JP2012246422A - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】無機基材に対する密着性に優れる硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】分子量200〜2000の多官能チオール化合物(A)、分子量200〜50000、エポキシ当量80〜6000g/molの多官能エポキシ樹脂(B)、一般式(1)で表されるチオエーテル含有アルコキシシラン誘導体(C)、分子量90〜700のアミン化合物(D)を含む。重量比((A)/(B))が0.05〜30。(A+B)100重量部に対して(C)を0.5〜50重量部、(D)を0.01〜50重量部含む。
Figure 2012246422

【選択図】なし

Description

本発明は、ガラス、酸化インジウムスズ(ITO)、アルミニウム等の無機基材に対する密着性が優れる硬化性樹脂組成物に関するものである。
従来より、各種塗料をガラス等の無機基材に塗工する際に、密着性を向上させる目的でシランカップリング剤がエポキシ樹脂組成物に添加されている(例えば特許文献1)。また、従来よりエポキシ樹脂の硬化剤としてチオール化合物が用いられており、エポキシ基とチオール基との反応を活性化する触媒として、アミンのような塩基性物質が用いられてきた(例えば非特許文献1)。さらに、チオール化合物と二重結合を複数個有する多官能ポリエンとの混合物は、光で硬化する硬化性樹脂組成物になることが知られている(例えば特許文献2)。
特開平7−300491号公報 特開平6−306172号公報
総説エポキシ樹脂、第1巻、基礎編I、P204−205、エポキシ樹脂技術協会編
しかしながら、特許文献1のような技術では、シランカップリング剤の多くは沸点が低く、熱硬化樹脂に対しては多量に添加する必要があった。また、密着性向上効果も充分とは言えず、例えばチタン・ジルコニウム等の塩や、リン酸エステル、ウレタン樹脂等の密着性助剤も同時に添加することによって初めて実用レベルで求められる密着性を達成できる場合も多かった。この場合、これら密着性助剤の配合は工程数が増加するだけでなく、塗料特性を損なわないような密着性助剤種の選定や、その添加量の厳密な最適化作業も必要であるという問題点があった。
一方、非特許文献1のようなチオール化合物を硬化剤とした硬化性組成物の硬化膜は、有機物に対する密着性は優れる。しかし、ガラス、ITO、アルミニウム等の無機物への密着性は充分といえなかった。特に、チオール化合物を硬化剤とした硬化性組成物の硬化膜は耐水性が低いため、高温高湿下に暴露されると密着性が大きく低下するという問題があった。
また、特許文献2のようにチオール化合物と多官能ポリエンとを混合した光硬化性の硬化性硬化性樹脂組成物も、得られる硬化物の無機物に対する密着性は充分ではなかった。
さらに、チオール化合物を硬化剤とした硬化性組成物は、アミンを触媒として用いると室温でも硬化が進行するため、可使用時間(使用環境下での使用可能時間)が長い硬化性組成物が望まれていた。
そこで、本発明は上記実状に鑑みて成し遂げられたものであり、その目的は、ガラス、酸化インジウムスズ、アルミニウム等の無機基材に対する密着性に優れる硬化性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、従来のシランカップリング剤やチオール化合物に替えて、特定のチオエーテル含有アルコキシシラン誘導体を有効成分として含有する硬化樹脂組成物であれば、無機基材に対して優れた密着性を有することを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は次の(A)、(B)、(C)、及び(D)成分を含有する硬化性樹脂組成物であって、前記(A)成分が、分子量が200〜2000である多官能チオール化合物であり、前記(B)成分が、分子量が200〜50000であり、且つ、エポキシ当量が80〜6000g/molである多官能エポキシ樹脂であり、前記(C)成分が、下記一般式(1)で表されるチオエーテル含有アルコキシシラン誘導体であり、前記(D)成分が、分子量が90〜700であるアミン化合物である。そして、前記(A)成分と前記(B)成分との重量比((A)/(B))が0.05〜30であり、前記(A)成分と前記(B)成分との合計重量100重量部に対し、前記(C)成分が0.5〜50重量部、前記(D)成分が0.01〜50重量部配合されていることを特徴とする。
Figure 2012246422

(式中のaおよびbは0〜2の整数であり、cは1〜3の整数であり、a+b+c=3である。Rは下記一般式(2)で表される3価の基であり、RおよびRはそれぞれ独立に−CH−CH(CH)−、−C(CH−、−CH−CH−、または、−CH(CH)−のいずれかで表される2価の基であり、Rはメチル基またはエチル基である。)
Figure 2012246422

(式中のmは1または2である。)
このように、密着性向上剤として特定のチオエーテル含有アルコキシシラン誘導体(C)を有効成分とし、(A)〜(D)成分をバランス良く配合していることで、無機基材に対して優れた密着性を発現させることができる。
なお、本発明において「当量」とは、ある化学物質の官能基の個数が1molになるために必要な化学物質の重量であり、(分子量)/(1分子中の官能基の個数)で求めることができる。また、「分子量」とは重合体の場合には重量平均分子量を意味する。
本発明の硬化性樹脂組成物は、前記(A)〜(D)成分に加えて、さらに下記(E)成分を含有させることもできる。(E)成分を含んでいない前記本発明の硬化性樹脂組成物は熱硬化性であるが、これに(E)成分も加えると、硬化性樹脂組成物に光硬化性あるいは光熱二段階硬化性を付与することができ、作業環境や使用目的等に応じて硬化反応を選択することができる。具体的には、(E)成分として、分子量が200〜50000であり、且つ、(メタ)アクリレート当量が80〜6000g/molである多官能(メタ)アクリレート化合物を含有させることもできる。当該(E)成分は、前記(A)成分と前記(B)成分との合計重量100重量部に対し、2〜300重量部配合する。なお、本発明において「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートとメタクリレートの双方を含む総称を意味する。
前記アミン化合物(D)としては、下記一般式(2)で表されるイミダゾール化合物を使用することが好ましい。これによれば、硬化性樹脂組成物が35℃以下の使用・保管温度領域では硬化反応が進行しにくく可使用時間が長くなるにもかかわらず、60℃では硬化反応が進行するため、可使用時間や保存安定性と低温硬化を両立することが可能となる。
Figure 2012246422

(Rはシアノ基、炭素数1〜10の炭化水素基、2,3−ジアミノトリアジンで置換された炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜4のアルコキシ基、又は水素原子であり、R、R、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜4のアルコキシ基、又は水素原子であり、R〜Rが結合して環を形成している場合には炭素数2〜8の炭化水素基である。)
また、前記多官能チオール化合物(A)としては、下記一般式(3)で表される多官能チオール化合物を使用することが好ましい。
Figure 2012246422

(式中のnは2〜5の整数であり、pは2〜10の整数であり、Rは炭素数2〜30の炭化水素基(α1)、炭素数2〜40のエーテル酸素(−O−)と炭化水素基のみからなる基(α2)、イソシアヌレート環(α3)、又はイソシアヌレート環と炭化水素基のみからなる基(α4)のいずれかである。)このような多官能チオール化合物であれば、硬化性樹脂組成物の保存安定性に優れる。
また、前記多官能エポキシ樹脂(B)としては、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂又はグリシジルエステル型エポキシ樹脂を使用することが好ましい。このような多官能エポキシ樹脂であれば、室温での反応性が遅く可使用時間がより長くなる。
なお、本発明において数値範囲を示す「○○〜××」とは、その下限値(「○○」)や上限値(「××」)を含む概念である。すなわち、正確には「○○以上××以下」を意味する。
本発明によれば、特定のチオエーテル含有アルコキシシラン誘導体(C)を有効成分としながら、必須成分である(A)〜(D)もバランス良く配合していることで、従来のシランカップリング剤を使用する場合のようにその他の密着性助剤等を添加する必要が無く、且つ密着性向上剤となる有効成分(C)の添加量を抑えながら、優れた密着性を得ることができる。また、従来のチオール化合物を使用した場合では不十分であった、ガラス、酸化インジウムスズ、アルミニウム等の無機基材に対して密着性に優れるという、従来にはなかった新規な硬化性樹脂組成物とすることができる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、可使用時間(使用環境下での使用可能時間)が比較的長いことから作業性も良好であり、保存安定性にも優れる。しかも、熱硬化させる際は、従来よりも低温でありながら短時間で硬化させることができる。すなわち、室温では硬化し難く、熱硬化の際は60℃程度の低温でも反応性(硬化性)が良い。また、本発明の硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化膜の強靭性、耐水性、耐熱性、柔軟性、及び均一性なども向上することができる。これにより、無機基材上に硬化膜を形成した後、高温多湿条件下(例えば、120℃×100RH%×90時間程度)のような過酷な環境に曝された場合等でも、充分な密着性を維持することができる。
以下に、本発明について詳しく説明する。本発明の硬化性樹脂組成物は、下記(A)、(B)、(C)、及び(D)成分を必須成分とし、必要に応じて(E)成分もさらに含有する硬化性樹脂組成物である。
<多官能チオール化合物((A)成分)>
本発明の硬化性樹脂組成物における多官能チオール化合物(A)とは、2個以上のチオール基(−SH基)を有する有機化合物である。多官能チオール化合物の分子量は200〜2000、好ましくは300〜1800、より好ましくは350〜1600とする。分子量が200より小さくても密着性に関しては問題ないが、多官能チオール化合物の揮発性が高く、臭気が強くなる傾向がある。一方、分子量が2000より大きいと、後述の多官能エポキシ樹脂(B)に対する溶解性が低くなって、無機基材に対する密着性が低下する可能性がある。
多官能チオール化合物(A)としては、例えば下記一般式(4)で表される多官能チオール化合物を挙げることができる。なお、多官能チオール化合物(A)は、1種のみを単独で使用することもできるし、2種以上を混合使用することもできる。
Figure 2012246422

(式中のnは2〜5の整数であり、pは2〜10の整数であり、Rは炭素数2〜30の炭化水素基(α1)、炭素数2〜40のエーテル酸素(−O−)と炭化水素基のみからなる基(α2)、イソシアヌレート環(α3)、又はイソシアヌレート環と炭化水素基のみからなる基(α4)のいずれかである。)
上記一般式(3)においてn=1の化合物でも大きな問題なく使用可能であるが、得られる多官能チオール化合物の反応性が高いことで、これを含む硬化性樹脂組成物の保存安定性が若干悪くなる傾向がある。これに対し、n=2〜5の範囲の化合物であれば、保存安定性に優れると共に、60℃程度の低温において短時間で熱硬化させることができる。なお、nの数が大きくなるにつれて得られる多官能チオール化合物の反応性が低くなり、これを含む硬化性樹脂組成物の熱硬化時の硬化時間が長くなる傾向がある。したがって、上記一般式(3)で表される化合物の中では、n=2の化合物が最も好ましい。n=2であれば、多官能チオール化合物の反応性が保存安定性と熱硬化時の硬化時間短縮との両立に最も適しているからである。
上記一般式(4)で表される多官能チオール化合物は、下記一般式(5)で表されるメルカプトカルボン酸と下記一般式(6)で表される多官能アルコールとのエステル化反応により得ることができる。
Figure 2012246422

(式中のnは1〜5の整数である。)
Figure 2012246422

(式中のpは2〜10の整数であり、Rは炭素数2〜30の炭化水素基(α1)、炭素数2〜40のエーテル酸素(−O−)と炭化水素基のみからなる基(α2)、イソシアヌレート環(α3)、又はイソシアヌレート環と炭化水素基のみからなる基(α4)のいずれかである。)
上記一般式(6)で表される化合物の中でも、pが2〜4であり、且つRが炭素数2〜20の炭化水素基からなる基である化合物(α1−1)、pが2〜6であり、且つRが炭素数2〜30のエーテル酸素(−O−)と炭化水素基のみからなる基である化合物(α2−1)、又はpが3であり、且つRがイソシアヌレート環と炭素数1〜3の炭化水素基のみからなる基である化合物(α4−1)が好ましい。このような化合物であれば、多官能エポキシ樹脂(B)との溶解性が高いからである。
(α1−1)としては、例えば炭素数2〜20のアルキレンジオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、又はトリメチロールプロパン等が挙げられる。(α2−1)としては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。(α4−1)としては、例えばトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
<多官能エポキシ樹脂((B)成分)>
本発明の硬化性樹脂組成物における多官能エポキシ樹脂(B)とは、2個以上のエポキシ基(オキシラン環)を有する有機化合物である。多官能エポキシ樹脂の分子量は200〜50000、好ましくは200〜48000、より好ましくは200〜46000とする。分子量が200より小さくても密着性に関しては問題ないが、多官能エポキシ樹脂の揮発性が高くなり、臭気が強くなる傾向がある。一方、分子量が50000より大きいと、他の成分に対する溶解性が低くなって、無機基材に対する密着性が低下する可能性がある。
多官能エポキシ樹脂のエポキシ当量は80〜6000g/mol、好ましくは85〜5500g/mol、より好ましくは90〜5000g/molとする。エポキシ当量が80g/molより小さいと、単位体積あたりのエポキシ基が過剰になって多官能チオール化合物(A)のチオール基と未反応のエポキシ基が多量に残存することで、硬化性樹脂組成物からなる硬化膜の靭性が低下し、高温多湿条件下に曝された場合に密着性が低下するおそれがある。一方、エポキシ当量が6000g/molより大きいと、エポキシ基濃度が著しく低いことから多官能チオール化合物(A)のチオール基との反応効率が低下することで、硬化性樹脂組成物からなる硬化膜の靭性が低下し、高温多湿条件下に曝された場合に密着性が低下するおそれがある。
多官能エポキシ樹脂(B)としては、例えばグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、又は二重結合含有化合物の二重結合を過酸化物で酸化して得られる酸化型エポキシ樹脂などが挙げられる。これら中でも、室温での反応性が遅く可使用時間が長くなることから、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂やグリシジルエステル型エポキシ樹脂が好ましい。特にグリシジルエーテル型エポキシ樹脂であれば、多官能チオール化合物(A)と反応する官能基を有していないため、反応条件によらず均一な硬化性樹脂組成物延いては硬化膜を得ることができる。なお、多官能エポキシ樹脂(B)は、1種のみを単独で使用することもできるし、2種以上を混合使用することもできる。
<グリシジルエーテル型エポキシ樹脂>
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、エピクロロヒドリンと下記一般式(7)で表される化合物との反応生成物が好ましい。
Figure 2012246422

(式中のqは2〜30の整数であり、Rは炭素数2〜200の炭化水素基(β1)、炭素数2〜300のエーテル酸素(−O−)と炭化水素基のみからなる基(β2)、イソシアヌレート環(β3)、イソシアヌレート環と炭化水素基のみからなる基(β4)である。)
上記一般式(7)で表される化合物の中でも、qが2〜20であり、且つRが炭素数2〜150の炭化水素基からなる基である化合物(β1−1)、又はqが2〜20であり、且つRが炭素数2〜150の炭化水素基とエーテル酸素(−O−)のみからなる基であり化合物(β2−1)が、他の成分との溶解性が高いという理由で好ましい。(β1−1)としては、例えば炭素数2〜10のアルキレンジオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、フェノールノボラック、ビスフェノールA等が挙げられる。(β2−1)としては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はジペンタエリスリトール等が挙げられる。
上記のエピクロロヒドリンと一般式(7)で表される化合物との反応は、エピクロロヒドリンと一般式(7)で表される化合物の水酸基とが付加反応して得られるクロロヒドリンを、酸化ナトリウム等の塩基で閉環しエポキシ樹脂を得ることができる。また、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂は前記の閉環反応の後得られたエポキシ樹脂のエポキシ基の一部を開環重合させたエポキシ樹脂でもよい。
エピクロロヒドリンと一般式(7)で表される化合物の反応生成物は、下記一般式(8)の構造となる。
Figure 2012246422

(式中のqは2〜30の整数であり、Rは炭素数2〜200の炭化水素基(β1)、炭素数2〜300のエーテル酸素(−O−)と炭化水素基のみからなる基(β2)、イソシアヌレート環(β3)、又はイソシアヌレート環と炭化水素基のみからなる基(β4)である。)
<グリシジルエステル型エポキシ樹脂>
グリシジルエステル型エポキシ樹脂は、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有するモノマーを単独あるいは炭素数4〜25のアルキル(メタ)アクリレートと共重合して得られる重量平均分子量3000〜20000のポリマー又はエピクロロヒドリンと、下記一般式(9)で表される化合物との反応生成物などである。
Figure 2012246422

(式中のrは2〜8の整数であり、R10は炭素数2〜20の炭化水素基(β5)、炭素数2〜30のエーテル酸素(−O−)と炭化水素基のみからなる基(β6)、イソシアヌレート環(β7)、又はイソシアヌレート環と炭化水素基のみからなる基(β8)のいずれかである。)
エピクロロヒドリンと一般式(9)で表される化合物との反応は、エピクロロヒドリンと一般式(9)の化合物のカルボキシル基とが付加反応して得られるクロロヒドリンを、水酸化ナトリウム等の塩基で閉環しグリシジルエステル型エポキシ樹脂を得ることができる。また、グリシジルエステル型エポキシ樹脂のエポキシ基の一部を開環重合させたエポキシ樹脂も使用することができる。
上記一般式(9)で表される化合物の中でも、rが2〜4であり、且つR10が炭素数2〜10の炭化水素基からなる基であり化合物(β5−1)、rが2〜6であり、且つR10が炭素数2〜30のエーテル酸素(−O−)と炭化水素基のみからなる基であり化合物(β6−1)、又はrが3であり、且つR10がイソシアヌレート環と炭化水素基のみからなる基である化合物(β8−1)が、溶解性が高いという理由で好ましく挙げられる。
(β5−1)としては、例えばヒドロフタル酸やトリメリット酸等が挙げられる。(β6−1)としては、例えばペンタエリスリトールと無水トリメリット酸との反応物が挙げられる。(β8−1)としては、例えば1,3,5−トリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
エピクロロヒドリンと一般式(9)で表される化合物の反応生成物は、下記一般式(10)の構造となる。
Figure 2012246422

(式中のrは2〜8の整数であり、R10は炭素数2〜20の炭化水素基(β5)、炭素数2〜30のエーテル酸素(−O−)と炭化水素基のみからなる基(β6)、イソシアヌレート環(β7)、又はイソシアヌレート環と炭化水素基のみからなる基(β8)のいずれかである。)
<チオエーテル含有アルコキシシラン誘導体((C)成分)>
チオエーテル含有アルコキシシラン誘導体(C)は、本発明の硬化性樹脂組成物を硬化した際に、無機基材に対する密着性を向上させるために添加される密着性向上剤である。当該チオエーテル含有アルコキシシラン誘導体(C)は、チオエーテル基を有しており、多官能チオール化合物(A)と多官能エポキシ樹脂(B)との架橋反応で生じたチオエーテル基とジスルフィド結合で化学結合する。この際に、チオエーテル含有アルコキシシラン誘導体(C)は、多官能チオール化合物(A)との相溶性も高く反応効率が高いため、得られる密着性向上効果が高い。さらには、チオエーテル含有アルコキシシラン誘導体(C)は、アルコキシシリル基を有しており、多官能チオール化合物(A)と多官能エポキシ樹脂(B)とが反応して生成する水酸基と反応する。結果として、得られる樹脂硬化物は架橋密度が高くなり、強靭で高い耐水性を有する架橋体(硬化物)になる。また、チオエーテル含有アルコキシシラン誘導体(C)のアルコキシシリル基は無機基材と化学結合することができ、無機基材との密着力を大幅に向上させることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物におけるチオエーテル含有アルコキシシラン誘導体(C)は、下記一般式(1)で表される化合物である。なお、チオエーテル含有アルコキシシラン誘導体(C)は、1種のみを単独で使用することもできるし、2種以上を混合使用することもできる。
Figure 2012246422

(式中のaおよびbは0〜2の整数であり、cは1〜3の整数であり、a+b+c=3である。Rは下記一般式(2)で表される3価の基であり、RおよびRはそれぞれ独立に−CH−CH(CH)−、−C(CH−、−CH−CH−、または、−CH(CH)−のいずれかで表される2価の基であり、Rはメチル基またはエチル基である。)
Figure 2012246422

(式中のmは1または2である。)
このようなチオエーテル含有アルコキシシラン誘導体(C)は、少なくともアルコキシシリル基〔−Si(OR〕と二重結合を有する化合物(以下、X成分ということがある)と、チオール基(−SH)を有する多価チオール化合物(以下、Y成分ということがある)とを反応させることによって得ることができる。具体的には、bが0である化合物は少なくとも下記一般式(11)で表されるアルコキシシリル基含有化合物(X)と、下記一般式(12)で表される多価チオール化合物(Y)とを反応させることにより得ることができる。また、bが0ではない化合物は、少なくとも下記一般式(11)で表されるアルコキシシリル基含有化合物(X)と、下記一般式(12)で表される多価チオール化合物(Y)と、グリシジル(メタ)アクリレートを反応させることにより得ることができる。なお、(X)成分と(Y)成分とを反応させると、(X)成分の二重結合と(Y)成分のチオール基とが反応する。
Figure 2012246422

(式中のRはメチル基またはエチル基であり、R14は水素原子またはメチル基である。)
Figure 2012246422

(式中のmは1または2の整数である。)
上記一般式(11)で表されるアルコキシシリル基含有化合物(X)としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどを使用することができる。
上記一般式(12)で表される多価チオール化合物(Y)としては、m=2のトリス[(3-メルカプトプロピオニロキシ)−エチル]イソシアヌレートが挙げられる。m=1の化合物(Y)としては、イソシアヌル酸トリス(2-ヒドロキシエチル)とチオグリコール酸との合成物が挙げられる。上記一般式(12)においてm≧3の化合物を使用した場合、疎水性かつ非極性である炭化水素数が増えることにより、チオエーテル基の基材への配向性が弱まり、密着性を得にくくなる。
(X)成分と(Y)成分とは、触媒またはラジカル発生剤の存在下で反応させることが好ましい。触媒やラジカル発生剤を添加すれば、より短時間で且つ高収率にて反応させることができるからである。
触媒としてはアミン系の塩基触媒が好ましく、一級、二級あるいは三級アミン類、もしくはイミダゾール系化合物が使用できる。例えば、一級アミンとしてメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン等、二級アミンとしてジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、メチルエチルアミン、ジフェニルアミン等、三級アミンとしてトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリフェニルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等が挙げられる。イミダゾール系化合物として、例えば、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1,4−ジメチル−2−エチルイミダゾール、1−フェニルイミダゾール等のイミダゾール同族体、1−メチル−2−オキシメチルイミダゾール、1−メチル−2−オキシエチルイミダゾール等のオキシアルキル誘導体、1−メチル−4(5)−ニトロイミダゾール、1,2−ジメチル−5(4)−アミノイミダゾール等のニトロおよびアミノ誘導体、ベンゾイミダゾール、1−メチルベンゾイミダゾール、1−メチル−2−ベンジルベンゾイミダゾール等が挙げられる。
ラジカル発生剤としては、過酸化物もしくはアゾ化合物が好ましい。過酸化物として例えば、過酸化ジベンゾイル、tert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノアート、ジラウロイルペルオキシド、tert−ブチルハイドロパーオキサイドなどが挙げられる。アゾ化合物としては例えば、アゾビス(イソ−ブチロニトリル)および2,2’−アゾビス(2−メチルブタンニトリル)などが挙げられる。
チオエーテル含有アルコキシシラン誘導体(C)の製造方法においては、5℃以上の温度で反応させることができるが、短時間で反応させるためには、30〜120℃、好ましくは60〜80℃で反応させることがより好ましい。
チオエーテル含有アルコキシシラン誘導体の製造方法においては、無溶剤でも反応を進行させることができるが、低温で反応させる場合など、粘度を下げたい場合には溶剤を加えて反応させることもできる。その際には、アルコキシシリル基、二重結合、チオール基と反応しない溶剤、例えばアルコール類、ケトン類、エステル類または芳香族類が好ましい。
このようなアルコール類としては、炭素数が3以下で一級であるものが好ましく、また、沸点が反応温度よりも高いものが好ましい。温度範囲内においては反応温度が高いものがさらによい。また、アルコールとアルコキシシリル基が反応中にエステル交換を起こす可能性があり、目的生成物の収率低下が起こる恐れがあるため、収率低下を抑制するためROHの構造を持つものがよい。これらを満たす反応溶剤として例えば、メタノール、エタノール等が挙げられる。また、ケトン類としては、沸点が反応温度よりも高いものが好ましい、また溶解性の観点から炭素数6以下のものが好ましい。これらを満たすものとして、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。また、エステル類としては、沸点が反応温度よりも高いものが好ましい、また溶解性の観点から直鎖炭素数6以下のものが好ましい。これらを満たすものとして、例えば酢酸ブチル、酢酸エチル等が挙げられる。
アルコキシシリル基、二重結合、チオール基と反応しないエステル類としては、沸点が反応温度よりも高いものが好ましい、また溶解性の観点から直鎖炭素数6以下のものが好ましい。これらを満たすものとして、例えば酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシブチル、酢酸セロソルブ、酢酸アミル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等が挙げられる。
<アミン化合物((D)成分)>
本発明の硬化性樹脂組成物におけるアミン化合物は、チオール基とエポキシ基との反応を促進(触媒)するために添加される。アミン化合物(D)としては、分子量が90〜700、好ましくは100〜690、より好ましくは110〜680の、単官能アミンや複数個のアミノ基とを有するポリアミンが挙げられる。アミン化合物(D)の分子量が90未満では、アミンの揮発性が高くなり、臭気やボイドの原因となるだけではなく、加熱硬化時のアミン濃度が低くなるため架橋反応が進行し難くなり密着性が低下し易くなる。アミン化合物(D)の分子量が700を超えると、耐水性が低くなり密着性が低下し易くなる。
単官能アミンとしては、1級アミン、2級アミン、又は3級アミンが挙げられる。ポリアミンとしては、1級アミン、2級アミン、3級アミン、複合アミンが挙げられる。複合アミンとは、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基のうち2種以上を有するアミンのことである。このような複合アミンとしては、イミダゾリン化合物、イミダゾール化合物、N置換ピペラジン化合物、N,N−ジメチル尿素誘導体等が挙げられる。なお、アミン化合物(D)は、1種のみを単独で使用することもできるし、2種以上を混合使用することもできる。
また、アミン化合物(D)は、触媒活性を調整するために予め有機酸との塩を形成していても良い。アミン化合物(D)と予め反応させる有機酸としては、炭素数1〜20でカルボキシル基を分子中に1〜5個有するステアリン酸や2−エチルヘキサン酸等の脂肪族カルボン酸、炭素数1〜20でカルボキシル基を分子中に1〜10個有するピロメリット酸、トリメリット酸、安息香酸等の芳香族カルボン酸、又はイソシアヌル酸が挙げられる。また、アミン化合物(D)は、触媒活性を調整するために多官能エポキシ樹脂(B)とのアダクトを形成した後に配合されても良い。
<イミダゾール化合物>
アミン化合物(D)の中でも、イミダゾール化合物が最も保存安定性と低温における硬化時間の両立に適している。また、フェノール樹脂等でコーティングしたイミダゾール化合物も用いることができる。
当該イミダゾール化合物は、下記式(3)で表される化合物である。
Figure 2012246422

(Rはシアノ基、炭素数1〜10の炭化水素基、2,3−ジアミノトリアジンで置換された炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜4のアルコキシ基、又は水素原子であり、R、R、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜4のアルコキシ基、又は水素原子であり、R〜Rが結合して環を形成している場合には炭素数2〜8の炭化水素基である。)
具体的には、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−ウンデシルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2−メチルイミダゾリル−(1)]エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2‘−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4'−メチルイミダゾリル−(1')]−エチル−s−トリアジン、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールが挙げられる。
<多官能(メタ)アクリレート化合物((E)成分)>
本発明の硬化性樹脂組成物は、多官能チオール化合物(A)、多官能エポキシ樹脂(B)、及びアミン化合物(D)があれば、熱により硬化する。一方、本発明の硬化性樹脂組成物に光硬化性あるいは光熱二段階硬化性を付与したい場合には、多官能(メタ)アクリレート化合物(E)を添加すればよい。
チオール基は、二重結合に熱または光の刺激で付加反応することが知られている。したがって、多官能チオール化合物(A)と多官能二重結合含有化合物との混合物は、硬化樹脂組成物となりうる。本発明においては、上記二重結合の中でも、アクリロキシ基またはメタクリロキシ基を2個以上有する化合物である、多官能(メタ)アクリレート化合物(E)が好ましい。多数ある二重結合含有化合物の中でも、多官能(メタ)アクリレートを選択した理由は、本発明の硬化性樹脂組成物における多官能チオール化合物(A)と室温では反応しにくく可使用時間を長く設定できること、多官能チオール化合物(A)と反応した際に強靭な硬化物を形成すること、アミン化合物(D)により多官能チオール化合物(A)との反応が触媒されにくいこと、多官能エポキシ樹脂(B)と反応しないこと等が挙げられる。
このような多官能(メタ)アクリレート(E)としては、下記一般式(13)で表される化合物が好ましく挙げられる。なお、多官能(メタ)アクリレート(E)は、1種のみを単独で使用することもできるし、2種以上を混合使用することもできる。
Figure 2012246422

(式中のsは2〜30の整数であり、R12は炭素数2〜200の炭化水素基(ε1)、炭素数2〜300のエーテル酸素(−O−)と炭化水素基のみからなる基(ε2)、イソシアヌレート環(ε3)、又はイソシアヌレート環と炭化水素基のみからなる基(ε4)であり、R13は水素原子またはメチル基である。)
また、多官能(メタ)アクリレート(E)としては、ポリマータイプのものも好適に用いることができる。ポリマータイプの多官能(メタ)アクリレート(E)としては、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物単独あるいは共重合体に、(メタ)アクリル酸のようにエポキシ基と反応する基を有する(メタ)アクリレート化合物を反応させて得られるポリマー、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物単独あるいは共重合体に、2-メチルプロペン酸2-イソシアナトエチルのように水酸基と反応する基を有する(メタ)アクリレート化合物を反応させて得られるポリマー、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を有する(メタ)アクリレート化合物単独あるいは共重合体に、グリシジル(メタ)アクリレートのようにカルボキシル基と反応する基を有する(メタ)アクリレート化合物を反応させて得られるポリマー等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレート化合物(E)の分子量は200〜50000、好ましくは220〜40000、より好ましくは240〜30000とする。多官能(メタ)アクリレート化合物(E)の分子量が200より小さくても密着性に関しては問題ないが、揮発性が高くなり臭気が強くなる傾向がある。一方、分子量が50000より大きいと、他の成分に対する溶解性が低くなる可能性がある。
また、多官能(メタ)アクリレート(E)の(メタ)アクリレート当量は80〜6000g/mol、好ましくは80〜4500、より好ましくは85〜3000とする。(メタ)アクリレート当量が80g/molより小さいと、単位体積あたりの(メタ)アクリロキシ基が過剰になって多官能チオール化合物(A)のチオール基と未反応の(メタ)アクリロキシ基が多量に残存することで、硬化性樹脂組成物からなる硬化膜の靭性が低下し、高温多湿条件下に曝された場合に密着性が低下するおそれがある。一方、(メタ)アクリレート当量が6000g/molより大きくなると、(メタ)アクリロキシ基濃度が著しく低いことから多官能チオール化合物(A)のチオール基との反応効率が低下することで、硬化性樹脂組成物からなる硬化膜の靭性が低下し、高温多湿条件下に曝された場合に密着性が低下するおそれがある。
<組成比(配合バランス)>
本発明の硬化性樹脂組成物は、多官能チオール化合物(A)と多官能エポキシ樹脂(B)との重量比((A)/(B))が0.05〜30となるように配合する。ここで、「(A)/(B)」とは多官能チオール化合物(A)の重量を多官能エポキシ樹脂(B)の重量で除した値である。最適な(A)/(B)の値は、硬化性樹脂組成物に求められる特性や、多官能チオール化合物(A)や多官能エポキシ樹脂(B)および場合によっては添加される多官能(メタ)アクリレート化合物(E)の構造によって異なる。硬化性樹脂組成物を硬化した後の特性は、厳密には硬化性樹脂組成物単位重量中の(チオール基数)/(エポキシ基数+(メタ)アクリロキシ基数)(以下、チオール/(エポキシ+エン)比と称す)の値に影響を受ける。例えば、チオール/(エポキシ+エン)比が0.5〜1.5の範囲にあれば、密な架橋を形成し易く、且つ強靭な硬化物になり易い。一方、チオール/(エポキシ+エン)比が0.1以上0.5未満、あるいは1.5を超え2.0以下であれば、柔軟で粘着質な硬化物を得ることができる。チオール/(エポキシ+エン)比が0.1未満、あるいは2.0を超えるとゲル化し難くなり、密着性が低下する傾向がある。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、多官能チオール化合物(A)と多官能エポキシ樹脂(B)との合計重量(A+B)100重量部に対し、チオエーテル含有アルコキシシラン誘導体(C)が0.5〜50重量部、好ましくは0.5〜45重量部となるように配合する。(A+B)に対して(C)成分の配合量が0.5重量部未満では優れた密着性が得られず、50重量部を超えると、硬化物の架橋密度が低くなり強靭性が低下するため密着性が低下する傾向がある。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、多官能チオール化合物(A)と多官能エポキシ樹脂(B)との合計重量(A+B)100重量部に対し、アミン化合物(D)が0.01〜50重量部、好ましくは0.01〜45重量部となるように配合する。(A+B)に対して(D)成分の配合量が0.01未満では、チオール基とエポキシ基の反応が進行するのに時間を要するため硬化不良を起こし、50重量部を超えると架橋密度が低くなり密着性が低下する傾向がある。
また、本発明の硬化性樹脂組成物に対して多官能(メタ)アクリレート化合物(E)も配合する場合は、多官能チオール化合物(A)と多官能エポキシ樹脂(B)との合計重量(A+B)100重量部に対し、多官能(メタ)アクリレート化合物(E)が2〜300重量部、好ましくは2〜250重量部となるように配合する。(A+B)に対して(E)成分の配合量が2未満では、光硬化性を付与することが難しく、300重量部を超えると、密着性が低下する傾向がある。
<硬化性樹脂組成物>
多官能チオール化合物(A)のチオール基と多官能エポキシ樹脂(B)のエポキシ基とが反応すると、チオエーテル基や水酸基が生成する。チオエーテル含有アルコキシシラン(C)もチオエーテル基を有しており、上記のチオール基とエポキシ基とが反応して生じるチオエーテルとジスルフィド結合で架橋する。また、チオエーテル含有アルコキシシラン(C)は同時にアルコキシシリル基も有しており、上記のチオール基とエポキシ基とが反応して生じる水酸基と反応し架橋する。結果として、密な架橋体を形成することができる。本発明の硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化物は、架橋体が密になるため、耐熱性、強靭性、及び耐水性等が高くなっている。さらには、チオエーテル基やジスルフィド結合で架橋された硬化物であるため柔軟性にも富むことで、高い密着性を有している。さらに、チオエーテル含有アルコキシシラン(C)は同時にトリアルコキシシリル基も有しているため、特にガラスのような無機基材と化学結合を形成することが可能であり、本発明の硬化性樹脂組成物は無機基材に対する密着性が特に高くなっている。
また、本発明の硬化性樹脂組成物において、必要に応じて添加される多官能(メタ)アクリレート化合物(E)の(メタ)アクリロイル基と多官能チオール化合物(A)のチオール基も光の刺激によって反応する。したがって、多官能チオール化合物(A)と、多官能エポキシ樹脂(B)、多官能(メタ)アクリレート化合物(E)の混合物は、光と熱との二段階で硬化する硬化樹脂となる。さらには、それぞれの構成成分量を制御することにより、光硬化および熱硬化の程度を制御することが可能である。
従来より、様々なチオール化合物が硬化剤(エポキシ樹脂や(メタ)アクリレート化合物等の主剤を硬化させるために添加される化合物)として用いられている。なお、チオール基とエポキシ基、あるいはチオール基と(メタ)アクリロイル基いずれの反応においても、アミン等の塩基物質が反応活性化エネルギーを低下させる(触媒する)効果を持つことも一般的に知られている。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、反応系を均一にし、塗工を容易にするために有機溶媒で希釈して使用してもよい。そのような有機溶媒としては、アルコール系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤及びエーテルエステル系溶剤、ケトン系溶剤、リン酸エステル系溶剤が挙げられる。これらの有機溶媒は硬化性樹脂組成物100重量部に対して、10000重量部未満の配合量に抑えることが好ましいが、基本的に溶剤は硬化膜になる時点では揮発しているため、硬化膜の物性に大きな影響は与えない。ただし、チオール基、エポキシ基、又は(メタ)アクリロイル基と反応する官能基を有する化合物、及びアミン化合物は溶剤として用いることで本発明の効果を損なうおそれがある。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、粘度を調整する目的でシリカ粉末等の粘度調整剤を配合しても良い。これらの粘度調整剤は、硬化性樹脂組成物100重量部に対して、300重量部未満の配合量に抑えることが好ましい。この値が、粘度調整剤の配合量が300重量部を超えると、密着性が低下する可能性がある。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、通常の塗料や接着剤に用いられるような各種添加剤を添加しても良い。このような添加剤としては、塗工面を平滑にするための界面活性剤、可使用時間を長くするためのアルミニウム塩、光反応性を向上させるための光ラジカル発生剤、光塩基発生剤、光酸発生剤等が挙げられる。これらの添加剤は、硬化性樹脂組成物100重量部に対して、80重量部未満の配合量に抑えることが好ましい。これらの添加剤の配合量が80重量部を超えると、密着性が低下する可能性がある。
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限られるものではない。本実施例及び比較例で用いた試薬は、次のとおりである。なお、Mwは重量平均分子量を示す。
<多官能チオール化合物(A成分)>
(A-1、Mw:372)
Figure 2012246422
(A−2、Mw:399)
Figure 2012246422
(A−3、Mw:526)
Figure 2012246422
(A−4、Mw:488)
Figure 2012246422
(A−5、Mw:784)
Figure 2012246422
(A−6、Mw:416)
Figure 2012246422
(A−7、Mw:785)
Figure 2012246422
(A−8、Mw:1584)
Figure 2012246422
<多官能エポキシ樹脂(B成分)>
(B−1、Mw:220、エポキシ当量:110)
Figure 2012246422
(B−2、Mw:360、エポキシ当量:90)
Figure 2012246422
(B−3、Mw:350、エポキシ当量:175)
Figure 2012246422
(B−4、Mw:5500、エポキシ当量:3000)
Figure 2012246422

nは平均15
(B−5、Mw:1500、エポキシ当量:186)
Figure 2012246422

nは平均7
(B−6、Mw:220、エポキシ当量:110)
Figure 2012246422
(B−7、Mw:18000、エポキシ当量:250)
グリシジルメタクリレートとシクロヘキシルメタクリレートの共重合体(50wt%メチルイソブチルケトン溶液をヘキサンで再沈した白色固体)。
(B−8、Mw:45000、エポキシ当量:250)
グリシジルメタクリレートとシクロヘキシルメタクリレートの共重合体(50wt%メチルイソブチルケトン溶液をヘキサンで再沈した白色固体)。
<チオエーテル含有アルコキシシラン誘導体(C成分)>
(C−1)
Figure 2012246422
(C−2)
Figure 2012246422
(C−3)
Figure 2012246422
(C−4)
Figure 2012246422
(C−5)
Figure 2012246422
(C−6)
Figure 2012246422
(C−7)
Figure 2012246422
<アミン化合物(D成分)>
(D−1、Mw:136)
Figure 2012246422
(D−2)
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデカ−7−エンとステアリン酸の1:1当量反応物
(D−3、Mw:680)
Figure 2012246422

n1、n2、n3は1〜5の整数であり、平均が3.5混合物
(D’-1、Mw:110)
Figure 2012246422
(D’-2、Mw:144)
Figure 2012246422
(D’-3、Mw:163)
Figure 2012246422
(D’-4、Mw:219)
Figure 2012246422
(D’-5)
Figure 2012246422

2−フェニルイミダゾールとピロメリット酸の塩
(D’-6、Mw:158)
Figure 2012246422
(D’-7、Mw:306)
Figure 2012246422
<多官能(メタ)アクリレート化合物(E成分)>
(E−1、Mw:246、2重結合当量:123)
Figure 2012246422
(E−2、Mw:352、2重結合当量:88)
Figure 2012246422
(E−3、Mw:376、2重結合当量:183)
Figure 2012246422
(E−4、Mw:5000、2重結合当量:3000)
Figure 2012246422

nは平均13
(E−5、Mw:1200、2重結合当量:180)
Figure 2012246422

nは平均5
(E−6、Mw:586、2重結合当量:195)
Figure 2012246422
(E−7、Mw:22000、2重結合当量:320)
グリシジルメタクリレートとシクロヘキシルメタクリレートの共重合体にD−3を触媒としメタクリル酸を当モル付加したポリマー(50wt%メチルイソブチルケトン溶液をヘキサンで再沈した白色固体)。
<その他の試薬>
(F−1(≒A成分))
Figure 2012246422
(F−2(≒C成分))
Figure 2012246422
表1・2に示す配合バランスで(A)〜(E)成分をそれぞれ混合し、スパチュラで均一になるまで撹拌した。撹拌後のサンプルに対して以下の評価を行い、その結果も表1・2に示す。
<密着性評価>
無アルカリガラス(OA−10、日本電気硝子社製、厚さ0.7mm)およびアルミ板(A5052P、日本テストパネル社製、厚さ2.0mm)上に各実施例及び比較例をバーコーターで厚みが100μmになるように塗工し、140℃×1時間加熱し各基材上に硬化膜を得た。硬化膜を得た基材を121℃×100RH%×90時間処理した後、JIS K5600−5−6に規定される塗膜の機械的性質−付着性(クロスカット法)試験法で評価を行った。全く剥離の無いものを◎、剥離が全面積の1割以下を○、それ以外を×とした。表中の密着性1は、無アルカリガラス基材での結果、密着性2はアルミ板基材での結果である。
<光硬化性の確認>
無アルカリガラス上に各実施例及び比較例をバーコーターで厚みが100μmになるように塗工し、高圧水銀灯で500mJ/cm2(i線換算)の光を照射した。照射した塗膜をスパチュラで抑えた際に、スパチュラに塗工液がつかない場合を○とした。
<保存安定性の確認(貯蔵安定性)>
各実施例及び比較例の混合直後の粘度を下記の粘度計で測定した。各実施例及び比較例を30℃×12時間加熱した後再度粘度を測定した。加熱後の粘度を混合後の粘度で除した増粘率が1.0〜1.8のものを◎、1.8〜10のものを○、それ以外を×とした。
機種:東機産業(株)製(R型粘度計)
温度:25℃
Figure 2012246422
Figure 2012246422
表1・2の結果から明らかなように、全ての実施例において高い密着性が確認された。また、実施例2−1〜2−8にて(E)成分を添加することで光硬化性が付与できることが確認された。また、実施例1−3〜1−7、2−3〜2−8にて、アミンをイミダゾール化合物にすることで、保存安定性(貯蔵安定性)が向上する事も判明した。一方、各比較例のように、本願発明における必須成分(A)〜(D)のうちいずれか1つでも含んでいないか異なる材料であれば、無機基材に対して優れた密着性は得られないことが確認された。

Claims (5)

  1. 下記の(A)、(B)、(C)、及び(D)成分を含有する硬化性樹脂組成物であって、
    前記(A)成分が、分子量が200〜2000である多官能チオール化合物であり、
    前記(B)成分が、分子量が200〜50000であり、且つ、エポキシ当量が80〜6000g/molである多官能エポキシ樹脂であり、
    前記(C)成分が、下記一般式(1)で表されるチオエーテル含有アルコキシシラン誘導体であり、
    前記(D)成分が、分子量が90〜700であるアミン化合物であり、
    前記(A)成分と前記(B)成分との重量比((A)/(B))が0.05〜30であり、
    前記(A)成分と前記(B)成分との合計重量100重量部に対し、前記(C)成分が0.5〜50重量部、前記(D)成分が0.01〜50重量部配合されていることを特徴とする、硬化性樹脂組成物。
    Figure 2012246422

    (式中のaおよびbは0〜2の整数であり、cは1〜3の整数であり、a+b+c=3である。Rは下記一般式(2)で表される3価の基であり、RおよびRはそれぞれ独立に−CH−CH(CH)−、−C(CH−、−CH−CH−、または−CH(CH)−のいずれかで表される2価の基であり、Rはメチル基またはエチル基である。)
    Figure 2012246422

    (式中のmは1または2である。)
  2. さらに、(E)成分として、分子量が200〜50000であり、且つ、(メタ)アクリレート当量が80〜6000g/molである多官能(メタ)アクリレート化合物を、前記(A)成分と前記(B)成分との合計重量100重量部に対し、2〜300重量部配合していることを特徴とする、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記アミン化合物(D)が、下記一般式(3)で表されるイミダゾール化合物である、請求項1または請求項2に記載の樹脂組成物。
    Figure 2012246422

    (Rはシアノ基、炭素数1〜10の炭化水素基、2,3−ジアミノトリアジンで置換された炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜4のアルコキシ基、又は水素原子であり、R、R、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜4のアルコキシ基、又は水素原子であり、R〜Rが結合して環を形成している場合には炭素数2〜8の炭化水素基である。)
  4. 前記多官能チオール化合物(A)が、下記一般式(3)で表される多官能チオール化合物である、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の樹脂組成物。
    Figure 2012246422

    (式中のnは2〜5の整数であり、pは2〜10の整数であり、Rは炭素数2〜30の炭化水素基(α1)、炭素数2〜40のエーテル酸素(−O−)と炭化水素基のみからなる基(α2)、イソシアヌレート環(α3)、又はイソシアヌレート環と炭化水素基のみからなる基(α4)のいずれかである。)
  5. 前記多官能エポキシ樹脂(B)が、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂又はグリシジルエステル型エポキシ樹脂である、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
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