JP2009003164A - ホログラム記録材料及びホログラム記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】回折効率が向上したホログラム記録材料、及び、このホログラム記録材料を用いて記録層を形成したホログラム記録媒体を提供する。
【解決手段】本発明のホログラム記録材料は平均分散粒径が1nm以上かつ20nm以下の正方晶ジルコニア微粒子を含有し、この正方晶ジルコニア微粒子の表面は、シランカップリング剤等のアルコキシシラン化合物、変性シリコーン等のシロキサン化合物、界面活性剤、チタンカップリング剤の群から選択された1種または2種以上の表面修飾剤により修飾されている。
【選択図】なし

Description

本発明は、ホログラム記録材料及びホログラム記録媒体に関し、更に詳しくは、屈折率が高く、透明性かつ機械的特性に優れた正方晶ジルコニア微粒子を含有することにより、回折効率が向上したホログラム記録材料、及び、このホログラム記録材料を用いて記録層を形成したホログラム記録媒体に関するものである。
従来、光の干渉縞を利用したホログラムが様々な分野で利用されている。
このホログラムは、干渉縞が記録された記録層に光を当てることにより、この干渉縞に由来する信号光を再生するデバイスであり、記録層の精緻化に伴って回折効率の高いホログラム記録材料の開発が求められている。
このようなホログラム記録材料としては、例えば、チタニア、アルミナ、ジルコニア等の金属酸化物粒子と、重合可能なモノマーと、光が照射されると前記モノマーの重合を開始させる光重合開始剤とを含むホログラム記録材料が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−77740号公報
ところで、従来のホログラム記録材料では、金属酸化物粒子の結晶性と微粒化とを両立させることが難しいという問題点があった。
特に、金属酸化物粒子の粒子径を20nm以下にした場合、結晶性の高い微粒子を得ることができず、したがって、高屈折率が見込まれるジルコニアやチタニア等の微粒子を用いても十分な屈折率を得ることができず、結果としてホログラム記録材料としての回折効率向上にも限界があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、回折効率が向上したホログラム記録材料、及び、このホログラム記録材料を用いて記録層を形成したホログラム記録媒体を提供することを目的とする。
本発明者等は、ホログラム記録材料の回折効率を向上させることについて鋭意検討を重ねた結果、平均分散粒径が1nm以上かつ20nm以下の正方晶ジルコニア微粒子を含有させれば、十分な屈折率を得ることが可能であり、よって、回折効率を向上させることが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のホログラム記録材料は、平均分散粒径が1nm以上かつ20nm以下の正方晶ジルコニア微粒子を含有してなることを特徴とする。
前記正方晶ジルコニア微粒子の表面は、表面修飾剤により修飾されていることが好ましい。
前記表面修飾剤は、アルコキシシラン化合物、シロキサン化合物、界面活性剤、チタンカップリング剤の群から選択された1種または2種以上であることが好ましい。
前記アルコキシシラン化合物は、シランカップリング剤であることが好ましい。
前記シロキサン化合物は、変性シリコーンであることが好ましい。
前記表面の修飾部分の重量比は、前記正方晶ジルコニア微粒子の5重量%以上かつ200重量%以下であることが好ましい。
本発明のホログラム記録媒体は、基材上に設けられた記録層を、本発明のホログラム記録材料により形成してなることを特徴とする。
前記記録層における前記正方晶ジルコニア微粒子の含有率は1重量%以上かつ80重量%以下であることが好ましい。
本発明のホログラム記録材料によれば、平均分散粒径が1nm以上かつ20nm以下の正方晶ジルコニア微粒子を含有したので、屈折率及び機械的特性が向上し、透明性をも維持する正方晶ジルコニア微粒子を用いることで微粒子の結晶性と微粒化とを両立させることができる。したがって、十分に高い屈折率及び機械的特性を得ることができ、その結果、回折効率を向上させることができる。
本発明のホログラム記録媒体によれば、基材上に設けられた記録層を本発明のホログラム記録材料により形成したので、十分に高い屈折率及び機械的特性を有するとともに回折効率に優れたものとなる。
したがって、高屈折率、優れた機械的特性、優れた回折効率を有するホログラム記録媒体を提供することができる。
本発明のホログラム記録材料及びホログラム記録媒体を実施するための最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
「ホログラム記録材料」
本発明のホログラム記録材料は、平均分散粒径が1nm以上かつ20nm以下の正方晶ジルコニア微粒子を含有した材料である。
ここで、ジルコニア微粒子を正方晶ジルコニア微粒子に限定した理由は、微粒子の平均分散粒径が20nm以下のように小さくなると、正方晶の方が従来知られている単斜晶よりも安定になることと、硬度が高く、ホログラム記録媒体の記録層に適用した場合に、機械的特性を向上させることができる上に、2.0以上の高い屈折率を保持することができるからである。
この正方晶ジルコニア微粒子は、単斜晶ジルコニア微粒子よりも安定して製造することができるという特徴も有する。
また、正方晶ジルコニア微粒子の平均分散粒径を1nm以上かつ20nm以下と限定した理由は、平均分散粒径を上記の範囲とすることで、光を照射した場合に光の波長に対して平均分散粒径が十分小さく、透明性に優れたものとなり、その結果、ホログラム記録媒体の記録層に適用した場合に干渉縞を形成する光や再生時の参照光を十分に記録層内に導くことができ、回折効率が向上するからである。
特に、平均分散粒径が1nm未満であると、結晶性が乏しくなり、屈折率等の粒子特性を発現することが難しくなり、その結果、回折効率が低下し、一方、平均分散粒径が20nmを超えると、この正方晶ジルコニア微粒子をホログラム記録媒体の記録層に適用した場合に500nm以下の光波長域における光の散乱が増加し、回折効率が低下する。
この正方晶ジルコニア微粒子をトルエン等の非極性溶媒中に分散させる際には、この正方晶ジルコニア微粒子の表面は表面修飾剤により修飾されていることが好ましく、この表面修飾剤としては、アルコキシシラン化合物、シロキサン化合物、界面活性剤、チタンカップリング剤の群から選択された1種または2種以上が好適に用いられる。
これらの表面修飾剤のうち特に好ましいのは、アルコキシシラン化合物としてはシランカップリング剤であり、シロキサン化合物としては変性シリコーンである。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
変性シリコーンとしては、メトキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、メタクリレート変性シリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン等が挙げられる。
また、ビニル基および/またはケイ素原子に結合した官能基を有する変性シリコーンを用いると、ホログラム記録媒体の記録層に適用した場合に、ビニル基および/またはケイ素原子に結合した官能基が後述する光重合性モノマーを重合させる際の化学反応に寄与するので特に好ましい。
界面活性剤としては、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、両性イオン界面活性剤等のイオン性界面活性剤、あるいは非イオン系界面活性剤が好適に用いられる。
陰イオン系界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム等の脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、脂肪酸エステルスルフォン酸ナトリウム等の脂肪酸系、アルキルリン酸エステルナトリウム等のリン酸系、アルファオレインスルフォン酸ナトリウム等のオレフィン系、アルキル硫酸ナトリウム等のアルコール系、アルキルベンゼン系等が挙げられる。
陽イオン系界面活性剤としては、例えば、塩化アルキルメチルアンモニウム、塩化アルキルジメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム等が挙げられる。
両性イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミノカルボン酸塩等のカルボン酸系、フォスフォベタイン等のリン酸エステル系が挙げられる。
非イオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラノリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の脂肪酸系、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。
チタンカップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(ドデシル)ベンゼンスルホニルチタネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシートリ(ジオクチル)ホスフェイトチタネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシートリネオドデカノイルチタネート等が挙げられる。
上記の表面修飾剤を用いて正方晶ジルコニア微粒子の表面を修飾する方法としては、湿式法、乾式法等が挙げられる。
湿式法とは、表面修飾剤と正方晶ジルコニア微粒子を溶媒に投入し混合することにより、正方晶ジルコニア微粒子の表面を修飾する方法である。
乾式法とは、表面修飾剤と乾燥した正方晶ジルコニア微粒子をミキサー等の乾式混合機に投入し混合することにより、正方晶ジルコニア微粒子の表面を修飾する方法である。
この際、正方晶ジルコニア微粒子の表面の修飾部分の重量比は、5重量%以上かつ200重量%以下であることが好ましい。その理由は、5重量%未満では、非極性溶媒との分散が不安定となり、塗膜時の光透過率が低下するからであり、一方、200重量%を超えると、表面修飾剤の屈折率の影響により十分な高屈折率性が得づらくなるからである。
このホログラム記録材料は、上記の正方晶ジルコニア微粒子の他、ホログラム記録媒体の記録層を構成する樹脂成分となる光重合性モノマーと、所定の強度の光が照射された場合に前記光重合性モノマーを重合させる光重合開始剤とを含有している。このホログラム記録材料では、正方晶ジルコニア微粒子は、光重合性モノマー及び光重合開始剤を含む成分中に均一分散した状態となっている。
光重合性モノマーとしては、所定の強度の光が照射された場合に重合して光重合性ポリマーとなるものであればよく、例えば、フッ素系モノマー、エポキシ系モノマー、アクリル系モノマー、シルセスキオキサン、変性ポリビニルアルコール等を例示することができる。
フッ素系モノマーとしては、4フッ化エチレン、塩化3フッ化エチレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、パーフルオロブテニルビニルエーテル等を例示することができる。
また、このフッ素系モノマーのうち2種以上を選択して混合した混合物を用いてもよい。
このような混合物としては、エチレン/4フッ化エチレン、エチレン/塩化3フッ化エチレン、4フッ化エチレン/6フッ化プロピレン、4フッ化エチレン/6フッ化プロピレン/フッ化ビニリデン、フロロエチレン/ビニルエーテル、テトラフロロエチレン/パーフルオロアルキルエーテル、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル等を例示することができる。
エポキシ系モノマーとしては、ビニル−n−ブチルエーテル、ビニル−2−クロロエチルエーテル、ジ−2,3−エポキシシクロペンチルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンメタノールジビニルエーテル、トリメチロールメタントリビニルエーテルビニルグリシジルエーテル等のエーテル類、フェニルグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、p−ターシャリブチルフェニルグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、オルソフタル酸ジグリシジルエステル、ソルビトールポリグリシギルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類等を例示することができる。
また、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシパーフルオロイソプロピル)シクロヘキサン、1,6−ジメチロールパーフルオロヘキサンジグリシジルエーテル、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシパーフルオロイソプロピル)ジフェニルエーテル、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、1,2,5,6−ジエポキシ−4,7−メタノペルヒドロインデン、1,2−エチレンジオキシ-ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメタン)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−3',4'−エポキシ−1,3−ジオキサン−5−スピロシクロヘキサン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3',4'−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、4',5'−エポキシ−2'−メチルシクロヘキシルメチル−4,5−エポキシ−2−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、エチレングリコール−ビス(3,4−エポキシキクロヘキサン)カルキシレート等を例示することもできる。
アクリル系モノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル等を例示することができる。
アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸2−フェニルエチル、アクリル酸2−フェノキシエチル、アクリル酸p−クロロフェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−(1−ナフチロキシ)エチル、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジ(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、ビスフェノールA−ジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、2,2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート等を例示することができる。
メタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−n−プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸2−フェニルエチル、メタクリル酸2−フェノキシエチル、メタクリル酸p−クロロフェニル、トリメチロールプロパントリメタクリレート、2,2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ベンゼンジオールジメタクリレート、1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、ビスフェノールAジ(2−メタクリロキシエチル)エーテル、ポリオキシエチル−2,2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジメタクリレート、テトラブロモ−ビスフェノールAジ(2−メタクリロキシエチル)エーテル、テトラクロロ−ビスフェノールAジ(2−メタクリロキシエチル)エーテル、テトラブロモ−ビスフェノールAジ(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、ジフェノール酸ジ(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル等を例示することができる。
シルセスキオキサンとしては、ポリヒドリドシルセスキオキサン等のシルセスキオキサン、あるいはポリメチルシルセスキオキサン、ポリフェニルシルセスキオキサン、ポリフェニル−メチルシルセスキオキサン等のポリシルセスキオキサン等を例示することができる。このポリシルセスキオキサンの分子量は、300〜10000程度が好ましく、より好ましくは1000〜8000程度である。
変性ポリビニルアルコールとしては、水溶性のアクリル変性ポリビニルアルコール、メタクリル変性ポリビニルアルコール等を例示することができる。
光重合開始剤としては、所定の強度の光が照射された場合に前記光重合性モノマーを重合させることができるものであればよく、特に限定されないが、光ラジカル重合開始剤が好適である。
この光ラジカル重合開始剤としては、アジド系化合物、アゾ系化合物、有機チオール化合物、チタノセン化合物、有機過酸化物、オニウム塩類、ヨードニウム塩類、ビスイミダゾール誘導体、ハロゲン化炭化水素誘導体等を例示することができる。この光ラジカル重合開始剤の中でも、特に効果的なのはチタノセン化合物である。
このチタノセン化合物としては、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジ−フルオロフェニ−1−イル等を例示することができる。
また、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)−フェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル等を例示することもできる。
「ホログラム記録媒体」
本発明のホログラム記録媒体は、基材上に設けられた記録層を、本発明のホログラム記録材料により形成した媒体であり、この記録層上には透明な保護膜が形成されている。
この記録層における正方晶ジルコニア微粒子の含有率は、1重量%以上かつ80重量%以下であることが好ましい。
このホログラム記録媒体は、基材上に、スピンコート法、バーコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法等を用いて上記のホログラム記録材料を塗布し、得られた塗膜を、減圧乾燥または加熱乾燥して記録層とし、この記録層を覆うようにシリカ等からなる透明な保護膜を形成することで得ることができる。
このホログラム記録媒体に対して、参照光ならびに記録光を重ね合わせて形成する干渉光を照射すると、光が照射された部分では、光重合開始剤が作用して光重合性モノマーの重合が促進する。この際、光照射部分に存在する正方晶ジルコニア微粒子は、微粒子の表面自体が光重合反応に対して不活性であり、さらに光重合性モノマーと親和性の高い修飾基で覆われていることから、光重合反応には直接関与せず、また、光重合性モノマーとの分散適正に優れていることから、光重合性モノマーの重合促進に伴い、隣接する光が照射されていない部分のモノマーサイトに拡散移行する。その結果、光照射部分に比べて光未照射部分における正方晶ジルコニア微粒子の含有比率が高まり、この光未照射部分の屈折率が相対的に高くなる。
この様にして、干渉縞が記録されたホログラム記録媒体に対して参照光を照射すると、屈折率差に応じた回折効果によって干渉縞が再生される。
このホログラム記録媒体に対して使用される参照光及び記録光の波長は、一般に250nm〜500nmの範囲内である。波長が250nm未満では、光重合性モノマーの吸収が大きく、光が深部まで届き難く、一方、500nmを超えると、エネルギーが低くなり過ぎてしまい、重合反応の開始が困難となる。
このホログラム記録媒体によれば、記録層を、本発明のホログラム記録材料により形成したので、十分に高い屈折率及び機械的特性を有するとともに回折効率に優れている。
したがって、高屈折率、優れた機械的特性、優れた回折効率を有するホログラム記録媒体を提供することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
「実施例1」
ジルコニア微粒子として、正方晶ジルコニア微粒子を40重量%含むナノジルコニア水分散液 NZD−3007(住友大阪セメント製)を用い、この水分散液中の正方晶ジルコニア微粒子の平均粒径及び屈折率を測定した。これらの結果を表1に示す。なお、これらの測定方法は下記のとおりである。
(1)平均粒径
ナノジルコニア水分散液中の正方晶ジルコニア微粒子の含有率を1重量%に調製した試料の粒度分布を、動的光散乱式粒径分布測定装置(Malvern社製)を用いて測定し、この測定結果から平均粒径を求めた。
(2)屈折率
上記のナノジルコニア水分散液中の正方晶ジルコニア微粒子の濃度を10重量%と、40重量%ないし20重量%に調整した試料を作製し、各試料の屈折率をアッベ屈折計(アタゴ社製)を用いてそれぞれ測定し、これらの測定値の差から粒子の屈折率を算出した。
次いで、このナノジルコニア水分散液250重量部、光重合性モノマーとしてO−391(モノマーの含有率:25重量%、中京油脂社製)400重量部、光ラジカル重合開始剤としてチタノセン化合物であるIRG−784(チバガイギー社製)5重量部を混合溶解し、実施例1のホログラム記録材料を作製した。
次いで、このホログラム記録材料をバーコート法を用いてガラス基板上に塗布し、減圧下にて十分乾燥させ、実施例1の塗膜とした。
次いで、この塗膜の光透過率及び膜厚を測定し、回折効率の評価を行った。測定方法及び評価方法は下記のとおりである。
(3)光透過率
分光光度計(日本分光社製)を用い、波長350nm〜800nmの範囲の可視光線透過率を、空気を100%とした場合について測定した。
(4)膜厚
段差、表面粗さ測定器(KLA-TENCOL社製)を用いて測定した。
(5)回折効率
屈折率が1.8以上かつ光透過率が90%以上の場合を「○」とし、屈折率及び光透過率のうち少なくとも一方が上記の数値範囲を満たさなかった場合を「△」とした。
これらの結果を表1に示す。
「実施例2」
ジルコニア微粒子として、正方晶ジルコニア微粒子を40重量%含むナノジルコニア水分散液 NZD−8007(住友大阪セメント製)を用い、このナノジルコニア水分散液500重量部にシランカップリング剤 KBM−3103(信越化学社製)200重量部を加えて正方晶ジルコニア微粒子の表面を修飾し、次いで、トルエン置換を行い、正方晶ジルコニア微粒子を20重量%含むトルエン分散液を得た。このトルエン分散液を150℃、750℃のそれぞれの温度にて乾枯し、その重量減少分から正方晶ジルコニア微粒子の表面の修飾部分の重量比を求めた。その結果、修飾部分の重量比は30重量%であった。
このトルエン分散液中の正方晶ジルコニア微粒子の平均粒径及び屈折率を実施例1に準じて測定した。これらの結果を表1に示す。
次いで、このトルエン分散液250重量部、光重合性モノマーとしてDPHA(日本化薬社製)50重量部、光ラジカル重合開始剤としてチタノセン化合物であるIRG−784(チバガイギー社製)2.5重量部を混合溶解し、実施例2のホログラム記録材料を作製した。
次いで、このホログラム記録材料をバーコート法を用いてガラス基板上に塗布し、減圧下にて十分乾燥させ、実施例2の塗膜とした。
次いで、この塗膜の光透過率及び膜厚を実施例1に準じて測定し、回折効率の評価を実施例1に準じて行った。これらの結果を表1に示す。
「比較例1」
ジルコニア微粒子として、単斜晶ジルコニア微粒子を40重量%含むジルコニアトルエン分散液 ZRT−406(住友大阪セメント製)を用い、このトルエン分散液中の単斜晶ジルコニア微粒子の平均粒径及び屈折率を実施例1に準じて測定した。これらの結果を表1に示す。
次いで、このトルエン分散液を用い、実施例2と同様にして比較例1の塗膜を作製し、実施例1に準じて、この塗膜の光透過率及び膜厚を測定し、回折効率の評価を行った。これらの結果を表1に示す。
「比較例2」
ジルコニア微粒子の替わりに、コロイダルシリカ ST−O(含有率:20重量%、日産化学社製)を用い、このコロイダルシリカの平均粒径及び屈折率を実施例1に準じて測定した。これらの結果を表1に示す。
次いで、このコロイダルシリカを用い、実施例1と同様にして比較例2の塗膜を作製し、実施例1に準じて、この塗膜の光透過率及び膜厚を測定し、回折効率の評価を行った。これらの結果を表1に示す。
Figure 2009003164
これらの評価結果によれば、実施例1、2は、比較例1、2と比べて、光透過率が高く、回折効率も優れたものであった。
本発明のホログラム記録材料は、平均分散粒径が1nm以上かつ20nm以下の正方晶ジルコニア微粒子を含有したことにより、高屈折率を維持しつつ回折効率を向上させることができたものであるから、このホログラム記録材料を用いて記録層を形成したホログラム記録媒体はもちろんのこと、このホログラム記録媒体を適用した様々な工業分野においても、その効果は大である。

Claims (8)

  1. 平均分散粒径が1nm以上かつ20nm以下の正方晶ジルコニア微粒子を含有してなることを特徴とするホログラム記録材料。
  2. 前記正方晶ジルコニア微粒子の表面は、表面修飾剤により修飾されていることを特徴とする請求項1記載のホログラム記録材料。
  3. 前記表面修飾剤は、アルコキシシラン化合物、シロキサン化合物、界面活性剤、チタンカップリング剤の群から選択された1種または2種以上であることを特徴とする請求項2記載のホログラム記録材料。
  4. 前記アルコキシシラン化合物は、シランカップリング剤であることを特徴とする請求項3記載のホログラム記録材料。
  5. 前記シロキサン化合物は、変性シリコーンであることを特徴とする請求項3記載のホログラム記録材料。
  6. 前記表面の修飾部分の重量比は、前記正方晶ジルコニア微粒子の5重量%以上かつ200重量%以下であることを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1項記載のホログラム記録材料。
  7. 基材上に設けられた記録層を、請求項1ないし6のいずれか1項記載のホログラム記録材料により形成してなることを特徴とするホログラム記録媒体。
  8. 前記記録層における前記正方晶ジルコニア微粒子の含有率は1重量%以上かつ80重量%以下であることを特徴とする請求項7記載のホログラム記録媒体。
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