JP2012253316A - 荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法 - Google Patents

荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法 Download PDF

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Abstract

【目的】パターン分割領域まで分割領域を設定しない場合でも、誤ったサイズでショット分割されず、かつ微小図形の発生を抑制する描画装置を提供する。
【構成】描画装置100は、チップデータ内の各図形パターンデータを入力し、図形パターン毎に、ショット図形に分割された際の、分割後の各ショット図形のサイズおよび図形パターン内での配列位置が識別可能なショット分割イメージ情報を生成するショット分割処理部12と、メッシュ領域毎に、当該メッシュ領域内に配置される分割後の各ショット図形を割り当てる割当処理部14と、メッシュ領域毎に、割り当てられたショット図形数から当該メッシュ領域内を描画する際のショット数を演算するショット数演算部16と、各メッシュ領域のショット数に基づいて、当該チップを描画するための描画時間を予測する描画時間予測部24と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法に係り、例えば、描画時間を予測するためのショット数や照射量の補正計算に用いる面積密度を見積もる描画装置および方法に関する。
半導体デバイスの微細化の進展を担うリソグラフィ技術は半導体製造プロセスのなかでも唯一パターンを生成する極めて重要なプロセスである。近年、LSIの高集積化に伴い、半導体デバイスに要求される回路線幅は年々微細化されてきている。これらの半導体デバイスへ所望の回路パターンを形成するためには、高精度の原画パターン(レチクル或いはマスクともいう。)が必要となる。ここで、電子線(電子ビーム)描画技術は本質的に優れた解像性を有しており、高精度の原画パターンの生産に用いられる。
図10は、可変成形型電子線描画装置の動作を説明するための概念図である。
可変成形型電子線(EB:Electron beam)描画装置は、以下のように動作する。第1のアパーチャ410には、電子線330を成形するための矩形の開口411が形成されている。また、第2のアパーチャ420には、第1のアパーチャ410の開口411を通過した電子線330を所望の矩形形状に成形するための可変成形開口421が形成されている。荷電粒子ソース430から照射され、第1のアパーチャ410の開口411を通過した電子線330は、偏向器により偏向され、第2のアパーチャ420の可変成形開口421の一部を通過して、所定の一方向(例えば、X方向とする)に連続的に移動するステージ上に搭載された試料340に照射される。すなわち、第1のアパーチャ410の開口411と第2のアパーチャ420の可変成形開口421との両方を通過できる矩形形状が、X方向に連続的に移動するステージ上に搭載された試料340の描画領域に描画される。第1のアパーチャ410の開口411と第2のアパーチャ420の可変成形開口421との両方を通過させ、任意形状を作成する方式を可変成形方式(VSB方式)という。
描画装置では、チップパターンを描画する際の描画時間を予測し、ユーザに提供している(例えば、特許文献1参照)。そのために、かかるチップパターンを描画するためのショット数を見積もる必要がある。従来、チップ領域を複数のメッシュ領域に分割していた。また、チップを構成する各セルについてセル領域をメッシュ領域に分割していた。さらに、セル内の各図形パターンについてもメッシュ領域に分割していた。
図11は、領域分割の仕方の一例を示す概念図である。図11(a)において、チップ500は、メッシュ状の複数のチップ分割領域501aに分割される。チップ分割領域501aに分割する際には、チップが1つの場合に当該チップ領域を、複数のチップをマージした場合には、マージされたチップの外接矩形領域となる仮想チップ領域をチップ分割領域501aに分割する。ここでは、内容理解を容易にするため、仮想チップ内の1つのチップのみ図示している。また、チップ内のセル502については、セル502領域をメッシュ状の複数のセル分割領域503aに分割する。さらに、図形パターン510については、図形パターン510の外接矩形領域504をメッシュ状の複数のパターン分割領域505aに分割する。その際、一般に、セル分割領域503aは、パターン分割領域505aよりも大きなサイズで分割され、チップ分割領域501aは、セル分割領域503aよりも大きなサイズで分割される。電子ビーム描画では、1回のビームのショットで形成できるビームのサイズに限りがあるため、複数回のショットを行うことにより、成形ビームをつなぎ合わせて所望の図形パターンを形成する。パターン分割領域505aは、かかるショット可能な最大ショットサイズの整数倍のサイズで構成される。そして、まず、パターン分割領域505a毎のショット数を見積り、次に、セル分割領域503a毎のショット数を見積り、そして、チップ分割領域501a毎のショット数を見積るといった具合に順に領域サイズを大きくしながらチップ全体のショット数を見積もっていた。また、各領域内のパターンの面積密度も同様に見積もっていた。
ここで、昨今のパターンの微細化・高密度化に伴い、各メッシュ領域での計算結果を高精度化するために、各階層の領域の分割サイズを小さくする必要がある。図11(b)に示すように、チップ500は、チップ分割領域501aよりも小さいサイズのメッシュ状の複数のチップ分割領域501bに分割される。また、チップ内のセル502については、セル502領域がセル分割領域503aよりもサイズが小さいメッシュ状の複数のセル分割領域503bに分割される。さらに、図形パターン510については、図形パターン510の外接矩形領域504がパターン分割領域505aよりもサイズが小さいメッシュ状の複数のパターン分割領域505bに分割される。そのため、図11の例では、例えば、チップ分割領域501の個数が16個から36個へ、セル分割領域503の個数が9個から25個へ、パターン分割領域505の個数が9個から25個へと増加してしまう。このように分割サイズが小さくなると領域数が増加し計算回数が増加してしまうので全体としてのショット数計算や面積密度計算を行なう際の処理時間が増加してしまう。ひいては描画時間が増加してしまうといった問題があった。
図12は、ショット数とパターン密度の見積り方法の一例を示す概念図である。従来、最大ショットサイズの整数倍のサイズでメッシュ分割されたパターン分割領域505毎に、領域内の図形を割り振る。そして、パターン分割領域505内の図形の図形コードと図形サイズをショット数算出機能に送信し、ショット数算出機能にて、パターン分割領域505毎にさらにショットサイズの図形に分割し、パターン分割領域505内のショット数を算出するといった処理が行われていた。そして、各パターン分割領域505内のショット数の情報が得られるとパターン分割領域505がセル分割領域503に割当られ、各パターン分割領域505内のショット数とパターン密度が集計される。そして、セル分割領域503がチップ分割領域501に割当られ、各チップ分割領域501内のショット数とパターン密度が集計される。
特開2009−088213号公報
ここで、上述したように、昨今のパターンの微細化・高密度化に伴い、各階層の領域の分割サイズを小さくすると計算処置時間が増加してしまうといった問題があった。そこで、パターン分割領域504に分割せずにセル分割領域503の段階でセル分割領域503毎に、領域内の図形を割り振る。そして、セル分割領域503内の図形の図形コードと図形サイズをショット数算出機能に送信し、ショット数算出機能にてさらにビーム成形可能なショットサイズの図形に分割することでパターン分割領域504での演算処理を省くことが検討されている。これにより、全体での処理時間の短縮を図ろうとするものである。しかしながら、パターン分割領域504に分割しない場合には、次のような問題が発生する。
図13は、パターン分割領域に分割する場合としない場合での問題点を説明するための概念図である。図13(a)には、セル領域がメッシュ状に分割された複数のセル分割領域503と図形パターン510の外接矩形領域504がメッシュ状に分割された複数のパターン分割領域505とを示している。そして、ショット数算出機能へ領域内の図形の図形コードやサイズを出力する際、図形のサイズは各領域の分割サイズで出力されていた。パターン分割領域に分割する場合には、図13(b)に示すように、図形パターン510の端部から最大ショットサイズの整数倍、例えば、3μmのサイズでメッシュ分割してパターン分割領域504を生成していた。そのため、各パターン分割領域504には、パターン分割領域504と同じサイズの図形512が配置されていることになる。よって、ショット数算出機能へパターン分割領域504のサイズを出力しても、図形512のサイズと一致することになる。一方、パターン分割領域に分割しない場合には、図13(c)に示すように、図形パターンの端部ではなくセルの端部から最大ショットサイズよりも十分大きい、例えば、5μmのサイズでメッシュ分割してセル分割領域503を生成していた。そのため、セル分割領域503には、セル分割領域503のサイズよりも小さなサイズの図形522が割り振られることになる。よって、ショット数算出機能へセル分割領域503のサイズを図形512のサイズとして出力してしまうと、実際の図形のサイズとは異なってしまう。その結果、ショット数算出機能で割り振られた図形をさらにショットサイズの図形に分割する際に、誤ったサイズを元に図形を分割してしまうといった問題が生じることになる。さらに、セル分割領域503に図形を割り振ると、図13(c)に示すように、例えば、5角形の図形520が発生してしまう場合がある。一般に、可変成形方式の電子ビーム描画装置では、正方形や長方形といった矩形、直角二等辺三角形、或いは、45度の整数倍の角度で構成される台形といった限られた図形しか成形できないように構成されている場合が多い。そのため、例えば5角形の図形520等が発生してしまうと、ショット数算出機能でショット分割する際に、これら限られた種類の図形に分割するため、最大ショットサイズの図形に比べて十分小さいサイズの微小図形に分割されてしまうことになる。その結果、正しいショット数の演算が困難になってしまうといった問題が生じることになる。よって、ショット数算出機能へ図形情報を送信する際には、できるだけかかる微小図形になりやすい図形形状を避けることが望ましい。
そこで、本発明は、上述した問題点を克服し、パターン分割領域まで分割領域を設定しない場合でも、誤ったサイズでショット分割されず、かつ微小図形の発生を抑制する描画装置および方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様の荷電粒子ビーム描画装置は、
複数の図形パターンを有するチップの各図形パターンの形状、配置座標、およびサイズを示す各図形パターンデータが定義されたチップデータを記憶する記憶部と、
チップデータ内の各図形パターンデータを入力し、図形パターン毎に、荷電粒子ビームによる1回のショットで照射可能なサイズで図形パターンが複数のショット図形に分割された際の、分割後の各ショット図形のサイズおよび図形パターン内での配列位置が識別可能なショット分割イメージ情報を生成するショット分割イメージ情報生成部と、
図形パターン毎のショット分割イメージ情報と図形パターンの配置座標の情報とを用いて、チップデータが示すチップ領域内において図形パターンの端部とは異なる基準位置から所定のサイズでメッシュ状の複数のメッシュ領域に仮想分割されたメッシュ領域毎に、当該メッシュ領域内に配置される分割後の各ショット図形を割り当てる割当処理部と、
メッシュ領域毎に、割り当てられたショット図形数から当該メッシュ領域内を描画する際の荷電粒子ビームのショット数を演算するショット数演算部と、
各メッシュ領域のショット数に基づいて、当該チップを描画するための描画時間を予測する描画時間予測部と、
荷電粒子ビームを用いて、当該チップ内のパターンを試料に描画する描画部と、
を備えたことを特徴とする。
また、ショット分割イメージ情報は、当該図形パターンの基準位置から第1の方向に向かって、第1の方向が当該図形パターンの端部まで到達したらその都度第1の方向と直交する第2の方向にずれた上で再度第1の方向に向かって、ショット図形の形状を示す図形コード、サイズ、及び連続して並ぶ同一のショット図形の個数を順に当該図形パターンが分割されたすべてのショット図形が網羅されるまで定義するように構成すると好適である。
或いは、ショット分割イメージ情報は、当該図形パターンの基準位置から第1の方向に向かって、分割元となる当該図形パターンの形状を示す図形コード、最大ショットサイズで分割された連続して並ぶショット図形の個数、および第1の方向に残った図形のサイズを順に定義すると好適である。
また、チップは、少なくとも1つの図形パターンから構成される複数のセルを有し、
複数のメッシュ領域として、各セルの領域の端部から所定のサイズでそれぞれメッシュ状に仮想分割された複数のセル分割領域が用いられ、
割当処理部は、セル分割領域毎に、当該セル分割領域内に配置される各ショット図形を割り当てるように構成すると好適である。
本発明の一態様の荷電粒子ビーム描画方法は、
複数の図形パターンを有するチップの各図形パターンの形状、配置座標、およびサイズを示す各図形パターンデータが定義されたチップデータを記憶する記憶装置からチップデータ内の各図形パターンデータを入力し、図形パターン毎に、荷電粒子ビームによる1回のショットで照射可能なサイズで図形パターンが複数のショット図形に分割された際の、分割後の各ショット図形のサイズおよび図形パターン内での配列位置が識別可能なショット分割イメージ情報を生成する工程と、
図形パターン毎の前記ショット分割イメージ情報と図形パターンの配置座標の情報とを用いて、チップデータが示すチップ領域内において図形パターンの端部とは異なる基準位置から所定のサイズでメッシュ状の複数のメッシュ領域に仮想分割されたメッシュ領域毎に、当該メッシュ領域内に配置される分割後の各ショット図形を割り当てる工程と、
メッシュ領域毎に、割り当てられたショット図形数から当該メッシュ領域内を描画する際の荷電粒子ビームのショット数を演算する工程と、
各メッシュ領域のショット数に基づいて、当該チップを描画するための描画時間を予測する工程と、
荷電粒子ビームを用いて、当該チップ内のパターンを試料に描画する工程と、
を備えたことを特徴とする。
また、ショット分割イメージ情報は、当該図形パターンの形状を示す図形コードおよび予め設定された順序で、第1の方向と第1の方向に直交する第2の方向とのうちの少なくとも一方の方向について最大ショットサイズで分割されたショット図形の個数を並べることにより定義されるように構成しても好適である。
そして、当該図形パターンが、底辺と45度の角度と135度の角度とで繋がる2つの斜辺を有する台形である場合に、ショット分割イメージ情報は、台形を示す図形コードと、x方向とy方向のうちの一方の方向について予め設定された順序で最大ショットサイズで分割されたショット図形の個数を並べることにより定義されるように構成すると好適である。
また、当該図形パターンが、底辺と45度の角度で繋がる1つの斜辺と底辺と90度の角度で繋がる1辺とを有する台形である場合に、ショット分割イメージ情報は、台形を示す図形コードと、x方向とy方向のうちの一方の方向について予め設定された順序で最大ショットサイズで分割されたショット図形の個数を並べることにより定義されるように構成すると好適である。
また、当該図形パターンが、45度の角度をもつ平行四辺形である場合に、ショット分割イメージ情報は、平行四辺形を示す図形コードと、x方向について最大ショットサイズで分割されたショット図形の個数と、y方向について最大ショットサイズで分割されたショット図形の個数と、を並べることにより定義されるように構成すると好適である。
本発明の一態様によれば、パターン分割領域まで分割領域を設定しない場合でも、誤ったサイズでショット分割されることを抑制できる。また、微小図形の発生を抑制できる。よって、正しいショット数を得ることができる。その結果、高精度な描画時間を予測できる。
実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。 実施の形態1におけるセル内の図形パターンとセル分割領域との一例を示す概念図である。 実施の形態1におけるショット分割イメージ情報の一例を示す概念図である。 実施の形態1におけるセル分割領域への割当処理を説明するための概念図である。 実施の形態2におけるショット分割イメージ情報の一例を示す概念図である。 実施の形態2におけるショット分割イメージ情報の他の一例を示す概念図である。 実施の形態3におけるショット分割される図形とその図形のショット分割イメージ情報の一例を示す概念図である。 実施の形態3におけるショット分割される図形とその図形のショット分割イメージ情報の他の一例を示す概念図である。 実施の形態3におけるショット分割される図形とその図形のショット分割イメージ情報の他の一例を示す概念図である。 可変成形型電子線描画装置の動作を説明するための概念図である。 領域分割の仕方の一例を示す概念図である。 ショット数とパターン密度の見積り方法の一例を示す概念図である。 パターン分割領域に分割する場合としない場合での問題点を説明するための概念図である。
以下、実施の形態では、荷電粒子ビームの一例として、電子ビームを用いた構成について説明する。但し、荷電粒子ビームは、電子ビームに限るものではなく、イオンビーム等の荷電粒子を用いたビームでも構わない。また、荷電粒子ビーム装置の一例として、可変成形型の描画装置について説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。図1において、描画装置100は、描画部150と制御部160を備えている。描画装置100は、荷電粒子ビーム描画装置の一例である。特に、可変成形型の描画装置の一例である。描画部150は、電子鏡筒102と描画室103を備えている。電子鏡筒102内には、電子銃201、照明レンズ202、第1のアパーチャ203、投影レンズ204、偏向器205、第2のアパーチャ206、対物レンズ207、主偏向器208及び副偏向器209が配置されている。描画室103内には、XYステージ105が配置される。XYステージ105上には、描画時には描画対象となるマスク等の試料101が配置される。試料101には、半導体装置を製造する際の露光用マスクが含まれる。また、試料101には、レジストが塗布された、まだ何も描画されていないマスクブランクスが含まれる。
制御部160は、制御計算機110,120、メモリ112、制御回路130、及び磁気ディスク装置等の記憶装置140,142,144,146を有している。制御計算機110,120、メモリ112、制御回路130、及び記憶装置140,142,144,146は、図示しないバスを介して互いに接続されている。
制御計算機110内には、図形パターン読出部10、ショット分割処理部12、割当処理部14、セル分割単位ショット数演算部16、チップ分割単位ショット数演算部18、フレーム単位ショット数演算部20、チップ単位ショット数演算部22、描画時間予測部24、セル分割単位パターン密度演算部30、チップ分割単位パターン密度演算部32、フレーム単位パターン密度演算部34、及びチップ単位パターン密度演算部36が配置される。図形パターン読出部10、ショット分割処理部12、割当処理部14、セル分割単位ショット数演算部16、チップ分割単位ショット数演算部18、フレーム単位ショット数演算部20、チップ単位ショット数演算部22、描画時間予測部24、セル分割単位パターン密度演算部30、チップ分割単位パターン密度演算部32、フレーム単位パターン密度演算部34、及びチップ単位パターン密度演算部36といった機能は、電気回路等のハードウェアで構成されてもよいし、これらの機能を実行するプログラム等のソフトウェアで構成されてもよい。或いは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせにより構成されてもよい。図形パターン読出部10、ショット分割処理部12、割当処理部14、セル分割単位ショット数演算部16、チップ分割単位ショット数演算部18、フレーム単位ショット数演算部20、チップ単位ショット数演算部22、描画時間予測部24、セル分割単位パターン密度演算部30、チップ分割単位パターン密度演算部32、フレーム単位パターン密度演算部34、及びチップ単位パターン密度演算部36に入出力される情報および演算中の情報はメモリ112にその都度格納される。
制御計算機120内には、ショットデータ生成部40、照射量演算部42、及び描画処理部44が配置される。ショットデータ生成部40、照射量演算部42、及び描画処理部44といった機能は、電気回路等のハードウェアで構成されてもよいし、これらの機能を実行するプログラム等のソフトウェアで構成されてもよい。或いは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせにより構成されてもよい。ショットデータ生成部40、照射量演算部42、及び描画処理部44に入出力される情報および演算中の情報は図示しないメモリにその都度格納される。
ここで、図1では、実施の形態1を説明する上で必要な構成を記載している。描画装置100にとって、通常、必要なその他の構成を備えていても構わない。例えば、位置偏向用には、主偏向器208と副偏向器209の主副2段の多段偏向器を用いているが、1段の偏向器或いは3段以上の多段偏向器によって位置偏向を行なう場合であってもよい。
記憶装置140(記憶部)には、少なくとも1つの図形パターンから構成される複数のセルを有するチップのチップデータが外部より入力され、格納されている。チップデータには、各図形パターンの形状、配置座標、およびサイズを示す各図形パターンデータが定義される。言い換えれば、チップデータには、複数の図形パターンを有するチップの各図形パターンの形状、配置座標、およびサイズを示す各図形パターンデータが定義される。
描画装置100で図形パターンを描画するためには、1回のビームのショットで照射できるサイズにチップデータに定義された各図形パターンを分割する必要がある。そこで、まず、制御計算機110にて、かかるチップを描画する場合のショット数を演算により見積もる。そして、演算されたショット数を用いてかかるチップを描画する際にかかる描画時間を予測する。一方、制御計算機110にて、複数のサイズの領域におけるパターン密度ρをそれぞれ演算により求めておく。かかるパターン密度ρは、描画を行う際の照射量の補正に使用されると好適である。
まず、図形パターンデータ読み出し工程として、図形パターン読出部10は、チップデータ内の各セル内の各図形パターンデータを読み出す。そして、読み出された各図形パターンデータは、ショット分割処理部12に出力される。
ショット分割イメージ情報生成工程として、ショット分割処理部12は、各図形パターンがショット分割された後の各ショット図形を想定する。具体的には、ショット分割処理部12は、チップデータ内の各図形パターンデータを入力し、図形パターン毎に、電子ビーム200による1回のショットで照射可能なサイズで図形パターンが複数のショット図形に分割する。そして、ショット分割処理部12は、分割された際の、分割後の各ショット図形のサイズおよび図形パターン内での配列位置が識別可能なショット分割イメージ情報を生成する。ショット分割処理部12は、ショット分割イメージ情報生成部の一例である。
図2は、実施の形態1におけるセル内の図形パターンとセル分割領域との一例を示す概念図である。図2では、あるセル内に1つの図形パターン60が配置されている場合を示している。図2の例では、図形パターン60のサイズが、x方向,y方向共に8μmである場合を示している。また、セル領域は、セルの端部からx方向,y方向共に例えば5μmの分割幅でメッシュ状の複数のセル分割領域50に仮想分割されている。このように、セル分割領域50(メッシュ領域の一例)は、チップデータが示すチップ領域内において図形パターンの端部とは異なる基準位置から所定のサイズでメッシュ状の複数のメッシュ領域に仮想分割される。
ここで、上述したように、かかるセル分割領域50にそのまま図形パターン60の一部を割り振って、セル分割領域50単位でショット分割処理部12にセル分割領域50内の図形の図形データを出力したのでは、割り振られた図形のサイズが誤ったサイズになってしまう場合がある。これは、図形パターン60の端部と無関係にセル分割領域50が生成されることから生じる。また、割り振られた図形の形状が5角形のようなショット図形に分割された際に微小図形を発生させ易い形状になってしまう場合がある。これは図形パターン60をショット分割する際のサイズと無関係なメッシュサイズでセル分割領域50が生成されることから生じる。そこで、実施の形態1では、セル分割領域50単位でその領域内の図形データをショット分割処理部12に出力するのではなく、あくまで図形パターン単位でショット分割処理部12に出力するように構成する。図2の例では、図形パターン読出部10は、例えば、図形パターン50の図形データとして、図形コード(0x33)及び図形サイズ8μmを出力する。
図3は、実施の形態1におけるショット分割イメージ情報の一例を示す概念図である。図3では、内容が理解し易いように、長方形(矩形)の図形パターンをショット図形に分割する場合を一例として示している。ショット図形に分割する際には、例えば、以下のようなルールに沿って分割していく。図3(b)に示すように、まず、図形パターンの基準位置、例えば、左下の頂点から、x,y方向にそれぞれ最大ショットサイズで分割していく。そして、x方向に残りのサイズが、最大ショットサイズよりも小さくなった時点で、その1つ前の最大ショットサイズの幅と加算した後に1/2ずつに平均化する。平均化後の2つのサイズは、必要な精度に応じて、同じサイズでもよいし、所定の桁数で割り切れなければ、例えば、所定の小数点以下の桁において誤差が生じてもよい。以下のショット分割において同様である。y方向についても同様に、最大ショットサイズよりも小さくなった時点で、その1つ前の最大ショットサイズの幅と加算した後に1/2ずつに平均化する。ここでも、平均化後の2つのサイズは、必要な精度に応じて、同じサイズでもよいし、所定の桁数で割り切れなければ、例えば、所定の小数点以下の桁において誤差が生じてもよい。以下のショット分割において同様である。よって、図3(b)の例では、まず、左下の位置からx方向に2列、y方向に3段の合計6個の最大ショットサイズの正方形に分割される。ここでは、最大ショットサイズとして、例えば、0.5μmとしている。そして、x方向について、合算された残りの幅については、残りのx方向サイズを平均化したサイズで分割している。図3(b)の例では、xサイズが0.3003μmの幅と、0.3002μmの幅で分割している。小数点以下、所定の桁まで割り切れない場合には最小桁で多少のずれが生じることになる。次に、y方向について、合算された残りの幅については、残りのy方向サイズを平均化したサイズで分割している。図3(b)の例では、xサイズが0.3002μmの幅と、0.3001μmの幅で分割している。小数点以下、所定の桁まで割り切れない場合には最小桁で多少のずれが生じることになる。よって、x方向に残りの3,4列目の図形について、y方向に1−3段目までのy方向サイズは最大ショットサイズになる。そして、y方向に4,5段目のy方向サイズは上述した残りのy方向の平均化されたサイズとなる。同様に、y方向に残りの5,6段目の図形について、x方向に1−2段目までのx方向サイズは最大ショットサイズになる。そして、x方向に3,4列目のx方向サイズは上述した残りのx方向の平均化されたサイズとなる。
以上のようにショット図形に分割されたショット図形群について、ショット分割イメージ情報を生成する。図3(a)にショット分割イメージ情報の一例が示されている。実施の形態1におけるショット分割イメージ情報では、以下のルールに従って生成される。ショット分割イメージ情報は、当該図形パターンの基準位置(左下の頂点位置)からx方向(第1の方向)に向かって、ショット図形の形状を示す図形コード、サイズ、及び連続して並ぶ同一のショット図形の個数を順に定義する。そして、x方向について当該図形パターンの端部まで到達したらその都度x方向と直交するy方向(第2の方向)にずれた上で再度x方向に向かって、ショット図形の形状を示す図形コード、サイズ、及び連続して並ぶ同一のショット図形の個数を定義する。そして、順に当該図形パターンが分割されたすべてのショット図形が網羅されるまで定義する。
図3(a)の例では、まず、ショット図形の図形コードとして、矩形を示す「0x11」が定義され、次に、x方向のサイズが定義される。ここでは、最大ショットサイズなので「0.5000」が定義される。次に、y方向のサイズが定義される。ここでは、最大ショットサイズなので「0.5000」が定義される。次に、x方向に並ぶ同一のショット図形の個数が定義される。ここでは、2個なので「2」が定義される。次に、y方向に並ぶ同一のショット図形の個数が定義される。ここでは、3個なので「3」が定義される。
続いて、x方向に残っている2列のうち、基準位置に近い最終列の1つ手前の列のショット図形の図形コードとして、矩形を示す「0x11」が定義され、次に、x方向のサイズが定義される。ここでは、0.3003μmなので「0.3003」が定義される。次に、y方向のサイズが定義される。ここでは、最大ショットサイズなので「0.5000」が定義される。次に、x方向に並ぶ同一のショット図形の個数が定義される。ここでは、1個なので「1」が定義される。次に、y方向に並ぶ同一のショット図形の個数が定義される。ここでは、3個なので「3」が定義される。
続いて、x方向に残っていた2列のうち、基準位置から遠い最終列のショット図形の図形コードとして、矩形を示す「0x11」が定義され、次に、x方向のサイズが定義される。ここでは、0.3002μmなので「0.3002」が定義される。次に、y方向のサイズが定義される。ここでは、最大ショットサイズなので「0.5000」が定義される。次に、x方向に並ぶ同一のショット図形の個数が定義される。ここでは、1個なので「1」が定義される。次に、y方向に並ぶ同一のショット図形の個数が定義される。ここでは、3個なので「3」が定義される。
続いて、y方向に残っている2段のうち、基準位置に近い最終段の1つ手前の段について、x方向1列目から同一のショット図形の図形コードとして、矩形を示す「0x11」が定義され、次に、x方向のサイズが定義される。ここでは、最大ショットサイズなので「0.5000」が定義される。次に、y方向のサイズが定義される。ここでは、0.3002μmなので「0.3002」が定義される。次に、x方向に並ぶ同一のショット図形の個数が定義される。ここでは、2個なので「2」が定義される。次に、y方向に並ぶ同一のショット図形の個数が定義される。ここでは、1個なので「1」が定義される。
続いて、y方向に残っている2段のうち、基準位置に近い最終段の1つ手前の段について、x方向に残っていた2列のうち、基準位置に近い最終列の1つ手前の列のショット図形について、図形コードとして、矩形を示す「0x11」が定義され、次に、x方向のサイズが定義される。ここでは、0.3003μmなので「0.3003」が定義される。次に、y方向のサイズが定義される。ここでは、0.3002μmなので「0.3002」が定義される。次に、x方向に並ぶ同一のショット図形の個数が定義される。ここでは、1個なので「1」が定義される。次に、y方向に並ぶ同一のショット図形の個数が定義される。ここでは、1個なので「1」が定義される。
続いて、y方向に残っている2段のうち、基準位置に近い最終段の1つ手前の段について、x方向に残っていた2列のうち、基準位置から遠い最終列のショット図形について、図形コードとして、矩形を示す「0x11」が定義され、次に、x方向のサイズが定義される。ここでは、0.3002μmなので「0.3002」が定義される。次に、y方向のサイズが定義される。ここでは、0.3002μmなので「0.3002」が定義される。次に、x方向に並ぶ同一のショット図形の個数が定義される。ここでは、1個なので「1」が定義される。次に、y方向に並ぶ同一のショット図形の個数が定義される。ここでは、1個なので「1」が定義される。
続いて、y方向に残っている2段のうち、基準位置から遠い最終段について、x方向1列目から同一のショット図形について、図形コードとして、矩形を示す「0x11」が定義され、次に、x方向のサイズが定義される。ここでは、最大ショットサイズなので「0.5000」が定義される。次に、y方向のサイズが定義される。ここでは、0.3001μmなので「0.3001」が定義される。次に、x方向に並ぶ同一のショット図形の個数が定義される。ここでは、1個なので「2」が定義される。次に、y方向に並ぶ同一のショット図形の個数が定義される。ここでは、1個なので「1」が定義される。
続いて、y方向に残っている2段のうち、基準位置から遠い最終段について、x方向に残っていた2列のうち、基準位置に近い最終列の1つ手前の列のショット図形について、図形コードとして、矩形を示す「0x11」が定義され、次に、x方向のサイズが定義される。ここでは、0.3003μmなので「0.3003」が定義される。次に、y方向のサイズが定義される。ここでは、0.3001μmなので「0.3001」が定義される。次に、x方向に並ぶ同一のショット図形の個数が定義される。ここでは、1個なので「1」が定義される。次に、y方向に並ぶ同一のショット図形の個数が定義される。ここでは、1個なので「1」が定義される。
続いて、y方向に残っている2段のうち、基準位置に近い最終段の1つ手前の段について、x方向に残っていた2列のうち、基準位置から遠い最終列のショット図形について、図形コードとして、矩形を示す「0x11」が定義され、次に、x方向のサイズが定義される。ここでは、0.3002μmなので「0.3002」が定義される。次に、y方向のサイズが定義される。ここでは、0.3001μmなので「0.3001」が定義される。次に、x方向に並ぶ同一のショット図形の個数が定義される。ここでは、1個なので「1」が定義される。次に、y方向に並ぶ同一のショット図形の個数が定義される。ここでは、1個なので「1」が定義される。
以上のようにして、ショット分割イメージ情報には、順に当該図形パターンが分割されたすべてのショット図形が網羅されるまで定義される。そして、一定のルールに従って順に定義していくことで、ショット分割イメージ情報では、分割された際の、分割後の各ショット図形のサイズおよび図形パターン内での配列位置が識別可能となる。生成されたショット分割イメージ情報は、記憶装置142に記憶されると共に、割当処理部14に出力される。或いは、割当処理部14が記憶装置142から読み出してもよい。
また、実施の形態1では、図形パターン毎にショット分割しているので、同じ図形パターンが繰り返し、配置される場合には、いずれか1つ、例えば、最初の1つの図形パターンについてショット分割イメージ情報を生成すれば、その他の同じ図形パターンについては生成されたショット分割イメージ情報を流用すればよい。その結果、ショット分割処理部12での処理内容を低減し、処理時間をさらに短縮できる。特に、アレイパターンについては有効である。
次に、割当処理工程として、割当処理部14は、図形パターン毎のショット分割イメージ情報と図形パターンの配置座標の情報とを用いて、セル分割領域毎に、当該セル分割領域内に配置される分割後の各ショット図形を割り当てる。図形パターンの配置座標は、当該図形パターンのパターンデータから参照できる。
図4は、実施の形態1におけるセル分割領域への割当処理を説明するための概念図である。図4では、例えば、図2で示した直角三角形の図形パターンをショット分割した際の各ショット図形を割り当てる場合を一例として示している。図4では、例えば、セル領域がx,y方向に3×3の9個のセル分割領域50に分割されている場合を示している。割当処理部14は、分割された各ショット図形62をショット図形の基準位置、例えば左下の頂点位置が重なるセル分割領域50に割り当てる。図4の例では、座標(1,1)のセル分割領域50にショット図形62d,eを割り当てる。座標(1,2)のセル分割領域50にショット図形62a,b,cを割り当てる。その他の座標のセル分割領域50についても同様にショット図形62がを割り当てられる。
以上のように実施の形態1では、図形パターンをメッシュ領域に分割せずに図形パターン自身のデータをショット分割処理部12に出力することで、従来のようにショット分割処理部12に相当する機能に出力されるメッシュ内図形の形状が5角形のような微小図形を発生させ易い図形になることを防止できる。また、従来のようにメッシュ領域の分割サイズでメッシュ内図形のサイズが定義されることを防止できる。よって、ショット分割処理部12でショット分割する際に、誤った図形サイズでショット図形に分割されることを防止できる。
セル分割単位ショット数演算工程として、セル分割単位ショット数演算部16は、セル分割領域50(メッシュ領域)毎に、割り当てられたショット図形数から当該セル分割領域50内を描画する際の電子ビーム200のショット数を演算する。
また、セル分割単位パターン密度演算工程として、セル分割単位パターン密度演算部30は、セル分割領域50(メッシュ領域)毎に、割り当てられたショット図形の面積を合計して、当該セル分割領域50のパターン密度ρ(面積密度)を演算する。ここで、セル分割領域をはみ出すショット図形については、はみ出した分の面積を切り離し、はみ出したセル分割領域に加算すると好適である。演算されたパターン密度ρは、記憶装置144に記憶される。
次に、チップ分割単位ショット数演算工程として、チップ分割単位ショット数演算部18は、チップ分割領域(メッシュ領域)毎に、チップ分割領域に割り当てられるセル分割領域50のショット数を合計して、当該チップ分割領域50内を描画する際の電子ビーム200のショット数を演算する。チップ分割領域は、図8等で説明したようにチップが1つの場合に当該チップ領域を、複数のチップをマージした場合には、マージされたチップの外接矩形領域となる仮想チップ領域をセル分割領域50の分割サイズよりも大きな分割サイズでメッシュ状に仮想分割される。また、セル分割領域50は、セル分割領域50の基準位置、例えば、左下の頂点が重なるチップ分割領域に割り当てられればよい。
また、チップ分割単位パターン密度演算工程として、チップ分割単位パターン密度演算部32は、チップ分割領域(メッシュ領域)毎に、チップ分割領域に割り当てられるセル分割領域50のパターン密度ρを合計して、当該チップ分割領域内のパターン密度ρを演算する。演算されたパターン密度ρは、記憶装置144に記憶される。
ここで、チップ領域は、例えば、y方向に所定の幅で短冊状の複数のフレーム領域に仮想分割される。描画装置100では、かかるフレーム領域毎、或いは、フレーム領域を複数のブロックに分割した処理領域毎にデータ処理が行われる。そのため、かかるフレーム単位でもショット数およびパターン密度を集計しておくことが望ましい。
そこで、フレーム単位ショット数演算工程として、フレーム単位ショット数演算部20は、フレーム領域毎に、フレーム領域に割り当てられるチップ分割領域のショット数を合計して、当該フレーム領域内を描画する際の電子ビーム200のショット数を演算する。また、チップ分割領域は、チップ分割領域の基準位置、例えば、左下の頂点が重なるフレーム領域に割り当てられればよい。
また、フレーム単位パターン密度演算工程として、フレーム単位パターン密度演算部34は、フレーム領域毎に、フレーム領域に割り当てられるチップ分割領域のパターン密度ρを合計して、当該フレーム領域内のパターン密度ρを演算する。演算されたパターン密度ρは、記憶装置144に記憶される。
次に、チップ単位ショット数演算工程として、チップ単位ショット数演算部22は、チップ領域毎に、チップ領域に割り当てられるフレーム領域のショット数を合計して、当該チップ領域内を描画する際の電子ビーム200のショット数を演算する。
また、チップ単位パターン密度演算工程として、チップ単位パターン密度演算部36は、チップ領域毎に、チップ領域に割り当てられるフレーム領域のパターン密度ρを合計して、当該チップ領域内のパターン密度ρを演算する。演算されたパターン密度ρは、記憶装置144に記憶される。
ここでは、1つのチップについて描画する場合を想定しているが、描画条件が同じ複数のチップが存在する場合には、それらをマージ処理して1つのチップとして構成し直しても好適である。その際には、マージ後のチップ単位で、ショット数およびパターン密度ρを演算すればよい。
以上のようにして、当該チップを描画する際の総ショット数を得ることができる。また、領域に階層を設け、より小さい階層の領域から順にショット数およびパターン密度ρを演算し、その結果を累積していくことで、より高精度なショット数およびパターン密度ρを見積もることができる。また、実施の形態1によれば、従来のように、パターン分割領域を設定しないため、パターン分割領域単位でのショット数およびパターン密度ρの演算を無くすことができ、全体としての処理時間を大幅に短縮できる。また、ショット分割処理部12では、出力されてきた図形をショットサイズの図形に分割する処理内容は変わらないが、パターン分割領域単位でのショット分割処理ではなく、図形パターン単位でのショット分割処理なので、処理数をかかる工程でも低減できる。
以上のようにして取得されたチップ単位のショット数Ntotalを使って、当該チップを描画するための描画時間を予測する。
描画時間予測工程として、描画時間予測部24は、セル分割領域やチップ分割領域といった各メッシュ領域のショット数に基づいて、当該チップを描画するための描画時間を予測する。描画時間予測部24は、例えば、以下の式(1)を用いて、試料101にチップを描画するための総描画時間Tesを算出する。
(1) Tes=α・Ntotal+β
ここで、係数αは、1ショットあたりに必要な時間(ショットサイクル)を示す。例えば、必要なドーズDを得るための時間tと電子ビーム200を偏向させるための時間t(セトリングタイム)の和で示すことができる。また、電流密度をJとすると、例えば、t=D/Jで示すことができる。また、係数βは、1つのストライプ領域を描画した後に、次のストライプ領域の描画開始位置にXYステージ105が移動する際に必要な時間の総和を示す。これらの係数α,βは、予めパラメータとして設定しておけばよい。
電子ビームで描画する際、チップ領域は、例えばy方向に向かって所定の幅で短冊状の複数のストライプ領域に分割される。そして、ストライプ領域単位で描画処理が進められる。そして、試料101に描画する場合には、XYステージ105を例えばX方向に連続移動させながら、描画(露光)面を電子ビーム200が偏向可能な短冊状の複数のストライプ領域に仮想分割された試料101の1つのストライプ領域上を電子ビーム200が照射する。XYステージ105のX方向の移動は、連続移動とし、同時に電子ビーム200のショット位置もステージ移動に追従させる。連続移動させることで描画時間を短縮させることができる。そして、1つのストライプ領域を描画し終わったら、XYステージ105をY方向にステップ送りしてX方向(今度は逆向き)に次のストライプ領域の描画開始位置まで戻る。そして、そこから次のストライプ領域の描画動作を行なう。このように、フォワード(Fwd)−フォワード(Fwd)移動で描画動作を行なっていく。フォワード(Fwd)−フォワード(Fwd)で進めることでステージ系の行きと戻りの間で生じ得る位置ずれを回避することができる。ただし、1つのストライプ領域を描画し終わったら、XYステージ105をY方向にステップ送りしてX方向(今度は逆向き)に次のストライプ領域の描画動作を行なうフォワード(Fwd)−バックフォワード(Bwd)移動でも構わない。この場合には、各ストライプ領域の描画動作を蛇行させるように進めることでXYステージ105の移動時間を短縮することができる。
以上のように高精度なショット数で描画時間を予測することで、より高精度な描画時間を予測することができる。予測された描画時間は出力される。例えば、図示しないモニタ、プリンタ、記憶装置、或いは外部に出力され、ユーザに認識させることができる。
そして、かかる描画時間予測を行った後、かかるチップについて実際に描画処理を進めていく。
ショットデータ生成工程として、ショットデータ生成部40は、記憶装置140からチップデータを読み出し、複数段のデータ変換処理を行って、装置固有のショットデータを生成する。上述したように、描画装置100で図形パターンを描画するためには、1回のビームのショットで照射できるサイズに描画データに定義された各図形パターンを分割する必要がある。そこで、ショットデータ生成部40は、実際に描画するために、各図形パターンを1回のビームのショットで照射できるサイズに分割してショット図形を生成する。そして、ショット図形毎にショットデータを生成する。ショットデータには、例えば、図形種、図形サイズ、及び照射位置といった図形データが定義される。生成されたショットデータは、記憶装置146に記憶される。
また、一方で、照射量演算工程として、照射量演算部42は、所定のサイズのメッシュ領域毎の照射量を演算する。照射量は、基準照射量Dbaseに補正係数を乗じた値で演算できる。補正係数として、例えば、かぶり効果の補正を行うためのかぶり効果補正照射係数Df(ρ)を用いると好適である。かぶり効果補正照射係数Df(ρ)は、かぶり用メッシュのパターン密度ρに依存する関数である。かぶり効果は、その影響半径が、数mmに及ぶため、補正演算を行なうには、かぶり用メッシュのサイズを影響半径の1/10程度、例えば、1mmにすると好適である。そして、かかるかぶり用メッシュのパターン密度ρは、上述した各階層で演算されたパターン密度を利用すればよい。その他、照射量は、近接効果補正用の補正係数やローディング補正用の補正係数等で補正しても好適である。これらの補正においてもそれぞれの計算用のメッシュ領域におけるパターン密度が利用される。これらのパターン密度についても上述した各階層で演算されたパターン密度を利用しても構わない。そして、照射量演算部42は、演算された各照射量を領域毎に定義した照射量マップを作成する。以上のように、実施の形態1では、照射量補正を行う際のパターン密度ρについても、高精度なパターン密度ρが得られるので、より高精度に補正された照射量を演算することができる。生成された照射量マップは、記憶装置146に記憶される。
描画工程として、描画処理部44は、制御回路130に描画処理を行うように制御信号を出力する。制御回路130は、記憶装置146からショットデータと照射量マップを入力し、描画処理部44から制御信号に従って描画部150を制御し、描画部150は、電子ビーム200を用いて、当該チップ内のパターンを試料100に描画する。具体的には、以下のように動作する。
電子銃201(放出部)から放出された電子ビーム200は、照明レンズ202により矩形例えば長方形の穴を持つ第1のアパーチャ203全体を照明する。ここで、電子ビーム200をまず矩形例えば長方形に成形する。そして、第1のアパーチャ203を通過した第1のアパーチャ像の電子ビーム200は、投影レンズ204により第2のアパーチャ206上に投影される。偏向器205によって、かかる第2のアパーチャ206上での第1のアパーチャ像は偏向制御され、ビーム形状と寸法を変化させる(可変成形させる)ことができる。そして、第2のアパーチャ206を通過した第2のアパーチャ像の電子ビーム200は、対物レンズ207により焦点を合わせ、主偏向器208及び副偏向器209によって偏向され、連続的に移動するXYステージ105に配置された試料101の所望する位置に照射される。図1では、位置偏向に、主副2段の多段偏向を用いた場合を示している。かかる場合には、主偏向器208でストライプ領域をさらに仮想分割したサブフィールド(SF)の基準位置にステージ移動に追従しながら該当ショットの電子ビーム200を偏向し、副偏向器209でSF内の各照射位置にかかる該当ショットのビームを偏向すればよい。
実施の形態1によれば、従来のようなパターン分割領域まで分割領域を設定しない場合でも、誤ったサイズでショット分割されることを抑制できる。また、微小図形の発生を抑制できる。よって、正しいショット数を得ることができる。その結果、高精度な描画時間を予測できる。また、高精度な照射量補正ができる。
実施の形態2.
実施の形態2では、異なるフォーマットのショット分割イメージ情報について説明する。装置構成は図1と同様である。また、以下、特に説明しない内容は、実施の形態1と同様である。
図5は、実施の形態2におけるショット分割イメージ情報の一例を示す概念図である。図5では、内容が理解し易いように、長方形(矩形)の図形パターンをショット図形に分割する場合を一例として示している。図5(b)に示すショット分割されたショット図形のサイズや形状等は、図3(b)と同様である。ここでは、ショット分割イメージ情報のルールが実施の形態1と異なる。
図5(b)のようにショット図形に分割されたショット図形群について、ショット分割イメージ情報を生成する。実施の形態2におけるショット分割イメージ情報では、図5(a)に示すように、以下のルールに従って生成される。ショット分割イメージ情報は、当該図形パターンの基準位置(左下の頂点位置)からx方向(第1の方向)に向かって、分割元となる当該図形パターンの形状を示す図形コード、最大ショットサイズで分割された連続して並ぶショット図形の個数、およびx方向に残った図形のサイズを順に定義する。そして、順に当該図形パターンが分割されたすべてのショット図形が識別可能になるまで定義する。
図5(a)の例では、まず、分割前の元となる図形パターンの図形コードとして、矩形を示す「0x11」が定義され、次に、最大ショットサイズで分割された連続して並ぶショット図形のx方向の個数が定義される。ここでは、2個なので「2」が定義される。次に、最大ショットサイズで分割された連続して並ぶショット図形のy方向の個数が定義される。ここでは、3個なので「3」が定義される。
続いて、x方向に残っている2列のうち、基準位置に近い最終列の1つ手前の列のショット図形のx方向のサイズが定義される。ここでは、0.3003μmなので「0.3003」が定義される。
続いて、x方向に残っている2列のうち、基準位置から遠い最終列のショット図形のx方向のサイズが定義される。ここでは、0.3002μmなので「0.3002」が定義される。
続いて、y方向に残っている2列のうち、基準位置に近い最終段の1つ手前の段のショット図形のy方向のサイズが定義される。ここでは、0.3002μmなので「0.3002」が定義される。
続いて、y方向に残っている2列のうち、基準位置から遠い最終段のショット図形のy方向のサイズが定義される。ここでは、0.3001μmなので「0.3001」が定義される。
最大ショットサイズが予め設定されていれば、以上の情報により、全ての分割サイズが識別可能である。すなわち、x方向については、2回の最大ショットサイズで分割した後、x方向の残り幅を0.3003μmで分割することで、x方向サイズが0.3003μmの図形と0.3002μmの図形が形成される。y方向については、3回の最大ショットサイズで分割した後、y方向の残り幅を0.3002μmで分割することで、y方向サイズが0.3002μmの図形と0.3001μmの図形が形成される。かかる分割サイズのグリッドで分割された場合、図5(b)に示すように、基準位置からx方向に2列、y方向に3段の6個の最大ショットサイズのショット図形と、x方向に3列目にx方向サイズが0.3003μm、y方向サイズが最大ショットサイズとなる3段のショット図形と、x方向に4列目にx方向サイズが0.3002μm、y方向サイズが最大ショットサイズとなる3段のショット図形と、y方向に4段目にx方向サイズが最大ショットサイズ、y方向サイズが0.3002μmとなるx方向に1,2列目の2つのショット図形と、y方向に4段目にx方向サイズが0.3003μm、y方向サイズが0.3002μmとなるx方向に3列目の1つのショット図形と、y方向に4段目にx方向サイズが0.3002μm、y方向サイズが0.3002μmとなるx方向に4列目の1つのショット図形と、y方向に5段目にx方向サイズが最大ショットサイズ、y方向サイズが0.3001μmとなるx方向に1,2列目の2つのショット図形と、y方向に5段目にx方向サイズが0.3003μm、y方向サイズが0.3001μmとなるx方向に3列目の1つのショット図形と、y方向に5段目にx方向サイズが0.3002μm、y方向サイズが0.3001μmとなるx方向に4列目の1つのショット図形と、に分割されていることを識別できる。
図6は、実施の形態2におけるショット分割イメージ情報の他の一例を示す概念図である。図6では、直角二等辺三角形の図形パターンをショット図形に分割する場合を一例として示している。ショット図形に分割する際には、例えば、以下のようなルールに沿って分割していく。図6(b)に示すように、まず、図形パターンの基準位置、例えば、左下の頂点から、x,y方向にそれぞれ最大ショットサイズで分割していく。そして、x方向に残りのサイズが、最大ショットサイズよりも小さくなった時点で、その1つ前の最大ショットサイズの幅と加算した後に平均化する。y方向についても同様に、最大ショットサイズよりも小さくなった時点で、その1つ前の最大ショットサイズの幅と加算した後に平均化する。よって、図6(b)の例では、まず、左下の位置からx方向に3列、y方向に3段の合計6個の最大ショットサイズの図形に分割される。但し、図6(b)の例では、右下の位置に直角の頂点が位置し、基準位置には45度の頂点が位置するので、x方向1列目y方向1段目と、x方向2列目y方向2段目と、x方向3列目y方向3段目は、それぞれ、直角二等辺三角形に分割される。そして、x方向2列目y方向1段目と、x方向3列目y方向1,2段目は、正方形に分割される。ここでは、最大ショットサイズとして、例えば、0.5μmとしている。そして、x方向について、合算された残りの幅については、残りのx方向サイズを平均化したサイズで分割している。図6(b)の例では、xサイズが0.3003μmの幅と、0.3002μmの幅で分割している。y方向についても、合算された残りの幅については、残りのy方向サイズを平均化したサイズで分割している。図6(b)の例では、yサイズが0.3003μmの幅と、0.3002μmの幅で分割している。小数点以下、所定の桁まで割り切れない場合には最小桁で多少のずれが生じることになる。
以上のようにショット図形に分割されたショット図形群について、ショット分割イメージ情報を生成する。かかる直角二等辺三角形を元の図形パターンとするショット分割イメージ情報では、図6(a)に示すように、以下のルールに従って生成される。ショット分割イメージ情報は、当該図形パターンの基準位置(左下の頂点位置)からx方向(第1の方向)に向かって、分割元となる当該図形パターンの形状を示す図形コード、最大ショットサイズで分割された連続して並ぶショット図形の個数、およびx方向に残った図形のサイズを順に定義する。直角二等辺三角形では、x方向とy方向に同じサイズで分割されていくので、x方向とy方向の一方の情報を定義すれば足りる。
図6(a)の例では、まず、分割前の元となる図形パターンの図形コードとして、直角二等辺三角形を示す「0x32」が定義され、次に、最大ショットサイズで分割された連続して並ぶショット図形の例えばx方向の個数が定義される。ここでは、3個なので「3」が定義される。
続いて、例えばx方向に残っている2列のうち、基準位置に近い最終列の1つ手前の列のショット図形のx方向のサイズが定義される。ここでは、0.3003μmなので「0.3003」が定義される。
続いて、例えばx方向に残っている2列のうち、基準位置から遠い最終列のショット図形のx方向のサイズが定義される。ここでは、0.3002μmなので「0.3002」が定義される。
最大ショットサイズが予め設定されていれば、以上の情報により、全ての分割サイズが識別可能である。
以上のように実施の形態2によれば、実施の形態1での効果の他に、さらに、実施の形態1のショット分割イメージ情報よりもデータ量で低減できる。
実施の形態3.
同じ図形コード、及び図形サイズを持つ図形同士については、ショット分割イメージ情報を使いまわす(共有する)ことができる。かかる方法を採用した場合、さらに処理時間の短縮ができる。その際、より多くの図形のショット分割イメージ情報を使いまわすためには、各図形のショット分割イメージ情報のデータ量がより少ない方が望ましい。そこで、実施の形態3では、さらに、異なるフォーマットのショット分割イメージ情報について説明する。装置構成は図1と同様である。また、以下、特に説明しない内容は、実施の形態1と同様である。
また、台形や平行四辺形といった図形については、特に、ショット分割イメージ情報のデータ量が多くなりがちである。そのため、特に、これらの図形についてショット分割イメージ情報のデータ量を少なくことが望ましい。以下、データ量をより少なくすることが可能なショット分割イメージ情報の例について説明する。
図7は、実施の形態3におけるショット分割される図形とその図形のショット分割イメージ情報の一例を示す概念図である。図7(a)では、データ量が多くなる台形、ここでは、底辺(下底)と45度の角度と135度の角度とで繋がる2つの斜辺を有する台形(等脚台形ともいう)について一例として示している。ここでは、台形の上底と下底がx方向に延び、台形の高さ方向がy方向である場合を一例として示している。そして、図7(b)に、かかる台形についてのショット分割イメージ情報の一例を示している。ここでは、ショット分割イメージ情報のルールが実施の形態1,2とは異なる。
図7(b)のようにショット図形に分割されたショット図形群について、ショット分割イメージ情報を生成する。実施の形態3におけるショット分割イメージ情報では、図7(a)に示すように、以下のルールに従って生成される。ショット分割イメージ情報は、分割元となる当該図形パターンの形状を示す図形コード、当該図形パターンの基準位置(左下の頂点位置)からx方向(第1の方向)に向かって、図7(a)に示す2等辺3角形を構成可能な領域1について、x,y方向に最大ショットサイズで分割された連続して並ぶショット図形のおけるx方向の個数、続いて、図7(a)に示す矩形(長方形或いは正方形)を構成可能な領域2について、x,y方向に最大ショットサイズで分割された連続して並ぶショット図形のx方向の個数、図7(a)に示す台形の高さ方向(y方向)について残ったサイズを半分に分けた際の一方(下側)の領域5について、x方向に最大ショットサイズで分割された連続して並ぶショット図形のx方向の個数、及び、図7(a)に示す台形の高さ方向(y方向)について残ったサイズを半分に分けた際の他方(上側)の領域9について、x方向に最大ショットサイズで分割された連続して並ぶショット図形のx方向の個数を順に定義する。かかる台形の配置方向についてx,y方向が逆である場合には、上述したショット分割イメージ情報についてもx,y方向を逆に読み替えればよい。よって、図7(a)に示す等脚台形におけるショット分割イメージ情報は、図7(b)に示すように、まず、分割前の元となる図形パターンの図形コードとして、等脚台形を示す「0x07」が定義され、次に、領域1におけるx,y方向に最大ショットサイズで分割された連続して並ぶショット図形(1−1〜1−6)のおけるx方向の個数「3」、次に、領域2におけるx,y方向に最大ショットサイズで分割された連続して並ぶショット図形(2−1〜2−12)のおけるx方向の個数「4」、次に、領域5におけるx方向に最大ショットサイズで分割された連続して並ぶショット図形(5−1〜5−4)のおけるx方向の個数「4」、次に、領域9におけるx方向に最大ショットサイズで分割された連続して並ぶショット図形(9−1)のおけるx方向の個数「1」が定義される。
以上のように、当該図形パターンが、底辺と45度の角度と135度の角度とで繋がる2つの斜辺を有する台形である場合に、ショット分割イメージ情報は、台形を示す図形コードと、x方向とy方向のうちの一方の方向について予め設定された順序で最大ショットサイズで分割されたショット図形の個数を並べることにより定義される。では、かかるショット分割イメージ情報からどのように各ショット図形を識別するのか、その手順について説明する。まず、かかる等脚台形では、元々のパターンデータにおいて、図形コード「0x07」、上底(L1)、及び高さ(L2)が定義されている。
まず、ショット分割イメージ情報の図形コード「0x07」から当該図形が等脚台形であることがわかる。次に、「3」から、当該図形パターンの基準位置(左下の頂点位置)からx方向(第1の方向)に向かって、下底において最大ショットサイズで3つ分の図形に分割できることがわかる。等脚台形では、斜辺が45度なのでy方向にも同様に最大ショットサイズで3つ分の図形に分割できることがわかる。よって、領域1では、斜辺に沿った3つの2等辺三角形(1−1,1−4,1−6)と、2等辺三角形(1−1)に隣接したx方向に向かう2つの正方形(1−2,1−3)と、2等辺三角形(1−4)に隣接したx方向に向かう1つの正方形(1−5)とに分割できることがわかる。
次に、「4」から、領域2では、x方向に最大ショットサイズで4つ分の図形に分割できることがわかる。また、領域1についてy方向に最大ショットサイズで3つ分の図形に分割できることがわかっているので、領域2についてもy方向に最大ショットサイズで3つ分の図形に分割できることがわかる。よって、領域2について、4×3の12個の正方形(2−1〜2−12)に分割できることがわかる。
また、等脚台形では、領域1とy軸に対称な領域4が構成されることがわかるので、領域4について、x方向とy方向にそれぞれ最大ショットサイズで3つ分の図形に分割できることがわかる。よって、領域4について、3つの2等辺三角形(4−3,4−5,4−6)と3つの正方形(4−1,4−2,4−4)に分割できることがわかる。
次に、上底のサイズL1と高さL2がわかっているので、下底のサイズがわかる。よって、領域1,2,4を除いた残りのx方向サイズについて半分ずつにわけた領域3のx方向サイズがわかる。また、領域1についてy方向に最大ショットサイズで3つ分の図形に分割できることがわかっているので、領域3についてもy方向に最大ショットサイズで3つ分の図形に分割できることがわかる。よって、領域3について、2×3の6個の長方形(3−1〜3−6)に分割できることがわかる。
また、領域1についてy方向に最大ショットサイズで3つ分の図形に分割できることがわかっており、また高さL2がわかっているので、高さ方向(y方向)の残りのサイズがわかる。よって、高さ方向(y方向)の残りのサイズについて半分ずつにわけた領域5,7,8,9,10,11,12のy方向サイズがわかる。等脚台形では、左右に2等辺3角形が構成されることはわかっており、また、2等辺3角形なので、y方向サイズがわかればx方向サイズがわかる。よって、高さ方向(y方向)の残りのサイズの下側の左右の領域7,8にそれぞれ1つの2等辺3角形(7−1,8−1)に分割できることがわかる。同様に、高さ方向(y方向)の残りのサイズの上側の左右の領域11,12にそれぞれ1つの2等辺3角形(11−1,12−1)に分割できることがわかる。
次に、「4」から、高さ方向(y方向)の残りのサイズの下側の領域についてx方向に最大ショットサイズで4つ分の図形に分割できることがわかる。よって、領域5について4×1の4個の長方形(5−1〜5−4)に分割できることがわかる。そして、領域5,7,8のx方向サイズから高さ方向(y方向)の残りのサイズの下側の領域について残りのサイズがわかる。図7の例では、残りが存在しない場合を示している。
次に、「1」から、高さ方向(y方向)の残りのサイズの上側の領域についてx方向に最大ショットサイズで1つ分の図形に分割できることがわかる。よって、領域9について1×1の1個の長方形(9−1)に分割できることがわかる。そして、領域9,11,12のx方向サイズから高さ方向(y方向)の残りのサイズの上側の領域について残りのサイズがわかる。そして、高さ方向(y方向)の残りのサイズの上側の領域について残りのサイズを半分ずつにわけた領域10−1,10−2のx方向サイズがわかる。高さ方向(y方向)の残りのサイズの上側の領域のy方向サイズはわかっているので、領域10について2×1の2個の長方形(10−1,10−2)に分割できることがわかる。
以上のように、図7(b)に示したショット分割イメージ情報の「0x07,3,4,4,1」から図7(a)に示した等脚台形について、ショット分割された各図形を特定できる。
図8は、実施の形態3におけるショット分割される図形とその図形のショット分割イメージ情報の他の一例を示す概念図である。図8(a)では、データ量が多くなる台形、ここでは、底辺(下底)と45度の角度で繋がる1つの斜辺と底辺(下底)と90度の角度で繋がる1辺とを有する台形(片脚台形ともいう)について一例として示している。ここでは、台形の上底と下底がx方向に延び、台形の高さ方向がy方向である場合を一例として示している。そして、図8(b)に、かかる台形についてのショット分割イメージ情報の一例を示している。ここでは、ショット分割イメージ情報のルールが実施の形態1,2とは異なる。
図8(b)のようにショット図形に分割されたショット図形群について、ショット分割イメージ情報を生成する。実施の形態3におけるショット分割イメージ情報では、図8(a)に示すように、以下のルールに従って生成される。ショット分割イメージ情報は、分割元となる当該図形パターンの形状を示す図形コード、当該図形パターンの基準位置(左下の頂点位置)からx方向(第1の方向)に向かって、図8(a)に示す2等辺3角形を構成可能な領域1について、x,y方向に最大ショットサイズで分割された連続して並ぶショット図形のおけるx方向の個数、続いて、図8(a)に示す矩形(長方形或いは正方形)を構成可能な領域2について、x,y方向に最大ショットサイズで分割された連続して並ぶショット図形のx方向の個数、図8(a)に示す台形の高さ方向(y方向)について残ったサイズを半分に分けた際の一方(下側)の領域4について、x方向に最大ショットサイズで分割された連続して並ぶショット図形のx方向の個数、及び、図8(a)に示す台形の高さ方向(y方向)について残ったサイズを半分に分けた際の他方(上側)の領域7について、x方向に最大ショットサイズで分割された連続して並ぶショット図形のx方向の個数を順に定義する。かかる台形の配置方向についてx,y方向が逆である場合には、上述したショット分割イメージ情報についてもx,y方向を逆に読み替えればよい。よって、図8(a)に示す片脚台形におけるショット分割イメージ情報は、図8(b)に示すように、まず、分割前の元となる図形パターンの図形コードとして、左側に斜辺をもつ片脚台形を示す「0x09」が定義され、次に、領域1におけるx,y方向に最大ショットサイズで分割された連続して並ぶショット図形(1−1〜1−6)のおけるx方向の個数「3」、次に、領域2におけるx,y方向に最大ショットサイズで分割された連続して並ぶショット図形(2−1〜2−9)のおけるx方向の個数「3」、次に、領域4におけるx方向に最大ショットサイズで分割された連続して並ぶショット図形(4−1〜4−3)のおけるx方向の個数「3」、次に、領域7におけるx方向に最大ショットサイズで分割された連続して並ぶショット図形(7−1,7−2)のおけるx方向の個数「2」が定義される。
以上のように、当該図形パターンが、底辺(下底)と45度の角度で繋がる1つの斜辺と底辺(下底)と90度の角度で繋がる1辺とを有する台形である場合に、ショット分割イメージ情報は、台形を示す図形コードと、x方向とy方向のうちの一方の方向について予め設定された順序で最大ショットサイズで分割されたショット図形の個数を並べることにより定義される。では、かかるショット分割イメージ情報からどのように各ショット図形を識別するのか、その手順について説明する。まず、かかる等脚台形では、元々のパターンデータにおいて、図形コード「0x09」、上底(L1)、及び高さ(L2)が定義されている。
まず、ショット分割イメージ情報の図形コード「0x09」から当該図形が、左側に斜辺を有する片脚台形であることがわかる。次に、「3」から、当該図形パターンの基準位置(左下の頂点位置)からx方向(第1の方向)に向かって、下底において最大ショットサイズで3つ分の図形に分割できることがわかる。左側に斜辺を有する片脚台形では、斜辺が45度なのでy方向にも同様に最大ショットサイズで3つ分の図形に分割できることがわかる。よって、領域1では、斜辺に沿った3つの2等辺三角形(1−1,1−4,1−6)と、2等辺三角形(1−1)に隣接したx方向に向かう2つの正方形(1−2,1−3)と、2等辺三角形(1−4)に隣接したx方向に向かう1つの正方形(1−5)とに分割できることがわかる。
次に、「3」から、領域2では、x方向に最大ショットサイズで3つ分の図形に分割できることがわかる。また、領域1についてy方向に最大ショットサイズで3つ分の図形に分割できることがわかっているので、領域2についてもy方向に最大ショットサイズで3つ分の図形に分割できることがわかる。よって、領域2について、3×3の9個の正方形(2−1〜2−9)に分割できることがわかる。
次に、上底のサイズL1と高さL2がわかっているので、下底のサイズがわかる。よって、領域1,2を除いた残りのx方向サイズについて半分ずつにわけた領域3のx方向サイズがわかる。また、領域1についてy方向に最大ショットサイズで3つ分の図形に分割できることがわかっているので、領域3についてもy方向に最大ショットサイズで3つ分の図形に分割できることがわかる。よって、領域3について、2×3の6個の長方形(3−1〜3−6)に分割できることがわかる。
また、領域1についてy方向に最大ショットサイズで3つ分の図形に分割できることがわかっており、また高さL2がわかっているので、高さ方向(y方向)の残りのサイズがわかる。よって、高さ方向(y方向)の残りのサイズについて半分ずつにわけた領域4,5,6,7,8,9のy方向サイズがわかる。左側に斜辺を有する片脚台形では、左側に2等辺3角形が構成されることはわかっており、また、2等辺3角形なので、y方向サイズがわかればx方向サイズがわかる。よって、高さ方向(y方向)の残りのサイズの下側の左右の領域6に1つの2等辺3角形(6−1)に分割できることがわかる。同様に、高さ方向(y方向)の残りのサイズの上側の左右の領域9に1つの2等辺3角形(9−1)に分割できることがわかる。
次に、「3」から、高さ方向(y方向)の残りのサイズの下側の領域についてx方向に最大ショットサイズで3つ分の図形に分割できることがわかる。よって、領域4について3×1の3個の長方形(4−1〜4−3)に分割できることがわかる。
そして、領域4,6のx方向サイズから高さ方向(y方向)の残りのサイズの下側の領域についてx方向の残りのサイズがわかる。よって、高さ方向(y方向)の残りのサイズの下側の領域におけるx方向の残りのサイズについて半分ずつにわけた領域5のx方向サイズがわかる。高さ方向(y方向)の残りのサイズの下側の領域についてのy方向サイズはわかっているので、領域5について2×1の2個の長方形(5−1〜5−2)に分割できることがわかる。
次に、「2」から、高さ方向(y方向)の残りのサイズの上側の領域についてx方向に最大ショットサイズで2つ分の図形に分割できることがわかる。よって、領域7について2×1の2個の長方形(7−1,7−2)に分割できることがわかる。そして、領域7,9のx方向サイズから高さ方向(y方向)の残りのサイズの上側の領域についてx方向の残りのサイズがわかる。そして、高さ方向(y方向)の残りのサイズの上側の領域についてx方向の残りのサイズを半分ずつにわけた領域8−1,8−2のx方向サイズがわかる。高さ方向(y方向)の残りのサイズの上側の領域のy方向サイズはわかっているので、領域8について2×1の2個の長方形(8−1,8−2)に分割できることがわかる。
以上のように、図8(b)に示したショット分割イメージ情報の「0x09,3,3,3,2」から図8(a)に示した左側に斜辺を有する片脚台形について、ショット分割された各図形を特定できる。
図9は、実施の形態3におけるショット分割される図形とその図形のショット分割イメージ情報の他の一例を示す概念図である。図9(a)では、データ量が多くなる平行四辺形、ここでは、45度の角度をもつ平行四辺形について一例として示している。ここでは、平行四辺形の底辺がx方向に延び、平行四辺形の高さ方向がy方向である場合を一例として示している。そして、図9(b)に、かかる45度の角度をもつ平行四辺形についてのショット分割イメージ情報の一例を示している。ここでは、ショット分割イメージ情報のルールが実施の形態1,2とは異なる。
図9(b)のようにショット図形に分割されたショット図形群について、ショット分割イメージ情報を生成する。実施の形態3におけるショット分割イメージ情報では、図9(a)に示すように、以下のルールに従って生成される。ショット分割イメージ情報は、分割元となる当該図形パターンの形状を示す図形コード、当該図形パターンの基準位置(左下の頂点位置)からx方向(第1の方向)に向かって、x方向に最大ショットサイズで分割された連続して並ぶショット図形のおけるx方向の個数、続いて、y方向に最大ショットサイズで分割された連続して並ぶショット図形のおけるy方向の個数、そして、図9(a)に示す平行四辺形の高さ方向(y方向)について残ったサイズを半分に分けた際の一方(例えば下側)の領域5について、x方向に最大ショットサイズで分割された連続して並ぶショット図形のx方向の個数を順に定義する。かかる平行四辺形の配置方向についてx,y方向が逆である場合には、上述したショット分割イメージ情報についてもx,y方向を逆に読み替えればよい。よって、図9(a)に示す45度の角度をもつ平行四辺形におけるショット分割イメージ情報は、図9(b)に示すように、まず、分割前の元となる図形パターンの図形コードとして、45度の角度をもつ平行四辺形を示す「0x0F」が定義され、次に、x方向に最大ショットサイズで分割された連続して並ぶショット図形(1−1〜1−5)のおけるx方向の個数「5」、次に、y方向に最大ショットサイズで分割された連続して並ぶショット図形におけるy方向の個数「2」、そして、高さ方向(y方向)について残ったサイズを半分に分けた際の一方(例えば下側)の領域に最大ショットサイズで分割された連続して並ぶショット図形のx方向の個数「4」が定義される。
以上のように、当該図形パターンが、45度の角度をもつ平行四辺形である場合に、ショット分割イメージ情報は、45度の角度をもつ平行四辺形を示す図形コードと、x方向について最大ショットサイズで分割されたショット図形の個数と、y方向について最大ショットサイズで分割されたショット図形の個数と、を並べることにより定義される。では、かかるショット分割イメージ情報からどのように各ショット図形を識別するのか、その手順について説明する。まず、かかる45度の角度をもつ平行四辺形では、元々のパターンデータにおいて、図形コード「0x0F」、底辺のサイズ(L1)、及び高さ(L2)が定義されている。
まず、ショット分割イメージ情報の図形コード「0x0F」から当該図形が、45度の角度をもつ平行四辺形であることがわかる。次に、「5」から、当該図形パターンの基準位置(左下の頂点位置)からx方向(第1の方向)に向かって、最大ショットサイズで5つ分の図形に分割できることがわかる。次に、「2」から、当該図形パターンの基準位置(左下の頂点位置)からy方向(第2の方向)に向かって、最大ショットサイズで2つ分の図形に分割できることがわかる。よって、領域1では、斜辺に沿った2つの2等辺三角形(1−1,1−6)と、2等辺三角形(1−1)に隣接したx方向に向かう4つの正方形(1−2,1−3,1−4,1−5)と、2等辺三角形(1−6)に隣接したx方向に向かう4つの正方形(1−7,1−8,1−9,1−10)とに分割できることがわかる。
また、45度の角度をもつ平行四辺形では、当該図形パターンの基準位置側と反対側にも45度の角度の斜辺が存在する。よって、斜辺に沿って、同様に、2つの2等辺三角形(4−1,4−2)に分割できることがわかる。
次に、底辺のサイズL1と高さL2がわかっているので、領域1を除いた残りのx方向サイズについて半分ずつにわけた領域2,3のx方向サイズがわかる。また、領域1についてy方向サイズは最大ショットサイズなので、領域2,3のy方向サイズがわかる。よって、領域2について、2×1の2個の長方形(2−1,2−2)に分割できることがわかる。同様に、領域3について、2×1の2個の長方形(3−1,3−2)に分割できることがわかる。
また、y方向に最大ショットサイズで2つ分の図形に分割できることがわかっており、また高さL2がわかっているので、高さ方向(y方向)の残りのサイズがわかる。よって、高さ方向(y方向)の残りのサイズについて半分ずつにわけた領域5〜12のy方向サイズがわかる。45度の角度をもつ平行四辺形では、左右に2等辺3角形が構成されることはわかっており、また、2等辺3角形なので、y方向サイズがわかればx方向サイズがわかる。よって、高さ方向(y方向)の残りのサイズの下側の左右の領域7,8にそれぞれ1つずつの2等辺3角形(7−1,8−1)に分割できることがわかる。同様に、高さ方向(y方向)の残りのサイズの上側の左右の領域11,12にそれぞれ1つずつの2等辺3角形(11−1,12−1)に分割できることがわかる。
次に、「4」から、高さ方向(y方向)の残りのサイズの下側の領域についてx方向に最大ショットサイズで4つ分の図形に分割できることがわかる。よって、領域5について4×1の4個の長方形(5−1〜5−4)に分割できることがわかる。同様に、高さ方向(y方向)の残りのサイズの上側の領域についてx方向に最大ショットサイズで4つ分の図形に分割できることがわかる。よって、領域9について4×1の4個の長方形(9−1〜9−4)に分割できることがわかる。
そして、領域5,7のx方向サイズから高さ方向(y方向)の残りのサイズの下側の領域についてx方向の残りのサイズがわかる。よって、高さ方向(y方向)の残りのサイズの下側の領域におけるx方向の残りのサイズについて半分ずつにわけた領域6のx方向サイズがわかる。高さ方向(y方向)の残りのサイズの下側の領域についてのy方向サイズはわかっているので、領域6について2×1の2個の長方形(6−1〜6−2)に分割できることがわかる。
次に領域9,11のx方向サイズから高さ方向(y方向)の残りのサイズの上側の領域についてx方向の残りのサイズがわかる。よって、高さ方向(y方向)の残りのサイズの上側の領域におけるx方向の残りのサイズについて半分ずつにわけた領域10のx方向サイズがわかる。高さ方向(y方向)の残りのサイズの上側の領域についてのy方向サイズはわかっているので、領域10について2×1の2個の長方形(10−1〜10−2)に分割できることがわかる。
以上のように、図9(b)に示したショット分割イメージ情報の「0x0F,5,2,4」から図9(a)に示した45度の角度をもつ平行四辺形について、ショット分割された各図形を特定できる。
以上のように、実施の形態3におけるショット分割イメージ情報は、図形サイズ等の情報や最大ショットサイズで分割されないショット図形の個数等の情報を定義せずに、当該図形パターンの形状を示す図形コードおよび予め設定された順序で、第1の方向(例えば、x方向)と第1の方向(例えば、x方向)に直交する第2の方向(例えば、y方向)とのうちの少なくとも一方の方向について最大ショットサイズで分割されたショット図形の個数を並べることにより定義される。これにより、各図形のショット分割イメージ情報のデータ量を低減できる。例えば、図7(a)に示した等脚台形を実施の形態1に示したショット分割イメージ情報の手法で定義した場合に、例えば、150バイト必要であったデータ量を図7(b)に示したショット分割イメージ情報では、10バイトで定義できる。同様に、図8(a)に示した片脚台形を図8(b)に示したショット分割イメージ情報では、10バイトで定義できる。同様に、図9(a)に示した平行四辺形を図9(b)に示したショット分割イメージ情報では、8バイトで定義できる。
以上説明したショット分割イメージ情報を用いることで、データ量を大幅に低減できる。よって、同じ図形コード、及び図形サイズを持つ図形同士についてショット分割イメージ情報を使いまわす(共有する)場合、処理時間を大幅に短縮できる。
なお、長方形や正方形といった矩形や、直角二等辺三角形等については、当該図形パターンの形状を示す図形コードでショット分割イメージ情報を定義してもよい。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。例えば、描画装置100を制御する制御部構成については、記載を省略したが、必要とされる制御部構成を適宜選択して用いることは言うまでもない。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての荷電粒子ビーム描画装置及び方法は、本発明の範囲に包含される。
10 図形パターン読出部
12 ショット分割処理部
14 割当処理部
16 セル分割単位ショット数演算部
18 チップ分割単位ショット数演算部
20 フレーム単位ショット数演算部
22 チップ単位ショット数演算部
24 描画時間予測部
30 セル分割単位パターン密度演算部
32 チップ分割単位パターン密度演算部
34 フレーム単位パターン密度演算部
36 チップ単位パターン密度演算部
40 ショットデータ生成部
42 照射量演算部
44 描画処理部
50 セル分割領域
60 図形パターン
62 ショット図形
100 描画装置
101,340 試料
102 電子鏡筒
103 描画室
105 XYステージ
110,120 制御計算機
112 メモリ
130 制御回路
140,142,144,146 記憶装置
150 描画部
160 制御部
200 電子ビーム
201 電子銃
202 照明レンズ
203,410 第1のアパーチャ
204 投影レンズ
205 偏向器
206,420 第2のアパーチャ
207 対物レンズ
208 主偏向器
209 副偏向器
330 電子線
411 開口
421 可変成形開口
430 荷電粒子ソース
500 チップ
501 チップ分割領域
502 セル
503 セル分割領域
504 外接矩形
505 パターン分割領域
510 図形パターン
520,522 図形

Claims (10)

  1. 複数の図形パターンを有するチップの各図形パターンの形状、配置座標、およびサイズを示す各図形パターンデータが定義されたチップデータを記憶する記憶部と、
    前記チップデータ内の各図形パターンデータを入力し、図形パターン毎に、荷電粒子ビームによる1回のショットで照射可能なサイズで前記図形パターンが複数のショット図形に分割された際の、分割後の各ショット図形のサイズおよび前記図形パターン内での配列位置が識別可能なショット分割イメージ情報を生成するショット分割イメージ情報生成部と、
    図形パターン毎の前記ショット分割イメージ情報と前記図形パターンの配置座標の情報とを用いて、チップデータが示すチップ領域内において図形パターンの端部とは異なる基準位置から所定のサイズでメッシュ状の複数のメッシュ領域に仮想分割されたメッシュ領域毎に、当該メッシュ領域内に配置される分割後の各ショット図形を割り当てる割当処理部と、
    メッシュ領域毎に、割り当てられたショット図形数から当該メッシュ領域内を描画する際の荷電粒子ビームのショット数を演算するショット数演算部と、
    各メッシュ領域のショット数に基づいて、当該チップを描画するための描画時間を予測する描画時間予測部と、
    荷電粒子ビームを用いて、当該チップ内のパターンを試料に描画する描画部と、
    を備えたことを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置。
  2. 前記ショット分割イメージ情報は、当該図形パターンの基準位置から第1の方向に向かって、前記第1の方向が当該図形パターンの端部まで到達したらその都度第1の方向と直交する第2の方向にずれた上で再度第1の方向に向かって、ショット図形の形状を示す図形コード、サイズ、及び連続して並ぶ同一のショット図形の個数を順に当該図形パターンが分割されたすべてのショット図形が網羅されるまで定義することを特徴とする請求項1記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  3. 前記ショット分割イメージ情報は、当該図形パターンの基準位置から第1の方向に向かって、分割元となる当該図形パターンの形状を示す図形コード、最大ショットサイズで分割された連続して並ぶショット図形の個数、および第1の方向に残った図形のサイズを順に定義することを特徴とする請求項1記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  4. 前記チップは、少なくとも1つの図形パターンから構成される複数のセルを有し、
    前記複数のメッシュ領域として、各セルの領域の端部から所定のサイズでそれぞれメッシュ状に仮想分割された複数のセル分割領域が用いられ、
    前記割当処理部は、セル分割領域毎に、当該セル分割領域内に配置される各ショット図形を割り当てることを特徴とする請求項1記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  5. 複数の図形パターンを有するチップの各図形パターンの形状、配置座標、およびサイズを示す各図形パターンデータが定義されたチップデータを記憶する記憶装置から前記チップデータ内の各図形パターンデータを入力し、図形パターン毎に、荷電粒子ビームによる1回のショットで照射可能なサイズで前記図形パターンが複数のショット図形に分割された際の、分割後の各ショット図形のサイズおよび前記図形パターン内での配列位置が識別可能なショット分割イメージ情報を生成する工程と、
    図形パターン毎の前記ショット分割イメージ情報と前記図形パターンの配置座標の情報とを用いて、チップデータが示すチップ領域内において図形パターンの端部とは異なる基準位置から所定のサイズでメッシュ状の複数のメッシュ領域に仮想分割されたメッシュ領域毎に、当該メッシュ領域内に配置される分割後の各ショット図形を割り当てる工程と、
    メッシュ領域毎に、割り当てられたショット図形数から当該メッシュ領域内を描画する際の荷電粒子ビームのショット数を演算する工程と、
    各メッシュ領域のショット数に基づいて、当該チップを描画するための描画時間を予測する工程と、
    荷電粒子ビームを用いて、当該チップ内のパターンを試料に描画する工程と、
    を備えたことを特徴とする荷電粒子ビーム描画方法。
  6. 前記ショット分割イメージ情報は、当該図形パターンの形状を示す図形コード、および予め設定された順序で、第1の方向と前記第1の方向に直交する第2の方向とのうちの少なくとも一方の方向について最大ショットサイズで分割されたショット図形の個数を並べることにより定義されることを特徴とする請求項1記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  7. 当該図形パターンが、底辺と45度の角度と135度の角度とで繋がる2つの斜辺を有する台形である場合に、前記ショット分割イメージ情報は、前記台形を示す図形コードと、x方向とy方向のうちの一方の方向について予め設定された順序で最大ショットサイズで分割されたショット図形の個数を並べることにより定義されることを特徴とする請求項6記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  8. 当該図形パターンが、底辺と45度の角度で繋がる1つの斜辺と前記底辺と90度の角度で繋がる1辺とを有する台形である場合に、前記ショット分割イメージ情報は、前記台形を示す図形コードと、x方向とy方向のうちの一方の方向について予め設定された順序で最大ショットサイズで分割されたショット図形の個数を並べることにより定義されることを特徴とする請求項6記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  9. 当該図形パターンが、45度の角度をもつ平行四辺形である場合に、前記ショット分割イメージ情報は、前記平行四辺形を示す図形コードと、x方向について最大ショットサイズで分割されたショット図形の個数と、y方向について最大ショットサイズで分割されたショット図形の個数とを並べることにより定義されることを特徴とする請求項6記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  10. 前記ショット分割イメージ情報は、当該図形パターンの形状を示す図形コードおよび予め設定された順序で、x方向とy方向のうちの少なくとも一方の方向について最大ショットサイズで分割されたショット図形の個数を並べることにより定義されることを特徴とする請求項5記載の荷電粒子ビーム描画方法。
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