JP2007107110A - 人工毛髪 - Google Patents

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JP2007107110A JP2005296626A JP2005296626A JP2007107110A JP 2007107110 A JP2007107110 A JP 2007107110A JP 2005296626 A JP2005296626 A JP 2005296626A JP 2005296626 A JP2005296626 A JP 2005296626A JP 2007107110 A JP2007107110 A JP 2007107110A
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Toshiyuki Masuda
増田  敏幸
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Abstract

【課題】 難燃性ポリエステル繊維、難燃性ポリプロピレン繊維、難燃性ポリアミド繊維等に、風合いの改善等を目的として繊維処理剤で処理したときの著しい易燃化(難燃性の低下)が軽減された、触感、櫛通り性、耐シャンプー性に優れた難燃性人工毛髪用繊維を提供する。
【解決手段】 難燃化ポリエステル繊維、難燃化ポリプロピレン繊維、難燃化ポリアミド繊維等に、常温架橋型ポリオルガノシロキサン系繊維処理剤を付着させることにより、加熱処理を行なう必要がないため、繊維処理剤塗布後の乾燥工程を短縮させ、熱履歴を低減でき、触感に優れ、櫛通り性、耐シャンプー性および難燃性に優れた人工毛髪用繊維を得ることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、平滑性、櫛通り性、難燃性の優れた難燃性人工頭髪用繊維に関するものである。
かつらやヘアーウィッグ等に用いる人工毛髪として種々の合成繊維のフィラメントが用いられている。そして、このような人工毛髪用の合成繊維フィラメントの材料としては、塩化ビニル、モダアクリル、ポリエステル、ナイロン等が広く用いられている。ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維等は、そのまま人工毛髪として使用すると難燃性が不十分である。
これらの合成繊維の難燃性を向上させようとする試みは種々なされており、例えば、ポリエステル樹脂にリン原子を含有する難燃モノマーを共重合する方法、例えば、リン原子が環員子となっていて熱安定性の良好なリン化合物を共重合する方法(特許文献1)、また、カルボキシホスフィン酸を共重合する方法(特許文献2)、ポリアリレートを含むポリエステルにリン化合物を配合又は共重合する方法(特許文献3)が提案されている。これらの難燃化技術を人工毛髪に適用したものとしては、例えば、リン化合物を共重合したポリエステル繊維が提案されている(特許文献4,5)。
人工毛髪として使用する場合、柔軟性、平滑性等を付与するために、一般的に、種々のシリコーン系仕上げ剤が使用されている。例えば、柔軟性、防しわ性、弾力と圧縮回復性を付与するため、ジメチルポリシロキサン、メチル水素ポリシロキサン、両末端水酸基ジメチルポリシロキサン、ビニル基含有オルガノポリシロキサン、エポキシ基含有オルガノポリシロキサン、アミノ基含有オルガノポリシロキサン、エステル基含有オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン含有オルガノポリシロキサン等が使用されている。
また、ポリオルガノシロキサンとアルコキシシランとの組合せ、ポリオルガノシロキサンとポリアクリルアミド樹脂や触媒とからなる処理剤等も知られていた。これらの具体例としては、例えば、1分子当り少なくとも2個のエポキシ基を含有するオルガノポリシロキサンとアミノ基を含有するオルガノポリシロキサンからなる処理剤(特許文献6)、両末端水酸基オルガノポリシロキサン、1分子中にアミノ基とアルコキシ基を含有するオルガノポリシロキサン、及び/または、その部分加水分解物および縮合物からなる処理剤(特許文献7)による方法が開示されている。
また、エポキシ基を含有するオルガノポリシロキサンとアミノアルキルトリアルコキシシランからなる処理剤(特許文献8,9)が、1分子中にアミノ基2個以上を含有する両末端トリオルガノシロキシ基ジオルガノポリシロキサン(特許文献10)が記載されている。その他にも、1分子中に2個以上アミノ基を含有するアミノポリシロキサンとアミノ基、エポキシ基等の反応性基を1個以上含有するアルコキシシランからなる処理剤(特許文献11)による方法が提案されている。
しかし、これらのシリコーン含有繊維処理剤を付着した繊維は、平滑性、櫛通り等の改善はなされるものの、シリコーン系繊維処理剤自体が易燃性であるため、非難燃性合成繊維は易燃性を助長され、難燃性合成繊維に関しても難燃性が著しく低下してしまうという課題が残されたままであった。
特公昭55−41610号公報 特公昭53−13479号公報 特開平11−124732号公報 特開平3−27105号公報 特開平5−339805号公報 特公昭43−17514号公報 特公昭53−36079号公報 特公昭53−197159号公報 特公昭53−19716号公報 特公昭53−98499号公報 特公昭58−17310号公報
難燃性ポリエステル繊維、難燃性ポリプロピレン繊維、難燃性ポリアミド繊維等の難燃性の低下を軽減し、平滑性、櫛通り性の優れた人工毛髪用繊維を提供する。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、難燃性熱可塑性樹脂組成物(A)からなる組成物から形成される繊維、すなわち、難燃ポリエステル繊維、難燃ポリプロピレン繊維、難燃ポリアミド繊維等に、常温架橋型ポリオルガノシロキサン系繊維処理剤を付着することにより、平滑性、櫛通り性を付与でき、難燃性の低下が軽減された難燃性人工毛髪用繊維が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、難燃性熱可塑性樹脂組成物(A)からなる組成物から形成される繊維に、常温架橋型ポリオルガノシロキサン系繊維処理剤(B)を付着させてなる人工毛髪に関する。好ましい態様としては、難燃性熱可塑性樹脂組成物(A)から形成される繊維に対し、常温架橋型ポリオルガノシロキサン系繊維処理剤(B)の合計付着量が、重量比で0.01〜5%である人工毛髪繊維である。より好ましい態様としては、難燃性熱可塑性樹脂組成物(A)が、熱可塑性樹脂(A1)、難燃剤(A2)および難燃助剤(A3)からなり、それぞれの成分比率が、重量比で(A1)/(A2)/(A3)=90/10/0〜65/25/10である人工毛髪であり、熱可塑性樹脂(A1)が、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンよりなる群から選ばれる少なくとも一種であり、難燃剤(A2)が、ホスフェート系化合物、ホスホネート系化合物、ホスフィネート系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、ホスファイト化合物、ホスホナイト系化合物、ホスフィナイト系化合物、ホスフィン系化合物、縮合リン酸エステル化合物、有機環状リン化合物、臭素含有リン酸エステル系難燃剤、臭素化ポリスチレン系難燃剤、臭素化ベンジルアクリレート系難燃剤、臭素化エポキシ系難燃剤、臭素化フェノキシ系難燃剤、臭素化ポリカーボネート系難燃剤、テトラブロモビスフェノールA誘導体、臭素含有トリアジン系化合物、臭素含有イソシアヌル酸系化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種であり、難燃助剤(A3)が、メラミンシアヌレート、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、ホウ酸亜鉛、錫酸亜鉛、ヒドロキシ錫酸亜鉛よりなる群から選ばれる少なくとも一種であり、難燃性熱可塑性樹脂組成物(A)の限界酸素指数(LOI)が28以上である人工毛髪である。さらに好ましい態様としては、常温架橋型ポリオルガノシロキサン系繊維処理剤(B)が、反応性を有するポリオルガノシロキサン(B1)、シランカップリング剤(B2)および硬化触媒(B3)からなり、それぞれの成分比率が、重量比で、(B1)/(B2)/(B3)=95/5/0.1〜50/50/5である人工毛髪であり、反応性を有するポリオルガノシロキサン(B1)が、下記一般式(1)および(2)で表される構造単位を有するポリオルガノシロキサンである人工毛髪であり、シランカップリング剤(B2)が、アミノ基含有シランカップリング剤、エポキシ基含有シランカップリング剤よりなる群から選ばれる少なくとも一種である人工毛髪であり、硬化触媒(B3)が、酸性リン酸エステル化合物、酸性リン酸エステル化合物と有機アミン化合物との混合物、有機スズ化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種である人工毛髪である。
Figure 2007107110
(式中、R1はそれぞれ独立して、水素原子、直鎖または分岐を有する炭素数1〜10のアルキル基を示し、R2はそれぞれ独立して、直鎖または分岐を有する炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、または炭素数7〜10のアラルキル基を示し、mは4〜200の整数を示す)
Figure 2007107110
(式中、R1はそれぞれ独立して、水素原子、直鎖または分岐を有する炭素数1〜10のアルキル基を示し、R2はそれぞれ独立して、直鎖または分岐を有する炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、または炭素数1〜80のアルキレンオキシ基を示し、R3は、直鎖または分岐を有する炭素数1〜10のアルキル基を示し、m、nはそれぞれ2〜150の整数を示す)
本発明によると、難燃性ポリエステル繊維、難燃性ポリプロピレン繊維、難燃性ポリアミド繊維等において、加熱処理を行なう必要がないため、繊維処理剤塗布後の乾燥工程を短縮させ、熱履歴を低減でき、触感に優れ、櫛通り性、耐シャンプー性(繊維処理剤の効果の持続性)、難燃性の優れた難燃性人工毛髪を得ることができる。
本発明は、難燃性熱可塑性樹脂組成物(A)から形成される繊維に、常温架橋型ポリオルガノシロキサン系繊維処理剤(B)を付着させてなる人工毛髪である。
難燃性熱可塑性樹脂組成物(A)は、熱可塑性樹脂(A1)、難燃剤(A2)および難燃助剤(A3)を含有する樹脂組成物である。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂(A1)は特に限定はなく、10〜100dtexの人工毛髪繊維の紡糸に適する樹脂であればよい。ただし、熱可塑性樹脂(A)としては、
耐熱性の点から、ポリアルキレンテレフタレートまたはポリアミドが好ましく、安価および軽量でボリューム感が得られる点から、ポリオレフィンが好ましい。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂(A1)に含まれるポリアルキレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリアミドは、例えば、ポリエチレンテレフテレート、ポリトリメチレンテレフテレート、ポリブチレンテレフテレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、6−ナイロン、6,6−ナイロンなどであり、それぞれが単独構成のポリマーである必要はなく、ブレンドポリマーや共重合ポリマーであっても良い。これらのなかでも、耐熱性、繊維物性、入手の容易さ、安価なコストの点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート(ポリトリメチレンテレフタレート)、ポリブチレンテレフタレートが好ましい。
本発明に用いられる難燃剤(A2)には特に限定はなく、一般的に用いられているリン含有難燃剤、ハロゲン含有難燃剤であれば使用することができる。
前記リン含有難燃剤の具体例としては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリス(フェニルフェニル)ホスフェート、トリネフチルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリクレジルホスフィンオキサイド、メタンホスホン酸ジフェニル、フェニルホスホン酸ジエチルなどのほか、レゾルシノールポリフェニルホスフェート、レゾルシノールポリ(ジ−2,6−キシリル)ホスフェート、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート、ハイドロキノンポリ(2,6−キシリル)ホスフェート、ジエチル−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルホスホネート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、トリス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィン、トリス(4−ヒドロキシブチル)ホスフィン、トリス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィンオキシド、トリス(3−ヒドロキシブチル)ホスフィンオキシド、3−(ヒドロキシフェニルホスフィノイル)プロピオン酸などがあげられる。
前記ハロゲン含有難燃剤の具体例としては、例えば、ペンタブロモトルエン、ヘキサブロモベンゼン、デカブロモジフェニル、デカブロモジフェニルエーテル、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、テトラブロモ無水フタル酸、エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、エチレンビス(ペンタブロモフェニル)、オクタブロモトリメチルフェニルインダン、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートなどの臭素含有リン酸エステル類、臭素化ポリスチレン類、臭素化ポリベンジルアクリレート類、臭素化エポキシオリゴマー類、臭素化ポリカーボネートオリゴマー類、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(アリルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(ヒドロキシエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA誘導体、トリス(トリブロモフェノキシ)トリアジンなどの臭素含有トリアジン系化合物、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートなどの臭素含有イソシアヌル酸系化合物などがあげられる。
これらの中では、臭素含有リン酸エステル類、臭素化ポリスチレン類、臭素化ベンジルアクリレート類、臭素化エポキシオリゴマー類、臭素化ポリカーボネートオリゴマー類が、難燃性付与の点から、好ましい。繊維物性、耐熱性および加工安定性の点から、臭素含有リン酸エステル系難燃剤、臭素化エポキシ系難燃剤および臭素化フェノキシ系難燃剤が、さらに好ましい
本発明に用いられる難燃剤(A3)には特に限定はなく、一般的に用いられている難燃助剤であれば使用することができる。難燃助剤の具体例としては、例えば、メラミンシアヌレート、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウムなどがあげられる。これらは、必要に応じて、エポキシ化合物、シラン化合物、イソシアネート化合物、チタネート化合物等で表面処理されてもよい。
本発明における難燃性熱可塑性樹脂組成物(A)中の(A1)、(A2)および(A3)のそれぞれの成分比率は、重量比で(A1)/(A2)/(A3)=90/10/0〜65/25/10が好ましく、90/10/1〜75/20/5がより好ましく、85/12/3〜80/15/5がさらに好ましい。成分比率が、(A1)/(A2)/(A3)=90/10/0を下回ると、ポリオルガノシロキサン系繊維処理剤(B)を付着させた場合に、十分な難燃性が得られなくなる傾向があり、65/25/10を上回ると、加工安定性、耐ドリップ性が低下する傾向がある。
本発明においては、熱可塑性樹脂(A1)としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート(ポリトリメチレンテレフタレート)、ポリブチレンテレフタレートが好ましく、(A2)と(A3)との組合せとしては、縮合リン酸エステル化合物および/または有機環状リン化合物とメラミンシアヌレートの組合せ、臭素含有リン酸エステル系難燃剤および/または臭素化エポキシ系難燃剤と三酸化アンチモンおよび/またはアンチモン酸ナトリウムの組合せが、難燃性、加工安定性の点から、好ましい。
本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物(A)の限界酸素指数(LOI)は、28以上であることが好ましく、30以上であることがよりに好ましい。
一般に、熱可塑性繊維への繊維処理剤付着においては、該繊維処理剤が熱可塑性繊維の表面に付着している。そのため、ポリオルガノシロキサン系繊維処理剤を使用した繊維に接炎した場合、まず、炎が繊維表面を走り、その後繊維自体が燃焼する。一般に使用されているリンを含む難燃性熱可塑性繊維は、ドリップにより難燃性を確保する機構を取っているため、繊維表面を走る炎を消すことが難しい。また、臭素含有難燃剤により後加工して難燃化された熱可塑性繊維では、接炎した場合、臭素含有難燃剤が熱分解し、臭素ガスを発生するため、繊維表面の炎を消すことができるが、触感、くし通り、カール特性などの人工毛髪としての特性で著しく劣るため、使用が困難である。
本発明では、難燃剤(A2)、難燃助剤(A3)の種類、組合せを選定することにより、触感、くし通り、カール特性などを改善し、使用するポリオルガノシロキサン系繊維処理剤(B)の付着量を少量に抑え、また、難燃剤、難燃助剤を混練した場合に、耐熱性、繊維物性や紡糸加工性の低下を抑制できるような難燃剤、難燃助剤を選定したことにより、オルガノポリシロキサン系繊維処理剤(B)を使用した場合でも、難燃性を維持できることを見出した。しかしながら、LOIが28未満になると、ポリオルガノシロキサン系繊維処理剤(B)を付着させた場合に、十分な難燃性が得られなくなる傾向がある。
本発明の人工毛髪用繊維は、例えば、(A1)、(A2)および(A3)成分をドライブレンドした後、例えば一軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー種々の一般的な混練機を用いて溶融混練して得られる熱可塑性樹脂組成物(A)を、通常の溶融紡糸法で溶融紡糸することにより製造することができる。すなわち、例えば、押出機、ギアポンプ、口金などの温度を270〜310℃とし、溶融紡糸し、紡出糸条を加熱筒に通過させた後、ガラス転移点以下に冷却し、50〜5000m/分の速度で引き取ることにより紡出糸条が得られる。また、紡出糸条を冷却用の水を入れた水槽で冷却し、繊度のコントロールを行なうことも可能である。加熱筒の温度や長さ、冷却風の温度や吹付量、冷却水槽の温度、冷却時間、引取速度は、吐出量および口金の孔数によって適宜調整することができる。
得られた紡出糸条は熱延伸されるが、延伸は紡出糸条を一旦巻き取ってから延伸する2工程法および巻き取ることなく連続して延伸する直接紡糸延伸法のいずれの方法によってもよい。熱延伸は、1段延伸法または2段以上の多段延伸法で行なわれる。熱延伸における加熱手段としては、加熱ローラ、ヒートプレート、スチームジェット装置、温水槽などを使用することができ、これらを適宜併用することもできる。
本発明のポリエステル系人工毛髪には、必要に応じて、耐熱剤、光安定剤、蛍光剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料、可塑剤、潤滑剤などの各種添加剤を含有させることができる。顔料を含有させることにより、原着繊維を得ることができる。
本発明のポリエステル系人工毛髪が原着されている場合、そのまま使用することができるが、原着されていない場合、通常のポリエステル系繊維と同様の条件で染色することができる。
染色に使用される顔料、染料、助剤などとしては、耐候性および難燃性のよいものが好ましい。
本発明において、難燃性熱可塑性繊維の表面に、常温架橋型ポリオルガノシロキサン系繊維処理剤(B)を付着させ、乾燥させることにより、加熱処理を行わずとも、常温架橋型オルガノシロキサン系繊維処理剤が架橋構造を形成し、シリコーン系繊維処理剤の特徴である滑り性や触感、風合いを発現することができる。また、加熱処理を行なう必要がないため、繊維処理剤塗布後の乾燥工程を短縮でき、熱履歴を低減でき、触感に優れ、縮れ、融着、糸切れ等の極めて少ない難燃性人工毛髪を得ることができる。
本発明に用いられる常温架橋型ポリオルガノシロキサン系繊維処理剤(B)は、反応性を有するポリオルガノシロキサン(B1)、シランカップリング剤(B2)および硬化触媒(B3)からなる繊維処理剤である。
本発明に用いられる反応性を有するポリオルガノシロキサン(B1)は特に限定はなく、具体例としては、例えば、
Figure 2007107110
Figure 2007107110
Figure 2007107110
Figure 2007107110
などの一般式(1);
Figure 2007107110
(式中、R1はそれぞれ独立して、水素原子、直鎖または分岐を有する炭素数1〜10のアルキル基を示し、R2はそれぞれ独立して、直鎖または分岐を有する炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、または炭素数7〜10のアラルキル基を示し、mは4〜200の整数を示す)
で表されるポリオルガノシロキサン類、
Figure 2007107110
Figure 2007107110
Figure 2007107110
Figure 2007107110
Figure 2007107110
Figure 2007107110
などの一般式(2);
Figure 2007107110
(式中、R1はそれぞれ独立して、水素原子、直鎖または分岐を有する炭素数1〜10のアルキル基を示し、R2はそれぞれ独立して、直鎖または分岐を有する炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、または炭素数1〜80のアルキレンオキシ基を示し、R3は、直鎖または分岐を有する炭素数1〜10のアルキル基を示し、m、nはそれぞれ2〜150の整数を示す)
で表されるポリオルガノシロキサン類があげられる。
本発明で用いられるシランカップリング剤(B1)は、常温架橋可能なものであれば、特に限定はない。
前記、具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリsec−オクチルオキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルメチルジエメトキシシラン、テトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、テトラn−プロピルシリケート、テトラ−i−プロピルシリケート、テトラ−n−ブチルシリケート、テトラ−i−ブチルシリケートなどがあげられる。これらの中では、反応後の繊維処理剤としての特性付与効果の点から、エポキシ基含有シランカップリング剤、アミノ基含有シランカップリング剤が好ましい。
本発明で用いられる硬化触媒(B3)は、反応性を有するポリオルガノシロキサン(B1)とシランカップリング剤(B1)の反応を活性化できるものであれば、特に限定はない。
前記硬化触媒(B3)の具体例としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸などの有機スルホン酸化合物;前記有機スルホン酸化合物と含チッ素化合物(例えば、1−アミノ−2−プロパノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、2−(メチルアミノ)エタノール、2−ジメチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、ジイソプロパノールアミン、3−アミノプロパノール、2−メチルアミノ−2−メチルプロパノール、モルホリン、オキサゾリジン、4,4−ジメチルオキサゾリジン、3,4,4−トリメチルオキサゾリジンなど)との混合物または反応物;リン酸、モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェート、モノブチルホスフェート、モノオクチルホスフェート、モノドデシルホスフェート、ジメチルホスフェート、ジエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジドデシルホスフェートなどのリン酸またはリン酸エステル;プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、グリシジルメタクリレート、グリシドール、アクリルグリシジルエーテル、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメチルジメトキシシラン、油化シェルエポキシ(株)製カーデュラE、油化シェルエポキシ(株)製のエピコート828、エピコート1001などのエポキシ化合物とリン酸および/またはモノリン酸エステルとの付加反応物;ヘキシルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、DABCO、DBU、モルホリン、ジイソプロパノールアミンなどのアミン類;これらのアミン類と酸性リン酸エステルとの反応物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性化合物;ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドあるいはブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリドあるいはブロミドなどの4級アンモニウム塩、またホスホニウム塩;オクチル酸スズ、ステアリン酸スズなどの2価スズ化合物、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジアセチルアセトナート、ジブチルスズビストリエトキシシリケート、ジブチルスズジステアレート、ジブチルスズマレートなどのジブチルスズ化合物、ジオクチルスズジバーサテート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジステアレート、ジオクチルスズマレートなどのジオクチルスズ化合物などの4価有機スズ化合物;アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムアセチルアセトナート等の有機アルミニウム化合物;テトラステアリルオキシチタン、テトラメチルオキシチタン等の有機チタン化合物;ステアリン酸ジルコニル、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート等の有機ジルコニウム化合物などがあげられる。
これらの中では、酸性リン酸エステル化合物、酸性リン酸エステル化合物と有機アミン化合物の混合物、有機スズ化合物が、架橋反応性の点から、好ましい。
反応性を有するポリオルガノシロキサン(B1)、シランカップリング剤(B2)および硬化触媒(B3)の成分比率は、重量比で、(B1)/(B2)/(B3)=95/5/0.1〜50/50/5が好ましく、90/10/0.2〜60/40/4がより好ましく、85/15〜70/30/3がさらに好ましい。
本発明における常温架橋型ポリオルガノシロキサン系繊維処理剤(B)の付着量は、0.01〜1%omfが好ましく、0.05〜0.75%omfがより好ましく、0.10〜0.50%omfがさらに好ましい。常温架橋型ポリオルガノシロキサン系繊維処理剤(B)の付着量が0.01%omf未満ではくし通りが低下し、触感が不十分になる傾向があり、1%omfを超えると、繊維が収束しすぎてすだれ上になったり、触感がべたついたり、繊維処理剤が手に残る傾向がある。
本発明における難燃性ポリエステル系繊維への常温架橋型オルガノシロキサン系繊維処理剤(B)による処理方法としては、通常の処理方法を適用することができる。例えば、オルガノシロキサン系繊維処理剤(B)を所望の付着量となるように水で希釈したものを、難燃性ポリエステル系繊維の表面に下記付着方法によって均一に付着させた後、乾燥することにより、難燃性ポリエステル系繊維の表面にオルガノシロキサン系繊維処理剤(B)を堅固に付着させることができる。本発明における付着方法としては、ディップ・ニップ法、スプレー塗布法、ピックアップローラー塗布法など均一に付着できる方法であれば、特に限定されない。
本発明における繊維処理剤処理は、難燃性ポリエステル系繊維の製造時の延伸、熱処理工程に続けて実施する連続処理で行ってもよいし、製造後の難燃性ポリエステル系繊維に対してバッチ処理で行ってもよい。
さらに、帯電防止性等を付与するために、親水性繊維処理剤を使用することが好ましく、一般的に用いられている親水性繊維処理剤であれば使用することができる。親水性繊維処理剤の具体例としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエステル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、N,N−ジヒドロキシエチルアルキルアミド、ポリオキシアルキレンアルキルアミド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンペンタエリスリトールアルキルエステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン、アルキルアミン塩、アルキルアンモニウム塩、アルキルアラルキルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルピコリニウム塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホ脂肪酸エステル塩、アルキル硫酸エステル塩、アルケニル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、およびイオン性界面活性剤の混合物などが挙げられる。
本発明における親水性繊維処理剤の付着量は、0.01〜1%omfが好ましく、0.03〜0.8%omfがより好ましく、0.05〜0.6%omfがさらに好ましい。親水性繊維処理剤の付着量が0.01%omf未満では、帯電防止力が弱く、静電気が発生する傾向があり、1%omfを超えると、触感がべたつく傾向がある。
本発明のポリエステル系人工毛髪は、美容熱器具(ヘアーアイロン)を用いたカールセット性に優れ、カールの保持性にも優れる。
また、本発明の人工毛髪は、モダアクリル繊維、ポリ塩化ビニル繊維など、他の人工毛髪素材と併用してもよいし、人毛と併用してもよい。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、特性値の測定法は、以下のとおりである。
(限界酸素指数LOI)
繊維処理剤を塗布していない16cm/0.25gのフィラメントを秤量し、端を軽く両面テープでまとめ、懸撚器で挟み撚りをかける。十分に撚りがかかったら、試料の真中を二つに折り2本を撚り合わせる。端を粘着テープで止め、全長7cmになるようにする。105℃で60分間前乾燥を行ない、さらにデシケーターで30分以上乾燥する。乾燥したサンプルを所定の酸素濃度に調整し、40秒後8〜12mmに絞った点火器で上部より着火し、着火後点火器を離す。5cm以上燃えるか、3分以上燃え続けた酸素濃度を調べ、同じ条件で試験を3回繰り返し、限界酸素指数(LOI)とする。
(難燃性)
繊度約50dtexのフィラメントを150mmの長さに切り、0.7gを束ね、一方の端をクランプで挟んでスタンドに固定して垂直に垂らし、有効長120mmの固定したフィラメントに20mmの炎を3秒間接炎させ、燃焼させて評価した。
−難燃性−
◎:残炎時間が0秒(着火しない)
○:残炎時間が3秒未満
△:残炎時間が3秒以上、10秒未満
×:残炎時間が10秒以上
−耐ドリップ性−
◎:消火するまでのドリップ数が0
○:5以下
△:6〜10
×:11以上
(くし通り)
長さ30cm、総繊度10万dtexのトウフィラメントに繊維表面処理剤を付着させる。処理されたトウフィラメントにくし(デルリン樹脂製)を通し、くしの通り易さを評価する。
◎:全く抵抗ない(非常に軽い)
○:ほとんど抵抗ない(軽い)
△:若干抵抗がある(重い)
×:かなり抵抗がある、または、途中で引っかかる
(触感)
長さ30cm、総繊度10万dtexのトウフィラメントを手で触り、フィラメント表面のベタツキ感、すべり触感を評価する。
◎:さらさら感あり
○:ベタツキ感なし
△:若干ベタツキ感がある
×:ベタツキ感がある
(耐シャンプー性)
長さ30cm、総繊度10万dtexのトウフィラメントを、市販のリンス等が入っていない通常のシャンプー(例えば、サラ:カネボウ(株)製)を加えて5%にした40℃の温水ですすぎ洗いし、自然乾燥する工程を3サイクル行ない、洗浄前後の特性変化(触感、くし通り)を評価する(特性保持性)。また、洗浄前後での繊維処理剤の付着量を測定し、耐シャンプー性の尺度とする。
−特性保持性−
◎:特性に全く変化がない
○:ほとんど変化がない
△:若干変化がある
×:変化がある
−繊維処理剤付着量−
以下の式によって、洗浄前後の付着量を算出した。洗浄前後で繊維処理剤の付着量の変化が大きいものは、耐シャンプー性が低いことを示す。
(洗浄前の付着量:%omf)=[(繊維処理剤付着後の重量)−(繊維処理剤付着前の重量)]/(繊維処理剤付着前の重量)×100
(洗浄後の付着量:%omf)=[(洗浄後の重量)−(繊維処理剤付着前の重量)]/(繊維処理剤付着前の重量)×100
(帯電防止性)
長さ30cm、総繊度10万dtexのトウフィラメントを、室温25℃、湿度40%の恒温恒湿室に24時間静置した後に、トウフィラメントの最上部を片手に持って垂直に垂らし、くし(NEW DELRIN COMB No.826)を0.3m/sの速度でトウフィラメントの上部3cmのところから、トウフィラメント下端まで、30回以上通過させたときのトウフィラメントの状態を観察する。
◎:変化なし(静電気の帯電がないため、トウが広がらない)
○:数本のフィラメントが外側にはねる
△:静電気で数十本のフィラメントが外側にはねる
×:静電気で全体的に広がる
(製造例1〜5)
表1に示す比率の組成物を、水分量100ppm以下に乾燥し、ドライブレンドした後、(日本製鋼所(株)製、TEX44)に供給し、シリンダ設定温度を製造例1、2、4および5は280℃で、製造例3は180℃として溶融混練し、ペレット化した後に、水分量100ppm以下に乾燥させた。次いで、溶融紡糸機(シンコーマシナリー(株)製、SV30)を用いて、シリンダ設定温度を製造例1、2、4および5は280℃で、製造例3は180℃として、直径1mmのノズル孔を40孔有する紡糸口金より溶融ポリマーを吐出し、20℃の冷却風により空冷し、100m/分の速度で巻き取って未延伸糸を得た。得られた未延伸糸に対し、加熱したヒートロールを用いて4倍に延伸し、加熱したヒートロールを用いて熱処理を行い、30m/分の速度で巻き取り、単繊維繊度が50dtex前後の難燃性熱可塑性樹脂系繊維(マルチフィラメント)を得た。
Figure 2007107110
*1:ポリエチレンテレフタレート、カネボウ合繊(株)製
*2:ポリプロピレン、日本ポリケム(株)製
*3:ナイロン66、ユニチカ(株)製
*4:臭素化リン酸エステル系難燃剤、大八化学工業(株)製
*5:臭素化エポキシ系難燃剤、阪本薬品工業(株)製
*6:アンチモン酸ナトリウム、日産化学(株)製
*7:三酸化アンチモン、日本精鉱(株)
(実施例1〜10)
(製造例1)〜(製造例4)で得られた難燃性熱可塑性樹脂系繊維を用い、表2に示す常温架橋型ポリオルガノシロキサン系繊維処理剤を含む水溶液を調製し、総繊度10万dtexのトウフィラメントを浸漬し、トウ重量に対して含液率20〜30%となるように絞り、表2に示す所定量(%omf)の繊維処理剤が付着するように溶液を付着させ、25℃にて乾燥させた。
Figure 2007107110
*8:
Figure 2007107110
*9:
Figure 2007107110
*10:
Figure 2007107110
*11:信越化学(株)製
*12:信越化学(株)製
*13:大八化学工業(株)製
*14:PO/EOランダム共重合ポリエーテル系繊維処理剤、丸菱油化(株)製
*15:カチオン系帯電防止剤、丸菱油化(株)製
繊維処理剤を付着させたそれぞれの繊維について、難燃性、くし通り、触感、帯電防止性について評価した。評価結果を、表3に示す。
Figure 2007107110
(比較例1〜6)
(製造例1)、(製造例5)で得られた繊維を用い、表4に示すポリオルガノシロキサン系繊維処理剤を含む水溶液を調製し、総繊度10万dtexのトウフィラメントを浸漬し、トウ重量に対して含液率20〜30%となるように絞り、表2に示す所定量(%omf)の繊維処理剤が付着するように溶液を付着させ、25℃にて乾燥させた。
Figure 2007107110
*8:
Figure 2007107110
*9:
Figure 2007107110
*10:
Figure 2007107110
*11:信越化学(株)製
*12:信越化学(株)製
*13:大八化学工業(株)製
*14:PO/EOランダム共重合ポリエーテル系繊維処理剤、丸菱油化(株)製
*15:カチオン系帯電防止剤、丸菱油化(株)製
繊維処理剤を付着させたそれぞれの繊維について、難燃性、くし通り、触感、帯電防止性について評価した。評価結果を、表5に示す。
Figure 2007107110
表3および表5に示したように、比較例に対し、実施例では、限界酸素指数(LOI)が28以上の高い難燃性を有する難燃ポリエステル繊維、難燃ポリプロピレン繊維、難燃ポリアミド繊維等に、常温架橋型ポリオルガノシロキサン系繊維処理剤を付着することにより、難燃性の低下が小さく十分な難燃性を示し、くし通り性、触感、帯電防止性にも優れた人工毛髪用繊維が得られることが確認された。

Claims (12)

  1. 難燃性熱可塑性樹脂組成物(A)から形成される繊維に、常温架橋型ポリオルガノシロキサン系繊維処理剤(B)を付着させてなる人工毛髪。
  2. 難燃性熱可塑性樹脂組成物(A)から形成される繊維重量に対し、常温架橋型ポリオルガノシロキサン系繊維処理剤(B)の合計付着量が、重量比で0.01〜1%である請求項1記載の人工毛髪。
  3. 難燃性熱可塑性樹脂組成物(A)が、熱可塑性樹脂(A1)、難燃剤(A2)および難燃助剤(A3)からなり、それぞれの成分比率が、重量比で(A1)/(A2)/(A3)=90/10/0〜65/25/10である、請求項1または2に記載の人工毛髪。
  4. 熱可塑性樹脂(A1)が、ポリエステル、ポリアミドおよびポリオレフィンよりなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項3記載の人工毛髪。
  5. 難燃剤(A2)が、ホスフェート系化合物、ホスホネート系化合物、ホスフィネート系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、ホスファイト化合物、ホスホナイト系化合物、ホスフィナイト系化合物、ホスフィン系化合物、縮合リン酸エステル化合物、有機環状リン化合物、臭素含有リン酸エステル系難燃剤、臭素化ポリスチレン系難燃剤、臭素化ベンジルアクリレート系難燃剤、臭素化エポキシ系難燃剤、臭素化フェノキシ系難燃剤、臭素化ポリカーボネート系難燃剤、テトラブロモビスフェノールA誘導体、臭素含有トリアジン系化合物および臭素含有イソシアヌル酸系化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項3記載の人工毛髪。
  6. 難燃助剤(A3)が、メラミンシアヌレート、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、ホウ酸亜鉛、錫酸亜鉛、ヒドロキシ錫酸亜鉛よりなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項3記載の人工毛髪。
  7. 難燃性熱可塑性樹脂組成物(A)の限界酸素指数(LOI)が28以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の人工毛髪。
  8. 常温架橋型ポリオルガノシロキサン系繊維処理剤(B)が、反応性を有するポリオルガノシロキサン(B1)、シランカップリング剤(B2)および硬化触媒(B3)からなり、それぞれの成分比率が、重量比で、(B1)/(B2)/(B3)=95/5/0.1〜50/50/5である請求項1〜3のいずれかに記載の人工毛髪。
  9. 反応性を有するポリオルガノシロキサン(B1)が、下記一般式(1)および(2)で表される構造単位を有するポリオルガノシロキサンである請求項8記載の人工毛髪。
    Figure 2007107110
    (式中、R1はそれぞれ独立して、水素原子、直鎖または分岐を有する炭素数1〜10アルキル基、R2はそれぞれ独立して、直鎖または分岐を有する炭素数1〜10アルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、mは4〜200の整数を示す)
    Figure 2007107110
    (式中、R1はそれぞれ独立して、水素原子、直鎖または分岐を有する炭素数1〜10アルキル基、R2はそれぞれ独立して、直鎖または分岐を有する炭素数1〜10アルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭素数1〜80のアルキレンオキシ基、R3は、直鎖または分岐を有する炭素数1〜10アルキル基、m、nはそれぞれ2〜150の整数を示す)
  10. シランカップリング剤(B2)が、アミノ基含有シランカップリング剤およびエポキシ基含有シランカップリング剤よりなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項8記載の人工毛髪。
  11. 硬化触媒(B3)が、酸性リン酸エステル化合物、酸性リン酸エステル化合物と有機アミン化合物との混合物、および有機スズ化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項8記載の人工毛髪。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の人工毛髪用繊維に、アニオン系および/またはカチオン系の帯電防止剤を付着させてなる人工毛髪。
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