JP2012254731A - サイドカーテンエアバッグ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガスの流入によって膨張する複数のセル15が内部に区画され、内装材を押し開けながら車室内側に展開するエアバッグ袋体11と、該エアバッグ袋体の上側周縁部に沿って複数設けられ、車体側被固定部6に対して各別に取付けられたエアバッグ固定部12と、を備え、車両前方側に位置するエアバッグ固定部12Aが、取付け前状態で、該エアバッグ固定部に対応する車体側被固定部6Aの位置よりも上方に位置し、且つ他のエアバッグ固定部に対して車両の高さ方向に略一致する位置に設けられ、車両前方側に位置するセル15Aが、上記エアバッグ固定部12Aの近傍まで膨出するように形成されているサイドカーテンエアバッグ10を提供する。
【選択図】図2
Description
そして、衝撃入力時にはインフレータから高圧ガスが吹き出すことでエアバッグ袋体が膨張し、この膨張圧によりガーニッシュを車室内側に押し開きながら移動させることができる。これにより、車体ピラーとガーニッシュとの間に形成された隙間を通して、エアバッグ袋体が車室内に例えばサイドウインドウの全面をカバーするようにカーテン状に展開される。
図12に示すサイドカーテンエアバッグ100は、車両の前後方向に延在して前後のサイドウインドウを覆うエアバッグ袋体110と、このエアバッグ袋体110を車体に取付けるための複数の固定タブ120と、を備えている。
また、エアバッグ袋体110の上側周縁部は、車体ピラー及びルーフサイドレールにより形成される車両開口部150の形状に合った外形形状とされている。そして、車両開口部150の形状に沿ったこのエアバッグ袋体110の上側周縁部に、上記複数の固定タブ120が設けられている。この際、これら複数の固定タブ120は、車両開口部150に沿って配設されたエアバッグ被固定部151に対応する位置に設けられている。そのため、車両前方に位置する前方側固定タブ120(120A)は、その他の固定タブ120よりも下方に位置している。
しかしながら、前方側固定タブ220(220A)を他の固定タブ220と同じ高さに位置させているために、図13に示すように、前方側固定タブ220(220A)と前方側セル201(201A)との間に間隔Hが開き易い。そのため、エアバッグ袋体210を展開させた際、車両開口部150のエアバッグ被固定部151から前方側セル201(201A)が離れてしまい、該前方側セル201(201A)が安定せずに動き易くなってしまう。従って、乗員保護性能が低下し易かった。
しかしながらこの場合には、走行中に上記付勢手段が各種原因(例えば取付け誤差や遊び等)によって振動してしまい、それによって異音等が発生する可能性があった。また、コスト増や重量増に繋がり易かった。
(1)本発明に係るサイドカーテンエアバッグは、車体の側方開口部に沿って車体骨格部材に複数設けられた車体側被固定部を利用して車室内側に固定され、該車体骨格部材と内装材との間に収納されたサイドカーテンエアバッグであって、ガスの流入によって膨張する複数のセルが内部に区画され、前記内装材を押し開けながら車室内側に展開するエアバッグ袋体と、該エアバッグ袋体の上側周縁部に沿って複数設けられ、複数の前記車体側被固定部に対して各別に取付けられたエアバッグ固定部と、を備え、複数の前記エアバッグ固定部のうち車両前方側に位置するエアバッグ固定部が、取付け前状態で、該エアバッグ固定部に対応する前記車体側被固定部の位置よりも上方に位置し、且つ他のエアバッグ固定部に対して車両の高さ方向に略一致する位置に設けられ、前記複数のセルのうち車両前方側に位置するセルが、車両前方側に位置する前記エアバッグ固定部の近傍まで膨出するように形成されていることを特徴とする。
特に、エアバッグ袋体におけるセルのうち、車両前方側に位置するセルは、車両前方側に位置するエアバッグ固定部の近傍まで膨出するようにその膨出範囲が設定されているので、膨出後の該セルの位置を安定化させ易い。そのため、乗員に対する保護性能を向上することができる。
従って、車両前方側に位置するセルを、内装材と車体骨格部材との隙間が小さいときに車室内側に引き出すことができ、内装材に過度の応力が作用することを防止でき、内装材の損傷を防止し易い。そのうえで、引き出された後の完全な展開によって、内装材を車体骨格部材側に押し付けることができ、内装材自身の本来の衝撃吸収性能を確保することができる。
なお、本実施形態では、5人乗り用のセダンタイプの車両を例に挙げて説明するが、このタイプの車両に限定されるものではない。また、本実施形態では、図1に示した車両の向きに基づいて前後方向、左右方向及び上下方向をそれぞれ定義する。
図1に示すように、本実施形態のサイドカーテンエアバッグ10は、フロントピラー2、ルーフサイドレール3及びリヤピラー4の各車体骨格部材に設けられた後述する車体側被固定部6を利用して、車体1の側方開口部に沿って車室内側に固定されており、上記各ピラーと後述するガーニッシュ20との間に収納されている。
具体的にサイドカーテンエアバッグ10は、図2に示すように、上記ガスの流入によって膨張するセル15が内部に区画され、ガーニッシュ20を押し開けながら車室内側に展開するエアバッグ袋体11と、該エアバッグ袋体11の上側周縁部に沿って複数設けられ、複数の車体側被固定部6に対して各別に取り付けられた複数のエアバッグ固定部12と、を備えている。
なお、図2は、車体1に取り付けてられていない状態での、サイドカーテンエアバッグ10の展開後の平面図である。
エアバッグ袋体11の上側周縁部における前後方向の略中間部分には、インフレータ5からのガスを内部に流入させるための流入口16が接続されている。そして、エアバッグ袋体11の外周縁には、全周に亘って縫製がなされており、これにより流入したガスを確実に内部に閉じ込めている。
車体側被固定部6としては、フロントピラー2、ルーフサイドレール3及びリヤピラー4に沿ってそれぞれ設けられた例えばねじ取付部である。特に、車両前方側に位置するフロントピラー2に設けられた2箇所の車体側被固定部6(6A、6B)は、他の車体側被固定部6よりも下方に位置している。
また、エアバッグ袋体11の前側周縁部には、取り付け前状態で上記した複数のエアバッグ固定部12よりも下方に位置する部分に前方テザー(係留体)18が設けられている。この前方テザー18は、エアバッグ袋体11を補助的に固定するものであって、前方に向けて突設された紐状又は帯状とされ、エアバッグ袋体11を上方に引き上げながらフロントピラー2に設けられた車体側被固定部6(6B)に係留される部材とされている。なお、この前方テザー18についても、図示しない固定ねじを利用して固定がなされる。
また、上記したように前方テザー18は、エアバッグ袋体11を上方に引き上げた状態で車体側被固定部6(6B)に対して取り付けられている。
なお、ここではフロントピラー2周辺における取り付け状態を例に挙げて説明するが、ルーフサイドレール3及びリヤピラー4の周辺であっても同様である。
そしてエアバッグ袋体11は、この隙間から車室内側の下方に向けて展開するように構成されている。
ピン本体部33は、断面四角筒状に形成された環状の周壁部35と、該周壁部35の基端側の開口を塞ぐ基端壁部36と、を有し、先端側に開口した中空部材とされている。周壁部35の先端側には、ピラーインナパネル26の挿入孔26a内に挿入される挿入部40が形成されている。この挿入部40は、先端側に向かうにしたがって漸次縮径した断面テーパ状に形成されている。これにより、抵抗少なくピン部材31を挿入孔26a内に挿入することが可能とされている。
なお、ストローク部34の長さは、エアバッグ袋体11の展開中におけるガーニッシュ20の移動量に応じて適宜設定すれば良い。
なお、上記凹部50a内には、上述したようにピン本体部33の係合突起が係合される係合孔部が形成されている。
次に、上記のように構成されたサイドカーテンエアバッグ10の作用について説明する。
走行中に例えば側面衝突やロールオーバー等により、車両に対して衝撃が入力され、所定以上の加速度が検出されると、インフレータ5からガスが吹き出される。すると、このガスは、図3の矢印に示すように、流入口16を介してエアバッグ袋体11の内部に流入される。これにより、各セル15を膨張させることができ、図7に示すように、ガーニッシュ20の下端壁20aを車室内側に押し開けながらエアバッグ袋体11を車室内側に展開させることができる。それにより、図8に示すように、エアバッグ袋体11をカーテン状に展開させて車体1の側方開口部を覆うことができ、乗員を保護することができる。
これにより、ベース部材32の車室内側への移動を規制することができ、それによりガーニッシュ20自体の車室内側への移動を規制することができる。従って、エアバッグ袋体11の展開後、ガーニッシュ20がピラーインナパネル26から外れて車室内側に飛散することを防止している。
従って、エアバッグ袋体11の展開後におけるガーニッシュ20自身の車室内側への移動を抑制することができ、エアバッグ袋体11の展開後であっても、ガーニッシュ20自身の本来の衝撃吸収性能を確保することができる。
更に、エアバッグ袋体11の展開時、車両前方側に位置するセル15(15A)については、平面視略三角形状に形成されて車両前方側に位置するエアバッグ固定部12(12A)に近接する位置まで膨出した状態とされている。従って、この点においても、エアバッグ袋体11の展開後、ガーニッシュ20をより効果的にフロントピラー2側に押圧できる。
これらのことから、エアバッグ袋体11の展開後におけるガーニッシュ20自身の車室内側への移動を効果的に抑制することができ、ガーニッシュ20自身の本来の衝撃吸収性能を確保し易い。
従って、車両前方側に位置するセル15(15A)を、ガーニッシュ20とフロントピラー2との隙間が小さいときに車室内側に引き出すことができ、ガーニッシュ20に過度の応力が作用することを防止でき、ガーニッシュ20の損傷を防止し易い。そのうえで、引き出された後の完全な展開によって、ガーニッシュ20をフロントピラー2側に押し付けることができ、上記したガーニッシュ20自身の本来の衝撃吸収性能を確保することができる。
2…フロントピラー(車体骨格部材)
3…ルーフサイドレール(車体骨格部材)
4…リヤピラー(車体骨格部材)
6…車体側被固定部
10…サイドカーテンエアバッグ
20…ガーニッシュ(内装材)
11…エアバッグ袋体
15…セル
18…前方テザー(エアバッグ固定部)
Claims (4)
- 車体の側方開口部に沿って車体骨格部材に複数設けられた車体側被固定部を利用して車室内側に固定され、該車体骨格部材と内装材との間に収納されたサイドカーテンエアバッグであって、
ガスの流入によって膨張する複数のセルが内部に区画され、前記内装材を押し開けながら車室内側に展開するエアバッグ袋体と、
該エアバッグ袋体の上側周縁部に沿って複数設けられ、複数の前記車体側被固定部に対して各別に取付けられたエアバッグ固定部と、を備え、
複数の前記エアバッグ固定部のうち車両前方側に位置するエアバッグ固定部は、取付け前状態で、該エアバッグ固定部に対応する前記車体側被固定部の位置よりも上方に位置し、且つ他のエアバッグ固定部に対して車両の高さ方向に略一致する位置に設けられ、
前記複数のセルのうち車両前方側に位置するセルは、車両前方側に位置する前記エアバッグ固定部の近傍まで膨出するように形成されていることを特徴とするサイドカーテンエアバッグ。 - 請求項1に記載のサイドカーテンエアバッグにおいて、
前記エアバッグ袋体の前側周縁部には、該エアバッグ袋体の取付け前状態で、複数の前記エアバッグ固定部よりも下方に位置する部分に係留体が設けられ、
前記係留体は、前記エアバッグ袋体の取付け時、該エアバッグ袋体を上方に引き上げながら前記車体骨格部材に対して係留されることを特徴とするサイドカーテンエアバッグ。 - 請求項1又は2に記載のサイドカーテンエアバッグにおいて、
前記複数のセルのうち車両前方側に位置するセルは、少なくとも該セルの車両後方側に隣接するセルよりも遅れて展開されることを特徴とするサイドカーテンエアバッグ。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載のサイドカーテンエアバッグにおいて、
車両前方側に位置する前記セルは、車両前方側に位置する前記エアバッグ固定部に接近するにつれて内部容積が増加するように形成されていることを特徴とするサイドカーテンエアバッグ。
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