JP2011211799A - モータ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】専用のスタート/ストップ指令端子を持たない仕様であってもフリーラン制御可能にし、また、設定回転速度にモータを引き込む際に安定であって、引き込みまでの時間を短縮可能にする。
【解決手段】モータ駆動装置は、通電相切換部(30)と、パワ段(10)と、PWM制御部(40)と、トルク指令信号と比較基準信号との電圧レベルを比較するトルク比較部(60)と、比較基準信号を生成する比較基準信号生成部(50)と、トルク指令信号の電圧レベルが比較基準信号の電圧レベルよりも高い場合にはパワ段(10)を同期整流PWM駆動し、トルク指令信号の電圧レベルが比較基準信号の電圧レベルよりも低い場合には同期整流PWM駆動以外でパワ段(10)を駆動する通電制御部(20)とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータ駆動装置に関し、特に、ブラシレスモータの同期整流PWM駆動に関する。
ブラシレスモータの駆動方法の一つとして、駆動コイルに接続される所定のトランジスタをオン/オフ制御することにより、駆動コイルへの通電制御を行うPWM駆動方式がある。さらに近年では、PWM駆動方式において低損失及び高効率化を実現する為の一手段として、同期整流PWM駆動方式が広く知られるようになっており、例えば特許文献1に開示されている。
同期整流PWM駆動とは、駆動コイルに対となって接続される二つのトランジスタの中、第1のトランジスタのPWMスイッチングオフ時に、第2のトランジスタをオンさせる制御である。駆動コイルに流れる回生電流を、第2のトランジスタに並列に接続されたダイオードを介して流すのでは無く、第2のトランジスタをオンさせて流すことにより、この電流経路で発生する電圧降下を低減することができる。これにより、低損失及び高効率化を達成することが可能となる。
特開2002−272162号公報
しかしながら、従来の同期整流PWM駆動の場合、以下の二つの問題があった。
一つ目は、専用のスタート/ストップ指令端子を持たないモータ駆動装置の場合、フリーラン制御できないという問題である。
フリーラン制御とは、駆動コイルに与える電力供給を遮断し、モータの惰性回転速度を緩やかに低下させて、モータを停止させる制御である。モータが搭載される機器によっては、惰性回転速度の急峻な低下が許されず、緩やかに低下させるフリーラン制御が必要な場合がある。
また、モータ駆動装置の仕様によっては、モータの回転トルクを指定するトルク指令信号を直接的又は間接的に制御し、モータのスタート/ストップ指令として共用する場合がある。トルク指令信号のみ制御すれば、モータのスタート/ストップ制御も可能である為、専用のスタート/ストップ指令端子を省略することができる利点がある。具体的手段としては、トルク指令信号のレベルを、モータに回転トルクが発生するレベルまで増加させればスタート指令、モータに回転トルクが発生しないレベルまで低下させればストップ指令と設定される。
図13を用いて、同期整流PWM駆動、且つ専用のスタート/ストップ指令端子を持たないモータ駆動装置の場合における、フリーラン制御できない問題について説明する。
図13は、同期整流PWM駆動の動作例を示した図である。ここでは、三角波を用いてトルク指令信号をスライスすることにより、PWM駆動信号が生成されるものとする。駆動コイルに対となって接続される二つのトランジスタの中、一方のトランジスタのPWM駆動信号、及び他方のトランジスタのPWM駆動信号は、ハイレベルでオン、ローレベルでオフであるものとする。また、第1のトランジスタのPWM駆動信号において、オンデューティが長い程、モータ回転トルクが大きくなるものとする。
トルク指令信号のレベルが三角波の下限レベルよりも高い場合、スライサーによりPWM駆動信号が生成され、第1のトランジスタにハイレベルが与えられる。よって、モータ回転トルクが発生し、モータは回転する。逆に、トルク指令信号のレベルが三角波の下限レベルよりも低い場合、スライスすることができず、第1のトランジスタにハイレベルが与えられない。よって、モータ回転トルクが発生しないゼロトルク状態となり、モータは停止する。すなわち、トルク指令信号のレベルと三角波の下限レベルが等しくなる点が、ゼロトルク限界レベルとなる。
同期整流PWM駆動におけるゼロトルク状態は、第1のトランジスタがオフ、第2のトランジスタがオン状態となる。駆動コイル、及び対のトランジスタが複数相ある場合も同様に、第1のトランジスタがオフ、第2のトランジスタがオン状態となる。
回転しているモータを停止させる為、トルク指令信号のレベルをゼロトルク限界レベルよりも低くした場合、同期整流PWM駆動におけるゼロトルク状態となる。複数相ある場合、全ての第1のトランジスタがオフ、全ての第2のトランジスタがオン状態となる為、モータの逆起電圧の影響により、駆動コイルにブレーキ電流を発生させる。すると、モータの惰性回転速度を急峻に低下させてしまうブレーキ制御となってしまう。すなわち、フリーラン制御できないという問題があった。
二つ目は、あらかじめ設定された回転速度にモータを引き込む際、不安定動作になり、引き込みまでの時間が長くなってしまうという問題である。特に、設定回転速度が低速である場合、この問題は顕著になる。
モータ起動制御の一例として、モータが設定回転速度に到達するまでは、トルク指令信号のレベルを高トルクレベルに設定し素早くモータ回転速度を上昇させ、設定回転速度に到達した後は、トルク指令信号のレベルを低下させ設定回転速度に引き込む方式がある。
図14を用いて、同期整流PWM駆動における、設定回転速度にモータを引き込む際、不安定動作になり、引き込みまでの時間が長くなってしまうという問題について説明する。
図14は、モータの設定回転速度引き込み動作例を示した図である。図13にて説明した内容と同様に、三角波を用いてトルク指令信号をスライスすることにより、PWM駆動信号が生成されるものとする。また、トルク指令信号のレベルが高い程、モータ回転トルクが大きくなるものとする。
初期状態で、トルク指令信号のレベルは三角波の下限レベルよりも低く設定され、モータ回転トルクは発生せず、モータは停止しているものとする。
まず、モータを起動させる為、トルク指令信号のレベルを増加させることにより、起動指令が与えられる。トルク指令信号は、三角波上限レベル以上の最大トルクレベルに設定され、モータ回転トルクが最大トルクレベルまで上昇する。次第にモータ回転速度が上昇し、設定回転速度に到達する。設定回転速度に到達したことを検知し、トルク指令信号のレベルを低下させるまで、若干の応答遅延が発生する。この応答遅延中にもモータ回転速度は上昇し続け、一時的に設定回転速度を上回る。そして、上回ったモータ回転速度を低下させる為、減速指令が与えられ、トルク指令信号のレベルは低下する。特に設定回転速度が低速である場合、トルク指令信号のレベルは、一時的に三角波下限レベル以下のゼロトルクレベルまで低下する。
図13にて説明した一点目の問題と同様に、同期整流PWM駆動におけるゼロトルク状態が継続すると、モータの逆起電圧の影響により、駆動コイルにブレーキ電流を発生させる。このタイミングで、モータの回転速度は急峻に低下する。そして、モータ回転速度が設定回転速度まで低下したことを検知し、若干の応答遅延後に、下回ったモータ回転速度を増加させる為、再度加速指令が与えられ、トルク指令信号のレベルは増加する。これら一連の動作を繰り返した後、最終的にモータは設定回転速度への引き込みを完了する。
これら一連の動作中、駆動コイルにブレーキ電流が発生し、モータ回転速度を急峻に低下させてしまうタイミングがある。このタイミングにおいて、設定回転速度まで上昇させたモータ回転速度を著しく低下させてしまう。その結果、再度高トルクを与えて、急峻にモータ回転速度を増加させる制御が働く。言い換えれば、モータ回転速度及びトルク指令信号の、急激な低下及び増加を繰り返す為、不安定動作になり、引き込みまでの時間が長くなってしまうという問題がある。
上記問題に鑑み、本発明は、同期整流PWM駆動方式のモータ駆動装置について、専用のスタート/ストップ指令端子を持たない仕様であってもフリーラン制御可能にし、また、設定回転速度にモータを引き込む際に安定であって、引き込みまでの時間を短縮可能にすることを課題とする。
上記課題を解決するために本発明によって次のような手段を講じた。すなわち、モータ駆動装置であって、モータのロータ位置に基づいて通電相を切り替える通電相切換部と、電源電圧とグランドとの間に直列接続されたハイサイドトランジスタ及びローサイドトランジスタならびにこれらトランジスタにそれぞれ並列接続されたフライホイールダイオードからなるハーフブリッジが複数個並列接続されてなるパワ段と、トルク指令信号に応じたデューティ比のデューティパルス信号を生成するPWM制御部と、前記トルク指令信号と比較基準信号との電圧レベルを比較するトルク比較部と、前記比較基準信号を生成する比較基準信号生成部と、前記通電相切換部及びPWM制御部の各出力に従って前記パワ段における前記各トランジスタをPWM駆動する通電制御部であって、前記トルク比較部の出力を受け、前記トルク指令信号の電圧レベルが前記比較基準信号の電圧レベルよりも高い第1の場合には前記パワ段を同期整流PWM駆動し、前記トルク指令信号の電圧レベルが前記比較基準信号の電圧レベルよりも低い第2の場合には同期整流PWM駆動以外で前記パワ段を駆動する通電制御部とを備えているものとする。
あるいは、モータ駆動装置であって、モータのロータ位置に基づいて通電相を切り替える通電相切換部と、電源電圧とグランドとの間に直列接続されたハイサイドトランジスタ及びローサイドトランジスタならびにこれらトランジスタにそれぞれ並列接続されたフライホイールダイオードからなるハーフブリッジが複数個並列接続されてなるパワ段と、トルク指令信号に応じたデューティ比のデューティパルス信号を生成するPWM制御部と、前記デューティパルス信号のデューティ比が所定値よりも大きいか否かを検知するデューティ検知部と、前記通電相切換部及びPWM制御部の各出力に従って前記パワ段における前記各トランジスタをPWM駆動する通電制御部であって、前記デューティ検知部の出力を受け、前記デューティパルス信号のデューティ比が前記所定値よりも大きい第1の場合には前記パワ段を同期整流PWM駆動し、前記デューティパルス信号のデューティ比が前記所定値よりも小さい第2の場合には同期整流PWM駆動以外で前記パワ段を駆動する通電制御部とを備えているものとする。
これらによると、トルク指令信号の電圧レベルあるいはデューティパルス信号のデューティ比に応じて、同期整流PWM駆動の動作/停止を切り換えることができるため、専用のスタート/ストップ指令端子を持たない仕様であってもフリーラン制御することが可能であり、且つ設定回転速度にモータを引き込む際に安定であって、引き込みまでの時間を短縮することができる。
具体的には、前記PWM制御部は、三角波を前記トルク指令信号でスライスして前記デューティパルス信号を生成するものであり、前記比較基準信号の電圧レベルは、前記三角波の下限レベルよりも低い。
また、具体的には、前記通電制御部は、前記第2の場合には、前記パワ段における前記ハイサイドトランジスタ及びローサイドトランジスタのいずれか一方のみをPWM駆動する片側PWM駆動、あるいは前記パワ段における前記ハイサイドトランジスタ及びローサイドトランジスタの全てをオフにする全相オフ制御を行う。
本発明によると、専用のスタート/ストップ指令端子を持たない仕様であってもフリーラン制御が可能となり、また、設定回転速度にモータを引き込む際に安定であって、引き込みまでの時間を短縮することができる。
図1は、第1及び第2の実施形態に係るモータ駆動装置のブロック図である。 図2は、第1及び第3の実施形態に係るモータ駆動装置における通電制御部の具体的回路図である。 図3は、第1の実施形態に係るモータ駆動装置の同期整流PWM駆動の動作波形図である。 図4は、第1の実施形態に係るモータ駆動装置のフリーラン制御の動作波形図である。 図5は、第1の実施形態に係るモータ駆動装置のブレーキ制御の動作波形図である。 図6は、第1の実施形態に係るモータ駆動装置の設定回転速度引き込みの動作波形図である。 図7は、第2及び第4の実施形態に係るモータ駆動装置における通電制御部の具体的回路図である。 図8は、第2の実施形態に係るモータ駆動装置のフリーラン制御の動作波形図である。 図9は、第3及び第4の実施形態に係るモータ駆動装置のブロック図である。 図10は、第3及び第4の実施形態に係るモータ駆動装置におけるデューティ検知部の具体的回路図である。 図11は、第3の実施形態に係るモータ駆動装置のフリーラン制御の動作波形図である。 図12は、第4の実施形態に係るモータ駆動装置のフリーラン制御の動作波形図である。 図13は、従来のモータ駆動装置の同期整流PWM駆動の動作波形図である。 図14は、従来のモータ駆動装置の設定回転速度引き込みの動作波形図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、実施形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係るモータ駆動装置について、以下に説明する。図1は、第1の実施形態に係るモータ駆動装置の全体構成例を示すブロック図である。駆動対象であるモータは、ロータマグネット100と駆動コイルLi(iは1から3までの各整数)で構成される。駆動コイルL1,L2,L3の一端は共通接続される。パワ段10は、電源電圧VCCとグランドとの間に直列接続されたハイサイドトランジスタMHi及びローサイドトランジスタMLiならびにこれらトランジスタにそれぞれ並列接続されたフライホイールダイオードDHi,DLiからなるハーフブリッジが3個並列接続されてなる。ハイサイドトランジスタMHiとローサイドトランジスタMLiとの接続点OUTiに駆動コイルLiの他端が接続される。
トランジスタMHi,MLiは、通電制御部20から出力される駆動信号GHi,GLiの論理レベルに応じて、それぞれスイッチング動作を行い、駆動コイルLiに通電を行うことにより、モータを駆動する駆動電力を生成する。トランジスタMHi,MLiは、GHi,GLiの論理レベルがハイレベルのときオン状態となり、GHi,GLiの論理レベルがローレベルのときオフ状態となる。トランジスタMHi,MLiとして、MOSトランジスタ、バイポーラトランジスタ、IGBT等が使用できる。本実施形態ではNchMOSトランジスタが使用されている。
通電相切換部30は、ロータマグネット100と駆動コイルLiの位置関係、すなわち、モータのロータ位置を検出し、その検出結果である通電相切換信号HAiを生成し、通電制御部20へ出力する。ロータ位置の検出には、図示しないホール素子等の位置検出素子や、駆動コイルLiの逆起電圧をモニタするセンサレス手段等が使用可能である。HAiは、それぞれ三相のロータ位置に対応し、互いに120°ずつ角度のずれた信号となる。このHAiに基づいて、通電制御部20は、駆動コイルLiの通電相を切り換える。
トルク指令信号VSPは、モータの回転トルクを指定する為に与えられる。VSPの電圧レベルが高い程、モータは高トルクに設定され、低い程、モータは低トルクに設定される。本実施形態に係るモータ駆動装置は、専用のスタート/ストップ指令端子を持たず、VSPのレベル制御にて、スタート/ストップ制御させるものとする。具体的手段としては、VSPのレベルを、モータに回転トルクが発生するレベルまで増加させればスタート指令、モータに回転トルクが発生しないレベルまで低下させればストップ指令と設定される。なお、VSPは、直接的に電圧レベルが印加され制御される構成であってもよいし、加速指令及び減速指令のパルス信号を容量に積分するような、間接的に電圧レベルが制御される構成(図示せず)であってもよい。
PWM制御部40は、VSPの電圧レベルに応じたデューティ比のデューティパルス信号DUを生成し、通電制御部20へ出力する。DUのオンデューティは、VSPの電圧レベルが高い程長く設定され、低い程短く設定されるものとする。具体的手段としては、任意の周波数で発振する三角波を用いて、VSPをスライスすることにより、DUを生成する方法が挙げられる。VSPの電圧レベルが、三角波の上限レベルよりも高い場合、DUはハイレベルに固定され、モータ回転トルクは最大となる。逆に、VSPの電圧レベルが、三角波の下限レベルよりも低い場合、DUはローレベルに固定され、モータ回転トルクはゼロトルクとなる。すなわち、VSPの電圧レベルが、モータの回転トルクをゼロトルクに指定する限界レベルは、三角波の下限レベルと等しいレベルである。
比較基準信号生成部50は、任意の電圧レベルの比較基準信号VSPLを生成し、トルク比較部60へ出力する。トルク比較部60は、比較器であり、VSPの電圧レベルとVSPLの電圧レベルを比較し、その比較結果であるトルク検知信号TCOMPを通電制御部20へ出力する。VSPの電圧レベルがVSPLの電圧レベルよりも高い場合は、TCOMPはハイレベルであって、低い場合は、TCOMPはローレベルであるものとする。
ここで、閾値となるVSPLの電圧レベルは、VSPの電圧レベルが、モータの回転トルクをゼロトルクに指定する限界レベルよりも低いレベルに設定されるものとする。すなわち、VSPLの電圧レベルは、三角波の下限レベルよりも低いレベルに設定される。
通電制御部20は、HAiと、DUと、TCOMPとに応じて、ハイサイドトランジスタMHiと、ローサイドトランジスタMLiのオン/オフを制御する為のGHi,GLiを出力する。さらに、通電制御部20は、ハイサイドトランジスタMHiと、ローサイドトランジスタMLiの両方をPWM動作させる同期整流PWM駆動が可能であって、TCOMPにより、同期整流PWM駆動の動作/停止が選択されるものとする。
具体的には、VSPの電圧レベルが、VSPLの電圧レベルよりも高い場合、すなわちTCOMPがハイレベルである場合は同期整流PWM駆動の動作が選択され、低い場合、すなわちTCOMPがローレベルである場合は同期整流PWM駆動の停止が選択される。
本実施形態では、同期整流PWM駆動の停止が選択された場合、ハイサイドトランジスタMHiと、ローサイドトランジスタMLiの片方のみをPWM動作させる片側PWM駆動に設定されるものとする。
これらの動作を制御する通電制御部20は、例えば図2に示すような具体的回路で構成することができる。なお、図2ではHA1からGH1,GL1を生成する部分しか示していないが、HA2,HA3から、GH2,GL2,GH3,GL3を生成する部分も同様の構成である。
図3を用いて、本実施形態に係るモータ駆動装置の同期整流PWM駆動の動作例を説明する。図3において、VSPの電圧レベルが、VSPLの電圧レベルよりも高い為、TCOMPはハイレベルであり、同期整流PWM駆動の動作が選択されている。また、DUは、三角波を用いて、VSPをスライスすることにより生成されている。
図3の横軸は電気角であり、360°すなわち電気角一周期分の動作を示している。先述の通り、HAiは、互いに120°ずつ角度のずれた信号となる。トランジスタMHi,MLiは、GHi,GLiの論理レベルがハイレベルのときオン状態となり、GHi,GLiの論理レベルがローレベルのときオフ状態となる。
HA1がハイレベルの場合、DUに応じた信号がGH1に出力される。同期整流PWM駆動に設定されている為、GH1がハイレベルの場合、GL1がローレベルに設定され、逆にGH1がローレベルの場合、GL1はハイレベルに設定される。
HA1がローレベルの場合、DUはGH1には出力されず、GH1はローレベルに設定され、GL1はハイレベルに設定される。他相に関しては、HA2とGH2,GL2、HA3とGH3,GL3がそれぞれ対応しており、同様の動作をする。これら一連の動作により、駆動コイルLiに通電を行い、モータを駆動する駆動電力を生成する。
なお、三相変調PWM駆動や二相変調PWM駆動のように、HAiに基づいて細分化されたデューティプロファイルを生成し、GHi,GLiごとに異なるデューティパルス信号を振り分ける方式であってもよく、その構成に制約は無い。
以上のように構成された本実施形態に係るモータ駆動装置において、図4を用いて、フリーラン制御における動作例を説明する。図4は、図3の動作における任意の時点(A時点)に、VSPの電圧レベルをVSPLの電圧レベルよりも低下させることにより、ストップ指令が与えられたものとする。
A時点において、VSPの電圧レベルが、三角波の下限レベルよりも低下すると、DUがローレベルに固定される。さらに、VSPの電圧レベルが、VSPLの電圧レベルよりも低下すると、TCOMPがローレベルに設定される。
以下に、A時点以後のGH1,GL1の動作について説明する。HA1がハイレベルの場合、DUに応じたローレベル信号が、GH1に出力される。TCOMPはローレベルであり、片側PWM駆動に設定されている為、GH1がローレベルであっても、GL1がローレベルに設定される。
HA1がローレベルの場合、DUはGH1には出力されず、GH1はローレベルに設定され、GL1はハイレベルに設定される。他相に関しては、HA2とGH2,GL2、HA3)とGH3,GL3がそれぞれ対応しており、同様の動作をする。
A時点以後の、上記動作を要約すると、ハイサイドトランジスタMHiはオフ固定となり、ローサイドトランジスタMLiはHAiに応じてオン/オフ制御される。ローサイドトランジスタMLiは、HAiに応じて、モータに回転トルクを発生させるべきタイミングのみオンとなり、モータの逆起電圧によりブレーキ電流が発生するタイミングはオフとなる。この結果、モータ回転速度を急峻に低下させるブレーキ電流は発生せず、モータの惰性回転速度を緩やかに低下させるフリーラン制御が可能となる。
なお、モータの惰性回転速度が十分低下した後は、片側PWM駆動を解除し、再度同期整流PWM駆動に設定されてもよいし、ハイサイドトランジスタMHiとローサイドトランジスタMLiの全てをオフさせる全相オフ制御に設定されてもよい。言い換えれば、モータの惰性回転中における所定時間の間のみ片側PWM駆動に設定すれば、フリーラン制御は実現できる。
次に、図5を用いて、ブレーキ制御における動作例を説明する。図5は、図3の動作における任意の時点(B時点)に、VSPの電圧レベルを、三角波下限レベルよりも低く、且つVSPLの電圧レベルよりも高く設定することにより、ストップ指令が与えられたものとする。
B時点において、VSPの電圧レベルが、三角波の下限レベルよりも低下すると、DUがローレベルに固定される。ここで、VSPの電圧レベルが、VSPLの電圧レベルよりも高い為、TCOMPはハイレベルを継続する。
以下に、B時点以後のGH1,GL1の動作について説明する。HA1がハイレベルの場合、DUに応じたローレベル信号が、GH1に出力される。TCOMPはハイレベルであり、同期整流PWM駆動に設定されている為、GH1がローレベルの場合は、GL1がハイレベルに設定される。
HA1がローレベルの場合、DUはGH1には出力されず、GH1はローレベルに設定され、GL1はハイレベルに設定される。他相に関しては、HA2とGH2,GL2、HA3とGH3,GL3がそれぞれ対応しており、同様の動作をする。
B時点以後の、上記動作を要約すると、ハイサイドトランジスタMHiはオフ固定となり、ローサイドトランジスタMLiはオン固定となる為、モータの逆起電圧によりブレーキ電流が発生する。この結果、モータの惰性回転速度を急峻に低下させるブレーキ制御も可能となる。
図3、図4、図5にて説明した内容は、以下三点の制御に集約される。
1.VSPの電圧レベルが、三角波の下限レベルよりも高く設定された場合は、同期整流PWM駆動によるモータ回転制御である。
2.VSPの電圧レベルが、三角波の下限レベルよりも低く、且つVSPLの電圧レベルよりも高い場合は、ブレーキ制御である。
3.VSPの電圧レベルが、VSPLの電圧レベルよりも低い場合は、フリーラン制御である。
本実施形態に係るモータ駆動装置のような、専用のスタート/ストップ指令端子を持たず、VSPのレベル制御にて、スタート/ストップ制御させる仕様であった場合において、上記三点の制御は非常に有効である。つまり、VSPのみ制御すれば、モータ回転制御、ブレーキ制御、フリーラン制御の三状態を制御できる為、様々な仕様のモータ搭載機器に対して、汎用性高く使用できるという効果をもたらす。
次に、図6を用いて、モータの設定回転速度引き込み動作例を説明する。なお、図6において横軸は時間を示す。初期状態で、VSPの電圧レベルは、三角波の下限レベルよりも低く設定され、モータ回転トルクは発生せず、モータは停止しているものとする。
まず、モータを起動させる為、VSPの電圧レベルを増加させることにより、起動指令が与えられる。VSPは、三角波上限レベル以上の最大トルクレベルに設定され、モータ回転トルクが最大トルクレベルまで上昇する。次第にモータ回転速度が上昇し、設定回転速度に到達する。設定回転速度に到達したことを検知し、VSPの電圧レベルを低下させるまで、若干の応答遅延が発生する。この応答遅延中にもモータ回転速度は上昇し続け、一時的に設定回転速度を上回る。そして、上回ったモータ回転速度を低下させる為、減速指令が与えられ、VSPの電圧レベルは低下する。特に設定回転速度が低速である場合、VSPの電圧レベルは、一時的に三角波下限レベル以下のゼロトルクレベルまで低下する。ここで、VSPの電圧レベルは、VSPLの電圧レベルよりも低下したものとする。
図4を用いて説明した動作の通り、この時点において片側PWM駆動に設定される為、モータ回転速度を急峻に低下させるブレーキ電流は発生しない。よって、モータ回転速度は緩やかに低下する。そして、モータ回転速度が設定回転速度まで低下したことを検知し、若干の応答遅延後に、下回ったモータ回転速度を増加させる為、再度加速指令が与えられ、トルク指令信号のレベルは増加する。これら一連の動作を繰り返した後、最終的にモータは設定回転速度への引き込みを完了する。
これら一連の動作中、駆動コイルにブレーキ電流が発生し、モータ回転速度を急峻に低下させてしまうタイミングは、VSPの電圧レベルが、三角波下限レベルよりも低く、且つVSPLよりも高い時間に限定される。あらかじめ、三角波下限レベルと、VSPLの電圧レベルをごく近い値に設定しておけば、この時間を短時間に設定することが可能であり、ブレーキ電流の発生を最小限に抑えることが可能である。
設定回転速度まで上昇させたモータ回転速度を著しく低下させてしまうブレーキ制御の発生が最小限に抑えられる為、モータ回転速度の変動は緩やかである。結果として、モータ回転トルクの急激な変動を抑えることが可能である。すなわち、モータ回転速度及びVSPの、急激な低下及び増加を抑えられる為、安定動作であって、設定回転速度に引き込むまでの時間を短縮することが可能である。
次に、閾値となるVSPLの電圧レベルが、三角波の下限レベルよりも低く設定される理由を、以下に記載する。
モータに回転トルクが発生する場合は、モータを回転させる意思があるとみなし、常に同期整流PWM駆動を可能とし、低損失及び高効率駆動を実現する。モータに回転トルクが発生しない場合は、モータを減速又は停止させる意思があるとみなし、同期整流PWM駆動を停止し、回転速度を緩やかに低下させるフリーラン制御を実現する。すなわち、モータの回転トルクを検知することにより、状態に応じた適切な制御が実現可能である。
以上のように、本実施形態によれば、VSPの電圧レベルを検知し、片側PWM駆動に切り換える制御を有することにより、同期整流PWM駆動のモータ駆動装置において、専用のスタート/ストップ指令端子を持たない仕様であってもフリーラン制御することが可能であり、且つ設定回転速度にモータを引き込む際に安定であって、引き込みまでの時間を短縮することが可能である、という効果を得ることができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係るモータ駆動装置について、以下に説明する。なお、本実施形態に係るモータ駆動装置の全体構成例は、第1の実施形態に係るモータ駆動装置と同様である為、重複する内容については、説明を省略する。第1の実施形態と異なる点は、通電制御部20の内部構成である。
本実施形態に係るモータ駆動装置における通電制御部20では、同期整流PWM駆動の停止が選択された場合、ハイサイドトランジスタMHiと、ローサイドトランジスタMLiの全てをオフさせる全相オフ制御が設定されるものとする。これらの動作を制御する通電制御部20は、例えば図7に示すような具体的回路で構成することができる。なお、図7では、HA1からGH1,GL1を生成する部分しか示していないが、HA2,HA3から、GH2,GL2,GH3,GL3を生成する部分も同様の構成である。
同期整流PWM駆動の動作が選択されている場合は、図3で説明した動作と同様である為、説明を省略する。
以上のように構成された本実施形態に係るモータ駆動装置において、図8を用いて、フリーラン制御における動作例を説明する。図8は、図3の動作における任意の時点(C時点)に、VSPの電圧レベルをVSPLの電圧レベルよりも低下させることにより、ストップ指令が与えられたものとする。
C時点において、VSPの電圧レベルが、三角波の下限レベルよりも低下すると、DUがローレベルに固定される。さらに、VSPの電圧レベルが、VSPLの電圧レベルよりも低下すると、TCOMPがローレベルに設定される。
以下に、C時点以後のGHi,GLiの動作について説明する。TCOMPはローレベルであり、全相オフ制御に設定されている為、GHi,GLiは全てローレベルに設定される。ハイサイドトランジスタMHi及びローサイドトランジスタMLiは全てオフとなる。この結果、モータ回転速度を急峻に低下させるブレーキ電流は発生せず、モータの惰性回転速度を緩やかに低下させるフリーラン制御が可能となる。
なお、モータの惰性回転速度が十分低下した後は、全相オフ制御を解除し、再度同期整流PWM駆動に設定されてもよいし、片側PWM駆動に設定されてもよい。言い換えれば、モータの惰性回転中における所定時間の間のみ全相オフ制御に設定すれば、フリーラン制御は実現できる。
本実施形態に係るモータ駆動装置においては、同期整流PWM駆動の停止が選択された場合、ハイサイドトランジスタMHi及びローサイドトランジスタMLiは全てオフとなり、駆動コイルLiに与える一切の電力供給が遮断される為、より安定なフリーラン制御が可能である。
本実施形態に係るモータ駆動装置が第1の実施形態と異なる点は、同期整流PWM駆動の停止が選択された場合、全相オフ制御になる点のみである。片側PWM駆動であっても、全相オフ制御であっても、モータの惰性回転速度を緩やかに低下させるという点では、同等の効果が得られる。よって、第1の実施形態において説明したその他の効果を、本実施形態においても同様に得る事ができる。
以上のように、本実施形態によれば、VSPの電圧レベルを検知し、全相オフ制御に切換える制御を有することにより、同期整流PWM駆動のモータ駆動装置において、専用のスタート/ストップ指令端子を持たない仕様であってもフリーラン制御することが可能であり、且つ設定回転速度にモータを引き込む際に安定であって、引き込みまでの時間を短縮することが可能である、という効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係るモータ駆動装置について、以下に説明する。図9は、第3の実施形態に係るモータ駆動装置の全体構成例を示すブロック図である。本実施形態に係るモータ駆動装置は、第1及び第2の実施形態に係るモータ駆動装置の比較基準信号生成部50及びトルク比較部60に代えて、デューティ検知部70を設けたものである。それ以外の、重複する内容については、説明を省略する。
デューティ検知部70は、DUのデューティ比が所定値よりも大きいか否かを検知し、その検知結果であるデューティ検知信号TFRQを通電制御部20へ出力する。DUのデューティ比が所定値よりも大きい場合は、TFRQはハイレベルであって、DUのデューティ比が所定値よりも小さい場合は、TFRQはローレベルであるものとする。ここで、所定値は、VSPの電圧レベルが、モータの回転トルクをゼロトルクに指定する限界レベルよりも低いレベルに設定されたときのDUのデューティ比であるものとする。すなわち、TFRQは、DUが少しでもハイレベルとなる場合はハイレベルに設定され、DUが全くハイレベルにならない場合はローレベルに設定される。
これらの動作を制御するデューティ検知部70は、例えば図10に示すような具体的回路で構成することができる。フリップフロップ71,72は、セット端子Sと、信号入力端子Dと、クロック入力端子CKと、出力端子Qを有する。フリップフロップの動作としては、セット端子Sにハイレベルが入力された場合、出力端子Qをハイレベルに固定する。セット端子Sにローレベルが入力された場合、クロック入力端子CKの立ち上がりエッジが入力されたタイミングで、入力端子Dの信号を出力端子Qに通す。クロック入力端子CKの立ち上がりエッジが入力されない場合、入力端子Dの信号は保持される。フリップフロップ71の信号入力端子Dにはローレベル固定信号が入力され、フリップフロップ72の信号入力端子Dにはフリップフロップ71の出力が入力される。フリップフロップ71,72のクロック入力端子CKには任意の周期で発振する基準パルス信号が入力される。ここで、基準パルス信号の発振周期は、三角波の発振周期と同一であるものとする。
デュティ検知部70の動作を以下に説明する。DUがハイレベルを出力した時点で、TFRQがハイレベルに設定される。DUがローレベルに切り換わった後、再度ハイレベルに切り換えられる前に、基準パルス信号の立ち上がりエッジが二回入力されると、TFRQはローレベルに設定される。基準パルス信号の発振周期は、三角波の発振周期と同一である。よって、TFRQをローレベルに設定する為には、三角波の一周期中、DUが全くハイレベルにならない動作が必要となる。デューティ検知部70はこれらの動作により、DUがハイレベルとなる/ならない状態を検知し、TFRQを出力する。
なお、三相変調PWM駆動や二相変調PWM駆動のように、HAiに基づいて細分化されたデューティプロファイルを生成し、GHi,GLiごとに異なるデューティパルス信号を振り分ける方式である場合、デューティプロファイルの中、任意の一状態におけるDUを選択し、そのレベルを検知する方法であってもよい。
本実施形態に係るモータ駆動装置の通電制御部20において、第1及び第2の実施形態と異なる点は、TCOMPがTFRQに置き換わっている点のみである。図2に示される具体的回路例としては、TCOMPがTFRQに置き換わる以外は、同一の構成である。それ以外の、重複する内容については、説明を省略する。
以上のように構成された本実施形態に係るモータ駆動装置において、図11を用いて、フリーラン制御における動作例を説明する。図11は、図4と同様に、任意の時点(D時点)に、VSPの電圧レベルを三角波下限レベルよりも低下させることにより、ストップ指令が与えられたものとする。
D時点において、VSPの電圧レベルが、三角波の下限レベルよりも低下すると、DUがローレベルに固定される。D時点以後、デューティ検知部70の動作により、基準パルス信号の立ち上がりエッジが二回入力されると、TFRQがローレベルに設定される。基準パルス信号の発振周期は、三角波の発振周期と同一である為、D時点から三角波二周期分遅れたE時点で、TFRQがローレベルに設定される。
以下に、D時点からE時点の間におけるGH3,GL3の動作について説明する。HA3がハイレベルの場合、DUに応じたローレベル信号が、GH3に出力される。TFRQはハイレベルであり、同期整流PWM駆動に設定されている為、GL3がハイレベルに設定される。
HA3がローレベルの場合、DUはGH3には出力されず、GH3はローレベルに設定され、GL3はハイレベルに設定される。他相に関しては、HA2とGH2,GL2、HA1と駆動信号GH1,GL1がそれぞれ対応しており、同様の動作をする。
D時点からE時点の間における、上記動作を要約すると、ハイサイドトランジスタMHiはオフ固定となり、ローサイドトランジスタMLiはオン固定となる。E時点以後は、TFRQがローレベルに設定される為、片側PWM駆動に設定される。E時点以後の動作は、図4におけるA時点以後の動作と同様になる為、説明を省略する。
これら一連の動作中、駆動コイルにブレーキ電流が発生し、モータ回転速度を急峻に低下させてしまうタイミングは、ハイサイドトランジスタMHiがオフ固定となり、ローサイドトランジスタMLiがオン固定となるD時点からE時点の間に限定される。D時点からE時点の間の時間は、三角波の周波数に依存する。一般的なモータ駆動装置におけるPWM周波数(三角波周波数)は、数十kHzと比較的高い値である為、D時点からE時点の間はごく短い時間である。よって、ブレーキ制御の発生によるモータ回転速度の急峻な低下は、ほぼ影響無いレベルに抑えられる。この結果、モータ回転速度を急峻に低下させるブレーキ電流の発生は、ほぼ影響無いレベルに抑えられ、モータの惰性回転速度を緩やかに低下させるフリーラン制御が可能となる。
なお、モータの惰性回転速度が十分低下した後は、片側PWM駆動を解除し、再度同期整流PWM駆動に設定されてもよいし、全相オフ制御に設定されてもよい。言い換えれば、モータの惰性回転中における所定時間の間のみ片側PWM駆動に設定すれば、フリーラン制御は実現できる。
モータの設定回転速度引き込み動作としては、図6にて説明した内容と同様の動作となり、同等の効果を得ることができる為、説明を省略する。
次に、TFRQが、DUが少しでもハイレベルとなる場合はハイレベルに設定され、DUが全くハイレベルとならない場合はローレベルに設定される理由を以下に記載する。
第1の実施形態と同様に、モータに回転トルクが発生する場合は、モータを回転させる意思があるとみなし、常に同期整流PWM駆動を可能とし、低損失及び高効率駆動を実現する。モータに回転トルクが発生しない場合は、モータを減速又は停止させる意思があるとみなし、同期整流PWM駆動を停止し、回転速度を緩やかに低下させるフリーラン制御を実現する。すなわち、モータの回転トルクを検知することにより、状態に応じた適切な制御が実現可能である。
以上のように、本実施形態によれば、DUのデューティ比を検知し、片側PWM駆動に切換える制御を有することにより、同期整流PWM駆動のモータ駆動装置において、専用のスタート/ストップ指令端子を持たない仕様であってもフリーラン制御することが可能であり、且つ設定回転速度にモータを引き込む際に安定であって、引き込みまでの時間を短縮することが可能である、という効果を得ることができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態に係るモータ駆動装置について以下に説明する。なお、本実施形態に係るモータ駆動装置の全体構成例は、第3の実施形態に係るモータ駆動装置と同様である為、重複する内容については、説明を省略する。第3の実施形態と異なる点は、通電制御部20の内部構成である。
本実施形態に係るモータ駆動装置における通電制御部20では、同期整流PWM駆動の停止が選択された場合、全相オフ制御が設定されるものとする。図7に示される具体的回路例としては、TCOMPがTFRQに置き換わる点以外は、同一の構成である。それ以外の、重複する内容については、説明を省略する。
以上のように構成された本実施形態に係るモータ駆動装置において、図12を用いて、フリーラン制御における動作を説明する。図12は、図11と同様に、任意の時点(F時点)に、VSPの電圧レベルを三角波下限レベルよりも低下させることにより、ストップ指令が与えられたものとする。
G地点までの動作に関しては、図11におけるE地点までの動作と同様である為、説明を省略する。G時点以後は、TFRQがローレベルに設定される為、全相オフ制御に設定される。G時点以後の動作は、図8におけるC時点以後の動作と同様になる為、説明を省略する。この結果、モータ回転速度を急峻に低下させるブレーキ電流の発生は、ほぼ影響無いレベルに抑えられ、モータの惰性回転速度を緩やかに低下させるフリーラン制御が可能となる。
なお、モータの惰性回転速度が十分低下した後は、全相オフ制御を解除し、再度同期整流PWM駆動に設定されてもよいし、片側PWM駆動に設定されてもよい。言い換えれば、モータの惰性回転中における所定時間の間のみ全相オフ制御に設定すれば、フリーラン制御は実現できる。
本実施形態に係るモータ駆動装置においては、同期整流PWM駆動の停止が選択された場合、ハイサイドトランジスタMHi及びローサイドトランジスタMLiは全てオフとなり、駆動コイルLiに与える一切の電力供給が遮断される為、より安定なフリーラン制御が可能である。
本実施形態に係るモータ駆動装置が第3の実施形態と異なる点は、同期整流PWM駆動の停止が選択された場合、全相オフ制御になる点のみである。片側PWM駆動であっても、全相オフ制御であっても、モータの惰性回転速度を緩やかに低下させるという点では、同等の効果が得られる。よって、第3の実施形態において説明したその他の効果を、本実施形態においても同様に得ることができる。
以上のように、本実施形態によれば、DUのデューティ比を検知し、全相オフ制御に切換える制御を有することにより、同期整流PWM駆動のモータ駆動装置において、専用のスタート/ストップ指令端子を持たない仕様であってもフリーラン制御することが可能であり、且つ設定回転速度にモータを引き込む際に安定であって、引き込みまでの時間を短縮することが可能である、という効果を得ることができる。
なお、本発明は、以上の実施形態に限定されることはなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
本発明に係るモータ駆動装置は、専用のスタート/ストップ指令端子を持たない仕様であってもフリーラン制御することが可能であり、且つ設定回転速度にモータを引き込む際に安定であって、引き込みまでの時間を短縮することが可能である為、同期整流PWM駆動方式のモータ駆動装置等として有用である。
10 パワ段
20 通電制御部
30 通電相切換部
40 PWM制御部
60 トルク比較部
50 比較基準信号生成部
70 デューティ検知部
MH1,MH2,MH3 ハイサイドトランジスタ
ML1,ML2,ML3 ローサイドトランジスタ
DH1,DH2,DH3,DL1,DL2,DL3 フライホイールダイオード

Claims (5)

  1. モータのロータ位置に基づいて通電相を切り替える通電相切換部と、
    電源電圧とグランドとの間に直列接続されたハイサイドトランジスタ及びローサイドトランジスタならびにこれらトランジスタにそれぞれ並列接続されたフライホイールダイオードからなるハーフブリッジが複数個並列接続されてなるパワ段と、
    トルク指令信号に応じたデューティ比のデューティパルス信号を生成するPWM制御部と、
    前記トルク指令信号と比較基準信号との電圧レベルを比較するトルク比較部と、
    前記比較基準信号を生成する比較基準信号生成部と、
    前記通電相切換部及びPWM制御部の各出力に従って前記パワ段における前記各トランジスタをPWM駆動する通電制御部であって、前記トルク比較部の出力を受け、前記トルク指令信号の電圧レベルが前記比較基準信号の電圧レベルよりも高い第1の場合には前記パワ段を同期整流PWM駆動し、前記トルク指令信号の電圧レベルが前記比較基準信号の電圧レベルよりも低い第2の場合には同期整流PWM駆動以外で前記パワ段を駆動する通電制御部とを備えている
    ことを特徴とするモータ駆動装置。
  2. 請求項1のモータ駆動装置において、
    前記PWM制御部は、三角波を前記トルク指令信号でスライスして前記デューティパルス信号を生成するものであり、
    前記比較基準信号の電圧レベルは、前記三角波の下限レベルよりも低い
    ことを特徴とするモータ駆動装置。
  3. モータのロータ位置に基づいて通電相を切り替える通電相切換部と、
    電源電圧とグランドとの間に直列接続されたハイサイドトランジスタ及びローサイドトランジスタならびにこれらトランジスタにそれぞれ並列接続されたフライホイールダイオードからなるハーフブリッジが複数個並列接続されてなるパワ段と、
    トルク指令信号に応じたデューティ比のデューティパルス信号を生成するPWM制御部と、
    前記デューティパルス信号のデューティ比が所定値よりも大きいか否かを検知するデューティ検知部と、
    前記通電相切換部及びPWM制御部の各出力に従って前記パワ段における前記各トランジスタをPWM駆動する通電制御部であって、前記デューティ検知部の出力を受け、前記デューティパルス信号のデューティ比が前記所定値よりも大きい第1の場合には前記パワ段を同期整流PWM駆動し、前記デューティパルス信号のデューティ比が前記所定値よりも小さい第2の場合には同期整流PWM駆動以外で前記パワ段を駆動する通電制御部とを備えている
    ことを特徴とするモータ駆動装置。
  4. 請求項1及び3のいずれか一つのモータ駆動装置において、
    前記通電制御部は、前記第2の場合には、前記パワ段における前記ハイサイドトランジスタ及びローサイドトランジスタのいずれか一方のみをPWM駆動する片側PWM駆動を行う
    ことを特徴とするモータ駆動装置。
  5. 請求項1及び3のいずれか一つのモータ駆動装置において、
    前記通電制御部は、前記第2の場合には、前記パワ段における前記ハイサイドトランジスタ及びローサイドトランジスタの全てをオフにする全相オフ制御を行う
    ことを特徴とするモータ駆動装置。
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