JP2012251256A - 人工毛髪用繊維、人工毛髪、及び頭髪製品 - Google Patents
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Abstract
【課題】触感、櫛通性、難燃性に優れた人工毛髪を提供する。
【解決手段】合成繊維の表面に触感性付与剤(D)を含む処理剤(C)が塗布されることで、触感性が向上する。合成繊維用の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し難燃剤(B)が3〜30質量部添加され、更に、処理剤(C)も難燃油剤(E)を含むので、全体としての難燃性が極めて高い。従って、触感だけでなく、難燃性にも優れた人工毛髪用繊維、及び頭髪製品が得られる。
【選択図】なし
【解決手段】合成繊維の表面に触感性付与剤(D)を含む処理剤(C)が塗布されることで、触感性が向上する。合成繊維用の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し難燃剤(B)が3〜30質量部添加され、更に、処理剤(C)も難燃油剤(E)を含むので、全体としての難燃性が極めて高い。従って、触感だけでなく、難燃性にも優れた人工毛髪用繊維、及び頭髪製品が得られる。
【選択図】なし
Description
本発明は人工毛髪に適した人工毛髪用の繊維に関する。
従来、かつらやヘアウィッグ等の頭髪製品には、合成繊維製の人工毛髪が用いられてきた。人工毛髪は人毛よりも安価であるが、触感、光沢等が人毛と比べて不自然であり、人工毛髪をいかに人毛に近づけるかが課題であった。
また、頭髪製品を製造する工程で、数十cmの金属棒を数cmの間隔で立設させた金属ブラシに人工毛髪の束を落とし、束を金属ブラシから引き抜くことで、人工毛髪の毛の流れを整えるハックリング(櫛通し)と呼ばれる作業があるが、人工毛髪が金属ブラシにひっかかり、ダメージを受けることがあり、生産性の観点から問題となっていた。
人工毛髪の触感や櫛通性を向上させる方法としては、合成繊維を処理剤で処理する方法が知られている。処理剤としては、例えば、アミノシリコーンや流動パラフィンのような油剤を含有するものが公知である(下記特許文献1、2を参照)。
しかし、油剤の中には難燃性に劣るものがあり、処理剤の塗布により、人工毛髪の難燃性が低下するという問題があった。
そこで、本発明は、櫛通性や触感だけでなく、難燃性も高い人工毛髪用繊維を提供することを主目的とする。
本発明は人工毛髪用繊維及び人工毛髪用繊維を用いた製品を提供するものであり、人工毛髪用繊維は、熱可塑性樹脂(A)と難燃剤(B)とを含む樹脂組成物が紡糸された合成繊維に、処理剤(C)が塗布されたものである。熱可塑性樹脂(A)は、ポリアミドと、ポリエステルと、ポリオレフィンとからなる群より選択されるいずれか1種以上の樹脂からなり、難燃剤(B)は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し3〜30質量部添加され、処理剤(C)は、触感性付与剤(D)と難燃油剤(E)とを含むものを用いる。
難燃剤(B)は、臭素系難燃剤とリン系難燃剤のいずれか一方又は両方からなるものが適している。
触感性付与剤(D)と難燃油剤(E)は液状であって、イオン性が同極性、又は少なくとも一方がノニオン性のものを用い、触感性付与剤(D)がアミノシリコーンを含み、更に、ポリオキシアルキレンポリオールが添加されたものがより望ましい。
また、難燃油剤(E)は、臭素系難燃剤とリン系難燃剤のいずれか一方又は両方からなるものを用いることが望ましい。
上記人工毛髪用繊維を用いて人工毛髪とし、更に、その人工毛髪を用いて頭髪製品を作製することもできる。
難燃剤(B)は、臭素系難燃剤とリン系難燃剤のいずれか一方又は両方からなるものが適している。
触感性付与剤(D)と難燃油剤(E)は液状であって、イオン性が同極性、又は少なくとも一方がノニオン性のものを用い、触感性付与剤(D)がアミノシリコーンを含み、更に、ポリオキシアルキレンポリオールが添加されたものがより望ましい。
また、難燃油剤(E)は、臭素系難燃剤とリン系難燃剤のいずれか一方又は両方からなるものを用いることが望ましい。
上記人工毛髪用繊維を用いて人工毛髪とし、更に、その人工毛髪を用いて頭髪製品を作製することもできる。
櫛通性、触感、難燃性に優れた人工毛髪を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明は以下に示す各実施形態に限定されるものではない。
本発明は、合成繊維に処理剤(C)を塗布した人工毛髪用繊維を提供するものである。合成繊維と処理剤(C)は、それぞれ特に限定されないが、合成繊維は熱可塑性樹脂(A)に難燃剤(B)を添加した樹脂組成物を紡糸したものが好ましく、処理剤(C)は触感性付与剤(D)と難燃性成分(E)とを含有するものが好ましい。以下に各具体例を説明する。
<熱可塑性樹脂(A)>
熱可塑性樹脂(A)は特に限定されず、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等を用いることができる。しかし、塩化ビニル樹脂等、耐熱性が低い樹脂を用いると、高温(例えば180℃以上)のアイロンを用いたカールセット等の加工で、繊維の大きな収縮が発生し、繊維の痛み、切れ等が生じる場合がある。従って、耐熱性の点では、塩化ビニル樹脂よりも、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂がより優れており、カールセット性が優れるという点でポリアミド樹脂が最も適している。
熱可塑性樹脂(A)は特に限定されず、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等を用いることができる。しかし、塩化ビニル樹脂等、耐熱性が低い樹脂を用いると、高温(例えば180℃以上)のアイロンを用いたカールセット等の加工で、繊維の大きな収縮が発生し、繊維の痛み、切れ等が生じる場合がある。従って、耐熱性の点では、塩化ビニル樹脂よりも、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂がより優れており、カールセット性が優れるという点でポリアミド樹脂が最も適している。
ポリエステル樹脂の種類は特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等があり、これらの中でも、耐熱性等の点で、ポリエチレンテレフタレートが最も適している。
ポリオレフィン樹脂の種類も特に限定されず、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリプロピレン(単独重合体、ランダム重合体、ブロック重合体を包含する)、プロピレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等から選ばれた少なくとも1種類以上を用いることができる。
ポリアミド樹脂の種類は特に限定されないが、例えばナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,6、ナイロン12、ナイロン6,10、及びナイロン6,12からなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂であるのが好ましく、特に好ましくはナイロン6,6である。ナイロン6,6を用いた場合、触感が特に良好になる。ポリアミドの重量平均分子量(Mw)は、例えば1万〜20万の範囲内のいずれかの値であり、具体的には、1万、2万、4万、6万、8万、10万、15万、20万がある。
上記の樹脂は単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いてもよいが、ポリエステル樹脂及び/又はポリアミド樹脂を熱可塑性樹脂全体の50質量%以上含有させることが望ましく、より望ましくはポリアミド樹脂を熱可塑性樹脂全体の50質量%以上含有させることである。
<難燃剤(B)>
上記熱可塑性樹脂(A)単独では難燃性に劣るので、合成繊維用の樹脂組成物には難燃剤(B)を添加することが望ましい。難燃剤(B)は少なすぎると難燃効果が発揮されず、多すぎると繊維化したときの触感が劣化するので、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対する添加量は3〜30質量部が好ましく、より好ましくは10〜20質量部である。
上記熱可塑性樹脂(A)単独では難燃性に劣るので、合成繊維用の樹脂組成物には難燃剤(B)を添加することが望ましい。難燃剤(B)は少なすぎると難燃効果が発揮されず、多すぎると繊維化したときの触感が劣化するので、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対する添加量は3〜30質量部が好ましく、より好ましくは10〜20質量部である。
難燃剤(B)としては、臭素化合物、ハロゲン化合物、リン・ハロゲン化合物、金属水酸化物・リン−チッソ化合物がある。それらの中でも、臭素系難燃剤である臭素化合物と、リン系難燃剤であるリン含有化合物のいずれか一方又は両方を用いることが好ましい。
臭素化合物としては、例えば、臭素化ポリスチレン、臭素含有リン酸エステル、臭素化ポリベンジルアクリレート、臭素化エポキシオリゴマー、臭素化エポキシ樹脂、臭素化フェノキシ樹脂、臭素化ポリカーボネートオリゴマー、テトラブロモビスフェノールA誘導体、臭素含有トリアジン化合物臭素含有イソシアヌル酸化合物があり、より好ましくは、臭素化ポリスチレンである。難燃剤(B)は1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
臭素化ポリスチレンは、ポリスチレンのベンゼン環に水素と替わって結合する臭素数が1〜5個であるものである。ポリ臭素化スチレンは、具体的には、一臭素化スチレン、二臭素化スチレン、三臭素化スチレン、四臭化スチレン及び五臭化スチレンのうちの単体又は複数種の重合体がある。
臭素含有リン酸エステルとしては、ペンタブロモトルエン、ヘキサブロモベンゼン、デカブロモジフェニル、デカブロモジフェニルエーテル、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、テトラブロモ 無水フタル酸、エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、エチレンビス(ペンタブロモフェニル)、オクタブロモトリメチルフェニルインダン、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートがある。
テトラブロモビスフェノールA誘導体としては、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(アリルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(ヒドロキシエチルエーテル)がある。臭素含有トリアジン化合物としては、トリス(トリブロモフェノキシ)トリアジンがあり、臭素含有イソシアヌル酸化合物としては、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートがある。
リン系難燃剤は、リンを含む難燃剤であり、例えば、ホスフェート系化合物、ホスホネート系化合物、ホスフィネート系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、ホスホナイト系化合物、ホスフィナイト系化合物、ホスフィン系化合物、ホスフィン酸塩などが挙げられる。このホスフィン酸塩が耐熱性に優れているため好ましい。
式(I)及び式(II)において、R1及びR2は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ直鎖状又は分岐状のC1〜C6−アルキル基、アリール基又はフェニル基を示す。R3は、直鎖状又は分岐状のC1〜C10−アルキレン基、C6〜C10−アリーレン基、C6〜C10−アルキルアリーレン基、又はC6〜C10−アリールアルキレン基を示す。Mは、カルシウム原子、マグネシウム原子、アルミニウム原子又は亜鉛原子を示す。mは2又は3であり、nは1又は3であり、xは1又は2である。
ホスフィン酸塩のさらなる具体例には、ジメチルホスフィン酸カルシウム、ジメチルホスフィン酸マグネシウム、ジメチルホスフィン酸アルミニウム、ジメチルホスフィン酸亜鉛、エチルメチルホスフィン酸カルシウム、エチルメチルホスフィン酸マグネシウム、エチルメチルホスフィン酸アルミニウム、エチルメチルホスフィン酸亜鉛、ジエチルホスフィン酸カルシウム、ジエチルホスフィン酸マグネシウム、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸亜鉛、メチル-n-プロピルホスフィン酸カルシウム、メチル-n-プロピルホスフィン酸マグネシウム、メチル-n-プロピルホスフィン酸アルミニウム、メチル-n-プロピルホスフィン酸亜鉛、メタンジ(メチルホスフィン酸)カルシウム、メタンジ(メチルホスフィン酸)マグネシウム、メタンジ(メチルホスフィン酸)アルミニウム、メタンジ(メチルホスフィン酸)亜鉛、ベンゼン-1,4-(ジメチルホスフィン酸)カルシウム、ベンゼン-1,4-(ジメチルホスフィン酸)マグネシウム、ベンゼン-1,4-(ジメチルホスフィン酸)アルミニウム、ベンゼン-1,4-(ジメチルホスフィン酸)亜鉛、メチルフェニルホスフィン酸カルシウム、メチルフェニルホスフィン酸マグネシウム、メチルフェニルホスフィン酸アルミニウム、メチルフェニルホスフィン酸亜鉛、ジフェニルホスフィン酸カルシウム、ジフェニルホスフィン酸マグネシウム、ジフェニルホスフィン酸アルミニウム、ジフェニルホスフィン酸亜鉛があり、好ましくはジメチルホスフィン酸カルシウム、ジメチルホスフィン酸アルミニウム、ジメチルホスフィン酸亜鉛、エチルメチルホスフィン酸カルシウム、エチルメチルホスフィン酸アルミニウム、エチルメチルホスフィン酸亜鉛、ジエチルホスフィン酸カルシウム、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸亜鉛であり、さらに好ましくはジエチルホスフィン酸アルミニウムである。
<その他の添加剤>
合成繊維用の樹脂組成物には、熱可塑性樹脂(A)、難燃剤(B)に加え、必要に応じて添加剤、例えば、難燃助剤、耐熱剤、光安定剤、蛍光剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料、可塑剤、潤滑剤、熱可塑性樹脂(A)以外の樹脂等を含有させることができる。顔料等の着色剤を含有させることにより、予め着色された繊維(いわゆる原着繊維)を得ることができる。
合成繊維用の樹脂組成物には、熱可塑性樹脂(A)、難燃剤(B)に加え、必要に応じて添加剤、例えば、難燃助剤、耐熱剤、光安定剤、蛍光剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料、可塑剤、潤滑剤、熱可塑性樹脂(A)以外の樹脂等を含有させることができる。顔料等の着色剤を含有させることにより、予め着色された繊維(いわゆる原着繊維)を得ることができる。
また、人工毛髪繊維の表面の凹凸形成し、その光沢を抑える目的で、有機架橋粒子、マイクロカプセル、フィラー等の微粒子を添加することもできる。
<製造工程>
以下に、合成繊維の製造工程の一例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<製造工程>
以下に、合成繊維の製造工程の一例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上述した熱可塑性樹脂(A)、難燃剤(B)に、必要に応じて添加剤を添加した樹脂組成物を、溶融混練する。溶融混練するための装置としては、種々の一般的な混練機を用いることができる。溶融混練としては、たとえば一軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどがあげられる。これらのうちでは、二軸押出機が、混練度の調整、操作の簡便性の点から好ましい。
合成繊維は、熱可塑性樹脂の種類により適正な温度条件のもと、通常の溶融紡糸法で溶融紡糸することにより製造することができる。
熱可塑性樹脂(A)としてナイロン6,6を用いた場合は、押出機、ギアポンプ、口金などの溶融紡糸装置の温度を270〜310℃として溶融紡糸し、紡出糸条を、加熱筒を通過させたのち、ガラス転移点以下に冷却し、50〜5000m/分の速度で引き取ることにより紡出糸が得られる。また、紡出糸条を冷却用の水を入れた水槽で冷却し、繊度のコントロールを行なってもよい。加熱筒の温度や長さ、冷風塔の温度や吹付量、冷却水槽の温度、冷却時間、引取速度は、吐出量及び口金の孔数によって適宜調整することができる。
溶融紡糸の際、ノズル孔が特殊形状の紡糸ノズルを用い、人工毛髪繊維の断面形状を繭型、Y型、H型、X型等の異形にすることもできる。
得られた未延伸糸は、繊維の引張強度を向上させるために熱延伸処理を行う。熱延伸処理は、未延伸糸を一旦ボビンに巻き取ってから溶融紡糸工程とは別の工程にて延伸する2工程法や、ボビンに巻き取ることなく溶融紡糸工程から連続して延伸する直接紡糸延伸法のいずれの方法によってもよい。また、熱延伸処理は、1度で目的の延伸倍率まで延伸する1段延伸法、又は2回以上の延伸によって目的の延伸倍率まで延伸する多段延伸法で行なわれる。熱延伸処理における加熱手段としては、加熱ローラ、ヒートプレート、スチームジェット装置、温水槽などを使用することができ、これらを適宜併用することもできる。
合成繊維は、繊度30〜80dtex、好ましくは35〜75dtexが、人工毛髪の用途に適している。
<処理剤(C)>
処理剤(C)は室温で液状であって、触感性付与剤(D)と、難燃油剤(E)とを有し、繊維の触感や櫛通性等を改善する。各成分についてより詳細に説明する。
処理剤(C)は室温で液状であって、触感性付与剤(D)と、難燃油剤(E)とを有し、繊維の触感や櫛通性等を改善する。各成分についてより詳細に説明する。
<触感性付与剤(D)>
触感性付与剤(D)は、人工毛髪の触感、櫛通性、帯電防止性等を改善する目的で添加される。その種類は特に限定されず、シリコーン、ポリアルキレングリコール、アルキルアルコール、流動パラフィン等を用いることができるが、これらの中でもシリコーンが好ましい。シリコーンとしては、ジメチルシリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、アミノシリコーン及びこれらの混合物等を用いることができるが、これらの中でも特にアミノシリコーンが、特に適している。
触感性付与剤(D)は、人工毛髪の触感、櫛通性、帯電防止性等を改善する目的で添加される。その種類は特に限定されず、シリコーン、ポリアルキレングリコール、アルキルアルコール、流動パラフィン等を用いることができるが、これらの中でもシリコーンが好ましい。シリコーンとしては、ジメチルシリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、アミノシリコーン及びこれらの混合物等を用いることができるが、これらの中でも特にアミノシリコーンが、特に適している。
アミノシリコーンは、触感性付与剤(D)として処理剤(C)にそのまま添加してもよいが、分散性の観点からは、分散溶媒(例えば水)に分散させたエマルジョンの状態で添加することがより好ましい。
エマルジョンは、分散溶媒(水)にアミノシリコーンが分散した水中油滴型(O/W)でもよいし、アミノシリコーンに分散溶媒(水)が分散した油中水滴型(W/O)でもよいが、難燃油剤(E)との親和性を考慮すると、水中油滴型が好ましい。また、エマルジョンに、界面活性剤や分散剤等を添加すれば、アミノシリコーンの分散性がより向上する。
アミノシリコーンは、室温で液状(オイル状)、粒子状(パウダー状)のいずれを用いることができる。オイル状のアミノシリコーンを用いる場合は、アミノシリコーンを、必要に応じて界面活性剤や他の添加剤と一緒に分散溶媒に分散させてエマルジョンとする。
パウダー状のアミノシリコーンを用いる場合は、必要に応じて界面活性剤や他の添加剤と一緒に、分散溶媒に直接分散させてエマルジョンとすることができる。更には、パウダー状のアミノシリコーンを、シリコーンオイル中に分散後、分散溶媒に分散させてエマルジョンとすることもできる。
アミノシリコーンは、ジメチルポリシロキサンのメチル基の一部が置換されたものであって、置換基のうち、いずれか1以上がアミノ基からなる。置換基の結合位置は特に限定されず、例えば、両末端置換型アミノシリコーン、側鎖置換型アミノシリコーン、片末端置換型アミノシリコーン、側差両末端置換型アミノシリコーン、側差片末端置換型アミノシリコーン等用いることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
アミノ基の種類も特に限定されず、モノアミン(−RNH2)、ジアミン(−RNHR'NH2)等がある。アミノ基中のR、R'は特に限定されないが、例えば炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基等である。また、アミノ基をアミド化したもの、アミノ基にプロピレングリコール基等を付加したもの等。変性アミノ基であってもよい。
アミノシリコーンの添加量は特に限定されないが、添加量が多すぎるとべたつきが酷く、逆に少なすぎると滑り性や櫛通性が劣るので、アミノシリコーンの量(不揮発分)が処理剤(C)全体の0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%になるよう、アミノシリコーン又はそのエマルジョンを添加することが望ましい。
<その他の油剤>
触感性付与剤(D)にはアミノ変性シリコーンを単独で用いてもよいが、他の油剤成分と一緒に用いることもできる。他の油剤成分としては、例えば、ポリオール類にアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)が重合したポリオキシアルキレンポリオールが好ましく、特に、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドが共重合したジオールがより好ましい。ポリアルキレンポリオールは、合成繊維に平滑性、柔軟性、濡れたようなしっとり感を付与し、帯電防止性も向上させる。
触感性付与剤(D)にはアミノ変性シリコーンを単独で用いてもよいが、他の油剤成分と一緒に用いることもできる。他の油剤成分としては、例えば、ポリオール類にアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)が重合したポリオキシアルキレンポリオールが好ましく、特に、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドが共重合したジオールがより好ましい。ポリアルキレンポリオールは、合成繊維に平滑性、柔軟性、濡れたようなしっとり感を付与し、帯電防止性も向上させる。
触感性付与剤(D)だけで処理剤(C)を構成してもよいが、触感性付与剤(D)の難燃性を高めるために、難燃油剤(E)との併用が好ましい。触感性付与剤(D)と難燃油剤(E)の併用により、処理剤(C)全体の難燃性が向上し、触感性付与剤(D)が難燃性の高いものに限定されず、目的に合わせてその種類を自由に選択できる。
<難燃油剤(E)>
難燃油剤(E)は、触感性付与剤(D)との分散性を考慮すると液状のものが好ましい。難燃油剤(E)としては、液状の難燃剤又は、難燃剤を分散溶媒に溶解・分散させたものを単独又は混合して用いる。
難燃油剤(E)は、触感性付与剤(D)との分散性を考慮すると液状のものが好ましい。難燃油剤(E)としては、液状の難燃剤又は、難燃剤を分散溶媒に溶解・分散させたものを単独又は混合して用いる。
触感性付与剤(D)と難燃油剤(E)をエマルジョン化するためには、界面活性剤等の使用が好ましいが、触感性付与剤(D)と難燃油剤(E)のうち一方がアニオン性、他方がカチオン性であると、触感性付与剤(D)と難燃油剤(E)を混合した時に、分離や沈殿が生じる恐れがある。
従って、触感性付与剤(D)と難燃油剤(E)のうち、少なくとも一方をノニオン(非イオン性)にするか、触感性付与剤(D)と難燃油剤(E)の両方がイオン性の場合は、極性が同じになるよう、界面活性剤、分散溶媒等の選択に留意すべきである。
すなわち、触感性付与剤(D)と難燃油剤(E)の極性組合せは、ノニオン性とノニオン性、ノニオン性とカチオン性、ノニオン性とアニオン性、アニオン性とアニオン性、カチオン性とカチオン性が好ましい。
難燃油剤(E)の種類は特に限定されず、臭素化合物、ハロゲン化合物、リン・ハロゲン化合物、金属水酸化物・リン−チッソ化合物等及びそれらのエマルジョンを広く用いることができるが、それらの中でも、臭素系難燃剤とリン系難燃剤のいずれか一方又は両方を用いることが好ましい。
難燃油剤(E)に用いる臭素系難燃剤、リン系難燃剤の種類は特に限定されず、上記難燃剤(B)と同様のものを用いることができる。しかし、難燃油剤(E)は難燃性だけではなく、触感性付与剤(D)との分散性、合成繊維への塗布性も必要なので、室温で液状のものか、分散溶媒に対する溶解性、分散性に優れたものが好ましい。
溶解性、分散性の点で、難燃油剤(E)は、低分子のものが好ましい。具体的には、縮合リン酸カルバメート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、リン酸グアニジン、スルファミン酸グアニジン等である。これらは一種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
溶解性、分散性に優れる難燃油剤(E)は、処理剤(C)には適していても、熱可塑性樹脂(A)等と混練したときの紡糸性が悪く、合成繊維用の樹脂組成物には適さないものがある。すなわち、合成繊維の配合に適する難燃剤(B)、不適な難燃油剤(E)の両方を人工毛髪繊維に用いることが可能であり、使用可能な難燃剤(難燃油剤)の種類が多様化し、多用な難燃剤の中から選択して、人工毛髪用繊維の特性を向上させることができる。
しかも、難燃油剤(E)の使用により、合成繊維中の難燃剤(B)の量を減らしても、難燃性を維持することができるので、人工毛髪の触感、柔軟性、光沢等の目的に合わせ、合成繊維中の難燃剤(B)の量を自由に変更することができる。
<分散溶媒>
液状の触感性付与剤(D)と液状の難燃油剤(E)とを混合した後、更に、分散溶媒を添加して、粘度等を調整し、処理液(C)の塗布性等を向上させることができる。触感性付与剤(D)、難燃油剤(E)、及び粘度調整用に用いる分散溶媒としては、それぞれ異なる種類の溶媒を用いてもよいが、主成分を同じとする溶媒を用いることが親和性の観点から望ましい。
液状の触感性付与剤(D)と液状の難燃油剤(E)とを混合した後、更に、分散溶媒を添加して、粘度等を調整し、処理液(C)の塗布性等を向上させることができる。触感性付与剤(D)、難燃油剤(E)、及び粘度調整用に用いる分散溶媒としては、それぞれ異なる種類の溶媒を用いてもよいが、主成分を同じとする溶媒を用いることが親和性の観点から望ましい。
安全性、取扱い性を考慮すると、水を主成分とするものが望ましく、必要に応じて分散剤、界面活性剤等の添加剤を添加することができる。なお、主成分とは、50質量%以上を占める成分のことである。分散溶媒の使用量は、塗布条件等により適宜変更されるが、処理剤(C)全体の50質量%以上とすることが望ましい。
<その他の添加剤>
処理剤(C)には、触感性付与剤(D)、難燃油剤(E)、分散溶媒だけではなく、着色剤、結着剤、樹脂粒子、酸化防止剤、老化防止剤、着色剤、pH調整剤、香料、帯電防止剤、消泡剤等の添加剤を添加することもできる。
処理剤(C)には、触感性付与剤(D)、難燃油剤(E)、分散溶媒だけではなく、着色剤、結着剤、樹脂粒子、酸化防止剤、老化防止剤、着色剤、pH調整剤、香料、帯電防止剤、消泡剤等の添加剤を添加することもできる。
<塗布方法>
上記処理剤(C)の塗布は、合成繊維を頭髪製品に加工する前、加工する途中、又は加工後のいずれの段階で行ってもよいが、頭髪製品へ加工する前の塗布が、作業性、均一塗布性等の点でより適している。
上記処理剤(C)の塗布は、合成繊維を頭髪製品に加工する前、加工する途中、又は加工後のいずれの段階で行ってもよいが、頭髪製品へ加工する前の塗布が、作業性、均一塗布性等の点でより適している。
塗布方法は特に限定されず、例えば、処理剤(C)を付着させたロールを合成繊維に巻き付ける方法、処理剤(C)を貯めた液体槽に合成繊維を浸す方法、刷毛で処理剤(C)を合成繊維に塗布する方法、処理剤(C)を噴霧して合成繊維に付着させる方法等がある。
処理剤(C)を合成繊維に塗布後、必要であれば、ニップローラー等で所定の付着量になるよう脱液を行い、乾燥して人工毛髪とする。乾燥方法は特に限定されず、加熱乾燥機内に設置する方法、温風に曝す方法、自然乾燥等がある。
合成繊維に処理剤(C)を塗布した人工毛髪用繊維は、単独で人工毛髪として使用してもよいし、人毛や他の人工毛髪を混合したものを人工毛髪として使用することもできる。これら人工毛髪は、ウィッグ(かつら)、ヘアピース、ブレード、エクステンンョンヘアー、人形の頭髪等の種々の頭髪製品に用いることができる。また、頭髪製品以外にも付け髭、付け睫毛、付け眉毛等に用いることもできる。
実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
熱可塑性樹脂(A)及び難燃剤(B)を、個々に水分量1500ppm以下となるように乾燥させた。乾燥した各材料を混合し、その混合物を280℃の温度にて溶融混練してからペレット状に成型した。溶融混練及びペレット成型は、二軸押出機を用いた。
ペレットを、再度、水分量が1500ppm以下となるように乾燥した後、溶融紡糸機にて未延伸の糸状に成形し、未延伸の糸を4倍に延伸させて、合成繊維を製造した。
触感性付与剤(D)と難燃油剤(E)を混合した処理剤(C)を、上記合成繊維に塗布、乾燥し、実施例1〜6、比較例1〜5の人工毛髪用繊維を得た。熱可塑性樹脂(A)、難燃剤(B)、触感性付与剤(D)、難燃油剤(E)の配合(質量部)を、合成繊維の単位繊度とともに、下記表1に記載する。
なお、上記表中のポリエチレンテレフタレートは、三菱化学株式会社製の「BK−6180」、ポリアミド6,6はデュポン株式会社製の「ザイテル42A」、臭素化ポリスチレン系難燃剤はアルベマール日本株式会社製の「HP−7010」、臭素化エポキシ系難燃剤は阪本薬品工業株式会社製の「SR−T20000」、アミノシリコーンは東レ・ダウコーニング株式会社製の「FZ−4634EX」、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合ジオールは吉村油化学株式会社製の「IBY−2」、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートは第一工業製薬株式会社製の「M−2937」、リン酸グアニジンは株式会社三和ケミカルの「アピノン307」、縮合リン酸カルバメートは第一工業製薬株式会社製の「ピロガードF−400M」である。
「FZ−4634EX」はアミノシリコーン量(不揮発分)43質量%の水分散エマルジョンである。「FZ−4634EX」と「IBY−2」はノニオン性で、触感性付与剤(D)全体がノニオン性である。「M−2937」、「アピノン307」、「ピロガードF−400M」はそれぞれ分散溶媒を水とする水溶液又はエマルジョンであって、難燃油剤(E)全体がアニオン性である。
実施例1〜6、比較例1〜5の人工毛髪を用い、「滑り触感」、「櫛通性」、「帯電防止性」、「難燃性」の評価試験を行った。試験条件は下記の通りである。評価結果は上記表1に記載した。
<滑り触感>
「触感」は人工毛髪に触れたときの感触であり、人工毛髪用繊維処理技術者(実務経験5年以上)10人の判定により、触感の判定を行った。「滑り触感」は、技術者全員が、手触りが滑らかで触感が良いと評価しものを「○」、8人又は9人の技術者が、手触りが滑らかで触感が良いと評価したものを「△」、7人以下の技術者が、手触りが滑らかで触感が良いと評価したものを「×」とした。
「触感」は人工毛髪に触れたときの感触であり、人工毛髪用繊維処理技術者(実務経験5年以上)10人の判定により、触感の判定を行った。「滑り触感」は、技術者全員が、手触りが滑らかで触感が良いと評価しものを「○」、8人又は9人の技術者が、手触りが滑らかで触感が良いと評価したものを「△」、7人以下の技術者が、手触りが滑らかで触感が良いと評価したものを「×」とした。
<櫛通性>
人工毛髪を金属ブラシで10回ハックリングした後、金属ブラシに引っかかって切れた人工毛髪の重量を測定した。切れた繊維の重量%が低いほど、繊維のひっかかりが少なく、ハックリング性が良好である事を表しており、切れた繊維が0.5質量%未満を「○」、切れた繊維が0.5質量%以上1.0質量%未満を「△」、切れた繊維が1.0質量%以上を「×」として評価した。
人工毛髪を金属ブラシで10回ハックリングした後、金属ブラシに引っかかって切れた人工毛髪の重量を測定した。切れた繊維の重量%が低いほど、繊維のひっかかりが少なく、ハックリング性が良好である事を表しており、切れた繊維が0.5質量%未満を「○」、切れた繊維が0.5質量%以上1.0質量%未満を「△」、切れた繊維が1.0質量%以上を「×」として評価した。
<帯電防止性>
JIS L 1094に準拠して摩擦帯電圧を測定し、−15V以上0以下を「○」、−15V未満を「×」として評価した。
JIS L 1094に準拠して摩擦帯電圧を測定し、−15V以上0以下を「○」、−15V未満を「×」として評価した。
<難燃性>
難燃性は、「自己消化性」と「耐ドリップ性」について試験を行った。「自己消化性」は、人工毛髪用繊維を長さ20cm、総重量1.0グラムに調整して繊維束を形成し、この繊維束の一端を固定して垂直に垂らし、下端に高さ30mmの炎を3秒間接触させる燃焼試験を行い、繊維束から炎を外した時からの延焼時間で評価した。延焼時間は、測定試料3個の平均値である。
◎:延焼時間が0秒
○:延焼時間が3秒未満
△:延焼時間が3秒以上10秒未満
×:延焼時間が10秒以上
難燃性は、「自己消化性」と「耐ドリップ性」について試験を行った。「自己消化性」は、人工毛髪用繊維を長さ20cm、総重量1.0グラムに調整して繊維束を形成し、この繊維束の一端を固定して垂直に垂らし、下端に高さ30mmの炎を3秒間接触させる燃焼試験を行い、繊維束から炎を外した時からの延焼時間で評価した。延焼時間は、測定試料3個の平均値である。
◎:延焼時間が0秒
○:延焼時間が3秒未満
△:延焼時間が3秒以上10秒未満
×:延焼時間が10秒以上
「耐ドリップ性」は、人工毛髪用繊維を250mmの長さに切り、2.0gを束ね、一方の端をクランプで挟んでスタンドに固定して垂直に垂らし、固定したフィラメントに30mmの炎を2秒間接炎して燃焼させ、消火するまでに発生したドリップ(溶融物の滴)数を数え評価した。
◎:ドリップ数が0
○:ドリップ数が5以下
△:ドリップ数が6〜10
×:ドリップ数が11以上
◎:ドリップ数が0
○:ドリップ数が5以下
△:ドリップ数が6〜10
×:ドリップ数が11以上
<評価結果>
上記表から明らかなように、合成繊維に難燃剤(B)を配合し、かつ、処理剤(C)に触感性付与剤(D)と難燃油剤(E)を配合した実施例1〜6は、触感、櫛通性、帯電防止性だけではなく、難燃性も高いことが確認された。
上記表から明らかなように、合成繊維に難燃剤(B)を配合し、かつ、処理剤(C)に触感性付与剤(D)と難燃油剤(E)を配合した実施例1〜6は、触感、櫛通性、帯電防止性だけではなく、難燃性も高いことが確認された。
特に、難燃剤(B)に臭素化ポリスチレンを用いた実施例1〜3は、他の難燃剤を用いた場合と比較して難燃性が高く、また、難燃油剤(E)に臭素含有イソシアヌル酸化合物を用いた実施例1、4は、他の難燃油剤を用いた場合に比べて難燃性が高かった。
本発明による人工毛髪用繊維の用途は特に限定されず、ウィッグ、ヘアピース、ブレード、エクステンンョンヘアー等の頭髪装飾用、または人形の頭髪(ドールヘア)用等の種々の頭髪製品に用いることができる。
Claims (8)
- 熱可塑性樹脂(A)と難燃剤(B)とを含む樹脂組成物が紡糸された合成繊維に、処理剤(C)が塗布され、
熱可塑性樹脂(A)は、ポリアミドと、ポリエステルと、ポリオレフィンとからなる群より選択されるいずれか1種以上の樹脂からなり、
難燃剤(B)は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し3〜30質量部添加され、
処理剤(C)は、触感性付与剤(D)と難燃油剤(E)とを含む人工毛髪用繊維。 - 難燃剤(B)は、臭素系難燃剤とリン系難燃剤のいずれか一方又は両方からなる請求項1記載の人工毛髪用繊維。
- 触感性付与剤(D)と難燃油剤(E)は液状であって、イオン性が同極性、又は少なくとも一方がノニオン性である請求項1又は請求項2のいずれか一項記載の人工毛髪用繊維。
- 触感性付与剤(D)は、アミノシリコーンを含む請求項1〜3のいずれか一項記載の人工毛髪用繊維。
- 触感性付与剤(D)にポリオキシアルキレンポリオールが添加された請求項4記載の人工毛髪用繊維。
- 難燃油剤(E)は、臭素系難燃剤とリン系難燃剤のいずれか一方又は両方からなる請求項1〜5のいずれか一項記載の人工毛髪用繊維。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載の人工毛髪用繊維を用いた人工毛髪。
- 請求項7記載の人工毛髪を用いた頭髪製品。
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