JP2005508400A - 混合界面活性剤システム - Google Patents
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Abstract
本発明は混合界面活性剤システムに関し、より詳しくは、陰イオン性界面活性剤を含む界面活性剤システムに少なくとも1種以上の非イオン基または陽イオン基を含む構造の化合物を含んで、陰イオン性界面活性剤の洗浄力を向上させ、硬水安定性を向上させ、表面張力及びcmcを低下させるだけでなく、共に添加される非イオン性界面活性剤及び陽イオン性界面活性剤の混合比によって、初期気泡度及び気泡維持力を調節することができるので、固体、液体、ゲル状、またはペースト状の洗浄剤に使用するのに適した混合界面活性剤システムに関する。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄力、気泡力、硬水安定性、表面張力などの界面物性を調節することで優れた性能を示す、混合界面活性剤システムに関する。
【背景技術】
【0002】
陰イオン性、陽イオン性、非イオン性および両性界面活性剤を含む全ての界面活性剤は、臨界ミセル濃度(critical micelle concentration、以下、‘cmc’と言う)未満の濃度では単一分子として存在し、cmc以上の濃度ではミセルを形成して各々の化合物に応じて独特な界面活性力を示すことが分かっている。
【0003】
しかし、1種類の界面活性剤が示す界面活性力が全ての点において優れているわけではないため、これを克服するための研究が進められている。最初に、同じイオン性を有する界面活性剤を混合する研究が行われ、その後、イオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤とを混合する研究が多く行われた。しかし、異なるイオン性を有する界面活性剤を混合する研究は現在までそれほど多くは行われていない。その理由は、異なるイオン性の界面活性剤は混合されると電気的に中性になり、生成した化合物は水に溶解せずに沈殿することが知られているからである。
【0004】
一般に、イオン性が異なる陰イオン性界面活性剤と陽イオン性界面活性剤とを水溶液に同時に溶解させると、次のように3種類の状態で存在するとされている。第1は、陰イオン性界面活性剤と陽イオン性界面活性剤が遊離した単一体としてそれぞれが独立して存在し、第2は、陰イオン性界面活性剤と陽イオン性界面活性剤とが複合体を形成して沈殿し、第3は、陰イオン性界面活性剤と陽イオン性界面活性剤とが混合ミセルを形成して水溶液に溶解する状態である。陰イオン性界面活性剤と陽イオン性界面活性剤とが結合して生成した複合体は、疑似-非イオン性複合界面活性剤(pseudo-nonionic complex surfactant)と呼ばれており、このような中性複合体は、非イオン性界面活性剤よりも多くの親水基をもつので、水に対してより高い溶解度を示しうるということが知られている。したがって、界面活性剤の3種類の存在状態は陰イオン性界面活性剤及び陽イオン性界面活性剤の構造と濃度とによって大きな影響を受ける。このように陰イオン性界面活性剤と陽イオン性界面活性剤とを混合して混合界面活性剤システムを構築する場合に発生する可能性のある沈殿現象の防止、状態安定性の向上および物性の向上のために、非イオン性界面活性剤を混合することが知られている。特に、親水基としてアミンオキシド、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドが加えられた非イオン性界面活性剤の場合、多様な界面活性力(例えば、可溶性、洗浄力、乳化力、分散力、表面張力低下能力、低いcmc値など)で優れた効果が得られ、混合界面活性剤の状態安定性が向上するということが報告されている(surfactant science series vol.46、mixed surfactant systems)。
【0005】
そして、最近、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤を一定の比率で混合することによって製品の性能を向上させることを目的とする特許が公開された。
【0006】
米国特許第5,798,329号は、濃縮形態や一般形態で優れた性能を示す洗剤処方に関する方法を開示している。ここで、優れた性能というのは、優れた気泡力、十分な洗浄力と抗菌力を意味する。前記方法では、アルキルエーテルカルボキシレートまたはアルキルエーテルスルフェートの中から選択された1種以上の陰イオン性界面活性剤を約1〜40重量%用い、アルコールアルコキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、アルキルポリグリコシド、アミンオキシド、アルカノールアミドの中から選択された1種以上の非イオン性界面活性剤を約3〜50重量%用い、4級アンモニウム構造を含む1種以上の陽イオン性界面活性剤を約1〜25重量%用いて、洗浄能力を向上させようとした。前記方法で用いられる陽イオン性界面活性剤は一般に広く用いられている4級アンモニウム化合物であり、非イオン性界面活性剤もやはり現在販売されている汎用の界面活性剤である。
【0007】
米国特許第4,576,729号は、非イオン性、陰イオン性および陽イオン性界面活性剤を2:4:1〜3.5:5:1の比率で混合することで、状態安定性の優れた液体洗剤を製造する方法を開示している。
【0008】
米国特許第5,230,823号は、ゲル状の食器洗い洗剤に関する方法で、陰イオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との混合方法を開示している。前記方法では気泡増加剤として特定の種類の4級アンモニウム界面活性剤が組成物中に含まれている。
【0009】
しかし、前記方法は、洗浄力が優れていると主張しているが、硬水安定性、気泡力、表面張力など他の物性については言及していない。また、前記方法で使用した非イオン性界面活性剤は、特定の性能の向上を目的として使ったわけではないし、むしろ、汎用の化合物を組み合わせて機能性のある混合比を得る方法を開示したに過ぎない。
【0010】
また、大韓民国特許公開第2000-10944号は、織物の洗浄力を向上させるための、ポリアミン汚物分散剤と混合されたC12〜C14のアルキル基を含むジメチルヒドロキシエチル4級アンモニウム界面活性剤を含む、洗濯用洗剤組成物を開示している。しかし、前記方法で用いられた4級アンモニウム界面活性剤は、アルキル基の長さがC12〜C14に固定されており、陽イオン性界面活性剤の役割がポリアミンの性能を向上させて単に合成織物(例えば、ポリエステル)の洗濯時に汚物の除去能力を向上させることに限定されており、これを含む洗剤組成物に関する内容のみが開示されている。
【0011】
また、米国特許第6,022,844号は、従来の洗剤処方に陽イオン性界面活性剤を添加することによって、オイルの除去能力が向上し、同時に香りが長く維持され、色落ち現象を防止する効果を得たと開示している。しかしながら、前記方法の場合、単純に陽イオン性界面活性剤が約0.1〜3%程度混合されて用いられたという内容のみを開示しており、物性調節のために新規化合物を適用してはいない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、前記従来の技術の問題点を考慮して、陰イオン性界面活性剤、または陰イオン性界面活性剤と陽イオン性界面活性剤との混合系の物性を向上させることができる新たな構造の化合物を提供することを目的とする。
【0013】
本発明は、また、前記化合物を利用して陰イオン性界面活性剤のみを用いた場合より非常に優れた性能を示す混合界面活性剤システムを提供することを目的とする。
本発明は、また、洗浄力、初期気泡力、硬水安定性、表面張力、cmc、保湿力、気泡維持力などの界面活性力が非常に優れた界面活性剤システムを提供することを目的とする。
【0014】
本発明は、また、前記界面活性剤システムを含み、従来の製品より優れた性能を示す固体、液体、ゲル状、またはペースト状の洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、前記目的を達成するために、界面活性剤システムにおいて、a)陰イオン性界面活性剤;b)下記の化学式1で示される陽イオン性化合物;及びc)非イオン性界面活性剤;を含むことを特徴とする、界面活性剤システムを提供する。
【0016】
【化1】
【0017】
前記化学式1で、
R1、R2、R3、及びR4は各々独立的または同時にC1〜C20の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、またはエチレンオキシド基、またはプロピレンオキシド基が1乃至20個付加されたヒドロキシエチル基であり;
Xはハロゲン族元素、スルフェート基、またはアセテート基である。
【0018】
また、本発明は、界面活性剤システムにおいて、a)陰イオン性界面活性剤;及びb)下記の化学式2で示される陽イオン性化合物;を含むことを特徴とする、界面活性剤システムを提供する。
【0019】
【化2】
【0020】
前記化学式2で、
R1、R2、R3、及びR5は各々独立的または同時にC1〜C20の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、またはエチレンオキシド基、またはプロピレンオキシド基が1乃至20個付加されたヒドロキシエチル基であり;R4はC1〜C20のアルキル基、エチレンオキシド基、またはプロピレンオキシド基が1〜10個付加されたアルキル基、またはヒドロキシル基が1個以上結合されたアルキル基であり;nは1乃至20の整数であり;Xはハロゲン族元素、スルフェート基、またはアセテート基である。
【0021】
また、本発明は、界面活性剤システムにおいて、a)陰イオン性界面活性剤;及びb)下記の化学式4で示される化合物;を含むことを特徴とする、界面活性剤システムを提供する。
【0022】
【化3】
【0023】
前記化学式4で、
R1、R2、R3、及びR4は各々独立的または同時に炭素数1〜20個の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、エチレンオキシド基、またはプロピレンオキシド基が1〜20個付加されたヒドロキシエチル基であり;R5は炭素数1〜20個のアルキル基、エチレンオキシド基、またはプロピレンオキシド基が1〜20個付加されたアルキル基、ヒドロキシル基が1個以上結合されたアルキル基、二重結合が少なくとも1個以上含まれたアルキル基、またはエーテル基が少なくとも1個以上含まれたアルキル基であり;A1及びA2は各々独立的または同時に炭素数1〜20個の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、エチレンオキシド基、またはプロピレンオキシド基が1〜20個付加されたヒドロキシエチル基、または酸素陰イオン(O-)であり;nは0乃至20の整数であり;Xはハロゲン族元素、スルフェート基、メチルスルフェート基、またはアセテート基である。
【0024】
また、本発明は、界面活性剤システムにおいて、a)陰イオン性界面活性剤;b)前記化学式4で示される化合物;及びc)非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、またはこれらの混合物;を含むことを特徴とする、界面活性剤システムを提供する。
【0025】
また、本発明は、前述した界面活性剤システムを含む固体、液体、ゲル状、またはペースト状の洗剤組成物を提供する。
【発明の効果】
【0026】
本発明による混合界面活性剤システムは、少なくとも1種以上の非イオン基または陽イオン基を含む構造の化合物を含んで陰イオン性界面活性剤の洗浄力を向上させ、初期気泡度及び気泡維持力を調節することができ、硬水安定性を向上させ、表面張力及びcmcを低下させるので、洗濯洗剤、シャンプー、リンス、食器洗い洗剤、染毛剤、繊維柔軟剤、石鹸などのような固体、液体、ゲル状、ペースト状の洗剤に適用するのに効果的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者は、従来の技術での問題点を解決して、全ての点で優れた界面活性力(例えば、洗浄力、気泡力、硬水安定性、表面張力、cmc、保湿力、気泡維持力など)を示すようにするために、沈殿を生成しないような適切な濃度で形成した中性複合体に親水基を複数結合させて水に対する溶解度を向上させることによって沈殿を防止し、これによって陰イオン性界面活性剤の物性を調節することができる前記化学式1、化学式2、または化学式4で示される化合物を開発した。
【0028】
したがって、本発明は、従来の陰イオン性界面活性剤の物性を向上し、優れた性能を示すことができるように、前記化学式1、化学式2、または化学式4で示される化合物を特定の比率で含む界面活性剤システムを提供する。
【0029】
本発明では、前記化学式1、化学式2、または化学式4の化合物を用いることによって、所望の物性を調節することができ、少量を混合しても優れた性能が得られる。また、本発明は汚物の除去能力をさらに向上させるために、ゲミニ構造の化学式4の陽イオン性化合物を製造して添加剤として用いることによって、所望の物性を向上または調節することができる。
【0030】
本発明で用いる前記陽イオン性化合物と類似した構造について、 R. Zana (Journal of Colloid and Interface Science, 1998, 199, 169) および R. Rosen (Journal of Colloid and Interface Science, 1996, 179, 261; Journal of Colloid and Interface Science, 1996, 179, 454)によって発表されている。しかしながら、これらの文献に発表された化合物は、新規陽イオン性界面活性剤として合成されて化合物固有の物性が測定されたもので、本発明の目的である陰イオン性界面活性剤と混合して優れた界面活性力を示す界面活性剤システムに関する研究は行なわれていない。さらに、前記文献で発表された化合物は、分子内に親水基が少ないため、本発明のように陰イオン性界面活性剤と混合すると、沈殿物となる可能性が非常に高い。
【0031】
これに対して、本発明は、前記文献で発表された化合物の問題点を解決するために、ヒドロキシル基を分子内に導入した化学式1の化合物、または1種以上の陽イオン基とヒドロキシル基を分子内に導入した化学式2の化合物を用いて、生成する中性複合体の溶解性を向上させて優れた界面活性力を示す。
【0032】
また、本発明は、1種以上の陽イオン基またはアミンオキシド基と、親水基であるヒドロキシル基、エチレンオキシド(EO)またはプロピレンオキシド(PO)とを分子内に導入した化学式1の化合物を用いて、生成する中性複合体の溶解性を向上させて優れた界面活性力を示す。
【0033】
つまり、本発明によると、前記化学式1、化学式2または化学式4で示される化合物は、陰イオン性界面活性剤単独、陰イオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、またはこれらの混合物の洗浄力を向上させ、初期気泡度を維持しながら気泡維持力は低下させ、硬水安定性は向上させ、表面張力及びcmcは低下させる特徴がある。
【0034】
以下、このような本発明の界面活性剤システムについて、より具体的に説明する。
本発明の界面活性剤システムは、陰イオン性界面活性剤、前記化学式1の陽イオン性化合物、及び非イオン性界面活性剤を一定の比率で混合して構成される。
【0035】
本発明の界面活性剤システムにおいて、前記陰イオン性界面活性剤、前記化学式1の陽イオン性化合物、及び非イオン性界面活性剤の混合比率は、モル比で1:0.001:0.001〜1:1:1であるのが好ましい。この時、前記陰イオン性界面活性剤と前記化学式1の陽イオン性化合物とのモル比が1:0.001未満である場合には、陽イオン性化合物を混合することによる混合界面活性剤システムの物性変化が観察できず、モル比が1:1を超える場合には、経済的に有利でない。
【0036】
本発明の界面活性剤システムにおいて、前記化学式1の陽イオン性化合物は、構造内に少なくとも1種以上の親水基を含む4級アンモニウム化合物である。このような構造の前記化学式1で示される陽イオン性化合物は、水中で陰イオン性界面活性剤と結合するときに生成する中性化合物の溶解性を向上させて、優れた性能を示すことができる。
【0037】
このような前記化学式1で示される陽イオン性化合物は、本発明の目的に合う構造の3級アミンをハロゲン化アルキル化合物と塩基性条件下で加熱して4級化することにより製造することができる。
【0038】
このように得られた前記化学式1で示される陽イオン性化合物は、例えば、代表的な陽イオン基として4級アンモニウム基を1種含むmono-type化合物に製造することができ、あるいは前記mono-type化合物のヒドロキシル基に非イオン親水基としてエチレンオキシド(EO)基が付加した化合物に製造することができる。
【0039】
また、本発明の界面活性剤システムは、陰イオン性界面活性剤及び前記化学式2の陽イオン性化合物を一定の比率で混合して構成される。
本発明の界面活性剤システムにおいて、陰イオン性界面活性剤及び化学式2の陽イオン性化合物の混合比率は、モル比で1:0.0001〜1:0.5であるのが好ましい。この時、前記陰イオン性界面活性剤と前記化学式2の陽イオン性化合物のモル比が1:0.0001未満である場合には、陽イオン性化合物を混合することによる界面活性剤システムの物性変化が観察できず、モル比が1:0.5を超える場合には、経済的に有利でない。
【0040】
本発明の界面活性剤システムにおいて、前記化学式2の陽イオン性化合物は、構造内に少なくとも1種以上の陽イオン基と親水基とを含む4級アンモニウム型である。このような構造の前記化学式2で示される陽イオン性化合物は、陰イオン性界面活性剤と結合する時に、生成する中性化合物の水に対する溶解性を向上させて、優れた性能を示す。
【0041】
本発明で、陰イオン性界面活性剤と混合して優れた性能を示すための前記化学式2の陽イオン性化合物の製造方法は、次のような2種類の方法がある。
第1の方法は、i)アルカリ条件で2級アミンと化学式3で示されるリンカーとを反応させて3級アミンを製造する段階;及びii)前記i)段階で得られた3級アミンに多様な種類のハロゲン化アルキル化合物を反応させて4級化させる段階を実施して前記化学式1の陽イオン性化合物を製造する。
【0042】
また、第2の方法は、i)アルカリ条件で2級アミンと多様な種類のハロゲン化アルキル化合物とを反応させて3級アミンを製造する段階;及びii)前記i)段階で得られた3級アミンに化学式3で示されるリンカーを結合させて4級化させる段階;を実施して前記化学式1の陽イオン性化合物を製造する。
【0043】
【化4】
【0044】
前記化学式3で、nは1乃至20の整数であり;Xはハロゲン族元素、スルフェート基、またはアセテート基である。
まず、本発明の目的に合う2級アミンを多様な種類のアルキル基と塩基条件で加熱反応して3級アミンを製造した後、前記化学式3のリンカーの役割をする化合物と反応させて4級化させることができ、これに対する合成経路の例を挙げると下記反応式1の通りである。
【0045】
【化5】
【0046】
前記反応式1で、RはC1〜C20の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、または、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基が1乃至20個付加されたヒドロキシエチル基であり;nは1乃至20の整数であり;Xはハロゲン族元素、スルフェート基、またはアセテート基である。
【0047】
また、本発明の目的に合う2級アミンと前記化学式3の化合物とをアルカリ条件で反応させて3級アミンを先に製造した後、多様な種類のアルキル基と反応させて4級化させる方法を用いることもでき、これに対する合成経路の例を挙げると下記反応式2の通りである。
【0048】
【化6】
【0049】
前記反応式2で、RはC1〜C20の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、または、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基が1乃至20個付加されたヒドロキシエチル基であり;nは1乃至20の整数であり;Xはハロゲン族元素、スルフェート基、またはアセテート基である。
【0050】
前記化学式2の陽イオン性化合物のうちのビス形態は、前記反応式1または2の反応経路を通じて製造される。
また、本発明で用いる一つの分子内に陽イオン基が3個以上含まれる陽イオン性化合物は、2級アミンとエピクロルヒドリンとをアルコール溶媒で同じモル比で反応させて中間体を合成した後、この中間体を重合反応させて製造することができる。この時、重合反応の時間と温度を調節することによって、陽イオン性化合物の重合度を調節することができる。このようなオリゴマー形態の陽イオン性化合物の合成経路は下記反応式3の通りである。
【0051】
【化7】
【0052】
本発明では、所望の化合物に応じて適切な方法を選択して用いることにより、陽イオン性化合物を容易に合成することができる。このように合成された化合物はNMR及びMASS分析を利用して確認することができる。
【0053】
前記化学式2の陽イオン性化合物は、1,6-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール]ヘキサン、1,8-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール]オクタン、1,8-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール]オクタン、1,8-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール]オクタン、1,8-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール]オクタン、1,8-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール]オクタン、1,6-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(EO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(EO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(EO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(EO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(EO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(EO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(EO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(EO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(EO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(EO)4]ヘキサン、1,8-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(EO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(EO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(EO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(EO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(EO)2]オクタン、1,8-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(EO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(EO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(EO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(EO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(EO)4]オクタン、1,6-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(PO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(PO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(PO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(PO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(PO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(PO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(PO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(PO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(PO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(PO)4]ヘキサン、1,8-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(PO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(PO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(PO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(PO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(PO)2]オクタン、1,8-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(PO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(PO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(PO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(PO)4]オクタン、及び1,8-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(PO)4]オクタンからなる群より選択される化合物であるのが好ましい。
【0054】
また、本発明の界面活性剤システムは、陰イオン性界面活性剤及び前記化学式4の化合物を含んで構成される。
前記陰イオン性界面活性剤及び化学式4の化合物の混合比率は、モル比で1:0.0001〜1:1.0であるのが好ましい。この時、前記陰イオン性界面活性剤と前記化学式4の化合物とのモル比が1:0.0001未満である場合には、非イオン性化合物を混合することによる界面活性剤システムの物性変化が観察できず、モル比が1:1.0を超える場合には、経済的に有利でない。
【0055】
また、本発明の界面活性剤システムは、前記陰イオン性界面活性剤及び化学式4の化合物の混合系に非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、またはこれらの混合物を混合して、より優れた性能を示す混合界面活性剤システムを構成することができる。
【0056】
前記陰イオン性界面活性剤、化学式4の化合物、及び非イオン性界面活性剤の混合比率は、モル比で1:0.0001:0.0001〜1:1.0:0.5であるのが好ましい。
また、前記陰イオン性界面活性剤、化学式4の化合物、及び陽イオン性界面活性剤の混合比率は、モル比で1:0.0001:0.0001〜1:1.0:0.5であるのが好ましい。
【0057】
また、前記陰イオン性界面活性剤、前記化学式4の化合物、非イオン性界面活性剤、及び陽イオン性界面活性剤の混合比率は、モル比で1:0.0001:0.0001:0.0001〜1:1.0:0.5:0.5であるのが好ましい。
【0058】
また、本発明の界面活性剤システムにおいて、前記化学式4の化合物は、分子構造内に陽イオン基または陰イオン基を含み、化合物内に少なくとも1個以上の親水基を含む形態である。このような構造の前記化学式4で示される化合物は、陰イオン性界面活性剤と結合する時に、生成される混合物の水に対する溶解性を向上させて、優れた性能を示す。
【0059】
前記化学式4において、A1及びA2が酸素の陰イオンである場合は、窒素の陽イオンと酸素の陰イオンとが電荷相殺されて非イオン性化合物の性質を示す。また、前記化学式1において、A1及びA2が各々独立的または同時に炭素数1〜20個の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、または、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基が1〜20個付加したヒドロキシエチル基である場合は、陽イオン性化合物の性質を示す。
【0060】
前記化学式4の化合物において、A1及びA2に酸素の陰イオンが結合した場合、つまりアミンオキシド基を含む非イオン性化合物である場合、その製造方法としては、次のような方法がある。
【0061】
第1の方法は、a)アルカリ条件で2級アミンと下記の化学式5のリンカーとを反応させて3級アミンを製造する段階;及びb)前記a)段階で得られた3級アミンを過酸化水素と反応させる段階;を実施して、前記化学式4の非イオン性化合物を製造することができる。
【0062】
【化8】
【0063】
前記化学式5で、nは1乃至20の整数であり;Xはハロゲン族元素であり;R5は水素、または少なくとも1個以上の二重結合、ヒドロキシル基、またはエーテル基を含む炭素数1乃至20のアルキルまたはアリル基である。
【0064】
本発明は、目的に合う2級アミンと前記化学式4の化合物とをアルカリ条件で反応させて3級アミンを先に製造した後、過酸化水素と反応させてアミンオキシドを製造する方法を用いることができ、これに対する合成経路の例を挙げると下記反応式4の通りである。
【0065】
【化9】
【0066】
前記反応式4で、RはC1〜C20の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、または、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基が1乃至20個付加したヒドロキシエチル基であり;nは1乃至20の整数であり;X’はハロゲン族元素であり;R5は水素、または少なくとも1個以上の二重結合、ヒドロキシル基、またはエーテル基を含む炭素数1乃至20のアルキルまたはアリル基である。
【0067】
前記化学式4の非イオン性化合物のうちのビス形態は、前記反応式4の経路を通じて製造することができる。
また、本発明で用いる化学式4の一つの分子内にアミンオキシド基が3個以上含まれる化合物の製造方法は次の通りである。
【0068】
それは、1級アミンとエピクロルヒドリンとをアルコール溶媒で同じモル比で反応させて2級アミン中間体を合成した後、この中間体の重合反応を経て3級アミンを製造し、これを過酸化水素と反応させて製造することができる。この時、3級アミンを合成する際に、重合反応の時間と温度とを調節することにより、中間体の重合度を調節することができる。このようなオリゴマー形態の非イオン性化合物合成経路の例を挙げると下記反応式5の通りである。
【0069】
【化10】
【0070】
前記反応式5で、R1、n、及びXは前記で定義した通りである。
本発明では、所望の化合物に応じて適切な合成方法を選択して用いることにより、非イオン性化合物を容易に合成することができる。このように合成された化合物はNMR及びMASS分析を利用して確認することができる。
【0071】
前記方法で製造される化学式4の化合物のうちの非イオン性化合物は、N,N,N-ジメチルラウリルアミンオキシド、N,N,N-エチルメチルラウリルアミンオキシド、N,N,N-ジメチルドデシルアミンオキシド、N,N,N-ブチルメチルラウリルアミンオキシド、N,N,N-ジメチルヘキサデシルアミンオキシド、N,N,N-ジブチルラウリルアミンオキシド、N,N,N-(2-ヒドロキシエチルラウリルメチル)アミンオキシド、N,N,N-(ジ-2-ヒドロキシエチルラウリル)アミンオキシド、N,N,N-(2-ヒドロキシエチルラウリルブチル)アミンオキシド、N,N,N-(2-ヒドロキシ(EO)5エチルラウリルメチル)アミンオキシド、N,N,N-(2-ヒドロキシエチル(PO)5ラウリルメチル)アミンオキシド、N,N,N-(2-ヒドロキシエチル(EO)5(PO)5ラウリルメチル)アミンオキシド、N,N,N-(2-ヒドロキシエチル(EO)10ラウリルメチル)アミンオキシド、N,N,N-(2-ヒドロキシエチル(EO)15ラウリルメチル)アミンオキシド、1,6-(N,N-ブチルメチルアミンオクチル)ヘキサン、1,6-(N,N-ブチルメチルアミンオクチル)ジプロピルエーテル、1,6-(N,N-ブチルメチルアミンオクチル)-3-ヒドロキシヘキサン、1,6-(N,N-ブチルメチルアミンオクチル)ブタン、1,6-(N,N-ブチルメチルアミンオクチル)オクタン、1,6-(N,N-ブチルメチルアミンオクチル)-2-ヒドロキシプロパン、1,6-[2-(N-メチルアミンオクチル)エタノール]ヘキサン、1,6-[2-(N-メチルアミンオクチル)エタノール(EO)5]ヘキサン、1,6-[2-(N-メチルアミンオクチル)エタノール(PO)5]ヘキサン、1,6-[2-(N-メチルアミンオクチル)エタノール(EO)5(PO)5]ヘキサン、1,6-[2-(N-メチルアミンオクチル)エタノール(EO)10]ヘキサン、1,6-[2-(N-メチルアミンオクチル)エタノール]ジプロピルエーテル、1,6-[2-(N-メチルアミンオクチル)エタノール]-2-ヒドロキシプロパン、1,6-[2-(N-メチルアミンオクチル)エタノール]ブタン、及び1,6-[2-(N-メチルアミンオクチル)エタノール]オクタンからなる群より1種以上選択される化合物であるのが好ましい。
【0072】
また、本発明の界面活性剤システムにおいて、前記化学式4で示される化合物のA1及びA2が各々独立的または同時に炭素数1〜20個の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、または、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基が1〜20個付加したヒドロキシエチル基である場合は、陽イオン基を含む化合物になる。
【0073】
このような前記化学式4で示される化合物のうちの陽イオン基を含む化合物の製造方法は、前記反応式3乃至5と類似しており、次のような2種類の方法がある。
第1の方法は、a)アルカリ条件で2級アミンと炭素数1〜20個の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、または、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基が1〜20個付加したヒドロキシエチル基を含む化合物とを反応させて3級アミンを製造する段階;及びb)前記a)段階で得られた3級アミンに下記の化学式5で示される化合物を添加して4級化させる段階;を実施して、前記化学式4の陽イオン性化合物を製造することができる。
【0074】
【化11】
【0075】
前記化学式5で、nは1乃至20の整数であり;X’はハロゲン族元素であり;R5は水素、または少なくとも1個以上の二重結合、ヒドロキシル基、またはエーテル基を含む炭素数1乃至20のアルキルまたはアリル基である。
【0076】
また、選択的に、a)アルカリ条件で2級アミンと前記化学式5で示される化合物とを反応させて3級アミンを製造する段階;及びb)前記a)段階で得られた3級アミンに炭素数が1〜20個の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、または、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基が1〜20個付加したヒドロキシエチル基を含む化合物を結合させて4級化させる段階;を実施して、前記化学式4の陽イオン性化合物を製造することができる。
【0077】
まず、本発明は、目的に合う2級アミンを、炭素数が1〜20個の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、または、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基が1〜20個付加したヒドロキシエチル基を含む化合物と塩基条件で加熱反応して3級アミンを製造した後、前記化学式5のリンカーと反応させて4級化させることができ、これに対する合成経路の例を挙げると下記反応式6の通りである。
【0078】
【化12】
【0079】
前記反応式6で、RはC1〜C20の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、または、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基が1乃至20個付加したヒドロキシエチル基であり;nは1乃至20の整数であり;Xはハロゲン族元素、スルフェート基、またはアセテート基であり;X’はハロゲン族元素であり;R5は水素、または少なくとも1個以上の二重結合、ヒドロキシル基、またはエーテル基を含む炭素数1乃至20のアルキルまたはアリル基である。
【0080】
また、本発明は、目的に合う2級アミンと前記化学式5の化合物とをアルカリ条件で反応させて3級アミンを先に製造した後、炭素数が1〜20個の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、または、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基が1〜20個付加したヒドロキシエチル基を含む化合物と反応させて4級化させる方法を用いることができ、これに対する合成経路の例を挙げると下記反応式7の通りである。
【0081】
【化13】
【0082】
前記反応式7で、RはC1〜C20の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、または、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基が1乃至20個付加したヒドロキシエチル基であり;nは1乃至20の整数であり;Xはハロゲン族元素、スルフェート基、またはアセテート基であり;X’はハロゲン族元素であり;R5は水素、または少なくとも1個以上の二重結合、ヒドロキシル基、またはエーテル基を含む炭素数1乃至20のアルキルまたはアリル基である。
【0083】
前記化学式4の陽イオン性化合物のうちのビス形態は、前記反応式6または7の反応経路を通じて製造できる。
また、本発明で用いる一つの分子内に陽イオン基が3個以上含まれる陽イオン性化合物は、2級アミンとエピクロルヒドリンとをアルコール溶媒で同じモル比で反応させて中間体を合成した後、この中間体を重合反応させて製造することができる。この時、重合反応の時間と温度とを調節することにより、陽イオン性化合物の重合度を調節することができる。このようなオリゴマーまたはポリマー形態の陽イオン性化合物の合成経路は下記反応式8の通りである。
【0084】
【化14】
【0085】
前記反応式8で、R1及びR2は前記で定義した通りであり、nは1乃至20の整数である。
本発明では、所望の化合物に応じて適切な方法を選択して用いることにより、陽イオン性化合物を容易に合成することができる。このように合成された化合物はNMR及びMASS分析を利用して確認できる。
【0086】
前記化学式4の化合物のうちの陽イオン基を含む化合物は、ジメチルオクチルエタノールアンモニウム、ジメチルデシルエタノールアンモニウム、ジメチルラウリルエタノールアンモニウム、ジメチルオクチルエタノール(EO)5アンモニウム、ジメチルデシルエタノール(EO)5アンモニウム、ジメチルラウリルエタノール(EO)5アンモニウム、ジメチルオクチルエタノール(EO)10アンモニウム、ジメチルデシルエタノール(EO)10アンモニウム、ジメチルラウリルエタノール(EO)10アンモニウム、ジメチルオクチルエタノール(EO)15、ジメチルデシルエタノール(EO)15、ジメチルラウリルエタノールアンモニウム(EO)15、トリメチルオクチルアンモニウム、トリデシルラウリルアンモニウム、トリメチルラウリルアンモニウム、1,6-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール]ヘキサン、1,8-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール]オクタン、1,8-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール]オクタン、1,8-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール]オクタン、1,8-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール]オクタン、1,8-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール]オクタン、1,6-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(EO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(EO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(EO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(EO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(EO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(EO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(EO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(EO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(EO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(EO)4]ヘキサン、1,8-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(EO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(EO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(EO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(EO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(EO)2]オクタン、1,8-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(EO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(EO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(EO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(EO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(EO)4]オクタン、1,6-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(PO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(PO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(PO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(PO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(PO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(PO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(PO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(PO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(PO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(PO)4]ヘキサン、1,8-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(PO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(PO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(PO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(PO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(PO)2]オクタン、1,8-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(PO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(PO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(PO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(PO)4]オクタン、及び1,8-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(PO)4]オクタンからなる群より1種以上選択される化合物であるのが好ましい。
【0087】
また、本発明の界面活性剤システムにおいて、陰イオン性界面活性剤は、前記化学式1、化学式2、または化学式4の化合物と混合されて状態安定性の優れた混合系を製造することができる化合物を用いる。これは、一般に広く用いられる陰イオン性界面活性剤化合物を全て適用することができ、特に石鹸のようなカルボキシ酸塩化合物、高級アルコール、高級アルキルエーテル、オレフィンをスルフェート化した硫酸エステル塩化合物、アルキルベンゼンスルホネートを含む硫酸塩化合物、高級アルコールをリン酸化したリン酸塩化合物が代表的なものである。具体的に、例えば、ソジウムラウリルスルフェート(以下、‘SLS’と言う)、ソジウムラウリルエーテルスルフェート(SLES)、直鎖アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、モノアルキルホスフェート(MAP)、アシルイセチオネート(SCI)、及びアルキルグリセリルエーテルスルホネート(AGES)、アシルグルタメート、アシルタウレート、脂肪酸金属塩などがあり、この中でも広く用いられているSLS、SLES、LAS、またはSCIを用いるのがより好ましい。
【0088】
また、本発明の界面活性剤システムにおいて、非イオン性界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、及び化学式1、化学式2、または化学式4の化合物と混合して優れた状態安定性を示す化合物を用いるのが好ましい。本発明の界面活性剤システムにおいて、非イオン性界面活性剤は、アルコールアルコキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、アルキルポリグリコシド、アミンオキシド及びアルカノールアミドからなる群より1種以上選択されるのが好ましい。
【0089】
また、本発明の界面活性剤システムにおいて、陽イオン性界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、及び前記化学式1、化学式2、または化学式4の化合物と混合されて優れた状態安定性を示す化合物を用いるのが好ましい。本発明で用いられる陽イオン性界面活性剤は、既存の広く用いられている陽イオン性界面活性剤を用いることができる。例えば、アミン塩型の化合物、4級アンモニウムを含む化合物、モノアルキルジメチルアミン誘導体、ジアルキルモノメチルアミン誘導体、イミダゾリン誘導体、ジェミニ(Gemini)型の4級アンモニウム化合物、及びオリゴマー形態の4級アンモニウム化合物からなる群より1種以上選択して用いることができる。
【0090】
このような条件で製造される混合系において、陰イオン性界面活性剤(代表的な例としてSLS)の物性変化は、クラフト点の変化、気泡力(初期気泡度及び気泡維持力)の変化、表面張力の変化、硬水安定性の変化の項目を測定することによって知ることができる。
【0091】
本発明の界面活性剤システムは、前記化学式1、2、または4の化合物と陰イオン性界面活性剤とを混合することにより、冷却条件で界面活性剤が析出される温度であるクラフト点を0℃以下に向上させる。これは、低温で界面活性剤システムの状態安定性が非常に優れていることを示す。
【0092】
特に、前記化学式4の化合物のうちの非イオン基を含む化合物は、化合物の混合比が低くても優れた状態安定性を示す。したがって、化学式4の非イオン性化合物を陰イオン性界面活性剤と混合することにより、低温で析出される陰イオン性界面活性剤の短所を補完することができ、特に、冬季の界面活性剤を含む製品の状態安定性の維持に大きく役に立つ。
【0093】
また、気泡力(初期気泡度及び気泡維持力)の側面から実験した結果、非イオン性添加剤の混合比に関係なく、混合系の初期気泡度が陰イオン性界面活性剤と同等で気泡が長く維持され、初期気泡度が優れているが、時間の経過に伴って徐々に気泡が消える結果も示した。これは、適用される製品に応じて非イオン性化合物を選択、処方に適用することにより、製品の気泡力を調節することができるという意味であり、食器洗い洗剤、シャンプー、ボディークレンザー、洗濯洗剤など多様な製品群への適用が可能である。
【0094】
前記表面張力の変化に関して、非イオン性化合物の混合比だけが高くなると表面張力が低くなり、非常に低濃度でも一定の表面張力を維持する結果を示す。このことから、混合系が陰イオン性界面活性剤(SLS)より低いcmcを有するということが予測できる。このような低い表面張力及びcmcは少量を使用しても優れた洗浄力を示すということを意味する。
【0095】
前記混合系の硬水安定性は、陰イオン性界面活性剤を単独で用いるのに比べて約2倍以上向上した。したがって、食器洗い洗剤や洗濯洗剤のように、陽性金属イオンが多く含まれる水を利用して洗浄しなければならない製品への適用が可能である。また、硬水安定性の向上は陰イオン性界面活性剤が非イオン性化合物と結合して混合ミセルを形成するということを示す。このように陰イオン性界面活性剤と非イオン性化合物とが混合ミセルを形成するほど、混合界面活性剤の物性を十分に変化させることができる。
【0096】
また、エチレンオキシド(EO)またはプロピレンオキシド(PO)が平均2乃至15モル付加した2級アミンを用いて製造された非イオン性化合物も、陰イオン性界面活性剤または陰イオン性界面活性剤と陽イオン性界面活性剤との混合物と混合系を構成して物性を変化させることができる。
【0097】
また、本発明の界面活性剤システムは、前記化学式4の陽イオン性化合物と陰イオン性界面活性剤とを混合することにより、冷却条件で界面活性剤が析出される温度であるクラフト点を0℃以下に向上させる。これは、低温で界面活性剤システムの状態安定性が非常に優れていることを示す。
【0098】
本発明による混合系は、大部分の試料条件で前記クラフト点が0℃以下の結果を示しており、このような結果は、陽イオン性化合物のアルキル基の長さと混合比とによる影響をほとんど受けないことを示す。したがって、前記陽イオン性添加剤を陰イオン性界面活性剤と混合することにより、低温で析出される陰イオン性界面活性剤の短所を補完することができ、特に、冬季の製品の状態安定性の維持に大きく役に立つ。
【0099】
また、混合系が陽イオン性化合物を含む場合、気泡力(初期気泡度及び気泡維持力)の側面から実験した結果、陽イオン添加剤のアルキル基が長いほど、混合比が2/0.75以上である場合に混合系の初期気泡度が低下し、気泡維持力が弱くなる結果を示した。これは、初期には陰イオン性界面活性剤のように豊富な気泡が発生し、使用により気泡が容易に消える現象が必要な、食器洗浄器やドラム洗濯機用洗濯洗剤に必要な性質である。特に、アルキル基としてドデシル基が導入された陽イオン性化合物を用いた混合系の場合、気泡がほとんど発生しない結果を示す。この結果から、陽イオン性添加剤を陰イオン性界面活性剤が主化合物である製品(例えば、低気泡性洗濯洗剤など)の処方に適用して消泡剤として用いることができることが分かる。
【0100】
前記表面張力変化に関して、陽イオン性化合物の混合比が2/0.1以上に高くなると表面張力が低下し、低濃度でも一定の表面張力を維持する結果を示す。このことから、混合系が陰イオン性界面活性剤(SLS)より低いcmcを有するということが予測できる。このような低い表面張力及びcmcであれば、製品に適用した時に少量でも優れた洗浄力を示すことができる。
【0101】
前記混合系の硬水安定性は、陽イオン性化合物のアルキル基がブチル基以上である場合、あるいは陰イオン性界面活性剤との混合比が2/0.5以上である場合に非常に向上した結果を示す。特に、陽イオン性化合物がブチル基を含む場合、陰イオン性界面活性剤を単独で用いるのに比べて硬水安定性が約4倍向上した。これは、食器洗い洗剤や洗濯洗剤のように陽性金属イオンが多く含まれた水を利用して洗浄しなければならない製品への適用が可能である。また、この硬水安定性の向上は、陰イオン性界面活性剤が陽イオン性化合物と結合して複合体を形成する現象の結果と見ることができる。このように陰イオン性界面活性剤と陽イオン性化合物との結合が強いほど、少量の陽イオン性化合物でも陰イオン性界面活性剤の物性を十分に変化させることができる。
【0102】
本発明の前記化学式4の陽イオン性化合物の陰イオン性界面活性剤に対する物性変化能力を比較するために、同一な長さのアルキル基とヒドロキシル基とを含む4級アンモニウム化合物を製造して同一条件で物性評価を実施した。その結果、本発明の目的である陽イオン性化合物は、比較化合物に比べて、少量の混合比でも低いクラフト点と向上した気泡力、低い表面張力、向上した硬水安定性を示した。このような結果から、一つの分子内の陽イオン基が増えることにより、陰イオン性界面活性剤に対する物性変化能力が向上することが分かる。
【0103】
また、ヒドロキシル基にエチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド(PO)とがそれぞれ平均2モルと4モル付加した2級アミンを用いて化学式2または4の陽イオン性化合物を製造する場合も、陰イオン性界面活性剤の物性変化能力を向上させることができる。
【0104】
上述したように、本発明の前記化学式1、2、または4の化合物と陰イオン性界面活性剤とが混合された界面活性剤システムは、界面活性力が非常に優れていて、固体、液体、ゲル状、ペースト状の洗剤、例えばシャンプー、皮膚洗浄剤、石鹸、食器洗い洗剤、住居用洗剤、産業用洗剤、歯磨き粉、粉末洗剤などの製品及び添加物の処方に含めれば、従来の製品より優れた性能の製品を提供することができる。
【0105】
以下、本発明を下記の実施例を参照して説明する。しかし、これらの例は本発明を例示するものに過ぎず、本発明がこれらに限られるわけではない。
[実施例]
1 - 1 - 1.単一型( Mono-type )4級アンモニウム型の陽イオン性化合物の合成
陰イオン性界面活性剤との混合系で陰イオン性界面活性剤の物性を変化させる陽イオン性化合物のうち、代表的な陽イオン基として4級アンモニウム基を1個含む単一型5種、及び単一型化合物のヒドロキシル基に非イオン性親水基としてエチレンオキシド(EO)を付加した化合物2種を下記のような方法で合成した。
[合成例1]
N- (ジメチルドデシルアミノ)エタノールの合成
【0106】
【化15】
【0107】
3口フラスコにイソプロピルアルコール(IPA;40g)及びドデシルクロライド(153g;0.75mol)、2-(ジメチルアミノ)エタノール(44.6g;0.5mol)を入れた後、触媒としてヨウ化ナトリウム(2.4g)を添加して還流させた。アミンの%を測定して反応の進行程度を確認した。反応器の温度を120℃に上げた後、5時間後に反応が95%進行した。反応生成物をアセトンと混合した後、冷却して再結晶した。再結晶した後、ろ過して得られた生成物は直ちに真空乾燥した。
【0108】
分子量:293g/mol
収率:67%、白色固体
溶解度:吸湿性が非常に強い。アセトンに不溶。
【0109】
質量分析(FAB+、m/e):551、258[M-Cl]+、265
1H NMR(溶媒;D2O、ppm):0.8620[3H]、1.2832[18H]、1.6276[2H]、3.1601[6H]、3.3645[2H]、3.4859[2H]、4.0124[2H] 元素分析:C16H36ONCl
理論値;C65.38%、H12.35%、N4.77%
実測値;C64.00%、H12.80%、N5.60%
[合成例2]
N- (ジメチルオクチルアミノ)エタノールの合成
3口フラスコにIPA(18.7g)及びオクチルクロライド(66.9g;0.45mol)、2-(ジメチルアミノ)エタノール(26.74g;0.3mol)を入れた後、反応器を加熱して還流させた。アミンの%を測定して反応の進行程度を確認した。反応器の温度を110℃に上げた後、6時間後に反応が97%進行した。反応生成物をアセトンに混合した後、冷却して再結晶した。再結晶された生成物はろ過して直ちに真空乾燥した。
【0110】
分子量:238g/mol
収率:42%、白色固体
溶解度:吸湿性が非常に強い。アセトンに不溶。
【0111】
質量分析(FAB+、m/e):439、202[M-Cl]、200
[合成例3]
N- (ブチルジメチルアミノ)エタノールの合成
3口フラスコにIPA(29g)及び1-クロロブタン(70g;0.75mol)、2-(ジメチルアミノ)エタノール(44.6g;0.5mol)を入れた後、触媒としてNaI(1.4g)を添加して反応器を加熱して還流させた。アミンの%を測定して反応の進行程度を確認し、21時間程度反応を進めた。反応生成物をアセトンと混合した後、冷却して再結晶した。再結晶された生成物はろ過して直ちに真空乾燥した。
【0112】
分子量:182g/mol
収率:85%、白色固体
溶解度:吸湿性が非常に強い。アセトンに不溶。
【0113】
質量分析(FAB+、m/e):327、146[M-Cl]+
1H NMR(溶媒; D2O、ppm):0.9657[3H]、1.3837[2H]、1.7449[2H]、3.1427[6H]、3.3831[2H]、3.4904[2H]、4.0445[2H]
元素分析:C8H20ONCl
理論値;C52.88%、H11.09%、N7.71%
実測値;C52.20%、H11.70%、N7.30%
[合成例4]
N- (ジメチルエチルアミノ)エタノールの合成
3口フラスコにIPA(40g)、ヨード-エタン(117g;0.75mol)、2-(ジメチルアミノ)エタノール(44.6g;0.5mol)を入れた後、触媒としてNaI(2g)を添加して反応器を加熱して還流させた。反応生成物をn-ヘキサンに入れ、冷却して再結晶した。再結晶された生成物はろ過して直ちに真空乾燥した。
【0114】
分子量:245g/mol
収率:110g(90%)黄色固体
溶解度:吸湿性が非常に強い。アセトンに溶解。n-ヘキサンに不溶。
【0115】
質量分析(FAB+、m/e):363、118[M-I]+
1H NMR(溶媒;D2O、ppm):1.3763[3H]、3.1266[6H]、3.4672[2H+2H]、4.0457[2H]
元素分析:C6H16ONI
理論値;C29.4%、H6.6%、N5.7%
実測値;C28.8%、H6.9%、N5.2%
[合成例5]
N- (トリメチルアミノ)エタノールの合成
3口フラスコにIPA(37g)、ヨード-メタン(142g;1.0mol)、2-(ジメチルアミノ)エタノール(44.6g;0.5mol)を入れると混合と同時に反応が完了した。この時、反応物を添加すると同時に発熱反応が起こって反応が完了した。反応生成物をアセトンに入れ、冷却して再結晶した。再結晶された生成物はろ過して直ちに真空乾燥した。
【0116】
分子量:231g/mol
収率:76%;白色固体
溶解度:吸湿性が非常に強い。アセトンに不溶。
【0117】
質量分析(FAB+、m/e):335、154、104[M-I]+
1H NMR(溶媒;D2O、ppm):3.1876[9H]、3.5024[2H]、4.0540[2H]
元素分析:C5H14ONI
理論値;C25.99%、H6.11%、N6.11%
実測値;C26.19%、H6.27%、N5.64%
1 - 1 - 2.単一型陽イオン性化合物に非イオン基 (EO) が結合した化合物の合成
[合成例6]
N- (ジメチルドデシルアミノ)エタノール (EO) 2 の合成
【0118】
【化16】
【0119】
3口フラスコにIPA(47.6g)、ドデシルクロライド(91.8g;0.45mol)、2-(ジメチルアミノ)エタノール(EO)2(79g;0.3mol)を入れ、触媒としてNaI(1.7g)を添加した後、温度を110℃に上げ、7時間後に反応が97%進行した。シリカゲルを充填剤として用いたカラムクロマトグラフィ法を利用して生成物を分離、精製した。
【0120】
分子量:382g/mol
収率:26%;透明オイル
溶解度:吸湿性が非常に強い。アセトンに溶解。
【0121】
質量分析(FAB+、m/e):478[EO=5]、434[EO=4]、390[EO=3]、346[EO=2]、302[EO=1]、258[EO=0]
[合成例7]
N- (ジメチルドデシルアミノ)エタノール (EO) 4 の合成
3口フラスコにIPA(47.6g)、ドデシルクロライド(92g;0.45mol)、2-(ジメチルアミノ)エタノール(EO)4(143.7g;0.3mol)を入れ、触媒としてNaI(2.4g)を添加した後、温度を110℃に上げ、12時間反応を進めた。シリカゲルを充填剤として用いたカラムクロマトグラフィ法を利用して反応生成物を分離、精製した。
【0122】
分子量:507g/mol
収率:21%;薄い褐色オイル
溶解度:吸湿性が非常に強い。アセトンに溶解。
【0123】
質量分析(FAB+、m/e):610[EO=8]、566[EO=7]、522[EO=6]、478[EO=5]、434[EO=4]、390[EO=3]、346[EO=2]、302[EO=1]
1 - 2.単一型4級アンモニウム型の陽イオン性化合物(合成例1乃至5)及び単一型に非イオン基を結合した陽イオン性化合物(合成例6、7)を SLS と混合する時の混合系における SLS の物性変化の測定
[実施例1乃至7]
ソジウムラウリルスルフェート(SLS;Sigma試薬;分子量288g/mol)、前記合成例6乃至12で製造した陽イオン性化合物、及びアルカノールアミドを各々1:1:0.001のモル比で混合した。混合系の濃度は2%の水溶液に調節しており、SLSと陽イオン性化合物との混合比は物性変化を顕著に示すことができるように、モル比で1:1になるように調節した(表1)。
【0124】
【表1】
【0125】
[実験例1]
実施例1乃至7の混合系での物性変化を測定するために、クラフト点、初期気泡度、気泡維持力、硬水安定性、cmc、及び表面張力変化などの項目を測定した。
【0126】
1)クラフト点の測定
クラフト点の測定は、透明な混合溶液の温度を下げながら白濁が始まる温度、及び前記実験で白濁した溶液の温度を再び上げながら透明になる温度を測定した。低い温度で白濁が始まり、低い温度で透明になるほど、水溶液状で安定した状態を維持しているという結果を示す。この時、混合時に白濁現象を示した実施例1、2、6、7の試料は本実験を実施せず、実施例3乃至5を対象として実験を行なった。実験の結果は下記表2に示した。
【0127】
【表2】
【0128】
前記表2に示したように、実施例3乃至5の場合は、SLS単独に比べてクラフト点が0℃以下であるという結果を示した。これは、水溶液状のほとんどの液体洗剤で低い温度でも界面活性剤が析出せずに安定した溶液状態を維持することができるという結果を示す。
【0129】
2)混合系の初期気泡度及び気泡維持力の変化の測定
初期気泡度及び気泡維持力を測定する時に用いられた試料は、クラフト点を測定する時に用いられた試料と同一な条件で製造した試料を用いた(表14)。しかし、混合時に白濁現象を示した実施例1、2、6、及び7の試料は本実験を実施せず、実施例3乃至5のみ実験を行った。本実験はsemi-micro TK方法を使用して測定し、3回測定した後に平均値を取った。気泡力測定の結果は下記表3に示した。
【0130】
【表3】
【0131】
前記表3に示したように、SLS単独に比べて実施例3乃至5の初期気泡度はほとんど同一な水準の結果を示した。しかし、気泡維持力の測定では実施例3乃至5の混合系は2分後に気泡が消える結果を示した。また、陽イオン性化合物のアルキル基がながくなることによって気泡維持力が低くなる結果を示した。
【0132】
前記の結果から、本発明の実施例3乃至5の混合系は、陰イオン性界面活性剤の初期気泡度は維持する反面、生成された気泡が速い時間内に除去されるということが分かり、また、陽イオン性化合物が気泡維持阻害剤として非常に優れた性能を有することが分かる。
【0133】
3)硬水安定性の評価
CaCl2・2H2O11.69gを1?の水に溶解して10,000ppmの硬水を製造した後、0.5%の水溶液試料に徐々に添加して白濁が始まる時点まで加えた硬水の量(ml)を利用して、硬水安定性を評価した。前記実験の結果は下記表4に示した。この時、混合時に白濁現象を示した実施例1、2、6、7については評価しなかった。
【0134】
【表4】
【0135】
前記表4において、実施例3を混合した試料のみがSLS単独に比べて硬水安定性が約2倍向上しており、実施例4及び実施例5の場合はSLS単独とほとんど同様な水準の硬水安定性を示した。
【0136】
4)混合系での表面張力及びcmcの変化の測定
クルス(Kruss)社のプロセッサーテンシオメーターK12を利用して実施例1乃至7の混合系での表面張力及びcmcの変化を測定した。表面張力を測定する試料はSLSと陽イオン性化合物とをモル比1:1で混合して製造し、この時に使用した水は超純水であり、測定に使用した容器は洗浄液に3時間以上浸漬して水とアセトンで洗浄した後にオーブンで乾燥したものである。表面張力及びcmcの変化を測定した結果は下記表5に示した。
【0137】
【表5】
【0138】
前記表5から分かるように、実施例1乃至7のSLSと陽イオン性化合物とを混合した混合系の表面張力は、SLSに比べて13〜44%低下する結果を示した。特に、実施例1、2、6、7の混合系の場合はcmcが10から100倍薄くなる結果を示した。これは、少量を使用しても優れた界面活性力を示すということを意味する。
【0139】
2 - 1.分子内に陽イオン基を二つ含むビス型( bis-type )陽イオン性化合物
2 - 1 - 1.陽イオン性化合物の合成
前記反応式1乃至3または反応式6乃至7のようにリンカーの長さとアルキル基の長さとによって適した合成経路を選択して所望の陽イオン性化合物を製造した。
【0140】
[合成例8]
1,6 -[ 2 - ( N- メチルアミノ)エタノール ] ヘキサンの合成
IPA40gに2-(メチルアミノ)エタノール45g(0.6mol)、1,6-ジクロロヘキサン46.5g(0.3mol)、Na2CO348gを混合した後、25時間還流した。その後、生成物をろ過、減圧蒸留、真空乾燥の過程を通じて精製した。
【0141】
分子量:232g/mol
状態:オイル状
1H NMR(CDCl3、δ ppm):1.07(4H)、1.28(4H)、2.20(6H)、2.37(4H)、2.47(4H)、3.41(4H)
Mass(FAB+):m/e233[M+H]+
[合成例9]
1,6 -[ 2 - ( N,N- ジメチルアミノ)エタノール ] ヘキサンの合成(反応式1利用)
IPA20gに1,6-[2-(N-メチルアミノ)エタノール]ヘキサン23.2g(0.1mol)、ヨードメタン42.6g(0.3mol)、NaI5gを混合した後、常温で2時間反応を進めた。その後、生成物をろ過、減圧蒸留、真空乾燥、アセトン再結晶の過程を通じて精製した。
【0142】
分子量:262g/mol
状態:黄色粉末(吸湿性)
1H NMR(D2O、δppm):1.20(4H)、1.83(4H)、3.1612H)、3.38〜3.55(8H)、4.06(4H)
Mass(FAB+):m/e389[M2++I-]+、297、261、247、217
[合成例10]
1,6 -[ 2 - ( N,N- エチルメチルアミノ)エタノール ] ヘキサンの合成(反応式1利用)
IPA20gに1,6-[2-(N-メチルアミノ)エタノール]ヘキサン15.11g(0.065mol)、ヨードエタン30.5g(0.195mol)、NaI3gを混合した後、9時間還流した。その後、生成物をろ過、減圧蒸留、真空乾燥、アセトン再結晶の過程を通じて精製した。
【0143】
分子量:290g/mol
状態:黄色粉末(吸湿性)
1H NMR(D2O、δppm):1.35(4H)、1.45(4H)、2.97(6H)、3.37(10H)、3.47(8H)、4.04(4H)
Mass(FAB+):m/e417[M2++I-]+
[合成例11]
1,6 -[ 2 - ( N,N- ブチルメチルアミノ)エタノール ] ヘキサンの合成(反応式2利用)
IPA11gに2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール20.5g(0.156mol)、1,6-ジクロロヘキサン12.1g(0.078mol)、Na2CO333g、NaI5gを混合した後、14時間還流した。その後、生成物をろ過、減圧蒸留、真空乾燥の過程を通じて精製した。
【0144】
分子量:346g/mol
状態:オイル状
1H NMR(D2O、δppm):1.00(6H)、1.41(8H)、1.75(8H)、3.10(6H)、3.34〜3.51(12H)、4.04(4H)
Mass(FAB+):m/e381[M2 ++Cl-]+
[合成例12]
1,6 -[ 2 - ( N,N- メチルオクチルアミノ)エタノール ] ヘキサンの合成(反応式2利用)
IPA6gに2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール18.76g(0.1mol)、1,6-ジクロロヘキサン7.8g(0.05mol)、Na2CO32.2g、NaI2.5gを混合した後、22時間還流した。その後、生成物をろ過、減圧蒸留、真空乾燥の過程を通じて精製した。
【0145】
分子量:458g/mol
状態:オイル状
1H NMR(D2O、δppm):0.89(6H)、1.312(4H)、1.77(8H)、3.10(6H)、3.36(8H)、4.49(4H)、4.04(4H)
Mass(FAB+):m/e493[M2++Cl-]+
[合成例13]
1,6 -[ 2 - ( N,N- ドデシルメチルアミノ)エタノール ] ヘキサンの合成(反応式2利用)
IPA10gに2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール18.69g(0.077mol)、1,6-ジクロロヘキサン6g(0.39mol)、NaI3gを混合した後、20時間還流した。その後、反応生成物をろ過、減圧蒸留、真空乾燥の過程を通じて精製した。
【0146】
分子量:570g/mol
状態:オイル状
1H NMR(D2O、δppm):0.94(6H)、1.2040H)、1.82(8H)、3.20(6H)、3.59(8H)、3.69(4H)、4.09(4H)
Mass(FAB+):m/e605[M2++Cl-]+
[実験例2]
2 - 2.陰イオン性界面活性剤と陽イオン性化合物との混合系における陰イオン性界面活性剤の性能変化評価
物性評価では陰イオン性界面活性剤としてソジウムラウリルスルフェート(以下、‘SLS’と言う;Aldrich社試薬;純度99%以上)を用いた。
【0147】
また、陽イオン性化合物としては下記の化学式2aの陽イオン性化合物でn値が6であるものを用いた(表6)。
【0148】
【化17】
【0149】
前記化学式2aで、RはC1乃至C12のアルキル基であり、nは6である。
【0150】
【表6】
【0151】
下記実験に使用したガラスは、洗浄液(KOH+IPA+水)に4時間以上浸漬させた後で蒸溜水とアセトンとで洗浄して乾燥したものである。評価には超純水を使用した。
陰イオン性界面活性剤の物性変化の測定は、クラフト点、初期気泡度、気泡維持力、硬水安定性、表面張力変化などについて実施された。
【0152】
2 - 2 - 1.陽イオン性化合物の物性の測定
1)評価試料条件
水99gに合成例14乃至18の陽イオン性化合物1gを溶解し、各々1重量%の濃度の試料を作って評価に使用した。この時、アルキル基の炭素数がC1、C2、C4である試料の場合には試料が透明であったが、アルキル基がC8、C12である試料の場合は白濁現象を示した。アルキル基の炭素数がC8である場合は0.1重量%で、C12の場合は0.01重量%で溶液が透明になった。
【0153】
2)陽イオン性化合物のクラフト点の測定
透明な陽イオン性化合物溶液を冷却しながら溶液が白濁する温度を測定した(温度下降の条件)。また、白濁した溶液の温度を上げながら再び透明になる温度を測定した(温度上昇時の条件)。
【0154】
この時、SLSは温度下降時には2〜3℃で白濁現象が起こり、温度上昇時には14℃で再び透明になる結果を示した。これに反し、本発明の陽イオン性化合物は温度下降時には0℃でも白濁現象が起こらなかった。このように0℃で白濁現象が起こらない場合には温度上昇時の実験を行わなかった。
【0155】
3)気泡力(初期気泡度及び気泡維持力)の測定
気泡力関連実験はsemi-micro TK methodを利用して測定し、その結果は下記表7に示した。実験は3回繰り返した後に平均値を取った。実験には1%の溶液を用いており、合成例18の場合には白濁溶液を評価に使用した。
【0156】
【表7】
【0157】
前記表7に示したように、アルキル基を有する陽イオン性化合物である合成例14、16の場合には気泡が発生しなかったが、合成例18の場合には初期気泡度が213ml、5分後には105mlで、比較的に弱い気泡が発生する結果を示した。
【0158】
4)表面張力の測定
クルス(Kruss)社のテンシオメーターk12を利用して合成例14乃至18の陽イオン性化合物の表面張力を測定した。環方法を利用して5回測定した後にその平均値を取った。各陽イオン性化合物試料の濃度は重量比で1%、0.1%、0.01%、0.001%の溶液を製造して実験に使用した。表面張力の測定結果は下記表8に示した。
【0159】
【表8】
【0160】
前記表8に示したように、合成例18は評価試料の濃度範囲で比較的低い表面張力を示しており、他の陽イオン性化合物は高い表面張力を示した。
5)硬水安定性の評価
実験にはCaCl2・2H2O11.69gを水1Lに溶解して製造した10,000ppm濃度の硬水を使用した。陽イオン性化合物は濃度0.5%(重量比)、100mlの試料を用い、パールが生成される時点までに添加された硬水のmlを利用して硬水安定性を評価した。この実験を3回繰り返した後に平均値を取った。本陽イオン性化合物は陰電荷を帯びないので、硬水に対して沈殿が生成されない結果を示した。但し、C12は0.5%の濃度で白濁現象を示したため測定しなかった。
【0161】
2 - 2 - 2陰イオン性界面活性剤( SLS )と合成例14の陽イオン性化合物( R=C 1 /n= 6)との混合系における SLS の物性変化の測定
[実施例8乃至13]
陰イオン性界面活性剤(SLS)、合成例14の陽イオン性化合物を下記表9のようなモル比で混合した。製造した試料溶液は全て透明であった。この時、非イオン性界面活性剤であるアルカノールアミドはSLSに対してモル比が1:0.001になるように添加した。
【0162】
【表9】
【0163】
[実験例3]
1)クラフト点の測定
実施例8乃至13(SLSと陽イオン性化合物の混合系)のクラフト点を測定し、その結果は下記表10に示した。
【0164】
【表10】
【0165】
前記表10に示したように、全ての試料でクラフト点が0℃以下になる現象が現れた。但し、混合比2/0.01である実施例13の場合には温度下降時には-0.5℃で溶液が白濁し、温度上昇時には13℃で再び透明になる結果を示した。これは、SLSに比べて低温での溶解度(安定性)が向上したためであると思われる。0℃以下でも透明溶液の状態を維持した他の試料の場合には温度上昇時にクラフト点の測定が実施できなかった。
【0166】
2)気泡力(初期気泡度及び気泡維持力)の測定
気泡力の測定結果は下記表11に示した。
【0167】
【表11】
【0168】
前記表11に示したように、陽イオン性化合物の混合比が低いほど、初期気泡度及び気泡維持力がSLSと類似した傾向を示した。実施例8及び9において、初期気泡度が低く、気泡が容易に消える結果を示した。また、その他の混合比では、陽イオン性化合物の混合比が高くなると初期気泡度及び気泡維持力が多少低下する結果を示したが、それほど大きな差ではなかった。
【0169】
3)表面張力の測定
表面張力測定結果は下記表12に示した。
【0170】
【表12】
【0171】
前記表12に示したように、実施例13はSLSとほとんど同じ表面張力を示したが、陽イオン性化合物の混合比が高くなると表面張力が低下する傾向を示した。前記結果のように、表面張力が低くなって低濃度でも変化が無いのはcmcが低いということを意味しており、これは少量の化合物でも優れた洗浄力を示すことができるということを意味する。
【0172】
4)混合系の硬水安定性の変化の測定
混合系の硬水安定性を測定した結果は下記表13に示した。
【0173】
【表13】
【0174】
前記表13に示したように、陽イオン性化合物の混合比が高くなると硬水の添加量が増加する結果を示した。しかし、実施例8及び実施例13の硬水安定性の差は2倍程度になる結果を示した。
【0175】
2 - 2 - 3. SLS と合成例15の陽イオン性化合物( R=C 2 /n= 6)との混合系における SLS の物性変化の測定
[実施例14乃至19]
陰イオン性界面活性剤と合成例15の陽イオン性化合物(R=C2/n=6)とを下記表14のようなモル比で混合して評価に使用する混合系試料を製造し、製造した試料溶液は全て透明であった。この時、非イオン性界面活性剤であるエトキシレート脂肪族アルコールはSLSに対してモル比が1:1になるように添加した。
【0176】
【表14】
【0177】
[実験例4]
実施例14乃至19の物性の測定
1)混合系のクラフト点の変化の測定
混合系のクラフト点の変化を測定した結果、SLSに比べて混合系のクラフト点が低下する傾向を示した(表15)。混合比が2/0.25以上である試料の場合には温度下降条件で0℃以下の結果を示しており、それ以下の混合比である場合にはSLSに比べて低下した結果を示した。
【0178】
【表15】
【0179】
2)混合系の初期気泡度及び気泡維持力の変化の測定
混合系の初期気泡度及び気泡維持力の変化の測定に関する結果は下記表16に示した。
【0180】
【表16】
【0181】
前記表16に示したように、混合比2/0.5までは初期気泡度及び気泡維持力がSLSと比べて大きな変化がなかったが、実施例14、15の2/0.75以上の混合比では気泡維持力が非常に低下する結果を示した。この混合系の場合、初期気泡度は維持しながら洗浄中に気泡が容易に消える性質が必要なドラム型洗濯機用洗濯洗剤や自動食器洗浄器用洗剤などに適用が可能であると考えられる。
【0182】
3)混合系の表面張力の変化の測定
混合系の表面張力の測定結果は下記表17に示した。
【0183】
【表17】
【0184】
前記表17に示したように、実施例19(混合比2/0.01)の場合にはSLSとほとんど同じ傾向を示したが、陽イオン性化合物の混合比が高くなると表面張力が低下し、cmcが低下する結果を示した。これらから、少量の混合系でも優れた洗浄力を示すことができると考えられる。
【0185】
4)混合系の硬水安定性の変化の測定
硬水安定性の変化の測定結果は下記表18に示した。
【0186】
【表18】
【0187】
前記表18に示したように、陽イオン性化合物の混合比が高くなると硬水安定性が向上する結果を示しており、前記実施例8乃至13(アルキル基の炭素数がC1)の実験に比べて、同じ混合比で硬水安定性が全般的に向上した結果を示した。特に、実施例14乃至16の2/0.5以上の混合比で硬水安定性が顕著に向上する結果が示された。
【0188】
2 - 2 - 4. SLS と合成例16の陽イオン性化合物( R=C 4 /n= 6)との混合系における SLS の物性変化の測定
[実施例20乃至25]
物性評価のための試料の混合条件を下記表19に示した。混合系を製造した結果、全ての試料が1%の水溶液で透明であった。この時、非イオン性界面活性剤であるアルカノールアミドはSLSに対してモル比が1:0.001になるように添加した。
【0189】
【表19】
【0190】
1)混合系のクラフト点の変化の測定
前記実施例20乃至25に対するクラフト点を測定し、その結果は下記表20に示した。
【0191】
【表20】
【0192】
前記表20に示したように、実施例25のように陽イオン性化合物を少量混合してもクラフト点が0℃以下になる結果を示した。これは、混合系が低温でも水に安定した状態で維持されることを意味する。
【0193】
2)混合系の気泡力の変化の測定
気泡力の測定結果は下記表21に示した。
【0194】
【表21】
【0195】
前記表21に示したように、実施例20及び21のような陽イオン性化合物の混合比が2/0.75以上である試料で初期気泡度が低下し、2分が経過した時に気泡が急激に消える現象を示した。したがって、炭素数4個の陽イオン性化合物の気泡維持力の低下はアルキル基の短い陽イオン性化合物に比べて優れていると考えられる。
【0196】
3)混合系の表面張力の変化の測定
表面張力の測定結果は下記表22に示した。
【0197】
【表22】
【0198】
前記表22に示したように、実施例25の陽イオン性化合物の混合比が2/0.01である場合にはSLSとほとんど同じ表面張力を示すが、実施例20乃至24の混合比が2/0.1以上である場合には1%の溶液を基準とする時、陽イオン性化合物の混合比が高くなると表面張力が低くなる結果を示した。そして、0.01%まで一定の表面張力を示すという結果から、SLSより低いcmcを有することが分かる。これは、低濃度でも優れた洗浄力を有することができる可能性を示した結果である。
【0199】
4)混合系の硬水安定性の変化の測定
硬水安定性の測定結果は下記表23に示した。
【0200】
【表23】
【0201】
前記表23に示したように、実施例23乃至25の陽イオン性化合物の混合比が2/0.25以下である場合にはSLSに比べて硬水安定性がそれほど向上しなかったが、実施例20乃至22の2/0.5以上の混合比では非常に向上した結果を示した。この実験の結果より、硬水使用条件で優れた洗浄力及び状態安定性が要求される製品に適用することができると考えられる。
【0202】
2 - 2 - 5. SLS と合成例17の陽イオン性化合物( R=C 8 ) /n= 6との混合系における SLS の物性変化の測定
[実施例26乃至31]
評価に使用する試料の製造条件は下記表24に示した。この時、混合比が2/0.75及び2/1.0である実施例26及び27の場合には白濁現象を示し、0.001%の濃度の水溶液条件で透明になる現象を示した。この時、非イオン性界面活性剤であるエトキシレート脂肪族アルコールはSLSに対してモル比が1:1になるように添加した。
【0203】
【表24】
【0204】
1)混合系のクラフト点の測定
測定結果は下記表25に示した。但し、2/1、0及び2/0.75の混合比の実施例26及び27の場合には1%の水溶液が白濁現象を示すため、透明溶液である0.001%の水溶液を使用してクラフト点を測定した。この実験における全ての試料条件で、クラフト点が0℃以下になる結果を示した。
【0205】
【表25】
【0206】
2)混合系の気泡力の変化の測定
測定結果は下記表26に示した。炭素数が8個である陽イオン性化合物を混合した混合系の場合には前記の実験とは異なって、初期気泡度及び気泡維持力がSLSと比べて大きな差を示さなかった。しかし、生成された気泡は軽く触れるだけで容易に消える現象が見られた。したがって、この混合系の場合にのみ生成された気泡は非常に弱いが、5分間の実験条件では消えないということが分かる。
【0207】
【表26】
【0208】
3)混合系の表面張力の変化の測定
測定結果は下記表27に示した。1%の水溶液と0.01%の水溶液との間の表面張力が大きく変わらないため、0.001%の濃度の水溶液を製造して表面張力を測定した。測定の結果、1%の濃度で陽イオン性化合物の混合比が高くなると表面張力が低くなる結果を示し、0.001%の濃度で表面張力が多少上昇する現象を示した。したがって、混合系のcmcは0.01〜0.001%の間にあると見ることができる。
【0209】
【表27】
【0210】
4)混合系の硬水安定性の変化の測定
測定結果は下記表28に示した。1%の濃度で白濁現象を示した試料の場合は硬水安定性を測定しなかった。実験の結果、2/0.5混合比で硬水安定性が非常に向上する現象を示した。
【0211】
【表28】
【0212】
2 - 2 - 6. SLS と合成例18の陽イオン性化合物( R=C 12 /n= 6)との混合系における SLS の物性変化の測定
[実施例32乃至37]
評価試料は下記表29と同じ条件で製造した。実施例32乃至34の2/0.5以上の混合比で白濁現象を示した。実施例34試料は0.01%の水溶液で透明になり、他の試料は0.001%の濃度で透明になった。この時、非イオン性界面活性剤であるアルカノールアミドはSLSに対してモル比が1:0.001になるように添加した。
【0213】
【表29】
【0214】
1)混合系のクラフト点の変化の測定
実施例32乃至37に対して混合系のクラフト点の変化を測定し、測定結果は下記表30に示した。この時、実施例32及び33は0.001%の溶液を使用し、実施例34は0.01%の溶液を使用した。
【0215】
【表30】
【0216】
前記表30に示したように、実験の結果、全ての試料で陽イオン性化合物が混合されることによりクラフト点が0℃以下になる結果を示した。
2)混合系の気泡力の変化の測定
気泡力の測定結果は下記表31に示した。
【0217】
【表31】
【0218】
前記表31に示したように、実施例32及び33は気泡がほとんど発生しない現象を示した。本実験の結果より、炭素数が12個である陽イオン性化合物の場合は消泡剤としての役割が期待できると考えられる。
【0219】
3)混合系の表面張力の変化の測定
表面張力の測定結果は下記表32に示した。
【0220】
【表32】
【0221】
測定結果、1%の濃度で陽イオン性化合物の混合比が高くなると表面張力が低下する結果を示しており、濃度が低くなると表面張力が少しずつ上昇する結果を示した。
4)混合系の硬水安定性の変化の測定
硬水安定性の測定結果は下記表33に示した。
【0222】
【表33】
【0223】
測定の結果、実施例32乃至34のように2/0.5以上の陽イオン性化合物の混合比では1%の水溶液が白濁現象を示すために混合系の硬水安定性の評価を実施することができず、実施例35乃至37では硬水安定性が多少向上した結果を示した。
【0224】
3 - 1.分子内にアミンオキシド基を含む非イオン性化合物の合成
前記反応式4、5と同じ合成経路を経て所望の非イオン性化合物を製造した。
[合成例19]
N- ジメチルラウリルアミンオキシドの合成
N-ジメチルラウリルアミン42.7g(0.2mol)に過酸化水素水27.3g(0.24mol;30重量%溶液)を常温で一滴添加した後、温度を40℃に上げて17時間反応させた。反応完了後、生成物を減圧蒸留、真空乾燥の過程を通じて精製した。
【0225】
分子量:229g/mol
状態:黄色オイル状
1H NMR(CDCl3、δppm):0.81(3H)、1.191(8H)、1.80(2H)、3.11(6H)、3.182H)
Mass(FAB+):m/e230[M+H]+、212
[合成例20]
N- 2 - ヒドロキシエチルラウリルメチル)アミンの合成
2-(メチルアミノ)エタノール150.22g(2mol)をイソプロピルアルコール(IPA)175gに溶解した後、1-クロロドデカン408g(2mol)及びソジウムカーボネート318g(3mol)を添加して、25時間反応させた。反応終了後、生成物をろ過、減圧蒸留、真空乾燥の過程を通じて精製した。
【0226】
分子量:243g/mol
状態:黄色オイル
1H NMR(CDCl3、δppm):0.86(3H)、1.262(0H)、2.18(3H)、2.39(2H)、2.52(2H)、3.42(2H)
Mass(FAB+):m/e244[M+H]+
[合成例21]
N- (2 - ヒドロキシエチルラウリルメチル)アミンオキシドの合成
メタノール10.5gにN-(2-ヒドロキシエチルラウリルメチル)アミン30.64g(0.126mol)、過酸化水素水21.5g(0.189mol)を常温で一滴添加した後、温度を上げて31時間還流した。生成物をろ過、減圧蒸留、真空乾燥の過程を通じて精製した。
【0227】
分子量:259g/mol
状態:黄色溶液
1H NMR(CDCl3、δppm):0.81(3H)、1.23(18H)、1.69(2H)、3.14(3H)、3.29(4H)、4.07(2H)
Mass(FAB+):m/e260[M+H]+
[合成例22]
1,6 - ( N,N- ブチルメチルアミノ)ヘキサンの合成
IPA92gに2-(N,N-ブチルメチル)アミン96g(1.1mol)、1,6-ジクロロヘキサン77.53g(0.5mol)、Na2CO3133gを混合した後、70℃の温度で36時間反応させた。その後、生成物を乾燥、ろ過、減圧蒸留、真空乾燥の過程を通じて精製した。
【0228】
分子量:256g/mol
状態:オイル状
1H NMR(CDCl3、δppm):0.91(6H)、1.29(8H)、1.42(8H)、2.20(6H)、2.32(8H)
Mass(FAB+):m/e257[M+H]+
[合成例23]
1,6 - ( N,N- ブチルメチルアミンオクチル)ヘキサンの合成
メタノール14gに1,6-(N,N-ブチルメチルアミノ)ヘキサン21.88g(0.086mol)を溶解した後、過酸化水素水24g(0.215mol;30重量%溶液)を徐々に添加した。そして、還流して18時間反応させた後、生成物を減圧蒸留、真空乾燥の過程を通じて精製した。
【0229】
分子量:288g/mol
状態:黄色オイル状
1H NMR(CDCl3、δppm):0.97(6H)、1.39(8H)、1.77(8H)、3.18(6H)、3.32(8H)
Mass(FAB+):m/e289[M+H]+、170
[実験例5]
3 - 2.陰イオン性界面活性剤とアミンオキシド( amineoxide )基を含む非イオン性化合物との混合系における陰イオン性界面活性剤の性能変化の評価
物性評価には、陰イオン性界面活性剤としてソジウムラウリルスルフェート(以下、‘SLS’とする;Aldrich社試薬;純度99%以上)を使用した。SLSの物性はクラフト点が2℃(温度下降時)、14℃(温度上昇時)であり、初期気泡度は233mLで、5分間気泡をほとんど一定に維持し、1%の表面張力が35.92mN/m、0.1%では25.19、0.01%では57.18であるものを使用した。また、硬水安定性の測定時の硬水濃度は310ppmであった。
【0230】
物性評価に使用した非イオン性化合物の種類及び分子量は表34に示した。
【0231】
【表34】
【0232】
実験に使用したガラスは、洗浄液(KOH+IPA+物)に4時間以上浸漬した後で蒸溜水とアセトンとで洗浄して乾燥したものである。評価には超純水を使用した。
陰イオン性界面活性剤の物性変化の測定は、クラフト点、初期気泡度、気泡維持力、硬水安定性、表面張力変化などに対して実施した。
【0233】
3 - 2 - 1.非イオン性化合物の物性の測定
1)評価試料条件
水99gに合成例19、21、23の非イオン性化合物1gを各々溶解し、1重量%の濃度の試料を作って評価に使用した。試料の全てが透明であった。
【0234】
2)非イオン性化合物のクラフト点の測定
合成例19、21、23の透明な非イオン性化合物溶液を冷却しながら溶液が白濁する温度を測定した(温度下降条件)。また、白濁した溶液の温度を上げながら再び透明になる温度を測定した(温度上昇時条件)。
【0235】
この時、SLSは温度下降条件では2〜3℃の温度範囲で白濁現象が起こり、温度上昇条件では14℃で再び透明になる結果を示した。これに反し、本発明の合成例19、21、23の全てが温度下降条件では0℃まで白濁現象が起こらなかった。このように0℃で白濁現象が起こらない場合には温度上昇条件での実験を行わなかった。
【0236】
3)気泡力(初期気泡度及び気泡維持力)の測定
合成例19、21、23に対する気泡力関連実験はセミ-マイクロTK方法を利用して行い、その結果は下記表35に示した。実験は、3回繰り返した後に平均値を取った。実験には1%の水溶液を使用した。
【0237】
【表35】
【0238】
前記表35に示したように、合成例21は相当な水準の初期気泡度及び気泡維持力を示すのに反し、合成例19は初期には気泡が比較的高い水準で発生するが、すぐに消える低い気泡維持力を示した。また、合成例23は気泡が全く発生しない結果を示した。この実験の結果から、合成例19及び23は発生した気泡がすぐに消えなければならない低気泡性洗濯洗剤などに適用可能であり、合成例3の場合には優れた気泡力を必要とする食器洗い洗剤に適用可能であると予想される。
【0239】
4)表面張力の測定
クルス(Kruss)社のtensiometer k12を利用して合成例19、21、23の非イオン性化合物の表面張力を測定した。測定方法は環方法で行った。合成例19、21、23の非イオン性化合物試料の濃度は重量比で1%、0.1%、0.01%、0.001%の溶液を製造して実験に使用した。表面張力の測定結果は下記表36に示した。
【0240】
【表36】
【0241】
前記表36に示したように、合成例19、21は評価試料の濃度範囲で比較的低い表面張力を示したが、合成例23は高い表面張力を示した。
5)硬水安定性の評価
実験にはCaCl2・2H2O11.69gを水1Lに溶解して製造した10,000ppm濃度の硬水を使用した。合成例19、21、23の非イオン性化合物は各々濃度0.5%(重量比)、100mlの試料を用い、パールが生成される時点までに添加された硬水のmlを利用して硬水安定性を評価した。この実験を3回繰返した後に平均値を取った。実験の結果、各非イオン性化合物は全て陰電荷が小さいために硬水に対して沈殿が生成されなかった。
【0242】
3 - 2 - 2陰イオン性界面活性剤( SLS )と合成例19の非イオン性化合物との混合系における SLS の物性変化の測定
[実施例38乃至43]
陰イオン性界面活性剤(SLS)、合成例19の非イオン性化合物を下記表37のようなモル比で混合した。製造した試料溶液は全て透明であった。この時、陽イオン性界面活性剤である4級アンモニウム塩はSLSに対してモル比が1:0.001になるように添加した。
【0243】
【表37】
【0244】
[実験例6]
実施例38乃至43の物性の測定
1)クラフト点の測定
実施例38乃至43(SLSと非イオン性化合物の混合系)のクラフト点を測定し、実験結果は下記表38に示した。
【0245】
【表38】
【0246】
前記表38に示したように、非イオン性添加剤の混合比が1/0.25以上である実施例38乃至41でクラフト点が0℃以下になる現象を示した。実施例38乃至41はSLSを単独で使用した場合に比べて低温でも安定した状態を維持する結果を示した。また、実施例42及び43の場合には温度下降条件で0〜3℃の温度範囲で溶液が白濁し、温度上昇条件では19℃の温度で再び透明になる結果を示した。
【0247】
2)気泡力(初期気泡度及び気泡維持力)の測定
実施例38乃至43に対する気泡力を測定し、その結果は下記表39に示した。
【0248】
【表39】
【0249】
前記表39に示したように、実施例43のように非イオン性化合物の混合比が低いほど、初期気泡度及び気泡維持力がSLSと類似する傾向を示した。また、非イオン性添加剤の混合比が低いほど、初期気泡度が上昇する結果を示したが、一度形成された気泡は非常に安定して維持される優れた気泡維持力を示した。前記気泡力の測定結果から、シャンプーやボディークレンザーなど、洗浄する時に豊富な気泡の発生が要求される製品への適用が可能であると考えられる。
【0250】
3)表面張力の測定
表面張力の測定結果は下記表40に示した。
【0251】
【表40】
【0252】
前記表40に示したように、実施例43はSLSとほとんど類似した表面張力を示したが、非イオン性化合物の混合比が高くなると表面張力が低くなる傾向を示した。前記結果のように、表面張力が低くなって低濃度でも一定の値を示すのは、cmcが低いということを意味し、この結果から、少量を使用しても優れた洗浄力を示すということを意味する。
【0253】
4)混合系の硬水安定性の変化の測定
混合系の硬水安定性を測定した結果は下記表41に示した。
【0254】
【表41】
【0255】
前記表41に示したように、非イオン性化合物の混合比が高くなると硬水の添加量が増加する結果を示した。SLSと非イオン性化合物との混合系はSLSに比べて硬水安定性が約2倍程度優れた結果を示した。
【0256】
3 - 2 - 3. SLS と合成例23の非イオン性化合物との混合系における SLS の物性変化の測定
[実施例44乃至49]
陰イオン性界面活性剤(SLS)、合成例23の非イオン性化合物を下記表46のようなモル比で混合した。製造した試料溶液は全て透明であった。この時、陽イオン性界面活性剤である4級アンモニウム塩はSLSに対してモル比が1:0.001になるように添加した。
【0257】
【表42】
【0258】
[実験例7]
実施例44乃至49の物性の測定
1)クラフト点の測定
SLSと非イオン性化合物との混合系のクラフト点を測定した。実験結果は下記表43に示した。
【0259】
【表43】
【0260】
前記表43に示したように、非イオン性添加剤の混合比が1/0.25以上である実施例44乃至47でクラフト点が0℃以下になる現象を示した。前記実施例48及び49の場合には温度下降条件では0乃至1℃の温度で溶液が白濁し、温度上昇条件では11〜13℃の温度で再び透明になる結果を示した。したがって、この実施例の場合はSLSより優れた水準の低温安定性を有すると考えられる。
【0261】
2)気泡力(初期気泡度及び気泡維持力)の測定
実施例44乃至49に対する気泡力の測定結果は下記表44に示した。
【0262】
【表44】
【0263】
前記表44に示したように、非イオン性化合物の混合比が低いほど、初期気泡度及び気泡維持力がSLSと類似した傾向を示した。また、非イオン性添加剤の混合比が低いほど、初期気泡度が上昇する結果を示し、形成された気泡は時間の経過に伴って徐々に消える結果を示しており、この物性は優れた洗浄力を必要とする食器洗い洗剤や洗濯洗剤に適用可能である。
【0264】
3)表面張力の測定
表面張力の測定結果は下記表45に示した。
【0265】
【表45】
【0266】
前記表45に示したように、実施例48及び49はSLSとほとんど類似した表面張力を示したが、非イオン性化合物の混合比が高くなると表面張力が低くなる傾向を示した。前記結果のように、表面張力が低くなって低濃度でも一定の値を有するのは、cmcが低いということを意味し、この結果から、少量を使用しても優れた洗浄力を示すことを意味する。
【0267】
4)混合系の硬水安定性の変化の測定
混合系の硬水安定性を測定した結果は下記表46に示した。
【0268】
【表46】
【0269】
実験の結果、非イオン性化合物の混合比が高くなると硬水安定性が約2倍向上する結果を示した。
【0001】
本発明は、洗浄力、気泡力、硬水安定性、表面張力などの界面物性を調節することで優れた性能を示す、混合界面活性剤システムに関する。
【背景技術】
【0002】
陰イオン性、陽イオン性、非イオン性および両性界面活性剤を含む全ての界面活性剤は、臨界ミセル濃度(critical micelle concentration、以下、‘cmc’と言う)未満の濃度では単一分子として存在し、cmc以上の濃度ではミセルを形成して各々の化合物に応じて独特な界面活性力を示すことが分かっている。
【0003】
しかし、1種類の界面活性剤が示す界面活性力が全ての点において優れているわけではないため、これを克服するための研究が進められている。最初に、同じイオン性を有する界面活性剤を混合する研究が行われ、その後、イオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤とを混合する研究が多く行われた。しかし、異なるイオン性を有する界面活性剤を混合する研究は現在までそれほど多くは行われていない。その理由は、異なるイオン性の界面活性剤は混合されると電気的に中性になり、生成した化合物は水に溶解せずに沈殿することが知られているからである。
【0004】
一般に、イオン性が異なる陰イオン性界面活性剤と陽イオン性界面活性剤とを水溶液に同時に溶解させると、次のように3種類の状態で存在するとされている。第1は、陰イオン性界面活性剤と陽イオン性界面活性剤が遊離した単一体としてそれぞれが独立して存在し、第2は、陰イオン性界面活性剤と陽イオン性界面活性剤とが複合体を形成して沈殿し、第3は、陰イオン性界面活性剤と陽イオン性界面活性剤とが混合ミセルを形成して水溶液に溶解する状態である。陰イオン性界面活性剤と陽イオン性界面活性剤とが結合して生成した複合体は、疑似-非イオン性複合界面活性剤(pseudo-nonionic complex surfactant)と呼ばれており、このような中性複合体は、非イオン性界面活性剤よりも多くの親水基をもつので、水に対してより高い溶解度を示しうるということが知られている。したがって、界面活性剤の3種類の存在状態は陰イオン性界面活性剤及び陽イオン性界面活性剤の構造と濃度とによって大きな影響を受ける。このように陰イオン性界面活性剤と陽イオン性界面活性剤とを混合して混合界面活性剤システムを構築する場合に発生する可能性のある沈殿現象の防止、状態安定性の向上および物性の向上のために、非イオン性界面活性剤を混合することが知られている。特に、親水基としてアミンオキシド、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドが加えられた非イオン性界面活性剤の場合、多様な界面活性力(例えば、可溶性、洗浄力、乳化力、分散力、表面張力低下能力、低いcmc値など)で優れた効果が得られ、混合界面活性剤の状態安定性が向上するということが報告されている(surfactant science series vol.46、mixed surfactant systems)。
【0005】
そして、最近、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤を一定の比率で混合することによって製品の性能を向上させることを目的とする特許が公開された。
【0006】
米国特許第5,798,329号は、濃縮形態や一般形態で優れた性能を示す洗剤処方に関する方法を開示している。ここで、優れた性能というのは、優れた気泡力、十分な洗浄力と抗菌力を意味する。前記方法では、アルキルエーテルカルボキシレートまたはアルキルエーテルスルフェートの中から選択された1種以上の陰イオン性界面活性剤を約1〜40重量%用い、アルコールアルコキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、アルキルポリグリコシド、アミンオキシド、アルカノールアミドの中から選択された1種以上の非イオン性界面活性剤を約3〜50重量%用い、4級アンモニウム構造を含む1種以上の陽イオン性界面活性剤を約1〜25重量%用いて、洗浄能力を向上させようとした。前記方法で用いられる陽イオン性界面活性剤は一般に広く用いられている4級アンモニウム化合物であり、非イオン性界面活性剤もやはり現在販売されている汎用の界面活性剤である。
【0007】
米国特許第4,576,729号は、非イオン性、陰イオン性および陽イオン性界面活性剤を2:4:1〜3.5:5:1の比率で混合することで、状態安定性の優れた液体洗剤を製造する方法を開示している。
【0008】
米国特許第5,230,823号は、ゲル状の食器洗い洗剤に関する方法で、陰イオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との混合方法を開示している。前記方法では気泡増加剤として特定の種類の4級アンモニウム界面活性剤が組成物中に含まれている。
【0009】
しかし、前記方法は、洗浄力が優れていると主張しているが、硬水安定性、気泡力、表面張力など他の物性については言及していない。また、前記方法で使用した非イオン性界面活性剤は、特定の性能の向上を目的として使ったわけではないし、むしろ、汎用の化合物を組み合わせて機能性のある混合比を得る方法を開示したに過ぎない。
【0010】
また、大韓民国特許公開第2000-10944号は、織物の洗浄力を向上させるための、ポリアミン汚物分散剤と混合されたC12〜C14のアルキル基を含むジメチルヒドロキシエチル4級アンモニウム界面活性剤を含む、洗濯用洗剤組成物を開示している。しかし、前記方法で用いられた4級アンモニウム界面活性剤は、アルキル基の長さがC12〜C14に固定されており、陽イオン性界面活性剤の役割がポリアミンの性能を向上させて単に合成織物(例えば、ポリエステル)の洗濯時に汚物の除去能力を向上させることに限定されており、これを含む洗剤組成物に関する内容のみが開示されている。
【0011】
また、米国特許第6,022,844号は、従来の洗剤処方に陽イオン性界面活性剤を添加することによって、オイルの除去能力が向上し、同時に香りが長く維持され、色落ち現象を防止する効果を得たと開示している。しかしながら、前記方法の場合、単純に陽イオン性界面活性剤が約0.1〜3%程度混合されて用いられたという内容のみを開示しており、物性調節のために新規化合物を適用してはいない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、前記従来の技術の問題点を考慮して、陰イオン性界面活性剤、または陰イオン性界面活性剤と陽イオン性界面活性剤との混合系の物性を向上させることができる新たな構造の化合物を提供することを目的とする。
【0013】
本発明は、また、前記化合物を利用して陰イオン性界面活性剤のみを用いた場合より非常に優れた性能を示す混合界面活性剤システムを提供することを目的とする。
本発明は、また、洗浄力、初期気泡力、硬水安定性、表面張力、cmc、保湿力、気泡維持力などの界面活性力が非常に優れた界面活性剤システムを提供することを目的とする。
【0014】
本発明は、また、前記界面活性剤システムを含み、従来の製品より優れた性能を示す固体、液体、ゲル状、またはペースト状の洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、前記目的を達成するために、界面活性剤システムにおいて、a)陰イオン性界面活性剤;b)下記の化学式1で示される陽イオン性化合物;及びc)非イオン性界面活性剤;を含むことを特徴とする、界面活性剤システムを提供する。
【0016】
【化1】
【0017】
前記化学式1で、
R1、R2、R3、及びR4は各々独立的または同時にC1〜C20の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、またはエチレンオキシド基、またはプロピレンオキシド基が1乃至20個付加されたヒドロキシエチル基であり;
Xはハロゲン族元素、スルフェート基、またはアセテート基である。
【0018】
また、本発明は、界面活性剤システムにおいて、a)陰イオン性界面活性剤;及びb)下記の化学式2で示される陽イオン性化合物;を含むことを特徴とする、界面活性剤システムを提供する。
【0019】
【化2】
【0020】
前記化学式2で、
R1、R2、R3、及びR5は各々独立的または同時にC1〜C20の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、またはエチレンオキシド基、またはプロピレンオキシド基が1乃至20個付加されたヒドロキシエチル基であり;R4はC1〜C20のアルキル基、エチレンオキシド基、またはプロピレンオキシド基が1〜10個付加されたアルキル基、またはヒドロキシル基が1個以上結合されたアルキル基であり;nは1乃至20の整数であり;Xはハロゲン族元素、スルフェート基、またはアセテート基である。
【0021】
また、本発明は、界面活性剤システムにおいて、a)陰イオン性界面活性剤;及びb)下記の化学式4で示される化合物;を含むことを特徴とする、界面活性剤システムを提供する。
【0022】
【化3】
【0023】
前記化学式4で、
R1、R2、R3、及びR4は各々独立的または同時に炭素数1〜20個の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、エチレンオキシド基、またはプロピレンオキシド基が1〜20個付加されたヒドロキシエチル基であり;R5は炭素数1〜20個のアルキル基、エチレンオキシド基、またはプロピレンオキシド基が1〜20個付加されたアルキル基、ヒドロキシル基が1個以上結合されたアルキル基、二重結合が少なくとも1個以上含まれたアルキル基、またはエーテル基が少なくとも1個以上含まれたアルキル基であり;A1及びA2は各々独立的または同時に炭素数1〜20個の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、エチレンオキシド基、またはプロピレンオキシド基が1〜20個付加されたヒドロキシエチル基、または酸素陰イオン(O-)であり;nは0乃至20の整数であり;Xはハロゲン族元素、スルフェート基、メチルスルフェート基、またはアセテート基である。
【0024】
また、本発明は、界面活性剤システムにおいて、a)陰イオン性界面活性剤;b)前記化学式4で示される化合物;及びc)非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、またはこれらの混合物;を含むことを特徴とする、界面活性剤システムを提供する。
【0025】
また、本発明は、前述した界面活性剤システムを含む固体、液体、ゲル状、またはペースト状の洗剤組成物を提供する。
【発明の効果】
【0026】
本発明による混合界面活性剤システムは、少なくとも1種以上の非イオン基または陽イオン基を含む構造の化合物を含んで陰イオン性界面活性剤の洗浄力を向上させ、初期気泡度及び気泡維持力を調節することができ、硬水安定性を向上させ、表面張力及びcmcを低下させるので、洗濯洗剤、シャンプー、リンス、食器洗い洗剤、染毛剤、繊維柔軟剤、石鹸などのような固体、液体、ゲル状、ペースト状の洗剤に適用するのに効果的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者は、従来の技術での問題点を解決して、全ての点で優れた界面活性力(例えば、洗浄力、気泡力、硬水安定性、表面張力、cmc、保湿力、気泡維持力など)を示すようにするために、沈殿を生成しないような適切な濃度で形成した中性複合体に親水基を複数結合させて水に対する溶解度を向上させることによって沈殿を防止し、これによって陰イオン性界面活性剤の物性を調節することができる前記化学式1、化学式2、または化学式4で示される化合物を開発した。
【0028】
したがって、本発明は、従来の陰イオン性界面活性剤の物性を向上し、優れた性能を示すことができるように、前記化学式1、化学式2、または化学式4で示される化合物を特定の比率で含む界面活性剤システムを提供する。
【0029】
本発明では、前記化学式1、化学式2、または化学式4の化合物を用いることによって、所望の物性を調節することができ、少量を混合しても優れた性能が得られる。また、本発明は汚物の除去能力をさらに向上させるために、ゲミニ構造の化学式4の陽イオン性化合物を製造して添加剤として用いることによって、所望の物性を向上または調節することができる。
【0030】
本発明で用いる前記陽イオン性化合物と類似した構造について、 R. Zana (Journal of Colloid and Interface Science, 1998, 199, 169) および R. Rosen (Journal of Colloid and Interface Science, 1996, 179, 261; Journal of Colloid and Interface Science, 1996, 179, 454)によって発表されている。しかしながら、これらの文献に発表された化合物は、新規陽イオン性界面活性剤として合成されて化合物固有の物性が測定されたもので、本発明の目的である陰イオン性界面活性剤と混合して優れた界面活性力を示す界面活性剤システムに関する研究は行なわれていない。さらに、前記文献で発表された化合物は、分子内に親水基が少ないため、本発明のように陰イオン性界面活性剤と混合すると、沈殿物となる可能性が非常に高い。
【0031】
これに対して、本発明は、前記文献で発表された化合物の問題点を解決するために、ヒドロキシル基を分子内に導入した化学式1の化合物、または1種以上の陽イオン基とヒドロキシル基を分子内に導入した化学式2の化合物を用いて、生成する中性複合体の溶解性を向上させて優れた界面活性力を示す。
【0032】
また、本発明は、1種以上の陽イオン基またはアミンオキシド基と、親水基であるヒドロキシル基、エチレンオキシド(EO)またはプロピレンオキシド(PO)とを分子内に導入した化学式1の化合物を用いて、生成する中性複合体の溶解性を向上させて優れた界面活性力を示す。
【0033】
つまり、本発明によると、前記化学式1、化学式2または化学式4で示される化合物は、陰イオン性界面活性剤単独、陰イオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、またはこれらの混合物の洗浄力を向上させ、初期気泡度を維持しながら気泡維持力は低下させ、硬水安定性は向上させ、表面張力及びcmcは低下させる特徴がある。
【0034】
以下、このような本発明の界面活性剤システムについて、より具体的に説明する。
本発明の界面活性剤システムは、陰イオン性界面活性剤、前記化学式1の陽イオン性化合物、及び非イオン性界面活性剤を一定の比率で混合して構成される。
【0035】
本発明の界面活性剤システムにおいて、前記陰イオン性界面活性剤、前記化学式1の陽イオン性化合物、及び非イオン性界面活性剤の混合比率は、モル比で1:0.001:0.001〜1:1:1であるのが好ましい。この時、前記陰イオン性界面活性剤と前記化学式1の陽イオン性化合物とのモル比が1:0.001未満である場合には、陽イオン性化合物を混合することによる混合界面活性剤システムの物性変化が観察できず、モル比が1:1を超える場合には、経済的に有利でない。
【0036】
本発明の界面活性剤システムにおいて、前記化学式1の陽イオン性化合物は、構造内に少なくとも1種以上の親水基を含む4級アンモニウム化合物である。このような構造の前記化学式1で示される陽イオン性化合物は、水中で陰イオン性界面活性剤と結合するときに生成する中性化合物の溶解性を向上させて、優れた性能を示すことができる。
【0037】
このような前記化学式1で示される陽イオン性化合物は、本発明の目的に合う構造の3級アミンをハロゲン化アルキル化合物と塩基性条件下で加熱して4級化することにより製造することができる。
【0038】
このように得られた前記化学式1で示される陽イオン性化合物は、例えば、代表的な陽イオン基として4級アンモニウム基を1種含むmono-type化合物に製造することができ、あるいは前記mono-type化合物のヒドロキシル基に非イオン親水基としてエチレンオキシド(EO)基が付加した化合物に製造することができる。
【0039】
また、本発明の界面活性剤システムは、陰イオン性界面活性剤及び前記化学式2の陽イオン性化合物を一定の比率で混合して構成される。
本発明の界面活性剤システムにおいて、陰イオン性界面活性剤及び化学式2の陽イオン性化合物の混合比率は、モル比で1:0.0001〜1:0.5であるのが好ましい。この時、前記陰イオン性界面活性剤と前記化学式2の陽イオン性化合物のモル比が1:0.0001未満である場合には、陽イオン性化合物を混合することによる界面活性剤システムの物性変化が観察できず、モル比が1:0.5を超える場合には、経済的に有利でない。
【0040】
本発明の界面活性剤システムにおいて、前記化学式2の陽イオン性化合物は、構造内に少なくとも1種以上の陽イオン基と親水基とを含む4級アンモニウム型である。このような構造の前記化学式2で示される陽イオン性化合物は、陰イオン性界面活性剤と結合する時に、生成する中性化合物の水に対する溶解性を向上させて、優れた性能を示す。
【0041】
本発明で、陰イオン性界面活性剤と混合して優れた性能を示すための前記化学式2の陽イオン性化合物の製造方法は、次のような2種類の方法がある。
第1の方法は、i)アルカリ条件で2級アミンと化学式3で示されるリンカーとを反応させて3級アミンを製造する段階;及びii)前記i)段階で得られた3級アミンに多様な種類のハロゲン化アルキル化合物を反応させて4級化させる段階を実施して前記化学式1の陽イオン性化合物を製造する。
【0042】
また、第2の方法は、i)アルカリ条件で2級アミンと多様な種類のハロゲン化アルキル化合物とを反応させて3級アミンを製造する段階;及びii)前記i)段階で得られた3級アミンに化学式3で示されるリンカーを結合させて4級化させる段階;を実施して前記化学式1の陽イオン性化合物を製造する。
【0043】
【化4】
【0044】
前記化学式3で、nは1乃至20の整数であり;Xはハロゲン族元素、スルフェート基、またはアセテート基である。
まず、本発明の目的に合う2級アミンを多様な種類のアルキル基と塩基条件で加熱反応して3級アミンを製造した後、前記化学式3のリンカーの役割をする化合物と反応させて4級化させることができ、これに対する合成経路の例を挙げると下記反応式1の通りである。
【0045】
【化5】
【0046】
前記反応式1で、RはC1〜C20の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、または、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基が1乃至20個付加されたヒドロキシエチル基であり;nは1乃至20の整数であり;Xはハロゲン族元素、スルフェート基、またはアセテート基である。
【0047】
また、本発明の目的に合う2級アミンと前記化学式3の化合物とをアルカリ条件で反応させて3級アミンを先に製造した後、多様な種類のアルキル基と反応させて4級化させる方法を用いることもでき、これに対する合成経路の例を挙げると下記反応式2の通りである。
【0048】
【化6】
【0049】
前記反応式2で、RはC1〜C20の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、または、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基が1乃至20個付加されたヒドロキシエチル基であり;nは1乃至20の整数であり;Xはハロゲン族元素、スルフェート基、またはアセテート基である。
【0050】
前記化学式2の陽イオン性化合物のうちのビス形態は、前記反応式1または2の反応経路を通じて製造される。
また、本発明で用いる一つの分子内に陽イオン基が3個以上含まれる陽イオン性化合物は、2級アミンとエピクロルヒドリンとをアルコール溶媒で同じモル比で反応させて中間体を合成した後、この中間体を重合反応させて製造することができる。この時、重合反応の時間と温度を調節することによって、陽イオン性化合物の重合度を調節することができる。このようなオリゴマー形態の陽イオン性化合物の合成経路は下記反応式3の通りである。
【0051】
【化7】
【0052】
本発明では、所望の化合物に応じて適切な方法を選択して用いることにより、陽イオン性化合物を容易に合成することができる。このように合成された化合物はNMR及びMASS分析を利用して確認することができる。
【0053】
前記化学式2の陽イオン性化合物は、1,6-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール]ヘキサン、1,8-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール]オクタン、1,8-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール]オクタン、1,8-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール]オクタン、1,8-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール]オクタン、1,8-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール]オクタン、1,6-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(EO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(EO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(EO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(EO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(EO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(EO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(EO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(EO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(EO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(EO)4]ヘキサン、1,8-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(EO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(EO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(EO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(EO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(EO)2]オクタン、1,8-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(EO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(EO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(EO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(EO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(EO)4]オクタン、1,6-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(PO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(PO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(PO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(PO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(PO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(PO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(PO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(PO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(PO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(PO)4]ヘキサン、1,8-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(PO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(PO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(PO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(PO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(PO)2]オクタン、1,8-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(PO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(PO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(PO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(PO)4]オクタン、及び1,8-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(PO)4]オクタンからなる群より選択される化合物であるのが好ましい。
【0054】
また、本発明の界面活性剤システムは、陰イオン性界面活性剤及び前記化学式4の化合物を含んで構成される。
前記陰イオン性界面活性剤及び化学式4の化合物の混合比率は、モル比で1:0.0001〜1:1.0であるのが好ましい。この時、前記陰イオン性界面活性剤と前記化学式4の化合物とのモル比が1:0.0001未満である場合には、非イオン性化合物を混合することによる界面活性剤システムの物性変化が観察できず、モル比が1:1.0を超える場合には、経済的に有利でない。
【0055】
また、本発明の界面活性剤システムは、前記陰イオン性界面活性剤及び化学式4の化合物の混合系に非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、またはこれらの混合物を混合して、より優れた性能を示す混合界面活性剤システムを構成することができる。
【0056】
前記陰イオン性界面活性剤、化学式4の化合物、及び非イオン性界面活性剤の混合比率は、モル比で1:0.0001:0.0001〜1:1.0:0.5であるのが好ましい。
また、前記陰イオン性界面活性剤、化学式4の化合物、及び陽イオン性界面活性剤の混合比率は、モル比で1:0.0001:0.0001〜1:1.0:0.5であるのが好ましい。
【0057】
また、前記陰イオン性界面活性剤、前記化学式4の化合物、非イオン性界面活性剤、及び陽イオン性界面活性剤の混合比率は、モル比で1:0.0001:0.0001:0.0001〜1:1.0:0.5:0.5であるのが好ましい。
【0058】
また、本発明の界面活性剤システムにおいて、前記化学式4の化合物は、分子構造内に陽イオン基または陰イオン基を含み、化合物内に少なくとも1個以上の親水基を含む形態である。このような構造の前記化学式4で示される化合物は、陰イオン性界面活性剤と結合する時に、生成される混合物の水に対する溶解性を向上させて、優れた性能を示す。
【0059】
前記化学式4において、A1及びA2が酸素の陰イオンである場合は、窒素の陽イオンと酸素の陰イオンとが電荷相殺されて非イオン性化合物の性質を示す。また、前記化学式1において、A1及びA2が各々独立的または同時に炭素数1〜20個の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、または、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基が1〜20個付加したヒドロキシエチル基である場合は、陽イオン性化合物の性質を示す。
【0060】
前記化学式4の化合物において、A1及びA2に酸素の陰イオンが結合した場合、つまりアミンオキシド基を含む非イオン性化合物である場合、その製造方法としては、次のような方法がある。
【0061】
第1の方法は、a)アルカリ条件で2級アミンと下記の化学式5のリンカーとを反応させて3級アミンを製造する段階;及びb)前記a)段階で得られた3級アミンを過酸化水素と反応させる段階;を実施して、前記化学式4の非イオン性化合物を製造することができる。
【0062】
【化8】
【0063】
前記化学式5で、nは1乃至20の整数であり;Xはハロゲン族元素であり;R5は水素、または少なくとも1個以上の二重結合、ヒドロキシル基、またはエーテル基を含む炭素数1乃至20のアルキルまたはアリル基である。
【0064】
本発明は、目的に合う2級アミンと前記化学式4の化合物とをアルカリ条件で反応させて3級アミンを先に製造した後、過酸化水素と反応させてアミンオキシドを製造する方法を用いることができ、これに対する合成経路の例を挙げると下記反応式4の通りである。
【0065】
【化9】
【0066】
前記反応式4で、RはC1〜C20の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、または、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基が1乃至20個付加したヒドロキシエチル基であり;nは1乃至20の整数であり;X’はハロゲン族元素であり;R5は水素、または少なくとも1個以上の二重結合、ヒドロキシル基、またはエーテル基を含む炭素数1乃至20のアルキルまたはアリル基である。
【0067】
前記化学式4の非イオン性化合物のうちのビス形態は、前記反応式4の経路を通じて製造することができる。
また、本発明で用いる化学式4の一つの分子内にアミンオキシド基が3個以上含まれる化合物の製造方法は次の通りである。
【0068】
それは、1級アミンとエピクロルヒドリンとをアルコール溶媒で同じモル比で反応させて2級アミン中間体を合成した後、この中間体の重合反応を経て3級アミンを製造し、これを過酸化水素と反応させて製造することができる。この時、3級アミンを合成する際に、重合反応の時間と温度とを調節することにより、中間体の重合度を調節することができる。このようなオリゴマー形態の非イオン性化合物合成経路の例を挙げると下記反応式5の通りである。
【0069】
【化10】
【0070】
前記反応式5で、R1、n、及びXは前記で定義した通りである。
本発明では、所望の化合物に応じて適切な合成方法を選択して用いることにより、非イオン性化合物を容易に合成することができる。このように合成された化合物はNMR及びMASS分析を利用して確認することができる。
【0071】
前記方法で製造される化学式4の化合物のうちの非イオン性化合物は、N,N,N-ジメチルラウリルアミンオキシド、N,N,N-エチルメチルラウリルアミンオキシド、N,N,N-ジメチルドデシルアミンオキシド、N,N,N-ブチルメチルラウリルアミンオキシド、N,N,N-ジメチルヘキサデシルアミンオキシド、N,N,N-ジブチルラウリルアミンオキシド、N,N,N-(2-ヒドロキシエチルラウリルメチル)アミンオキシド、N,N,N-(ジ-2-ヒドロキシエチルラウリル)アミンオキシド、N,N,N-(2-ヒドロキシエチルラウリルブチル)アミンオキシド、N,N,N-(2-ヒドロキシ(EO)5エチルラウリルメチル)アミンオキシド、N,N,N-(2-ヒドロキシエチル(PO)5ラウリルメチル)アミンオキシド、N,N,N-(2-ヒドロキシエチル(EO)5(PO)5ラウリルメチル)アミンオキシド、N,N,N-(2-ヒドロキシエチル(EO)10ラウリルメチル)アミンオキシド、N,N,N-(2-ヒドロキシエチル(EO)15ラウリルメチル)アミンオキシド、1,6-(N,N-ブチルメチルアミンオクチル)ヘキサン、1,6-(N,N-ブチルメチルアミンオクチル)ジプロピルエーテル、1,6-(N,N-ブチルメチルアミンオクチル)-3-ヒドロキシヘキサン、1,6-(N,N-ブチルメチルアミンオクチル)ブタン、1,6-(N,N-ブチルメチルアミンオクチル)オクタン、1,6-(N,N-ブチルメチルアミンオクチル)-2-ヒドロキシプロパン、1,6-[2-(N-メチルアミンオクチル)エタノール]ヘキサン、1,6-[2-(N-メチルアミンオクチル)エタノール(EO)5]ヘキサン、1,6-[2-(N-メチルアミンオクチル)エタノール(PO)5]ヘキサン、1,6-[2-(N-メチルアミンオクチル)エタノール(EO)5(PO)5]ヘキサン、1,6-[2-(N-メチルアミンオクチル)エタノール(EO)10]ヘキサン、1,6-[2-(N-メチルアミンオクチル)エタノール]ジプロピルエーテル、1,6-[2-(N-メチルアミンオクチル)エタノール]-2-ヒドロキシプロパン、1,6-[2-(N-メチルアミンオクチル)エタノール]ブタン、及び1,6-[2-(N-メチルアミンオクチル)エタノール]オクタンからなる群より1種以上選択される化合物であるのが好ましい。
【0072】
また、本発明の界面活性剤システムにおいて、前記化学式4で示される化合物のA1及びA2が各々独立的または同時に炭素数1〜20個の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、または、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基が1〜20個付加したヒドロキシエチル基である場合は、陽イオン基を含む化合物になる。
【0073】
このような前記化学式4で示される化合物のうちの陽イオン基を含む化合物の製造方法は、前記反応式3乃至5と類似しており、次のような2種類の方法がある。
第1の方法は、a)アルカリ条件で2級アミンと炭素数1〜20個の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、または、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基が1〜20個付加したヒドロキシエチル基を含む化合物とを反応させて3級アミンを製造する段階;及びb)前記a)段階で得られた3級アミンに下記の化学式5で示される化合物を添加して4級化させる段階;を実施して、前記化学式4の陽イオン性化合物を製造することができる。
【0074】
【化11】
【0075】
前記化学式5で、nは1乃至20の整数であり;X’はハロゲン族元素であり;R5は水素、または少なくとも1個以上の二重結合、ヒドロキシル基、またはエーテル基を含む炭素数1乃至20のアルキルまたはアリル基である。
【0076】
また、選択的に、a)アルカリ条件で2級アミンと前記化学式5で示される化合物とを反応させて3級アミンを製造する段階;及びb)前記a)段階で得られた3級アミンに炭素数が1〜20個の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、または、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基が1〜20個付加したヒドロキシエチル基を含む化合物を結合させて4級化させる段階;を実施して、前記化学式4の陽イオン性化合物を製造することができる。
【0077】
まず、本発明は、目的に合う2級アミンを、炭素数が1〜20個の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、または、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基が1〜20個付加したヒドロキシエチル基を含む化合物と塩基条件で加熱反応して3級アミンを製造した後、前記化学式5のリンカーと反応させて4級化させることができ、これに対する合成経路の例を挙げると下記反応式6の通りである。
【0078】
【化12】
【0079】
前記反応式6で、RはC1〜C20の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、または、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基が1乃至20個付加したヒドロキシエチル基であり;nは1乃至20の整数であり;Xはハロゲン族元素、スルフェート基、またはアセテート基であり;X’はハロゲン族元素であり;R5は水素、または少なくとも1個以上の二重結合、ヒドロキシル基、またはエーテル基を含む炭素数1乃至20のアルキルまたはアリル基である。
【0080】
また、本発明は、目的に合う2級アミンと前記化学式5の化合物とをアルカリ条件で反応させて3級アミンを先に製造した後、炭素数が1〜20個の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、または、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基が1〜20個付加したヒドロキシエチル基を含む化合物と反応させて4級化させる方法を用いることができ、これに対する合成経路の例を挙げると下記反応式7の通りである。
【0081】
【化13】
【0082】
前記反応式7で、RはC1〜C20の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、または、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基が1乃至20個付加したヒドロキシエチル基であり;nは1乃至20の整数であり;Xはハロゲン族元素、スルフェート基、またはアセテート基であり;X’はハロゲン族元素であり;R5は水素、または少なくとも1個以上の二重結合、ヒドロキシル基、またはエーテル基を含む炭素数1乃至20のアルキルまたはアリル基である。
【0083】
前記化学式4の陽イオン性化合物のうちのビス形態は、前記反応式6または7の反応経路を通じて製造できる。
また、本発明で用いる一つの分子内に陽イオン基が3個以上含まれる陽イオン性化合物は、2級アミンとエピクロルヒドリンとをアルコール溶媒で同じモル比で反応させて中間体を合成した後、この中間体を重合反応させて製造することができる。この時、重合反応の時間と温度とを調節することにより、陽イオン性化合物の重合度を調節することができる。このようなオリゴマーまたはポリマー形態の陽イオン性化合物の合成経路は下記反応式8の通りである。
【0084】
【化14】
【0085】
前記反応式8で、R1及びR2は前記で定義した通りであり、nは1乃至20の整数である。
本発明では、所望の化合物に応じて適切な方法を選択して用いることにより、陽イオン性化合物を容易に合成することができる。このように合成された化合物はNMR及びMASS分析を利用して確認できる。
【0086】
前記化学式4の化合物のうちの陽イオン基を含む化合物は、ジメチルオクチルエタノールアンモニウム、ジメチルデシルエタノールアンモニウム、ジメチルラウリルエタノールアンモニウム、ジメチルオクチルエタノール(EO)5アンモニウム、ジメチルデシルエタノール(EO)5アンモニウム、ジメチルラウリルエタノール(EO)5アンモニウム、ジメチルオクチルエタノール(EO)10アンモニウム、ジメチルデシルエタノール(EO)10アンモニウム、ジメチルラウリルエタノール(EO)10アンモニウム、ジメチルオクチルエタノール(EO)15、ジメチルデシルエタノール(EO)15、ジメチルラウリルエタノールアンモニウム(EO)15、トリメチルオクチルアンモニウム、トリデシルラウリルアンモニウム、トリメチルラウリルアンモニウム、1,6-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール]ヘキサン、1,8-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール]オクタン、1,8-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール]オクタン、1,8-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール]オクタン、1,8-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール]オクタン、1,8-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール]オクタン、1,6-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(EO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(EO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(EO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(EO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(EO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(EO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(EO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(EO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(EO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(EO)4]ヘキサン、1,8-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(EO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(EO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(EO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(EO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(EO)2]オクタン、1,8-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(EO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(EO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(EO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(EO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(EO)4]オクタン、1,6-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(PO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(PO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(PO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(PO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(PO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(PO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(PO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(PO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(PO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(PO)4]ヘキサン、1,8-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(PO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(PO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(PO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(PO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(PO)2]オクタン、1,8-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(PO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(PO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(PO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(PO)4]オクタン、及び1,8-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(PO)4]オクタンからなる群より1種以上選択される化合物であるのが好ましい。
【0087】
また、本発明の界面活性剤システムにおいて、陰イオン性界面活性剤は、前記化学式1、化学式2、または化学式4の化合物と混合されて状態安定性の優れた混合系を製造することができる化合物を用いる。これは、一般に広く用いられる陰イオン性界面活性剤化合物を全て適用することができ、特に石鹸のようなカルボキシ酸塩化合物、高級アルコール、高級アルキルエーテル、オレフィンをスルフェート化した硫酸エステル塩化合物、アルキルベンゼンスルホネートを含む硫酸塩化合物、高級アルコールをリン酸化したリン酸塩化合物が代表的なものである。具体的に、例えば、ソジウムラウリルスルフェート(以下、‘SLS’と言う)、ソジウムラウリルエーテルスルフェート(SLES)、直鎖アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、モノアルキルホスフェート(MAP)、アシルイセチオネート(SCI)、及びアルキルグリセリルエーテルスルホネート(AGES)、アシルグルタメート、アシルタウレート、脂肪酸金属塩などがあり、この中でも広く用いられているSLS、SLES、LAS、またはSCIを用いるのがより好ましい。
【0088】
また、本発明の界面活性剤システムにおいて、非イオン性界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、及び化学式1、化学式2、または化学式4の化合物と混合して優れた状態安定性を示す化合物を用いるのが好ましい。本発明の界面活性剤システムにおいて、非イオン性界面活性剤は、アルコールアルコキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、アルキルポリグリコシド、アミンオキシド及びアルカノールアミドからなる群より1種以上選択されるのが好ましい。
【0089】
また、本発明の界面活性剤システムにおいて、陽イオン性界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、及び前記化学式1、化学式2、または化学式4の化合物と混合されて優れた状態安定性を示す化合物を用いるのが好ましい。本発明で用いられる陽イオン性界面活性剤は、既存の広く用いられている陽イオン性界面活性剤を用いることができる。例えば、アミン塩型の化合物、4級アンモニウムを含む化合物、モノアルキルジメチルアミン誘導体、ジアルキルモノメチルアミン誘導体、イミダゾリン誘導体、ジェミニ(Gemini)型の4級アンモニウム化合物、及びオリゴマー形態の4級アンモニウム化合物からなる群より1種以上選択して用いることができる。
【0090】
このような条件で製造される混合系において、陰イオン性界面活性剤(代表的な例としてSLS)の物性変化は、クラフト点の変化、気泡力(初期気泡度及び気泡維持力)の変化、表面張力の変化、硬水安定性の変化の項目を測定することによって知ることができる。
【0091】
本発明の界面活性剤システムは、前記化学式1、2、または4の化合物と陰イオン性界面活性剤とを混合することにより、冷却条件で界面活性剤が析出される温度であるクラフト点を0℃以下に向上させる。これは、低温で界面活性剤システムの状態安定性が非常に優れていることを示す。
【0092】
特に、前記化学式4の化合物のうちの非イオン基を含む化合物は、化合物の混合比が低くても優れた状態安定性を示す。したがって、化学式4の非イオン性化合物を陰イオン性界面活性剤と混合することにより、低温で析出される陰イオン性界面活性剤の短所を補完することができ、特に、冬季の界面活性剤を含む製品の状態安定性の維持に大きく役に立つ。
【0093】
また、気泡力(初期気泡度及び気泡維持力)の側面から実験した結果、非イオン性添加剤の混合比に関係なく、混合系の初期気泡度が陰イオン性界面活性剤と同等で気泡が長く維持され、初期気泡度が優れているが、時間の経過に伴って徐々に気泡が消える結果も示した。これは、適用される製品に応じて非イオン性化合物を選択、処方に適用することにより、製品の気泡力を調節することができるという意味であり、食器洗い洗剤、シャンプー、ボディークレンザー、洗濯洗剤など多様な製品群への適用が可能である。
【0094】
前記表面張力の変化に関して、非イオン性化合物の混合比だけが高くなると表面張力が低くなり、非常に低濃度でも一定の表面張力を維持する結果を示す。このことから、混合系が陰イオン性界面活性剤(SLS)より低いcmcを有するということが予測できる。このような低い表面張力及びcmcは少量を使用しても優れた洗浄力を示すということを意味する。
【0095】
前記混合系の硬水安定性は、陰イオン性界面活性剤を単独で用いるのに比べて約2倍以上向上した。したがって、食器洗い洗剤や洗濯洗剤のように、陽性金属イオンが多く含まれる水を利用して洗浄しなければならない製品への適用が可能である。また、硬水安定性の向上は陰イオン性界面活性剤が非イオン性化合物と結合して混合ミセルを形成するということを示す。このように陰イオン性界面活性剤と非イオン性化合物とが混合ミセルを形成するほど、混合界面活性剤の物性を十分に変化させることができる。
【0096】
また、エチレンオキシド(EO)またはプロピレンオキシド(PO)が平均2乃至15モル付加した2級アミンを用いて製造された非イオン性化合物も、陰イオン性界面活性剤または陰イオン性界面活性剤と陽イオン性界面活性剤との混合物と混合系を構成して物性を変化させることができる。
【0097】
また、本発明の界面活性剤システムは、前記化学式4の陽イオン性化合物と陰イオン性界面活性剤とを混合することにより、冷却条件で界面活性剤が析出される温度であるクラフト点を0℃以下に向上させる。これは、低温で界面活性剤システムの状態安定性が非常に優れていることを示す。
【0098】
本発明による混合系は、大部分の試料条件で前記クラフト点が0℃以下の結果を示しており、このような結果は、陽イオン性化合物のアルキル基の長さと混合比とによる影響をほとんど受けないことを示す。したがって、前記陽イオン性添加剤を陰イオン性界面活性剤と混合することにより、低温で析出される陰イオン性界面活性剤の短所を補完することができ、特に、冬季の製品の状態安定性の維持に大きく役に立つ。
【0099】
また、混合系が陽イオン性化合物を含む場合、気泡力(初期気泡度及び気泡維持力)の側面から実験した結果、陽イオン添加剤のアルキル基が長いほど、混合比が2/0.75以上である場合に混合系の初期気泡度が低下し、気泡維持力が弱くなる結果を示した。これは、初期には陰イオン性界面活性剤のように豊富な気泡が発生し、使用により気泡が容易に消える現象が必要な、食器洗浄器やドラム洗濯機用洗濯洗剤に必要な性質である。特に、アルキル基としてドデシル基が導入された陽イオン性化合物を用いた混合系の場合、気泡がほとんど発生しない結果を示す。この結果から、陽イオン性添加剤を陰イオン性界面活性剤が主化合物である製品(例えば、低気泡性洗濯洗剤など)の処方に適用して消泡剤として用いることができることが分かる。
【0100】
前記表面張力変化に関して、陽イオン性化合物の混合比が2/0.1以上に高くなると表面張力が低下し、低濃度でも一定の表面張力を維持する結果を示す。このことから、混合系が陰イオン性界面活性剤(SLS)より低いcmcを有するということが予測できる。このような低い表面張力及びcmcであれば、製品に適用した時に少量でも優れた洗浄力を示すことができる。
【0101】
前記混合系の硬水安定性は、陽イオン性化合物のアルキル基がブチル基以上である場合、あるいは陰イオン性界面活性剤との混合比が2/0.5以上である場合に非常に向上した結果を示す。特に、陽イオン性化合物がブチル基を含む場合、陰イオン性界面活性剤を単独で用いるのに比べて硬水安定性が約4倍向上した。これは、食器洗い洗剤や洗濯洗剤のように陽性金属イオンが多く含まれた水を利用して洗浄しなければならない製品への適用が可能である。また、この硬水安定性の向上は、陰イオン性界面活性剤が陽イオン性化合物と結合して複合体を形成する現象の結果と見ることができる。このように陰イオン性界面活性剤と陽イオン性化合物との結合が強いほど、少量の陽イオン性化合物でも陰イオン性界面活性剤の物性を十分に変化させることができる。
【0102】
本発明の前記化学式4の陽イオン性化合物の陰イオン性界面活性剤に対する物性変化能力を比較するために、同一な長さのアルキル基とヒドロキシル基とを含む4級アンモニウム化合物を製造して同一条件で物性評価を実施した。その結果、本発明の目的である陽イオン性化合物は、比較化合物に比べて、少量の混合比でも低いクラフト点と向上した気泡力、低い表面張力、向上した硬水安定性を示した。このような結果から、一つの分子内の陽イオン基が増えることにより、陰イオン性界面活性剤に対する物性変化能力が向上することが分かる。
【0103】
また、ヒドロキシル基にエチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド(PO)とがそれぞれ平均2モルと4モル付加した2級アミンを用いて化学式2または4の陽イオン性化合物を製造する場合も、陰イオン性界面活性剤の物性変化能力を向上させることができる。
【0104】
上述したように、本発明の前記化学式1、2、または4の化合物と陰イオン性界面活性剤とが混合された界面活性剤システムは、界面活性力が非常に優れていて、固体、液体、ゲル状、ペースト状の洗剤、例えばシャンプー、皮膚洗浄剤、石鹸、食器洗い洗剤、住居用洗剤、産業用洗剤、歯磨き粉、粉末洗剤などの製品及び添加物の処方に含めれば、従来の製品より優れた性能の製品を提供することができる。
【0105】
以下、本発明を下記の実施例を参照して説明する。しかし、これらの例は本発明を例示するものに過ぎず、本発明がこれらに限られるわけではない。
[実施例]
1 - 1 - 1.単一型( Mono-type )4級アンモニウム型の陽イオン性化合物の合成
陰イオン性界面活性剤との混合系で陰イオン性界面活性剤の物性を変化させる陽イオン性化合物のうち、代表的な陽イオン基として4級アンモニウム基を1個含む単一型5種、及び単一型化合物のヒドロキシル基に非イオン性親水基としてエチレンオキシド(EO)を付加した化合物2種を下記のような方法で合成した。
[合成例1]
N- (ジメチルドデシルアミノ)エタノールの合成
【0106】
【化15】
【0107】
3口フラスコにイソプロピルアルコール(IPA;40g)及びドデシルクロライド(153g;0.75mol)、2-(ジメチルアミノ)エタノール(44.6g;0.5mol)を入れた後、触媒としてヨウ化ナトリウム(2.4g)を添加して還流させた。アミンの%を測定して反応の進行程度を確認した。反応器の温度を120℃に上げた後、5時間後に反応が95%進行した。反応生成物をアセトンと混合した後、冷却して再結晶した。再結晶した後、ろ過して得られた生成物は直ちに真空乾燥した。
【0108】
分子量:293g/mol
収率:67%、白色固体
溶解度:吸湿性が非常に強い。アセトンに不溶。
【0109】
質量分析(FAB+、m/e):551、258[M-Cl]+、265
1H NMR(溶媒;D2O、ppm):0.8620[3H]、1.2832[18H]、1.6276[2H]、3.1601[6H]、3.3645[2H]、3.4859[2H]、4.0124[2H] 元素分析:C16H36ONCl
理論値;C65.38%、H12.35%、N4.77%
実測値;C64.00%、H12.80%、N5.60%
[合成例2]
N- (ジメチルオクチルアミノ)エタノールの合成
3口フラスコにIPA(18.7g)及びオクチルクロライド(66.9g;0.45mol)、2-(ジメチルアミノ)エタノール(26.74g;0.3mol)を入れた後、反応器を加熱して還流させた。アミンの%を測定して反応の進行程度を確認した。反応器の温度を110℃に上げた後、6時間後に反応が97%進行した。反応生成物をアセトンに混合した後、冷却して再結晶した。再結晶された生成物はろ過して直ちに真空乾燥した。
【0110】
分子量:238g/mol
収率:42%、白色固体
溶解度:吸湿性が非常に強い。アセトンに不溶。
【0111】
質量分析(FAB+、m/e):439、202[M-Cl]、200
[合成例3]
N- (ブチルジメチルアミノ)エタノールの合成
3口フラスコにIPA(29g)及び1-クロロブタン(70g;0.75mol)、2-(ジメチルアミノ)エタノール(44.6g;0.5mol)を入れた後、触媒としてNaI(1.4g)を添加して反応器を加熱して還流させた。アミンの%を測定して反応の進行程度を確認し、21時間程度反応を進めた。反応生成物をアセトンと混合した後、冷却して再結晶した。再結晶された生成物はろ過して直ちに真空乾燥した。
【0112】
分子量:182g/mol
収率:85%、白色固体
溶解度:吸湿性が非常に強い。アセトンに不溶。
【0113】
質量分析(FAB+、m/e):327、146[M-Cl]+
1H NMR(溶媒; D2O、ppm):0.9657[3H]、1.3837[2H]、1.7449[2H]、3.1427[6H]、3.3831[2H]、3.4904[2H]、4.0445[2H]
元素分析:C8H20ONCl
理論値;C52.88%、H11.09%、N7.71%
実測値;C52.20%、H11.70%、N7.30%
[合成例4]
N- (ジメチルエチルアミノ)エタノールの合成
3口フラスコにIPA(40g)、ヨード-エタン(117g;0.75mol)、2-(ジメチルアミノ)エタノール(44.6g;0.5mol)を入れた後、触媒としてNaI(2g)を添加して反応器を加熱して還流させた。反応生成物をn-ヘキサンに入れ、冷却して再結晶した。再結晶された生成物はろ過して直ちに真空乾燥した。
【0114】
分子量:245g/mol
収率:110g(90%)黄色固体
溶解度:吸湿性が非常に強い。アセトンに溶解。n-ヘキサンに不溶。
【0115】
質量分析(FAB+、m/e):363、118[M-I]+
1H NMR(溶媒;D2O、ppm):1.3763[3H]、3.1266[6H]、3.4672[2H+2H]、4.0457[2H]
元素分析:C6H16ONI
理論値;C29.4%、H6.6%、N5.7%
実測値;C28.8%、H6.9%、N5.2%
[合成例5]
N- (トリメチルアミノ)エタノールの合成
3口フラスコにIPA(37g)、ヨード-メタン(142g;1.0mol)、2-(ジメチルアミノ)エタノール(44.6g;0.5mol)を入れると混合と同時に反応が完了した。この時、反応物を添加すると同時に発熱反応が起こって反応が完了した。反応生成物をアセトンに入れ、冷却して再結晶した。再結晶された生成物はろ過して直ちに真空乾燥した。
【0116】
分子量:231g/mol
収率:76%;白色固体
溶解度:吸湿性が非常に強い。アセトンに不溶。
【0117】
質量分析(FAB+、m/e):335、154、104[M-I]+
1H NMR(溶媒;D2O、ppm):3.1876[9H]、3.5024[2H]、4.0540[2H]
元素分析:C5H14ONI
理論値;C25.99%、H6.11%、N6.11%
実測値;C26.19%、H6.27%、N5.64%
1 - 1 - 2.単一型陽イオン性化合物に非イオン基 (EO) が結合した化合物の合成
[合成例6]
N- (ジメチルドデシルアミノ)エタノール (EO) 2 の合成
【0118】
【化16】
【0119】
3口フラスコにIPA(47.6g)、ドデシルクロライド(91.8g;0.45mol)、2-(ジメチルアミノ)エタノール(EO)2(79g;0.3mol)を入れ、触媒としてNaI(1.7g)を添加した後、温度を110℃に上げ、7時間後に反応が97%進行した。シリカゲルを充填剤として用いたカラムクロマトグラフィ法を利用して生成物を分離、精製した。
【0120】
分子量:382g/mol
収率:26%;透明オイル
溶解度:吸湿性が非常に強い。アセトンに溶解。
【0121】
質量分析(FAB+、m/e):478[EO=5]、434[EO=4]、390[EO=3]、346[EO=2]、302[EO=1]、258[EO=0]
[合成例7]
N- (ジメチルドデシルアミノ)エタノール (EO) 4 の合成
3口フラスコにIPA(47.6g)、ドデシルクロライド(92g;0.45mol)、2-(ジメチルアミノ)エタノール(EO)4(143.7g;0.3mol)を入れ、触媒としてNaI(2.4g)を添加した後、温度を110℃に上げ、12時間反応を進めた。シリカゲルを充填剤として用いたカラムクロマトグラフィ法を利用して反応生成物を分離、精製した。
【0122】
分子量:507g/mol
収率:21%;薄い褐色オイル
溶解度:吸湿性が非常に強い。アセトンに溶解。
【0123】
質量分析(FAB+、m/e):610[EO=8]、566[EO=7]、522[EO=6]、478[EO=5]、434[EO=4]、390[EO=3]、346[EO=2]、302[EO=1]
1 - 2.単一型4級アンモニウム型の陽イオン性化合物(合成例1乃至5)及び単一型に非イオン基を結合した陽イオン性化合物(合成例6、7)を SLS と混合する時の混合系における SLS の物性変化の測定
[実施例1乃至7]
ソジウムラウリルスルフェート(SLS;Sigma試薬;分子量288g/mol)、前記合成例6乃至12で製造した陽イオン性化合物、及びアルカノールアミドを各々1:1:0.001のモル比で混合した。混合系の濃度は2%の水溶液に調節しており、SLSと陽イオン性化合物との混合比は物性変化を顕著に示すことができるように、モル比で1:1になるように調節した(表1)。
【0124】
【表1】
【0125】
[実験例1]
実施例1乃至7の混合系での物性変化を測定するために、クラフト点、初期気泡度、気泡維持力、硬水安定性、cmc、及び表面張力変化などの項目を測定した。
【0126】
1)クラフト点の測定
クラフト点の測定は、透明な混合溶液の温度を下げながら白濁が始まる温度、及び前記実験で白濁した溶液の温度を再び上げながら透明になる温度を測定した。低い温度で白濁が始まり、低い温度で透明になるほど、水溶液状で安定した状態を維持しているという結果を示す。この時、混合時に白濁現象を示した実施例1、2、6、7の試料は本実験を実施せず、実施例3乃至5を対象として実験を行なった。実験の結果は下記表2に示した。
【0127】
【表2】
【0128】
前記表2に示したように、実施例3乃至5の場合は、SLS単独に比べてクラフト点が0℃以下であるという結果を示した。これは、水溶液状のほとんどの液体洗剤で低い温度でも界面活性剤が析出せずに安定した溶液状態を維持することができるという結果を示す。
【0129】
2)混合系の初期気泡度及び気泡維持力の変化の測定
初期気泡度及び気泡維持力を測定する時に用いられた試料は、クラフト点を測定する時に用いられた試料と同一な条件で製造した試料を用いた(表14)。しかし、混合時に白濁現象を示した実施例1、2、6、及び7の試料は本実験を実施せず、実施例3乃至5のみ実験を行った。本実験はsemi-micro TK方法を使用して測定し、3回測定した後に平均値を取った。気泡力測定の結果は下記表3に示した。
【0130】
【表3】
【0131】
前記表3に示したように、SLS単独に比べて実施例3乃至5の初期気泡度はほとんど同一な水準の結果を示した。しかし、気泡維持力の測定では実施例3乃至5の混合系は2分後に気泡が消える結果を示した。また、陽イオン性化合物のアルキル基がながくなることによって気泡維持力が低くなる結果を示した。
【0132】
前記の結果から、本発明の実施例3乃至5の混合系は、陰イオン性界面活性剤の初期気泡度は維持する反面、生成された気泡が速い時間内に除去されるということが分かり、また、陽イオン性化合物が気泡維持阻害剤として非常に優れた性能を有することが分かる。
【0133】
3)硬水安定性の評価
CaCl2・2H2O11.69gを1?の水に溶解して10,000ppmの硬水を製造した後、0.5%の水溶液試料に徐々に添加して白濁が始まる時点まで加えた硬水の量(ml)を利用して、硬水安定性を評価した。前記実験の結果は下記表4に示した。この時、混合時に白濁現象を示した実施例1、2、6、7については評価しなかった。
【0134】
【表4】
【0135】
前記表4において、実施例3を混合した試料のみがSLS単独に比べて硬水安定性が約2倍向上しており、実施例4及び実施例5の場合はSLS単独とほとんど同様な水準の硬水安定性を示した。
【0136】
4)混合系での表面張力及びcmcの変化の測定
クルス(Kruss)社のプロセッサーテンシオメーターK12を利用して実施例1乃至7の混合系での表面張力及びcmcの変化を測定した。表面張力を測定する試料はSLSと陽イオン性化合物とをモル比1:1で混合して製造し、この時に使用した水は超純水であり、測定に使用した容器は洗浄液に3時間以上浸漬して水とアセトンで洗浄した後にオーブンで乾燥したものである。表面張力及びcmcの変化を測定した結果は下記表5に示した。
【0137】
【表5】
【0138】
前記表5から分かるように、実施例1乃至7のSLSと陽イオン性化合物とを混合した混合系の表面張力は、SLSに比べて13〜44%低下する結果を示した。特に、実施例1、2、6、7の混合系の場合はcmcが10から100倍薄くなる結果を示した。これは、少量を使用しても優れた界面活性力を示すということを意味する。
【0139】
2 - 1.分子内に陽イオン基を二つ含むビス型( bis-type )陽イオン性化合物
2 - 1 - 1.陽イオン性化合物の合成
前記反応式1乃至3または反応式6乃至7のようにリンカーの長さとアルキル基の長さとによって適した合成経路を選択して所望の陽イオン性化合物を製造した。
【0140】
[合成例8]
1,6 -[ 2 - ( N- メチルアミノ)エタノール ] ヘキサンの合成
IPA40gに2-(メチルアミノ)エタノール45g(0.6mol)、1,6-ジクロロヘキサン46.5g(0.3mol)、Na2CO348gを混合した後、25時間還流した。その後、生成物をろ過、減圧蒸留、真空乾燥の過程を通じて精製した。
【0141】
分子量:232g/mol
状態:オイル状
1H NMR(CDCl3、δ ppm):1.07(4H)、1.28(4H)、2.20(6H)、2.37(4H)、2.47(4H)、3.41(4H)
Mass(FAB+):m/e233[M+H]+
[合成例9]
1,6 -[ 2 - ( N,N- ジメチルアミノ)エタノール ] ヘキサンの合成(反応式1利用)
IPA20gに1,6-[2-(N-メチルアミノ)エタノール]ヘキサン23.2g(0.1mol)、ヨードメタン42.6g(0.3mol)、NaI5gを混合した後、常温で2時間反応を進めた。その後、生成物をろ過、減圧蒸留、真空乾燥、アセトン再結晶の過程を通じて精製した。
【0142】
分子量:262g/mol
状態:黄色粉末(吸湿性)
1H NMR(D2O、δppm):1.20(4H)、1.83(4H)、3.1612H)、3.38〜3.55(8H)、4.06(4H)
Mass(FAB+):m/e389[M2++I-]+、297、261、247、217
[合成例10]
1,6 -[ 2 - ( N,N- エチルメチルアミノ)エタノール ] ヘキサンの合成(反応式1利用)
IPA20gに1,6-[2-(N-メチルアミノ)エタノール]ヘキサン15.11g(0.065mol)、ヨードエタン30.5g(0.195mol)、NaI3gを混合した後、9時間還流した。その後、生成物をろ過、減圧蒸留、真空乾燥、アセトン再結晶の過程を通じて精製した。
【0143】
分子量:290g/mol
状態:黄色粉末(吸湿性)
1H NMR(D2O、δppm):1.35(4H)、1.45(4H)、2.97(6H)、3.37(10H)、3.47(8H)、4.04(4H)
Mass(FAB+):m/e417[M2++I-]+
[合成例11]
1,6 -[ 2 - ( N,N- ブチルメチルアミノ)エタノール ] ヘキサンの合成(反応式2利用)
IPA11gに2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール20.5g(0.156mol)、1,6-ジクロロヘキサン12.1g(0.078mol)、Na2CO333g、NaI5gを混合した後、14時間還流した。その後、生成物をろ過、減圧蒸留、真空乾燥の過程を通じて精製した。
【0144】
分子量:346g/mol
状態:オイル状
1H NMR(D2O、δppm):1.00(6H)、1.41(8H)、1.75(8H)、3.10(6H)、3.34〜3.51(12H)、4.04(4H)
Mass(FAB+):m/e381[M2 ++Cl-]+
[合成例12]
1,6 -[ 2 - ( N,N- メチルオクチルアミノ)エタノール ] ヘキサンの合成(反応式2利用)
IPA6gに2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール18.76g(0.1mol)、1,6-ジクロロヘキサン7.8g(0.05mol)、Na2CO32.2g、NaI2.5gを混合した後、22時間還流した。その後、生成物をろ過、減圧蒸留、真空乾燥の過程を通じて精製した。
【0145】
分子量:458g/mol
状態:オイル状
1H NMR(D2O、δppm):0.89(6H)、1.312(4H)、1.77(8H)、3.10(6H)、3.36(8H)、4.49(4H)、4.04(4H)
Mass(FAB+):m/e493[M2++Cl-]+
[合成例13]
1,6 -[ 2 - ( N,N- ドデシルメチルアミノ)エタノール ] ヘキサンの合成(反応式2利用)
IPA10gに2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール18.69g(0.077mol)、1,6-ジクロロヘキサン6g(0.39mol)、NaI3gを混合した後、20時間還流した。その後、反応生成物をろ過、減圧蒸留、真空乾燥の過程を通じて精製した。
【0146】
分子量:570g/mol
状態:オイル状
1H NMR(D2O、δppm):0.94(6H)、1.2040H)、1.82(8H)、3.20(6H)、3.59(8H)、3.69(4H)、4.09(4H)
Mass(FAB+):m/e605[M2++Cl-]+
[実験例2]
2 - 2.陰イオン性界面活性剤と陽イオン性化合物との混合系における陰イオン性界面活性剤の性能変化評価
物性評価では陰イオン性界面活性剤としてソジウムラウリルスルフェート(以下、‘SLS’と言う;Aldrich社試薬;純度99%以上)を用いた。
【0147】
また、陽イオン性化合物としては下記の化学式2aの陽イオン性化合物でn値が6であるものを用いた(表6)。
【0148】
【化17】
【0149】
前記化学式2aで、RはC1乃至C12のアルキル基であり、nは6である。
【0150】
【表6】
【0151】
下記実験に使用したガラスは、洗浄液(KOH+IPA+水)に4時間以上浸漬させた後で蒸溜水とアセトンとで洗浄して乾燥したものである。評価には超純水を使用した。
陰イオン性界面活性剤の物性変化の測定は、クラフト点、初期気泡度、気泡維持力、硬水安定性、表面張力変化などについて実施された。
【0152】
2 - 2 - 1.陽イオン性化合物の物性の測定
1)評価試料条件
水99gに合成例14乃至18の陽イオン性化合物1gを溶解し、各々1重量%の濃度の試料を作って評価に使用した。この時、アルキル基の炭素数がC1、C2、C4である試料の場合には試料が透明であったが、アルキル基がC8、C12である試料の場合は白濁現象を示した。アルキル基の炭素数がC8である場合は0.1重量%で、C12の場合は0.01重量%で溶液が透明になった。
【0153】
2)陽イオン性化合物のクラフト点の測定
透明な陽イオン性化合物溶液を冷却しながら溶液が白濁する温度を測定した(温度下降の条件)。また、白濁した溶液の温度を上げながら再び透明になる温度を測定した(温度上昇時の条件)。
【0154】
この時、SLSは温度下降時には2〜3℃で白濁現象が起こり、温度上昇時には14℃で再び透明になる結果を示した。これに反し、本発明の陽イオン性化合物は温度下降時には0℃でも白濁現象が起こらなかった。このように0℃で白濁現象が起こらない場合には温度上昇時の実験を行わなかった。
【0155】
3)気泡力(初期気泡度及び気泡維持力)の測定
気泡力関連実験はsemi-micro TK methodを利用して測定し、その結果は下記表7に示した。実験は3回繰り返した後に平均値を取った。実験には1%の溶液を用いており、合成例18の場合には白濁溶液を評価に使用した。
【0156】
【表7】
【0157】
前記表7に示したように、アルキル基を有する陽イオン性化合物である合成例14、16の場合には気泡が発生しなかったが、合成例18の場合には初期気泡度が213ml、5分後には105mlで、比較的に弱い気泡が発生する結果を示した。
【0158】
4)表面張力の測定
クルス(Kruss)社のテンシオメーターk12を利用して合成例14乃至18の陽イオン性化合物の表面張力を測定した。環方法を利用して5回測定した後にその平均値を取った。各陽イオン性化合物試料の濃度は重量比で1%、0.1%、0.01%、0.001%の溶液を製造して実験に使用した。表面張力の測定結果は下記表8に示した。
【0159】
【表8】
【0160】
前記表8に示したように、合成例18は評価試料の濃度範囲で比較的低い表面張力を示しており、他の陽イオン性化合物は高い表面張力を示した。
5)硬水安定性の評価
実験にはCaCl2・2H2O11.69gを水1Lに溶解して製造した10,000ppm濃度の硬水を使用した。陽イオン性化合物は濃度0.5%(重量比)、100mlの試料を用い、パールが生成される時点までに添加された硬水のmlを利用して硬水安定性を評価した。この実験を3回繰り返した後に平均値を取った。本陽イオン性化合物は陰電荷を帯びないので、硬水に対して沈殿が生成されない結果を示した。但し、C12は0.5%の濃度で白濁現象を示したため測定しなかった。
【0161】
2 - 2 - 2陰イオン性界面活性剤( SLS )と合成例14の陽イオン性化合物( R=C 1 /n= 6)との混合系における SLS の物性変化の測定
[実施例8乃至13]
陰イオン性界面活性剤(SLS)、合成例14の陽イオン性化合物を下記表9のようなモル比で混合した。製造した試料溶液は全て透明であった。この時、非イオン性界面活性剤であるアルカノールアミドはSLSに対してモル比が1:0.001になるように添加した。
【0162】
【表9】
【0163】
[実験例3]
1)クラフト点の測定
実施例8乃至13(SLSと陽イオン性化合物の混合系)のクラフト点を測定し、その結果は下記表10に示した。
【0164】
【表10】
【0165】
前記表10に示したように、全ての試料でクラフト点が0℃以下になる現象が現れた。但し、混合比2/0.01である実施例13の場合には温度下降時には-0.5℃で溶液が白濁し、温度上昇時には13℃で再び透明になる結果を示した。これは、SLSに比べて低温での溶解度(安定性)が向上したためであると思われる。0℃以下でも透明溶液の状態を維持した他の試料の場合には温度上昇時にクラフト点の測定が実施できなかった。
【0166】
2)気泡力(初期気泡度及び気泡維持力)の測定
気泡力の測定結果は下記表11に示した。
【0167】
【表11】
【0168】
前記表11に示したように、陽イオン性化合物の混合比が低いほど、初期気泡度及び気泡維持力がSLSと類似した傾向を示した。実施例8及び9において、初期気泡度が低く、気泡が容易に消える結果を示した。また、その他の混合比では、陽イオン性化合物の混合比が高くなると初期気泡度及び気泡維持力が多少低下する結果を示したが、それほど大きな差ではなかった。
【0169】
3)表面張力の測定
表面張力測定結果は下記表12に示した。
【0170】
【表12】
【0171】
前記表12に示したように、実施例13はSLSとほとんど同じ表面張力を示したが、陽イオン性化合物の混合比が高くなると表面張力が低下する傾向を示した。前記結果のように、表面張力が低くなって低濃度でも変化が無いのはcmcが低いということを意味しており、これは少量の化合物でも優れた洗浄力を示すことができるということを意味する。
【0172】
4)混合系の硬水安定性の変化の測定
混合系の硬水安定性を測定した結果は下記表13に示した。
【0173】
【表13】
【0174】
前記表13に示したように、陽イオン性化合物の混合比が高くなると硬水の添加量が増加する結果を示した。しかし、実施例8及び実施例13の硬水安定性の差は2倍程度になる結果を示した。
【0175】
2 - 2 - 3. SLS と合成例15の陽イオン性化合物( R=C 2 /n= 6)との混合系における SLS の物性変化の測定
[実施例14乃至19]
陰イオン性界面活性剤と合成例15の陽イオン性化合物(R=C2/n=6)とを下記表14のようなモル比で混合して評価に使用する混合系試料を製造し、製造した試料溶液は全て透明であった。この時、非イオン性界面活性剤であるエトキシレート脂肪族アルコールはSLSに対してモル比が1:1になるように添加した。
【0176】
【表14】
【0177】
[実験例4]
実施例14乃至19の物性の測定
1)混合系のクラフト点の変化の測定
混合系のクラフト点の変化を測定した結果、SLSに比べて混合系のクラフト点が低下する傾向を示した(表15)。混合比が2/0.25以上である試料の場合には温度下降条件で0℃以下の結果を示しており、それ以下の混合比である場合にはSLSに比べて低下した結果を示した。
【0178】
【表15】
【0179】
2)混合系の初期気泡度及び気泡維持力の変化の測定
混合系の初期気泡度及び気泡維持力の変化の測定に関する結果は下記表16に示した。
【0180】
【表16】
【0181】
前記表16に示したように、混合比2/0.5までは初期気泡度及び気泡維持力がSLSと比べて大きな変化がなかったが、実施例14、15の2/0.75以上の混合比では気泡維持力が非常に低下する結果を示した。この混合系の場合、初期気泡度は維持しながら洗浄中に気泡が容易に消える性質が必要なドラム型洗濯機用洗濯洗剤や自動食器洗浄器用洗剤などに適用が可能であると考えられる。
【0182】
3)混合系の表面張力の変化の測定
混合系の表面張力の測定結果は下記表17に示した。
【0183】
【表17】
【0184】
前記表17に示したように、実施例19(混合比2/0.01)の場合にはSLSとほとんど同じ傾向を示したが、陽イオン性化合物の混合比が高くなると表面張力が低下し、cmcが低下する結果を示した。これらから、少量の混合系でも優れた洗浄力を示すことができると考えられる。
【0185】
4)混合系の硬水安定性の変化の測定
硬水安定性の変化の測定結果は下記表18に示した。
【0186】
【表18】
【0187】
前記表18に示したように、陽イオン性化合物の混合比が高くなると硬水安定性が向上する結果を示しており、前記実施例8乃至13(アルキル基の炭素数がC1)の実験に比べて、同じ混合比で硬水安定性が全般的に向上した結果を示した。特に、実施例14乃至16の2/0.5以上の混合比で硬水安定性が顕著に向上する結果が示された。
【0188】
2 - 2 - 4. SLS と合成例16の陽イオン性化合物( R=C 4 /n= 6)との混合系における SLS の物性変化の測定
[実施例20乃至25]
物性評価のための試料の混合条件を下記表19に示した。混合系を製造した結果、全ての試料が1%の水溶液で透明であった。この時、非イオン性界面活性剤であるアルカノールアミドはSLSに対してモル比が1:0.001になるように添加した。
【0189】
【表19】
【0190】
1)混合系のクラフト点の変化の測定
前記実施例20乃至25に対するクラフト点を測定し、その結果は下記表20に示した。
【0191】
【表20】
【0192】
前記表20に示したように、実施例25のように陽イオン性化合物を少量混合してもクラフト点が0℃以下になる結果を示した。これは、混合系が低温でも水に安定した状態で維持されることを意味する。
【0193】
2)混合系の気泡力の変化の測定
気泡力の測定結果は下記表21に示した。
【0194】
【表21】
【0195】
前記表21に示したように、実施例20及び21のような陽イオン性化合物の混合比が2/0.75以上である試料で初期気泡度が低下し、2分が経過した時に気泡が急激に消える現象を示した。したがって、炭素数4個の陽イオン性化合物の気泡維持力の低下はアルキル基の短い陽イオン性化合物に比べて優れていると考えられる。
【0196】
3)混合系の表面張力の変化の測定
表面張力の測定結果は下記表22に示した。
【0197】
【表22】
【0198】
前記表22に示したように、実施例25の陽イオン性化合物の混合比が2/0.01である場合にはSLSとほとんど同じ表面張力を示すが、実施例20乃至24の混合比が2/0.1以上である場合には1%の溶液を基準とする時、陽イオン性化合物の混合比が高くなると表面張力が低くなる結果を示した。そして、0.01%まで一定の表面張力を示すという結果から、SLSより低いcmcを有することが分かる。これは、低濃度でも優れた洗浄力を有することができる可能性を示した結果である。
【0199】
4)混合系の硬水安定性の変化の測定
硬水安定性の測定結果は下記表23に示した。
【0200】
【表23】
【0201】
前記表23に示したように、実施例23乃至25の陽イオン性化合物の混合比が2/0.25以下である場合にはSLSに比べて硬水安定性がそれほど向上しなかったが、実施例20乃至22の2/0.5以上の混合比では非常に向上した結果を示した。この実験の結果より、硬水使用条件で優れた洗浄力及び状態安定性が要求される製品に適用することができると考えられる。
【0202】
2 - 2 - 5. SLS と合成例17の陽イオン性化合物( R=C 8 ) /n= 6との混合系における SLS の物性変化の測定
[実施例26乃至31]
評価に使用する試料の製造条件は下記表24に示した。この時、混合比が2/0.75及び2/1.0である実施例26及び27の場合には白濁現象を示し、0.001%の濃度の水溶液条件で透明になる現象を示した。この時、非イオン性界面活性剤であるエトキシレート脂肪族アルコールはSLSに対してモル比が1:1になるように添加した。
【0203】
【表24】
【0204】
1)混合系のクラフト点の測定
測定結果は下記表25に示した。但し、2/1、0及び2/0.75の混合比の実施例26及び27の場合には1%の水溶液が白濁現象を示すため、透明溶液である0.001%の水溶液を使用してクラフト点を測定した。この実験における全ての試料条件で、クラフト点が0℃以下になる結果を示した。
【0205】
【表25】
【0206】
2)混合系の気泡力の変化の測定
測定結果は下記表26に示した。炭素数が8個である陽イオン性化合物を混合した混合系の場合には前記の実験とは異なって、初期気泡度及び気泡維持力がSLSと比べて大きな差を示さなかった。しかし、生成された気泡は軽く触れるだけで容易に消える現象が見られた。したがって、この混合系の場合にのみ生成された気泡は非常に弱いが、5分間の実験条件では消えないということが分かる。
【0207】
【表26】
【0208】
3)混合系の表面張力の変化の測定
測定結果は下記表27に示した。1%の水溶液と0.01%の水溶液との間の表面張力が大きく変わらないため、0.001%の濃度の水溶液を製造して表面張力を測定した。測定の結果、1%の濃度で陽イオン性化合物の混合比が高くなると表面張力が低くなる結果を示し、0.001%の濃度で表面張力が多少上昇する現象を示した。したがって、混合系のcmcは0.01〜0.001%の間にあると見ることができる。
【0209】
【表27】
【0210】
4)混合系の硬水安定性の変化の測定
測定結果は下記表28に示した。1%の濃度で白濁現象を示した試料の場合は硬水安定性を測定しなかった。実験の結果、2/0.5混合比で硬水安定性が非常に向上する現象を示した。
【0211】
【表28】
【0212】
2 - 2 - 6. SLS と合成例18の陽イオン性化合物( R=C 12 /n= 6)との混合系における SLS の物性変化の測定
[実施例32乃至37]
評価試料は下記表29と同じ条件で製造した。実施例32乃至34の2/0.5以上の混合比で白濁現象を示した。実施例34試料は0.01%の水溶液で透明になり、他の試料は0.001%の濃度で透明になった。この時、非イオン性界面活性剤であるアルカノールアミドはSLSに対してモル比が1:0.001になるように添加した。
【0213】
【表29】
【0214】
1)混合系のクラフト点の変化の測定
実施例32乃至37に対して混合系のクラフト点の変化を測定し、測定結果は下記表30に示した。この時、実施例32及び33は0.001%の溶液を使用し、実施例34は0.01%の溶液を使用した。
【0215】
【表30】
【0216】
前記表30に示したように、実験の結果、全ての試料で陽イオン性化合物が混合されることによりクラフト点が0℃以下になる結果を示した。
2)混合系の気泡力の変化の測定
気泡力の測定結果は下記表31に示した。
【0217】
【表31】
【0218】
前記表31に示したように、実施例32及び33は気泡がほとんど発生しない現象を示した。本実験の結果より、炭素数が12個である陽イオン性化合物の場合は消泡剤としての役割が期待できると考えられる。
【0219】
3)混合系の表面張力の変化の測定
表面張力の測定結果は下記表32に示した。
【0220】
【表32】
【0221】
測定結果、1%の濃度で陽イオン性化合物の混合比が高くなると表面張力が低下する結果を示しており、濃度が低くなると表面張力が少しずつ上昇する結果を示した。
4)混合系の硬水安定性の変化の測定
硬水安定性の測定結果は下記表33に示した。
【0222】
【表33】
【0223】
測定の結果、実施例32乃至34のように2/0.5以上の陽イオン性化合物の混合比では1%の水溶液が白濁現象を示すために混合系の硬水安定性の評価を実施することができず、実施例35乃至37では硬水安定性が多少向上した結果を示した。
【0224】
3 - 1.分子内にアミンオキシド基を含む非イオン性化合物の合成
前記反応式4、5と同じ合成経路を経て所望の非イオン性化合物を製造した。
[合成例19]
N- ジメチルラウリルアミンオキシドの合成
N-ジメチルラウリルアミン42.7g(0.2mol)に過酸化水素水27.3g(0.24mol;30重量%溶液)を常温で一滴添加した後、温度を40℃に上げて17時間反応させた。反応完了後、生成物を減圧蒸留、真空乾燥の過程を通じて精製した。
【0225】
分子量:229g/mol
状態:黄色オイル状
1H NMR(CDCl3、δppm):0.81(3H)、1.191(8H)、1.80(2H)、3.11(6H)、3.182H)
Mass(FAB+):m/e230[M+H]+、212
[合成例20]
N- 2 - ヒドロキシエチルラウリルメチル)アミンの合成
2-(メチルアミノ)エタノール150.22g(2mol)をイソプロピルアルコール(IPA)175gに溶解した後、1-クロロドデカン408g(2mol)及びソジウムカーボネート318g(3mol)を添加して、25時間反応させた。反応終了後、生成物をろ過、減圧蒸留、真空乾燥の過程を通じて精製した。
【0226】
分子量:243g/mol
状態:黄色オイル
1H NMR(CDCl3、δppm):0.86(3H)、1.262(0H)、2.18(3H)、2.39(2H)、2.52(2H)、3.42(2H)
Mass(FAB+):m/e244[M+H]+
[合成例21]
N- (2 - ヒドロキシエチルラウリルメチル)アミンオキシドの合成
メタノール10.5gにN-(2-ヒドロキシエチルラウリルメチル)アミン30.64g(0.126mol)、過酸化水素水21.5g(0.189mol)を常温で一滴添加した後、温度を上げて31時間還流した。生成物をろ過、減圧蒸留、真空乾燥の過程を通じて精製した。
【0227】
分子量:259g/mol
状態:黄色溶液
1H NMR(CDCl3、δppm):0.81(3H)、1.23(18H)、1.69(2H)、3.14(3H)、3.29(4H)、4.07(2H)
Mass(FAB+):m/e260[M+H]+
[合成例22]
1,6 - ( N,N- ブチルメチルアミノ)ヘキサンの合成
IPA92gに2-(N,N-ブチルメチル)アミン96g(1.1mol)、1,6-ジクロロヘキサン77.53g(0.5mol)、Na2CO3133gを混合した後、70℃の温度で36時間反応させた。その後、生成物を乾燥、ろ過、減圧蒸留、真空乾燥の過程を通じて精製した。
【0228】
分子量:256g/mol
状態:オイル状
1H NMR(CDCl3、δppm):0.91(6H)、1.29(8H)、1.42(8H)、2.20(6H)、2.32(8H)
Mass(FAB+):m/e257[M+H]+
[合成例23]
1,6 - ( N,N- ブチルメチルアミンオクチル)ヘキサンの合成
メタノール14gに1,6-(N,N-ブチルメチルアミノ)ヘキサン21.88g(0.086mol)を溶解した後、過酸化水素水24g(0.215mol;30重量%溶液)を徐々に添加した。そして、還流して18時間反応させた後、生成物を減圧蒸留、真空乾燥の過程を通じて精製した。
【0229】
分子量:288g/mol
状態:黄色オイル状
1H NMR(CDCl3、δppm):0.97(6H)、1.39(8H)、1.77(8H)、3.18(6H)、3.32(8H)
Mass(FAB+):m/e289[M+H]+、170
[実験例5]
3 - 2.陰イオン性界面活性剤とアミンオキシド( amineoxide )基を含む非イオン性化合物との混合系における陰イオン性界面活性剤の性能変化の評価
物性評価には、陰イオン性界面活性剤としてソジウムラウリルスルフェート(以下、‘SLS’とする;Aldrich社試薬;純度99%以上)を使用した。SLSの物性はクラフト点が2℃(温度下降時)、14℃(温度上昇時)であり、初期気泡度は233mLで、5分間気泡をほとんど一定に維持し、1%の表面張力が35.92mN/m、0.1%では25.19、0.01%では57.18であるものを使用した。また、硬水安定性の測定時の硬水濃度は310ppmであった。
【0230】
物性評価に使用した非イオン性化合物の種類及び分子量は表34に示した。
【0231】
【表34】
【0232】
実験に使用したガラスは、洗浄液(KOH+IPA+物)に4時間以上浸漬した後で蒸溜水とアセトンとで洗浄して乾燥したものである。評価には超純水を使用した。
陰イオン性界面活性剤の物性変化の測定は、クラフト点、初期気泡度、気泡維持力、硬水安定性、表面張力変化などに対して実施した。
【0233】
3 - 2 - 1.非イオン性化合物の物性の測定
1)評価試料条件
水99gに合成例19、21、23の非イオン性化合物1gを各々溶解し、1重量%の濃度の試料を作って評価に使用した。試料の全てが透明であった。
【0234】
2)非イオン性化合物のクラフト点の測定
合成例19、21、23の透明な非イオン性化合物溶液を冷却しながら溶液が白濁する温度を測定した(温度下降条件)。また、白濁した溶液の温度を上げながら再び透明になる温度を測定した(温度上昇時条件)。
【0235】
この時、SLSは温度下降条件では2〜3℃の温度範囲で白濁現象が起こり、温度上昇条件では14℃で再び透明になる結果を示した。これに反し、本発明の合成例19、21、23の全てが温度下降条件では0℃まで白濁現象が起こらなかった。このように0℃で白濁現象が起こらない場合には温度上昇条件での実験を行わなかった。
【0236】
3)気泡力(初期気泡度及び気泡維持力)の測定
合成例19、21、23に対する気泡力関連実験はセミ-マイクロTK方法を利用して行い、その結果は下記表35に示した。実験は、3回繰り返した後に平均値を取った。実験には1%の水溶液を使用した。
【0237】
【表35】
【0238】
前記表35に示したように、合成例21は相当な水準の初期気泡度及び気泡維持力を示すのに反し、合成例19は初期には気泡が比較的高い水準で発生するが、すぐに消える低い気泡維持力を示した。また、合成例23は気泡が全く発生しない結果を示した。この実験の結果から、合成例19及び23は発生した気泡がすぐに消えなければならない低気泡性洗濯洗剤などに適用可能であり、合成例3の場合には優れた気泡力を必要とする食器洗い洗剤に適用可能であると予想される。
【0239】
4)表面張力の測定
クルス(Kruss)社のtensiometer k12を利用して合成例19、21、23の非イオン性化合物の表面張力を測定した。測定方法は環方法で行った。合成例19、21、23の非イオン性化合物試料の濃度は重量比で1%、0.1%、0.01%、0.001%の溶液を製造して実験に使用した。表面張力の測定結果は下記表36に示した。
【0240】
【表36】
【0241】
前記表36に示したように、合成例19、21は評価試料の濃度範囲で比較的低い表面張力を示したが、合成例23は高い表面張力を示した。
5)硬水安定性の評価
実験にはCaCl2・2H2O11.69gを水1Lに溶解して製造した10,000ppm濃度の硬水を使用した。合成例19、21、23の非イオン性化合物は各々濃度0.5%(重量比)、100mlの試料を用い、パールが生成される時点までに添加された硬水のmlを利用して硬水安定性を評価した。この実験を3回繰返した後に平均値を取った。実験の結果、各非イオン性化合物は全て陰電荷が小さいために硬水に対して沈殿が生成されなかった。
【0242】
3 - 2 - 2陰イオン性界面活性剤( SLS )と合成例19の非イオン性化合物との混合系における SLS の物性変化の測定
[実施例38乃至43]
陰イオン性界面活性剤(SLS)、合成例19の非イオン性化合物を下記表37のようなモル比で混合した。製造した試料溶液は全て透明であった。この時、陽イオン性界面活性剤である4級アンモニウム塩はSLSに対してモル比が1:0.001になるように添加した。
【0243】
【表37】
【0244】
[実験例6]
実施例38乃至43の物性の測定
1)クラフト点の測定
実施例38乃至43(SLSと非イオン性化合物の混合系)のクラフト点を測定し、実験結果は下記表38に示した。
【0245】
【表38】
【0246】
前記表38に示したように、非イオン性添加剤の混合比が1/0.25以上である実施例38乃至41でクラフト点が0℃以下になる現象を示した。実施例38乃至41はSLSを単独で使用した場合に比べて低温でも安定した状態を維持する結果を示した。また、実施例42及び43の場合には温度下降条件で0〜3℃の温度範囲で溶液が白濁し、温度上昇条件では19℃の温度で再び透明になる結果を示した。
【0247】
2)気泡力(初期気泡度及び気泡維持力)の測定
実施例38乃至43に対する気泡力を測定し、その結果は下記表39に示した。
【0248】
【表39】
【0249】
前記表39に示したように、実施例43のように非イオン性化合物の混合比が低いほど、初期気泡度及び気泡維持力がSLSと類似する傾向を示した。また、非イオン性添加剤の混合比が低いほど、初期気泡度が上昇する結果を示したが、一度形成された気泡は非常に安定して維持される優れた気泡維持力を示した。前記気泡力の測定結果から、シャンプーやボディークレンザーなど、洗浄する時に豊富な気泡の発生が要求される製品への適用が可能であると考えられる。
【0250】
3)表面張力の測定
表面張力の測定結果は下記表40に示した。
【0251】
【表40】
【0252】
前記表40に示したように、実施例43はSLSとほとんど類似した表面張力を示したが、非イオン性化合物の混合比が高くなると表面張力が低くなる傾向を示した。前記結果のように、表面張力が低くなって低濃度でも一定の値を示すのは、cmcが低いということを意味し、この結果から、少量を使用しても優れた洗浄力を示すということを意味する。
【0253】
4)混合系の硬水安定性の変化の測定
混合系の硬水安定性を測定した結果は下記表41に示した。
【0254】
【表41】
【0255】
前記表41に示したように、非イオン性化合物の混合比が高くなると硬水の添加量が増加する結果を示した。SLSと非イオン性化合物との混合系はSLSに比べて硬水安定性が約2倍程度優れた結果を示した。
【0256】
3 - 2 - 3. SLS と合成例23の非イオン性化合物との混合系における SLS の物性変化の測定
[実施例44乃至49]
陰イオン性界面活性剤(SLS)、合成例23の非イオン性化合物を下記表46のようなモル比で混合した。製造した試料溶液は全て透明であった。この時、陽イオン性界面活性剤である4級アンモニウム塩はSLSに対してモル比が1:0.001になるように添加した。
【0257】
【表42】
【0258】
[実験例7]
実施例44乃至49の物性の測定
1)クラフト点の測定
SLSと非イオン性化合物との混合系のクラフト点を測定した。実験結果は下記表43に示した。
【0259】
【表43】
【0260】
前記表43に示したように、非イオン性添加剤の混合比が1/0.25以上である実施例44乃至47でクラフト点が0℃以下になる現象を示した。前記実施例48及び49の場合には温度下降条件では0乃至1℃の温度で溶液が白濁し、温度上昇条件では11〜13℃の温度で再び透明になる結果を示した。したがって、この実施例の場合はSLSより優れた水準の低温安定性を有すると考えられる。
【0261】
2)気泡力(初期気泡度及び気泡維持力)の測定
実施例44乃至49に対する気泡力の測定結果は下記表44に示した。
【0262】
【表44】
【0263】
前記表44に示したように、非イオン性化合物の混合比が低いほど、初期気泡度及び気泡維持力がSLSと類似した傾向を示した。また、非イオン性添加剤の混合比が低いほど、初期気泡度が上昇する結果を示し、形成された気泡は時間の経過に伴って徐々に消える結果を示しており、この物性は優れた洗浄力を必要とする食器洗い洗剤や洗濯洗剤に適用可能である。
【0264】
3)表面張力の測定
表面張力の測定結果は下記表45に示した。
【0265】
【表45】
【0266】
前記表45に示したように、実施例48及び49はSLSとほとんど類似した表面張力を示したが、非イオン性化合物の混合比が高くなると表面張力が低くなる傾向を示した。前記結果のように、表面張力が低くなって低濃度でも一定の値を有するのは、cmcが低いということを意味し、この結果から、少量を使用しても優れた洗浄力を示すことを意味する。
【0267】
4)混合系の硬水安定性の変化の測定
混合系の硬水安定性を測定した結果は下記表46に示した。
【0268】
【表46】
【0269】
実験の結果、非イオン性化合物の混合比が高くなると硬水安定性が約2倍向上する結果を示した。
Claims (29)
- 前記a)陰イオン性界面活性剤、b)陽イオン性化合物、及びc)非イオン性界面活性剤の混合比がモル比で1:0.001:0.001〜1:1:1であることを特徴とする、請求項1に記載の界面活性剤システム。
- 前記陽イオン性化合物が、アルカリ条件で3級アミンとハロゲン化アルキル化合物とを加熱反応させて4級化させる段階を含む方法で製造されることを特徴とする、請求項1に記載の界面活性剤システム。
- a)陰イオン性界面活性剤;及び
b)下記の化学式2で示される陽イオン性化合物;を含むことを特徴とする、界面活性剤システム:
R1、R2、R3、及びR5は各々独立的または同時にC1〜C20の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、または、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基が1乃至20個付加したヒドロキシエチル基であり;R4はC1〜C20のアルキル基、または、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基が1〜10個付加したアルキル基、またはヒドロキシル基が1個以上結合したアルキル基であり;nは1乃至20の整数であり;Xはハロゲン族元素、スルフェート基、またはアセテート基である。 - 前記a)陰イオン性界面活性剤、及びb)陽イオン性化合物の混合比がモル比で1:0.0001〜1:0.5であることを特徴とする、請求項4に記載の界面活性剤システム。
- 前記陽イオン性化合物は、
1,6-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール]ヘキサン、1,8-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール]オクタン、1,8-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール]オクタン、1,8-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール]オクタン、1,8-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール]オクタン、1,8-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール]オクタン、1,6-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(EO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(EO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(EO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(EO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(EO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(EO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(EO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(EO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(EO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(EO)4]ヘキサン、1,8-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(EO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(EO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(EO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(EO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(EO)2]オクタン、1,8-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(EO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(EO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(EO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(EO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(EO)4]オクタン、1,6-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(PO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(PO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(PO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(PO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(PO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(PO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(PO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(PO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(PO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(PO)4]ヘキサン、1,8-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(PO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(PO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(PO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(PO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(PO)2]オクタン、1,8-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(PO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(PO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(PO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(PO)4]オクタン、及び1,8-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(PO)4]オクタンからなる群より1種以上選択される化合物であることを特徴とする、請求項4に記載の界面活性剤システム。 - 前記陽イオン性化合物が、分子内に1種以上のヒドロキシエチル基を含む4級アンモニウム塩と、前記ヒドロキシル基にエチレンオキシド(EO)またはプロピレンオキシド(PO)が2乃至10モル付加した官能基を含む4級アンモニウム塩とを各々1種以上含むことを特徴とする、請求項4に記載の界面活性剤システム。
- 前記陽イオン性化合物が、
i)アルカリ条件で2級アミンと請求項8に記載の化学式3のリンカーとを結合して3級アミンを製造する段階;及びii)前記i)段階で得られた3級アミンにハロゲン化アルキル化合物を結合して4級化させる段階;を含む方法で製造されることを特徴とする、請求項8に記載の界面活性剤システム。 - 前記陰イオン性界面活性剤が、ソジウムラウリルスルフェート(SLS)、ソジウムラウリルエーテルスルフェート(SLES)、直鎖アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、モノアルキルホスフェート(MAP)、アシルイセチオネート(SCI)、アルキルグリセリルエーテルスルホネート(AGES)、アシルグルタメート、アシルタウレート、及び脂肪酸金属塩からなる群より1種以上選択されることを特徴とする、請求項1または4に記載の界面活性剤システム。
- 前記非イオン性界面活性剤が、エトキシレート脂肪族アルコール、エトキシレート脂肪酸、エトキシレートアルキルフェノール、アルカノールアミド(脂肪酸アルカノールアミド)、エトキシレート脂肪酸アルカノールアミド、脂肪族アミンオキシド、脂肪族アミドアミンオキシド、グリセリル脂肪酸エステル、ソルビタン、エトキシレートソルビタンエステル、アルキルポリグリコシド、エチレン/プロピレンオキシドブロックコポリマー、エトキシレート-プロポキシレート脂肪族アルコールからなる群より1種以上選択されることを特徴とする、請求項1または4に記載の界面活性剤システム。
- a)陰イオン性界面活性剤;及び
b)下記の化学式4で示される化合物;を含むことを特徴とする、界面活性剤システム:
R1、R2、R3、及びR4は各々独立的または同時に炭素数1〜20個の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、または、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基が1〜20個付加したヒドロキシエチル基であり;R5は炭素数1〜20個のアルキル基、または、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基が1〜20個付加したアルキル基、ヒドロキシル基が1個以上結合したアルキル基、二重結合を少なくとも1個以上含むアルキル基、またはエーテル基を少なくとも1個以上含むアルキル基であり;A1及びA2は各々独立的または同時に炭素数1〜20個の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、または、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基が1〜20個付加したヒドロキシエチル基、または酸素陰イオン(O-)であり;nは0乃至20の整数であり;Xはハロゲン族元素、スルフェート基、メチルスルフェート基、またはアセテート基である。 - 前記a)陰イオン性界面活性剤、及びb)化学式4の化合物の混合比がモル比で1:0.0001〜1:1.0であることを特徴とする、請求項12に記載の界面活性剤システム。
- a)陰イオン性界面活性剤;
b)下記の化学式4で示される化合物;及び
c)非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、またはこれらの混合物;を含むことを特徴とする、界面活性剤システム:
R1、R2、R3、及びR4は各々独立的または同時に炭素数1〜20個の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、または、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基が1〜20個付加したヒドロキシエチル基であり;R5は炭素数1〜20個のアルキル基、または、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基が1〜20個付加したアルキル基、ヒドロキシル基が1個以上結合したアルキル基、二重結合を少なくとも1個以上含むアルキル基、またはエーテル基を少なくとも1個以上含むアルキル基であり;A1及びA2は各々独立的または同時に炭素数1〜20個の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、または、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基が1〜20個付加したヒドロキシエチル基、または酸素陰イオン(O-)であり;nは0乃至20の整数であり;Xはハロゲン族元素、スルフェート基、メチルスルフェート基、またはアセテート基である。 - 前記a)陰イオン性界面活性剤、b)化学式4の化合物、及びc)非イオン性界面活性剤の混合比がモル比で1:0.0001:0.0001〜1:1.0:0.5であることを特徴とする、請求項14に記載の界面活性剤システム。
- 前記a)陰イオン性界面活性剤、b)化学式4の化合物、及びc)陽イオン性界面活性剤の混合比がモル比で1:0.0001:0.0001〜1:1.0:0.5であることを特徴とする、請求項14に記載の界面活性剤システム。
- 前記a)陰イオン性界面活性剤、b)化学式4の化合物、及びc)非イオン性界面活性剤、及び陽イオン性界面活性剤の混合比がモル比で1:0.0001:0.0001〜1:1.0:0.5であることを特徴とする、請求項14に記載の界面活性剤システム。
- 前記化学式4の化合物が、
N,N,N-ジメチルラウリルアミンオキシド、N,N,N-エチルメチルラウリルアミンオキシド、N,N,N-ジメチルドデシルアミンオキシド、N,N,N-ブチルメチルラウリルアミンオキシド、N,N,N-ジメチルヘキサデシルアミンオキシド、N,N,N-ジブチルラウリルアミンオキシド、N,N,N-(2-ヒドロキシエチルラウリルメチル)アミンオキシド、N,N,N-(ジ-2-ヒドロキシエチルラウリル)アミンオキシド、N,N,N-(2-ヒドロキシエチルラウリルブチル)アミンオキシド、N,N,N-(2-ヒドロキシ(EO)5エチルラウリルメチル)アミンオキシド、N,N,N-(2-ヒドロキシエチル(PO)5ラウリルメチル)アミンオキシド、N,N,N-(2-ヒドロキシエチル(EO)5(PO)5ラウリルメチル)アミンオキシド、N,N,N-(2-ヒドロキシエチル(EO)10ラウリルメチル)アミンオキシド、N,N,N-(2-ヒドロキシエチル(EO)15ラウリルメチル)アミンオキシド、1,6-(N,N-ブチルメチルアミンオクチル)ヘキサン、1,6-(N,N-ブチルメチルアミンオクチル)ジプロピルエーテル、1,6-(N,N-ブチルメチルアミンオクチル)-3-ヒドロキシヘキサン、1,6-(N,N-ブチルメチルアミンオクチル)ブタン、1,6-(N,N-ブチルメチルアミンオクチル)オクタン、1,6-(N,N-ブチルメチルアミンオクチル)-2-ヒドロキシプロパン、1,6-[2-(N-メチルアミンオクチル)エタノール]ヘキサン、1,6-[2-(N-メチルアミンオクチル)エタノール(EO)5]ヘキサン、1,6-[2-(N-メチルアミンオクチル)エタノール(PO)5]ヘキサン、1,6-[2-(N-メチルアミンオクチル)エタノール(EO)5(PO)5]ヘキサン、1,6-[2-(N-メチルアミンオクチル)エタノール(EO)10]ヘキサン、1,6-[2-(N-メチルアミンオクチル)エタノール]ジプロピルエーテル、1,6-[2-(N-メチルアミンオクチル)エタノール]-2-ヒドロキシプロパン、1,6-[2-(N-メチルアミンオクチル)エタノール]ブタン、及び1,6-[2-(N-メチルアミンオクチル)エタノール]オクタンからなる群より1種以上選択される非イオン性化合物であることを特徴とする、請求項12または14に記載の界面活性剤システム。 - 前記非イオン性化合物が、3級アミンに過酸化水素を反応させる段階を含む方法で製造されることを特徴とする、請求項18に記載の界面活性剤システム。
- 前記化学式4の化合物が、
ジメチルオクチルエタノールアンモニウム、ジメチルデシルエタノールアンモニウム、ジメチルラウリルエタノールアンモニウム、ジメチルオクチルエタノール(EO)5アンモニウム、ジメチルデシルエタノール(EO)5アンモニウム、ジメチルラウリルエタノール(EO)5アンモニウム、ジメチルオクチルエタノール(EO)10アンモニウム、ジメチルデシルエタノール(EO)10アンモニウム、ジメチルラウリルエタノール(EO)10アンモニウム、ジメチルオクチルエタノール(EO)15、ジメチルデシルエタノール(EO)15、ジメチルラウリルエタノールアンモニウム(EO)15、トリメチルオクチルアンモニウム、トリデシルラウリルアンモニウム、トリメチルラウリルアンモニウム、1,6-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール]ヘキサン、1,8-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール]オクタン、1,8-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール]オクタン、1,8-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール]オクタン、1,8-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール]オクタン、1,8-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール]オクタン、1,6-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(EO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(EO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(EO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(EO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(EO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(EO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(EO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(EO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(EO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(EO)4]ヘキサン、1,8-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(EO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(EO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(EO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(EO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(EO)2]オクタン、1,8-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(EO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(EO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(EO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(EO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(EO)4]オクタン、1,6-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(PO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(PO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(PO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(PO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(PO)2]ヘキサン、1,6-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(PO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(PO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(PO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(PO)4]ヘキサン、1,6-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(PO)4]ヘキサン、1,8-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(PO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(PO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(PO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(PO)2]オクタン、1,8-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(PO)2]オクタン、1,8-[2-(N-ジメチルアミノ)エタノール(PO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-エチルメチルアミノ)エタノール(PO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-ブチルメチルアミノ)エタノール(PO)4]オクタン、1,8-[2-(N,N-メチルオクチルアミノ)エタノール(PO)4]オクタン、及び1,8-[2-(N,N-ドデシルメチルアミノ)エタノール(PO)4]オクタンからなる群より1種以上選択される陽イオン性化合物であることを特徴とする、請求項12または14に記載の界面活性剤システム。 - 前記陽イオン性化合物が、
i)アルカリ条件で2級アミンと下記の化学式5で示される化合物とを反応させて3級アミンを製造する段階;及びii)前記3級アミンに炭素数が1〜20個の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、または、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基が1〜20個付加したヒドロキシエチル基を含む化合物を結合して4級化させる段階;を含む方法で製造されることを特徴とする、請求項21に記載の界面活性剤システム:
- 前記陽イオン性化合物が、
i)2級アミンに炭素数が1〜20個の飽和または不飽和鎖基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、または、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基が1〜20個付加したヒドロキシエチル基を含む化合物を結合して3級アミンを製造する段階;及びii)前記3級アミンを前記化学式4の化合物と結合して4級化させる段階;を含む方法で製造されることを特徴とする、請求項21に記載の界面活性剤システム。 - 前記陰イオン性界面活性剤が、ソジウムラウリルスルフェート(SLS)、ソジウムラウリルエーテルスルフェート(SLES)、直鎖アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、モノアルキルホスフェート(MAP)、アシルイセチオネート(SCI)、アルキルグリセリルエーテルスルホネート(AGES)、アシルグルタメート、アシルタウレート、及び脂肪酸金属塩からなる群より1種以上選択されることを特徴とする、請求項12または14に記載の界面活性剤システム。
- 前記非イオン性界面活性剤が、アルコールアルコキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、アルキルポリグリコシド、アミンオキシド、及びアルカノールアミドからなる群より1種以上選択されることを特徴とする、請求項14に記載の界面活性剤システム。
- 前記陽イオン性界面活性剤が、アミン塩型の化合物、4級アンモニウムを含む化合物、モノアルキルジメチルアミン誘導体、ジアルキルモノメチルアミン誘導体、イミダゾリン誘導体、ジェミニ(Gemini)型の4級アンモニウム化合物、及びオリゴマー形の4級アンモニウム型の陽イオン性界面活性剤からなる群より1種以上選択されることを特徴とする、請求項14に記載の界面活性剤システム。
- 請求項1に記載の界面活性剤システムを含む固体、液体、ゲル状またはペースト状の洗剤組成物。
- 請求項4に記載の界面活性剤システムを含む固体、液体、ゲル状、またはペースト状の洗剤組成物。
- 請求項12または14に記載の界面活性剤システムを含む固体、液体、ゲル状、またはペースト状の洗剤組成物。
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