JP2012253303A - 微細構造転写用スタンパ及びこれを搭載した微細構造転写装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表面に微細構造が形成された微細構造形成層を有するスタンパ2を、被転写基板6上に形成した樹脂薄膜に押し付けた状態でこの樹脂薄膜を硬化させ、前記被転写基板6上に微細構造体を形成する微細構造転写装置1において、支持部材23a上に複数の前記スタンパ2を有するマルチヘッド23を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
そこで、電子線描画装置の高速化を図るために各種形状のマスクを組み合わせて、それらに一括して電子ビームを照射することによって、複雑な形状のパターンを形成する一括図形照射法の開発が進められている。しかしながら、構造体の微細化が進む一方で、電子線描画装置の大型化や、高い精度でのマスク位置の制御の必要性等によって装置のコストが非常に高くなるという欠点があった。
したがって、このようなナノインプリント技術においては、例えば半導体デバイスの製造工程のように、複数の領域のそれぞれに、微細構造体を高い精度で低コストかつ高スループットにて形成することができる微細構造転写装置が望まれていた。
図1に示すように、本実施形態に係る微細構造転写装置1は、被転写基板6上に後記する樹脂薄膜7(図9(a)参照)を形成するための樹脂塗布機構10と、樹脂薄膜7を形成した被転写基板6を樹脂塗布機構10から微細構造転写機構20に向けて搬送する被転写基板搬送機構14と、マルチヘッド23(スタンパ2)の微細構造Sを樹脂薄膜7に転写する微細構造転写機構20と、を備えている。
なお、微細構造Sとしては、ナノメートルからマイクロメートルのサイズの微細パターンからなるもので、微細パターンは、用途に応じて前記した微細サイズのピラーが規則的に配列したものや、これとは逆に微細サイズのピットが配列されたもの、微細サイズのレール状突起が配列されたもの(ラインアンドスペース)等の様々なものが挙げられる。
なお、本発明における樹脂塗布機構10は、このスピンコート装置に限定されるものではなく、例えば、ディスペンス法、インクジェット法、スプレー法等のスピンコート法以外の塗工法を採用する装置も使用することができる。
本発明における被転写基板搬送機構14は、このような構成に限定されずに、樹脂薄膜7(図9(a)参照)が塗布された被転写基板6を、微細構造転写機構20に向けて搬送可能であればどのような構成であってもよく、その搬送経路は問わない。
また、被転写基板搬送機構14としては、光硬化性樹脂を塗布した樹脂塗布機構10が被転写基板6をそのまま微細構造転写機構20に向けて移動するものを含めることができる。
本実施形態での支持部材駆動機構23bは、予め配置された所定のレールに沿って移動可能な直動モータ機構でマルチヘッド23の支持部材23aをX−Y−Z方向(三次元方向)に移動させる構成となっている。
なお、支持部材駆動機構23bによって支持部材23aを移動させる距離の範囲は、後記するスタンパ2を構成する粗調位置制御機構25(図4参照)や微調位置制御機構27(図4参照)がスタンパ2の微細構造体部24a(図4参照)を移動させる距離の範囲と異なって、ナノメートル乃至マイクロメートルの極微小な範囲で設定される必要はなく、センチメートル以上のオーダで設定することができる。
次に、マルチヘッド23について説明する。
マルチヘッド23は、複数の小スタンパが集合したスタンパヘッドであって、図1に示すように、この小スタンパに相当するスタンパ2が支持部材23aの板面に沿って複数並設されたものである。次に参照する図2は、本発明の実施形態に係る微細構造転写用スタンパ(マルチヘッド)を模式的に示す構成説明図であり、(a)は、微細構造転写用スタンパの側面図、(b)は、微細構造転写用スタンパを微細構造体部側から見た平面図である。なお、図2(a)に示す微細構造体部24aに形成される微細構造S(微細パターン)は、作図の便宜上、模式的に示すものであり、その形状及びサイズは、現実の形状及びサイズと相違している。また、図2(b)に示す微細構造体部24aにおいては微細構造S(微細パターン)の記載を省略している。
ちなみに、被転写基板6(図9(b)参照)に対するスタンパ2(図9(b)参照)の位置決め(アライメント)は、被転写基板6に設けられた図示しないアライメントマークに、図3(c)に示す微細構造体部24aのアライメントマークMを重ね合わせることで行われる。
なお、位置決め手法として反射型ファイバーセンサを使用する場合には、スタンパ2のサイズを考慮すると、径の細い反射型ファイバーセンサが好ましい。
また、アライメントマークMの形状としては、特に制限はなく、図3(c)に示す円形と十文字を重ね合わせたものの他、同心円状に複数の円形が重ね合わされたもの、格子状のもの等が挙げられる。
なお、転写制御部24bと微細構造体部24aとは分離可能となっており、アプリケーションに応じて、異なる微細構造S(図2(a)参照)を有する他の微細構造体部24aと取り換えて用いることができるようになっている。
転写制御部24bと支持部材23a(図2(a)参照)との接続手段は、転写制御部24b及び支持部材23aの材質に応じて適宜に選択することができ、ボルト等の締結具や所定の治具による機械的接続や、接着剤、融着剤等による固着であっても構わない。
参照する図4は、図3のスタンパの模式的断面図であり、図3(b)のIV−IV断面図である。
図4に示すように、微細構造体部24aは、支持基材29aに、緩衝層29bを介して前記した微細構造形成層29cを積層した多層構成となっている。そして、支持基材29a、緩衝層29b及び微細構造形成層29cからなる積層体の周囲(図3(a)に示す微細構造体部24aの四方の側面)を覆うように、遮光層29dが形成されている。
なお、この遮光層29dは、特許請求の範囲にいう「遮光機構」に相当する。
支持基材29aとしては、緩衝層29b及び微細構造形成層29cを支持する機能を有するものであれば、その材質、サイズ、形状、作製方法は特に限定されない。
本実施形態での支持基材29aの形状は、平面視で正方形の板体を想定しているが、その形状は、円形、長方形等の他の平面形状を有する板体であっても構わない。
支持基材29aの弾性率は、所定の強度を維持するために10GPa以上であることが好ましい。特にスタンパ2の耐久性や転写精度の観点からは50GPa以上であることが更に好ましい。
このような2種以上の層を有する支持基材29aとしては、例えば、前記した材料を2種以上選択して各層を形成したものや、前記した材料からなる層と樹脂材料からなる層とを組み合わせたもの、樹脂材料からなる層同士を組み合わせたもの等が挙げられる。
緩衝層29bの形成材料としては、前記した緩衝機能を発揮するものであれば特に制限はないが、具体的には、例えば、フェノール樹脂(PF)、ユリア樹脂(UF)、メラミン樹脂(MF)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、不飽和ポリエステル(UP)、アルキド樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂(EP)、ポリイミド(PI)、ポリウレタン(PUR)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、アクリル樹脂(PMMA)、ポリアミド(PA)、ABS樹脂、AS樹脂、AAS樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアリレート、酢酸セルロース、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンオキシド、シクロオレフィンポリマ、ポリ乳酸、ジアリルフタレート樹脂等の柔軟な樹脂材料が挙げられる。
微細構造形成層29cの形成材料としては、その表面(図3(a)に示す下面U)に微細構造S(図2(a)参照)を形成することができると共に、樹脂薄膜7(図9(a)参照)を形成する光硬化性樹脂を硬化する光(一般的には波長365nmの紫外線であるがその他の波長の光でもよい)を透過できるものであれば特に制限されることはない。
また、ガラス、石英等の硬質材料からなる微細構造形成層29cの形成方法としては、例えば、緩衝層29bの表面に接着剤層(図示省略)を介して微細構造形成層29cを接着する方法が挙げられる。
遮光層29dは、後記するUV照射工程において(図9(c)参照)、一つのスタンパ2の周囲に存在する樹脂薄膜7(図9(c)参照)のうち、硬化させる予定のない樹脂薄膜7に光(UV)が照射されて当該樹脂薄膜7が硬化するのを防止するものである。つまり、遮光層29dは、各スタンパ2の直下のみに存在する樹脂薄膜7に光(UV)が照射されるように各スタンパ2で遮光することによって、微細構造Sを転写しない部分に対応する樹脂薄膜7を未硬化(未露光)のまま残存させることができる。その結果、未硬化(未露光)の樹脂薄膜7を除去する、後の現像工程を効率よく行うことができる。
なお、本実施形態での遮光層29dは、微細構造体部24aの側面のみに設けたものを想定しているが、微細構造体部24aからこの微細構造体部24a寄りの転写制御部24bの側面にまで跨って形成されていても構わない。
次に、転写制御部24bについて説明する。
図4に示すように、本実施形態での転写制御部24bは、微細構造体部24aの支持基材29aと隣接する側から順番に、露光機構28、微調位置制御機構27、角度補正機構26及び粗調位置制御機構25とを備えている。これらは、微細構造体部24a上で層状に相互に重ねられるように形成されることで、図3(a)に示す角柱状の転写制御部24bの外形を形成している。
以下では、図4に示す粗調位置制御機構25、角度補正機構26、微調位置制御機構27及び露光機構28の順番で説明する。なお、粗調位置制御機構25及び微調位置制御機構27は共に特許請求の範囲にいう「位置制御機構」を構成している。
図4に示すように、本実施形態での粗調位置制御機構25は、微細構造体部24aに対して遠い方から、近い方に向かって、第1水平面内位置調整部25a、垂直方向位置調整部25b及び第2水平面内位置調整部25cがこの順番で積層されている。
第1水平面内位置調整部25aには、水平方向に沿って圧電素子D(ピエゾ素子)が延設されている。そして、この圧電素子Dの両端部に設けられた端子T,Tのうち、一方の端子T(図4の紙面の左側の端子T)は、第1水平面内位置調整部25aの上下を仕切る境界面のうちの上面に接続され、他方の端子T(図4の紙面の右側の端子)は、第1水平面内位置調整部25aの上下を仕切る境界面のうちの下面に接続されている。
ちなみに、本実施形態での第1水平面内位置調整部25aの上下面のそれぞれは、圧電素子Dを第1水平面内位置調整部25a内で装填する絶縁性の弾性樹脂層(ゲル層)を、その上下にて挟持する導電性薄膜で形成されている。なお、上下面の導電性薄膜のそれぞれには、図示しない電位印加用のリード線(図示省略)が接続されている。
なお、前記した第1水平面内位置調整部25aの下面と、この垂直方向位置調整部25bの上面とは、図示しない絶縁層を介して一体となっている。
そして、圧電素子Dの一方の端子T(図4の紙面の上側の端子T)は、上面に接続され、他方の端子T(図4の紙面の下側の端子T)は、下面に接続されている。
図4のVb−Vb断面図である図5(b)に示すように、圧電素子Dは、垂直方向位置調整部25bの略中央に配置されている。
なお、前記した垂直方向位置調整部25bの下面と、この第2水平面内位置調整部25cの上面とは、図示しない絶縁層を介して一体となっている。
なお、本実施形態での粗調位置制御機構25は、圧電素子D(図4参照)をその駆動部として使用しているが、本発明は、微小駆動が可能であれば駆動部の種類に特に制限はなく、例えば導電性高分子を用いたポリマアクチュエータ等をも使用することができる。
また、本実施形態での粗調位置制御機構25は、支持部材23aに対して水平面内で微細構造体部24aを回転させて所定の回転角度(θ)となるように調節する回転角度調整機構(図示省略)を更に備えることもできる。
図4に示すように、角度補正機構26は、水平面内に並設される3つの圧電素子Dを装填する絶縁性の弾性樹脂層(ゲル層)と、この弾性樹脂層を上下で挟持する絶縁性薄膜とで形成されている。なお、前記した第2水平面内位置調整部25cの下面と、この角度補正機構26の上面とは、一体となっている。
そして、各圧電素子Dの一方の端子T(図4の紙面の上側の端子T)は、上面に接続され、他方の端子T(図4の紙面の下側の端子T)は、下面に接続されている。
以上のような角度補正機構26によれば、図2(a)に示す支持部材23aに転写制御部24bを介して接続される微細構造体部24aの、水平面に対する角度を調整することができる。
図4に示すように、本実施形態での微調位置制御機構27は、微細構造体部24aに対して遠い方から、近い方に向かって、第1水平面内位置調整部27a、垂直方向位置調整部27b及び第2水平面内位置調整部27cがこの順番で積層されている。
ちなみに、微調位置制御機構27では、数10nm〜数μmの極微細なレンジで微細構造体部24aの位置の調整を行うこととなる。
図4中、微調位置制御機構27における符号Dは圧電素子であり、符号Tは、圧電素子Dの端子である。
そして、この微調位置制御機構27においては、粗調位置制御機構25と同様に、導電性高分子を用いたポリマアクチュエータ等も使用することができるし、回転角度調整機構(図示省略)を更に備えることもできる。
図4に示すように、本実施形態での露光機構28は、その内部に、LED等で構成される紫外線を照射可能な光源Lを装填する光透過性樹脂層28aと、微細構造体部24a側でこの光透過性樹脂層28aに積層される光拡散層28bと、を備えている。
光透過性樹脂層28aの形成材料としては、前記した微細構造形成層29cの形成材料と同様のものを使用することができる。
光拡散層28bは、光源Lから照射される紫外線を散乱させて、後記するUV照射工程(図9(c)参照)で、樹脂薄膜7に照射される紫外線を均一化するように、露光機構28を面光源化するものである。
ちなみに、本実施形態での露光機構28は、LED等からなる光源Lを光透過性樹脂層28a内に均一に多く配置することで、光拡散層28bを省略することもできる。
次に、本発明の微細構造転写用スタンパとしてのマルチヘッド23(図1参照)を使用した微細構造の転写方法について説明する。なお、この転写方法で使用するマルチヘッド23は次のように構成されている。参照する図7は、次に説明する転写方法で使用する、本発明の他の実施形態に係るマルチヘッドを模式的に示す構成説明図であり、(a)は、マルチヘッドの側面図、(b)は、マルチヘッドを微細構造体部側から見た平面図である。図8は、図7のマルチヘッドを構成するスタンパを模式的に示す構成説明図であり、(a)は、スタンパの外形を示す斜視図、(b)は、(a)のVIIIb−VIIIb断面図である。
なお、図7(a)及び(b)中、符号24aは、次に説明するスタンパ2の微細構造体部であり、符号24bは、スタンパ2の転写制御部である。図7(b)中、符号Mは、アライメントマークである。
ちなみに、この転写方法で使用される微細構造転写装置1は、図1に示すマルチヘッド23に代えて図7(a)及び(b)に示すマルチヘッド23を搭載する構成となっている。
次いで、この転写方法では、微細構造体部24aを、被転写基板6に向けて大まかなレンジでアプローチさせる。この際、図1に示す微細構造転写装置1の支持部材駆動機構23b、並びに図4に示す転写制御部24bの、少なくとも粗調位置制御機構25及び角度補正機構26のいずれかが使用される。
ちなみに、本実施形態でのアライメント工程では、図9(b)に示すように、微細構造体部24aが被転写基板6には接触しないが、樹脂薄膜7には接触する状態で行う。
なお、アライメント工程は、微細構造体部24aが樹脂薄膜7に接触しない状態で行うことができる。ちなみに、樹脂薄膜7に接触しない状態でアライメント工程を行うと、微細構造体部24aと樹脂薄膜7との接触時間を短くすることができ、微細構造体部24aが樹脂薄膜7の化学的性状の影響を受け難いので微細構造体部24aの形成材料の選択の幅を広げることができる。
なお、本実施形態では、前記したアライメント工程が終了したと同時にUV照射工程が実施されるが、この際、位置決めされた微細構造体部24aが樹脂薄膜7を加圧している状態で紫外線UVが照射される。
この際、各スタンパ2の露光機構28(図4参照)は、遮光層29d(図4参照)により、各スタンパ2の直下のみに存在する樹脂薄膜7に光(UV)を照射するので、その後に他のスタンパ2で転写する予定のある樹脂薄膜7部分を不用意に硬化させることがない。
なお、本実施形態での剥離工程によれば、前記した一次剥離工程を含むことで、剥離時に各スタンパ2に掛かる力を最小限にすることができ、スタンパ2の耐久性(寿命)を高めることができる。
そして、図9(e)中、符号Bは微細構造体である。
なお、以上のような転写工程では、微細構造体Bが、被転写基板6の樹脂薄膜7に微細構造S(図2(a)参照)を転写することで形成されるが、微細構造体Bはこれに限定されるものではなく、樹脂薄膜7からなる微細構造体Bをレジスト膜として使用し、この微細構造体Bに対応する微細構造体(図示省略)をリソグラフィ技術により被転写基板6自体にエッチングしたものであってもよい。
本実施形態によれば、形成しようとする微細構造Sの凹凸に対応する凹凸(表面形状)を有するスタンパ2を、所定の被転写基板6上に形成された樹脂薄膜7に型押しするナノインプリント技術によって微細構造体を製造するので、低コストかつ高スループットにて微細構造体B(図9(e)参照)を製造することができる。
次に参照する図10は、図3のスタンパの変形例を示す図であり、(a)は、スタンパの外形を示す斜視図、(b)は、(a)のXb−Xb断面図である。図11は、本発明の他の実施形態に係る微細構造転写用スタンパとしてのマルチヘッドを模式的に示す構成説明図であり、微細構造転写用スタンパの側面図である。
また、前記実施形態での転写制御部24bの形状は、正四角柱(直方体)の外形を有しているが、転写制御部24bの形状は、四角柱以外の多角柱、円柱、楕円柱等であってもよい。
また、前記実施形態では、スタンパ2の転写制御部24bが、その高さ方向に断面形状が変化しない柱状の外形を有しているが、図11に示すように、微細構造形成層29cから支持部材23aに向かって、転写制御部24bの断面積が徐々に減少する柱状(例えば、円錐台、角錐台等)であってもよい。
また、本発明は、被転写基板6の上の複数個所に同時に、微細構造体Bを形成できるので、特に半導体製造の分野(フラッシュメモリ等の製造分野)で好適に使用することができる。
(実施例1)
本実施例では、複数のスタンパを有するマルチヘッド(微細構造体転写用スタンパ)を搭載する微細構造転写装置を使用することで、被転写基板の複数の微細な転写領域に、スタンパの微細構造を転写した。
本実施形態で使用したマルチヘッドは、平面視で円形の板体からなる支持部材23a(図7(b)参照)上に、微細構造体部24a(図7(b)参照)の平面形状が矩形(20mm×20mm)のスタンパ2(図7(b)参照)を、合計で200個縦横に整列配置させたものを使用した。なお、微細構造体部24a同士の間の距離は、縦横でそれぞれ等距離となるように、50μmに設定した。微細構造体部24aの微細構造Sは、ラインアンドスペースで構成した。
そして、微細構造転写装置としては、図1の微細構造転写装置1に、前記した200個のスタンパ2を有するマルチヘッド23を搭載し、樹脂塗布機構10として、光硬化性樹脂をインクジェット式で供給する印刷機を備える装置を使用した。
そして、この被転写基板6上に前記した樹脂塗布機構10により光硬化性樹脂を塗布することで、前記した各チップ上に樹脂薄膜7(図9(a)参照)を形成した。
次に、図1に示す被転写基板搬送機構14により、この被転写基板6を図1に示す微細構造転写機構20に向けて搬送して、これをマルチヘッド23の直下に配置した。
その後、図9(a)から(e)に示す前記した各工程を経ることで、マルチヘッド23(スタンパ2)の微細構造Sを、被転写基板6に配置した各チップ上の樹脂薄膜7に転写することで、微細構造体Bを作製した。
チップ上に形成した微細構造体Bを走査型電子顕微鏡(SEM)にて評価した。
SEM観察より、チップ上にはスタンパ2の微細構造Sと同様のラインアンドスペース構造が確認できた。また、そのサイズもスタンパ2の微細構造Sと同等であった。
また、各スタンパ2により同時に転写したその他全てのチップ上にも同様な形状、同等なサイズで微細構造Sが転写されていることが確認できた。
本実施例では、図7(b)に示すスタンパ2に代えて、図3(a)に示すスタンパ2を有する他は、実施例1と同様のマルチヘッド23を備える微細構造転写機構20にて実施例1と同様に微細構造体B(図9(e)参照)を作製した。
SEM観察より、チップ上にはスタンパ2の微細構造Sと同様のラインアンドスペース構造が確認できた。また、そのサイズもスタンパ2の微細構造Sと同等であった。
また、各スタンパ2により同時に転写したその他全てのチップ上にも同様な形状、同等なサイズで微細構造Sが転写されていることが確認できた。
本実施例では、図7(b)に示すスタンパ2に代えて、図10(a)に示すスタンパ2を有する他は、実施例1と同様のマルチヘッド23を備える微細構造転写機構20にて実施例1と同様に微細構造体B(図9(e)参照)を作製した。
SEM観察より、チップ上にはスタンパ2の微細構造Sと同様のラインアンドスペース構造が確認できた。また、そのサイズもスタンパ2の微細構造Sと同等であった。
また、各スタンパ2により同時に転写したその他全てのチップ上にも同様な形状、同等なサイズで微細構造Sが転写されていることが確認できた。
本実施例では、図4に示すスタンパ2の露光機構28として、光拡散層28bを有しない代わりに、光源Lとして面発光可能なLED光源を用いた以外は、実施例1と同様のマルチヘッド23を備える微細構造転写機構20にて実施例1と同様に微細構造体B(図9(e)参照)を作製した。
SEM観察より、チップ上にはスタンパ2の微細構造Sと同様のラインアンドスペース構造が確認できた。また、そのサイズもスタンパ2の微細構造Sと同等であった。
また、各スタンパ2により同時に転写したその他全てのチップ上にも同様な形状、同等なサイズで微細構造Sが転写されていることが確認できた。
本実施例では、スタンパ2の配置間隔を100imとする他は、実施例1と同様のマルチヘッド23を備える微細構造転写機構20にて実施例1と同様に微細構造体B(図9(e)参照)を作製した。
SEM観察より、チップ上にはスタンパ2の微細構造Sと同様のラインアンドスペース構造が確認できた。また、そのサイズもスタンパ2の微細構造Sと同等であった。
また、各スタンパ2により同時に転写したその他全てのチップ上にも同様な形状、同等なサイズで微細構造Sが転写されていることが確認できた。
本実施例では、スタンパ2の配置間隔を30imとする他は、実施例1と同様のマルチヘッド23を備える微細構造転写機構20にて実施例1と同様に微細構造体B(図9(e)参照)を作製した。
SEM観察より、チップ上にはスタンパ2の微細構造Sと同様のラインアンドスペース構造が確認できた。また、そのサイズもスタンパ2の微細構造Sと同等であった。
また、各スタンパ2により同時に転写したその他全てのチップ上にも同様な形状、同等なサイズで微細構造Sが転写されていることが確認できた。
本実施例では、スタンパ2の配置個数を300個とする他は、実施例1と同様のマルチヘッド23を備える微細構造転写機構20にて実施例1と同様に微細構造体B(図9(e)参照)を作製した。
SEM観察より、チップ上にはスタンパ2の微細構造Sと同様のラインアンドスペース構造が確認できた。また、そのサイズもスタンパ2の微細構造Sと同等であった。
また、各スタンパ2により同時に転写したその他全てのチップ上にも同様な形状、同等なサイズで微細構造Sが転写されていることが確認できた。
本実施例では、光硬化性樹脂の塗布方法をスピンコート法とする他は、実施例1と同様のマルチヘッド23を備える微細構造転写機構20にて実施例1と同様に微細構造体B(図9(e)参照)を作製した。
SEM観察より、チップ上にはスタンパ2の微細構造Sと同様のラインアンドスペース構造が確認できた。また、そのサイズもスタンパ2の微細構造Sと同等であった。
また、各スタンパ2により同時に転写したその他全てのチップ上にも同様な形状、同等なサイズで微細構造Sが転写されていることが確認できた。
本実施例では、光硬化性樹脂の塗布方法をディスペンス法とする他は、実施例1と同様のマルチヘッド23を備える微細構造転写機構20にて実施例1と同様に微細構造体B(図9(e)参照)を作製した。
SEM観察より、チップ上にはスタンパ2の微細構造Sと同様のラインアンドスペース構造が確認できた。また、そのサイズもスタンパ2の微細構造Sと同等であった。
また、各スタンパ2により同時に転写したその他全てのチップ上にも同様な形状、同等なサイズで微細構造Sが転写されていることが確認できた。
2 スタンパ
6 被転写基板
7 樹脂薄膜
10 樹脂塗布機構
13 樹脂供給ノズル
14 被転写基板搬送機構
20 微細構造転写機構
23 マルチヘッド(微細構造転写用スタンパ)
23a 支持部材
23b 支持部材駆動機構
24a 微細構造体部
24b 転写制御部
25 粗調位置制御機構
25a 第1水平面内位置調整部
25b 垂直方向位置調整部
25c 第2水平面内位置調整部
26 角度補正機構
27 微調位置制御機構
27a 第1水平面内位置調整部
27b 垂直方向位置調整部
27c 第2水平面内位置調整部
28 露光機構
28a 光透過性樹脂層
28b 光拡散層
29a 支持基材
29b 緩衝層
29c 微細構造形成層
29d 遮光層
S 微細構造
Claims (19)
- 表面に微細構造が形成された微細構造形成層を有するスタンパを、被転写基板上に形成した樹脂薄膜に押し付けた状態でこの樹脂薄膜を硬化させ、前記被転写基板上に微細構造体を形成する微細構造転写装置において、
支持部材上に複数の前記スタンパを有するマルチヘッドを備えることを特徴とする微細構造転写装置。 - 請求項1に記載の微細構造転写装置において、
前記マルチヘッドを構成する各スタンパは、前記微細構造形成層を含む微細構造体部と、前記樹脂薄膜に対する前記スタンパの前記微細構造の転写状態を制御する転写制御部とを有し、前記微細構造体部が前記転写制御部を介して前記支持部材上に並設されていることを特徴とする微細構造転写装置。 - 請求項2に記載の微細構造転写装置において、
前記微細構造形成層の前記表面の面積は、この表面と平行な前記転写制御部の断面積以上であることを特徴とする微細構造転写装置。 - 請求項2に記載の微細構造転写装置において、
前記微細構造体部は、前記微細構造形成層、緩衝層、支持基材、及び遮光機構を有することを特徴とする微細構造転写装置。 - 請求項2に記載の微細構造転写装置において、
前記転写制御部は、前記被転写基板に対する前記微細構造形成層の角度補正機構及び位置制御機構並びに前記樹脂薄膜を硬化させる露光機構を有することを特徴とする微細構造転写装置。 - 請求項5に記載の微細構造転写装置において、
前記微細構造形成層の前記位置制御機構は、粗調位置制御機構と微調位置制御機構とをそれぞれ独立して備えることを特徴とする微細構造転写装置。 - 請求項6に記載の微細構造転写装置において、
前記マルチヘッドの前記スタンパのそれぞれは、前記支持部材側から前記粗調位置制御機構、前記微調位置制御機構及び前記微細構造形成層の順番で有することを特徴とする微細構造転写装置。 - 請求項1に記載の微細構造転写装置において、
前記マルチヘッドの前記スタンパのそれぞれは、アライメント機構を有することを特徴とする微細構造転写装置。 - 請求項1に記載の微細構造転写装置において、
前記支持部材の位置を制御する支持部材駆動機構を有することを特徴とする微細構造転写装置。 - 請求項1に記載の微細構造転写装置において、
前記被転写基板上に前記樹脂薄膜を形成するための樹脂塗布機構と、前記スタンパの微細構造を前記樹脂薄膜に転写する微細構造転写機構と、前記樹脂薄膜を形成した前記被転写基板を前記樹脂塗布機構から微細構造転写機構に向けて搬送する被転写基板搬送機構と、を備えることを特徴とする微細構造転写装置。 - 表面に微細構造が形成された微細構造形成層を有し、被転写基板上に形成した樹脂薄膜に押し付けた状態でこの樹脂薄膜を硬化させてこの被転写基板に前記微細構造を転写するスタンパを、支持部材上に複数有するマルチヘッドであることを特徴とする微細構造転写用スタンパ。
- 請求項11に記載の微細構造転写用スタンパにおいて、
前記マルチヘッドを構成する各スタンパは、前記微細構造形成層を含む微細構造体部と、前記樹脂薄膜に対する前記スタンパの前記微細構造の転写状態を制御する転写制御部とを有し、前記微細構造体部が前記転写制御部を介して前記支持部材上に並設されていることを特徴とする微細構造転写用スタンパ。 - 請求項12に記載の微細構造転写用スタンパにおいて、
前記微細構造形成層の前記表面の面積は、この表面と平行な前記転写制御部の断面積以上であることを特徴とする微細構造転写用スタンパ。 - 請求項12に記載の微細構造転写用スタンパにおいて、
前記微細構造体部は、前記微細構造形成層、緩衝層、支持基材、及び遮光機構を有することを特徴とする微細構造転写用スタンパ。 - 請求項12に記載の微細構造転写用スタンパにおいて、
前記転写制御部は、前記被転写基板に対する前記微細構造形成層の角度補正機構及び位置制御機構並びに前記樹脂薄膜を硬化させる露光機構を有することを特徴とする微細構造転写用スタンパ。 - 請求項15に記載の微細構造転写用スタンパにおいて、
前記微細構造形成層の前記位置制御機構は、粗調位置制御機構と微調位置制御機構とをそれぞれ独立して備えることを特徴とする微細構造転写用スタンパ。 - 請求項16に記載の微細構造転写用スタンパにおいて、
前記マルチヘッドの前記スタンパのそれぞれは、前記支持部材側から前記粗調位置制御機構、前記微調位置制御機構及び前記微細構造形成層の順番で有することを特徴とする微細構造転写用スタンパ。 - 請求項11に記載の微細構造転写用スタンパにおいて、
前記マルチヘッドの前記スタンパのそれぞれは、アライメント機構を有することを特徴とする微細構造転写用スタンパ。 - 請求項11に記載の微細構造転写用スタンパにおいて、
前記支持部材の位置を制御する支持部材駆動機構を有することを特徴とする微細構造転写用スタンパ。
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