JP2012244666A - ブラシレスモータの駆動制御装置 - Google Patents

ブラシレスモータの駆動制御装置 Download PDF

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    • H02P6/20Arrangements for starting

Abstract

【課題】相の切替時の振動および騒音を抑制でき、かつ相の切替時に電源電流が一時的に大きく落ち込まないようにする。
【解決手段】駆動制御装置1は、インバータ回路5と、モータ駆動回路6と、モータ制御部7と、回転位置検出部8とを備える。オーバーラップ期間の開始時に、通電側(例えば上アーム側)における第1のPWM信号SG1のパルス幅を広げて、それに合わせて第2のPWM信号SG3のパルス数を増加させ、同様に、定電圧制御される下アーム側に対応する通電側(上アーム側)の第1のPWM信号SG1のパルス幅を広げる。これにより、オーバーラップ期間の開始時に電源電流IPが流れやすくなり、オーバーラップ期間内の電源電流IPの落ち込みを抑制できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ブラシレスモータを制御する駆動制御装置に関する。
ブラシレスモータの振動騒音の原因の一つにトルク変動がある。特に、120度通電方式の駆動を行う場合は、転流時のトルクの落ち込みが原因となって振動や騒音が発生してしまう。
このような転流時のトルクの落ち込みを低減するために、転流前後での相の切替時に所定のオーバーラップ期間を設ける技術が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1では、インバータ装置のスイッチング素子をオン/オフするにあたり、オーバーラップ期間内には、上アーム信号と下アーム信号をともにPWM信号にすることで、相の切換時に発生する電流変化の傾きを緩やかにして、振動および騒音の抑制を図っている。
特開2008−118830号公報
しかしながら、特許文献1には以下の問題がある。
すなわち、オーバーラップ期間内のPWM信号は、キャリア周波数に基づいて生成されるため、PWM信号のパルス幅を任意に調整することは困難であり、電流変化の傾きを緩やかにできるとは言え、段階的な調整しかできず、振動や騒音の抑制効果も限られたものになる。
また、上アーム側と下アーム側の両方でPWM信号を生成しており、PWM信号を生成する駆動回路の動作が複雑になり、回路規模が増大するおそれがある。
さらに、オーバーラップ期間内に、一時的に電源電流が大きく落ち込むおそれがあり、トルク変動が生じる。
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、相の切替時の振動および騒音を抑制でき、かつ相の切替時に電源電流が一時的に大きく落ち込まないようにしたブラシレスモータの駆動制御装置を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様は、ステータに設けられた複数相の電機子コイルに対してオーバーラップ通電を行うことにより、複数の磁極を有するロータを回転させるブラシレスモータの駆動制御装置において、
前記複数相の電機子コイルに通電を行うインバータ回路と、
前記インバータ回路を駆動するための駆動信号を生成するモータ駆動回路と、
前記オーバーラップ通電を行うオーバーラップ期間を設定するとともに、前記オーバーラップ期間に基づいて前記モータ駆動回路を制御するモータ制御部と、を備え、
前記インバータ回路は、
前記複数相の電機子コイルの各相ごとに設けられる複数の上アーム側スイッチング素子と、
前記複数相の電機子コイルの各相ごとに設けられ、対応する上アーム側スイッチング素子に直列接続される、複数の下アーム側スイッチング素子と、を有し、
前記モータ駆動回路は、定常駆動時には、前記複数相の電機子コイルの各相ごとに、前記複数の上アーム側スイッチング素子と前記複数の下アーム側スイッチング素子とのいずれか一方をオン/オフ制御する第1のPWM信号と、他方をオン/オフ制御する定電圧信号とを含む前記駆動信号を生成し、
前記モータ制御部は、前記オーバーラップ期間内に、前記モータ駆動回路に対する第1および第2の駆動制御を行ない、
前記第1の駆動制御は、前記オーバーラップ期間の直前に前記第1のPWM信号を供給していた前記上アーム側または下アーム側スイッチング素子に対して、前記第1のPWM信号よりも周波数が高い第2のPWM信号を供給するとともに、前記オーバーラップ期間の開始時には次に切り替わる相のスイッチング素子に供給される前記第1のPWM信号のオンデューティを一時的に増加させ、それに合わせて前記第2のPWM信号のパルス数を増加させ、
前記第2の駆動制御は、前記オーバーラップ期間の直前に前記定電圧信号を供給していた前記下アーム側または上アーム側スイッチング素子に対して、前記第1のPWM信号よりも周波数が高い第3のPWM信号を供給するとともに、前記オーバーラップ期間中に前記第1のPWM信号を供給していた前記上アーム側または下アーム側スイッチング素子に対して、オンデューティを一時的に増加させた前記第1のPWM信号を供給することを特徴とする駆動制御装置を提供する。
相の切換時の振動および騒音を抑制でき、かつ相の切替時に電源電流が一時的に大きく落ち込むことがないブラシレスモータの駆動制御装置を提供できる。
本発明の第1の実施形態に係るブラシレスモータ2の駆動制御装置の概略構成を示すブロック図。 (a)はT1〜T10の期間における第1〜第3のPWM信号SG1,SG3,SG4と定電圧信号SG2の信号波形図、(b)は期間T3のオーバーラップ期間Aの拡大図、(c)は期間T2のオーバーラップ期間Bの拡大図。 (a)はオーバーラップ制御部は設けるものの、デューティ切替部13は設けない場合の波形図、(b)はオーバーラップ制御部とデューティ切替部13を設けた場合の波形図。 (a)と(b)は第1の実施形態における下アーム側の電源電流波形を示す図である。これらの図の左側半分は電気角360度程度の期間の波形図。 第2の実施形態の信号波形図。 (a)は上アーム側の第1のPWM信号SG1がロウの期間内に下アーム側のオーバーラップ期間を開始する場合の信号波形図、(b)は上アーム側の第1のPWM信号SG1がハイの期間内に下アーム側のオーバーラップ期間を開始する場合の信号波形図。 (a)は上アーム側の第1のPWM信号SG1がロウの期間内に下アーム側のオーバーラップ期間が終了する場合の信号波形図、(b)は上アーム側の第1のPWM信号SG1がハイの期間内に下アーム側のオーバーラップ期間が終了する場合の信号波形図。 本発明の第5の実施形態に係るブラシレスモータ2の駆動制御装置1aの概略構成を示すブロック図。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係るブラシレスモータ2の駆動制御装置の概略構成を示すブロック図である。図1の駆動制御装置1は、例えば3相のブラシレスモータ2(以下、単にモータ2と呼ぶ)の駆動制御に用いられるものであり、モータ2が有する複数相の電機子コイル3に対してオーバーラップ通電を行って、モータ2のロータ4を回転させる。駆動制御対象であるモータ2は、種々のタイプのものが適用可能であり、2相以上であれば相数も特に問わない。以下では、説明の簡略化のために、3相のモータ2を駆動する例を説明する。以下では、3相を、U相、V相、W相と呼ぶ。
ここで、オーバーラップ通電とは、電流を供給する電機子コイル3の種類を切替る際、すなわち相の切替時に、切替前後の2種類の電機子コイル3に同時に電流を供給するオーバーラップ期間を設ける通電方式を指す。オーバーラップ通電自体は、上述した特許文献1にも記載されているように公知であるが、本実施形態は、後述するように、オーバーラップ通電に関する独自の通電方式を採用した点に特徴がある。
オーバーラップ期間の長さは、回転数に応じて、任意に設定することができるが、本実施形態に係る駆動制御装置1では、ロータ4を一定の回転速度(回転数)で駆動することを想定しており、相の切替時のオーバーラップ期間の長さは予め所定の値に設定されている。
図1の駆動制御装置1は、インバータ回路5と、モータ駆動回路6と、モータ制御部7と、回転位置検出部8とを備えている。インバータ回路5は、各相ごとに設けられる3つの上アーム側スイッチング素子Q1,Q3,Q5と、3つの下アーム側スイッチング素子Q2,Q4,Q6とを有し、対応する上アーム側スイッチング素子と下アーム側スイッチング素子とは直列接続されている。
上アーム側スイッチング素子Q1,Q3,Q5は、電源電圧Vccからの電流を電機子コイル3に流すか否かを切り替えるものであり、以下では上アーム側を通電側と呼び、オン状態のスイッチング素子を通電相と呼ぶこともある。また、下アーム側スイッチング素子Q2,Q4,Q6は、電機子コイル3を通過した電流を接地端子に流すか否かを切り替えるものであり、以下では下アーム側を定電圧側と呼び、オン状態のスイッチング素子を定電圧相と呼ぶこともある。
モータ制御部7は、オーバーラップ制御部11と、通電切替タイミング制御部12と、デューティ切替部13とを有する。
オーバーラップ制御部11は、オーバーラップ期間の設定と、オーバーラップ期間内のスイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング周波数の制御とを行なう。通電切替タイミング制御部12は、スイッチング素子Q1〜Q6のオン/オフ切替制御を行う。デューティ切替部13は、オーバーラップ期間内における第1、第2および第3のPWM信号SG1,SG3,SG4のオンデューティを可変制御する。
ここで、第1のPWM信号SG1とは、上アーム側スイッチング素子Q1,Q3,Q5のゲートに印加される通電期間(オーバーラップ期間を除く定常駆動時)のPWM(パルス幅変調)信号UH,VH,WHである。第2のPWM信号SG3は、上アーム側スイッチング素子Q1,Q3,Q5のゲートに印加されるオーバーラップ期間のPWM信号UH,VH,WHである。第3のPWM信号SG4は、下アーム側スイッチング素子Q2,Q4,Q6のゲートに印加されるオーバーラップ期間のPWM信号UL,VL,WLである。第1〜第3のPWM信号SG1,SG3,SG4は、モータ制御部7の制御の下でモータ駆動回路6により生成される。また、オンデューティとは、PWM信号の1周期におけるスイッチング素子がオンする期間の割合を指す。
上アーム側スイッチング素子Q1と下アーム側スイッチング素子Q2との接続ノードにはU相の電機子コイル3の一端が接続され、上アーム側スイッチング素子Q3と下アーム側スイッチング素子Q4との接続ノードにはV相の電機子コイル3の一端が接続され、上アーム側スイッチング素子Q5と下アーム側スイッチング素子Q6との接続ノードにはW相の電機子コイル3の一端が接続されている。
モータ駆動回路6は、定常駆動時(オーバーラップ期間以外の通電期間を指す)に、上アーム側スイッチング素子Q1,Q3,Q5をオン/オフ制御するための第1のPWM信号SG1と、下アーム側スイッチング素子Q2,Q4,Q6をオン/オフ制御するための定電圧信号SG2とを出力する。定電圧信号SG2とは、モータ駆動回路6より出力される、特定の相(すなわち、通電相)のみハイレベルになり、それ以外の相ではローレベルを保持する信号UL,VL,WLである。
以下では、第1のPWM信号SG1と定電圧信号SG2を総称して、スイッチング信号と呼ぶ。尚、本実施形態では、第1のPWM信号SG1の周波数およびオンデューティ(スイッチング周期に対するオンの期間の割合)は、ロータ2の回転数によって予め決められる固定値である。
本実施形態では、ロータ2の回転数を一定とすることを想定しているため、第1のPWM信号SG1の周波数およびオンデューティは基本的には変化しないが、後述するように、オーバーラップ期間内においては、一時的に第1のPWM信号SG1のオンデューティを切り替える。
図2は第1の実施形態における上アーム側スイッチング素子Q1,Q3,Q5と下アーム側スイッチング素子Q2,Q4,Q6の各スイッチング信号の一例を示す信号波形図である。図2の波形図では、第1のPWM信号SG1または定電圧信号SG2がハイレベルのときに、対応するスイッチング素子がオンする。
図2(a)はT1〜T10の期間における第1〜第3のPWM信号SG1,SG3,SG4と定電圧信号SG2の信号波形図である。図2(a)では、オーバーラップ期間を破線(囲い部)で図示している。
図2(a)に示すように、本実施形態では、モータ制御部7内のオーバーラップ制御部11によって、第1のPWM信号SG1の相が切り替わるタイミングと、定電圧信号SG2の相が切り替わるタイミングとに、必ずオーバーラップ期間を設定している。例えば、期間T3では、上アーム側U相とV相にオーバーラップ期間Aが設定され、期間T2では、下アーム側V相とW相にオーバーラップ期間Bが設定されている。
図2(b)は期間T3のオーバーラップ期間Aの拡大図、図2(c)は期間T2のオーバーラップ期間Bの拡大図である。
図2(b)からわかるように、オーバーラップ制御部11により、期間T3のオーバーラップ期間内には、第1のPWM信号SG1よりも周波数の高い第2のPWM信号SG3が生成されて、第1のPWM信号SG1は第2のPWM信号SG3に置換される。より詳細には、上アーム側U相のスイッチング素子Q1には、期間T3内のオーバーラップ期間Aに、次に切り替わる相であるV相の第1のPWM信号SG1が立ち上がるタイミングに合わせて、第2のPWM信号SG3が供給される。
第2のPWM信号SG3は、オーバーラップ期間内の第1のPWM信号SG1の各ハイレベル期間ごとにオーバーラップ制御部11にて設定される。すなわち、第1のPWM信号SG1のハイレベル期間にハイとロウを繰り返すことで、第2のPWM信号SG3が生成される。したがって、第2のPWM信号SG3は、オーバーラップ期間内の第1のPWM信号SG1の各ハイレベル期間内のみにモータ駆動回路6から出力されるPWM信号である。
また、本実施形態では、オーバーラップ期間Aの開始時に、デューティ切替部13により、次に切り替わるV相の第1のPWM信号SG1のオンデューティを一時的に増加させて、パルス幅t1からt2に一時的に広げている。そして、それに合わせて、オーバーラップ駆動されるU相の第2のPWM信号SG3のパルス数を増やしている。例えば、図2(b)の例では、U相の第2のPWM信号SG3のパルス数を、3個から4個に増やしている。
このように、本実施形態では、オーバーラップ期間の開始時には、通電される上アーム側のU相とV相の双方とも、通電時間が一時的に長くなるように第1のPWM信号SG1のパルス幅が広げられて、それに合わせて第2のPWM信号SG3のパルス数が増やされる。これにより、オーバーラップ期間が始まった直後は、通電期間がより長くなり、相切替時の電源電流の落ち込みを抑制できる。
これに対して、期間T2におけるオーバーラップ期間Bでは、図2(c)に示すように、次に切り替わる下アーム側W相の定電圧信号SG2のハイレベル期間に合わせて、直前に定電圧が供給されていたV相には第3のPWM信号SG4が供給される。
図2(c)の例では、オーバーラップ期間Bにおける定電圧信号SG2のハイレベル期間に、オーバーラップ制御部11にて12個のパルスからなる第3のPWM信号SG4が設定され、モータ駆動回路6から下アーム側V相に出力される。第3のPWM信号SG4は、図2(b)の第2のPWM信号SG3とは異なり、同じ周期で連続的に出力される。
また、本実施形態では、オーバーラップ期間Bの開始時に、デューティ切替部13により、通電側のU相の第1のPWM信号SG1のオンデューティを一時的に増加させて、パルス幅をt1からt2aに一時的に広げている。
このように、本実施形態では、定電圧相のオーバーラップ期間の開始時には、通電側のU相の通電時間が長くなるように第1のPWM信号SG1のパルス幅が一時的に広げられる。これにより、定電圧相のオーバーラップ期間が始まった直後は、通電期間がより長くなり、相切替時の電源電流の落ち込みを抑制できる。
図3は第1の実施形態における上アーム側の電源電流波形を示す図である。図3の左側半分は電気角360度程度の期間の波形図を示し、右側半分は左側半分の一部であるオーバーラップ期間内の拡大波形図である。
図3(a)はオーバーラップ制御部11は設けるものの、デューティ切替部13は設けない場合の波形図、図3(b)はオーバーラップ制御部11とデューティ切替部13を設けた場合の波形図である。図3(b)は、デューティ切替部13により、オンデューティを32.5%から40.9%に増大した例を示している。
図3(a)の期間d1〜j1と図3(b)の期間d2〜j2はそれぞれ対応するタイミングであり、オーバーラップ期間とその直後の期間である。図3では、電源電流IPの大きさを比較しやすくするために、図3(a),(b)それぞれの電源電流IPのピーク値を破線TLで、図3(a)における電源電流IPのボトム値を破線BLで表している。
図3(a)と図3(b)からわかるように、上アーム側の期間d2〜j2の電源電流IPの落ち込みは、期間d1〜j1の電源電流IPの落ち込みよりも小さい。このように、デューティ切替部13を設け、上アーム側のオーバーラップ期間の開始時に、次に切り替わるV相の第1のPWM信号SG1のオンデューティを一時的に増加させてV相電流の立上りを早くするとともに、オーバーラップ駆動されるU相の第2のPWM信号SG3のパルス数を増やしてU相電流の落ち込みを意図的に抑制することで、相切替時の電源電流IPの落ち込みを抑制できることがわかる。
図4(a)と図4(b)は第1の実施形態における下アーム側の電源電流波形を示す図である。これらの図の左側半分は電気角360度程度の期間の波形図を示し、右側半分は左側半分の一部であるオーバーラップ期間内の拡大波形図である。図4(b)は、デューティ切替部13により、オンデューティを34.3%から42.5%に増大した例を示している。
図4(a)の期間k1〜s1と図4(b)の期間k2〜s2はそれぞれ対応するタイミングであり、オーバーラップ期間とその直後の期間である。図4では、電源電流IPの大きさを比較しやすくするために、図4(a),(b)それぞれの電源電流IPのピーク値を破線TLで、図4(a)における電源電流IPのボトム値を破線BLで表している。
図4(a)と図4(b)からわかるように、下アーム側の期間k2〜s2の電源電流IPの落ち込みは、期間k1〜s1の電源電流IPの落ち込みよりも小さい。このように、デューティ切替部13を設け、下アーム側のオーバーラップ期間の開始時に、上アーム側の通電相であるU相の第1のPWM信号SG1のオンデューティを一時的に増加させることで、相切替時の電源電流IPの落ち込みを抑制できることがわかる。
なお、オーバーラップ期間の開始時にオンデューティを増加させる度合いは、個々のモータごとに、駆動設計時に例えばシミュレーションあるいはパラメータ実験などにて最適値を設定するのが望ましい。
また、図2〜図4では、オーバーラップ期間の開始時の第1のPWM信号SG1の最初の1パルスのみについてオンデューティを増大させているが、開始時の複数パルスについてオンデューティを増大させてもよいし、その際に、オンデューティの増加率をパルスごとに変化させてもよい。例えば、最初のパルスのオンデューティの増加率を最大とし、以降の1または複数パルスについては、オンデューティの増加率を徐々に小さくしてもよい。
第2および第3のPWM信号SG3,SG4の周波数およびオンデューティは、モータ制御部7により制御され、必ずしも固定値でなくてもよいが、本実施形態では、それぞれ固定値としており、一例として、第1のPWM信号SG1は16kHzで、第2および第3のPWM信号SG3,SG4は270kHzに設定される。なお、第2のPWM信号SG3と第3のPWM信号SG4は必ずしも同じ周波数である必要はないが、同じ周波数にした方が、これらの信号を制御するモータ制御部7と、モータ制御部7の制御の下でこれらの信号を出力するモータ駆動回路6の内部構成を簡略化できる。
このように、第2および第3のPWM信号SG3,SG4の周波数とオンデューティは任意に設定してもよいが、一般には、第2および第3のPWM信号SG3,SG4の周波数をできるだけ高くした方が、相の切替時に電機子コイル3に流れる相電流の傾斜がより緩やかになり、モータ2の振動および騒音をより効率よく抑制できる。その一方で、周波数を高く設定すると、スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング損失が増大するため、両者のトレードオフで最適な周波数を設定するのが望ましい。第2および第3のPWM信号SG3,SG4の周波数を設定する条件としては、スイッチング素子Q1〜Q6およびその周辺回路に用いる各回路素子の種類や電気特性(例えば、立ち上がり/立ち下がり応答など)、オーバーラップ期間の長さ等が考えられる。これらを総合的に勘案して周波数を決定するのが望ましい。
図2(a)の例では、オーバーラップ期間を、電気角30度として定義している。これはあくまで一例であり、オーバーラップ期間は電気角の替わりに時間で定義してもよく、また、具体的なオーバーラップ期間は、駆動対象であるモータ2の設計仕様等を考慮に入れて予め決められた値に設定してもよいし、後述するように、モータ2の回転数により調整してもよい。
図2(a)では、上アーム側スイッチング素子Q1,Q3,Q5に第1のPWM信号SG1を供給して、下アーム側スイッチング素子Q2,Q4,Q6に定電圧信号SG2を供給する例を示しているが、逆に、上アーム側スイッチング素子Q1,Q3,Q5に定電圧信号SG2を供給して、下アーム側スイッチング素子Q2,Q4,Q6に第1のPWM信号SG1を供給してもよい。
図2(a)からわかるように、本実施形態では、上アーム側スイッチング素子Q1,Q3,Q5はPWM制御するのに対し、下アーム側スイッチング素子Q2,Q4,Q6は相ごとに定電圧を供給することを前提としている。下アーム側スイッチング素子Q2,Q4,Q6には、定常駆動時は、相ごとに二種類の定電圧(ハイレベルとローレベル)のいずれかが供給されるため、以下では、下アーム側スイッチング素子Q2,Q4,Q6の制御を定電圧制御と呼ぶ。
下アーム側スイッチング素子Q2,Q4,Q6を定電圧制御することで、上下アームともPWM制御する場合よりも、モータ制御部7の内部構成を簡略化できる。
図2で説明した第1〜第3のPWM信号SG1,SG3,SG4と定電圧信号SG2は、モータ制御部7の制御の下でモータ駆動回路6にて出力される。
オーバーラップ制御部11は、上述したように、予め決められた値にオーバーラップ期間を設定してもよいし、モータ2の回転数によりオーバーラップ期間を調整してもよい。通電切替タイミング制御部12は、回転位置検出部8により検出されたモータ2の回転位置により、相の切替タイミングに達したか否かを判断し、第1〜第3のPWM信号SG1,SG3,SG4と定電圧信号SG2の切替タイミングをモータ駆動回路6に通知する。回転位置検出部8は、モータ2の各電機子コイル3の一端Pに誘起する誘起電圧により、センサレス(センサなし)で回転位置を検出する。
このように、本実施形態では、オーバーラップ期間の直前の定常駆動時に第1のPWM信号SG1を供給していていた上アーム側スイッチング素子に対して、オーバーラップ期間内に、第1のPWM信号SG1よりも周波数が高い第2のPWM信号SG3を供給して、2相分の上アーム側スイッチング素子を同時にオンする。あるいは、オーバーラップ期間の直前の定常駆動時に定電圧信号SG2を供給していた下アーム側スイッチング素子に対して、オーバーラップ期間内に、第1のPWM信号SG1よりも周波数が高い第3のPWM信号SG4を供給して、2相分の下アーム側スイッチング素子を同時にオンする。これにより、オーバーラップ期間内に流れる相電流の傾斜が緩やかになり、トルク変動を低減でき、ひいてはブラシレスモータ2の振動および騒音を大幅に抑制できる。
さらに、本実施形態では、オーバーラップ期間の開始時に、通電側(例えば上アーム側)における第1のPWM信号SG1のパルス幅を広げて(オンデューティを増加させて)、それに合わせて第2のPWM信号SG3のパルス数を増加させ、同様に、定電圧制御される下アーム側に対応する通電側(上アーム側)の第1のPWM信号SG1のパルス幅を広げる(オンデューティを増加させる)。これにより、オーバーラップ期間の開始時に電源電流IPを流れやすくなり、オーバーラップ期間内の電源電流IPの落ち込みを抑制できる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、オーバーラップ期間内の下アーム側の第3のPWM信号SG4の波形が第1の実施形態と異なるものである。
図5は第2の実施形態の信号波形図である。すなわち、図5(a)は上アーム側スイッチング素子Q1,Q3,Q5と下アーム側スイッチング素子Q2,Q4,Q6に供給される第1〜第3のPWM信号SG1,SG3,SG4と定電圧信号SG2の信号波形図である。図5(b)は図5(a)の期間T2内のオーバーラップ期間Cの拡大図である。
図5(b)に示すように、第2の実施形態では、上アーム側スイッチング素子に供給される第1のPWM信号SG1のロウ期間(x2〜x3;スイッチング素子のオフ期間を意味する)内に、下アーム側スイッチング素子に供給される第3のPWM信号SG4をハイ固定にする(スイッチング素子のオンを意味する)。
図5(b)では、第3のPWM信号SG4がハイ固定になった後のパルス波形を破線で図示しているが、これは、ハイ固定になった後(x3以降)は、ハイ固定前と同様のパルス信号が継続されてもよいし、ロウ固定にしてもよいことを示している。
第1のPWM信号SG1のロウ期間内に第3のPWM信号SG4をハイ固定にすることで、オーバーラップ期間内は、下アーム側スイッチング素子がオンの期間が長くなり、電源電流IPがより流れやすくなることから、オーバーラップ期間内の電源電流IPの落ち込みを抑制できる。
図4(c)は第2の実施形態における下アーム側の電源電流波形を示す図である。図4(c)は図4(a)および図4(b)と同じ縮尺および表記で信号波形を記述している。図4(a)の期間k1〜s1と図4(b)の期間k2〜s2は、図4(c)の期間k3〜s3に対応している。
上述した図4(b)は、オーバーラップ期間の開始時に第1のPWM信号SG1のオンデューティを増加させたものであるが、これに加えて、図4(c)のように第1のPWM信号SG1のロウ期間内に、下アーム側スイッチング素子に供給される第3のPWM信号SG4をハイ固定にすることにより、より電源電流IPの落ち込みを抑制できる。
なお、図5では、オーバーラップ期間内の開始直後の2つのパルスの間のロウ期間(x2〜x3)に対応づけて、下アーム側の第3のPWM信号SG4をハイ固定にしているが、オーバーラップ期間内の第1のPWM信号SG1が複数のパルスを有する場合は、各パルスの間のすべてのロウ期間に合わせて、下アーム側の第3のPWM信号SG4をハイ固定にしてもよいし、一部のロウ期間に合わせて、下アーム側の第3のPWM信号SG4をハイ固定にしてもよい。
このように、第2の実施形態では、オーバーラップ期間内の第1のPWM信号SG1のロウ期間に下アーム側の第3のPWM信号SG4をハイ固定にするため、通電が切られる相(図4(c)ではV相)の相電流の落ち込みが抑制され、オーバーラップ期間内の電源電流IPの落ち込みをさらに抑制できる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、上アーム側の第1のPWM信号SG1のパルス出力期間(=スイッチング素子のオン期間)内に、下アーム側のオーバーラップ期間を開始するものである。
図6は第3の実施形態における上アーム側スイッチング素子Q1と下アーム側スイッチング素子Q4,Q6の各スイッチング信号と電源電流IPの信号波形図である。
図6(a)は上アーム側の第1のPWM信号SG1がロウの期間内に下アーム側のオーバーラップ期間を開始する場合の信号波形図、図6(b)は上アーム側の第1のPWM信号SG1がハイの期間(パルス出力期間)内に下アーム側のオーバーラップ期間を開始する場合の信号波形図である。
図6(a)の期間k4〜s4はオーバーラップ期間とその直後の期間であり、この期間k4〜s4は図6(b)の期間k5〜s5に対応している。
図6(a)と図6(b)でオーバーラップ期間内の電源電流IPを比較するとわかるように、上アーム側の第1のPWM信号SG1のパルス出力期間内に下アーム側のオーバーラップ期間を開始すると、オーバーラップ期間中の電源電流IPの落ち込みが小さくなる。これは、上アーム側のスイッチング素子がオンのときに、下アーム側のスイッチング素子もオンであれば、両スイッチング素子を通って電源電流IPが流れるためである。
より厳密には、上アーム側の第1のPWM信号SG1のパルス出力期間が始まるのとほぼ同時に、下アーム側のオーバーラップ期間を開始させるのが望ましいが、上アーム側の第1のPWM信号SG1のパルス出力期間が開始してから所定時間が経過した後でも、パルス出力期間内であれば、下アーム側のオーバーラップ期間を開始することで、オーバーラップ期間内の電源電流IPの落ち込みをある程度は抑制できる。
ところで、第3の実施形態は、上述した第1または第2の実施形態と組み合わせることが可能である。すなわち、第3の実施形態においても、図2(b)および図2(c)のように、オーバーラップ期間内の開始直後に第1のPWM信号SG1のパルス幅を広げるとともに、第2のPWM信号SG3のパルス数を増やす。また、それに加えて、図5(b)のように、オーバーラップ期間内の第1のPWM信号SG1のロウ期間に下アーム側の第3のPWM信号SG4をハイ固定にしてもよい。
このように、第3の実施形態では、上アーム側の第1のPWM信号SG1のパルス出力期間内に、下アーム側のオーバーラップ期間を開始するため、通電が切られる相(図6(b)ではV相)の相電流の落ち込みが抑制されかつ通電が開始される相(図6(b)ではW相)の相電流の立ち上りが早くなり、オーバーラップ期間内の電源電流IPの落ち込みを抑制できる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、上アーム側の第1のPWM信号SG1のパルス出力期間(=スイッチング素子のオン期間)内に、下アーム側のオーバーラップ期間を終了するものである。
図7は第4の実施形態における上アーム側スイッチング素子Q1と下アーム側スイッチング素子Q4,Q6の各スイッチング信号と電源電流IPの信号波形図である。
図7(a)は上アーム側の第1のPWM信号SG1がロウの期間内に下アーム側のオーバーラップ期間が終了する場合の信号波形図、図7(b)は上アーム側の第1のPWM信号SG1がハイの期間(パルス出力期間)内に下アーム側のオーバーラップ期間が終了する場合の信号波形図である。
図7(a)の期間k6〜s6はオーバーラップ期間とその直後の期間であり、この期間k6〜s6は図7(b)の期間k7〜s7に対応している。
図7(a)と図7(b)でオーバーラップ期間内の電源電流IPを比較するとわかるように、上アーム側の第1のPWM信号SG1のパルス出力期間内に下アーム側のオーバーラップ期間が終了すると、オーバーラップ期間中の電源電流IPの落ち込みが小さくなる。これは、上アーム側のスイッチング素子がオンのときに、下アーム側のスイッチング素子もオンであれば、両スイッチング素子を通って電源電流IPが流れるためである。
この第4の実施形態は、上述した第1〜第3の実施形態と任意に組み合わせることが可能である。すなわち、第3の実施形態においても、図2(b)および図2(c)のように、オーバーラップ期間内の開始直後に第1のPWM信号SG1のパルス幅を広げるとともに、第2のPWM信号SG3のパルス数を増やす。また、それに加えて、図5(b)のように、オーバーラップ期間内の第1のPWM信号SG1のロウ期間に下アーム側の第3のPWM信号SG4をハイ固定にしてもよい。さらに、第3の実施形態と同様に、上アーム側の第1のPWM信号SG1のパルス出力期間内に、下アーム側のオーバーラップ期間を開始してもよい。
このように、第4の実施形態では、上アーム側の第1のPWM信号SG1のパルス出力期間内に、下アーム側のオーバーラップ期間が終了するため、電源電流IPがより流れやすくなって、オーバーラップ期間内の電源電流IPの落ち込みを抑制できる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態は、回転数に応じて、オーバーラップ期間と第2および第3のPWM信号SG3,SG4のオンデューティを調整できるようにしたものである。
図8は本発明の第5の実施形態に係るブラシレスモータ2の駆動制御装置1aの概略構成を示すブロック図である。図8では、図1と共通する構成部分には同一の符号を付しており、以下では相違点を中心に説明する。
図8の駆動制御装置1aは、図1の構成に加えて、基準回転数算出部21と、目標回転数算出部22と、速度制御部14とを備えている。基準回転数算出部21は、回転位置検出部8により検出されたロータ4の回転位置に基づいて、所定の基準時刻でのロータ4の回転数(以下、基準回転数と呼ぶ)を算出する。目標回転数算出部22は、駆動制御装置1aの外部から供給される回転数指令に基づいて、ロータ4の回転数の目標値(以下、目標回転数と呼ぶ)を算出する。
モータ制御部7a内に設けられる速度制御部14は、基準回転数算出部21で算出された基準回転数と、目標回転数算出部22で算出された目標回転数とに基づいて、ロータ4の回転速度を制御するための速度制御信号を生成し、生成した速度制御信号をモータ駆動回路6に供給する。同じくモータ制御部7a内のオーバーラップ制御部11は、基準回転数算出部21で算出された基準回転数と、目標回転数算出部22で算出された目標回転数とに基づいて、オーバーラップ期間と、オーバーラップ期間内にモータ駆動回路6より各相のスイッチング素子に出力するスイッチング信号と、オーバーラップするべき2つの相とを決定して、その決定情報を通電切替タイミング制御部12に通知する。
モータ制御部7a内の速度制御部14は、目標回転数算出部22で算出された目標回転数に基づいて、モータ駆動回路6が出力する第2のPWM信号SG3のオンデューティを調整する。ここで、オンデューティとは、スイッチング素子がオンの期間の割合を指す。
このように、第5の実施形態では、目標回転数に応じて、第2のPWM信号SG3のオンディーティを調整することで、相電流の傾斜をモータ2の目標回転数に応じて最適化することができ、より効率よくモータ2の振動および騒音を抑制できる。尚、目標回転数ではなく、基準回転数に応じて第2のPWM信号SG3のオンディーティを調整するようにしても、同様な効果が得られる。
また、第5の実施形態では、目標回転数と基準回転数に基づいてオーバーラップ期間を設定するため、モータ2の実際の回転状況を考慮してオーバーラップ通電を行うことができ、より安定にモータ2を駆動しつつ、振動および騒音の抑制効果を高めることができる。
(その他の変形例)
上述した実施形態では、上アーム側のスイッチング素子Q1,Q3,Q5と下アーム側のスイッチング素子Q2,Q4,Q6のスイッチング速度が略同一であることを念頭に置いて、上アーム側と下アーム側を区別せずに、第2のPWM信号SG3のオンデューティを設定した。ところが、上アーム側と下アーム側とでスイッチング速度が異なる場合も考えられる。この場合、上アーム側と下アーム側で、第2のPWM信号SG3のオンデューティを変えるのが望ましい。より具体的には、上アーム側と下アーム側で、スイッチング速度が遅い方のスイッチング素子の第2のPWM信号SG3のオンデューティをより大きくするのが望ましい。
上述した回転位置検出部8は、センサレスで各電機子コイル3に誘起される誘起電圧を検出する例を示したが、ロータ4の回転位置を検出する位置センサを設けて、この位置センサからの信号により回転位置を検出してもよい。
また、第2のPWM信号SG3は、図2(b)に示したオーバーラップ期間内の第1のPWM信号SG1の各ハイレベル期間内のみに出力されるPWM信号に限定されるものではなく、モータの動作条件によっては、第2のPWM信号SG3は、オーバーラップ期間内の第1のPWM信号SG1の各ローレベル期間のすべての期間あるいは一部期間にも出力されるPWM信号として、相電流の傾斜を微調整するようにしてもよい。
また、第3のPWM信号SG4は、図2(c)に示したオーバーラップ期間内に連続的に出力されるPWM信号に限定されるものではなく、モータの動作条件によっては、第3のPWM信号SG4は、オーバーラップ期間内の一部期間は出力されない、断続的に出力されるPWM信号として、相電流の傾斜を微調整するようにしてもよい。
本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
1,1a 駆動制御装置
2 ブラシレスモータ
3 電機子コイル
4 ロータ
5 インバータ回路
6 モータ駆動回路
7,7a モータ制御部
8 回転位置検出部
11 オーバーラップ制御部
12 通電切替タイミング制御部
13 デューティ切替部
14 速度制御部
21 基準回転数算出部
22 目標回転数算出部
IP 電源電流
SG1 第1のPWM信号
SG2 定電圧信号
SG3 第2のPWM信号
SG4 第3のPWM信号

Claims (5)

  1. ステータに設けられた複数相の電機子コイルに対してオーバーラップ通電を行うことにより、複数の磁極を有するロータを回転させるブラシレスモータの駆動制御装置において、
    前記複数相の電機子コイルに通電を行うインバータ回路と、
    前記インバータ回路を駆動するための駆動信号を生成するモータ駆動回路と、
    前記オーバーラップ通電を行うオーバーラップ期間を設定するとともに、前記オーバーラップ期間に基づいて前記モータ駆動回路を制御するモータ制御部と、を備え、
    前記インバータ回路は、
    前記複数相の電機子コイルの各相ごとに設けられる複数の上アーム側スイッチング素子と、
    前記複数相の電機子コイルの各相ごとに設けられ、対応する上アーム側スイッチング素子に直列接続される、複数の下アーム側スイッチング素子と、を有し、
    前記モータ駆動回路は、定常駆動時には、前記複数相の電機子コイルの各相ごとに、前記複数の上アーム側スイッチング素子と前記複数の下アーム側スイッチング素子とのいずれか一方をオン/オフ制御する第1のPWM信号と、他方をオン/オフ制御する定電圧信号とを含む前記駆動信号を生成し、
    前記モータ制御部は、前記オーバーラップ期間内に、前記モータ駆動回路に対する第1および第2の駆動制御を行ない、
    前記第1の駆動制御は、前記オーバーラップ期間の直前に前記第1のPWM信号を供給していた前記上アーム側または下アーム側スイッチング素子に対して、前記第1のPWM信号よりも周波数が高い第2のPWM信号を供給するとともに、前記オーバーラップ期間の開始時には次に切り替わる相のスイッチング素子に供給される前記第1のPWM信号のオンデューティを一時的に増加させ、それに合わせて前記第2のPWM信号のパルス数を増加させ、
    前記第2の駆動制御は、前記オーバーラップ期間の直前に前記定電圧信号を供給していた前記下アーム側または上アーム側スイッチング素子に対して、前記第1のPWM信号よりも周波数が高い第3のPWM信号を供給するとともに、前記オーバーラップ期間中に前記第1のPWM信号を供給していた前記上アーム側または下アーム側スイッチング素子に対して、オンデューティを一時的に増加させた前記第1のPWM信号を供給することを特徴とする駆動制御装置。
  2. 前記モータ制御部は、前記第2の駆動制御を行なう際、前記オーバーラップ期間中に前記第1のPWM信号を供給する前記上アーム側または下アーム側スイッチング素子がオフの間は、前記第3のPWM信号を供給する前記下アーム側または上アーム側スイッチング素子をオンさせることを特徴とする請求項1に記載の駆動制御装置。
  3. 前記モータ制御部は、前記第2の駆動制御を行なう際、前記第1のPWM信号を供給する前記上アーム側または下アーム側スイッチング素子のオン期間内に、前記下アーム側または前記上アーム側スイッチング素子に前記定電圧信号を供給するための前記オーバーラップ期間を開始させることを特徴とする請求項1または2に記載の駆動制御装置。
  4. 前記モータ制御部は、前記第2の駆動制御を行なう際、前記第1のPWM信号を供給する前記上アーム側または下アーム側スイッチング素子のオン期間内に、前記下アーム側または前記上アーム側スイッチング素子に前記定電圧信号を供給するための前記オーバーラップ期間を終了させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の駆動制御装置。
  5. 前記ロータの回転位置を検出する回転位置検出部を備え、
    前記モータ制御部は、
    前記回転位置検出部で検出された回転位置に基づいて、前記オーバーラップ期間のタイミング制御と、前記オーバーラップ期間内における前記第1、第2および第3のPWM信号のタイミング制御とを行なう通電切替タイミング制御部と、
    前記オーバーラップ期間内における前記第1、第2および第3のPWM信号のオンデューティ制御を行なうデューティ切替部と、を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の駆動制御装置。
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