposites and related products and methods thereof |
WO2016088812A1 (ja) * | 2014-12-04 | 2016-06-09 | 積水化学工業株式会社 | シリコーン粒子、液晶滴下工法用シール剤及び液晶表示素子 |
US10269670B2 (en) * | 2015-06-24 | 2019-04-23 | Sumitomo Osaka Cement Co., Ltd. | Curable silicone resin composition, silicone resin composite, photosemiconductor light emitting device, luminaire and liquid crystal imaging device |
JP6524901B2 (ja) * | 2015-12-08 | 2019-06-05 | 信越化学工業株式会社 | シリコーンゴム組成物及びその硬化物 |
WO2020203459A1 (ja) * | 2019-03-29 | 2020-10-08 | 住友大阪セメント株式会社 | 無機粒子の表面修飾方法、分散液の製造方法および分散液 |
CN110246985B (zh) * | 2019-06-21 | 2021-10-01 | 京东方科技集团股份有限公司 | 电致发光器件、其制备方法及显示装置 |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007217242A (ja) * | 2006-02-17 | 2007-08-30 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 無機酸化物透明分散液と透明複合体、発光素子封止用組成物及び発光素子並びに透明複合体の製造方法 |
JP2007262252A (ja) * | 2006-03-29 | 2007-10-11 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | ジルコニア微粒子含有透明プラスチック部材及び複合プラスチック部材 |
JP2008120605A (ja) * | 2006-11-08 | 2008-05-29 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 表面修飾酸化ジルコニウム粒子と表面修飾酸化ジルコニウム粒子分散液及び透明複合体、光学部材並びに発光素子封止用組成物、発光素子 |
JP2008137848A (ja) * | 2006-12-01 | 2008-06-19 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 無機酸化物透明分散液と透明複合体、発光素子封止用組成物および発光素子並びに透明複合体の製造方法 |
JP2008273801A (ja) * | 2007-05-07 | 2008-11-13 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 表面修飾ジルコニア粒子と表面修飾ジルコニア粒子分散液及び複合体並びに表面修飾ジルコニア粒子の製造方法 |
JP2008303299A (ja) * | 2007-06-07 | 2008-12-18 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | ジルコニア含有シリコーン樹脂組成物 |
JP2009003164A (ja) * | 2007-06-21 | 2009-01-08 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | ホログラム記録材料及びホログラム記録媒体 |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02218723A (ja) * | 1989-02-20 | 1990-08-31 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | ポリジメチルシロキサン被覆微粒子 |
JP4187454B2 (ja) | 2002-03-29 | 2008-11-26 | 大日本印刷株式会社 | 反射防止フィルム |
JP4273942B2 (ja) | 2003-11-28 | 2009-06-03 | Jsr株式会社 | ジルコニア粒子分散液、その製造方法及び光硬化性組成物 |
JP5034301B2 (ja) | 2005-04-15 | 2012-09-26 | Jsr株式会社 | 高屈折材料形成用組成物およびその硬化体、ならびに高屈折材料形成用組成物の製造方法 |
JP4961829B2 (ja) | 2005-08-09 | 2012-06-27 | ソニー株式会社 | ナノ粒子−樹脂複合材料の製造方法 |
JP5167582B2 (ja) * | 2005-10-28 | 2013-03-21 | 住友大阪セメント株式会社 | ジルコニア透明分散液及び透明複合体並びに透明複合体の製造方法 |
JP2007299981A (ja) * | 2006-05-01 | 2007-11-15 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 発光素子封止用組成物及び発光素子並びに光半導体装置 |
JP2009091380A (ja) | 2007-10-03 | 2009-04-30 | Jsr Corp | 発光素子コーティング用組成物および発光装置、ならびに発光素子コーティング用組成物の製造方法 |
JP5082814B2 (ja) * | 2007-12-11 | 2012-11-28 | 住友大阪セメント株式会社 | 無機酸化物含有透明複合体及びその製造方法 |
-
2011
- 2011-06-08 JP JP2011128302A patent/JP5780003B2/ja active Active
-
2012
- 2012-02-29 TW TW101106487A patent/TWI525140B/zh active
- 2012-02-29 WO PCT/JP2012/055066 patent/WO2012169237A1/ja active Application Filing
- 2012-02-29 CN CN201280027849.7A patent/CN103597034B/zh active Active
- 2012-02-29 KR KR1020137032472A patent/KR101596378B1/ko active IP Right Grant
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007217242A (ja) * | 2006-02-17 | 2007-08-30 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 無機酸化物透明分散液と透明複合体、発光素子封止用組成物及び発光素子並びに透明複合体の製造方法 |
JP2007262252A (ja) * | 2006-03-29 | 2007-10-11 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | ジルコニア微粒子含有透明プラスチック部材及び複合プラスチック部材 |
JP2008120605A (ja) * | 2006-11-08 | 2008-05-29 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 表面修飾酸化ジルコニウム粒子と表面修飾酸化ジルコニウム粒子分散液及び透明複合体、光学部材並びに発光素子封止用組成物、発光素子 |
JP2008137848A (ja) * | 2006-12-01 | 2008-06-19 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 無機酸化物透明分散液と透明複合体、発光素子封止用組成物および発光素子並びに透明複合体の製造方法 |
JP2008273801A (ja) * | 2007-05-07 | 2008-11-13 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 表面修飾ジルコニア粒子と表面修飾ジルコニア粒子分散液及び複合体並びに表面修飾ジルコニア粒子の製造方法 |
JP2008303299A (ja) * | 2007-06-07 | 2008-12-18 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | ジルコニア含有シリコーン樹脂組成物 |
JP2009003164A (ja) * | 2007-06-21 | 2009-01-08 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | ホログラム記録材料及びホログラム記録媒体 |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015061075A1 (en) * | 2013-10-24 | 2015-04-30 | Dow Corning Corporation | Cured silicone with high light transmittance, curable silicone for preparing same, devices and methods |
KR20170102784A (ko) * | 2016-03-02 | 2017-09-12 | 삼성전자주식회사 | 무기 산화물 함유 경화성 실리콘 수지 조성물 및 이를 이용하여 형성된 광학 부재 |
KR102517335B1 (ko) | 2016-03-02 | 2023-04-03 | 삼성전자주식회사 | 무기 산화물 함유 경화성 실리콘 수지 조성물 및 이를 이용하여 형성된 광학 부재 |
JP2019537741A (ja) * | 2016-09-21 | 2019-12-26 | コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. | アクチュエータデバイス、アクチュエーション方法、及び製造方法 |
US11274253B2 (en) | 2016-09-21 | 2022-03-15 | Koninklijke Philips N.V. | Actuator device, actuation method and manufacturing method |
JP2020164678A (ja) * | 2019-03-29 | 2020-10-08 | 日亜化学工業株式会社 | シリコーン樹脂組成物及びその製造方法 |
US11643553B2 (en) | 2019-03-29 | 2023-05-09 | Nichia Corporation | Silicone resin composition and method of producing same |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
TW201249910A (en) | 2012-12-16 |
KR101596378B1 (ko) | 2016-02-22 |
TWI525140B (zh) | 2016-03-11 |
CN103597034A (zh) | 2014-02-19 |
JP5780003B2 (ja) | 2015-09-16 |
WO2012169237A1 (ja) | 2012-12-13 |
CN103597034B (zh) | 2017-06-20 |
KR20140038983A (ko) | 2014-03-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5780003B2 (ja) | 無機酸化物粒子とシリコーン樹脂との複合組成物及び透明複合体 | |
JP5273744B2 (ja) | 無機酸化物粒子とシリコーン樹脂との複合組成物の製造方法 | |
JP5472543B2 (ja) | 表面修飾金属酸化物粒子材料及び光半導体素子封止組成物、並びに光半導体装置 | |
JP6565923B2 (ja) | 表面修飾金属酸化物粒子分散液及びその製造方法、表面修飾金属酸化物粒子−シリコーン樹脂複合組成物、表面修飾金属酸化物粒子−シリコーン樹脂複合体、光学部材、及び発光装置 | |
CN107936572B (zh) | 一种高透明耐热氧老化加成型液体硅橡胶及其制备方法 | |
JP5393107B2 (ja) | シリコーン樹脂組成物 | |
TW201734095A (zh) | 無機粒子-聚矽氧烷複合體,含有其之分散液,固體材料,及該無機粒子-聚矽氧烷複合體之製造方法 | |
JP2008120848A (ja) | 無機酸化物透明分散液と透明複合体およびその製造方法、発光素子封止用組成物並びに発光素子 | |
JP2017105895A (ja) | シリコーンゴム組成物及びその硬化物 | |
JP2007217242A (ja) | 無機酸化物透明分散液と透明複合体、発光素子封止用組成物及び発光素子並びに透明複合体の製造方法 | |
JP5424381B2 (ja) | 光半導体封止用樹脂組成物 | |
WO2016208640A1 (ja) | 硬化性シリコーン樹脂組成物、シリコーン樹脂複合体、光半導体発光装置、照明器具及び液晶画像装置 | |
EP3101062A1 (en) | Nanoparticle, method for producing nanoparticle, addition curing silicone resin composition, and semiconductor apparatus | |
JP5162879B2 (ja) | 金属酸化物粒子−シリコーン樹脂複合体とそれを備えた光学部材及び発光装置並びに金属酸化物粒子−シリコーン樹脂複合体の製造方法 | |
JP2019508565A (ja) | Led封入用材料 | |
JP5769154B2 (ja) | 無機酸化物粒子とシリコーン樹脂との複合組成物ならびに透明複合体およびその製造方法 | |
JP2023140678A (ja) | 熱硬化性樹脂組成物 | |
CN117467117A (zh) | 有机硅改性环氧树脂及其制备方法、封装材料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140305 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150106 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150309 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150401 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150527 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150616 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150629 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5780003 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |